JP3742012B2 - 多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法 - Google Patents
多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法 Download PDFInfo
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Description
技術分野
この発明は、複数のチャネルによって情報を伝送する多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法に関するものである。
背景技術
従来の多重通信システムにおける信号処理装置は、共通の伝送路や空間を介して複数の情報を各チャネルによって伝送する。このような多重通信システムとしては、周波数分割多重方式のFDMA(Friquency Division Multiple Access)、時分割多重方式のTDMA(Time Division Multiple Access)、符号分割多重方式のCDMA(Code Division Multiple Access)が知られている。
特に、CDMA通信システムは、複数ユーザーが同じ周波数帯域を共有できるので、FDMA通信システムおよびTDMA通信システムに比べて、帯域幅当たりのユーザーチャネル数を多くできること、また、送信周波数が広帯域なので、マルチパス信号による周波数選択性フェージングに強いことから、移動体通信等に適用する通信システムとして期待されている。
移動体通信に適用したCDMA通信システムにおいて、同一の移動局から2つのチャネルを用いて異なる2つの情報を伝送する場合がある。例えば、日本特許庁によって1999年9月28日に出版公開された特許文書(特開平11−266168号公報)には、音声信号とデータ信号を同時に伝送する場合における送信電力の調整方法および装置についての発明が開示されている。
第1図は、従来のCDMA通信システムにおける信号処理装置(ベースバンド変調装置)の構成を示すブロック図であり、図において、31は2つのチャネルCH1およびCH2から入力される信号をCode1およびCode2から入力されるPN(擬似ノイズ)符号によって周波数拡散変調として直接拡散(DS)変調を施す拡散変調手段であり、その内部において、31a,31b,31c,および31dは、exclusive−OR(排他的論理和ゲート)である。
32ないし35は拡散変調手段31からの変調信号の帯域を制限する波形整形手段、36ないし39は波形整形手段32ないし35からの整形変調信号と利得信号とを乗算するチャネル毎ゲイン乗算器(以下、「乗算器」という)、40は乗算器36および37からの信号を加算する加算器、41は乗算器38および39からの信号を加算する加算器である。
次に、第1図の構成の動作について説明する。2つの伝送チャネルであるCH1およびCH2からは2系統の信号(例えば、音声信号およびデータ信号)が入力される。CH1からの信号はexclusive−OR31aおよび31cに入力され、CH2からの信号はexclusive−OR31bおよび31dに入力される。
Code1からのPN符号はexclusive−OR31aおよび31dに入力され、Code2からのPN符号はexclusive−OR31bおよび31cに入力される。
したがって、2系統の信号が4個のexclusive−OR31a,31b,31c,および31dによってQPSK変調されて周波数帯域が数十倍以上に拡散する。この場合において、各exclusive−OR31a,31b,31c,および31dから出力される変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、下記の乗算式に基づいて直交するようにI成分およびQ成分に変調される。
ICH1=CH1・Code1
ICH2=−CH2・Code2
QCH1=CH1・Code2
QCH2=CH2・Code1
これら拡散された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、それぞれ波形整形手段32,33,34,および35に入力される。
各波形整形手段32,33,34,および35においては、入力された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2の波形を整形する。すなわち、各変調信号にインパルス応答を重ね合わせて帯域制限し、整形変調信号I′CH1,I′CH2,Q′CH1,Q′CH2を生成して、乗算器36,37,38,および39に入力する。
各乗算器36,37,38,および39においては、それぞれに入力される整形変調信号I′CH1,I′CH2,Q′CH1,Q′CH2と、信号発生手段(図示せず)からそれぞれに入力される利得信号のチャネル毎ゲイン(電力利得値)βd,βc,βd,およびβcとを乗算して、電力制御した変調信号I′CH1・βd,I′CH2・βc,Q′CH1・βd,Q′CH2・βcを生成する。
さらに、下記の演算式により、電力制御された2系統の変調信号I′CH1・βdおよびI′CH2・βcは、加算器40に入力されて加算され合成変調信号Imodが生成される。同様に、電力制御された2系統の変調信号Q′CH1・βdおよびQ′CH2・βcは、加算器41に入力されて加算され合成変調信号Qmodが生成される。すなわち、I成分およびQ成分の周波数拡散変調信号ImodおよびQmodが生成される。
Imod=βd・I′CH1+βc・I′CH2
Qmod=βd・Q′CH1+βc・Q′CH2
これらI成分およびQ成分の周波数拡散変調信号は、D/A変換手段(図示せず)によってアナログ信号に変換され、高周波変調手段(図示せず)に入力されて高周波搬送信号により変調されて送信信号が生成され電波となって送信される。
ところで一般に、CDMA通信システムにおいては、送信信号の電力を制御するために、チャネル毎ゲインを送信中に変更する場合がある。第2図は、第1図における信号処理装置において、CH1のチャネル毎ゲインβdを変更した場合の例を示している。チャネル毎ゲインβdが一定の周期Tで周期的にβd1,βd2,βd3,βd4…とステップ的に変化し、CH2のチャネル毎ゲインβcが変化しない場合には、乗算器36の出力信号(電力制御された変調信号)h′および乗算器37の出力信号(電力制御された変調信号)k′は第2図のh′およびk′に示す波形となる。したがって、送信信号の基となる加算器40の出力信号(合成変調信号)m′は、第2図のm′に示す波形となり、送信信号の電力値がステップ的に変化する。
しかしながら、上記従来のCDMA通信システムにおける信号処理装置においては、波形整形手段32ないし35からの出力信号は帯域が制限されており、各サンプル点における波形整形手段のインパルス応答を重ね合わせたものであるため過渡応答をもっており、チャネル毎ゲインがステップ的に変更されると、インパルス応答の途中でゲインが切り替わる場合が発生する。このため、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまう。したがって、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなってしまう等の課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、チャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止することができる多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法を得ることを目的とする。
発明の開示
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、切替信号(フィルタ切替信号)に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して変調信号を入力する選択手段(フィルタ選択手段)と、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御された変調信号を生成する2系統の乗算手段(チャネル乗算器)と、上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御した変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段(チャネル加算器)と、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段(各チャネル毎ゲイン設定手段)と、を備えたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生するのを確実に防止するので、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが周期的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調して複数系統の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、同じ通信端末装置から複数の系統の情報を同時に送信する場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、複数系統の情報を担う隣接する信号に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成する変調手段と、入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段から出力される変調信号を入力する選択手段と、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御した変調信号を生成する2系統の乗算手段と、上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段と、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段と、を備えたものである。
