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JP3737873B2 - レンズの射出圧縮成形方法 - Google Patents

レンズの射出圧縮成形方法 Download PDF

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JP3737873B2
JP3737873B2 JP27301697A JP27301697A JP3737873B2 JP 3737873 B2 JP3737873 B2 JP 3737873B2 JP 27301697 A JP27301697 A JP 27301697A JP 27301697 A JP27301697 A JP 27301697A JP 3737873 B2 JP3737873 B2 JP 3737873B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を射出圧縮成形してレンズ(主として、眼鏡レンズ)を得るレンズの射出圧縮成形方法に関する。詳しくは、レンズを高精度にかつ高品質に成形することができるレンズの射出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂から眼鏡レンズを成形する方法として、射出圧縮成形方法が知られている。たとえば、特開昭55−27300号公報(対応米国特許第4364878号)には、射出される熱可塑性樹脂の容量より大きい容量を持つ型空間を形成する型開き手段と、仕上がりレンズに必要な量に等しい熱可塑性樹脂を計測して射出する手段、即ち、不規則な余剰の樹脂を射出しない定量の精密計測手段とを組み合わせたレンズの成形方法が開示されおり、マイナスレンズの成形方法として、キャビティ内での溶融樹脂の溶着線(ウエルドライン)を消す成形方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭55−27300号公報の技術は、レンズキャビティ間を連通するゲートやランナを有しない単数のレンズ成形方法に関するものであるため、複数のレンズを同時に成形する場合に、そのまま適用することはできない。例えば、複数のキャビティを用いて成形する場合には、キャビティへの熱可塑性レンズ樹脂の分配や、その流動性、加圧、金型温度等の制御が重要になってくるが、それらについては何らの開示もないため、適用できない。
【0004】
更に、前記公報では、中心肉厚が3ミリという、眼鏡レンズとしては比較的、金型内での樹脂の流動性を維持できるウエルドラインの発生し難い、中心厚の大きな厚みのレンズを成形する場合の方法を例示するだけであり、技術的に安易な製造領域しか、その実用的適用範囲が確認されていない。なお、これらの製造領域は、実用上、眼鏡レンズとしては製作度数の狭い範囲である。また、同公報には、強度レンズや弱度レンズといった度数差のあるレンズを成形する場合の対処法や、単焦点非球面、累進面、乱視レンズといった特異なレンズ形状の成形の場合についても言及されておらず、それらの成形を行う際の問題は依然未解決であった。例えば、マイナスレンズは、周縁肉厚が大きく、中心肉厚が小さいという形状的特性に起因すると思われる中折れ現象(レンズ成形後、レンズ中心部が折れ曲がっていく現象)が発生しやすく、所定のレンズ曲率を再現できにくいという問題があるが、この点について前記公報の技術では対応できない。また、中心肉厚の薄い弱度のマイナスレンズのウエルドライン防止対策等についても、大きな問題が残されていた。
【0005】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は特に偏肉差や形状の特異なレンズの製造に好適な光学レンズの射出圧縮成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レンズ凹凸面形成用の少なくとも一対のキャビティ形成部材によって構成されるレンズ成形用キャビティ、このレンズ成形用キャビティにゲート部を介して連通するランナ、およびこのランナに連通するスプルーを有するモールド構成体を備えた金型を用いてレンズを成形するレンズの射出圧縮成形方法であって、前記レンズ成形用キャビティ、ランナ、およびスプルーを有する前記モールド構成体に対する必要量の熱可塑性樹脂を計量する計量工程と、前記金型を型閉じし、前記レンズ成形用キャビティ内に圧縮代を残して前記モールド構成体の容積を所定の大きさに設定する型準備工程と、前記計量工程で計量された熱可塑性樹脂をノズル通路を通じて前記モールド構成体に射出させる射出工程と、前記熱可塑性樹脂の射出完了後または射出完了直前に、前記圧縮代を圧縮する圧縮工程と、これらの工程中に金型温度を制御して前記モールド構成体内の熱可塑性樹脂を固化させる金型温度調整工程とを備え、前記射出工程においては、熱可塑性樹脂の射出開始から溶融樹脂がレンズ成形用キャビティ内に達するまでの区間では、射出速度が設定速度になるように制御すると共に、前記ゲート部で射出速度を一旦所定の速度まで下げ、更に溶融樹脂がレンズ成形用キャビティ内に達してから射出充填完了までの区間では、射出速度をマイナス弱度レンズとマイナス強度レンズとで変化させて制御し、マイナス強度レンズの方をマイナス弱度レンズより遅くするようにし、前記金型温度調整工程では、前記レンズ凸面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り出し温度を、前記レンズ凹面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り出し温度よりも低く制御することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、モールド構成体が、ランナおよびスプルーに連通する把手部を有することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記レンズが眼鏡レンズであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態にかかるレンズ (メニスカス形状の眼鏡レンズ) の射出圧縮成形方法を実施するための射出圧縮成形装置を示している。なお、ここで成形される眼鏡レンズの材料は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)やPC(ポリカーボネート)などの熱可塑性樹脂である。
【0011】
射出圧縮成形装置は、射出成形金型50を有する型締装置60と、原料樹脂を可塑化する可塑化装置70と、この可塑化装置70によって可塑化された溶融樹脂を計量して前記射出成形金型50内に射出充填する射出装置80と、前記射出成形金型50の温度を予め設定された温度に制御する金型温度調整装置51とから構成されている。
【0012】
前記型締装置60は、固定ダイプレート61と、この固定ダイプレート61に複数本のタイバー62を介して固定されかつ型締めシリンダ63を搭載したシリンダ固定プレート64と、前記タイバー62に沿って昇降自在に設けられ前記型締めシリンダ63のピストンロッド65に連結された可動ダイプレート66とから構成されている。固定ダイプレート61と可動ダイプレート66との間には前記射出成形金型50が取り付けられている。
【0013】
前記可塑化装置70は、ホッパ71から投入された原料樹脂を、スクリュー72で送りながらヒータ73で可塑化する可塑化シリンダ74によって構成されている。なお、スクリュー72は油圧モータ75によって回転される。
【0014】
前記射出装置80は、内部にプランジャ81を有する射出シリンダ82と、この射出シリンダ82のプランジャ81を摺動(上下動)させる油圧シリンダ83とから構成されている。射出シリンダ82の先端(上端)には、ノズル85が取り付けられている。また、射出シリンダ82の外周上部位置には、図示略のバンドヒータが巻かれている。
【0015】
油圧シリンダ83の下部には、油圧シリンダ83のピストン86 (あるいは射出シリンダ82のプランジャ81) の位置Pおよび速度度Vを検出する位置センサ87および速度センサ88が設けられている。制御装置90は、これら位置センサ87および速度センサ88からの信号P、Vに基づいて駆動制御回路84に制御信号を送り、射出シリンダ82を制御する。
【0016】
前記金型温度調整装置51は、 前記射出成形金型50に温調流体( 加熱流体および冷却流体)を供給する温調流体供給装置52と、この温調流体供給装置52から金型50の各部に供給される温調流体の温度を温調流体供給装置52に指令する制御装置53とから構成されている。制御装置53には、予め成形するレンズの種類に応じて、複数種の金型温度制御曲線が記憶されており、いずれかの金型温度制御曲線が指定されると、指定された金型温度制御曲線に従って、
温調流体供給装置52から金型50の各部(後述するインサートガイド部材5、9、上型インサート11、下型インサート12など)に供給される温調流体の温度が制御されるようになっている。
【0017】
図2は前記射出成形金型50の断面図、図3は図2のIII−III矢視断面図である。同射出成形金型50は、図2に示すように、パーティングラインPLにおいて上下に型分割される上型(可動型)1と下型(固定型)2 とを備え、これらの間に、2個の眼鏡レンズ成形用キャビティ3、およびこの2個のレンズ成形用キャビティ3を結ぶランナ49が形成されている。ランナ49に対しては、スプルーブッシュ47によって形成されるスプルー48が直角に形成されているとともに、これらに対して把手部46 (図4参照)が直角に形成されている。ここに、2個の眼鏡レンズ成形用キャビティ3、ランナ49、スプルー48、および把手部46を有するモールド構成体45が形成されている。
【0018】
前記上型1の型本体4は、インサートガイド部材5、および型板6、7からなる。下型2の型本体8は、インサートガイド部材9、および型板10からなる。各インサートガイド部材5、9の内部には、前記キャビティ3を形成するインサート11、12が、パーティングラインPLに対して直角方向へ摺動可能に収納されている。なお、インサートガイド部材5、9、およびインサート11、12などには、図示していないが、前記温調流体供給装置52から供給される温調流体を循環させるための温調流体循環溝が形成されている。
【0019】
前記下型1の型本体8は、前記固定ダイプレート61上に固定された型取付部材15に固定されている。前記上型1の型本体4は、上部材16Aと下部材16Bとからなる型取付部材16に、図3に示すボルト17で連結されているとともに、型本体4と型取付部材16との間には、ボルト17の外周に挿入された皿ばね17Aが介装されている。型取付部材16は、前記可動ダイプレート66に固定され、型締めシリンダ63の下向き型締め力が作用するようになっている。
