JP3736521B2 - 車両用物体認識装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前方の所定角度範囲に渡って複数の送信波を照射し、それらの反射波に基づいて、自車両前方の先行車両等の物体を認識する車両用物体認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両前方の所定角度に渡って、光波,ミリ波などの送信波を照射し、その反射波を検出することによって、車両前方の物体を認識する物体認識装置が考えられている。この種の装置は、例えば、先行車両等との間隔が短くなったことを検出して警報を発生する装置や、先行車両と所定の車間距離を維持するように車速を制御する装置などに適用され、それらの制御対象としての先行車両の認識に利用されている。
【0003】
例えば特許文献1には、レーザレーダセンサによって車両の前方に、車幅方向及び車高方向それぞれの所定角度範囲に渡り複数のレーザ光を照射し、それらの反射光に基づいて先行車両等の物体を認識する車両用物体認識装置が開示されている。この車両用物体認識装置における具体的なレーザ光の照射方法は、まず、車幅方向の所定角度範囲に渡って、所定角度おきに複数のレーザ光を照射する(ライン照射)。そして、このライン照射が終了すると、車高方向における照射角度を変化させて、再度、ライン照射を行なう。このように、ライン照射を複数回実行することにより、レーザ光を用いて車幅方向及び車高方向における所定の2次元エリアをスキャンさせている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−38141号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような方法により、所定の2次元エリアを複数のレーザ光によってスキャンした場合、例えば先行車両等の比較的大きな物体が前方に存在する場合には、その物体によって複数のレーザ光が反射され、その反射光がレーザレーダセンサによって検知される。このように、レーザレーダセンサが複数の反射光を検知した場合、その反射光が同一の物体によって反射されたものであるか、異なる物体によって反射されたものであるかを判別する必要がある。つまり、各物体を正しく認識するためには、反射光を物体毎に区分することが必要なのである。
【0006】
このため、従来の車両用物体認識装置においては、まず、ライン照射を行なうことによって得られた反射光データから、反射物の車幅方向における位置とその反射物までの距離を算出する。そして、照射ラインごとに、反射物の車幅方向における位置及び反射物までの距離が近接している場合には、一体の反射物体と推定して、それらを一体化したプリセグメントデータを作成する。さらに、各ライン照射によって得られたプリセグメントデータ同士を比較して、それらの車高方向における位置及び距離が近接している場合には、それらを一体化した本セグメントデータを作成する。
【0007】
しかしながら、従来の車両用物体認識装置では、反射物の位置(車幅方向位置、車高方向位置、距離)のみに基づいて、一体の反射物体であるか否かを判定しているために、以下に説明するような問題が生じる。
【0008】
例えば、1台の先行車両からの複数の反射光が検知された場合であっても、その車体部分からの反射光の強度は十分でない場合がある。このため、その車体部分からの反射光が検知されたり、されなかったりすることがあり、この場合、その先行車両に関する測距データが不安定になる。
【0009】
また、単に反射物の位置のみに基づいて一体のものかどうかを判定すると、実際は、別個のものであっても、一体のものとみなされてしまう場合がある。例えば、先行車両の上方や側方の近接した位置に看板等の静止物がある場合、その先行車両は静止物と一体のものと認識されてしまう。このような場合、本来認識すべき先行車両が、大きさが異なるため、先行車両と正しく認識されない可能性がある。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、車両の前方に存在する物体をより正確に認識することが可能な車両用物体認識装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用物体認識装置は、車両前方へ所定の角度範囲に渡って複数の送信波を照射し、各送信波が反射物によって反射され、その反射波を受信した際に、その反射波の強度に応じた受信信号を出力するレーダ手段と、
レーダ手段による送受信結果に基づいて、車両の前方に存在する物体を認識する認識手段とを備える車両用物体認識装置であって、
レーダ手段は、送信波の照射から反射波の受信までの時間間隔に基づいて、送信波の照射方向における反射物までの距離を算出する距離算出手段と、
受信信号から反射波の強度を求める強度算出手段とを備え、
認識手段は、レーダ手段が複数の反射波を受信した場合に、それら複数の反射波に基づいて前記距離算出手段によって算出される距離の差が所定距離以下であり、かつ、それら複数の反射波は、レーダ手段から近接して照射された送信波によって生じたものであり、さらに、それら複数の反射波に関して強度算出手段によって算出された強度の差が所定値以下であるとの条件がすべて成立した場合に、それら複数の反射波を生じさせた反射物を一体化して同一の反射物体と認識する第1の一体化手段を有し、
第1の一体化手段は、距離算出手段が算出する距離が長くなるほど、複数の反射波に基づいて距離算出手段によって算出された距離の差に関する条件である所定距離を長くすることを特徴とする。
【0012】
本車両用物体認識装置における認識対象としての車両は、その後面に、左右対称に取り付けられたリフレクタを備えている。このリフレクタは、送信波に対して車両の車体部分よりも高い反射強度を備えている。従って、そのリフレクタからの反射波は、車体部分からの反射波のように検知が不安定となることがなく、安定的にレーダ手段によって受信することが可能である。
【0013】
本発明では、認識対象としての車両を安定的に検知するために、反射波の強度を利用することとした。すなわち、各反射波により、点として認識される反射物を一体化する条件として、反射物同士の位置が隣接しているとの条件に加えて、反射波の強度の差が所定値以下であるとの条件を採用する。
【0014】
このように、反射波の強度の差が所定値以下であるときに反射物を一体の反射物体と認識することにより、反射強度の弱い部分(例えば車体部分)と反射強度の高い部分(例えばリフレクタ部分)とが区別できる。この結果、一体化された反射物体の内、反射波の強度の高い反射物体を基準に、反射物体との距離の算出や形状の算出を行なうことが可能となるので、物体との距離や物体の形状等を正確に把握することが可能となる。
なお、反射物までの距離が長くなるにつれて、反射波の強度が低下する傾向にあり、反射波の強度の低下と距離の測定精度とは相関関係がある。すなわち、反射物までの距離がながくなるほど、その距離の測定精度が低下する傾向にある。そのため、上述したように、距離算出手段が算出する距離が長くなるほど、複数の反射波に基づいて距離算出手段によって算出された距離の差に関する条件である所定距離を長くして、一体化判定するための距離条件を緩和するのである。
【0015】
請求項2に記載の車両用物体認識装置は、車両前方へ所定の角度範囲に渡って複数の送信波を照射し、各送信波が反射物によって反射され、その反射波を受信した際に、その反射波の強度に応じた受信信号を出力するレーダ手段と、
レーダ手段による送受信結果に基づいて、車両の前方に存在する物体を認識する認識手段とを備える車両用物体認識装置であって、
レーダ手段は、送信波の照射から反射波の受信までの時間間隔に基づいて、送信波の照射方向における反射物までの距離を算出する距離算出手段と、
受信信号から反射波の強度を求める強度算出手段とを備え、
認識手段は、レーダ手段が複数の反射波を受信した場合に、それら複数の反射波に基づいて前記距離算出手段によって算出される距離の差が所定距離以下であり、かつ、それら複数の反射波は、レーダ手段から近接して照射された送信波によって生じたものであり、さらに、それら複数の反射波に関して強度算出手段によって算出された強度の差が所定値以下であるとの条件がすべて成立した場合に、それら複数の反射波を生じさせた反射物を一体化して同一の反射物体と認識する第1の一体化手段を有し、
第1の一体化手段は、2つの送信波の間に介在する送信波の個数が所定個数以下の場合に、近接して照射された送信波と判断するものであり、距離算出手段が算出する距離が長くなるほど、その個数を減少させることを特徴とする。
上述した請求項1と同様に、反射波の強度の差が所定値以下であるときに反射物を一体の反射物体と認識することにより、反射強度の弱い部分と反射強度の高い部分とが区別できる。この結果、一体化された反射物体の内、反射波の強度の高い反射物体を基準に、反射物体との距離の算出や形状の算出を行なうことが可能となるので、物体との距離や物体の形状等を正確に把握することが可能となる。
