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JP3738042B2 - 非経口用抗腫瘍剤 - Google Patents

非経口用抗腫瘍剤 Download PDF

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JP3738042B2
JP3738042B2 JP10310994A JP10310994A JP3738042B2 JP 3738042 B2 JP3738042 B2 JP 3738042B2 JP 10310994 A JP10310994 A JP 10310994A JP 10310994 A JP10310994 A JP 10310994A JP 3738042 B2 JP3738042 B2 JP 3738042B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、非経口用抗腫瘍剤に関するものである。さらに詳しくは、この発明は特定のアミノ酸配列を有するラクトフェリン由来のペプチド等を有効成分とし、副作用のない新規な非経口用抗腫瘍剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ペプチドを有効成分とする抗腫瘍剤として、シーピーエフ・ペプチド(特表平4−502901号公報)、マガイニン(特表平4−506801号公報)、18個のアミノ酸残基からなるペプチド(特公平6−4675号公報)等が知られている。しかしながら、これらのペプチドは、この発明に係わるペプチドとは全く異なる別個のペプチドである。
【0003】
一方、種々の微生物に対して抗菌作用を有するペプチドについては、多数の発明が開示されている。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に有効なホスホノトリペプチド(特開昭57−106689号公報)、ホスホノジペプチド誘導体(特開昭58−13594号公報)、環状ペプチド誘導体(特開昭58−213744号公報)、抗菌および抗ウイルス作用を示すペプチド(特開昭59−51247号公報)、酵母に有効なポリペプチド(特開昭60−130599号公報)、グラム陽性菌に有効な糖ペプチド誘導体(特開昭60−172998号公報、特開昭61−251699号公報および特開昭63−44598号公報)、グラム陽性菌に有効なオリゴペプチド(特開昭62−22798号公報)、ペプチド系抗生物質(特開昭62−51697号公報および特開昭63−17897号公報)、その他北米産カブトガニの血球から抽出した抗菌性ペプチド(特開平2−53799号公報)、蜜蜂の血リンパから単離した抗菌性ペプチド(特表平2−500084号公報)、ロイヤルゼリーから単離した抗菌ペプチド(特開平2−268198号公報)等がある。
【0004】
ラクトフェリンは、乳汁および唾液、涙、粘膜分泌液等のヒトを含む哺乳動物の体液に存在する鉄結合性タンパク質であり、大腸菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌作用を示すことが知られている[ジャーナル・オブ・ペディアトリクス(Journal of Pediatrics) 、第94巻、第1ページ、1979年]。また、ブドウ球菌および腸球菌に対して、0.5〜30mg/mlの濃度で抗菌作用を有することが知られている[ジャーナル・オブ・デイリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第67巻、第606ページ、1984年]。
【0005】
この発明の発明者らは、ラクトフェリンの抗菌性に着目し、哺乳類のラクトフェリン、アポラクトフェリン、および/または金属飽和ラクトフェリン(以下、これらをラクトフェリン類と記載することがある)を酸または酵素により加水分解した物質が、望ましくない副作用(例えば抗原性)等がなく、しかも未分解のラクトフェリン類よりも強い耐熱性および抗菌性を有することを見い出し、既に特許出願を行った(特開平5−320068号公報)。
【0006】
また、この発明の発明者らは、ラクトフェリンの分解物から強い抗菌活性を有するペプチドを単離、若しくはそれらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有するペプチドまたはそれらのペプチドの誘導体を合成し、20個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−92994号公報)、11個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−78392号公報)、6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148297号公報)、5個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−1498296号公報)、3〜6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148295号公報)を、それぞれ既に特許出願した。
【0007】
さらに、乳汁の生理活性ペプチドには、成長ホルモン、細胞分化増殖因子等の他に、カルシウム吸収促進ペプチド(フードケミカル、第11巻、第33ページ、1988年)、オピオイドペプチド[ホッペ・ザイラーズ・ツァイトシュリフト・フュアー・フィジオロギッシェ・ヘミー(Hoppe-Seyler´s Zeitschrift fur Physiologische Chemie)、第360巻、第1211ページ、1979年およびザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(The Journal of Biological Chemistry) 、第254巻、第2446ページ、1979年]、アンジオテンシン転換酵素阻害ペプチド(フードケミカル、第11巻、第39ページ、1988年)、胃酸分泌抑制作用を有するペプチド(特開平5−262793号公報)等が知られている。
【0008】
この発明の発明者らも、ラクトフェリン類を酸または酵素により加水分解した物質と同一のアミノ酸配列を有するペプチドまたはこれらペプチドの誘導体に脳の保護作用(特願平4−327738号公報)、ラクトフェリン加水分解物に上皮細胞増殖因子による繊維芽細胞増殖を促進する作用(特開平6−48955号公報)および神経成長因子産生促進作用(特開平5−23557号公報)があることを見い出し、それぞれ既に特許出願した。
【0009】
しかしながら、これらのラクトフェリン由来のペプチドが抗腫瘍作用を有することは知られておらず、文献にも記載されていない。
