JP3744036B2 - ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 - Google Patents
ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3744036B2 JP3744036B2 JP28360195A JP28360195A JP3744036B2 JP 3744036 B2 JP3744036 B2 JP 3744036B2 JP 28360195 A JP28360195 A JP 28360195A JP 28360195 A JP28360195 A JP 28360195A JP 3744036 B2 JP3744036 B2 JP 3744036B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- injection
- amount
- injection amount
- timing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/0025—Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
- F02D41/0047—Controlling exhaust gas recirculation [EGR]
- F02D41/005—Controlling exhaust gas recirculation [EGR] according to engine operating conditions
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D45/00—Electrical control not provided for in groups F02D41/00 - F02D43/00
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/40—Controlling fuel injection of the high pressure type with means for controlling injection timing or duration
- F02D41/401—Controlling injection timing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/0002—Controlling intake air
- F02D2041/0022—Controlling intake air for diesel engines by throttle control
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2200/00—Input parameters for engine control
- F02D2200/02—Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
- F02D2200/06—Fuel or fuel supply system parameters
- F02D2200/0611—Fuel type, fuel composition or fuel quality
- F02D2200/0612—Fuel type, fuel composition or fuel quality determined by estimation
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/18—Circuit arrangements for generating control signals by measuring intake air flow
- F02D41/187—Circuit arrangements for generating control signals by measuring intake air flow using a hot wire flow sensor
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/40—Controlling fuel injection of the high pressure type with means for controlling injection timing or duration
- F02D41/406—Electrically controlling a diesel injection pump
- F02D41/408—Electrically controlling a diesel injection pump of the distributing type
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/40—Engine management systems
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置、特にジャーク式の電子制御燃料噴射ポンプを備えるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの分配型電子制御噴射ポンプでは、コントロールスリーブ位置で燃料の噴射量を決定し、また、噴射時期はタイマピストンの端面高圧室から低圧室への漏れ量を調整するタイミングコントロールバルブをデューティー制御することで調整している(1984年(株)グランプリ出版発行「ディーゼル乗用車」p.130〜141参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図33に示したように、基準燃料(一定の燃温における標準的な燃料粘度の燃料)での燃料噴射量とコントロールスリーブ位置との相関からマッチングされた基準ポンプ特性(噴射量からコントロールスリーブ位置への変換マップのこと)に基づいてコントロールスリーブ位置を調節する分配型の燃料噴射ポンプでは、基準燃料と燃料粘度の異なる燃料が使用されたとき、等コントロールスリーブ位置での実際の燃料噴射量が目標を外れて増減する。
【0004】
たとえば、軽質燃料(基準燃料より燃料粘度が低い)が使用されると、ポンプ内部のポンプ効率が低下し、またプランジャー圧送行程でのリーク量が多くなるため、コントロールスリーブ位置が同じでも燃料噴射量が減少して出力が低下する。このことは、基準燃料に対してマッチングした目標噴射量(あるいはコントロールスリーブ位置からの推定燃料噴射量)が実際より過剰に見積もられることを意味するため、アイドル回転制御時に燃料噴射量の補正量不足に起因してエンストが生じたり、アイドル以外の通常運転時に所望の燃料噴射量に対し実際の燃料噴射量が不足するためアクセルレスポンスが悪化したりするわけである(図34参照)。この反対に重質燃料(基準燃料より燃料粘度が高い)が使用されるときは、ポンプ内部のポンプ効率の増大やプランジャー圧送行程でのリーク量の減少によりコントロールスリーブ位置が同じでも燃料噴射量が増大し、目標噴射量が実際よりも過少に見積もられる。この場合には、アイドル回転制御時に燃料噴射量の補正量過剰に起因してアイドル回転の不安定が生じたり、アイドル以外の通常の運転時に所望の燃料噴射量に対し実際の燃料噴射量が過剰となるためアクセルレスポンスが敏感になりすぎることがある(図34参照)。なお、図34は燃料粘度の変化が燃料噴射量制御とそのほかのエンジン制御(後述する噴射時期制御、EGR制御)に及ぼす影響をまとめたものである。
【0005】
一方、燃料噴射時期やEGR量を制御する場合、その目標値をエンジンの回転数と負荷に応じて設定しているが、そのさい燃料噴射量はほぼエンジントルクとみなせるので、燃料噴射量を負荷のパラメータとするため、目標噴射量を燃料噴射時期やEGR量を求めるための制御パラメータとしているものがある(図33参照)。
【0006】
このものでは、目標噴射量を基準燃料でマッチングしている場合に軽質燃料が使用されると、目標噴射量が実際の燃料噴射量より多く見積もられることから、EGR制御と燃料噴射時期制御のいずれにおいても負荷が高いと判断され、これによってEGR量の減少側へのずれが生じ、またコントロールスリーブ、デリバリバルブ等での損失(漏れ)が多くなるので、燃料噴射時期の遅角側へのずれが生じ、排気エミッションが悪化することがある。この反対に重質燃料が使用されるときは、目標噴射量が実際の燃料噴射量より少なく見積もられることから、負荷が低いと判断されてEGR量が増加し、また噴射時期が所望の噴射時期より進角して、この場合も排気エミッションが悪化することがある。図35、図36、図37は、それぞれ低負荷低回転時(定常運転)、発進直後、加速時における燃料噴射時期とEGR率に対するPM排出量の一例であり、こうした特性を考慮してNOx排出量とPM排出量とが許容値以内に収まるように目標噴射時期と目標EGR量とを定めるわけであるが、上記のように燃料粘度の変化によって噴射時期やEGR量が目標からずれると、NOx排出量とPM排出量が許容値を超えて増加することがあるのである。
【0007】
また、図38、図39、図40、図41はそれぞれエンジン負荷に対するNOx,PM、HC、FCの各排出量の一例であり、燃料噴射量が燃料粘度の変化に影響されると、負荷の検出を誤ることになり、排気エミッションの悪化の原因となるのである。
【0008】
このように、燃料噴射量は燃料粘度の影響を受けるので、その影響を受けないようにするため、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比、または所定運転条件のコントロールスリーブ位置を基準燃料に対する所定値と比較することにより、燃料粘度を検出し、この結果に応じて上記のポンプ特性を補正することにより、燃料粘度の変化があっても常に変わらない量の燃料噴射量を供給するようにしたものを先に提案した(特願平7−235475号参照)。
【0009】
しかしながら、タイミングコントロールバルブは個体毎の流量特性にバラツキを含むため、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比の比較だけでは燃料粘度を誤判別することがある。また、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比はタイミングコントロールバルブや噴射ポンプの経時劣化により燃料粘度が同一の燃料でも変化する。
【0010】
一方、コントロールスリーブ位置より燃料粘度を検出する方式では、コントロールスリーブが精密加工部品であり、噴射ポンプ毎に燃料流量特性の調整を行っているため、生産バラツキの影響は少ない。しかしながら、検出精度を高めるためには、コントロールスリーブ位置がそれほど動くことのない運転条件(つまり回転数と負荷がそれほど変化しない運転条件)を選択しなければならないのに、アイドル時を例にとっても、油水温度、エンジンの経時劣化、補機類の運転状況等で負荷が常に変化するのであるから、精度よく燃料粘度を検出することはなかなか困難である。
【0011】
以上では分配型燃料噴射ポンプを例にとって燃料粘度が及ぼす影響を述べたが、燃料粘度の影響を受けることは、分配型燃料噴射ポンプに固有のものでなく、列型、カムシャフトレス型の各燃料噴射ポンプおよびユニットインジェクタについても当てはまる(これら3種類の燃料噴射ポンプはユニットインジェクタを含めてジャーク式燃料噴射ポンプと総称される)。
【0012】
そこで本発明では、ジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、プランジャの幾何学的に設定された圧送開始時期(静的噴射時期)とノズルの開弁時期(動的噴射時期)との差から燃料粘度を検出することにより、簡単な方法で精度よく燃料粘度を検出することを第1の目的とし、またその検出した燃料粘度に応じてディーゼルエンジンの各種制御(燃料噴射量制御、噴射時期制御、EGR制御)を行うことにより各種制御に燃料粘度の変化に起因する不具合を生じさせないことを第2の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図42に示すように、プランジャにより燃料を圧送するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205とを設けた。
【0014】
第2の発明では、図43に示すように、プランジャにより燃料を圧送するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間の変動から異常噴射時かどうかを判別する手段211と、この判別結果より異常噴射時に噴射時期を進角補正する手段212とを設けた。
【0015】
第3の発明では、図44に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段63と、この基準ポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段64と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正(軽質燃料の使用時に燃料増量補正、重質燃料の使用時に燃料減量補正)する手段66と、この補正された駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67とを設けた。
【0016】
第4の発明では、図45に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段63と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズル開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記基準ポンプ特性の全体を書き換えた新たなポンプ特性を作成して記憶する手段71と、この新たなポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段72と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67とを設けた。
【0017】
