JP3737054B2 - 磁束照射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソレノイドコイルを用いて磁束を生じさせ、この磁束を被射体に照射するための磁束照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の磁束照射装置としては、例えば、局部温熱療法(ハイパーサーミア法)に使用される生体内部加熱装置に用いられているものがある。このハイパーサーミア法の一方式では、特開平11−57031号公報に開示されているように、鉄系酸化物の微粒子を主成分とする感磁発熱体が生体の患部に導入され、磁束照射装置によって感磁発熱体に磁束が照射される。感磁発熱体は照射された磁束によって磁気ヒステリシス損を生じ、患部はこの磁気ヒステリシス損によって局所的に加熱される。この加熱は正常細胞が侵襲されない程度の温度で行われ、患部の癌細胞のみが選択的に加熱されて壊死させられる。
【0003】
図1はこのような磁束照射装置の作用部1の概略構成を示している。作用部1は、被射体である生体に対してトランスバース配位されたソレノイドコイル1aおよび磁心1bを有する。ソレノイドコイル1aに図示しない駆動部から電流が流されると、作用端1zから生体に磁束2が照射され、生体の内部に導入された上記の感磁発熱体3が加熱される。作用端1zは、作用部1の片方の端部がこの端部を生体に対向させるトランスバース配位で充てられて機能する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、生体に照射される磁束は、加熱を要する部位が生体内部の深部にあっても、この深部に高い磁束密度を以て到達することが望ましい。
【0005】
この要請を満たすための施策としては、先ず、作用端1zから出力される磁束2の密度を増すべく、▲1▼ソレノイドコイル1aに流す電流を増すか、あるいは、▲2▼作用部1の長さを増してソレノイドコイル1aの巻回数を多くする、ことが考えられる。また、出力磁束2を太くすべく、▲3▼作用部1(ソレノイドコイル1aおよび磁心1b)の実効断面積を増すことも考えられる。この▲3▼の施策は、磁束2が描く対流状の磁力線パターンを作用端1zから遠い位置にまで及んだ形にして、磁束2の生体内部への到達深さを増すためにも有用である。
【0006】
しかしながら、上記の3施策は、いずれもソレノイドコイル1aに印加する電圧の高電圧化を要する。この高電圧化は数kV〜数十kVに及ぶため、感電のリスクを増し、さらには、強い電界によって不都合な誘電的副次作用をもたらすものであって好ましくない。
【0007】
さらに、各論的に付け加えるならば、▲1▼,▲2▼の施策については、磁束密度の増大が磁心1bの飽和磁束密度を以て頭打ちになるという限界がある。因みに、磁心1bは、飽和磁束密度までの余裕を大きくとらない形で使用されていることが多いから、磁束密度の向上代(向上分)が総じて大きく望めないことになる。
【0008】
また、▲2▼の作用部1の長さを増す施策は、出力磁束密度の向上への寄与効果自体が小さい。何故なら、ソレノイドコイル1aの巻回数が追加された部分は、作用端1zとは反対側の端部に在って、この部分の磁界は、作用端1zとの間の大きな磁気抵抗による磁界強度降下を経て顕著に弱められた形でしか、作用端1zの出力増に寄与し得ないからである。
【0009】
また、▲2▼,▲3▼の施策は、加熱に寄与しない回路インピーダンスの増大を伴うため、電力損失率が大きくなり、所要電力量の割には加熱能率を向上させ得ないという問題がある。また、▲3▼の施策は、前記断面積が増えることにより、飽和磁束量が増すこともあって、上記3施策の中では最も有用であるが、磁束の局部集中性が特段に望まれるような用途・目的に対しては、前記磁束太さの増大が不都合になることもある。
【0010】