ここで、レーダ手段からは、複数の送信波が、所定の角度範囲に渡って照射されるので、物体が自車両から近距離に存在する場合には、より多くの送信波がその物体により反射され、かつ、その物体に到達したときの送信波間の間隔は短い。そして、物体と自車両との距離が長くなるにつれて、送信波間の間隔は長くなる。従って、上述したように、2つの送信波の間に介在する送信波の個数が所定個数以下の場合に、近接して照射された送信波と判断しつつ、反射物体との距離が長くなるほど、その個数を減少させるのである。
【0016】
請求項3に記載したように、強度算出手段は、反射波の強度に応じて、反射波を複数のグループに分け、第1の一体化手段は、強度算出手段によって複数の反射波が同じグループに分けられている場合に、強度の差が所定値以下であると判断することが好ましい。このようにすると、各反射波の強度と、その強度差とが容易に判別できる。
【0017】
請求項4に記載したように、認識手段は、距離算出手段によって算出される距離が所定の距離以下である場合に、他の反射物と一体化されない反射物を、認識対象から除外することが好ましい。所定の距離以下に存在する物体からの反射波は、一般的に強度が高くなる傾向にある。このため、実際に物体が存在する場合には、同様の強度を持った複数の反射波がレーダ手段によって受信されるはずである。これを逆の観点から考えると、1個の反射波による反射物が他の反射物と一体化されない場合、その反射波は、何らかの要因で発生したノイズであるとみなすことができる。従って、このような場合は、その反射波による反射物を認識対象から除外することが好ましいのである。
【0018】
請求項5に記載したように、認識手段は、強度算出手段によって算出される反射波の強度が所定レベル以下であり、かつ一体化される反射物の個数が所定個数以下である場合、その反射物を認識対象から除外することが好ましい。反射波の強度が低く、かつ一体化される反射物の個数が所定個数(零を含む)以下である場合にも、その反射波は、何らかの要因で発生したノイズであるとみなすことができるためである。
【0020】
請求項6に記載した車両用物体認識装置は、レーダ手段は、車両の車幅方向に沿って、複数の送信波を照射するものであり、認識手段は、第1の一体化手段によって一体化された反射物体が複数ある場合に、それら複数の反射物体間の車幅方向の距離及び送信波の照射方向における距離が、それぞれ所定の一体化判定距離以下である場合に、それら複数の反射物体を一体化して同一の一体化反射物体と認識する第2の一体化手段を有することを特徴とする。
【0021】
このように、請求項6に記載した車両用物体認識装置では、反射波の強度が同じ程度である反射物からなる反射物体を求め、その後、反射物体同士の位置関係からそれらの反射物体が同一物とみなせる場合には、さらに一体化反射物体と認識する。これにより、一体化反射物体を構成する反射物体に関して、反射波の強度が求められているので、例えば、その一体化反射物体までの距離については、反射波の強度が所定レベル以上である反射物体のみに基づいて算出したり、一体化反射物体の大きさが正常範囲から逸脱した場合には、反射波の強度が低い反射物体を除外して一体化反射物体の大きさを求めたりすることが可能になる。これにより、先行車両等の物体をより正確に認識することが可能になる。
【0022】
なお、請求項1において説明したのと同様の理由から、請求項7に記載したように、第2の一体化手段は、送信波の照射方向における反射物体までの距離が長くなるほど、一体化判定距離を長く設定することが好ましい。
【0023】
請求項8に記載したように、認識手段は、第2の一体化手段によって一体化された一体化反射物体までの距離、及びこの一体化反射物体の幅を求める距離・形状算出手段を備え、この距離・形状算出手段は、第1の一体化手段が反射波の強度が所定レベル以上である反射物を一体化した反射物体までの距離に基づいて、第2の一体化手段により一体化された一体化反射物体までの距離を求めることが好ましい。所定レベル以上の強度を有する反射波はレーダ手段によって安定的に受信可能であり、そのような反射波の強度が所定レベル以上である反射物を一体化した反射物体までの距離の測定精度は非常に高い。このため、反射波の強度が所定レベル以上である反射物を一体化した反射物体までの距離に基づいて一体化反射物体までの距離を求めることにより、その距離の精度も向上できる。
【0024】