第5の発明では、図46に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段63と、前記基準燃料とは燃料粘度の異なる燃料に対してマッチングしたポンプ特性を少なくとも1つ記憶する手段81と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値に応じ前記複数のポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する(たとえば複数のポンプ特性の中から燃料粘度の検出値に合うポンプ特性を選択し、その選択されたポンプ特性を用いて目標噴射量を噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換するか、または燃料粘度の検出値にピッタリのポンプ特性がないとき補間計算付きで求める)手段82と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67とを設けた。
【0018】
第6の発明では、図47に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整するとともに、燃料噴射時期制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではタイマピストン)を噴射時期制御アクチュエータ91に与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータ61への駆動量に変換する手段92と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67と、前記基準燃料に対してマッチングした目標噴射時期をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段93と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記目標噴射量を補正(軽質燃料の使用時に減量補正、重質燃料の使用時に増量補正)する手段94と、この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標噴射時期を算出する手段95と、この算出された目標噴射時期を前記噴射時期制御アクチュエータ91への駆動量に変換する手段96と、この駆動量を前記噴射時期制御アクチュエータ91に出力する手段97とを設けた。
【0019】
第7の発明では、図48に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整するとともに、燃料噴射時期制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではタイマピストン)を噴射時期制御アクチュエータ91に与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータ61への駆動量に変換する手段92と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67と、前記基準燃料に対してマッチングした目標噴射時期をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段93と、前記燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段101と、この燃料噴射量制御部材の位置検出値から燃料噴射量を推定する手段102と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記推定された燃料噴射量を補正(軽質燃料の使用時に減量補正、重質燃料の使用時に増量補正)する手段103と、この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標噴射時期を算出する手段95と、この算出された目標噴射時期を前記噴射時期制御アクチュエータ91への駆動量に変換する手段96と、この駆動量を前記噴射時期制御アクチュエータ91に出力する手段97とを設けた。
【0020】
第8の発明では、図49に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整する分配型燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータ61への駆動量に変換する手段92と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67と、駆動量に応じてEGR量を可変に調整する手段111と、前記基準燃料に対してマッチングした目標EGR量をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段112と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記目標噴射量を補正(軽質燃料の使用時に増量補正、重質燃料の使用時に減量補正)する手段94と、この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標EGR量を算出する手段113と、この算出された目標EGR量を前記EGR量可変手段111への駆動量に変換して出力する手段114とを設けた。
【0021】
第9の発明では、図50に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整する分配型燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、基準燃料(軽質燃料、重質燃料等、どんな燃料粘度の燃料を基準燃料としてもよい)に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段62と、この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータ61への駆動量に変換する手段92と、この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータ61に出力する手段67と、駆動量に応じてEGR量を可変に調整する手段111と、前記基準燃料に対してマッチングした目標EGR量をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段112と、前記燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段101と、この燃料噴射量制御部材の位置検出値から燃料噴射量を推定する手段102と、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記推定された燃料噴射量を補正(軽質燃料の使用時に増量補正、重質燃料の使用時に減量補正)する手段103と、この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標EGR量を算出する手段121と、この算出された目標EGR量を前記EGR量可変手段111への駆動量に変換して出力する手段114とを設けた。
【0022】
第10の発明では、第8または第9の発明において、吸入空気量と吸気温度とを検出する手段を備え、これら吸入空気量と吸気温度の各検出値と前記補正された燃料噴射量とに基づいて空燃比を算出し、この計算空燃比をも前記目標EGR量を算出するための制御パラメータとする。
【0023】
第11の発明では、図51に示すように、プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ)を噴射量制御アクチュエータ61に与える駆動量に応じて調整する分配型燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンにおいて、タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段202と、燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段203と、前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段204と、この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段205と、この燃料粘度の検出値に応じた比例定数を設定する手段221と、アイドル回転数を検出する手段222と、このアイドル回転数の検出値と目標アイドル回転数との差と前記比例定数に基づいて比例分を算出する手段223と、この比例分を少なくとも用いてアイドル時の燃料噴射量補正量を算出する手段224と、このアイドル時の燃料噴射量補正量の分だけ前記アクチュエータ61を駆動する手段225とを設けた。
【0024】
【作用】
プランジャの圧送開始時期(静的噴射時期)とノズルの開弁時期(動的噴射時期)の差である噴射遅れ期間は燃料粘度が一定条件のもとで噴射系の特性(たとえば分配型燃料噴射ポンプであれば、ノズルの開弁圧、プランジャ径、フェイスカムのカム特性、デリバリバルブの流量特性等)により決まるのであるが、燃料の粘度(正確には動粘度)との関係を調べてみたところ、噴射遅れ期間と燃料粘度の間に強い相関があり、しかも、噴射遅れ期間に対する燃料粘度の比(ゲイン)も大きいことが実験により明らかになったので、第1の発明により噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出することで、高い精度での燃料粘度の検出が可能である。
【0025】
また、分配型燃料噴射ポンプのタイミングコントロールバルブに与えるデューティー比より燃料粘度を検出する方式では、タイミングコントロールバルブや噴射ポンプの経時劣化により燃料粘度の検出精度が低下するが、第1の発明では、タイミングコントロールバルブや噴射ポンプに経時劣化が生じても精度良く燃料粘度を検出できる。さらに、コントロールスリーブ位置より燃料粘度を検出する方式では、負荷が常に変化する運転条件での検出精度が低下するが、第1の発明では、エンジン回転数が大幅(たとえば±100rpm程度)に変動しない限り、負荷によっては噴射遅れ期間が概ね変化しないとみなせるので、負荷が常に変化する運転条件においても、精度よく燃料粘度を検出できる。
【0026】
第2の発明では、噴射遅れ期間の変動から異常噴射時を判別したときに噴射時期を進角補正するので、特に軽質燃料使用時の異常噴射に起因するトルク変動を抑制することができる。
【0027】
基準ポンプ特性に基づいて燃料噴射量制御部材を調節する燃料噴射ポンプでは、基準燃料と燃料粘度の異なる燃料が使用されたとき、等しい燃料噴射量制御部材の位置での実際の燃料噴射量が目標を外れて増減する。このとき第3の発明では、目標噴射量を、基準燃料でマッチングした基準ポンプ特性によって噴射量制御アクチュエータへの駆動量へと変換した後に、この噴射量制御アクチュエータへの駆動量を燃料粘度の検出値に応じて補正し、この燃料粘度補正後の値を目標値として噴射量制御アクチュエータに与えるので、基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができ、これによって燃料粘度が基準燃料と異なる燃料粘度の燃料が使用されるときでも、アイドル回転数制御時に燃料噴射量の不足に起因するエンストや噴射量の過剰に起因するアイドル回転の不安定が生じることがなく、またアイドル以外の通常運転時には、アクセルレスポンスが悪化したり、敏感になることがない。
【0028】
燃料噴射のたびに燃料粘度の検出値に応じて噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正することは、従来よりも計算負荷の増大となるが、第4の発明では、ポンプ特性の書き換え後は、従来と変わらない計算負荷で燃料噴射量制御を行うことが可能となるため、演算処理装置の処理速度が遅い場合や燃料噴射量以外の制御も1つ演算処理装置で行う場合にも演算処理装置に対する計算負荷を増大させることがない。
【0029】
第5の発明では、基準ポンプ特性のほかに、基準燃料とは燃料粘度の異なる燃料に対してマッチングしたポンプ特性を少なくとも1つ用意しており、使用燃料の燃料粘度が基準燃料と異なるときは、その異なる燃料粘度の燃料に応じたポンプ特性を用いる(またはその異なる燃料粘度ににピッタリのポンプ特性がないときは補間計算付きで求める)ので、基準ポンプ特性により変換される噴射量制御アクチュエータへの駆動量を燃料粘度の検出値で補正しても修正できないような特殊なポンプ特性を有する噴射系をもつ場合(たとえば、可変噴射率機構をもつような場合など)においても、燃料粘度に応じて正確に噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正できる。
【0030】
基準ポンプ特性に基づいて燃料噴射量制御部材を調節する噴射ポンプでは、軽質燃料の使用時に燃料噴射量制御部材の位置が同じでも実際の燃料噴射量が減少する現象により目標噴射量が実際の燃料噴射量より多めに見積もられることになるため、従来装置のように、軽質燃料の使用時にも目標噴射量を燃料噴射時期を求めるための制御パラメータとして用いたのでは、燃料の漏れ損失が多くなる(たとえば分配型燃料噴射ポンプではコントロールスリーブ、デリバリバルブ等の漏れ損失が多くなる)ことから燃料噴射時期が目標値よりも遅角側にずれる。同様にして、重質燃料の使用時に目標噴射量を燃料噴射時期を求めるための制御パラメータとして用いたのでは、燃料噴射時期が目標値よりも進角側にずれる。このとき第6の発明では目標噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、また第7の発明では燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段から推定される燃料噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、燃料噴射時期を求めるための制御パラメータとして用いるので、燃料粘度が基準燃料に対するより変化したときでも、燃料噴射時期が目標より外れることがなく、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる。
【0031】