なお、上述のコイル印加電圧や電力損失率の増大は、作用部1に電流を流すための前記駆動部等の規模増大につながり、磁束照射装置全体の可搬性,操作性,経済性を減殺するマイナス要因となる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ソレノイドコイルを用いて磁束を生じさせ、この磁束を被射体に照射するための磁束照射装置に関する、コイルへの印加電圧の増大を要件とせずに、あるいは、電力損失率の増大を伴わずに、被射体の深部にまで高い磁束密度の磁束を到達させるという要請に応えるものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの要請に応えるため、ソレノイドコイルおよびこれに挿入された磁心を有する作用部と、ソレノイドコイルに高周波交流電流を流して高周波交流磁束を生じさせる駆動部とを備え、作用部の片方の端部を充てて機能させる作用端から生体の内部に設けられた感磁発熱体に磁束が照射される磁束照射装置において、作用部が、感磁発熱体に照射する磁束を生じさせる磁束発生巻線部と、作用端の周囲に張り出して形成された磁束制御巻線部とを備え、磁束発生巻線部は、極性の揃った複数基の単位作用部で構成されると共に、各単位作用部はその軸線が感磁発熱体側に求心状に集まって磁束密度が加算強化されるように配位され、磁束制御巻線部は、複数基の単位作用部に所属する作用端の群の包絡的周縁の周囲に張り出して形成されている構成にした。
【0015】
この構成によれば、磁束制御巻線部によって作用端の周囲に磁束が張り出して生じ、磁束発生巻線部によってソレノイドの軸中心部に生じる磁束は、張り出して生じた磁束の影響を受けて作用端からより遠い地点で弧を描く磁力線を形成する。つまり、磁束発生巻線部によってソレノイドの軸中心部に生じる磁束は、磁束制御巻線部の磁束制御効果により、作用端からより遠い地点まで到達して分布する。
【0017】
また、複数基の各単位作用部に生じる各磁束の加算された磁束が感磁発熱体に照射され、1基の単位作用部に生じる磁束が照射される場合よりも密度ないし太さの増強された磁束が感磁発熱体に照射される。
【0019】
また、磁束制御巻線部によって、複数基の単位作用部の各作用端を包む外周囲に磁束が張り出して生じ、加算して強め合う各ソレノイドの磁束は、張り出して生じた磁束の影響を受けて各作用端からより遠い地点で弧を描く磁力線を形成する。つまり、加算して強め合う各ソレノイドの磁束は、各作用端からより遠い地点まで到達して分布する。
【0020】
また、本発明は、磁束制御巻線部が、その形状を磁束発生巻線部によって生じる磁束の分布を所望の分布となるように設定できる構造となっていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、生体の形状に合わせて磁束制御巻線部の形状を設定することにより、磁束制御巻線部に生じる磁束の分布を、前記制御効果が一層高まるように適宜変えることが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による磁束照射装置を生体内部加熱装置に適用した第1の実施形態について説明する。
【0023】
本実施形態による磁束照射装置は、図2(a)に示す作用部11と、同図(b)に示す駆動部21とから構成されている。
【0024】
同図(a)に示す作用部11は、ソレノイドコイル11aおよびこれに挿入されたフェライトからなる磁心11bを有する。ソレノイドコイル11aは、内周側に且つ作用部11の略全長に亘って巻成された基本巻線部11aaと、その外側に且つ作用端11z側の短区間に亘って巻成された補強巻線部と11abとを備えている。作用端11zは作用部11の片方の端部が被射体にトランスバース配位させる形で充てられて機能させられる。ソレノイドコイル11aの作用端11zに生じた磁束12は、被射体である生体に照射され、生体の内部に導入された感磁発熱体13に及ぶ。感磁発熱体13は、比透磁率が100〜2000の鉄系酸化物の微粒子を主成分としており、その微粒子の平均粒径は10〜100[nm]である。
【0025】