このことによって、CDMA通信システムに適用した場合において、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、入力された変調信号の波形を2系統の波形整形手段により整形するステップと、切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段からの変調信号を入力するステップと、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられた2系統の乗算手段の各々において、対応する波形整形手段から入力される整形変調信号と入力される利得信号とを乗算して2系統の電力制御した変調信号を生成するステップと、上記2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成するステップと、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続けるステップと、を実行するものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けるようにするものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが周期的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調して複数系統の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、同じ通信端末装置から複数の系統の情報を同時に送信する場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、複数の系統の情報を担う信号に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、CDMA通信システムに適用した場合において、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、CDMA通信の移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、CDMAを利用した移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図である。
第2図は第1図における信号波形を示す図である。
第3図はこの発明の実施の形態1による多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図である。
第4図は第3図における信号波形を示す図である。
第5図は第3図における信号波形を示す図である。
第6図は第3図における信号波形を示す図である。
第7図は第3図における信号波形を示す図である。
第8図は第3図における信号波形を示す図である。
第9図は第3図における信号波形を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
第3図はこの発明の形態1による多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図であり、図において、1は2つのチャネルCH1およびCH2から入力される信号をCode1およびCode2から入力されるPN(擬似ノイズ)符号によって周波数拡散変調として直接拡散(DS)変調を施す拡散変調手段であり、その内部において、1a,1b,1c,および1dは、exclusive−OR(排他的論理和ゲート)である。2は外部から入力されるチャネル毎ゲインβdおよびβcに応じて4系統のチャネル毎ゲイン設定信号およびフィルタ切替信号を発生する各チャネル毎ゲイン設定手段である。
3は各チャネル毎ゲイン設定手段2から入力されるフィルタ切替信号に応じて拡散変調手段1から入力される変調信号を切替えて2系統のいずれかに選択的に入力するフィルタ選択手段であり、その内部において3a,3b,3c,および3dは4個の切替スイッチである。4ないし7はフィルタ選択手段3から変調信号を選択的に入力される2系統の一方の波形整形手段、8ないし11はフィルタ選択手段3から変調信号を選択的に入力される2系統の他方の波形整形手段である。
12ないし19は波形整形手段4ないし11によって波形整形が施される整形変調信号と各チャネル毎ゲイン設定手段2から入力されるチャネル毎ゲインとを乗算するチャネル毎ゲイン乗算器(以下、「乗算器」という)である。20は乗算器12および13からの信号を加算する加算器、21は乗算器14および15からの信号を加算する加算器、22は乗算器16および17からの信号を加算する加算器、23は乗算器18および19からの信号を加算する加算器である。24は加算器20および22からの信号を加算するチャネル加算器(以下、「加算器」という)、25は加算器20および22からの信号を加算するチャネル加算器(以下、「加算器」という)である。
次に、第3図の構成の動作について説明する。2つの伝送チャネルであるCH1およびCH2からは2系統の信号(例えば、音声信号およびデータ信号)が入力される。CH1からの信号はexclusive−OR1aおよび1cに入力され、CH2からの信号はexclusive−OR1bおよび1dに入力される。
Code1からのPN符号はexclusive−OR1aおよび1dに入力され、Code2からのPN符号はexclusive−OR1bおよび1cに入力される。
したがって、2系統の信号が4個のexclusive−OR1a,1b,1c,および1dによってQPSK変調されて周波数帯域が数十倍以上に拡散する。この場合において、各exclusive−OR1a,1b,1c,および1dから出力される変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、下記の乗算式に基づいて直交するように変調される。
ICH1=CH1・Code1
ICH2=−CH2・Code2
QCH1=CH1・Code2
QCH2=CH2・Code1
これら拡散された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、フィルタ選択手段3の各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dの入力接点にそれぞれ入力される。各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dは、各チャネル毎ゲイン設定手段2からのフィルタ切替信号に応じて出力接点#1又は#2に接続される。各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dの出力接点#1は2系統の一方の波形整形手段4,5,6,および7に接続され、他方の出力接点#2は2系統の他方の波形整形手段8,9,10,および11に接続されている。
したがって、フィルタ切替信号aに応じて入力接点と出力接点#1とが接続されたときは、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、波形整形手段4,5,6,および7に時分割で振り分けて入力される。又は、フィルタ切替信号aに応じて入力接点と出力接点#2とが接続されたときは、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、波形整形手段8,9,10,および11に時分割で振り分けて入力される。
なおこの場合において、切替スイッチ3a,3b,3c,および3dにおいて、入力接点と接続されない側の出力接点には、振幅0に相当する信号が供給される。このため、フィルタ選択手段3から出力されるデータ列は、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2にそれぞれの振幅0を表すビットを付加した2ビットのデータ列となる。
ここで波形整形手段4,5,6,および7に入力される信号をそれぞれICH1#1,ICH2#1,QCH1#1,QCH2#1とし、波形整形手段8,9,10,および11に入力される変調信号をそれぞれICH1#2,ICH2#2,QCH1#2,QCH2#2とする。
フィルタ選択手段3の出力は、波形整形手段4,5,6,および7、又は波形整形手段8,9,10,および11において、CH1およびCH2のI成分の変調信号およびQ成分の変調信号毎に波形整形が施され、確保すべき振幅の精度にふさわしいマルチビットのデータ列となる。ここで、波形整形手段4,5,6,および7から出力される整形変調信号をI′CH1#1,I′CH2#1,Q′CH1#1,Q′CH2#1とし、波形整形手段8,9,10,および11から出力される整形変調信号をI′CH1#2,I′CH2#2,Q′CH1#2,Q′CH2#2とする。