請求項9に記載したように、距離・形状算出手段は、第2の一体化手段が複数の反射物体を一体化した一体化反射物体を求めた場合に、それら複数の反射物体の反射波の強度が異なっており、かつ、一体化反射物体の幅が所定の長さを超えた場合に、最も反射波の強度が弱い反射物体を除いて、一体化反射物体の幅を求めることが好ましい。車両用物体認識装置の認識対象は車両であり、本来、車両が存在すべき領域に車両の幅を超えるような幅を持つ物体が存在する可能性は極めて低いので、この場合は、反射波の強度が相対的に低い反射物体は、ノイズ等によるものであると推測できるためである。
【0025】
請求項10に記載の車両用物体認識装置は、レーダ手段が、車両の車幅方向における所定の角度範囲に渡る送信波の照射を、車両の車高方向における照射角度を変えて複数回実行するものであり、
車両の車幅方向における送信波の照射ライン毎に、第1の一体化手段及び第2の一体化手段が、それぞれ反射物の一体化、さらに反射物体の一体化を行なって一体化反射物体を求めるものであり、
認識手段は、照射ライン毎に求められた一体化反射物体が近接した位置に存在し、かつそれぞれの移動速度の差が所定速度差以下との条件が満足された場合に、それらの一体化反射物体をさらに一体化して物標として認識する物標化手段を備えることを特徴とする。
【0026】
上述したように、車高方向に複数の送信波の照射ラインを設定した場合、隣接する照射ライン毎に求められた一体化反射物体同士が、同一物体か否かを判断する必要がある。この場合に、従来技術のように、単に一体化反射物体同士の位置関係のみで、同一物体か否かを判断してしまうと、正確に先行車両等の物体を認識することができない場合がある。すなわち、上述したように、先行車両の上方や側方の近接した位置に看板等の静止物がある場合、その先行車両は静止物と一体のものと認識されてしまう可能性がある。
【0027】
そこで、請求項10に記載の車両用物体認識装置においては、照射ライン毎に求められた一体化反射物体の移動速度の差が所定速度差以下との条件が成立した場合のみ、それらを同一物体とみなして、一体化した物標として認識する。これにより、上述したような問題、すなわち、移動物と静止物とが同一物体と誤認識される事態を回避することができる。
【0028】
請求項11に記載したように、一体化反射物体の移動速度は、自車両との車幅方向における相対速度及び前記送信波の照射方向における相対速度として算出され、物標化手段は、複数の一体化反射物体の両相対速度がともに所定速度差以下である場合に、それら複数の一体化反射物体を一体化した物標とすることが好ましい。このように、車幅方向及び送信波の照射方向における両相対速度を用いることにより、自車両前方に存在する移動物の移動状態を正しく把握することができる。従って、移動物と静止物とはもちろんのこと、移動物同士であっても、謝って同一物体であると認識されることを防止することができる。
【0029】
請求項12に記載したように、物標化手段は、距離・形状算出手段が算出した一体化反射物体までの距離及び一体化反射物体の幅と、この一体化反射物体の相対速度から、レーダ手段の検知時間間隔毎に当該一体化反射物体の存在する推定領域を算出し、その推定領域内に他の一体化反射物体が属する場合に、それらの一体化反射物体が近接した位置に存在すると判断することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態における車間制御装置について説明する。なお、本実施形態においては、車間制御装置1に車両用物体認識装置が適用されており、かつ車間制御装置1は、警報すべき領域に障害物が存在する場合に警報を出力する機能も備えるものである。
【0031】
図1は、車間制御装置1のシステムブロック図である。車間制御装置1は認識・車間制御ECU3を中心に構成されている。認識・車間制御ECU3はマイクロコンピュータを主な構成として、入出力インターフェース(I/O)等を備えている。これらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0032】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5、車速センサ7、ブレーキスイッチ9、スロットル開度センサ11から各々検出信号を入力しており、警報音発生器13、距離表示器15、センサ異常表示器17、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力する。また認識・車間制御ECU3には、警報音量を設定する警報音量設定器24、警報判定処理における感度を設定する警報感度設定器25、クルーズコントロールスイッチ26、図示しないステアリングホイールの操作量を検出するステアリングセンサ27、及び自動車に発生したヨーレートを検出するヨーレートセンサ28が接続されている。また認識・車間制御ECU3は、電源スイッチ29を備え、電源スイッチ29がオンされることにより、所定の処理を開始する。