同図(b)に示す駆動部21は、交流200[V]を発生する交流電源22からの給電を受け、この交流200[V]を整流装置23によって脈流200[V]に変換する。変換した脈流200[V]はコンデンサ24によって平滑化され、発振装置25によって矩形波状の交流250[V]に変換される。発振装置25の出力側にはコンデンサ26が設けられており、駆動部21の出力端子21a,21bに上述したソレノイドコイル11aが接続されると、コンデンサ26とソレノイドコイル11aとによって共振回路が形成される。この共振回路の共振により、ソレノイドコイル11aには50〜400[kHz]の周波数の高周波電流が流れ、作用端11zには磁束12が生じる。
【0026】
この構成において、作用部11の作用端11zが生体の胸部や腹部等に対向させて配置されると、作用端11zに発生する磁束12は生体内の感磁発熱体13に照射される。感磁発熱体13は照射された磁束12によって磁気ヒステリシス損を生じ、患部はこの磁気ヒステリシス損によって加熱される。一方、生体は導電性がよいので、感磁発熱体13が配置された周囲の生体には渦電流が生じてジュール熱が発生する。しかし、上記周波数の交流磁束12の形成は感磁発熱体13の配置領域に集中するため、感磁発熱体13そのもののヒステリシス損による発熱は増大し、その影響を受けて、周囲の生体に生じるジュール損による発熱は抑えられる。この結果、感磁発熱体13の配置領域を中心とした鋭い温度分布が形成され、正常細胞が加熱によって侵襲されることなく、患部の癌細胞のみが選択的に加熱されて壊死させられる。
【0027】
上記第1の実施形態による磁束照射装置の作用部11の作用端11zからは、図2(c)のグラフにおいて、ソレノイドコイル11aの各部分に由来する磁束を総和した、出力磁束の密度が特性線zで表される磁束が出力される。同グラフの横軸は、ソレノイドコイル11aの単位巻線(1巻線)の作用端11zからの距離L、同グラフの縦軸は、作用端11zから出力される磁束の磁束密度Bを示している。特性線zは、基本巻線部11aa由来の出力磁束を表した特性線xと、補強巻線部11ab由来の出力磁束を表した特性線yとを合成することによって得られる。このような特性を示す作用部11によれば、作用部11の作用端11zには、基本巻線部11aaによって発生する磁束に、補強巻線部11abによって発生する磁束が加算され、強い磁界を持つ磁束12が効率よく発生させられる。
【0028】
従って、作用部11の長さを増すことでは果たせなかった照射磁束の強化が、作用端11z寄りに配置されて磁気回路内の磁界強度の減衰が少ない補強巻線部11abの磁界による磁束加算作用によって果たされ、密度の高い磁束12が生体に照射されることになる。
【0029】
このため、上記の第1の実施形態による磁束照射装置によれば、駆動部21の共振回路に高電圧を発生させることなく、しかも、効率よく、密度が高い磁束12を生体内の感磁発熱体13に集中させることが出来、さらに、生体に照射される磁束12の実効深さ(有効な磁束密度を持つ磁束が作用する深さ)を増やすことが出来る。また、作用部11は、その有効長さを大きくしたり、その断面積を増やして大型化する必要が無いため、加熱に寄与しない回路インピーダンスの増大が抑制され、電力損失率の増大を防ぐことが出来る。さらに、作用部11の可搬性が損なわれないため、加温を要する胸部や腹部といった生体部位にも容易にその作用端11zを配置することが出来る。
【0030】
次に、本発明による磁束照射装置を生体内部加熱装置に適用した第2の実施形態について説明する。
【0031】
第2の実施形態による磁束照射装置は、図3(a)に示す作用部31と、図2(b)に示す駆動部21とから構成されており、上述した第1の実施形態による磁束照射装置とは作用部31の構成だけが相違している。なお、図3において図2(a)と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0032】
第2の実施形態による作用部31は、作用端31zのソレノイドコイル31aの周囲に、図で斜線が付された磁束制御巻線部31bが張り出して形成されている。この磁束制御巻線部31bは、ソレノイドコイル31aの巻線が作用端31zの周囲において張り出して巻かれて形成されており、磁束制御巻線部31bを備えたソレノイドコイル31aは1本の導線から形成されている。なお、磁束制御巻線部31bをソレノイドコイル31aとは別の巻線で形成し、磁束制御巻線部31bとソレノイドコイル31aとに同相の電流を流すように構成してもよい。