【0020】
前記型本体4と型取付部材16との間には、隙間Sが設けられるようになっており、型本体4と型取付部材16とは、ガイドピン18でガイドされながら隙間S分だけ上下に開閉するようになっている。また、前記型取付部材15の下方には、図示しない寸開きシリンダが配置され、この寸開きシリンダにより、型取付部材16が型締めシリンダ63の型締め力に抗して押し上げられることにより、隙間Sが形成されるようになっている。
【0021】
前記型取付部材16には、下向きの油圧シリンダ19が上下動自在に設けられている。油圧シリンダ19のピストン20に連結されたピストンロッド21は、シリンダ9の面に固定されたバックインサート22内を貫通し、その先端にT字クランプ部材23を備えている。T字クランプ部材23は、前記インサート11の上端面に形成されたT字溝24に係脱自在に係合されている。
【0022】
前記型取付部材15には、上向きの油圧シリンダ26が設けられている。油圧シリンダ26のピストン27に連結されたピストンロッド28は、型取付部材15内を貫通し、その先端にT字クランプ部材29を備えている。T字クランプ部材29は、前記インサート12の下端面に形成されたT宇溝30に係脱自在に係合されている。
【0023】
前記油圧シリンダ19の上端には受圧部材32が固定されている。型取付部材16に形成された孔33から挿入されたエジェクトロッド34により受圧部材32が押し下げられると、油圧シリンダ19、バックインサート22およびインサ一ト11も押し下げられ、キャビティ3で成形されたレンズが、上型1および下型2の型分割時に突き出されるようになっている。
【0024】
前記上型4および型取付部材16の中央には、エジェクトピン35が上下動自在に配置されている。エジェクトピン35の上端には受圧部材36が固定されている。型取付部材16に形成された孔37から挿入されたエジェクトロッド38により、受圧部材38が押し下げられると、エジェクトピン35が押し下げられる。
【0025】
前記受圧部材32には、エジェクトリターンピン39の外周に巻回されたばね40のばね力が上向きに作用している。なお、受圧部材36にも、図示していないが、エジェクトリターンピンの外周に巻回されたばねのばね力が上向きに作用している。従って、エジェクトロッド34、38が上昇すると、受圧部材32、36も上昇して、初期位置に復帰するようになっている。
【0026】
図4はノズルシャット機構90を示している。ノズルシャット機構90は、遮断部材としてのノズルシャットピン91を備えている。ノズルシャットピン91は、前記スプルーブッシュ47の側壁にそのスプルーブッシュ47の中心線とほぼ垂直方向に進退可能に嵌挿され、その後端が接続片92を介して油圧シリンダ93のピストンロッド94に連結されている。油圧シリンダ93は、シリンダ取付板95を介して前記型取付部材15に固定されている。そして、スプルーブッシュ47にノズル85が圧接した状態において、ノズルシャットピン91がスライドしてノズル85の先端開口部を塞ぐことにより、樹脂の逆流が阻止されるようになっている。このとき、図5および図6に示すように、ノズルシャットビン91の先端面91Aおよび先端部側面91Bは、スプルーブッシュ47 (スプルー48) の内壁に接しないようになっている。
【0027】
次に、成形時の手順について説明する。
まず、成形しようとするレンズの種類に応じて、インサート11、12を交換する。インサート11、12の交換にあたっては、型取付部材16を含む上型1を上昇させて、下型2から型分割させる。また、油圧シリンダ19のピストンロッド21を下降させるとともに、油圧シリンダ26のピストンロッド28を上昇させ、これらピストンロッド21、28の先端に取り付けられたT字クランプ部材23、29をインサートガイド部材5、6から突出させる。
【0028】
新たに上型1および下型2の型本体4、8に装着されるインサート11、12を、図示しないロボットのアームで保持しながら水平移送し、インサート11、12のT字溝24、30を、T字クランプ部材23、29に係合させる。こののち、油圧シリンダ26のピストンロッド27を上昇させてインサート11を引き上げ、また、油圧シリンダ26のピストンロッド28を下降させてインサート12を引き下げる。これにより、インサート11、12は、インサートガイド部材5、6に嵌合される。
【0029】
このようにして、プラスレンズの成形の場合には、中心肉厚が周辺部より厚いキャビティ3を有するインサートに交換し、またマイナスレンズの成形の場合には、中心肉厚が周辺部より薄いキャビティ3を有するインサートに交換する。
【0030】
さて、レンズの成形にあたっては、図7に示す手順で行う。
まず、可塑化装置70によって可塑化された溶融樹脂を射出装置80の射出シリンダ82内に導入して計量する(計量工程)。ここでは、2個のレンズ成形用キャビティ3、ランナ49、スプルー48および把手部46を有するモールド構成体45に必要な量の溶融樹脂を計量する。
【0031】
次に、金型50を型閉じし、前記レンズ成形用キャビティ3内に圧縮代を残してモールド構成体45の容積を所定の大ききに設定する(型準備工程)。つまり、型締めシリンダ63によって上型1を下降させ、上型1の型板6が下型2の型板10に接し、かつ、皿ばね17Aが圧縮されない状態に型閉じする(図2および図3に示す状態に型閉じする)。この状態では、隙間Sは最大寸開き量 (約15mm) に設定されている。
