JP3738613B2 - 車線追従装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車線情報を取り込み、操舵トルクを操舵力伝達系に与えることで前方車線に自車を追従させる車線追従を行う制御装置、もしくは、操舵反力トルクを操舵力伝達系に与えることで前方車線に自車を追従させるべくドライバー操舵をサポートする制御装置として適用される車線追従装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両前方の車線状況を検知し、この情報から車両の目標ラインを算出して、車線追従制御を行う車線追従装置としては、例えば、特開平5−50937号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、走行車線内の障害物や先行車を検知し、速やかに先行車(障害物)を回避するべく車線を変更する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車線追従装置にあっては、隣接する車線に車線変更する際、図5に示すように、走行車線が目標ラインから逸脱しないような制御が働き、左右車線の中央部の目標ラインから離れるに従って大きな制御ゲインで車線中央部に戻す力を発生させる。このため、ドライバーが車線変更しようとしたときに、目標ライン方向に戻す大きな制御力に勝る操舵力が必要となり、車線追従制御を入れたままで車線変更する際はスムーズな操作ができないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、目標ラインから逸脱しない車線追従制御を確保しながら、ドライバーの操作による車線変更時にドライバーの操作性を向上させる車線追従装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、操舵力伝達系に設けられ、操舵トルクもしくは操舵反力トルクを与える自動操舵アクチュエータと、前方道路の車線状態を検出する車線情報検出手段と、目標とする車両の走行車線である目標ラインが設定されている目標ライン設定手段と、車線追従制御時、設定された目標ラインに自車を追従させる制御指令を前記自動操舵アクチュエータに対し出力する車線追従制御手段と、を備えた車線追従装置において、前記目標ラインと自車の走行ラインとの車幅方向の偏差量である車線偏差量を演算する車線偏差量演算手段と、自車が車線変更をするときであると判断する車線変更判断手段と、前記車線変更判断手段が車線変更と判断していないときは、前記車線偏差量が大きいほど前記制御指令のゲインを増大させる通常走行時制御ゲインに設定し、前記車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更側方向は前記車線偏差量が大きくなっても前記通常走行時制御ゲインよりも小さな車線変更時制御ゲインに設定することで車線追従制御を継続する車線変更時制御ゲイン設定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の車線追従装置において、
前記車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更方向に車線変更可能な車線が存在するかどうか判断する隣接車線判断手段を設け、
前記車線変更時制御ゲイン設定手段は、前記隣接車線判断手段により隣接車線が存在しないと判断されたとき、前記車線変更判断手段の判断にかかわらず、前記通常走行時制御ゲインに設定する手段としたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の車線追従装置において、
車速を検出する車速検出手段を設け、
前記車線変更時制御ゲイン設定手段を、車速が低車速であるほど小さな車線変更時制御ゲインに設定する手段としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明では、請求項1ないし請求項3記載の車線追従装置において、
前記車線変更判断手段を、出力されるウィンカー信号を自車の車線変更判断信号とする手段としたことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明では、車線追従制御時、車線情報検出手段において、前方道路の車線状態が検出され、目標ライン設定手段において、目標とする車両の走行車線である目標ラインが設定され、車線追従制御手段において、この設定された目標ラインに検出される自車走行ラインを一致させる指令、つまり、目標ラインに自車を追従させる制御指令が、操舵力伝達系に操舵トルクもしくは操舵反力トルクを与える自動操舵アクチュエータに出力される。
【0011】
そして、車線偏差量演算手段において、目標ラインと自車の走行ラインとの車幅方向の偏差量である車線偏差量が演算され、車線変更判断手段において、自車が車線変更をするときであるかどうかが判断され、車線変更時制御ゲイン設定手段において、車線変更判断手段が車線変更と判断していないときは、車線偏差量が大きいほど制御指令のゲインを増大させる通常走行時制御ゲインに設定し、車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更側方向は車線偏差量が大きくなっても通常走行時制御ゲインよりも小さな車線変更時制御ゲインに設定され、車線追従制御が継続される。