基準ポンプ特性に基づいて燃料噴射量制御部材を調節する噴射ポンプでは、軽質燃料の使用時に燃料噴射量制御部材の位置が同じでも実際の燃料噴射量が減少する現象により目標噴射量が実際の燃料噴射量より多めに見積もられることになるため、従来装置のように、軽質燃料の使用時にも目標噴射量を目標EGR量を求めるための制御パラメータとして用いたのでは、EGR量が目標値よりも減少側にずれる。同様にして、重質燃料の使用時に目標噴射量を目標EGR量を求めるための制御パラメータとして用いたのでは、EGR量が目標値よりも減少側にずれる。このとき第8の発明では目標噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、また第9の発明では燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段から推定される燃料噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、EGR量を求めるための制御パラメータとして用いるので、燃料粘度によるEGR量のバラツキを低減することができ、これによって排気エミッションの悪化、運転性の低下を抑制できる。
【0032】
基準ポンプ特性に基づいて燃料噴射量制御部材を調節する噴射ポンプでは、軽質燃料の使用時に目標噴射量が実際の燃料噴射量より多めに見積もられることになるため、軽質燃料の使用時に目標噴射量を用いて空燃比を計算したのでは、計算空燃比が実際より小さい側(リッチ側)にずれる。同様にして、重質燃料の使用時に目標噴射量を用いて空燃比を計算したのでは、計算空燃比が実際より大きい側(リーン側)にずれる。このとき第10の発明では、目標噴射量を燃料粘度の検出値で補正した値を、空燃比を計算するための制御パラメータとして用いるので、燃料粘度による空燃比の計算誤差を大幅に低減することができ、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる。
【0033】
可変噴射率機構(SSP:ステップスピルポート、VIPS:バリアブルインジェクションパターンコントロール)を持つ噴射ポンプやノズルの開弁圧が高い直接噴射式ディーゼルエンジンに用いられる噴射ポンプなど特殊な噴射特性を有する噴射ポンプでは、アイドル回転数付近に変位点を持つため、特に軽質燃料使用時のアイドル制御が不安定になったり、エンストしたりすることがあるが、第11の発明では、燃料粘度の検出値に応じた比例定数を設定するので、軽質燃料の使用時には比例定数が基準燃料のときより大きくなり、これによってアイドル回転数付近に変位点を持つ特殊な噴射特性を有する噴射ポンプを用いての軽質燃料の使用時にも、アイドル制御が不安定になったり、エンストしたりすることがない。
【0034】
図1に分配型燃料噴射ポンプ1の詳細を示す。図1において、燃料噴射ポンプはポンプハウジングを形成する噴射ポンプ本体2内にカムローラと係合しつつ回転往復動しながら、加圧室4内の燃料を圧縮するプランジャ3を備える。このプランジャ3の外周には、プランジャ3に形成されたカットオフポート3aを開閉することにより燃料噴射量を調量するコントロールスリーブ5が摺動自由に嵌合され、このコントロールスリーブ5を駆動するロータリソレノイド6が設けられる。コントロールスリーブ5は、ロータリソレノイド6への出力電圧が高くなるほどプランジャ3の侵入方向に移動して燃料の噴射終了時期が遅くなり、燃料の噴射量が増加する。
【0035】
また、ポンプ駆動軸に取りつけられたフィードポンプ7からの吐出燃料は、ポンプ内部を潤滑するとともにポンプ室8に蓄圧され、ここから前記加圧室4に吸引される。なお、フィードポンプ7と後述するタイマピストン9とは、説明のため、90°だけ回転させた状態で図示してある。
【0036】
燃料の噴射時期を制御するために、プランジャ3を駆動するカムローラと係合しつつカムローラの位相を動かす噴射時期制御部材としてのタイマピストン9が備えられる。このタイマピストン9は、一端の高圧室から低圧室側に漏らされる燃料流量を制御するタイミングコントロールバルブ10により、その位置が制御され、これにより燃料噴射時期を進角させたり遅角させたりする。
【0037】
そして、燃料の噴射量、噴射時期などを制御するために、コントローラ21を備える。このコントローラ21には、運転条件を検出するために、エンジン負荷に相当するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ22、燃料噴射ポンプの回転数を検出するための回転数センサ23、冷却水温を検出する水温センサ24、燃料温度を検出する燃温センサ25からの信号が入力する。さらに、コントローラ21には、燃料噴射量を検出するためにコントロールスリーブ5の位置を検出するコントロールスリーブ位置センサ26、燃料噴射ノズル27に装着されて噴射時期を実測する実噴射時期検出手段としてのノズルリフトセンサ28、エンジンの始動指令を認識するキースイッチ29などからの信号も入力する。
【0038】
ところで、基準燃料での燃料噴射量とコントロールスリーブ位置との相関からマッチングされた基準ポンプ特性に基づいてコントロールスリーブ位置を調節する分配型燃料噴射ポンプでは、基準燃料と燃料粘度の異なる燃料が使用されたとき、等コントロールスリーブ位置での実際の燃料噴射量が目標を外れて増減するので、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比、または所定運転条件のコントロールスリーブ位置を基準燃料に対する所定値と比較することにより、燃料粘度を検出し、この結果に応じてポンプ特性(燃料噴射量からコントロールスリーブ位置への変換マップ)を補正することにより、燃料粘度の変化があっても常に変わらない量の燃料噴射量を供給するものを先に提案した(特願平7−235475号参照)。
【0039】
しかしながら、タイミングコントロールバルブは個体毎の流量特性にバラツキを含むため、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比の比較だけでは燃料粘度を誤判定することがある。また、タイミングコントロールバルブに与えるデューティー比はタイミングコントロールバルブや噴射ポンプの経時劣化により燃料粘度が同一の燃料でも変化する。
【0040】
一方、コントロールスリーブ位置より燃料粘度を検出する方式では、コントロールスリーブが精密加工部品であり、噴射ポンプ毎に燃料流量特性の調整を行っているため、生産バラツキの影響は少ない。しかしながら、検出精度を高めるためには、コントロールスリーブ位置がそれほど動くことのない運転条件(つまり回転数と負荷がそれほど変化しない運転条件)を選択しなければならないのに、アイドル時を例にとっても、油水温度、エンジンの経時劣化、補機類の運転状況等で負荷が常に変化するのであるから、精度よく燃料粘度を検出することは困難である。
【0041】
これに対処するため本発明では、プランジャの圧送開始時期と噴射ノズルの開弁時期の差から燃料粘度を検出し、その検出した燃料粘度に応じてコントロールスリーブ位置に対する燃料噴射量を補正する。
【0042】
プランジャ3が圧送を開始しても、噴射ノズル27の開弁圧に達して開弁するまでに所定の時間がかかることから、以下の実施形態の説明では、プランジャの圧送開始時期を静的噴射時期、噴射ノズルの開弁時期を動的噴射時期と呼んで区別する。
【0043】
ここで、静的噴射時期は幾何学的にたとえば
の式により与えられる。ただし、最小進角位置でのタイマピストン位置が0[mm]である。これに対して、動的噴射時期はTDCセンサ(上記の回転数センサ23のこと。この回転数センサ23の信号がTDC毎に立ち上がる)とノズルリフトセンサ28により検出され、こちらの単位も[°CA BTDC]である。
【0044】
いま、静的噴射時期と動的噴射時期の差を噴射遅れ期間ΔIT[°CA]とすれば、ΔITは燃料粘度一定の条件のもとで噴射系の特性(噴射ノズルの開弁圧、プランジャ径、フェイスカムのカム特性、デリバリバルブの流量特性等)により決まる。このΔITIと燃料の粘度(正確には動粘度)との関係を調べてみたところ、図2に示す実験データが得られた。なお、同図はアイドル回転数を一定としたときの特性で、燃料粘度の軸は対数目盛である。
【0045】
同図によれば、ΔITと燃料粘度の間に強い相関があり、しかも、ΔITに対する燃料粘度の比(つまりゲイン)も大きいので、この特性を用いれば、高い精度での燃料粘度の検出が可能となることがわかる。また、ポンプセット角、噴射ノズルの開弁圧ともに工場で数値管理されており、同一燃料、一定燃温での噴射時期のバラツキは±0.5°CA以下程度に管理されているため、図2に示した特性のバラツキも抑えられている。
【0046】
なお、図2において、軽質になるほどΔITが大きくなるのは、軽質燃料の場合、プランジャ圧送行程での漏れ量が増加したり、デリバリバルブの吸い戻し量が増加することによって噴射管内の圧力上昇に時間がかかるためであると思われる。重質燃料の場合は、この逆の理由でΔITが小さくなる。
【0047】
また、タイミングコントロールバルブや噴射ポンプに経時劣化が生じても、精度よく燃料粘度を検出することができる。▲1▼たとえばノズルの劣化(スプリングのへたり)により動的噴射時期が早まる現象がおきても、また、タイミングコントロールバルブの劣化で動的噴射時期が変化しても、動的噴射時期をフィードバック制御する限り、動的噴射時期が変化することはない。▲2▼噴射ポンプ(エンジンを含む)が劣化すると、静的噴射時期が遅角側にずれるが、そのずれは10万km耐久でも0.4°CA程度であるため問題とならない。▲1▼、▲2▼の結果より、ΔITがタイミングコントロールバルブや噴射ポンプの経時劣化により変化することがないのである。
【0048】
このようにして、図2に示した実験データにより噴射遅れ期間ΔITから燃料粘度を精度良く検出できることになると、検出した燃料粘度に応じてコントロールスリーブ位置に対する燃料噴射量を補正することで、燃料粘度に左右されずに基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができる。このときには、目標噴射量(あるいはコントロールスリーブ位置により検出される実測の燃料噴射量)が燃料粘度に影響されない正確な負荷を表すことになり、目標噴射量を負荷信号として用いる燃料噴射時期、EGR制御においても、燃料粘度の影響を受けて排気エミションが悪化することがない。
【0049】
コントローラ21で実行されるこの制御の内容を図3の制御ブロック図にしたがって説明する。
【0050】
図3において、S1ではエンジン回転数(ポンプ回転数の2倍)とアクセル開度から燃料噴射量特性(ドライブQマップ)を検索して基準燃料噴射量Qdrvを、S2ではアイドル運転時に目標エンジン回転数となるように、目標エンジン回転数と実測エンジン回転数とからPID制御により燃料噴射量補正値Qidleを求める。
【0051】
S3はアイドル回転数制御条件であるかどうかを判断してスイッチングするところで、アイドル回転数制御条件(たとえばアクセル開度とエンジン回転数がそれぞれ所定値内に入っている)であればAの側に、またこの条件以外ではBの側にスイッチングする。
【0052】
S4では補機類によるエンジン負荷の増大に対する燃料噴射量の増分を算出する。エアコンディショナ、バッテリ電圧、パワステアリングそれぞれについて燃料噴射量増分を決めておき、エアコンスイッチ、バッテリ電圧モニター値、パワステアリングスイッチのON,OFF信号から合計の燃料噴射量増分(補機類増量分)Qastを算出する。
【0053】
S5では基準燃料噴射量Qdrvに補機類増量分QastとS3からの出力を加算した値を目標噴射量Q0として計算する。
【0054】
S6ではスモーク防止等のため最大噴射量Qfulを、エンジン回転数と過給圧(ターボ車のみ)に応じて設定された最大噴射量マップを検索して求め、この最大噴射量Qfulと目標噴射量Q0とをS7において比較し、小さい側の値を通常走行時の目標噴射量とする。
【0055】
S8では冷却水温とエンジン回転数から始動時の燃料噴射量Qstを検索し、S9においてエンジン始動時であるかどうかを判断する。始動時(たとえばキースイッチがスタート位置にありかつエンジン回転数が所定値以内である)のときはDの側に、それ以外ではCの側にスイッチングする。
【0056】
S10では、目標噴射量Q1(始動時はQst、始動時以外はQfulとQ0の小さいほう)とエンジン回転数とから、基準燃料に対してマッチングしている基準ポンプ特性を検索して目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol0(コントロールスリーブ位置相当)を求める。
S11では燃料粘度とエンジン回転数とから、マップ(燃料粘度補正係数マップ)を検索して、燃料粘度補正係数K-Qfvを検索し、この補正係数をS12において目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol0に乗じ、乗じた後の値を新ためて目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol1(=Uαsol0×K-Qfv)とする。
【0057】
ここで、燃料粘度補正係数K-Qfvの値は、軽質燃料の使用時に1より大きくなる値である。これは、軽質燃料の使用時に、コントロールスリーブ位置に対応する燃料噴射量よりも実際の燃料噴射量が少なくなるので、その減少分を補わせるため、ロータリソレノイド出力電圧を高電圧側に補正して、基準燃料のときよりコントロールスリーブ位置を増量側に移動させるためである。同様にして、基準燃料のときより多めの燃料が供給される重質燃料の使用時には、ロータリソレノイド出力電圧を低電圧側に補正して、コントロールスリーブ位置を減量側に移動させるため、重質燃料の使用時にK-Qfvの値を1より小さくしている。
【0058】
また、燃料粘度補正係数K-Qfvは回転数に応じても割り付けている。等コントロールスリーブ位置での噴射量は、燃料粘度のほか、回転数の相違によっても変化するからである。
【0059】
図3のS11の内容をさらに図4のフローチャートにより詳述する。
【0060】
図4のS41ではエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf(=目標噴射量Q1)、TDCセンサとノズルリフトセンサより得られる実測噴射時期ITi、アクセル開度などを読み込む。
【0061】
S42とS43では、次の条件、
〈1〉準定常運転時であること、
〈2〉燃料粘度判別条件を満たすこと