【0032】
次に、寸開き量(圧縮代)を設定する。このとき、プラスレンズの成形では、0.8mm以下の寸開き量Sを設定する。また、マイナスレンズの成形では、0.8mmより大きい寸開き量Sを設定する。つまり、マイナスレンズ成形時の圧縮代を、プラスレンズ成形時の圧縮代よりも大きく設定する。
【0033】
次に、金型50を設定温度にヒートアップする(ヒートアップ工程)。これには、温調流体供給装置52から金型50の各部(インサートガイド5、9、上型インサート11、下型インサート12など)に温度調整された温調流体を供給して、金型50を設定温度にヒートアップする。こののち、ノズル85を開く。つまり、ノズルシャットピン91をスプルー48内から後退させる。
【0034】
次に、前記計量工程によって計量された溶融樹脂を、ノズル85の通路を通じて前記モールド構成体45に射出し、前記ノズル85の通路先端を閉塞する射出工程について図8〜図10を用いて説明する。
【0035】
まず、溶融樹脂を射出充填する。これには、可塑化装置70によって可塑化された溶融樹脂を射出装置80の射出シリンダ82によって計測、射出し、ノズル85、スプルー48、ランナ49およびゲート部46を通じてキャビティ3内に充填する。
【0036】
このとき、制御装置90は、射出シリンダ82のプランジャ81の速度V(射出速度)が、例えば、図8に示す速度に近似するように制御する。
図8において、(A)はレンズ度数が−4.00D、中心肉厚が1.4mm、コバ厚が7.9mmのマイナスレンズを成形する場合、(B)はレンズ度数が−2.00D、中心肉厚が1.4mm、コバ厚が4.8mmのマイナスレンズを成形する場合、(C)はレンズ度数が+2.00D、中心肉厚が4.2mm、コバ厚が1.0mmのプラスレンズを成形する場合、(D)は凸面のベースカップが3.00、中心肉厚が5.4mm、コバ厚が5.8mmのセミフィニッシュレンズを成形する場合をそれぞれ示している。
【0037】
(A)の場合には、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲート部46の手前に達するまでの区間(図9に示すS0〜S1の区間)では、射出速度Vが第1設定速度V1Aになるように、溶融樹脂がゲート部46の手前からキャビティ3内に達するまでの区間(図8に示すS1〜S2の区間)では、射出速度Vが第2設定速度V2Aになるように、溶融樹脂がキャビティ3内に達してから射出充填完了までの区間(図9に示すS2〜S3の区間)では、射出速度Vが第3設定速度V3Aになるように制御する。同様に、(B)、(C)、(D)の場合には、S0〜S1の区間では、射出速度Vが第1設定速度V1B、V1C、V1Dに、S1〜S2の区間では、射出速度Vが第2設定速度V2B、V2C、V2Dに、S2〜S3の区間では、射出速度Vが第3設定速度V3B、V3C、V3Dになるようにそれぞれ制御する。
【0038】
なお、図8において、P0は溶融樹脂の射出充填開始時におけるプランジャ81の位置、P1は溶融樹脂がゲート部46の手前に達したときのプランジャ81の位置、P2は溶融樹脂がキャビティ3内に達したときのプランジャ81の位置、P3は射出充填完了時におけるプランジャ81の位置を示している。これらは位置センサ87によって検出される。なお、これらの位置P0、P1、P2、P3は、レンズ形状に応じて予め計算、あるいは実験などにより求めておく。
【0039】
具体的には、図10に示すフローチャートに従って制御を行う。
まず、駆動制御回路84に対して第1設定速度V1を指令したのち、速度センサ88からの速度データ(実際の射出速度V)と第1設定速度V1とを比較しながら、実際の射出速度Vが第1設定速度V1になるように、加速または減速指令を駆動制御回路84に与える。これと同時に、位置センサ87からの位置データPがP1に達したか否かをチェックし、位置データPがP1に達するまで実際の射出速度Vが第1設定速度V1になるようにクローズド制御する。これにより、溶融樹脂がゲート部46の手前に達する位置P1まで溶融樹脂を正確に充填することができる。
【0040】
位置データPがP1に達したのち、つまり、溶融樹脂がゲート部46の手前に達したのち、駆動制御回路84に対して第2設定速度V2を指令する。ここで、速度センサ88からの速度データ(実際の射出速度V)と第2設定速度V2とを比較しながら、実際の射出速度Vが第2設定速度V2になるように、加速または減速指令を駆動制御回路84に与える。これと同時に、位置センサ87からの位置データPがP2に達したか否かをチェックし、位置データPがP2に達するまで実際の射出速度Vが第2設定速度V2になるようにクローズド制御する。これにより、溶融樹脂がゲート部46の手前に達した位置P1からキャビティ3内に達する位置P2まで溶融樹脂をゆっくりと充填することができる。
【0041】