各波形整形手段4ないし11からの整形変調信号は、それぞれ対応する乗算器12ないし19に入力される。各乗算器には各チャネル毎ゲイン設定手段2からのチャネル毎ゲインが与えられる。
すなわち、乗算器12にはチャネル毎ゲインβd#1が与えられ、乗算器13にはチャネル毎ゲインβc#1が与えられ、乗算器14にはチャネル毎ゲインβd#1が与えられ、乗算器15にはチャネル毎ゲインβc#1が与えられ、乗算器16にはチャネル毎ゲインβd#2が与えられ、乗算器17にはチャネル毎ゲインβc#2が与えられ、乗算器18にはチャネル毎ゲインβd#2が与えられ、乗算器19にはチャネル毎ゲインβc#2が与えられる。したがって、各乗算器ではチャネル毎ゲインと整形変調信号とが乗算されて、電力制御された変調信号が出力される。
さらに、乗算器12および13の出力は加算器20に入力されて加算され、乗算器14および15の出力は加算器21に入力されて加算され、乗算器16および17の出力は加算器22に入力されて加算され、乗算器18および19の出力は加算器23に入力されて加算される。そして、加算器20および22の出力は加算器24に入力されて加算され、加算器21および23の出力は加算器25に入力されて加算される。
この結果、加算器24からはI成分の変調信号Imodが出力され、加算器25からはQ成分の変調信号Qmodが出力される。したがって、ImodおよびQmodは下記の演算式で表される。
Imod=βd#1・I′CH1#1+βc#1・I′CH2#1
+βd#2・I′CH1#2+βc#2・I′CH2#2
Qmod=βd#1・Q′CH1#1+βc#1・Q′CH2#1
+βd#2・Q′CH1#2+βc#2・Q′CH2#2
上記演算式において、各チャネル毎ゲインが一定であると仮定すると、
βd=βd#1=βd#2
βc=βc#1=βc#2
となるから、
Imod=βd・(I′CH1#1+I′CH1#2)
+βc・(I′CH2#1+I′CH2#2)
Qmod=βd・(Q′CH1#1+Q′CH1#2)
+βc・(Q′CH2#1+Q′CH2#2)
となる。また、
ICH1=ICH1#1+ICH1#2
ICH2=ICH2#1+ICH2#2
QCH1=QCH1#1+QCH1#2
QCH2=QCH2#1+QCH2#2
であるから、
I′CH1=I′CH1#1+I′CH1#2
I′CH2=I′CH2#1+I′CH2#2
Q′CH1=Q′CH1#1+Q′CH1#2
Q′CH2=Q′CH2#1+Q′CH2#2
となる。したがって、
Imod=βd・I′CH1+βc・I′CH2
Qmod=βd・Q′CH1+βc・Q′CH2
となり、チャネル毎ゲインが変化しなければ、第3図の構成において、従来の技術と同じImodおよびQmodが出力される。
第4図は、各チャネル毎ゲイン設定手段2からフィルタ選択手段3に対して、一定の周期T毎に供給されるフィルタ切替信号a、各チャネル毎ゲイン設定手段2に対して外部から一定の周期T毎に与えられるチャネル毎ゲインβcおよびβd、および各チャネル毎ゲイン設定手段2から乗算器12ないし19に与えられるチャネル毎ゲインβc#1,βc#2,βd#1,βd#2の変化を表している。
図に示すように、チャネル毎ゲインβcは、各周期T毎にβc(n)、βc(n+1)、βc(n+2)、βc(n+3)、βc(n+4)、…と変化し、βdは、各周期T毎にβd(n)、βd(n+1)、βd(n+2)、βd(n+3)、βd(n+4)、…と変化している。ただし、チャネル毎ゲインの値(電力利得値)が各周期T毎に必ずしも変化しているわけではなく、複数の周期に亘って一定の期間同じ値である場合もある。
第2図の最初の周期Tにおいて、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号aは#1側となっている。すなわち、フィルタ選択信号aは、2系統の波形整形手段の一方の波形整形手段4,5,6,および7を拡散変調手段1から出力される変調信号の入力先として選択している。また、これら選択された各波形整形手段にそれぞれ対応する乗算器12,13,14,および15にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#1およびβc#1として、それぞれβc(n)およびβd(n)が設定される。
次の周期Tにおいては、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号aは#2側となっている。すなわち、フィルタ選択信号aは、2系統の波形整形手段の他方の波形整形手段8,9,10,および11を拡散変調手段1から出力される変調信号の入力先として選択している。また、これら選択された各波形整形手段にそれぞれ対応する乗算器16,17,18,および19にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#2およびβc#2として、それぞれβc(n+1)およびβd(n+1)が設定される。この場合において、乗算器12,13,14,および15にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#1およびβc#1としては、前の周期Tにおけるβc(n)およびβd(n)がこの周期Tの期間そのまま保持される。
このチャネル毎ゲインの保持期間は、波形整形手段の過渡応答が終了するまでの期間あればよい。また、周期Tは、必要とされるチャネル毎ゲインの時間変化単位と同じか又はその整数分の1に設定するのが適当である。
第5図および第6図は、チャネル毎ゲインが変化しない場合の信号波形のタイミングチャートを示している。各信号波形の先頭に付けた符号は、第3図における信号線に付けた符号に対応している。すなわち、第5図のaないしmの信号波形は、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号a、波形整形手段4の入力信号b、波形整形手段5の入力信号c、波形整形手段8の入力信号d、波形整形手段9の入力信号e、波形整形手段4の出力信号f、波形整形手段5の出力信号g、加算器20の出力信号h、波形整形手段8の出力信号i、波形整形手段9の出力信号j、加算器22の出力信号k、加算器24の出力信号mを示している。
また、第6図のnないしyの信号波形は、波形整形手段6の入力信号n、波形整形手段7の入力信号p、波形整形手段10の入力信号q、波形整形手段11の入力信号r、波形整形手段6の出力信号s、波形整形手段7の出力信号t、加算器21の出力信号u、波形整形手段10の出力信号v、波形整形手段11の出力信号w、加算器23の出力信号x、加算器25の出力信号yを示している。
この図において、フィルタ切替信号aは、#1側と#2側を周期Tで切替えられており、これに従いフィルタ選択手段3は、時分割で#1側に信号b,c,d,eを振り分け、#2側に信号n,p,q,rを振り分ける。また、信号が入力されていない期間は振幅0が波形整形手段に入力される。これらの信号を波形整形手段で波形整形する。このときf,g,i,j,およびs,t,v,wの波形に示すように、フィルタ選択手段3からの信号入力が開始されると、波形整形手段のステップ応答に従い、整形変調信号の出力電力が増加して定常状態において一定値となる。この後、フィルタ選択手段3からの信号入力が終了して振幅0が入力されると、整形変調信号の出力電力が波形整形手段のステップ応答に従い減少して定常状態において0となる。
この出力電力にチャネル毎ゲインを乗算器12ないし19で乗算し、加算器20ないし23で加算した結果がh,k,u,xの波形である。そして、加算器20および22の出力信号であるhおよびkの波形を加算器24で加算することにより、一定の振幅をもつ変調信号のI成分であるmの波形信号Imodを生成する。また、加算器21および23の出力信号であるuおよびxの波形を加算器25で加算することにより、一定の振幅をもつ変調信号のQ成分であるyの波形信号Qmodを生成する。したがって、ImodおよびQmodは従来の技術で同じチャネル毎ゲインを乗算した場合と同じ変調信号が得られる。
第7図は、各チャネル毎ゲインを変更した場合の信号波形を示している。ここでは説明を簡便にするために、CH1のチャネル毎ゲインβdが各周期T毎にβd1,βd2,βd3,βd4と変更される場合の例を挙げる。すなわち、信号波形はCH1のI成分に関する部分のみを示している。
外部よりβdとしてβd1が与えられている周期Tの区間では、CH1のI成分用の波形整形手段としては波形整形手段4が選択され、この区間内に入力される信号bは波形整形手段4で帯域制限された出力信号fとなる。乗算器12にはβd1がβd#1として与えられ、2Tの周期に亘る間継続して与えられる。その乗算結果は、加算器20の出力信号hとなる。
すなわち、βd1およびβd2は矢印で示すように信号hおよび信号kに反映し、波形整形手段4の過渡応答が終了するまで継続して乗算されるため波形の歪が発生せず、加算器20の出力信号hは波形整形手段4により帯域制限された信号をβd1倍した信号とCH2の信号とを加算した信号hとなる。このことは、CH1のQ成分に関する部分についても同様である。
このように、上記実施の形態1によれば、各周期T内に含まれる信号は全て与えられたチャネル毎ゲインが乗算されるため、各加算器の出力信号には波形歪が発生せず、#1と#2とを加算した結果である加算器24の出力信号にも波形歪は発生しない。したがって、チャネル毎ゲインが変更された場合でも、ImodおよびQmodの帯域が広がらない。この結果、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
実施の形態2.