を1つずつチェックし、すべてを満たすときは、S44以降に進んで燃料粘度の判別を行い、いずれかの条件でも満たさないときは、図4のフローを終了する。具体的にはアイドル時や40km定常時など、燃料噴射量の単位時間当たりの変化量ΔQfが所定値Qst以下となる条件(あるいはアクセル開度の単位時間当たりの変化量ΔCLが所定値CLst以下かつ回転数の単位時間当たりの変化量ΔNeが所定値Nest以下となる条件)であるとき準定常運転時であると、また燃料温度Tfが所定温度範囲内にありかつ実測噴射時期の単位時間当たりの変化量ΔITiがしきい値ITisd以下であるとき燃料粘度判別条件であると判断する。
【0062】
S44、S45ではタイマピストン位置センサより得られる静的噴射時期ITTPSと、TDCセンサ、ノズルリフトセンサ28より得られる動的噴射時期ITNLS(=ITi)を読み込み、S45において
ΔIT=ITTPS−ITNLS
の式により噴射遅れ期間ΔITを計算する。
【0063】
このΔITからS46では図5を内容とするテーブルを検索して燃料粘度判別指数Fvisを求め、この燃料粘度判別指数Fvisと回転数から図6を内容とするマップを検索して、燃料粘度補正係数K-Qfvを求める。
【0064】
図5に示したように、燃料粘度を表すFvisの値は、同一回転数のときΔITが大きくなるほど軽質側になり、ΔITが同じであれば、回転数が大きくなるほど重質側に移動する。図6に示した特性と図3のS11に示した特性とは書き方が相違しているが、特性は同じものである。
【0065】
図3に戻り、S13では燃温センサで検出した燃温とエンジン回転数とから、マップ(燃温補正係数マップ)を検索して、燃温補正係数K-Qtfを求め、これをS14において燃料粘度補正後の目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol1に乗じ、乗じた後の値を新ためて目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol(=Uαsol1×K-Qtf)とする。この燃温補正は、基準ポンプ特性が一定燃温に対してマッチングされているため、この一定燃温と異なる燃温のときは燃料噴射量が異なってくるので、燃温が相違しても同じ燃料噴射量が得られるようにするための補正である。
【0066】
S15では燃料噴射ポンプ、エンジンに異常があるかどうかみて、異常が判定されたときは、F側にスイッチングしてフェールセーフを行い(たとえばフュエルカットバルブを閉じる)、異常がないときはE側にスイッチングする。
【0067】
S16では目標ロータリソレノイド出力電圧αsolと、コントロールスリーブ位置センサから得られる実測のロータリソレノイド出力電圧Uαist(実測コントロールスリーブ位置相当)とからPID制御によりロータリソレノイド6へのPWM信号を作って出力する。
【0068】
このようにして、第1実施形態では、目標噴射量を、基準燃料でマッチングした基準ポンプ特性によってコントロールスリーブ位置へと変換した後に、このコントロールスリーブ位置を燃料粘度の検出値に応じて補正(軽質燃料のときは増量補正、重質燃料のときは減量補正)し、この燃料粘度補正後の値を目標値としてコントロールスリーブ位置を制御するロータリソレノイドに与えるので、基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができ、これによって燃料粘度が基準燃料と異なる燃料粘度の燃料が使用されるときでも、アイドル回転数制御時に燃料噴射量の不足に起因するエンストや噴射量の過剰に起因するアイドル回転の不安定が生じることがなく、またアイドル以外の通常運転時には、アクセルレスポンスが悪化したり、敏感になることがない。
【0069】
図7、図8は第2実施形態、第3実施形態の燃料噴射量の各制御ブロック図で、図7において図3とはS21、22、23、24が、また図8において図3とはS31、32、33、34が相違する。なお、図3と同じ部分は同じ番号を付して説明は説明する。
【0070】
まず、図7の第2実施形態では、S21、S22、S23の操作により基準ポンプ特性を燃料粘度の検出値に応じて書き換え、S24において書き換え後のポンプ特性を用いて、目標噴射量Q1(図3の値と同じ)を目標ロータリソレノイド出力電圧に変換させるようにしたものである。
【0071】
詳細には、図7において、S21では基準ポンプ特性が、またS22では燃料粘度補正係数の特性が予めマップとして記憶されている。この場合に、使用燃料の燃料粘度が検出されると、燃料粘度補正係数の特性が(K-Qfv、Ne)の2次元データの集まりとなり、また基準ポンプ特性は(Uαsol0、Q1、Ne)の3次元データの集まりである。したがって、各回転数ごとにUαsol0×K-Qfvの計算を行った値を改めて目標ロータリソレノイド出力電圧Uαsol1とおき、(Uαsol1、Q1、Ne)の3次元データの集まりを作る。この新たな3次元データの集まりを記憶すれば、燃料粘度の検出値に合ったポンプ特性が得られるわけである。
【0072】
なお、使用燃料の燃料粘度は給油でしか変わらないので、ポンプ特性の書き換えは、バックグランドジョブ等でコントローラの負荷が低いときに行う。
【0073】
図3の第1実施形態では、燃料噴射のたびに燃料粘度補正係数マップを検索することがコントローラに所定の計算負荷となって作用するのであるが、この第2実施形態では、ポンプ特性の書き換え後は、従来と変わらない計算負荷で燃料噴射量制御を行うことが可能となるので、コントローラの処理速度が遅い場合や燃料噴射量以外の制御も1つのコントローラで行う場合にもコントローラに対する計算負荷を増大させることがない。
【0074】
図8の第3実施形態では、基準ポンプ特性のほかに、軽質燃料、重質燃料でマッチングされたポンプ特性を予めマップとして用意しており、使用燃料の燃料粘度が基準燃料と異なるときは、軽質燃料、重質燃料の各ポンプ特性に切換えるようにしたものである。なお、軽質燃料、重質燃料と一口にいっても、燃料粘度の相違するさまざまの軽質燃料や重質燃料があるので、噴射量制御精度を上げるためには、最軽質燃料、最重質燃料でマッチングした各ポンプ特性を用意しておき、使用燃料の燃料粘度がたとえば基準燃料と最軽質燃料との中間粘度のときは、基準ポンプ特性と最軽質燃料のポンプ特性の間を補間した値を用いるようにすればよい。
【0075】
第3実施形態では、使用燃料の燃料粘度の変化に対して基準ポンプ特性から検索した目標ロータリソレノイド出力電圧に燃料粘度補正係数をかけても修正できないような特殊なポンプ特性を有する噴射系をもつ場合(たとえば、可変噴射率機構をもつような場合など)でも燃料粘度に応じて正確にロータリソレノイド出力電圧(コントロールスリーブ位置)を補正できる。
【0076】
ところで、可変噴射率機構(SSP:ステップスピルポート、VIPS:バリアブルインジェクションパターンコントロール)を持つ噴射ポンプや噴射ノズルの開弁圧が高い直接噴射式ディーゼルエンジンに用いられる噴射ポンプなど特殊な噴射特性を有する噴射ポンプでは、アイドル回転数付近に変位点を持つため、特に軽質燃料使用時のアイドル制御が不安定になったり、エンストしたりすることがある。なお、変位点とは同じコントロールスリーブ位置でありながら、少しポンプ回転数が違っても燃料噴射量が大きく変動する領域のことである。
【0077】
これに対処するため、前述の第1、第2、第3の3つの実施形態のいずれかにより燃料粘度に応じた燃料噴射量の適正化を行うほかに、図9に示したように、アイドル時のPID制御の比例分計算に用いる比例定数を燃料粘度に応じた値とすれば、前述の問題が改善されることが実験的に明らかになった。軽質燃料の使用時には重質燃料の使用時よりも比例定数を大きくすることにより、アイドル回転数が目標値を外れて低下したときに、より多くの燃料噴射量補正量Qidleを与えて、応答よく目標値へと戻すのである。
【0078】
具体的には、図9に示す内容の比例定数テーブルを用意しておき、このテーブルを検索して燃料粘度に応じた比例定数を求め、この比例定数を用いて燃料噴射量補正量Qidleを、
Qidle=比例項+積分項+微分項
=KP×KpfP×ε(n)
+KI×KpfI×ε(n)+YI(n−1)
+KD×KpfD×(ε(n)−ε(n−1))
ただし、ε(n):今回の誤差(目標値−実際値)
ε(n−1):前回の誤差
KP:比例定数
KI:積分定数
KD:微分定数
KpfP:比例用プレスケーリングファクタ
KpfI:積分用プレスケーリングファクタ
KpfD:微分用プレスケーリングファクタ
YI(n−1):前回の積分項
の式により計算する。
【0079】
このようにして、燃料噴射量制御について前述の3つの実施形態のいずれかを前提とし、かつ軽質になるほどアイドル時のPID制御の比例分を大きくすることで(第4実施形態)、アイドル回転数付近に変位点を持つ特殊な噴射特性を有する噴射ポンプを備える場合でも、商品性に問題のない程度にまで軽質燃料使用時のアイドル制御が可能である。
【0080】
図10は第5実施形態の燃料噴射時期の制御ブロック図、また図13は第6実施形態のEGR量の制御ブロック図である。
【0081】
従来の燃料噴射時期制御では、図33左下に示したように、回転数のほか、負荷としての目標噴射量に応じて通常運転時の燃料噴射時期を求め、これを噴射時期制御アクチュエータ(タイミングコントロールバルブ)への指令信号に、また、従来のEGR制御では、図33右下のように回転数のほか、負荷としての目標噴射量に応じて、目標EGR弁リフト量と目標吸気絞り弁開度を求め、このうち目標EGR弁リフト量をEGR弁制御信号に、目標吸気絞り弁開度を吸気絞り弁制御信号にそれぞれ変換している。
【0082】
さて、基準燃料でマッチングした基準ポンプ特性に基づいてコントロールスリーブ位置を調節する噴射ポンプでは、軽質燃料の使用時にコントロールスリーブ位置が同じでも実際の燃料噴射量が減少することを前述したが、この現象により目標噴射量が実際の燃料噴射量より多めに見積もられることになるため、従来装置のように、軽質燃料の使用時にも目標噴射量を燃料噴射時期を求めるための制御パラメーターとして用いたのでは、コントロールスリーブ、デリバリバルブでの損失(漏れ)が多くなることから、燃料噴射時期が目標値よりも遅角側にずれ(図11参照)、また目標噴射量を目標EGR弁リフト量、目標吸気絞り弁開度を求めるための制御パラメーターとして用いたのでは、EGR量が目標値よりも減少側にずれる(図14参照)。同様にして、重質燃料の使用時に目標噴射量を燃料噴射時期を求めるための制御パラメーターとして用いたのでは、燃料噴射時期が目標値よりも進角側にずれ、また重質燃料の使用時に目標噴射量を目標EGR弁リフト量、目標吸気絞り弁開度を求めるための制御パラメーターとして用いたのでは、EGR量が目標値よりも減少側にずれる。
【0083】
これに対処するため、第5実施形態、第6実施形態では、目標噴射量を燃料粘度の検出値で補正した値を制御パラメーターとして用いる。
【0084】
ただし、図10、図13は燃料噴射量制御について前述した第1、第2、第3の3つの実施形態のいずか(つまり燃料噴射量制御のほうに燃料粘度に応じた補正を行っている)を前提とするため、図10は図33に示した従来例の燃料噴射時期制御と、また図13は図33に示した従来例のEGR制御と見かけ上変わるところがない。前述した3つの実施形態によれば、目標噴射量Q1(あるいはコントロールスリーブ位置により検出される実測の燃料噴射量)が燃料粘度に左右されないエンジン負荷を正確に表すので、重複して燃料粘度補正を行う必要がないからである。
【0085】
これに対して、燃料噴射量制御が図33に示した従来例と同じであることを前提とするときは、図10に代えて図27(第8実施形態)を、また図13に代えて図28(第9実施形態)を用いなければならない。後述する第7実施形態の図19も、燃料噴射量制御について前述した3つの実施形態のいずれかと同じであることが前提であり、図33に示した従来例の燃料噴射量制御を前提とするときは図19に代えて図29(第9実施形態)を用いなければならない。
【0086】
まず、図10の燃料噴射時期制御については、S123で目標噴射量Q1と回転数とから噴射時期の回転−負荷特性(マップ)を検索して通常運転時の燃料噴射時期ITnlを、またS124では回転数と冷却水温から始動噴射時期進角特性(マップ)を検索して始動噴射時期進角値ITstを求める。
【0087】
S125では、エンジン始動時であるかどうかを判断し、始動時(たとえばキースイッチがスタート位置にありかつエンジン回転数が所定値以内である)のときはBの側に、それ以外ではAの側にスイッチングする。
【0088】
S126では、目標噴射時期ITt(通常運転時はITt=ITnl、始動時はITt=ITst)と、TDCセンサ、ノズルリフトセンサによって実測された実測噴射時期ITiとを比較し、PID制御により、タイマーピストンの移動量を求め、噴射時期制御アクチュエーター指令信号ITaを出力し、これにより燃料噴射時期を制御する。
【0089】
なお、この実施形態での噴射時期制御では、目標噴射時期ITtと実測噴射時期ITiとの比較に基づくものであるが、回転数と負荷に応じた目標タイマピストン位置と実測タイマピストン位置との比較に基づくものでもかまわない。
【0090】
次に、図13の第6実施形態においては、S133で目標噴射量Q1と回転数とから、EGR弁リフト量の回転−負荷特性(マップ)を検索して目標EGR弁リフト量LIFTaを、また吸気絞り弁開度の回転−負荷特性(マップ)を検索して目標吸気絞り弁開度T/Caを求める。
【0091】
S134では回転数と冷却水温から水温補正特性を検索して水温補正量LIFTbを求め、これをS135において目標EGR弁リフト量LIFTaと目標吸気絞り弁開度T/Caに乗ずる。
【0092】
S136では、水温補正後の目標EGR弁リフト量LIFTt(=LIFTa×水温補正量)とEGR弁に設けたリフトセンサ45(図16参照)からの実測EGR弁リフト量LIFTiとを比較し、また水温補正後の目標吸気絞り弁開度T/Cb(=T/Ca×水温補正量)と実測吸気絞り弁開度(吸気絞り弁用アクチュエータの作動状態から判別)T/Ciとを比較し、各PID制御により、EGR弁制御信号と吸気絞り弁制御信号を出力し、これによりEGR量を制御する。
【0093】