位置データPがP2に達したのち、つまり、溶融樹脂がキャビティ3内に達したのち、プラスレンズの成形かマイナスレンズの成形かを判断する。プラスレンズの成形の場合には、駆動制御回路84に対して第3設定速度V3を指令したのち、実際の射出速度Vと第3設定速度V3とを比較しながら、実際の射出速度Vが第3設定速度V3になるように、加速または減速指令を駆動制御回路84に与える。これと同時に、位置センサ87からの位置データPがP3に達したか否かをチェックし、位置データPがP3に達するまで実際の射出速度Vが第3設定速度V3になるようにクローズド制御し、位置データPがP3に達したとき停止させる。これにより、プラスレンズの成形の場合には、充分な射出速度を確保しつつ溶融樹脂を充填できる。このとき、キャビティ3の中央部l5(レンズの中央部)の厚みが大きいため、キャビティ3内に到達した溶融樹脂は、キャビティ3の中央部(レンズの中央部)を通って周縁部に達し、ウエルドマークを抑制できる。
【0042】
マイナスレンズの成形の場合には、駆動制御回路84に対して第3設定速度V3を指令(オープン制御)したのち、位置センサ87からの位置デークPがP3に達したか否かをチェックし、位置データPがP3に達したとき停止させる。つまり、マイナスレンズの成形の場合には、0.8mmより大きい寸開き量Sが設定され、金型内での射出抵抗が小さいから、上述したオープン制御を用いても、充分な射出速度を確保しつつ、射出速度の変化を少なくできる。従って、成形品の表面に、射出速度の変化として現れる射出履歴が出にくい。しかも、大きな寸開き量の設定によって、キャビティ3の中央部の厚みが大きく設定されているため、キャビティ3内に到達した溶融樹脂は、分流することなく、キャビティ3の中央部を通って周縁部に達する。このため、ウエルドマークも抑制でき、高品質なレンズを得ることができる。
【0043】
次に、プラスレンズの成形に場合には、溶融樹脂の射出充填完了後、ノズルを閉じ、続いて加圧(圧縮)する。なお、閉じる機構の作用については、本件出願人の実公平7−27140号公報、特公平5−44893号公報、特公平5−30608号公報等おいて周知であるので、ここでは詳述しない。
【0044】
一方、マイナスレンズの成形の場合には、溶融樹脂の射出充填完了前に加圧(圧縮)を開始する。具体的には、射出すべき溶融樹脂の約90〜95%が射出されたとき、型締めシリンダ63により加圧を開始する。そして、最後にノズル85を閉じる。
【0045】
以上のように、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がキャビティ3内に達するまでの区間S0〜S2では、実際の射出速度と予め設定した第1、第2設定速度V1、V2とを比較しながら、実際の射出速度Vが第1、第2設定速度V1、V2になるように射出速度Vを制御しているから、つまり、クローズド制御を採用しているから、溶融樹脂がキャビティ3内に達する位置まで溶融樹脂を正確に充填できる。
【0046】
また、このクローズド制御において、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲート部46の手前に達するまでの区間S0〜S1では、射出速度Vを第1設定速度V1に、ゲート部(区間S1〜S2)では射出速度Vを一旦第2設定速度V2まで下げているから、キャビティ3内への溶融樹脂の急激な浸入を防止することができる。このことにより、キャビティ3内において、空気の巻き込みを極力少なくし、溶融樹脂の挙動に大きく変化を与えないスムーズな充填を補償することができる。
【0047】
また、マイナスレンズ成形時において、溶融樹脂がキャビティ3内に達してから射出充填完了までの区間S2〜S3では、射出速度Vを予め設定した第3設定速度V3に指令するようにしているから、つまり、オープン制御を採用しているから、キャビティ3内での溶融樹脂の速度変化を少なくできる。よって、成形品の表面に充填履歴が現れる現象を少なくできる。特に、マイナスレンズ成形時においては、寸開き量Sが大きく設定され、射出抵抗が小さくなっているから、オープン制御の採用によっても、充分な射出速度を確保しつつ、射出速度の変化を少なくすることができる。よって、成形品の表面に充填履歴が現れる現象を少なくできる。
【0048】
また、このとき、図8の(A)、(B)の場合のように、射出シリンダの射出速度をマイナス弱度レンズとマイナス強度レンズとで変化させて制御し、マイナス強度レンズの方を遅くするようにしているから、中心肉厚とコバ厚との差が、マイナス弱度レンズよりも大きいマイナス強度レンズの成形に際しても、レンズ成形用キャビティ3内での溶融樹脂の速度変イヒを小さくできる。
【0049】
また、マイナスレンズ成形時には、溶融樹脂の射出完了前に寸開き量Sの圧縮を開始するようにしたので、溶融樹脂の射出充填完了前にキャビティ3の容量が縮小されていく。従って、溶融樹脂の射出充填完了時点で、キャビティ3内に大きな未充填部分が残ることが少なく、このためフローマークの発生も防げる。つまり、寸開き量Sを大きく設定すると、溶融樹脂の射出充填完了時点で、キャビティ3内に大きな未充填部分を残したまま、溶融樹脂の流動が停止することになり、充填部分と未充填部分の臨界線に、フローマークが発生しやくなるという問題が考えられるが、本実施形態のようにすることで、フローマークの発生も防げる。
【0050】
また、プラスレンズ成形時において、溶融樹脂がキャビティ3内に達してから射出充填完了までの区間では、実際の射出速度Vと予め設定した第3設定速度V3とを比較しながら、実際の射出速度Vが第3設定速度V3になるように射出速度Vを制御しているから、つまり、クローズド制御を採用しているから、充分な射出速度を確保できる。ちなみに、プラスレンズ成形にあっては、寸開き量Sが小さく、かつ、ゲート部ヒケ対策のため絞られたゲート構造であることから、射出抵抗が非常に大きく、そのためオープン制御を用いると、充分な射出速度が得られず、高品質な成形品を得ることができないことが予想される。