【0033】
レーザレーダセンサ5は、図2(a)に示すように、発光部、受光部及びレーザレーダCPU70などを主要部として構成されている。発光部は、パルス状のレーザ光を、発光レンズ71、スキャナ72及びガラス板77を介して放射する半導体レーザダイオード(以下、単にレーザダイオードと記載)75を備えている。そして、レーザダイオード75は、レーザダイオード駆動回路76を介してレーザレーダCPU70に接続され、レーザレーダCPU70からの駆動信号によりレーザ光を放射(発光)する。また、スキャナ72にはポリゴンミラー73が鉛直軸を中心に回転可能に設けられ、レーザレーダCPU70からの駆動信号がモータ駆動部74を介して入力されると、このポリゴンミラー73は図示しないモータの駆動力により回転する。なお、このモータの回転位置は、モータ回転位置センサ78によって検出され、レーザレーダCPU70に出力される。
【0034】
本実施形態のポリゴンミラー73は、面倒れ角が異なる6つのミラーを備えているため、車幅方向及び車高方向それぞれの所定角度の範囲で不連続にレーザ光を掃引照射(スキャン)して出力する。このようにレーザ光を2次元的に走査するのであるが、その走査パターンを図3を参照して説明する。なお、図3において、出射されたレーザビームのパターン92は測定エリア91内の右端と左端に出射された場合のみを示しており、途中は省略している。また、出射レーザビームパターン92は、図3では一例として楕円形のものを示しているが、この形に限られるものではなく長方形等でもよい。さらに、レーザ光を用いるものの他に、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外に2方位を測定できる方式であればよい。
【0035】
図3に示すように、測定エリアの中心方向をZ軸としたとき、レーザ光は、Z軸に垂直なXY平面内の所定エリアを順次走査する。本実施形態では、高さ方向であるY軸を基準方向、車幅方向であるX軸を走査方向とし、スキャンエリアは、X軸方向には0.08deg×450点=20degであり、Y軸方向には1.4deg×3ライン=4degである。また、スキャン方向はX軸方向については図3において左から右へ、Y軸方向については図3において上から下へである。具体的には、まずY軸方向に見た最上部に位置する第1走査ラインについてX軸方向に0.08°おきに450個のレーザ光を照射する。これで1走査ライン分の検出がなされるので、次に、Y軸方向に見た次の位置にある第2走査ラインにおいても同様にX軸方向に0.08°おきに450個のレーザ光を照射する。このようにして第3走査ラインまで同様のレーザ光の照射を繰り返す。従って、左上から右下に向かって、走査ラインごとにレーザ光が走査がされ、450点×3ライン=1350点分のデータが得られることとなる。
【0036】
このような2次元的なスキャンにより、走査ラインごとに、走査方向を示すスキャン角度θxと反射物までの距離に相当するレーザ光の照射から受光までの時間差とが得られる。なお、距離スキャン角度θxは、出射されたレーザ光をXZ平面に投影した線とZ軸との角度として定義する。
【0037】
レーザレーダセンサ5の受光部は、図示しない物体に反射されたレーザ光を受光レンズ81を介して受光し、その強度に対応する電圧を出力する受光素子83を備えている。そして、この受光素子83の出力電圧は、増幅器85にて増幅された後に、コンパレータ87に出力される。コンパレータ87は増幅器85の出力電圧を基準電圧と比較し、出力電圧>基準電圧となったとき所定の受光信号を時間計測回路89へ出力する。
【0038】