図10の第5実施形態では、前述した3つの実施形態のいずかの燃料噴射量制御により基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができるので、目標噴射量を燃料噴射時期を求めるための制御パラメータとしている場合に、燃料粘度が基準燃料に対するより変化したときでも、燃料噴射時期が目標より外れることがなく、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる(図12参照)。図13の第6実施形態でも、前述した3つの実施形態のいずかの燃料噴射量制御により基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができるので、目標噴射量をEGR弁リフト量と吸気絞り弁開度を求めるための制御パラメータとしている場合に、燃料粘度が基準燃料に対するより変化したときでも、燃料粘度によるEGR量のバラツキを低減することができ、これによって排気エミッションの悪化、運転性の低下を抑制できる(図15参照)。
【0094】
ただし、図13では、EGR量を連続的に可変制御できるものを対象として構成しているが、簡易には、図16に示したように、ダイアフラム式のEGR弁34への制御負圧通路35に一対のデューティー制御弁36、37を、また2段階ダイアフラム式の吸気絞り弁38への制御負圧通路にも一対の吸気絞り電磁弁を設け(負圧通路40に吸気絞り電磁弁42、負圧通路43に吸気絞り電磁弁44)、これら4つの弁を運転領域に応じてON、OFF制御することによって(図17、図18参照)、EGR量を4段階に可変制御するものでかまわない。なお、図16において、31は吸気通路、32は排気通路、33はEGR通路、41はオリフィス、45はリフトセンサである。
【0095】
図19は、第7実施形態のEGR量の制御ブロック図で、この実施形態は、回転数、負荷としての燃料噴射量に加えて、空燃比をも制御パラメータとしてEGR量(あるいは最大燃料噴射量)を制御するものを対象とするものである。
【0096】
さて、基準燃料でマッチングした基準ポンプ特性に基づいてコントロールスリーブ位置を調節する噴射ポンプでは、軽質燃料の使用時にコントロールスリーブ位置が同じでも実際の燃料噴射量が減少することを前述したが、この現象により目標噴射量が実際の燃料噴射量より多めに見積もられることになるため、軽質燃料の使用時に目標噴射量を用いて空燃比を計算したのでは、計算空燃比が実際より小さい側(リッチ側)にずれる。同様にして、重質燃料の使用時に目標噴射量を用いて空燃比を計算したのでは、計算空燃比が実際より大きい側(リーン側)にずれる。
【0097】
これに対処するため、第7実施形態では、目標噴射量を燃料粘度の検出値で補正した値を、空燃比を計算するための制御パラメータとして用いる。
【0098】
ただし、これは、図33に示した従来例の燃料噴射量制御を前提とするときの話であって、燃料噴射量制御について前述した3つの実施形態のいずれかと同じであることを前提とするときは、目標噴射量をそのまま空燃比を計算するための制御パラメータとして用いればよい。
【0099】
詳細には、図19のS141でエアフローメータ51(図26参照)で検出される吸入空気量と吸気温度センサ52(図26参照)で検出される吸気温度と目標噴射量Q1(図13と同じ)とに基づいて空燃比A/Fを計算する。このA/F計算については図20のフローチャートで説明する。
【0100】
図20において、S151では吸入空気量Qairと吸入空気温度Tairを読み込み、これらからS152において
Pin=A1×Tair/Qair …(5)
ただし、A1:定数
の式により絞り弁下流の吸気管圧力(図ではインマニ圧力で略記)Pinを計算する。この式は、理想気体に対して成り立つ状態方程式(PV=nRT)に従うものである。
【0101】
S153では、吸入空気量Qairと燃料噴射量Qfから、図21と図22を内容とする各マップを検索して、排気流量推測係数K1、K2を、また図23と図24を内容とする各マップを検索して、排気温度推測係数K3、K4をそれぞれ求め、これらの値を用いて
Qexh=K1×Qair+K2×Qf …(6)
Texh=K3×Qair+K4×Qf …(7)
ただし、Qf:燃料噴射量
の式により、排気流量Qexhと排気温度Texhを計算する。
【0102】
これは、エンジンでの熱損失、燃料の発熱量、および管内の流れ(ベルヌーイの式)を最終的にまとめると、排気温度、排気流量ともに吸入空気量と燃料噴射量の関数として与えられることから、(6)、(7)式の排気温度推測式、排気流量推測式の係数K1〜K4を予め実験してマップとして記憶しておけば、そのマップを回転数と燃料噴射量Qfから検索することで、排気温度と排気流量を求めることができるのである。
【0103】
S154ではS152と同様にして、
Pout=A1×Texh/Qexh …(8)
ただし、A1:定数
の式により排気管圧力(図ではエキマニ圧力で略記)Poutを計算し、このPoutと上記のPinの差とEGR重量推測係数K5とを用い、S155において
QEGR=Aegr×K5×(Pout−Pin) …(9)
ただし、Aegr:EGR弁開口面積
の式により、EGR重量であるQEGRを計算し、S156において
A/F=(Qair−QEGR)/Qf …(10)
の式により、空燃比A/Fを計算する。
【0104】
なお、(9)式のK5も図25に示したように、予め実験してマップとして記憶させてある値で、そのマップを回転数と燃料噴射量Qfから検索する。また、AegrはEGR弁リフト量からテーブル検索して求めている。
【0105】
このようにして空燃比A/Fの計算を終了したら、図19のS142に戻り、計算空燃比A/F、エンジン回転数、目標噴射量Q1(図13と同じ)に基づいて、計算空燃比に対する目標EGR弁リフト量と目標吸気絞り弁開度を検索する。S142においては、図示したように、ある1つの空燃比に対するEGR弁リフト量(あるいは吸気絞り弁開度)の回転−負荷特性(マップ)を代表させて示しているが、実際には、幾つかの代表的な空燃比毎にEGR弁リフト量と吸気絞り弁開度の各回転−負荷特性を用意しており、その中から計算空燃比と合致する特性のマップを選択して、目標EGR弁リフト量と目標吸気絞り弁開度を求めるわけである。
【0106】
第7実施形態では、前述した3つの実施形態のいずかの燃料噴射量制御により基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができるので、目標噴射量をEGR弁リフト量と吸気絞り弁開度を求めるための制御パラメータとするとともに、さらに目標噴射量を計算空燃比を求めるための制御パラメータともしている場合に、燃料粘度が基準燃料に対するより変化したときでも、燃料粘度による空燃比の計算誤差を大幅に低減することができ、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる。第7実施形態のように、空燃比を制御パラメータにEGR量を制御するものにおいては、EGR量の計算精度の向上および排気エミッションの低減、運転性向上のために空燃比を用いているわけで、このものでは燃料噴射量の計測誤差がそのまま空燃比誤差となるため、燃料粘度による燃料噴射量バラツキに対する補正は必須である。
【0107】
図27は第8実施形態の噴射時期の制御ブロック図、また図28、図29は第9実施形態、第10実施形態のEGR量の制御ブロック図で、図27は図10に、図28は図13に、また図29は図19に対応する。
【0108】
これら3つの実施形態は、燃料噴射量制御が図33に示した従来例と同じであることを前提とするものであるため、これらの実施形態においては、図10、図13、図19と相違して、目標噴射量Q1を燃料粘度により補正した値を用いなければならない。
【0109】
図10、図13、図19との相違点を主に述べると、まず、図27の燃料噴射時期制御については、S121で燃料粘度の検出値とエンジン回転数から所定のマップを検索することにより、目標噴射量に対する燃料粘度補正係数K-Qfv2を求め、この補正係数をS122において目標噴射量Q1(図3と同じ)に乗じ、乗じた後の値をあたらめて目標噴射量Q3(=Q1×K-Qfv2)とする。
【0110】
燃料粘度補正係数K-Qfv2の値は、図3における燃料粘度補正係数K-Qfvと同様の特性で、軽質燃料の使用時に1より大きくなる値である。これは、軽質燃料の使用時に燃料噴射時期が遅角側にずれることのないようにするため、制御パラメーターとしての燃料噴射量を基準燃料のときより増加させる必要があるからである。同様にして、重質燃料の使用時には、制御パラメーターとしての燃料噴射量を基準燃料のときより減少させなければならないので、重質燃料の使用時にK-Qfv2の値を1より小さくしている。
【0111】
次に、図28、図29のEGR量制御については、S131、S132で、図27のS121、122と同様にして、燃料粘度の検出値とエンジン回転数から所定のマップを検索することにより、目標EGR弁リフト量と目標吸気絞り弁開度に対する燃料粘度補正係数K-Qfv3を求め、この補正係数を目標噴射量Q1(図3と同じ)に乗じ、乗じた後の値をあたらめて目標噴射量Q4(=Q1×K-Qfv3)とする。
【0112】
補正係数K-Qfv3の値は、図3における補正係数K-Qfvと同様の特性で、軽質燃料の使用時に1より大きくなる値である。これは、軽質燃料の使用時にEGR量が減少側にずれることのないようにするため、制御パラメーターとしての燃料噴射量を基準燃料のときより増大させる必要があるからである。同様にして、重質燃料の使用時には、制御パラメーターとしての燃料噴射量を基準燃料のときより減少させなければならないので、重質燃料の使用時にK-Qfv3の値を1より小さくしている。
【0113】
図30は第11実施形態の燃料噴射時期の制御ブロック図で、第5実施形態の図10に対応する。この実施形態は、第5実施形態を前提としてさらにS127、S128を加えたものである。
【0114】
軽質燃料を高温で使用すると、極端に燃料粘度が低下し、これによってプランジャ圧送行程での漏れ量やデリバリバルブの吸い戻し量が増加するため、第1圧力波で噴射ノズルが開弁するはずのところが開弁しない現象が起こり、噴射時期が著しく遅れる。本願でいう異常噴射とは、このような噴射状態に断続的にまたは連続的になることを指している。異常噴射時には著しく噴射時期が遅れるため(たとえば遅角量は8〜12°CAにもなる)、トルクが極端に低下する。そのため、異常噴射が断続的に生じる場合にはトルク変動が生じるのである。
【0115】
そこで第11実施形態では、噴射遅れ期間の変動量に応じた進角補正を行うことにより、軽質燃料使用時の異常噴射や不整噴射に起因するトルク変動を抑制するようにしたものである。
【0116】
詳細には、図30のS127、S128において、噴射遅れ期間の変動量ΔdIT/dTとエンジン回転数からマップ検索により噴射時期の燃料粘度補正量IThを求め、これを通常運転時の燃料噴射時期ITnlに加算することによって燃料粘度補正を行う。
【0117】
これをさらに図31のフローチャートにより説明すると、図31のフローチャートは、第1実施形態の図4のフローチャートに続けて、一定時間周期あるいは回転同期で実行する。
【0118】
図31のS41、S42は図4と同じであり、準定常運転時である場合にS51以降に進む。
【0119】
S51、S52では噴射遅れ期間の前回値ΔITBFと噴射遅れ期間の今回値であるΔITを読み込み、S53、S54において
ΔdIT/dT=ΔITBF−ΔIT
の式により噴射遅れ期間の変動量ΔdIT/dTを計算し、この噴射遅れ期間変動量ΔdIT/dTとエンジン回転数から図32を内容とする噴射時期補正量マップを検索して、噴射時期補正量IThを求める。図32に示したように、低回転域でIThの値を大きくしているのは、軽質燃料使用時の異常噴射が低回転域で発生しやすいためである。
【0120】
このようにして、第11実施形態では異常噴射を噴射遅れ期間の変動で直接測定する構成であるため異常噴射時の進角補正が可能となり、また図4に示した高精度の燃料粘度の検出を前提としているため、噴射遅れ期間変動量の精度がよく、これによって不要な領域での誤進角補正を防止できる。なお、第11実施形態での噴射時期制御も第5実施形態と同じに目標噴射時期ITtと実測噴射時期ITiとの比較に基づくものであるが、回転数と負荷に応じた目標タイマピストン位置と実測タイマピストン位置との比較に基づくものでもかまわない。
【0121】
実施形態では、ノズルリフトセンサ28により噴射ノズルの開弁時期を検出する場合で説明したが、これに限られるものでなく、噴射管の膨張測定(歪みゲージ方式)や噴射管内圧測定(圧力計測方式)でもよい。
【0122】
実施形態では燃料噴射ポンプを分配型で説明したが、列型、カムシャフトレス型の各燃料噴射ポンプおよびユニットインジェクタについても、またインナカム噴射ポンプと呼ばれる分配型の一種についても、本発明を適用することができる。
【0123】
【発明の効果】
ププランジャの圧送開始時期(静的噴射時期)とノズルの開弁時期(動的噴射時期)の差である噴射遅れ期間は燃料粘度が一定条件のもとで噴射系の特性により決まるのであるが、燃料の粘度との関係を調べてみたところ、噴射遅れ期間と燃料粘度の間に強い相関があり、しかも、噴射遅れ期間に対する燃料粘度の比(ゲイン)も大きいことが実験により明らかになったので、第1の発明により噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出することで、燃料噴射ポンプに経時劣化が生じたときでも、また負荷が常に変化する運転条件においても、高い精度での燃料粘度の検出が可能である。
【0124】
第2の発明では、噴射遅れ期間の変動から異常噴射時を判別したときに噴射時期を進角補正するので、特に軽質燃料使用時の異常噴射に起因するトルク変動を抑制することができる。
【0125】
第3の発明では、目標噴射量を、基準燃料でマッチングした基準ポンプ特性によって噴射量制御アクチュエータへの駆動量へと変換した後に、この噴射量制御アクチュエータへの駆動量を燃料粘度の検出値に応じて補正し、この燃料粘度補正後の値を目標値として噴射量制御アクチュエータに与えるので、基準燃料のときと同量の燃料噴射量を与えることができ、これによって燃料粘度が基準燃料と異なる燃料粘度の燃料が使用されるときでも、アイドル回転数制御時に燃料噴射量の不足に起因するエンストや噴射量の過剰に起因するアイドル回転の不安定が生じることがなく、またアイドル以外の通常運転時には、アクセルレスポンスが悪化したり、敏感になることがない。
【0126】