実施の形態2における信号処理装置の構成は、第3図に示した実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。この実施の形態においては、各チャネル毎ゲイン設定手段2の動作のみが実施の形態1と異なっている。この実施の形態では、一定の周期でフィルタ切替信号aをフィルタ選択手段3に与えるのではなく、送信信号の電力値を変更する指示を受けたときにフィルタ切替信号aをフィルタ選択手段3に与える。
第8図は、CH2のチャネル毎ゲインβcが変更される場合を示している。各チャネル毎ゲイン設定手段2は、外部から入力されるβcおよびβdを常時監視している。βc又はβdが変更されたことを検出すると、各チャネル毎ゲイン設定手段2は、フィルタ切替信号aを#1から#2に変更し、その変更によって拡散変調手段1からの変調信号の入力先とされた波形整形手段に対応する乗算器に与えるチャネル毎ゲインを変更する。すなわち、第8図のβcをβc′に変更する。したがって、乗算器19に与えているβc#2をβc′に変更する。
第9図は、CH1のチャネル毎ゲインβdがβd1からβd2に変更される場合におけるCH1のI成分に関する部分の各信号波形を示している。各波形の先頭に付けられた符号は、第3図のブロック図において対応する符号で示す信号線に対応している。外部よりβdとしてβd1が与えられている期間は、CH1のI成分用の波形整形手段としては波形整形手段4が選択されている。この期間内に入力される変調信号は波形整形手段4で帯域制限が施される。波形整形手段4に対応する乗算器12には、βd1がβd#1として与えられ、フィルタ切替信号aが#1から#2に変更された後も継続して与えられる。
この結果、矢印に示すように、加算器20の出力信号hの電力に反映され、βd1は波形整形手段4の過渡応答が終了するまで継続して乗算されるため波形の歪が発生せず、加算器20の出力信号hは波形整形手段4により帯域制限された信号をβd1倍した信号とCH2の信号とを加算した信号hとなる。このことは、CH1のQ成分に関する部分についても同様である。
このように上記実施の形態2においても、外部からのチャネル毎ゲインの変更によってフィルタ切替信号が変更された場合でも、その切替え前および切替え後の期間内に含まれる信号は全て与えられたチャネル毎ゲインが乗算されるため、各加算器の出力信号には波形歪が発生せず、#1と#2とを加算した結果である加算器24の出力信号にも波形歪は発生しない。したがって、チャネル毎ゲインが変更された場合でも、ImodおよびQmodの帯域が広がらない。
なお、上記各実施の形態においては、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインを外部から与えられる構成にしたが、信号処理装置内にチャネル毎ゲインを記憶しておく構成にしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、直接拡散(DS)のCDMA通信システムを例に採ってこの発明を説明したが、周波数ホッピング(FH)その他の拡散を用いるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、CDMA通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法について説明したが、この発明が適用する範囲はCDMA通信システムに限定するものではない。FDMA通信システムおよびTDMA通信システムのみならず、インパルス応答を重ね合わせて帯域制限を行った信号に対して、ステップ的にその利得を変更する信号処理を行うようなシステムの全てにこの発明を適用して、インパルス応答の途中で利得が変化する場合でも、波形に歪が発生するのを防止できる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置および信号処理方法は、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できるので、CDMA通信システムその他の多重通信システムに適している。
この発明は、複数のチャネルによって情報を伝送する多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法に関するものである。
背景技術
従来の多重通信システムにおける信号処理装置は、共通の伝送路や空間を介して複数の情報を各チャネルによって伝送する。このような多重通信システムとしては、周波数分割多重方式のFDMA(Friquency Division Multiple Access)、時分割多重方式のTDMA(Time Division Multiple Access)、符号分割多重方式のCDMA(Code Division Multiple Access)が知られている。
特に、CDMA通信システムは、複数ユーザーが同じ周波数帯域を共有できるので、FDMA通信システムおよびTDMA通信システムに比べて、帯域幅当たりのユーザーチャネル数を多くできること、また、送信周波数が広帯域なので、マルチパス信号による周波数選択性フェージングに強いことから、移動体通信等に適用する通信システムとして期待されている。
移動体通信に適用したCDMA通信システムにおいて、同一の移動局から2つのチャネルを用いて異なる2つの情報を伝送する場合がある。例えば、日本特許庁によって1999年9月28日に出版公開された特許文書(特開平11−266168号公報)には、音声信号とデータ信号を同時に伝送する場合における送信電力の調整方法および装置についての発明が開示されている。
第1図は、従来のCDMA通信システムにおける信号処理装置(ベースバンド変調装置)の構成を示すブロック図であり、図において、31は2つのチャネルCH1およびCH2から入力される信号をCode1およびCode2から入力されるPN(擬似ノイズ)符号によって周波数拡散変調として直接拡散(DS)変調を施す拡散変調手段であり、その内部において、31a,31b,31c,および31dは、exclusive−OR(排他的論理和ゲート)である。
32ないし35は拡散変調手段31からの変調信号の帯域を制限する波形整形手段、36ないし39は波形整形手段32ないし35からの整形変調信号と利得信号とを乗算するチャネル毎ゲイン乗算器(以下、「乗算器」という)、40は乗算器36および37からの信号を加算する加算器、41は乗算器38および39からの信号を加算する加算器である。
次に、第1図の構成の動作について説明する。2つの伝送チャネルであるCH1およびCH2からは2系統の信号(例えば、音声信号およびデータ信号)が入力される。CH1からの信号はexclusive−OR31aおよび31cに入力され、CH2からの信号はexclusive−OR31bおよび31dに入力される。
Code1からのPN符号はexclusive−OR31aおよび31dに入力され、Code2からのPN符号はexclusive−OR31bおよび31cに入力される。
したがって、2系統の信号が4個のexclusive−OR31a,31b,31c,および31dによってQPSK変調されて周波数帯域が数十倍以上に拡散する。この場合において、各exclusive−OR31a,31b,31c,および31dから出力される変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、下記の乗算式に基づいて直交するようにI成分およびQ成分に変調される。
ICH1=CH1・Code1
ICH2=−CH2・Code2
QCH1=CH1・Code2
QCH2=CH2・Code1
これら拡散された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、それぞれ波形整形手段32,33,34,および35に入力される。
各波形整形手段32,33,34,および35においては、入力された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2の波形を整形する。すなわち、各変調信号にインパルス応答を重ね合わせて帯域制限し、整形変調信号I′CH1,I′CH2,Q′CH1,Q′CH2を生成して、乗算器36,37,38,および39に入力する。