さらに、第2鉄イオンを結合させたラクトフェリンに抗腫瘍作用があることは知られている(特公平5−8932号公報)が、ラクトフェリンから得られるペプチドに抗腫瘍作用があることは知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術から明らかなように、副作用が少ない抗腫瘍剤が待望されていたが、その有効成分となる優れた物質は未だに知られていないのが現状であった。この発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、副作用が少なく、少量で有効な非経口用抗腫瘍剤を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者らは、上記の課題を解決するために種々の物質を検索した結果、ラクトフェリンを加水分解して得られるペプチドが、副作用が少なく、しかも優れた抗腫瘍作用を有することを見い出し、この発明を完成した。すなわち、この発明は、前記の課題を解決するものとして、配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチドのカルボキシル基をアミド化またはアミノ基をアセチル化した誘導体、配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの薬学的に許容される塩類(以下、これらをまとめてペプチド類と記載することがある)、またはこれらの2種以上の混合物を有効成分とする非経口用抗腫瘍剤を提供する。
【0012】
以下、この発明の構成および好ましい態様について詳しく説明する。
この発明の非経口用抗腫瘍剤の有効成分であるペプチド類をラクトフェリン類から製造する場合、出発物質として使用するラクトフェリン類は、市販のラクトフェリン、哺乳類(例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、またはこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離したラクトフェリン、それらを塩酸、クエン酸等により脱鉄したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンを鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属でキレートした金属飽和または部分飽和ラクトフェリンであり、市販品または公知の方法により製造した調製品を使用することもできる。
【0013】
この発明において使用するペプチド類は、ラクトフェリン類の分解物から分離手段によって得られるペプチド、このペプチドと同一のアミノ酸配列、相同なアミノ酸配列を有するペプチド、これらのペプチドの誘導体、これらのペプチドの薬学的に許容される塩類またはこれらの任意の混合物であり、公知の方法により化学的に合成することもできる。これらのペプチド類は、例えば、前記特開平5−92994号公報、特開平5−78392号公報、特開平5−148297号公報、特開平5−1498296号公報および特開平5−148295号公報の各発明に記載された方法によって得ることができる。
【0014】
前記の方法によって得られるペプチドは次のアミノ酸配列を有するペプチド、その誘導体または塩類を望ましい態様として例示できる。例えば、配列番号1、2および27のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−78392号公報)、配列番号3、4、5および6のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−148297号公報)、配列番号7、8、9および31のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−1498296号公報)、配列番号10から21のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−148295号公報)、配列番号22から26、28、29および30のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−92994号公報)である。前記ペプチドの薬学的に許容される塩類としては、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の酸付加塩を例示でき、誘導体としては、カルボキシル基をアミド化またはアミノ基をアセチル化した誘導体を例示することができる。
【0015】
この発明の非経口用抗腫瘍剤は、公知の方法により注射剤等に加工することができる。
この発明の抗腫瘍剤は、年齢、症状等により異なるが、体重1kg当たり少なくとも1mgの割合で非経口的に投与できる。非経口的投与方法としては、腫瘍部位への局所投与の他、静脈内、動脈内、筋肉、皮下、胸腔、腹腔等への注射による全身投与も行うことができる。また、他の薬剤との併用投与、手術、放射線療法等との複合投与なども行うことができる。
【0016】
次に試験例を示してこの発明を詳しく説明する。
試験例1
この試験は、ペプチド類の抗腫瘍効果を調べるために行った。
1)試験動物
7週齢の雄BALB/cマウス(東北大学医学部附属動物実験施設から購入)を、無作為に4群(1群7匹)に分けて使用した。腫瘍は、BALB/cと同系のMeth−A線維芽肉腫細胞を使用した。
2)試験方法
この試験は、海老名らの方法(癌と化学療法、第19巻、第10号、第1429〜1432ページ、1992年)を一部変更して次のとおり行なった。
【0017】
BALB/cマウスの腹皮内に1×106 個のMeth−A線維芽肉腫細胞を移植し、大きな腫瘍(原発巣)が指で触れて確認できる状態となる3日目から、腫瘍内に参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチドを1日1匹当たり1mg投与した群と10mg投与した群、次の方法により精製したカゼインを10mg投与した群、並びに対照として何も投与しない群の4群について、22日目に腫瘍の大きさおよび重量を測定し、抗腫瘍効果を試験した。
【0018】
カゼインの精製:新鮮な牛乳1リットルを脱脂し、水を添加して2倍に希釈し、20℃に加温して1規定塩酸を添加し、pHを4.6に調整して粗カゼインを沈殿させ、瀘過して粗カゼインを分離した。得られた粗カゼインを1リットルの水に分散し、1規定水酸化ナトリウムを添加してpHを6.8〜7.0に調整しながら攪拌し、粗カゼインを溶解した。溶液を瀘過して不溶物を除去し、瀘液に再度1規定塩酸を添加し、pHを4.6に調整し、カゼインを沈殿させ、瀘過してカゼインを得た。この溶解、沈殿を5回反復し、得られた沈殿を冷却し、アルコールおよびエーテルで洗浄し、乾燥し、精製カゼイン約22mgを得た。
3)試験結果
この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなように、配列番号26のペプチド投与群は、10mgの投与で完全に腫瘍を治癒させ、1mgの投与群でもほぼ腫瘍を治癒させた。これに対してカゼイン投与群および対照群では腫瘍が治癒せず、全例が死亡した。
【0019】
この試験結果から、ペプチドは腫瘍を治癒する効果があることが認められた。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったがほぼ同じような結果が得られた。
【0020】
【表1】
Figure 0003738042
【0021】
試験例2
この試験は、ペプチドの急性毒性を調べるために行った。
1)使用動物
6週齢のCD(SD)系のラット(日本SLCから購入)の両性を用い、雄および雌を無作為にそれぞれ4群(1群5匹)に分けて使用した。
2)試験方法
参考例1と同一の方法で製造した配列番号26のペプチドを体重1kg当り1000、2000または4000mgの割合で注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、体重100g当たり4mlの割合で金属製玉付き針を用いて単回強制経口投与し、急性毒性を試験した。