燃料噴射のたびに燃料粘度の検出値に応じて噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正することは、従来よりも計算負荷の増大となるが、第4の発明では、ポンプ特性の書き換え後は、従来と変わらない計算負荷で燃料噴射量制御を行うことが可能となるため、演算処理装置の処理速度が遅い場合や燃料噴射量以外の制御も1つ演算処理装置で行う場合にも演算処理装置に対する計算負荷を増大させることがない。
【0127】
第5の発明では、基準ポンプ特性のほかに、基準燃料とは燃料粘度の異なる燃料に対してマッチングしたポンプ特性を少なくとも1つ用意しており、使用燃料の燃料粘度が基準燃料と異なるときは、その異なる燃料粘度の燃料に応じたポンプ特性を用いるので、基準ポンプ特性により変換される噴射量制御アクチュエータへの駆動量を燃料粘度の検出値で補正しても修正できないような特殊なポンプ特性を有する噴射系をもつ場合においても、燃料粘度に応じて正確に噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正できる。
【0128】
第6の発明では目標噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、また第7の発明では燃料噴射量制御部材の位置検出手段から推定される燃料噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、燃料噴射時期を求めるための制御パラメータとして用いるので、燃料粘度が基準燃料に対するより変化したときでも、燃料噴射時期が目標より外れることがなく、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる。
【0129】
第8の発明では目標噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、また第9の発明では燃料噴射量制御部材の位置検出手段から推定される燃料噴射量を燃料粘度の検出値により補正した値を、EGR量を求めるための制御パラメータとして用いるので、燃料粘度によるEGR量のバラツキを低減することができ、これによって排気エミッションの悪化、運転性の低下を抑制できる。
【0130】
第10の発明では、目標噴射量を燃料粘度の検出値で補正した値を、空燃比を計算するための制御パラメーターとして用いるので、燃料粘度による空燃比の計算誤差を大幅に低減することができ、これによって排気エミッションの悪化や運転性の低下を抑制できる。
【0131】
可変噴射率機構を持つ噴射ポンプやノズルの開弁圧が高い直接噴射式ディーゼルエンジンに用いられる噴射ポンプなど特殊な噴射特性を有する噴射ポンプでは、アイドル回転数付近に変位点を持つため、特に軽質燃料使用時のアイドル制御が不安定になったり、エンストしたりすることがあるが、第11の発明では、燃料粘度の検出値に応じた比例定数を設定するので、軽質燃料の使用時には比例定数が基準燃料のときより大きくなり、これによってアイドル回転数付近に変位点を持つ特殊な噴射特性を有する噴射ポンプを用いての軽質燃料の使用時にも、アイドル制御が不安定になったり、エンストしたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】分配型燃料噴射ポンプの詳細図である。
【図2】アイドル時の噴射遅れ期間と燃料粘度の関係を示す特性図である。
【図3】第1実施形態の燃料噴射量の制御ブロック図である。
【図4】第1実施形態の燃料粘度の判別と燃料粘度補正係数の算出を説明するためのフローチャートである。
【図5】燃料粘度判別テーブルの特性図である。
【図6】燃料粘度補正係数マップの特性図である。
【図7】第2実施形態の燃料噴射量の制御ブロック図である。
【図8】第3実施形態の燃料噴射量の制御ブロック図である。
【図9】第4実施形態の比例定数の特性図である。
【図10】第5実施形態の燃料噴射時期の制御ブロック図である。
【図11】燃料粘度変化による噴射時期バラツキの特性図である。
【図12】燃料粘度変化による噴射時期バラツキの影響を示す特性図である。
【図13】第6実施形態のEGR量の制御ブロック図である。
【図14】燃料粘度変化によるEGR量バラツキの特性図である。
【図15】燃料粘度変化によるEGR量バラツキの影響を示す特性図である。
【図16】EGR量を4段階に制御する場合のEGR制御装置の制御システム図である。
【図17】運転領域図である。
【図18】4つの各運転領域に対する一対のデューティー制御弁36、37と一対の吸気絞り弁42、44の各作動を説明するための表図である。
【図19】第7実施形態のEGR量の制御ブロック図である。
【図20】空燃比計算を説明するためのフローチャートである。
【図21】排気流量推測係数マップの特性図である。
【図22】排気流量推測係数マップの特性図である。
【図23】排気温度推測係数マップの特性図である。
【図24】排気温度推測係数マップの特性図である。
【図25】EGR重量推測係数マップの特性図である。
【図26】EGR量を4段階に制御する場合のEGR制御装置の制御システム図である。
【図27】第8実施形態の燃料噴射時期の制御ブロック図である。
【図28】第9実施形態のEGR量の制御ブロック図である。
【図29】第10実施形態のEGR量の制御ブロック図である。
【図30】第11実施形態の燃料噴射時期の制御ブロック図である。
【図31】第11実施形態の噴射時期補正量の算出を説明するためのフローチャートである。
【図32】噴射時期補正量IThの特性図である。
【図33】従来のディーゼルエンジンの制御ブロック図である。
【図34】燃料粘度変化が燃料噴射量制御とその他のエンジン制御に及ぼす影響をまとめて示した図である。
【図35】定常運転時における燃料噴射時期とEGR率に対するPM排出量の特性図である。
【図36】発進直後における燃料噴射時期とEGR率に対するPM排出量の特性図である。
【図37】加速時における燃料噴射時期とEGR率に対するPM排出量の特性図である。
【図38】エンジン負荷に対するNOx排出量の特性図である。
【図39】エンジン負荷に対するPM排出量の特性図である。
【図40】エンジン負荷に対するHC排出量の特性図である。
【図41】エンジン負荷に対するFC排出量の特性図である。
【図42】第1の発明のクレーム対応図である。
【図43】第2の発明のクレーム対応図である。
【図44】第3の発明のクレーム対応図である。
【図45】第4の発明のクレーム対応図である。
【図46】第5の発明のクレーム対応図である。
【図47】第6の発明のクレーム対応図である。
【図48】第7の発明のクレーム対応図である。
【図49】第8の発明のクレーム対応図である。
【図50】第9の発明のクレーム対応図である。
【図51】第11の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 噴射ポンプ
5 コントロールスリーブ(燃料噴射量制御部材)
6 ロータリソレノイド(噴射量制御アクチュエータ)
9 タイマピストン(燃料噴射時期制御部材)
10 タイミングコントロールバルブ(噴射時期制御アクチュエータ)
21 コントローラ
28 リフトセンサ
34 EGR弁
36、37 デューティー制御弁
42、44 吸気絞り電磁弁
Claims (11)
- プランジャにより燃料を圧送するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料性状検出装置。 - プランジャにより燃料を圧送するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間の変動から異常噴射時かどうかを判別する手段と、
この判別結果より異常噴射時に噴射時期を進角補正する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段と、
この基準ポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量を補正する手段と、
この補正された駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整する分配型燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズル開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記基準ポンプ特性の全体を書き換えた新たなポンプ特性を作成して記憶する手段と、
この新たなポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整する分配型燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした基準ポンプ特性を記憶する手段と、
前記基準燃料とは燃料粘度の異なる燃料に対してマッチングしたポンプ特性を少なくとも1つ記憶する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値に応じ前記複数のポンプ特性を用いて前記目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するとともに、燃料噴射時期制御部材を噴射時期制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした目標噴射時期をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記目標噴射量を補正する手段と、
この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標噴射時期を算出する手段と、
この算出された目標噴射時期を前記噴射時期制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射時期制御アクチュエータに出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するとともに、燃料噴射時期制御部材を噴射時期制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした目標噴射時期をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段と、
前記燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段と、
この燃料噴射量制御部材の位置検出値から燃料噴射量を推定する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記推定された燃料噴射量を補正する手段と、
この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標噴射時期を算出する手段と、
この算出された目標噴射時期を前記噴射時期制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射時期制御アクチュエータに出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と、
駆動量に応じてEGR量を可変に調整する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした目標EGR量をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記目標噴射量を補正する手段と、
この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標EGR量を算出する手段と、
この算出された目標EGR量を前記EGR量可変手段への駆動量に変換して出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
基準燃料に対してマッチングした目標噴射量を算出する手段と、
この目標噴射量を前記噴射量制御アクチュエータへの駆動量に変換する手段と、
この駆動量を前記噴射量制御アクチュエータに出力する手段と、
駆動量に応じてEGR量を可変に調整する手段と、
前記基準燃料に対してマッチングした目標EGR量をエンジン回転数と燃料噴射量を制御パラメータとして記憶する手段と、
前記燃料噴射量制御部材の位置を検出する手段と、
この燃料噴射量制御部材の位置検出値から燃料噴射量を推定する手段と、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値が前記基準燃料の燃料粘度と異なるときは燃料粘度の検出値に応じて前記推定された燃料噴射量を補正する手段と、
この補正された燃料噴射量とエンジン回転数を前記制御パラメータとして用いて目標EGR量を算出する手段と、
この算出された目標EGR量を前記EGR量可変手段への駆動量に変換して出力する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。 - 吸入空気量と吸気温度とを検出する手段を備え、これら吸入空気量と吸気温度の各検出値と前記補正された燃料噴射量とに基づいて空燃比を算出し、この計算空燃比をも前記目標EGR量を算出するための制御パラメータとすることを特徴とする請求項8または9に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
- プランジャにより燃料を圧送する一方で、燃料噴射量制御部材を噴射量制御アクチュエータに与える駆動量に応じて調整するジャーク式燃料噴射ポンプ
を備えるディーゼルエンジンにおいて、
タイマピストン位置とポンプセット角から定まる静的噴射時期を前記プランジャの圧送開始時期として検出する手段と、
燃料を噴射供給するノズルの開弁時期を検出する手段と、
前記プランジャの圧送開始時期とノズルの開弁時期の差を噴射遅れ期間として算出する手段と、
この噴射遅れ期間に応じて設定された相関関係に基づいて燃料粘度を検出する手段と、
この燃料粘度の検出値に応じた比例定数を設定する手段と、
アイドル回転数を検出する手段と、
このアイドル回転数の検出値と目標アイドル回転数との差と前記比例定数に基づいて比例分を算出する手段と、
この比例分を少なくとも用いてアイドル時の燃料噴射量補正量を算出する手段と、
このアイドル時の燃料噴射量補正量の分だけ前記アクチュエータを駆動する手段と