各乗算器36,37,38,および39においては、それぞれに入力される整形変調信号I′CH1,I′CH2,Q′CH1,Q′CH2と、信号発生手段(図示せず)からそれぞれに入力される利得信号のチャネル毎ゲイン(電力利得値)βd,βc,βd,およびβcとを乗算して、電力制御した変調信号I′CH1・βd,I′CH2・βc,Q′CH1・βd,Q′CH2・βcを生成する。
さらに、下記の演算式により、電力制御された2系統の変調信号I′CH1・βdおよびI′CH2・βcは、加算器40に入力されて加算され合成変調信号Imodが生成される。同様に、電力制御された2系統の変調信号Q′CH1・βdおよびQ′CH2・βcは、加算器41に入力されて加算され合成変調信号Qmodが生成される。すなわち、I成分およびQ成分の周波数拡散変調信号ImodおよびQmodが生成される。
Imod=βd・I′CH1+βc・I′CH2
Qmod=βd・Q′CH1+βc・Q′CH2
これらI成分およびQ成分の周波数拡散変調信号は、D/A変換手段(図示せず)によってアナログ信号に変換され、高周波変調手段(図示せず)に入力されて高周波搬送信号により変調されて送信信号が生成され電波となって送信される。
ところで一般に、CDMA通信システムにおいては、送信信号の電力を制御するために、チャネル毎ゲインを送信中に変更する場合がある。第2図は、第1図における信号処理装置において、CH1のチャネル毎ゲインβdを変更した場合の例を示している。チャネル毎ゲインβdが一定の周期Tで周期的にβd1,βd2,βd3,βd4…とステップ的に変化し、CH2のチャネル毎ゲインβcが変化しない場合には、乗算器36の出力信号(電力制御された変調信号)h′および乗算器37の出力信号(電力制御された変調信号)k′は第2図のh′およびk′に示す波形となる。したがって、送信信号の基となる加算器40の出力信号(合成変調信号)m′は、第2図のm′に示す波形となり、送信信号の電力値がステップ的に変化する。
しかしながら、上記従来のCDMA通信システムにおける信号処理装置においては、波形整形手段32ないし35からの出力信号は帯域が制限されており、各サンプル点における波形整形手段のインパルス応答を重ね合わせたものであるため過渡応答をもっており、チャネル毎ゲインがステップ的に変更されると、インパルス応答の途中でゲインが切り替わる場合が発生する。このため、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまう。したがって、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなってしまう等の課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、チャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止することができる多重通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法を得ることを目的とする。
発明の開示
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、切替信号(フィルタ切替信号)に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して変調信号を入力する選択手段(フィルタ選択手段)と、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御された変調信号を生成する2系統の乗算手段(チャネル乗算器)と、上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御した変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段(チャネル加算器)と、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段(各チャネル毎ゲイン設定手段)と、を備えたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生するのを確実に防止するので、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが周期的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調して複数系統の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、同じ通信端末装置から複数の系統の情報を同時に送信する場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、複数系統の情報を担う隣接する信号に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置は、伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成する変調手段と、入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段から出力される変調信号を入力する選択手段と、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御した変調信号を生成する2系統の乗算手段と、上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段と、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段と、を備えたものである。
このことによって、CDMA通信システムに適用した場合において、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、入力された変調信号の波形を2系統の波形整形手段により整形するステップと、切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段からの変調信号を入力するステップと、上記2系統の波形整形手段に対応して設けられた2系統の乗算手段の各々において、対応する波形整形手段から入力される整形変調信号と入力される利得信号とを乗算して2系統の電力制御した変調信号を生成するステップと、上記2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成するステップと、上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続けるステップと、を実行するものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けるようにするものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが周期的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えるようにしたものである。
このことによって、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調して複数系統の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、同じ通信端末装置から複数の系統の情報を同時に送信する場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、複数の系統の情報を担う信号に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、CDMA通信システムに適用した場合において、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