3)試験結果
この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなように、このペプチドを1000mg/kg体重および2000mg/kg体重の割合で投与した群に死亡例は認められなかった。従って、このペプチドのLD50は、2000mg/kg体重以上であり、毒性は極めて低いことが判明した。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったが、ほぼ同じような結果が得られた。
【0022】
【表2】
Figure 0003738042
【0023】
試験例3
この試験は、ペプチド類の有効量を調べるために行った。
1)試験動物
7週齢の雄BALB/cマウス(東北大学医学部附属動物実験施設から購入)を、無作為に4群(1群7匹)に分けて使用した。腫瘍は、BALB/cと同系のMeth−A線維芽肉腫細胞を使用した。
2)試験方法
試験例1と同一の配列番号26のペプチドの投与量を表3のとおり変更したことを除き、試験例1と同一の方法により試験を行い、抗腫瘍効果を示す有効投与量を決定した。
3)試験結果
この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から明らかなように、配列番号26のペプチド投与群は、10μgの投与で7例中2例の腫瘍を治癒させ、100μgの投与では7例中5例の腫瘍を治癒させた。
【0024】
従って、1日1匹当たり10μg以上のペプチドの投与は腫瘍を治癒するのに有効であることが認められた。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったがほぼ同じような結果が得られた。
【0025】
【表3】
Figure 0003738042
【0026】
参考例1
市販のウシ・ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.5に調整し、のち市販のブタペプシン(シグマ社製)1mgを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得た。
【0027】
上記のペプチドを6N塩酸で加水分解し、アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析した。同一の試料を気相シ−クェンサ−(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解を行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。またDTNB[5,5−ジチオ−ビス(2−ニトロベンゾイック・アシド)]を用いたジスルフィド結合分析法[アナリティカル・バイオケミストリ−(Analytical Biochemistry )、第67巻、第493頁、1975年]によりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0028】
その結果、このペプチドは、25個のアミノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイン残基からC−末端側に5個のアミノ酸がそれぞれ結合した、配列番号26に記載のアミノ酸配列を有していることが確認された。
参考例2
ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製。LKBBiolynx4170)を用い、シェパ−ド等による固相ペプチド合成法[ジャ−ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ−・パ−キンI(Journal of Chemical Society Perkin I)、第538頁、1981年]に基づいてペプチドを次のようにして合成した。
【0029】
アミン官能基を9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護したアミノ酸[以下Fmoc−アミノ酸またはFmoc−固有のアミノ酸の名称(例えば、Fmoc−アスパラギン)と記載することがある]に、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアスパラギン残基に相当するFmoc−アスパラギン無水物を、そのカルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アルギニン無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定されたアルギニンの脱保護アミン官能基にカップリングさせた。以下同様にして順次グルタミン、トリプトファン、グルタミン、およびフェニルアラニンを固定した。全部のアミノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノ−ル、および1%エタンジオ−ルからなる溶媒でアセトアミドメチル以外の保護基の除去およびペプチドの脱離を行ない、高速液体クロマトグラフイ−によりペプチドを精製し、この溶液を濃縮し、乾燥して、ペプチド粉末を得た。
【0030】
前記のペプチドについてアミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析し、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有することを確認した。
【0031】
【実施例】
次に実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例1
注射用水(大塚製薬社製)1mlに、参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチド粉末100μgおよび塩化ナトリウム(和光純薬工業製)10mgの割合で溶解し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)および塩酸(和光純薬工業社製)でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により1mlずつアンプルに充填し、注射用の抗腫瘍剤を製造した。
実施例2
注射用水(大塚製薬製)1mlに、参考例2と同一の方法により製造した配列番号10のペプチド粉末1mgおよびD−マンニット(和光純薬工業社製)49mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により1mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射用の抗腫瘍剤を製造した。
【0032】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明は、ペプチド類を有効成分とする非経口用抗腫瘍剤に係るものであり、この発明は以下のとおりの優れた効果を有する。(1)副作用が少ない。
(2)耐熱性があり、水に可溶性で、水溶液中で安定なため、薬剤として安定である。
(3)ペプチドは抗菌作用を有するので、製剤化に当り防腐剤を使用する必要がない。
(4)正常細胞に対しては細胞毒性を示さず、腫瘍細胞に対してのみ細胞毒性を示す。
(5)ペプチドであるので体内で速やかに代謝される。
【0033】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0034】
Figure 0003738042
配列番号:2
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0035】
Figure 0003738042
配列番号:3
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0036】
Figure 0003738042
配列番号:4
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0037】
Figure 0003738042
配列番号:5
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0038】
Figure 0003738042
配列番号:6
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0039】
Figure 0003738042
配列番号:7
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0040】
Figure 0003738042
配列番号:8
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0041】
Figure 0003738042
配列番号:9
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0042】
Figure 0003738042
配列番号:10
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0043】
Figure 0003738042
配列番号:11
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0044】
Figure 0003738042
配列番号:12
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0045】
Figure 0003738042
配列番号:13
配列の長さ:3
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0046】
Figure 0003738042
配列番号:14
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0047】
Figure 0003738042
配列番号:15
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0048】
Figure 0003738042
配列番号:16
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0049】
Figure 0003738042
配列番号:17
配列の長さ:3
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0050】
Figure 0003738042
配列番号:18
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0051】
Figure 0003738042
配列番号:19
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0052】
Figure 0003738042
配列番号:20
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0053】
Figure 0003738042
配列番号:21
配列の長さ:3
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0054】
Figure 0003738042
配列番号:22
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジスルフィド結合している。
【0055】
Figure 0003738042
配列番号:23
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステインを示す。
【0056】
Figure 0003738042
配列番号:24
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジスルフィド結合している。
【0057】
Figure 0003738042
配列番号:25
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステインを示す。
【0058】
Figure 0003738042
配列番号:26
配列の長さ:25
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:記配列において、3番の Cysと20番の Cysがジスルフィド結合している。
【0059】
Figure 0003738042
配列番号:27
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
【0060】
Figure 0003738042
配列番号:28
配列の長さ:38
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、16番の Cysと33番の Cysとがジスルフィド結合している。
【0061】
Figure 0003738042
配列番号:29
配列の長さ:32
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、10番の Cysと27番の Cysとがジスルフィド結合している。
【0062】
Figure 0003738042
配列番号:30
配列の長さ:47
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、配列の長さ36であって9番、26番、及び35番に Cysを有するペプチドの、9番の Cysと26番の Cysとがジスルフィド結合し、上記配列の長さ36のペプチドの35番の Cysが、配列の長さ11であって10番に Cysを有するペプチドの10番の Cysとがジスルフィド結合している。
【0063】
Figure 0003738042
配列番号:31
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
トポロジ−:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、R01 は Cysを除く任意のアミノ酸残基を示す。
【0064】
Figure 0003738042

Claims (1)

  1. 配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチドのカルボキシル基をアミド化またはアミノ基をアセチル化した誘導体、配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの薬学的に許容される塩類、またはこれらの2種以上の混合物を有効成分とする非経口用抗腫瘍剤。
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