を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28360195A JP3744036B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 |
US08/740,518 US5706780A (en) | 1995-10-31 | 1996-10-30 | Diesel engine fuel property determining device and controller |
DE19644102A DE19644102C2 (de) | 1995-10-31 | 1996-10-31 | Einspritz-Steuervorrichtung für eine Dieselmaschine |
KR1019960052192A KR0169866B1 (ko) | 1995-10-31 | 1996-10-31 | 디젤 엔진의 연료 상태 검출 장치 및 제어 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28360195A JP3744036B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09126038A JPH09126038A (ja) | 1997-05-13 |
JP3744036B2 true JP3744036B2 (ja) | 2006-02-08 |
Family
ID=17667623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28360195A Expired - Fee Related JP3744036B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5706780A (ja) |
JP (1) | JP3744036B2 (ja) |
KR (1) | KR0169866B1 (ja) |
DE (1) | DE19644102C2 (ja) |
Families Citing this family (58)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6002252A (en) | 1991-05-22 | 1999-12-14 | Wolff Controls Corporation | Compact sensing apparatus having transducer and signal conditioner with a plurality of mounting pins |
JP3540095B2 (ja) * | 1996-05-30 | 2004-07-07 | トヨタ自動車株式会社 | ディーゼルエンジンの噴射時期制御装置における異常判定装置 |
US6385646B1 (en) * | 1996-08-23 | 2002-05-07 | At&T Corp. | Method and system for establishing voice communications in an internet environment |
DE19736522A1 (de) | 1997-08-22 | 1999-02-25 | Deutz Ag | Verfahren zur Steuerung der Abgasrückführung bei einer Brennkraftmaschine |
US6148805A (en) * | 1998-12-15 | 2000-11-21 | Caterpillar Inc. | Engine with hydraulic fuel injection and EGR valve using a single high pressure pump |
US6234270B1 (en) | 1999-01-21 | 2001-05-22 | Caterpillar Inc. | Vehicle having hydraulic and power steering systems using a single high pressure pump |
US20020152985A1 (en) * | 2001-04-20 | 2002-10-24 | Wolff Peter U. | System, apparatus including on-board diagnostics, and methods for improving operating efficiency and durability of compression ignition engines |
EP1350941B1 (en) * | 2002-03-29 | 2004-12-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel injection control device and fuel injection control method |
US6935311B2 (en) * | 2002-10-09 | 2005-08-30 | Ford Global Technologies, Llc | Engine control with fuel quality sensor |
FI117350B (fi) * | 2002-10-16 | 2006-09-15 | Waertsilae Finland Oy | Laitteisto ja menetelmä polttoaineen syöttöjärjestelmän yhteydessä |
JP4259109B2 (ja) * | 2002-12-20 | 2009-04-30 | 日産自動車株式会社 | エンジンの燃料噴射制御装置 |
DE50302322D1 (de) * | 2003-09-10 | 2006-04-13 | Dbk David & Baader Gmbh | Sensoranordnung zur Erfassung des Aggregatzustandes einer Flüssigkeit |
JP4081819B2 (ja) * | 2004-05-06 | 2008-04-30 | 株式会社デンソー | 燃料噴射システム |
JP4111956B2 (ja) * | 2005-01-14 | 2008-07-02 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関の燃料供給装置 |
WO2012021096A1 (en) * | 2010-08-11 | 2012-02-16 | Volvo Lastvagnar Ab | Method for fuel injection |
EP2423492B1 (en) | 2010-08-31 | 2013-07-31 | Caterpillar Motoren GmbH & Co. KG | Controlling multifuel common rail engines |
US9010303B2 (en) * | 2011-01-28 | 2015-04-21 | Cummins Intellectual Property, Inc. | System and method of detecting hydraulic start-of-injection |
DE102011005141A1 (de) | 2011-03-04 | 2012-09-06 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zum Bestimmen einer Eigenschaft eines Kraftstoffs |
US9534547B2 (en) | 2012-09-13 | 2017-01-03 | GM Global Technology Operations LLC | Airflow control systems and methods |
US9714616B2 (en) | 2014-03-26 | 2017-07-25 | GM Global Technology Operations LLC | Non-model predictive control to model predictive control transitions |
US9797318B2 (en) | 2013-08-02 | 2017-10-24 | GM Global Technology Operations LLC | Calibration systems and methods for model predictive controllers |
US9920697B2 (en) | 2014-03-26 | 2018-03-20 | GM Global Technology Operations LLC | Engine control systems and methods for future torque request increases |
US9388754B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-07-12 | GM Global Technology Operations LLC | Artificial output reference for model predictive control |
US9382865B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-07-05 | GM Global Technology Operations LLC | Diagnostic systems and methods using model predictive control |
US9376965B2 (en) | 2013-04-23 | 2016-06-28 | GM Global Technology Operations LLC | Airflow control systems and methods using model predictive control |
US9435274B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-09-06 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for managing the period of a control loop for controlling an engine using model predictive control |
US9541019B2 (en) | 2014-03-26 | 2017-01-10 | GM Global Technology Operations LLC | Estimation systems and methods with model predictive control |
US9587573B2 (en) | 2014-03-26 | 2017-03-07 | GM Global Technology Operations LLC | Catalyst light off transitions in a gasoline engine using model predictive control |
US9784198B2 (en) | 2015-02-12 | 2017-10-10 | GM Global Technology Operations LLC | Model predictive control systems and methods for increasing computational efficiency |
US9429085B2 (en) * | 2013-04-23 | 2016-08-30 | GM Global Technology Operations LLC | Airflow control systems and methods using model predictive control |
US9388758B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-07-12 | GM Global Technology Operations LLC | Model predictive control systems and methods for future torque changes |
US9605615B2 (en) | 2015-02-12 | 2017-03-28 | GM Global Technology Operations LLC | Model Predictive control systems and methods for increasing computational efficiency |
US9732688B2 (en) | 2014-03-26 | 2017-08-15 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for increasing the temperature of a catalyst when an engine is started using model predictive control |
US9378594B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-06-28 | GM Global Technology Operations LLC | Fault diagnostic systems and methods for model predictive control |
US9347381B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-05-24 | GM Global Technology Operations LLC | Model predictive control systems and methods for internal combustion engines |
US9599049B2 (en) | 2014-06-19 | 2017-03-21 | GM Global Technology Operations LLC | Engine speed control systems and methods |