時間計測回路89には、レーザレーダCPU70からレーザダイオード駆動回路76へ出力される駆動信号も入力される。そして図2(b)に示すように、上記駆動信号をスタートパルスPA、上記受光信号をストップパルスPBとし、2つのパルスPA,PB間の位相差(すなわち、レーザ光を出射した時刻T0と反射光を受光した時刻T1との時間差ΔT)を2進デジタル信号に符号化する。また、ストップパルスPBが、基準電圧以上となっている時間を、ストップパルスPBのパルス幅として計測する。そして、それらの値を2進デジタル信号に符号化してレーザレーダCPU70へ出力する。レーザレーダCPU70は、時間計測回路89から入力された2つのパルスPA,PB間の入力時間差ΔT、レーザ光のスキャン角度θx、及び受光強度データ(ストップパルスPBのパルス幅が相当する)を測距データとして認識・車間制御ECU3へ出力する。
【0039】
ここで、受光強度データについて説明する。図2(c)は受光強度が異なる2つの反射光のストップパルスPBを表している。図2(c)において、曲線L1は、受光強度が比較的強い反射光のストップパルスPBに対応し、曲線L2は、受光強度が比較的弱い反射光のストップパルスPBに対応する。
【0040】
同図の曲線L1の立ち上がり過程における、コンパレータ87に入力される基準電圧V0と交差する時刻をt11、曲線L1の立ち下がり過程に基準電圧V0と交差する時刻をt12、時刻t11と時刻t12との時間差をΔt1とする。また、曲線L2の立ち上がり過程に基準電圧V0と交差する時刻をt21、曲線L2の立ち下がり過程に基準電圧V0と交差する時刻をt22、時刻t21と時刻t22との時間差をΔt2とする。なお、基準電圧V0は、ノイズ成分による影響を避けることができる大きさに設定されている。
【0041】
図2(c)から明らかなように、強い受光強度を持った反射光のストップパルスPBのパルス幅である時間差Δt1と、弱い受光強度を持った反射光のストップパルスPBのパルス幅である時間差Δt2とを対比すると、Δt1>Δt2の関係が成立する。すなわち、反射光のストップパルスPBのパルス幅は、受光強度と対応し、受光強度が小さい時にはパルス幅が短くなり、受光強度が大きい時にはパルス幅が長くなる。従って、このパルス幅である時間差(Δt1、Δt2)は、受光した反射光の強度を特徴付ける指標となる。
【0042】
なお、受光強度は、反射物体の反射強度とその反射物体までの距離によって変化する。すなわち、反射物体の反射強度が高い場合、もしくは反射物体までの距離が短い場合には、反射光の受光強度は大きくなり、反射強度が低い、もしくは反射物体までの距離が長い場合には、反射光の受光強度は小さくなる。
【0043】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5からの測距データを基にして物体を認識し、その認識物体から得た先行車の状況に合わせて、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力することにより車速を制御する、いわゆる車間制御を実施する。また、認識物体が所定の警報領域に所定時間存在した場合等に警報する警報判定処理も同時に実施する。この場合の物体としては、自車の前方を走行する前車やまたは停止している前車等が該当する。
【0044】
続いて認識・車間制御ECU3の内部構成について、制御ブロックとして説明する。レーザレーダセンサ5から出力された測距データは物体認識ブロック43に送られる。物体認識ブロック43では、走査ライン毎に、測距データとして得た時間差ΔTとスキャン角度θxとをレーザレーダセンサ5中心を原点(0,0)とし、車幅方向をX軸、車両前方方向をZ軸とするXZ直交座標に変換する。そして、XZ直交座標に変換された測距データは、後述するプリセグメントデータ化、本セグメントデータ化、及び物標化という3種類の一体化処理がなされ、車両の前方に存在する物体毎に集約される。
【0045】
そして、物体毎に集約された測距データに基づいて、物体の中心位置(X,Z)、大きさ(W,D)を求める。さらに、物体の中心位置(X,Z)の時間的変化に基づいて自車位置を基準とする先行車両等の物体の相対速度(Vx,Vz)を求める。さらに物体認識ブロック43では、車速センサ7の検出値に基づいて車速演算ブロック47から出力される車速(自車速)と上記求められた相対速度(Vx,Vz)とから物体が停止物体であるか移動物体であるかの識別が行なわれる。なお、物体の大きさを示す(X,D)は、それぞれ(横幅、奥行き)である。このようなデータを持つ物体のモデルを「物標モデル」と呼ぶ。
【0046】
この物体認識ブロック43にて求めたデータが異常な範囲の値かどうかがセンサ異常検出ブロック44にて検出され、異常な範囲の値である場合には、センサ異常表示器17にその旨の表示がなされる。
【0047】