【0012】
よって、車線変更を行わない通常走行時には、車線偏差量が大きいほどゲインが増大する通常走行時制御ゲインに設定されるため、走行ラインが目標ラインから外れるほど目標ライン方向に戻す力が操舵力伝達系に作用することになり、目標ラインから逸脱しない車線追従制御が確保される。また、車線変更時には、車線変更側方向は車線偏差量が大きくなっても通常走行時制御ゲインよりも小さな車線変更時制御ゲインに設定され車線追従制御が継続されるため、車線変更により走行ラインが目標ラインから外れても目標ライン方向に戻す力の発生が小さく抑えられ、通常走行時も車線変更時も同じ制御ゲインに固定設定する場合に比べ、ドライバーの操作性を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、隣接車線判断手段において、車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更方向に車線変更可能な車線が存在するかどうかが判断され、車線変更時制御ゲイン設定手段において、隣接車線判断手段により隣接車線が存在しないと判断されたとき、前記車線変更判断手段の判断にかかわらず、通常走行時制御ゲインに設定される。
【0014】
すなわち、車線変更が終わり、現実には隣接車線が存在しないにもかかわらず、車線変更の指示を出し放しであるとき、車線変更時制御ゲインの設定条件を車線変更判断条件のみとした場合、車線変更時制御ゲインの設定がそのまま継続されることになり、走行ラインが目標ラインから外れやすくなる。
【0015】
これに対し、車線変更条件と隣接車線の存在条件を同時に満足する時にのみ、少なくとも車線変更側方向は車線変更時制御ゲインに設定することで、隣接車線が存在しない時には車線変更条件を満足していても車線変更時制御ゲインの設定が終了し、通常走行時制御ゲインに設定されることになり、車線変更の指示を出し放しであるとき、目標ラインから逸脱しない車線追従制御を確保することができる。また、3車線以上の車線を持つ道路走行時、2車線以上にまたがって車線変更する場合には、隣接車線の存在により車線変更時制御ゲインを設定することで、1車線での制御ゲインを2通り設定しておくだけで、3車線以上の車線を持つ道路での車線変更に対応することができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、車速検出手段において、車速が検出され、車線変更時制御ゲイン設定手段において、車速が低車速であるほど小さな少なくとも車線変更側方向は車線変更時制御ゲインに設定される。
【0017】
よって、高いドライバー操舵力を要する低速での車線変更時、小さな車線変更時制御ゲインの設定により操舵反力が小さく抑えられ、逆に、ドライバー操舵力が低い高速での車線変更時、大きな車線変更時制御ゲインの設定により操舵反力が与えられるというように、車線変更に必要な車速の高低によるドライバー操舵力幅が狭い幅に抑えられ、ドライバーへの操舵違和感を解消することができる。
【0018】
請求項4記載の発明では、車線変更判断手段において、出力されるウィンカー信号が自車の車線変更判断信号とされる。
【0019】
よって、車線変更判断のための新たなセンサ類の追加や演算処理を要することなく、容易に車線変更の判断を行うことができるし、また、左右のウィンカーのうち、どちらのウィンカー信号かを判断することで、車線変更方向も判断することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項1〜4に記載の発明に対応する車線追従装置である。
【0021】
まず、構成を説明する。
【0022】
図1は実施の形態1の車線追従装置が適用された自動車用操舵系を示す全体システム図であり、図1において、1はステアリングホイール、2はステアリングシャフト(操舵力伝達系に相当)、3は自在継手、4はラックアンドピニオン式ステアリングギヤボックス、5はサイドロッド、6はウォームホイールギヤ、7はモータ(自動操舵アクチュエータに相当)、8はウォームギヤ、9は電磁クラッチ、10は操舵角センサ、11はCCDカメラ(車線情報検出手段及び隣接車線検出手段に相当)、12は車線追従コントローラ(車線追従制御手段に相当)、13は自動操舵スイッチ、14は操舵トルクセンサ、15は車速センサ(車速検出手段に相当)、16は右ウィンカースイッチ、17は左ウィンカースイッチである。
【0023】
前記ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1と一体に回転するアッパーシャフト2aと、アッパーシャフト2aとは自在継手3により連結されたロアシャフト2bとで構成され、アッパーシャフト2aの上端にステアリングホイール1が取り付けられ、ロアシャフト2bの下端に設けられたピニオンがラックアンドピニオン式ステアリングギヤボックス4内で車両左右方向に延びるサイドロッド5の螺合されている。