【0033】
このような作用部31からなる第2の実施形態による磁束照射装置では、磁束制御巻線部31bによって作用端31zの周囲に磁束33が図で点線で示すように張り出して生じ、ソレノイドコイル31aの軸中心部に生じる磁束32は、張り出して生じた磁束33の影響を受けて作用端31zからより遠い地点で弧を描く磁力線を形成する。つまり、ソレノイドコイル31aの軸中心部に生じる磁束32は、磁束制御巻線部31bの磁束制御効果により、作用端31zからより遠い地点まで到達して分布する。
【0034】
このため、上記の第2の実施形態による磁束照射装置によっても、共振回路を高電圧化する必要なく、しかも、効率よく、生体内の感磁発熱体13に密度が高い磁束32を集中させることが出来、さらに、生体に照射される磁束32の実効深さをさらに増やすことが出来る。また、この第2の実施形態でも、作用部31を大型化する必要が無いため、加熱に寄与しない回路インピーダンスの増大が抑制され、電力損失率の増大を防ぐことが出来る。さらに、作用部31の可搬性は損なわれないため、加温を要する生体の各部に容易にその作用端31zを配置することが出来る。
【0035】
次に、本発明による磁束照射装置を生体内部加熱装置に適用した第3の実施形態について説明する。
【0036】
第3の実施形態による磁束照射装置は、図3(b)に示す作用部41と、図2(b)に示す駆動部21とから構成されており、上述した第2の実施形態による磁束照射装置とは作用部41の構成だけが相違している。
【0037】
第3の実施形態による作用部41は、作用端41zのソレノイドコイル41aの周囲に、図で斜線が付された磁束制御巻線部41bが張り出して形成されている点は、第2の実施形態の作用部31と同様であるが、この磁束制御巻線41bが可撓性を持つ導線から形成されている点が、第2の実施形態の作用部31と相違している。この第3の実施形態では、ソレノイドコイル41aの巻線も可撓性を持つ導線から形成されており、磁束制御巻線部41bは、この可撓性導線が作用端41zの周囲において張り出して巻かれて形成されている。なお、磁束制御巻線部41bのみ可撓性導線から形成し、ソレノイドコイル41aの導線と直列に接続するように形成してもよい。また、磁束制御巻線部41bをソレノイドコイル41aとは別の可撓性導線で形成し、磁束制御巻線部41bとソレノイドコイル41aとに同相の電流を流すように構成してもよい。
【0038】
このような作用部41からなる上記第3の実施形態による磁束照射装置では、生体14の形状に合わせて磁束制御巻線部41bの形状を図に示すように撓めることにより、磁束制御巻線部41bに生じる磁束の分布を、磁束制御巻線部41bによる磁束制御効果が一層高まるように、適宜変えることが出来る。従って、この磁束の分布の影響を受ける、ソレノイドコイル41aの軸中心部に生じて生体14に照射される磁束42の分布は、磁束制御巻線部41bの形状を変えることにより、作用端41zからより遠い地点まで到達させられ、しかも、生体14の状況に応じて最適な所望の状態に分布させられる。よって、この第3の実施形態による磁束照射装置によれば、上述した第2の実施形態による作用効果が奏されるばかりではなく、患部の状況に応じて適宜最適な磁束を照射することが可能になる。
【0039】
次に、本発明による磁束照射装置を生体内部加熱装置に適用した第4の実施形態について説明する。
【0040】
第4の実施形態による磁束照射装置は、図3(c)に示す2基の単位作用部51,52からなる作用部と、図2(b)に示す駆動部21とから構成されており、前述した第1の実施形態による磁束照射装置とは駆動部21の構成だけが共通している。なお、本実施形態では図示の便宜上、作用部を2基の単位作用部51,52から構成しているが、実際には3基か4基程度の単位作用部から作用部を構成すると、各単位作用部の作用端が立体的な被射体の外表面に沿って配置され、好適である。
【0041】