また、ステアリングセンサ27からの信号に基づいて操舵角演算ブロック49にて操舵角が求められ、ヨーレートセンサ28からの信号に基づいてヨーレート演算ブロック51にてヨーレートが演算される。そしてカーブ半径(曲率半径)算出ブロック57では、車速演算ブロック47からの車速と操舵角演算ブロック49からの操舵角とヨーレート演算ブロック51からのヨーレートとに基づいて、カーブ半径(曲率半径)Rを算出する。そして先行車判定ブロック53では、このカーブ半径Rと、物体認識ブロック43にて求められた中心位置座標(X,Z)、物体の大きさ(W,D)、及び相対速度(Vx,Vz)とに基づいて、自車両との距離が最も短い先行車両を選択し、その先行車両との距離Z及び相対速度Vzを求める。
【0048】
そして、車間制御部及び警報判定部ブロック55が、この先行車との距離Z、相対速度Vz、クルーズコントロールスイッチ26の設定状態およびブレーキスイッチ9の踏み込み状態、スロットル開度センサ11からの開度および警報感度設定器25による感度設定値に基づいて、警報判定ならば警報するか否かを判定し、クルーズ判定ならば車速制御の内容を決定する。その結果を、警報が必要ならば、警報発生信号を警報音発生器13に出力する。また、クルーズ判定ならば、自動変速機制御器23、ブレーキ駆動器19およびスロットル駆動器21に制御信号を出力して、必要な制御を実施する。そして、これらの制御実行時には、距離表示器15に対して必要な表示信号を出力して、状況をドライバーに告知する。
【0049】
このような車間制御や警報判定に際しては、その前提となる物体認識、さらに詳しく言えば、ここでの認識対象物体である車両の認識が適切に行われていることが重要である。そこで、その車両認識を適切に行なうため、認識・車間制御ECU3の物体認識ブロック43において実行される物体認識に関する処理について説明する。
【0050】
図4は、物体認識に係るメイン処理を示すフローチャートである。まず、図4のステップS10では、レーザレーダセンサ5から1走査ライン分ずつ測距データの読み込みを行なう。なお、レーザレーダセンサ5での3走査ライン全体の測定周期は100msecである。
【0051】
ステップS20では、読み込まれた測距データから、受光強度の弱いデータを削除する。すなわち、測距データには、反射波の受光強度を示すストップパルスPBのパルス幅が含まれており、そのパルス幅を削除基準値と比較することにより、所定値以下のパルス幅しか持たない測距データを削除する。さらに、このステップS20では、ストップパルスPBのパルス幅に基づいて、測距データを受光強度大のグループ、受光強度中のグループ、受光強度小のグループにグループ分けしておく。具体的には、パルス幅の長さと比較される基準値を3種類用意し、最も大きな第1基準値以上のパルス幅を持つ測距データを受光強度大のグループにグループ分けする。そして、パルス幅が、第1の基準値と、その第1の基準値よりも小さな第2の基準値との間に属する測距データを受光強度中のグループにグループ分けし、第2の基準値と第3の基準値(<第2の基準値)との間に属する測距データを受光強度小のグループにグループ分けする。なお、この第3の基準値が、上記した削除基準値に相当し、パルス幅が第3の基準値以下の測距データは削除される。
【0052】
ステップS30では、測距データのプリセグメント化処理を行ない、さらにステップS40ではプリセグメント化された測距データの本セグメント化処理を行なう。このプリセグメント化処理及び本セグメント化処理について、以下、詳細に説明する。なお、プリセグメント化処理が本発明における第1の一体化手段に相当し、本セグメント化処理が第2の一体化手段に相当する。
【0053】
図5は、プリセグメント化処理及び本セグメント化処理の流れ、及びその概要を示す説明図である。まず、プリセグメント化処理及び本セグメント化処理の流れについて説明する。図5に示すように、第1走査ラインの測距データに対して、プリセグメント化処理を行なう。すなわち、所定のプリセグメント化条件(一体化条件)を満たす測距データを集めてプリセグメントを形成する。次に、プリセグメント化された第1走査ラインの測距データに対して本セグメント化処理を行なう。この本セグメント化処理では、プリセグメント化処理によって形成されたプリセグメント同士が、所定の本セグメント化条件(一体化条件)を満たす場合、それらのプリセグメントを接続して本セグメントを形成する。なお、プリセグメント化条件及び本セグメント化条件については後述する。
【0054】