【0024】
前記アッパーシャフト2aの下部には、ウォームホイールギヤ6が設けられ、これに螺合するウォームギヤ8がモータ7のモータ軸に設けられ、モータ駆動によりアッパーシャフト2aにモータ操舵トルクが与えられる。尚、モータ7には電磁クラッチ9が内蔵されている。
【0025】
前記操舵角センサ10は、アッパーシャフト2aの上部に設けられていて、アッパーシャフト2aの回転角θを検出し、その信号を車線追従コントローラ12に送る。そして、車線追従コントローラ12の実操舵角演算部では、回転角θとステアリングギヤ比を用いて実操舵角θdが算出される。
【0026】
前記CCDカメラ11は、進行方向の前方道路を撮影し、その映像信号を車線追従コントローラ12に送る。そして、車線追従コントローラ12の画像処理部では、CCDカメラ11からの信号に基づく前方映像を画像処理し、白線あるいはセンターラインなどの前方車線の境界線が抽出識別される。
【0027】
前記車線追従コントローラ12では、自動操舵モード選択時、自車走行状態情報と設定された目標ライン情報に基づいて、目標ラインに自車を追従させるために必要な目標操舵角θrが算出され、目標操舵角θrを得るべく前記モータ7に対し制御指令(モータ電圧)を出力する車線追従制御が行われる。なお、制御による操舵状態は検出された実操舵角θdによりフィードバックされる。
【0028】
前記自動操舵スイッチ13は、車室内のドライバーが操作可能な位置に設けられ、スイッチON操作により自動操舵モードに入る。
【0029】
前記操舵トルクセンサ14は、アッパーシャフト2aの上部に操舵角センサ10と隣接して設けられていて、ステアリングホイール1からのドライバー入力トルクに応じた捩れ角φを検出し、その信号を車線追従コントローラ12に送る。そして、車線追従コントローラ12の実操舵トルク演算部では、捩れ角φを用いて実操舵トルクTdが算出される。
【0030】
前記車速センサ15は、車速を検出し、車線追従コントローラ12に送る。
【0031】
前記右ウィンカースイッチ16及び左ウィンカースイッチ17は、そのスイッチ信号を車線追従コントローラ12に送る。
【0032】
次に、作用を説明する。
【0033】
[車線追従制御処理]
図2は車線追従コントローラ12の車線追従制御部で自動操舵スイッチ13のON操作により開始される車線追従制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0034】
ステップ30では、車速Vと、実操舵角θdと、ウィンカー信号と、進行方向の前方道路を撮影するCCDカメラ11からの映像信号を処理する画像処理部からの自車走行状態情報が読み込まれ、ステップ31へ進む。
【0035】
ステップ31では、左右車線の中央位置を目標ラインに予め設定しておき(目標ライン設定手段に相当)、目標ラインと自車の走行ラインとの車幅方向の偏差量である車線偏差量△Lが演算され、ステップ32へ進む(車線偏差量演算手段に相当)。
【0036】
ステップ32では、ウィンカー信号の有無により、自車が車線変更をするときであるかどうかが判断され、YESの時にはステップ33へ進み、NOの時にはステップ35へ進む(車線変更判断手段に相当)。
【0037】
ステップ33では、ステップ32での車線変更判断時、車線変更方向に車線変更可能な車線が存在するかどうかが判断され、YESの時にはステップ34へ進み、NOの時にはステップ35へ進む(隣接車線検出手段に相当)。
【0038】
ステップ34では、ステップ32において車線変更判断時で、且つ、ステップ33において隣接車線が存在すると判断された時、車線変更側方向は車線偏差量△Lが大きくなってもゲインの増大を抑えると共に、車速Vが低車速であるほど小さな車線変更時制御ゲインG0に設定され、ステップ36へ進む(車線変更時制御ゲイン設定手段に相当)。
【0039】
ステップ35では、ステップ32において車線変更ではないとの判断時、又は、ステップ33において隣接車線が存在しないとの判断時、車線偏差量△Lが大きいほどゲインを増大させる通常走行時制御ゲインG1に設定され、ステップ36へ進む。
【0040】
ステップ36では、目標ラインに自車を追従させるために必要な目標操舵角θrが演算され、ステップ37へ進む。
【0041】
ステップ37では、設定された制御ゲインG0又はG1と目標操舵角θrによりモータ電圧VM{VM=G0・f(θr)又はVM=G1・f(θr)}が演算され、ステップ38へ進む。
【0042】
ステップ38では、演算されたモータ電圧VMがモータ7に対し出力される。
【0043】
[車線追従制御作用]
自動操舵スイッチ13を入れての車線追従制御時、車線変更をしない通常の走行状態においては、図2のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→ステップ32→ステップ35→ステップ36→ステップ37→ステップ38へと進む流れとなり、ステップ35では、車線偏差量△Lが大きいほどゲインを増大させる通常走行時制御ゲインG1に設定され、ステップ38では、設定された制御ゲインG1と目標操舵角θrにより演算されたモータ電圧VMがモータ7に対し出力される。ここで、通常走行時制御ゲインG1は、図5に示すように、車線偏差量△Lが大きいほど二次特性的に増大する値で与えられる。