US9863345B2 (en) | 2012-11-27 | 2018-01-09 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for adjusting weighting values assigned to errors in target actuator values of an engine when controlling the engine using model predictive control |
US9334815B2 (en) | 2014-03-26 | 2016-05-10 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for improving the response time of an engine using model predictive control |
US9528453B2 (en) | 2014-11-07 | 2016-12-27 | GM Global Technologies Operations LLC | Throttle control systems and methods based on pressure ratio |
US9765703B2 (en) | 2013-04-23 | 2017-09-19 | GM Global Technology Operations LLC | Airflow control systems and methods using model predictive control |
CN104919163B (zh) * | 2013-01-08 | 2017-08-25 | 沃尔沃卡车集团 | 用于确定燃料质量的方法和装置以及具备该装置的车辆 |
DE102015103789B4 (de) * | 2014-03-26 | 2024-03-14 | GM Global Technology Operations LLC (n. d. Ges. d. Staates Delaware) | Verfahren zum Verbessern der Ansprechzeit einer Kraftmaschine unter Verwendung einer Modellvorhersagesteuerung |
JP6424746B2 (ja) * | 2015-06-11 | 2018-11-21 | 株式会社デンソー | ディーゼル機関の制御装置 |
JP6464070B2 (ja) * | 2015-10-07 | 2019-02-06 | ヤンマー株式会社 | エンジン |
JP6436064B2 (ja) * | 2015-11-12 | 2018-12-12 | 株式会社デンソー | デポジット推定装置および燃焼システム制御装置 |
DE102015223848A1 (de) * | 2015-12-01 | 2017-06-01 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zum Ermitteln einer Viskosität eines Kraftstoffs |
US9938908B2 (en) | 2016-06-14 | 2018-04-10 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for predicting a pedal position based on driver behavior and controlling one or more engine actuators based on the predicted pedal position |
US9789876B1 (en) | 2016-06-16 | 2017-10-17 | GM Global Technology Operations LLC | Axle torque control system for a motor vehicle |
US10125712B2 (en) | 2017-02-17 | 2018-11-13 | GM Global Technology Operations LLC | Torque security of MPC-based powertrain control |
US10119481B2 (en) | 2017-03-22 | 2018-11-06 | GM Global Technology Operations LLC | Coordination of torque interventions in MPC-based powertrain control |
US10399574B2 (en) | 2017-09-07 | 2019-09-03 | GM Global Technology Operations LLC | Fuel economy optimization using air-per-cylinder (APC) in MPC-based powertrain control |
US10358140B2 (en) | 2017-09-29 | 2019-07-23 | GM Global Technology Operations LLC | Linearized model based powertrain MPC |
US10619586B2 (en) | 2018-03-27 | 2020-04-14 | GM Global Technology Operations LLC | Consolidation of constraints in model predictive control |
US10661804B2 (en) | 2018-04-10 | 2020-05-26 | GM Global Technology Operations LLC | Shift management in model predictive based propulsion system control |
US10859159B2 (en) | 2019-02-11 | 2020-12-08 | GM Global Technology Operations LLC | Model predictive control of torque converter clutch slip |
US11312208B2 (en) | 2019-08-26 | 2022-04-26 | GM Global Technology Operations LLC | Active thermal management system and method for flow control |
US11008921B1 (en) | 2019-11-06 | 2021-05-18 | GM Global Technology Operations LLC | Selective catalytic reduction device control |
CN112682126B (zh) * | 2020-12-24 | 2022-06-07 | 东风商用车有限公司 | 一种车辆机油粘度实时预测方法及装置 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4252097A (en) * | 1978-06-26 | 1981-02-24 | The Bendix Corporation | Viscosity compensated fuel injection system |
US4493302A (en) * | 1982-02-01 | 1985-01-15 | Nissan Motor Company, Limited | Fuel injection timing control system for an internal combustion engine |
JPH0754101B2 (ja) * | 1985-03-29 | 1995-06-07 | 日本電装株式会社 | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
DE3739198C1 (de) * | 1987-11-19 | 1989-05-03 | Bosch Gmbh Robert | Kraftstoffeinspritzpumpe fuer Brennkraftmaschinen |
JP3094671B2 (ja) * | 1992-07-17 | 2000-10-03 | 日産自動車株式会社 | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 |
US5357912A (en) * | 1993-02-26 | 1994-10-25 | Caterpillar Inc. | Electronic control system and method for a hydraulically-actuated fuel injection system |
US5423302A (en) * | 1994-03-23 | 1995-06-13 | Caterpillar Inc. | Fuel injection control system having actuating fluid viscosity feedback |
US5445129A (en) * | 1994-07-29 | 1995-08-29 | Caterpillar Inc. | Method for controlling a hydraulically-actuated fuel injection system |
JP3412375B2 (ja) * | 1995-03-27 | 2003-06-03 | 日産自動車株式会社 | ディーゼル機関の始動制御装置 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP28360195A patent/JP3744036B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-10-30 US US08/740,518 patent/US5706780A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-10-31 KR KR1019960052192A patent/KR0169866B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1996-10-31 DE DE19644102A patent/DE19644102C2/de not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE19644102C2 (de) | 1999-09-16 |
KR970021695A (ko) | 1997-05-28 |
JPH09126038A (ja) | 1997-05-13 |
US5706780A (en) | 1998-01-13 |
KR0169866B1 (ko) | 1999-01-15 |
DE19644102A1 (de) | 1997-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3744036B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料性状検出装置および制御装置 | |
US6966304B2 (en) | Estimation of oil-diluting fuel quantity of engine | |
JP2001115865A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US9822711B2 (en) | Control device for internal combustion engine | |
JP3314294B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4168273B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JPS62265445A (ja) | エンジンの燃料制御装置 | |
JPH1150889A (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP3617240B2 (ja) | 内燃機関の排気還流制御装置 | |
JP2001336436A (ja) | エンジン制御装置 | |
JP2712288B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 | |
JP2001107776A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御システム | |
JP3559338B2 (ja) | 内燃機関の吸入空気量推定装置 | |
JP3430729B2 (ja) | ディーゼルエンジンの制御装置 | |
JPH0223252A (ja) | 圧縮着火機関用燃料噴射率制御装置 | |
JPH0481534A (ja) | 内燃機関の燃料供給制御装置 | |
JP2858285B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給制御装置 | |
JP3513013B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JPH02256853A (ja) | 内燃機関の吸気圧力検出自己診断装置 | |
JP3593162B2 (ja) | エンジンの吸入空気量検出方法 | |
JP2591318B2 (ja) | ディーゼルエンジンの排気還流装置 | |
JP3702641B2 (ja) | エンジンのアイドル運転制御装置 | |
JP3714373B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射時期制御装置 | |
JPH05240090A (ja) | 内燃機関のアイドル回転速度制御装置 | |
JP3635726B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040907 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |