JP3747193B2 - 多重ガーゼ織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガーゼ地が重なるように織成された多重ガーゼ織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然植物繊維の経糸と緯糸を粗く織った薄手のガーゼ地は、柔らかくて吸湿性に優れることから衛生材料や肌着などに使用されている。また、複数枚のガーゼ地を重ねた多重構造のガーゼ織物は、タオル地だけのタオル織物や、タオル地とガーゼ地を重ねた二重タオル織物よりも嵩張らず、吸湿性や手触りと風合いに優れることから、汗拭き用タオルやハンカチ(ミニハンカチ)、ベビー用品などに賞用されている。
【0003】
タオル地とガーゼ地を重ねた二重タオル織物や、薄手のガーゼ地を2枚、3枚と重ねて部分的に縫合した多重ガーゼ織物の多くは、織物の商品価値を高めるためにプリント柄を形成したり、ガーゼ地の経糸と緯糸に色糸を使用して柄を織成している(例えば、特許文献1)。
【0004】
なお、上記特許文献1は二重タオル織物に関するもので、タオル地とガーゼ地を同時に織成するときに、ガーゼ地にガーゼ地用経糸と緯糸で格子柄(チェック柄)を織成する内容が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−350300号公報(第0003段、図5、図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
複数のガーゼ地を重ねて部分的に縫合した多重ガーゼ織物は、ガーゼ地同士を重ねて部分的に縫合しているため、多数の縫合箇所がガーゼ地特有の柔らかさ、手触りと風合いのよさを損なう。また、複数枚のガーゼ地同士を皺を作らず高品質に縫合することが難しく、縫合時にできる皺が多重ガーゼ織物の品質を低下させることがある。さらに、多重ガーゼ織物にプリントする柄(紋様)は様々な形状、色彩のものが任意に選択できるが、経糸と緯糸を粗く織ったガーゼ地のプリント柄は目が粗くて意匠性に欠ける。また、多重ガーゼ織物にプリント柄を形成するためのプリント工程やプリント設備が必要で、多重ガーゼ織物の生産性改善や設備費低減を難しくしていた。
【0007】
また、上記二重タオル織物の場合、タオル地とガーゼ地の織成時に同時進行させてガーゼ地に柄を織成できるため、柄出しのための特別な工程や設備が不要になる有利さがある。しかし、ガーゼ地に嵩張るタオル地を重ねるため、ガーゼ地より厚くて密に織ったタオル地が、薄く粗く織ったガーゼ地の吸湿性、風合いのよさを損うことがある。また、タオル地とガーゼ地の二重タオル織物は、使用者にタオル地が表面側でガーゼ地が裏面側として認識されることが通常で、柄有りガーゼ地の格子柄などがあまり目立たず、ガーゼ地の柄で商品の付加価値を上げることが難しい。
【0008】
なお、特許文献1の二重タオル織物は、ガーゼ地の柄が単純で高級感がないという理由で、ガーゼ地とタオル地を部分的に相手側に浮沈させて多彩な紋様をジャガード織で織成したものであるが、このようなタオル織物は織成が複雑で高級、高価な織物となる。
【0009】
本発明の目的は、ガーゼ地特有の柔らかい、手触りと風合いがよい、吸湿性に優れるといった特長を明確にした、しかも、高品質な柄出しを容易にした多重ガーゼ織物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的を達成する技術的手段は、ガーゼ地用緯糸及びガーゼ地用経糸の平織組織で形成された面組織が複数層に積層されてなる多重ガーゼ織物であって、各面組織における複数の緯糸を、この緯糸の在る面組織と異なる他の面組織に浮沈させることなく一面状に配列すると共に、各面組織における複数の経糸を、この経糸の在る面組織と異なる他の一面の面組織に対して複数箇所で浮沈させることにより、この他の一面の面組織の緯糸に織り込んで結合させ、複数の面組織の少なくとも一面の面組織が、複数組の色の緯糸と経糸で柄を織成した柄有り面組織であることを特徴とする。