【0044】
このように、車線変更を行わない通常走行時には、車線偏差量△Lが大きいほどゲインが増大する通常走行時制御ゲインG1に設定されるため、走行ラインが目標ラインから外れるほど目標ライン方向に戻す力が操舵力伝達系に作用することになり、目標ラインから逸脱しない車線追従制御が確保される。
【0045】
自動操舵スイッチ13を入れての車線追従制御時、ドライバー操作により車線変更を行うときには、図2のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→ステップ32→ステップ33→ステップ34→ステップ36→ステップ37→ステップ38へと進む流れとなり、ステップ34では、車線変更側方向は車線偏差量△Lが大きくなっても通常走行時制御ゲインG1よりも小さくされる(すなわち、ゲインの増大を抑える)と共に、車速Vが低車速であるほど小さな車線変更時制御ゲインG0に設定され、ステップ38では、車線変更側方向は制御ゲインG0と目標操舵角θrにより、また、車線変更側と反対側方向は制御ゲインG1と目標操舵角θrにより演算されたモータ電圧VMがモータ7に対し出力される。ここで、車線変更時制御ゲインG0は、図3に示すように、例えば、通常走行時制御ゲインG1に車速Vに応じた定数を加味することで、車線偏差量△Lが大きくなっても増大が抑えられた値で与えられる。
【0046】
このように、車線変更時には、車線変更側方向は車線偏差量△Lが大きくなっても通常走行時制御ゲインG1よりも小さな(すなわち、ゲインの増大を抑えた)車線変更時制御ゲインG0に設定されるため、車線変更により走行ラインが目標ラインから外れても目標ライン方向に戻す力の発生が小さく抑えられ、図5に示すように、通常走行時も車線変更時も同じ制御ゲインに固定設定する場合に比べ、ドライバーの操作性を向上させることができる。
【0047】
[車線変更時制御ゲイン設定の終了]
一方のウィンカーを出して車線変更を行ったが、車線変更方向には隣接する車線がないにもかかわらず、ウィンカーを出したままである場合、図2のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→ステップ32→ステップ33→ステップ35→ステップ36→ステップ37→ステップ38へと進む流れとなり、ステップ32により車線変更時であると判断されても、ステップ33で車線変更方向に車線変更可能な車線が存在しないとの判断に基づき、ステップ35では、車線偏差量△Lが大きいほどゲインを増大させる通常走行時制御ゲインG1に設定され、ステップ38では、設定された制御ゲインG1と目標操舵角θrにより演算されたモータ電圧VMがモータ7に対し出力される。
【0048】
すなわち、車線変更が終わり、現実には隣接車線が存在しないにもかかわらず、車線変更の指示を出し放しであるとき、車線変更時制御ゲインG0の設定条件を車線変更判断条件のみとした場合、車線変更時制御ゲインG0の設定がそのまま継続されることになり、走行ラインが目標ラインから外れやすくなる。
【0049】
これに対し、車線変更条件と隣接車線の存在条件を同時に満足する時にのみ、車線変更時制御ゲインG0を設定することで、隣接車線が存在しない時には車線変更条件を満足していても車線変更時制御ゲインG0の設定が終了し、通常走行時制御ゲインG1に設定されることになり、車線変更の指示を出し放しであるとき、目標ラインから逸脱しない車線追従制御を確保することができる。
【0050】
また、3車線以上の車線を持つ道路走行時、2車線以上にまたがって車線変更する場合には、隣接車線の存在により車線変更時制御ゲインG0を設定することで、1車線での制御ゲインG0,G1を2通り設定しておくだけで、3車線以上の車線を持つ道路での車線変更に対応することができる。
【0051】
次に、効果を説明する。
【0052】
(1) 車線変更を行わない通常走行時には、車線偏差量△Lが大きいほどゲインが増大する通常走行時制御ゲインG1に設定され、車線変更時には、車線変更側方向は車線偏差量△Lが大きくなっても通常走行時制御ゲインG1よりも小さな(すなわち、ゲインの増大を抑えた)車線変更時制御ゲインG0に設定されるため、車線変更を行わない通常走行時には、目標ラインから逸脱しない車線追従制御を確保しながら、車線変更時には、ドライバーの操作性を向上させることができる。
【0053】
(2) 車線変更条件と隣接車線の存在条件を同時に満足する時にのみ、車線変更側方向を車線変更時制御ゲインG0に設定する構成としたため、車線変更の指示を出し放しであるとき、目標ラインから逸脱しない車線追従制御を確保することができるし、1車線での制御ゲインG0,G1を2通り設定しておくだけで、3車線以上の車線を持つ道路での車線変更に対応することができる。
【0054】
(3) 図2のステップ34では、車速Vが低車速であるほど小さな車線変更時制御ゲインG0に設定されるため、車線変更に必要な車速の高低によるドライバー操舵力幅が狭い幅に抑えられ、ドライバーへの操舵違和感を解消することができる。
【0055】
すなわち、高いドライバー操舵力を要する低速での車線変更時、小さな車線変更時制御ゲインG0の設定により操舵反力が小さく抑えられ、逆に、ドライバー操舵力が低い高速での車線変更時、大きな車線変更時制御ゲインG0の設定により操舵反力が与えられる。
【0056】
(4) 図2のステップ32では、出力されるウィンカー信号に基づいて車線変更判断が行われるため、車線変更判断のための新たなセンサ類の追加や演算処理を要することなく、容易に車線変更の判断を行うことができるし、また、左右のウィンカーのうち、どちらのウィンカー信号かを判断することで、車線変更方向も判断することができる。
【0057】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、車線追従時に操舵トルクを付与する制御装置への適用例を示したが、車線追従時に操舵反力トルクを付与する制御装置へ適用しても良い。この場合、ドライバーの介入度合いが大きいほど操舵反力トルクが小さくなる制御が行われる。
【0058】
実施の形態1では、車線変更時制御ゲインとして、図3に示すような設定例を示したが、図4に示すように、車線変更時制御ゲインとしてゼロ設定にするような例としても良い。
【0059】
実施の形態1では、車線変更判断をウィンカーにより行う例を示したが、舵角による例(舵角があるしきい値より大きいときには車線変更と判断する)や、トルクセンサによる例(ドライバーによる操舵トルクを検出し、その値があるしきい値より大きいときには車線変更と判断する)としても良い。
【0060】
実施の形態1では、ゲイン変更のパラメータとして、車速を用いる例を示したが、他に、舵角、舵角スピード、道路曲率、横加速度、ヨーレート、後方からの車両の接近等をゲイン変更のパラメータとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の車線追従装置が適用された自動車用操舵系を示す全体システム図である。
【図2】実施の形態1における車線追従コントローラの車線追従制御部で自動操舵スイッチのON操作により開始される車線追従制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1における車線変更時の制御ゲイン設定を示す図である。
【図4】車線変更時における制御ゲイン設定の他の例を示す図である。
【図5】従来の車線追従制御装置での車線変更時の制御ゲイン設定を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤボックス
5 サイドロッド
6 ウォームホイールギヤ
7 モータ
8 ウォームギヤ
9 電磁クラッチ
10 操舵角センサ
11 CCDカメラ
12 車線追従コントローラ
13 自動操舵スイッチ
14 操舵トルクセンサ
15 車速センサ
16 右ウィンカースイッチ
17 左ウィンカースイッチ
Claims (4)
- 操舵力伝達系に設けられ、操舵トルクもしくは操舵反力トルクを与える自動操舵アクチュエータと、
前方道路の車線状態を検出する車線情報検出手段と、
目標とする車両の走行車線である目標ラインが設定されている目標ライン設定手段と、
車線追従制御時、設定された目標ラインに自車を追従させる制御指令を前記自動操舵アクチュエータに対し出力する車線追従制御手段と、
を備えた車線追従装置において、
前記目標ラインと自車の走行ラインとの車幅方向の偏差量である車線偏差量を演算する車線偏差量演算手段と、
自車が車線変更をするときであると判断する車線変更判断手段と、
前記車線変更判断手段が車線変更と判断していないときは、前記車線偏差量が大きいほど前記制御指令のゲインを増大させる通常走行時制御ゲインに設定し、前記車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更側方向は車線偏差量が大きくなっても前記通常走行時制御ゲインよりも小さな車線変更時制御ゲインに設定することで車線追従制御を継続する車線変更時制御ゲイン設定手段と、
を備えていることを特徴とする車線追従装置。 - 請求項1記載の車線追従装置において、
前記車線変更判断手段が車線変更と判断したときは、車線変更方向に車線変更可能な車線が存在するかどうか判断する隣接車線判断手段を設け、
前記車線変更時制御ゲイン設定手段は、前記隣接車線判断手段により隣接車線が存在しないと判断されたとき、前記車線変更判断手段の判断にかかわらず、前記通常走行時制御ゲインに設定する手段としたことを特徴とする車線追従装置。 - 請求項1または請求項2記載の車線追従装置において、
車速を検出する車速検出手段を設け、
前記車線変更時制御ゲイン設定手段を、車速が低車速であるほど小さな車線変更時制御ゲインに設定する手段としたことを特徴とする車線追従装置。 - 請求項1ないし請求項3記載の車線追従装置において、
前記車線変更判断手段を、出力されるウィンカー信号を自車の車線変更判断信号とする手段としたことを特徴とする車線追従装置。
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