【0051】
なお、マイナスレンズの成形においては、レンズ中央部が周縁部に対して厚みが薄いという形状特性より、キャビティ中央部で流動抵抗が大きくなる。そのため、キャビティ内に射出された溶融樹脂は、キャビティ中央部で流れ難く、分流して周縁部から回り込むため、ウエルドマークが発生しやすい。従って、射出履歴については、充分注意をはらう必要がある。この点、本例では、マイナスレンズ成形時の圧縮代をプラスレンズ成形時の圧縮代より大きく設定しているから、マイナスレンズ成形時においても、キャビティ内に到達した溶融樹脂が分流することなくキャビティ中央部を通って周縁部に流れ込み、結果として、ウエルドマークの発生を抑制することができる。
【0052】
次に、溶融樹脂を加圧圧縮している間、金型50を再加熱後、冷却する(再加熱冷却工程)。つまり、上型インサート11および下型インサート12の温度を温調流体供給装置52からの加熱流体の供給により昇温させ、次いで、冷却流体の供給により降温しながら熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0053】
例えば、図11(A)〜(D)に示すように、上型インサート11および下型インサート12の温度を一旦昇温させたのち、降温させる。図11において、(A)はレンズ度数が−2.00、中心部厚さが1.4mm、周縁部厚さが4.8mmのマイナスレンズを成形する場合、(B)はレンズ度数が−4.00、中心部厚さが1.4mm、周縁部厚さが7.9mmのマイナスレンズを成形する場合、(C)はレンズ度数が+2.00、中心部厚さが4.2mm、周縁部厚さが1.0mmのプラスレンズを成形する場合、(D)は凸面のベースカップが3.00D、中心部厚さが5.4mm、周縁部厚さが5.8mmのセミフィニッシュレンズ(一方のレンズ片面が仕上がり面となっていて他方のレンズ片面が後加工で仕上げられるレンズ)を成形する場合をそれぞれ示している。
【0054】
この際、図11(A)、(B)、(D)、特に(A)、(B)のように、金型50からの成形品の取り出し時における下型インサート12(レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)の温度を、上型インサート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)の温度よりも低くしてある。このような温度差を下型インサート12と上型インサート11とに設けると、金型50から取り出されたときの成形品のレンズ凸面がレンズ凹面に比べ温度が低いから、レンズ凸面がレンズ凹面より早期に固化し、金型50から取り出された成形品の中折れ現象の発生を防止できる。つまり、成形すべきレンズが、中心部と周縁部とで偏肉差があって中心部の厚さよりも周縁部の厚さが大きいレンズの場合には、厚さの小さい中心部からレンズ凹面側に折れる中折れ現象が発生しやすいが、上記のように温度差をもたせることによって、中折れ現象の発生を防止できる。このことは、上型インサート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)および下型インサート12(レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)のレンズ成形面形状が、溶融樹脂に正確に転写された高精度のレンズを得ることができることを意味する。
【0055】
このようにして成形したのち、エジェクトすると、図12に示す成形品101が得られる。この成形品101は、前記2個のレンズ成形用キャビティ3によって成形された眼鏡レンズ102と、前記ランナ49によって成形され前記2個の眼鏡レンズ102を連結する連結部103と、前記スプルー48によって成形され前記連結部103の中央部から直角にかつレンズ102の厚み方向へ延びる棒状部104と、前記把手部46によって成形され前記連結部103および棒状部104に対して直角に延びる把手105とから形成されている。
【0056】
エジェクト後、成形品101は、図13に示す浸漬作業具130の摘み部材133で把手105が保持された状態で、耐摩耗性ハードコート液にレンズ102部分が浸漬される。次いで、一定時間浸漬された後、レンズ102と連結部103とがカッタ装置により切り離され、これにより、1個の成形品101からハードコート液によるコーティング膜で被覆された2個のレンズ102が得らる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、複数のレンズ成形用キャビティ3、ランナ49およびスプルー48を有するモールド構成体45に必要な量の溶融樹脂を計量したのち、その溶融樹脂をノズル85内の通路を通じて、モールド構成体45内に射し、ここで、ノズルシャットピン91によってノズル85の通路先端を閉塞するとともに、溶融樹脂の射出完了後または射出完了直前にモールド構成体45内の溶融樹脂を圧縮し、冷却した後、成形品として取り出すようにしたので、つまり、計量した樹脂の量と成形品として取り出される量とが対応しているから、高い形状精度のレンズを成形することができる。
【0058】