【0011】
ここで、複数の面組織の各々は薄手のガーゼ地組織で、この複数の各ガーゼ地組織の緯糸がガーゼ地間で浮沈すること無く存在して、各ガーゼ地の経糸だけがガーゼ地間を浮沈して1枚の多重ガーゼ織物が織成される。ガーゼ地で構成される面組織の数は六〜八面程度までが実用範囲で、八面を超えると嵩張ってガーゼ地特有の柔らかさや風合いのよさが損なわれる。
【0012】
また、本発明においては、各面組織の経糸の各面組織間の浮沈を、互いに直接に重なる二面の面組織の間だけで行うことことができる。或いは、各面組織の経糸の異なる面組織への浮沈を、一面越しや二面越しなどと一部の面組織を通り越して行うようにしてもよい。この経糸の面組織間の浮沈を、直接に重なる二面の面組織間で行うようにした場合は、経糸の1回の浮沈距離を短くすることができて、経糸と緯糸の織成が簡単になる。
【0013】
また、本発明においては、全ての面組織における複数の緯糸に上下から2本一組の経糸を交錯させて平織りすることができる。つまり、各面組織の緯糸は他の面組織に浮沈せずに一面を組成し、この緯糸に上下から2本一組の経糸を交錯させることで、各面組織のガーゼ地が乱れることなく良好に織成される。また、緯糸に上下から交錯する2本の経糸のそれぞれを他の面組織の緯糸に織り込ませるようにして、重なる面組織同士の結合をより良好なものにする。
【0014】
また、本発明においては、複数の面組織の内の少なくとも一面の面組織を、複数組の色の緯糸と経糸で柄を形成した柄有り面組織とすることができる。
【0015】
さらに、この柄有り面組織に直接に重なる他の一面の面組織も同じ柄を織成した柄有り面組織にして、この互いに重なる二面の柄有り面組織の柄同士を合致させることができる。このように二面の柄有り面組織の柄を合致させることで、多重ガーゼ織物としての柄が鮮明にして立体的に見えるようになる。また、互いに重なる二面の柄有り面組織に、さらに、別の一面又は数面の柄有り面組織を重ねて、三面以上連続して重なる複数面の各柄有り面組織の柄を合致させるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明においては、柄有り面組織の柄が縞柄か格子柄、或いは、縞柄と格子柄を組み合わせたものが、ガーゼ地の意匠性を高め、ガーゼ織物の織成を容易にする上で望ましい。
【0017】
また、柄有り面組織は、複数の面組織の全てとすることができる。或いは、複数の面組織のうちの一面又は数面が柄有り面組織で、他の残りが柄無し面組織とすることができる。さらに、複数全ての面組織を柄無し面組織にしてもよい。このような柄無し面組織は、経糸と緯糸が同色の無地の面組織が望ましい。
【0018】
なお、複数の面組織が柄有り面組織と柄無し面組織を含む場合、柄無し面組織は柄有り面組織の柄の意匠性を高める無地のものが望ましい。また、全ての面組織を柄有り面組織とした場合、各面組織の柄の形状、色彩を相違させ、薄手のガーゼ地が透けることを利用して、複数種類の柄が重なった状態で立体的に透けて見えるようにすることができる。このようにすることで、今までに無い多様で多彩な柄出しができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。同図に示される多重ガーゼ織物1は、ハンカチ(ミニハンカチ)に適用したものである。図1は多重ガーゼ織物1を例えば表面Mから見た平面図であり、図2は裏面Nから見た裏面図である。多重ガーゼ織物1の表面Mには、鮮明な格子状の柄2が有り、裏面Nには表面側の柄2が透けて見える格子状の透かし柄2’が現れる。
【0020】
多重ガーゼ織物1の部分的な緯断面の概要を示す図3から分かるように、多重ガーゼ織物1は平行な四面の面組織S1〜S4を有する四重ガーゼ織物である。以下、多重ガーゼ織物1を必要に応じて四重ガーゼ織物1と称する。
【0021】
四面の各面組織S1〜S4は、ガーゼ地用緯糸3a〜3dとガーゼ地用経糸4a〜4dを基本的に平織りした平行なガーゼ地である。ここで、図3で最上層の面組織S1を第1面組織S1とし、最上層から二層目の面組織S2を第2面組織S2、最上層から三層目の面組織S3を第3面組織S3、最上層から四層目(図3で最下層)の面組織S4を第4面組織S4とすると、第1面組織S1が四重ガーゼ織物1の表面Mを成し、第4面組織S4が裏面Nを成す。
【0022】
四面全ての面組織S1〜S4の緯糸3a〜3dの各々は、自身の在る一面組織だけに複数本が平行にして一面状に配列される。一面組織における複数本の緯糸に、2本一組の経糸が上下に交錯して平織りで織り込まれる。例えば、第1面組織S1の緯糸3aには2本一組の経糸4a’、4a”が上下から交錯して平織りされる。同じように、第2面組織S2の緯糸3bには2本一組の経糸4b’、4b”が上下から交錯して平織りされ、第3面組織S3の緯糸3cには2本一組の経糸4c’、4c”が上下から交錯して平織りされ、第4面組織S4の緯糸3dには2本一組の経糸4d’、4d”が上下から交錯して平織りされる。
【0023】
そして、四面の各面組織S1〜S4の経糸4a〜4dの離隔した複数箇所が、各経糸4a〜4dの在る一面組織と異なる面組織の緯糸に織り込まれて、四面の面組織S1〜S4が相互に結合される。この面組織同士の結合は、四面の面組織S1〜S4を織機で織成する際に行われ、また、面組織同士の結合箇所は平均的に分散した多数点に設定される。
【0024】
例えば、第1面組織S1の緯糸3aに上下から交錯する2本一組の経糸4a’、4a”は、図3で左端から2本連続する緯糸3aに交錯してから、一方の経糸4a’が第2面組織S2の1本の緯糸3bに織り込まれて、再び第1面組織S1の緯糸3aに交錯し、さらに、この経糸4a’は第1面組織S1の緯糸3aを11本連続して交錯してから再び第2面組織S2の緯糸3bに交錯する。なお、2本一組の経糸4a’、4a”は同じ色の糸であり、一方の経糸4a’に代えて他方の経糸4a”を第2面組織S2の緯糸3bに織り込むようにしてもよいし、両方の経糸4a’、4a”の互いに離隔した複数箇所を第2面組織S2の緯糸3bに織り込むようにしてもよい。
【0025】
また、図3において、第2面組織S2の緯糸3bに上下から交錯する2本一組の経糸4b’、4b”の内の一方の経糸4b’は、第3面組織S3の図3で左端の1本の緯糸3cから第2面組織S2の緯糸3bへと交錯を始め、第2面組織S2の11本連続した緯糸3bと交錯してから再び第3面組織S3の1本の緯糸3cに織り込まれる。他方の経糸4b”は、図3で左端から9本連続する緯糸3bに交錯してから、第1面組織S1の1本の緯糸3aに織り込まれて、再び第2面組織S2の緯糸3bに交錯する。この経糸4b”は、第1面組織S1における図3で右端から4本目の緯糸3aにも織り込まれる。
【0026】