この発明に係る多重通信システムにおける信号処理方法は、CDMA通信の移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成するようにしたものである。
このことによって、CDMAを利用した移動体通信システムに適用した場合に、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインが任意のときに変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図である。
第2図は第1図における信号波形を示す図である。
第3図はこの発明の実施の形態1による多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図である。
第4図は第3図における信号波形を示す図である。
第5図は第3図における信号波形を示す図である。
第6図は第3図における信号波形を示す図である。
第7図は第3図における信号波形を示す図である。
第8図は第3図における信号波形を示す図である。
第9図は第3図における信号波形を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
第3図はこの発明の形態1による多重通信システムにおける信号処理装置のブロック図であり、図において、1は2つのチャネルCH1およびCH2から入力される信号をCode1およびCode2から入力されるPN(擬似ノイズ)符号によって周波数拡散変調として直接拡散(DS)変調を施す拡散変調手段であり、その内部において、1a,1b,1c,および1dは、exclusive−OR(排他的論理和ゲート)である。2は外部から入力されるチャネル毎ゲインβdおよびβcに応じて4系統のチャネル毎ゲイン設定信号およびフィルタ切替信号を発生する各チャネル毎ゲイン設定手段である。
3は各チャネル毎ゲイン設定手段2から入力されるフィルタ切替信号に応じて拡散変調手段1から入力される変調信号を切替えて2系統のいずれかに選択的に入力するフィルタ選択手段であり、その内部において3a,3b,3c,および3dは4個の切替スイッチである。4ないし7はフィルタ選択手段3から変調信号を選択的に入力される2系統の一方の波形整形手段、8ないし11はフィルタ選択手段3から変調信号を選択的に入力される2系統の他方の波形整形手段である。
12ないし19は波形整形手段4ないし11によって波形整形が施される整形変調信号と各チャネル毎ゲイン設定手段2から入力されるチャネル毎ゲインとを乗算するチャネル毎ゲイン乗算器(以下、「乗算器」という)である。20は乗算器12および13からの信号を加算する加算器、21は乗算器14および15からの信号を加算する加算器、22は乗算器16および17からの信号を加算する加算器、23は乗算器18および19からの信号を加算する加算器である。24は加算器20および22からの信号を加算するチャネル加算器(以下、「加算器」という)、25は加算器20および22からの信号を加算するチャネル加算器(以下、「加算器」という)である。
次に、第3図の構成の動作について説明する。2つの伝送チャネルであるCH1およびCH2からは2系統の信号(例えば、音声信号およびデータ信号)が入力される。CH1からの信号はexclusive−OR1aおよび1cに入力され、CH2からの信号はexclusive−OR1bおよび1dに入力される。
Code1からのPN符号はexclusive−OR1aおよび1dに入力され、Code2からのPN符号はexclusive−OR1bおよび1cに入力される。
したがって、2系統の信号が4個のexclusive−OR1a,1b,1c,および1dによってQPSK変調されて周波数帯域が数十倍以上に拡散する。この場合において、各exclusive−OR1a,1b,1c,および1dから出力される変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、下記の乗算式に基づいて直交するように変調される。
ICH1=CH1・Code1
ICH2=−CH2・Code2
QCH1=CH1・Code2
QCH2=CH2・Code1
これら拡散された各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、フィルタ選択手段3の各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dの入力接点にそれぞれ入力される。各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dは、各チャネル毎ゲイン設定手段2からのフィルタ切替信号に応じて出力接点#1又は#2に接続される。各切替スイッチ3a,3b,3c,および3dの出力接点#1は2系統の一方の波形整形手段4,5,6,および7に接続され、他方の出力接点#2は2系統の他方の波形整形手段8,9,10,および11に接続されている。
したがって、フィルタ切替信号aに応じて入力接点と出力接点#1とが接続されたときは、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、波形整形手段4,5,6,および7に時分割で振り分けて入力される。又は、フィルタ切替信号aに応じて入力接点と出力接点#2とが接続されたときは、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2は、波形整形手段8,9,10,および11に時分割で振り分けて入力される。
なおこの場合において、切替スイッチ3a,3b,3c,および3dにおいて、入力接点と接続されない側の出力接点には、振幅0に相当する信号が供給される。このため、フィルタ選択手段3から出力されるデータ列は、各変調信号ICH1,ICH2,QCH1,QCH2にそれぞれの振幅0を表すビットを付加した2ビットのデータ列となる。
ここで波形整形手段4,5,6,および7に入力される信号をそれぞれICH1#1,ICH2#1,QCH1#1,QCH2#1とし、波形整形手段8,9,10,および11に入力される変調信号をそれぞれICH1#2,ICH2#2,QCH1#2,QCH2#2とする。
フィルタ選択手段3の出力は、波形整形手段4,5,6,および7、又は波形整形手段8,9,10,および11において、CH1およびCH2のI成分の変調信号およびQ成分の変調信号毎に波形整形が施され、確保すべき振幅の精度にふさわしいマルチビットのデータ列となる。ここで、波形整形手段4,5,6,および7から出力される整形変調信号をI′CH1#1,I′CH2#1,Q′CH1#1,Q′CH2#1とし、波形整形手段8,9,10,および11から出力される整形変調信号をI′CH1#2,I′CH2#2,Q′CH1#2,Q′CH2#2とする。
各波形整形手段4ないし11からの整形変調信号は、それぞれ対応する乗算器12ないし19に入力される。各乗算器には各チャネル毎ゲイン設定手段2からのチャネル毎ゲインが与えられる。
すなわち、乗算器12にはチャネル毎ゲインβd#1が与えられ、乗算器13にはチャネル毎ゲインβc#1が与えられ、乗算器14にはチャネル毎ゲインβd#1が与えられ、乗算器15にはチャネル毎ゲインβc#1が与えられ、乗算器16にはチャネル毎ゲインβd#2が与えられ、乗算器17にはチャネル毎ゲインβc#2が与えられ、乗算器18にはチャネル毎ゲインβd#2が与えられ、乗算器19にはチャネル毎ゲインβc#2が与えられる。したがって、各乗算器ではチャネル毎ゲインと整形変調信号とが乗算されて、電力制御された変調信号が出力される。
さらに、乗算器12および13の出力は加算器20に入力されて加算され、乗算器14および15の出力は加算器21に入力されて加算され、乗算器16および17の出力は加算器22に入力されて加算され、乗算器18および19の出力は加算器23に入力されて加算される。そして、加算器20および22の出力は加算器24に入力されて加算され、加算器21および23の出力は加算器25に入力されて加算される。
この結果、加算器24からはI成分の変調信号Imodが出力され、加算器25からはQ成分の変調信号Qmodが出力される。したがって、ImodおよびQmodは下記の演算式で表される。