第4の実施形態による磁束照射装置では、2基の単位作用部51,52が図3(c)に示すようにそれらの作用端が寄り添って配置されており、各単位作用部51,52を構成するソレノイドコイルの軸線が被射体側に求心状に集まって磁束密度が加算強化されるように配位されている。さらに、第4の実施形態では、寄り添った各作用端を包む外周囲に磁束制御巻線部53が張り出して形成されている。この第4の実施形態では、各単位作用部51,52のソレノイドコイルおよび磁束制御巻線部53は、それらによって生じる磁界の位相が揃うように直列接続し、前記駆動部21に接続して通電する。従って、各単位作用部51,52の作用端には同じ位相の磁束が揃って出力され、これらは生体内の感磁発熱体13で合流して加算強化される。すなわち、この第4の実施形態によれば、生体内の特定の部位に焦点を定めた加熱が行える。
【0042】
上述のように、本実施形態にあっても、回路を高電圧化する必要なく、しかも、効率よく、生体内の感磁発熱体13に密度が高い磁束54,55を集中させることが出来、さらに、生体に照射される磁束54,55の集中性を深さ方向についても改善することが出来る。
【0043】
また、本実施形態では、磁束制御巻線部53によって単位作用部51,52の各作用端を包む外周囲に図で点線で示す磁束56が張り出して生じ、加算して強め合う各単位作用部51,52の磁束54,55は、張り出して生じた磁束56の影響を受けて単位作用部51,52の各作用端からより遠い地点で弧を描く磁力線を形成する。つまり、加算して強め合う単位作用部51,52の磁束54,55は、各作用端からより遠い地点まで到達して分布する。
【0044】
このため、磁束制御巻線部53を備えた第4の実施形態による磁束照射装置によれば、生体に照射される磁束54,55の実効深さをさらに増やすことが出来る。また、この第4の実施形態において、磁束制御巻線部53を可撓性を持つ導線から形成した場合には、上述した第3の実施形態と同様な作用効果が奏される。なお、上記複数基の単位作用部51,52を有するが、磁束制御巻線部53は備えていない構成も用途・目的に応じて有用である。
【0045】
また、上述した各実施形態を適宜複合させて磁束照射装置を構成することも出来る。
【0046】
例えば、図2(a)に作用部が示される第1の実施形態による磁束照射装置において、基本巻線部11aaおよび補強巻線部11abを有するソレノイドコイル11aに、さらに、図3(a)に作用部31が示される第2の実施形態における磁束制御巻線部31bを備えるように構成することが出来る。また、この場合、図3(b)に作用部41が示される第3の実施形態のように、磁束制御巻線部31bを可撓性を持つ磁束制御巻線部41bにすることも出来る。また、図3(c)に作用部が示される第4の実施形態による磁束照射装置において、複数基の各単位作用部51,52を、第1の実施形態の作用部11のように、基本巻線部11aaと補強巻線部11abとを備えたソレノイドコイル11aから構成することが出来る。
【0047】
このような各構成によれば、組み合わされた各構成が持つ作用・効果が相乗して発生し、上述した各実施形態単独の際に奏される効果よりも高い磁束発生効果を奏する磁束照射装置が実現される。
【0048】
なお、上述した各実施形態では、本発明による磁束照射装置を生体内部加熱装置に適用して生体に磁束を照射する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、金属等の被射体に磁束を照射し、金属等を加熱する場合などにも同様に適用することが出来、この場合においても上述した各実施形態と同様な作用効果が奏される。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、作用部が、作用端の周囲に張り出して形成された磁束制御巻線部を備えているため、磁束制御巻線部によって作用端の周囲に磁束が張り出して生じ、磁束発生巻線部によってソレノイドの軸中心部に生じる磁束は、作用端からより遠い地点まで到達して分布する。また、磁束発生巻線部が、極性の揃った複数基の単位作用部で構成されると共に、各単位作用部が、その軸線が感磁発熱体側に求心状に集まって磁束密度が加算強化されるように配位されているため、複数基の各単位作用部に生じる各磁束が感磁発熱体に照射され、1基の単位作用部に生じる磁束が照射される場合よりも密度ないし太さの増強された磁束が感磁発熱体に照射される。また、磁束制御巻線部が、複数基の単位作用部に所属する作用端群の包絡的周縁の周囲に張り出して形成されているため、磁束制御巻線部によって、複数基の単位作用部の各作用端を包む外周囲に磁束が張り出して生じ、加算して強め合う各磁束発生巻線部の磁束は、各作用端からより遠い地点まで到達して分布する。このため、回路を高電圧化する必要なく、しかも、効率よく、密度が高い磁束を感磁発熱体に集中させることが出来、さらに、生体に照射される磁束の実効深さを増やすことが出来る。また、電力損失率の増大を防ぐことが出来、さらに、生体の所望の位置に容易に作用端を配置することが出来る。
【0054】
また、磁束制御巻線部が、その形状を磁束発生巻線部によって生じる磁束の分布を所望の分布となるように設定できる構造となっている場合には、生体の形状に合わせて磁束制御巻線部の形状を設定することにより、磁束制御巻線部に生じる磁束の分布を、磁束制御効果が一層高まるように適宜変えることが出来る。このため、感磁発熱体に照射される磁束は、生体の状況に応じて最適な所望の状態に分布させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の磁束照射装置の作用部の概略構成を示す図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態による磁束照射装置に用いられている作用部の概略構成、(b)は本発明の各実施形態による磁束照射装置に用いられている駆動部の概略構成を示す図であり、(c)は(a)に示すトランスバース型ソレノイドコイルの巻線位置と作用端に作用する磁束密度との関係を模式的に示すグラフである。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態による磁束照射装置の作用部の概略構成、(b)は本発明の第3の実施形態による磁束照射装置の作用部の概略構成、(c)は本発明の第4の実施形態による磁束照射装置の作用部を構成する2基の単位作用部の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11,31,41…作用部
51,52…単位作用部
11a,31a,41a…トランスバース型ソレノイドコイル
11aa…基本巻線部
11ab…補強巻線部
11b…磁心
11z,31z,41z…作用部11,31,41の作用端
12,32,33,42,54,55,56…磁束
13…感磁発熱体
14…生体
21…駆動部
31b,41b,53…磁束制御巻線部
Claims (2)
- ソレノイドコイルおよびこれに挿入された磁心を有する作用部と、前記ソレノイドコイルに高周波交流電流を流して高周波交流磁束を生じさせる駆動部とを備え、前記作用部の片方の端部を充てて機能させる作用端から生体の内部に設けられた感磁発熱体に磁束が照射される磁束照射装置において、
前記作用部は、前記感磁発熱体に照射する磁束を生じさせる磁束発生巻線部と、前記作用端の周囲に張り出して形成された磁束制御巻線部とを備え、
前記磁束発生巻線部は、極性の揃った複数基の単位作用部で構成されると共に、各単位作用部はその軸線が前記感磁発熱体側に求心状に集まって磁束密度が加算強化されるように配位され、
前記磁束制御巻線部は、前記複数基の単位作用部に所属する前記作用端の群の包絡的周縁の周囲に張り出して形成されている
ことを特徴とする磁束照射装置。 - 前記磁束制御巻線部は、その形状を前記磁束発生巻線部によって生じる磁束の分布を所望の分布となるように設定できる構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の磁束照射装置。
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