また、第3面組織S3の緯糸3cに上下から交錯する2本一組の経糸4c’、4c”の内の一方の経糸4c’は、第3面組織S3の図3で左端から4本連続する緯糸3cに交錯してから、第2面組織S2の1本の緯糸3bに織り込まれて、再び第3面組織S3の緯糸3cに交錯し、さらに、4本連続する緯糸3cを交錯してから第4面組織S4の1本の緯糸4dに織り込まれて第3面組織S3に戻る。この経糸4c’は、第4面組織S4の図3で右端から3本目の緯糸3dにも織り込まれる。他方の経糸4c”は、図3においては第3面組織S3の緯糸3cだけに交錯させているが、この経糸4c”も第3面組織S3と第4面組織の一方或いは両方の緯糸に織り込むようにしてよい。
【0027】
最下層の第4面組織S4の緯糸3dに上下から交錯する2本一組の経糸4d’、4d”は、 図3で左端の6本連続する緯糸3dに交錯してから、一方の経糸4d’が第3面組織S3の1本の緯糸3bに織り込まれて、再び第4面組織S4の緯糸3dに交錯する。この経糸4d’は、第3面組織S3の図3で右端から6本目の緯糸3cにも織り込まれる。なお、図3には示していないが、他方の経糸4d”を第3面組織S3の緯糸3cに織り込むようにしてもよいし、両方の経糸4d’、4d”の互いに離隔した複数箇所を第3面組織S3の緯糸3cに織り込むようにしてもよい。
【0028】
また、図示しないが第1面組織の経糸を、第2面組織を通り越して第3面組織の緯糸に織り込んでから第1面組織に戻すことや、第2面組織と第3面組織の二面を通り越して第4面組織の緯糸に織り込んでから第1面組織に戻すといった経糸の各面組織間の浮沈も可能である。さらに、図3では、各面組織の経糸を異なる面組織の1本の緯糸に織り込むようにしているが、異なる面組織の2本〜数本の連続する緯糸に織り込むようにしてもよい。
【0029】
以上のように四面の各面組織S1〜S4を部分的に経糸4a〜4dで結合しながら、1枚の四重ガーゼ織物1を織成する。各面組織S1〜S4を相互に結合しながら1枚の織物に織成されるガーゼ織物1は、ガーゼ地仕様の各面組織S1〜S4に皺が発生せずに、常に高品質で生産性良く製織できる。また、四面の各面組織S1〜S4の部分的に結合される箇所を、平均した距離で分散する多数箇所に設定することで、各面組織S1〜S4におけるガーゼ地特有の柔らかさ、手触りと風合い、吸湿性が損なわれること無く残り、4枚のガーゼ地を重ねることにより手触りと風合、吸湿性が倍増した四重ガーゼ織物1が織成される。このような四重ガーゼ織物1は、裁断時などの必要時にどの箇所を鋏で切断しても、切断された箇所の近くに経糸と緯糸の結合箇所が存在して、四面の面組織S1〜S2が解れ難くなっており、織物の裁断が容易になる。
【0030】
次に、図1及び図2に示す四重ガーゼ織物1の表裏両面の柄2、2’について説明する。四面の面組織S1〜S4の内の、例えば第1面組織S1と第2面組織S2が柄有り面組織であり、残りの第3面組織S3と第4面組織S4が柄無しの無地の面組織である。
【0031】
一方の第1面組織S1は、複数組の色糸の緯糸3aと同じく複数組の色糸の経糸4aとを縦横に織り込んで、色分けした格子状の柄2を織成している。図4の組織図s1は、第1面組織S1の柄2が交差する部分の組織図で、この組織図s1における黒丸の3a−1が例えば黒糸の緯糸であり、白丸の3a−2が黒糸を目立たせる色、例えば肌色の緯糸である。多数の黒丸の緯糸3a−1が連続的に横方向に並ぶことで横縞柄が形成される。また、組織図s1における空白の4a−2が肌色の経糸であり、×印の4a−1が黒糸の経糸である。多数の×印の経糸4a−1が縦方向に連続的に並ぶことで縦縞柄が形成される。この縦縞柄と横縞柄が交差して格子柄2が形成される。縦縞柄と横縞柄が交差する部分は、黒糸が縦横に交差するため最も黒い柄として現れる。
【0032】
他方の柄有り第2面組織S2は、第1面組織S1の柄2と形状、色彩が同一の柄2を有する。そして、この二面の柄有り面組織S1、S2は両者の柄2、2が合致するように織成される。図4に示される組織図s2は、第1面組織S1の組織図s1のところに重ねられる第2面組織S2の一部分の組織図である。この組織図s2における黒丸の3b−1が黒糸の緯糸であり、白丸の3b−2が肌色の緯糸であり、空白の4b−2が肌色の経糸であり、×印の4b−1が黒糸の経糸である。この図4の2つ並ぶ両組織図s1、s2から、第1面組織S1と第2面組織S2の柄2、2が同一で、互いに合致することが分かる。
【0033】
また、柄無しの無地の第3面組織S3と第4面組織S4は、図4の組織図s3、s4で分かるように、例えば肌色の緯糸3c、3dと経糸4c、4dで織成される。この肌色無地の面組織S3、S4は、第1面組織S1と第2面組織S2の柄2、2以外の柄周辺部分と同色で、柄2、2を引き立たせる。
【0034】
四重ガーゼ織物1の表面Mに第1面組織S1の柄2が現れ、その真下に第2面組織S2の柄2が合致して重なり、この合致する2つの柄2、2の真下に無地の面組織S3、S4が延在する。合致する2つの柄2、2は互いに相手の柄を鮮明なものにし、かつ、上下で重なることで見た目に立体感を与える。また、ガーゼ地が目の粗い織り方されていても、ガーゼ地を4枚重ねて、2枚の柄を同一にして合致させるようにすると、柄が粗くなく緻密に見え、鮮明に見えるようになる。
【0035】
四重ガーゼ織物1の裏面Nには、第2面組織S2と第1面組織S1の重なった柄2、2が無地の第4面組織S4と第3面組織S3を通すことで薄い透かし柄2’として見える。このような透かし柄2’は、透かしゆえの柔らかい、暖かい印象を見る人に与える。また、四重ガーゼ織物1の表面Mが鮮明な柄2であり、裏面Nが透かし柄2’であることから、織物の裏・表が柄によって決めることができる。
【0036】
なお、図示しないが四重ガーゼ織物1の第2面組織S2と第3面組織S3を柄有り面組織とし、表裏面を形成する第1面組織1と第4面組織S4を柄無しの無地の面組織としてもよい。この場合、第2面組織S2と第3面組織S3の柄が無地の面組織を通した透かし柄として見える。また、織物の表裏面に同じ透かし柄が見えることで、柄による裏・表が決まらず、裏・表のない織物が得られる。
【0037】
また、図示しないが四重ガーゼ織物1の第1面組織S1と第2面組織S2を縦ストライプの同一の縦縞柄の柄有り面組織にし、第3面組織S3と第4面組織S4を横ストライプの同一のを横縞柄の柄有り面組織にしてもよい。この場合、表裏面が共に同じような縞柄となって、裏・表のない織物となる。また、表裏面の縦縞柄と横縞柄の目を粗くすると、縦縞柄の中に裏側の横縞柄が透けて見え、同様に、横縞柄の中に裏側の縦縞柄が透けて見えて、ガーゼ織物1の表裏面の縞柄が実際には立体感のある格子柄に見えるようになる。
【0038】
また、四重ガーゼ織物1のサイズ、形状は任意であり、経緯糸の太さを変えることも任意であることから、四重ガーゼ織物1はハンカチ以外にカーテンや暖簾、ベビー用品、肌着などの用途も可能であり、このような別用途においてもガーゼ地特有の柔らかさ、手触りと風合い、吸湿性のよさが損なわれず、また、意匠性のよい柄織成できて、各用途に好適なものが提供できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のガーゼ地仕様の面組織が重なり、面組織間で経糸だけを隣接する他の面組織の緯糸に織り込んで1枚の多重ガーゼ織物を織成した構造としたので、複数の面組織の各々がガーゼ地特有の柔らかさ、手触りと風合い、吸湿性を損なうことなく織成され、かつ、複数のガーゼ地を重ねることで程よい厚みが出てガーゼ地の手触り、風合い、吸湿性が助長されて、ハンカチやタオル、肌着などに好適な多重ガーゼ織物が提供できる。また、複数の面組織を織成するときに同時進行的に各面組織を経糸で結合するようにしたので、既存の一般的な織機を使って織成できると共に、従来のように複数のガーゼ地を織成してから重ねて縫合するといった面倒な工程が省けて、生産性に優れた多重ガーゼ織物が提供できる。
【0040】
また、複数の各面組織における複数の緯糸に上下から交錯する2本一組の経糸を使い分けて異なる面組織の緯糸に織り込ませることで、面組織間の部分的な結合の形態がより多様に設計できて、面組織同士の結合をより良好なものにすることが可能になる。
【0041】
また、各面組織を経糸と緯糸を平織りしたガーゼ地にして、少なくとも一面の面組織を色糸の経糸と緯糸で縞柄や格子柄の柄を形成した柄有り面組織とすることで、今までにない商品価値の高い柄有り多重ガーゼ織物が生産性よく製造できる。また、複数の面組織の全て、或いは、一部を柄有り面組織とすることで、透かし柄などの多様で多彩、かつ、立体的な柄が任意に選択できる効果がある。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多重ガーゼ織物の実施の形態を示す織物表面からの平面図である。
【図2】図1の多重ガーゼ織物の裏面図である。
【図3】図1の多重ガーゼ織物の部分的な緯断面図である。
【図4】図3の多重ガーゼ織物の四面の各面組織の部分的な組織図である。
【符号の説明】
1 ガーゼ織物
2 柄
2’ 透かし柄
3a〜3d 緯糸
3a−1 緯糸(柄出し糸)
3a−2 緯糸(無地糸)
4a〜4d 経糸
4a’〜4d’ 経糸
4a”〜4d” 経糸
4a−1 経糸(柄出し糸)
4a−2 経糸(無地糸)
S1〜S4 面組織
S1、S2 柄有り面組織
S3、34 柄無し面組織
Claims (6)
- ガーゼ地用緯糸及びガーゼ地用経糸の平織組織で形成された面組織が複数層に積層されてなる多重ガーゼ織物であって、
各面組織における複数の緯糸を、この緯糸の在る面組織と異なる他の面組織に浮沈させることなく一面状に配列すると共に、
各面組織における複数の経糸を、この経糸の在る面組織と異なる他の一面の面組織に対して複数箇所で浮沈させることにより、この他の一面の面組織の緯糸に織り込んで結合させ、
前記複数の面組織の少なくとも一面の面組織が、複数組の色の緯糸と経糸で柄を織成した柄有り面組織であることを特徴とする多重ガーゼ織物。 - 前記各面組織における複数の経糸を、この経糸の在る一面の面組織に直接に重なる他の一面の面組織の緯糸に織り込んで結合させたことを特徴とする請求項1記載の多重ガーゼ織物。
- 前記面組織における複数の緯糸に上下から2本一組の経糸を交錯させて平織りしたことを特徴とする請求項1又は2記載の多重ガーゼ織物。
- 前記柄有り面組織に直接に重なる他の一面の面組織が、複数組の色の緯糸と経糸で柄を織成した柄有り面組織であり、かつ、この互いに重なる二面の柄有り面組織の柄が形状、色彩共に同一で、二面の柄有り面組織の重なりで柄同士を合致させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多重ガーゼ織物。
- 前記柄有り面組織が縞柄及び/又は格子柄の柄有り面組織であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多重ガーゼ織物。
- 前記複数の面組織が、柄有り面組織と無地の柄無し面組織を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多重ガーゼ織物。
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