Imod=βd#1・I′CH1#1+βc#1・I′CH2#1
+βd#2・I′CH1#2+βc#2・I′CH2#2
Qmod=βd#1・Q′CH1#1+βc#1・Q′CH2#1
+βd#2・Q′CH1#2+βc#2・Q′CH2#2
上記演算式において、各チャネル毎ゲインが一定であると仮定すると、
βd=βd#1=βd#2
βc=βc#1=βc#2
となるから、
Imod=βd・(I′CH1#1+I′CH1#2)
+βc・(I′CH2#1+I′CH2#2)
Qmod=βd・(Q′CH1#1+Q′CH1#2)
+βc・(Q′CH2#1+Q′CH2#2)
となる。また、
ICH1=ICH1#1+ICH1#2
ICH2=ICH2#1+ICH2#2
QCH1=QCH1#1+QCH1#2
QCH2=QCH2#1+QCH2#2
であるから、
I′CH1=I′CH1#1+I′CH1#2
I′CH2=I′CH2#1+I′CH2#2
Q′CH1=Q′CH1#1+Q′CH1#2
Q′CH2=Q′CH2#1+Q′CH2#2
となる。したがって、
Imod=βd・I′CH1+βc・I′CH2
Qmod=βd・Q′CH1+βc・Q′CH2
となり、チャネル毎ゲインが変化しなければ、第3図の構成において、従来の技術と同じImodおよびQmodが出力される。
第4図は、各チャネル毎ゲイン設定手段2からフィルタ選択手段3に対して、一定の周期T毎に供給されるフィルタ切替信号a、各チャネル毎ゲイン設定手段2に対して外部から一定の周期T毎に与えられるチャネル毎ゲインβcおよびβd、および各チャネル毎ゲイン設定手段2から乗算器12ないし19に与えられるチャネル毎ゲインβc#1,βc#2,βd#1,βd#2の変化を表している。
図に示すように、チャネル毎ゲインβcは、各周期T毎にβc(n)、βc(n+1)、βc(n+2)、βc(n+3)、βc(n+4)、…と変化し、βdは、各周期T毎にβd(n)、βd(n+1)、βd(n+2)、βd(n+3)、βd(n+4)、…と変化している。ただし、チャネル毎ゲインの値(電力利得値)が各周期T毎に必ずしも変化しているわけではなく、複数の周期に亘って一定の期間同じ値である場合もある。
第2図の最初の周期Tにおいて、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号aは#1側となっている。すなわち、フィルタ選択信号aは、2系統の波形整形手段の一方の波形整形手段4,5,6,および7を拡散変調手段1から出力される変調信号の入力先として選択している。また、これら選択された各波形整形手段にそれぞれ対応する乗算器12,13,14,および15にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#1およびβc#1として、それぞれβc(n)およびβd(n)が設定される。
次の周期Tにおいては、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号aは#2側となっている。すなわち、フィルタ選択信号aは、2系統の波形整形手段の他方の波形整形手段8,9,10,および11を拡散変調手段1から出力される変調信号の入力先として選択している。また、これら選択された各波形整形手段にそれぞれ対応する乗算器16,17,18,および19にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#2およびβc#2として、それぞれβc(n+1)およびβd(n+1)が設定される。この場合において、乗算器12,13,14,および15にそれぞれ入力されるチャネル毎ゲインβd#1およびβc#1としては、前の周期Tにおけるβc(n)およびβd(n)がこの周期Tの期間そのまま保持される。
このチャネル毎ゲインの保持期間は、波形整形手段の過渡応答が終了するまでの期間あればよい。また、周期Tは、必要とされるチャネル毎ゲインの時間変化単位と同じか又はその整数分の1に設定するのが適当である。
第5図および第6図は、チャネル毎ゲインが変化しない場合の信号波形のタイミングチャートを示している。各信号波形の先頭に付けた符号は、第3図における信号線に付けた符号に対応している。すなわち、第5図のaないしmの信号波形は、各チャネル毎ゲイン設定手段2のフィルタ切替信号a、波形整形手段4の入力信号b、波形整形手段5の入力信号c、波形整形手段8の入力信号d、波形整形手段9の入力信号e、波形整形手段4の出力信号f、波形整形手段5の出力信号g、加算器20の出力信号h、波形整形手段8の出力信号i、波形整形手段9の出力信号j、加算器22の出力信号k、加算器24の出力信号mを示している。
また、第6図のnないしyの信号波形は、波形整形手段6の入力信号n、波形整形手段7の入力信号p、波形整形手段10の入力信号q、波形整形手段11の入力信号r、波形整形手段6の出力信号s、波形整形手段7の出力信号t、加算器21の出力信号u、波形整形手段10の出力信号v、波形整形手段11の出力信号w、加算器23の出力信号x、加算器25の出力信号yを示している。
この図において、フィルタ切替信号aは、#1側と#2側を周期Tで切替えられており、これに従いフィルタ選択手段3は、時分割で#1側に信号b,c,d,eを振り分け、#2側に信号n,p,q,rを振り分ける。また、信号が入力されていない期間は振幅0が波形整形手段に入力される。これらの信号を波形整形手段で波形整形する。このときf,g,i,j,およびs,t,v,wの波形に示すように、フィルタ選択手段3からの信号入力が開始されると、波形整形手段のステップ応答に従い、整形変調信号の出力電力が増加して定常状態において一定値となる。この後、フィルタ選択手段3からの信号入力が終了して振幅0が入力されると、整形変調信号の出力電力が波形整形手段のステップ応答に従い減少して定常状態において0となる。
この出力電力にチャネル毎ゲインを乗算器12ないし19で乗算し、加算器20ないし23で加算した結果がh,k,u,xの波形である。そして、加算器20および22の出力信号であるhおよびkの波形を加算器24で加算することにより、一定の振幅をもつ変調信号のI成分であるmの波形信号Imodを生成する。また、加算器21および23の出力信号であるuおよびxの波形を加算器25で加算することにより、一定の振幅をもつ変調信号のQ成分であるyの波形信号Qmodを生成する。したがって、ImodおよびQmodは従来の技術で同じチャネル毎ゲインを乗算した場合と同じ変調信号が得られる。
第7図は、各チャネル毎ゲインを変更した場合の信号波形を示している。ここでは説明を簡便にするために、CH1のチャネル毎ゲインβdが各周期T毎にβd1,βd2,βd3,βd4と変更される場合の例を挙げる。すなわち、信号波形はCH1のI成分に関する部分のみを示している。
外部よりβdとしてβd1が与えられている周期Tの区間では、CH1のI成分用の波形整形手段としては波形整形手段4が選択され、この区間内に入力される信号bは波形整形手段4で帯域制限された出力信号fとなる。乗算器12にはβd1がβd#1として与えられ、2Tの周期に亘る間継続して与えられる。その乗算結果は、加算器20の出力信号hとなる。
すなわち、βd1およびβd2は矢印で示すように信号hおよび信号kに反映し、波形整形手段4の過渡応答が終了するまで継続して乗算されるため波形の歪が発生せず、加算器20の出力信号hは波形整形手段4により帯域制限された信号をβd1倍した信号とCH2の信号とを加算した信号hとなる。このことは、CH1のQ成分に関する部分についても同様である。
このように、上記実施の形態1によれば、各周期T内に含まれる信号は全て与えられたチャネル毎ゲインが乗算されるため、各加算器の出力信号には波形歪が発生せず、#1と#2とを加算した結果である加算器24の出力信号にも波形歪は発生しない。したがって、チャネル毎ゲインが変更された場合でも、ImodおよびQmodの帯域が広がらない。この結果、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できる効果がある。
実施の形態2.