また、射出工程において、ノズル85の通路先端をノズルシャットピン91によって閉塞した状態において、モールド構成体45内の溶融樹脂を加圧し、冷却して成形品として取り出すようにしているから、つまり、成形品として取り出される部分とノズル85内に残留する部分とがノズルシャットピン91によって完全に縁を切られた状態で遮断されているから、ノズル85内に残留する樹脂が次の成形時に異物として成形品に混入することもない。よって、高品質なレンズを成形することができる。
【0059】
また、再加熱冷却工程において、溶融樹脂を加圧圧縮している間に、上型インサート11および下型インサート12を温調流体供給装置からの加熱流体の供給により、再加熱したのち冷却するようにしたので、レンズ成形用キャビティ3内に射出充填された熱可塑性樹脂は、加圧状態で一旦昇温されることにより、樹脂の均質性や流動性が高められ、この状態から冷却されて凝固されることになるから、成形品の均質性や上型インサート11および下型インサート12との転写性を一段と向上させることができる。従って、この点からも、高品質で高い形状精度のレンズを成形することができる。
【0060】
また、再加熱冷却工程において、金型50からの成形品の取り出し時における下型インサート12(レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)の温度を上型インサート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)の温度より低くしたので、金型50から取り出されたときの成形品のレンズ凸面がレンズ凹面に比べ温度が低いから、レンズ凸面がレンズ凹面より早期に固化し、金型50から取り出された成形品の中折れ現象の発生を防止できる。つまり、成形すべきレンズが、中心部と周縁部とで偏肉差があって、中心部の厚さよりも周縁部の厚さが大きいレンズの場合には、厚さの小さい中心部からレンズ凹面側に折れる中折れ現象が発生しやすいが、上記のように温度差をもたすことによって中折れ現象の発生も防止できる。このことは、上型インサート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)および下型インサート12 (レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)のレンズ成形面形状が溶融樹脂に正確に転写された高精度のレンズを得ることができることを意味する。
【0061】
また、モールド構成体45には、2個のレンズ成形用キャビティ3を含んでいるから、複数のレンズ102を同時に成形することができる。また、モールド構成体45には、把手部46を含んでいるから、把手105を有する成形品101を成形することができる。従って、成形品101のレンズ1 02部分を耐摩耗性ハードコート液などに浸潰処理する際に、把手105を持って浸潰処理できるから、浸漬処理を容易にできる。
【0062】
また、射出工程において、ノズルシャットピン91をその先端がスプルーブッシュ47の内部に接触する直前位置まで突出させてノズル85の通路先端を閉塞するようにし、ノズルシャットピン91の先端面91Aおよび側面91Bとスプルーブッシュ47の内壁との間に隙間を形成したので、離型時に成形スプルー部が欠損することがなく、異物の混入を確実に防止することができる。
【0063】
なお、以上述べた実施形態においては、2個の眼鏡レンズ成形用キャビティ3を有する金型50を用いた場合を示したが、1個のレンズ成形用キャビティ、あるいは、3個以上のレンズ成形用キャビティを有する金型を用いて成形するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がキャビティ3内に達するまでの区間S0〜S2では、クローズド制御を採用したが、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲート部46の手前に達するまでの区間S0〜S1ではクローズド制御を、溶融樹脂がゲート部46の手前からキャビティ3内に達するまでの区間S1〜S2(ゲート部46の区間)では、オープン制御を採用するようにしてもよい。このようにすれば、キャビティ内への溶融樹脂の急激な浸入を防止できるから、キャビティ内において、空気の巻き込みも極力少なく、溶融樹脂の挙動に大きく変化を与えないスムーズな充填を補償することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、モールド構成体
45が把手部46を含んでいたが、把手部46がないものでもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、成形時の圧縮代を、型本体4と型取付部材16との間に形成した寸開き量により設定するようにしたが、他の金型を用いてもよい。たとえば、キャビティ3内に突出するキャビティコアを設け、このキャビティコアの位置から圧縮代を設定したのち、キャビティコアをキャビティ3内に突出させることにより圧縮するようにした構造の金型を用いてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、マイナスレンズ成形時において、溶融樹脂を約90〜95%射出した時点で寸開き量Sの圧縮を開始するようにしたが、このときのパーセンテージもキャビティ3の容積、樹脂の種類、レンズの特性などに応じて任意に決定すればよい。
【0068】
また、上記実施形態では、位置センサ87のほかに、速度センサ88を設けたが、速度センサ88を設けることなく、位置センサ87からの位置データと、その位置データから選られた時間との関係から速度を演算によって求めるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、寸開き量を、プラスレンズの場合には0.8mm以下、マイナスレンズの場合には0.8mmより大きい寸法に設定したが、これらの数値はレンズの特性などに応じて任意に決定すればよい。
【0070】
また、成形装置は、本実施形態のものに限らず、横型のものを用いてもよい。また、金型、その温度調整機構、射出シリンダ等についても、同様に他の機構を用いて実施可能なことはもちろんである。
【0071】
また、上記実施形態では、眼鏡レンズの射出圧縮成形について説明したが、必ずしも眼鏡レンズに限られるものではなく、本発明は他のレンズ一般に適用できる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光学的性能に優れ、メニスカス形状のレンズの強度や弱度といった度数差のあるレンズや、単焦点非球面、累進面、乱視レンズといった特異なレンズ形状の成形も可能であり、マイナスレンズの成形時に発生する中折れ現象を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の方法を実施するための射出圧縮成形装置の構成を示す図である。
【図2】同装置における射出成形用金型を示す断面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるレンズ成形の手順を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における射出速度と位置との関係を示す図である。
【図9】同実施形態で得られる成形品を示す図である。
【図10】同実施形態の射出工程における制御のフローチャートである。
【図11】同実施形態の再加熱冷却工程での温度制御曲線を示す図である。
【図12】同実施形態で得られる成形品を示す斜視図である。
【図13】同実施形態で得られる成形品のコーティング処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
3 眼鏡レンズ成形用キャビティ
11 上型インサート(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)
12 下型インサート(レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)
45 モールド構成体
46 把手部
48 スプルー
49 ランナ
50 射出成形用金型
85 ノズル
90 ノズルシャット機構
82 射出シリンダ
V 実際のの射出速度
V1 第1設定速度
V2 第2設定速度
V3 第3設定速度
P0 射出充填開始位置
P1 溶融樹脂がゲート部手前に到達した位置
P2 溶融樹脂がキャビティ内に到達した位置
P3 射出充填完了位置

Claims (3)

  1. レンズ凹凸面形成用の少なくとも一対のキャビティ形成部材によって構成されるレンズ成形用キャビティ、このレンズ成形用キャビティにゲート部を介して連通するランナ、およびこのランナに連通するスプルーを有するモールド構成体を備えた金型を用いてレンズを成形するレンズの射出圧縮成形方法であって、
    前記レンズ成形用キャビティ、ランナ、およびスプルーを有する前記モールド構成体に対する必要量の熱可塑性樹脂を計量する計量工程と、
    前記金型を型閉じし、前記レンズ成形用キャビティ内に圧縮代を残して前記モールド構成体の容積を所定の大きさに設定する型準備工程と、
    前記計量工程で計量された熱可塑性樹脂をノズル通路を通じて前記モールド構成体に射出させる射出工程と、
    前記熱可塑性樹脂の射出完了後または射出完了直前に、前記圧縮代を圧縮する圧縮工程と、
    これらの工程中に金型温度を制御して前記モールド構成体内の熱可塑性樹脂を固化させる金型温度調整工程とを備え、
    前記射出工程においては、熱可塑性樹脂の射出開始から溶融樹脂がレンズ成形用キャビティ内に達するまでの区間では、射出速度が設定速度になるように制御すると共に、前記ゲート部で射出速度を一旦所定の速度まで下げ、
    更に溶融樹脂がレンズ成形用キャビティ内に達してから射出充填完了までの区間では、射出速度をマイナス弱度レンズとマイナス強度レンズとで変化させて制御し、マイナス強度レンズの方をマイナス弱度レンズより遅くするようにし、
    前記金型温度調整工程では、前記レンズ凸面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り出し温度を、前記レンズ凹面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り出し温度よりも低く制御することを特徴とするレンズの射出圧縮成形方法。
  2. 前記モールド構成体が、前記ランナおよびスプルーに連通する把手部を有することを特徴とする請求項1記載のレンズの射出圧縮成形方法。
  3. 前記レンズが眼鏡レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズの射出成形方法。
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