実施の形態2における信号処理装置の構成は、第3図に示した実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。この実施の形態においては、各チャネル毎ゲイン設定手段2の動作のみが実施の形態1と異なっている。この実施の形態では、一定の周期でフィルタ切替信号aをフィルタ選択手段3に与えるのではなく、送信信号の電力値を変更する指示を受けたときにフィルタ切替信号aをフィルタ選択手段3に与える。
第8図は、CH2のチャネル毎ゲインβcが変更される場合を示している。各チャネル毎ゲイン設定手段2は、外部から入力されるβcおよびβdを常時監視している。βc又はβdが変更されたことを検出すると、各チャネル毎ゲイン設定手段2は、フィルタ切替信号aを#1から#2に変更し、その変更によって拡散変調手段1からの変調信号の入力先とされた波形整形手段に対応する乗算器に与えるチャネル毎ゲインを変更する。すなわち、第8図のβcをβc′に変更する。したがって、乗算器19に与えているβc#2をβc′に変更する。
第9図は、CH1のチャネル毎ゲインβdがβd1からβd2に変更される場合におけるCH1のI成分に関する部分の各信号波形を示している。各波形の先頭に付けられた符号は、第3図のブロック図において対応する符号で示す信号線に対応している。外部よりβdとしてβd1が与えられている期間は、CH1のI成分用の波形整形手段としては波形整形手段4が選択されている。この期間内に入力される変調信号は波形整形手段4で帯域制限が施される。波形整形手段4に対応する乗算器12には、βd1がβd#1として与えられ、フィルタ切替信号aが#1から#2に変更された後も継続して与えられる。
この結果、矢印に示すように、加算器20の出力信号hの電力に反映され、βd1は波形整形手段4の過渡応答が終了するまで継続して乗算されるため波形の歪が発生せず、加算器20の出力信号hは波形整形手段4により帯域制限された信号をβd1倍した信号とCH2の信号とを加算した信号hとなる。このことは、CH1のQ成分に関する部分についても同様である。
このように上記実施の形態2においても、外部からのチャネル毎ゲインの変更によってフィルタ切替信号が変更された場合でも、その切替え前および切替え後の期間内に含まれる信号は全て与えられたチャネル毎ゲインが乗算されるため、各加算器の出力信号には波形歪が発生せず、#1と#2とを加算した結果である加算器24の出力信号にも波形歪は発生しない。したがって、チャネル毎ゲインが変更された場合でも、ImodおよびQmodの帯域が広がらない。
なお、上記各実施の形態においては、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインを外部から与えられる構成にしたが、信号処理装置内にチャネル毎ゲインを記憶しておく構成にしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、直接拡散(DS)のCDMA通信システムを例に採ってこの発明を説明したが、周波数ホッピング(FH)その他の拡散を用いるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、CDMA通信システムにおける信号処理装置およびその信号処理方法について説明したが、この発明が適用する範囲はCDMA通信システムに限定するものではない。FDMA通信システムおよびTDMA通信システムのみならず、インパルス応答を重ね合わせて帯域制限を行った信号に対して、ステップ的にその利得を変更する信号処理を行うようなシステムの全てにこの発明を適用して、インパルス応答の途中で利得が変化する場合でも、波形に歪が発生するのを防止できる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る多重通信システムにおける信号処理装置および信号処理方法は、利得信号の電力利得値であるチャネル毎ゲインがステップ的に変更された場合でも、過渡応答の波形に歪が発生して、送信する信号の帯域が広がってしまうことがなく、隣接する周波数に対する漏洩電力が大きくなるのを防止できるので、CDMA通信システムその他の多重通信システムに適している。
Claims (20)
- 伝送チャネルから入力された多重通信用の情報信号を変調して変調信号を生成する変調手段と、
入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、
切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段で生成された変調信号を入力する選択手段と、
上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御された変調信号を生成する2系統の乗算手段と、
上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御した変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段と、
上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段と、を備えた多重通信システムにおける信号処理装置。 - 信号発生手段は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けることを特徴とする請求の範囲第1項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 信号発生手段は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第1項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 信号発生手段は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第1項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 変調手段は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調して複数系統の変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第1項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 加算手段は、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第1項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成する変調手段と、
入力された変調信号の波形を整形して整形変調信号を生成する2系統の波形整形手段と、
切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段から出力される変調信号を入力する選択手段と、
上記2系統の波形整形手段に対応して設けられ、その対応する波形整形手段によって生成された整形変調信号と利得信号とを乗算して電力制御した変調信号を生成する2系統の乗算手段と、
上記2系統の乗算手段によって生成された2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成する加算手段と、
上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続ける信号発生手段と、を備えた多重通信システムにおける信号処理装置。 - 信号発生手段は、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けることを特徴とする請求の範囲第7項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 信号発生手段は、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第7項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 信号発生手段は、送信信号の電力利得値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を発生して選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第7項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 変調手段は、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ周波数拡散変調することを特徴とする請求の範囲第7項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 加算手段は、2系統の電力制御された変調信号を加算してCDMA通信の移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第7項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 伝送チャネルから入力された多重通信用の情報信号を変調して変調信号を生成するステップと、
入力された変調信号の波形を2系統の波形整形手段により整形するステップと、
切替信号に応じて上記2系統の波形整形手段のいずれか一方を選択して上記変調手段からの変調信号を入力するステップと、
上記2系統の波形整形手段に対応して設けられた2系統の乗算手段の各々において、対応する波形整形手段から入力される整形変調信号と入力される利得信号とを乗算して2系統の電力制御した変調信号を生成するステップと、
上記2系統の電力制御された変調信号を加算して送信信号の基となる合成変調信号を生成するステップと、
上記送信信号の電力利得値を変更する際は、変調信号の入力先を一方の波形整形手段から他方の波形整形手段に切替える旨の切替信号を発生して上記選択手段に与え、電力利得値を変更した利得信号を発生して上記他方の波形整形手段に対応する乗算手段に与えるとともに切替え前の電力利得値を保持した利得信号を切替え後の所定時間に亘って上記一方の波形整形手段に対応する乗算手段に与え続けるステップと、を実行する多重通信システムにおける信号処理方法。 - 切替信号及び利得信号を発生するステップは、切替え前の電力利得値を保持した利得信号を一方の波形整形手段に対応する乗算手段に上記一方の波形整形手段の過渡応答が終了するまで与え続けることを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 切替信号及び利得信号を発生するステップは、波形整形手段を切替える旨の切替信号を周期的に発生して選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理装置。
- 切替信号及び利得信号を発生するステップは、送信信号の電力値を変更する指示を受けたときに、波形整形手段を切替える旨の切替信号を選択手段に与えることを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理方法。
- 変調信号を生成するステップは、複数の伝送チャネルから入力された情報信号をそれぞれ変調することを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理方法。
- 合成変調信号を生成するステップは、2系統の電力制御された変調信号を加算して移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理方法。
- 変調信号を生成するステップは、伝送チャネルから入力された情報信号を符号により周波数拡散変調してCDMA通信の変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第13項記載の多重通信システムにおける信号処理方法。
- 合成変調信号を生成するステップは、CDMA通信の移動局から基地局に送信する送信信号の基となる合成変調信号を生成することを特徴とする請求の範囲第18項記載の多重通信システムにおける信号処理方法。
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