続いて、第2走査ラインの測距データに対して、プリセグメント化処理、本セグメント化処理を行ない、最後に、第3走査ラインの測距データに対して、プリセグメント化処理、本セグメント化処理を行なう。このように、プリセグメント化処理及び本セグメント化処理は、走査ライン毎に順次実行される。
【0055】
次に、図6(a)、(b)に基づいて、プリセグメント化処理、特にプリセグメント化条件に関して詳細に説明する。なお、図6(a)は、XZ直交座標に変換された測距データを示し、図6(b)は、プリセグメント化されたデータを示すものである。
【0056】
図6(a)に示すように、1走査ライン分の測距データがXZ直交座標に変換された場合、各測距データは、車両前方の反射物を点として示すことになる。これらの反射物を点として示す点データが、以下の3つの条件(プリセグメント化条件)を満たす場合に、その点データを一体化してプリセグメントを作成する。▲1▼Z軸方向の距離の差ΔZが所定の距離以下であること。
▲2▼X軸方向の距離の差ΔXが所定の距離以下であること。
▲3▼受光強度に関して、同じグループにグループ分けされていること。
【0057】
上記した▲1▼〜▲3▼の条件の内、▲1▼及び▲2▼の条件は、複数の点データを一体化する上での基礎的な要件となるものである。すなわち、レーザ光が、同一の反射物体、特に同一の先行車両によって反射される場合、その反射光によって得られる測距データは、Z軸方向においては、ほぼ同じ距離を示し、かつX軸方向においては、車幅に相当する距離範囲内に存在することになる。
【0058】
ただし、上記したZ軸方向の距離の差ΔZと比較される所定距離は、反射物までの距離Zが長くなるほど、長くなるように変更される。例えば、反射物までの距離が70mまでの距離範囲においては、その所定処理を1.5mとし、70mを超える距離範囲においては、所定距離を2.0mに設定する。これは、反射物までの距離Zが長くなるほど、その距離の測定精度が低下する傾向にあるためである。
【0059】
また、X軸方向の距離の差ΔXと比較される所定距離も、反射物までの距離Zが長くなるほど、長くなるように変更される。例えば、反射物までの距離が10mまでの範囲では、所定距離を2cm程度とし、その反射物までの距離Zが長くなるにつれて、序々にその所定距離を20cm程度まで増加させる。レーザレーダセンサ5から、複数のレーザ光が、所定の角度範囲に渡って照射される場合、反射物が自車両から近距離に存在する場合には、より多くのレーザ光がその反射物により反射され、かつ、その反射物に到達したときのレーザ光間の間隔は短くなる。そして、反射物までの距離Zが長くなるにつれて、レーザ光間の間隔が長くなる。従って、このようなレーザ光の分解能の観点から、上述したように、反射物との距離Zが長くなるほど、プリセグメント化条件におけるX軸方向の距離条件を緩和するのである。
【0060】
なお、X軸方向の距離は、測距データをXZ直交座標に変換した後に、各点データのX軸方向の距離の差ΔXを、所定距離と比較しても良いが、一体化の判断対象となっている測距データに対応するレーザ光間に存在するレーザ光の本数から、間接的にX軸方向における距離の差ΔXを判定しても良い。すなわち、2つのレーザ光の間に介在するレーザ光の本数が所定本数以下の場合に、X軸方向における距離条件が満足されたと判定する。このようにすると、X軸の距離条件を判定するための演算処理負荷を軽減できるとのメリットがある。
【0061】
そして、このように、2つのレーザ光の間に介在するレーザ光の本数によってX軸方向の距離条件を判定する場合、反射物との距離Zが長くなるほど、一体化判定するための本数を減少させる。これは、反射物までの距離Zが長くなるほど、レーザ光のX軸方向における間隔が長くなるためである。
【0062】
また、本実施形態では、上述した▲1▼、▲2▼の条件に加えて、各測距データの受光強度に関する条件も判断する。すなわち、受光強度の差が小さい測距データを集めてプリセグメントを作成するために、受光強度に関して同じグループ(受光強度大、中、小)にグループ分けされていることをプリセグメント化の一条件とした。
【0063】
車両用物体認識装置における主な認識対象は、自車両の前方の先行車両であり、その先行車両は、その後面に、左右対称に取り付けられたリフレクタを備えている。このリフレクタは、レーザ光に対して車体部分よりも高い反射強度を持っている。従って、そのリフレクタからの反射光は、車体部分からの反射光のように検知が不安定となることがなく、安定的にレーザレーダセンサ5によって受光することができる。
【0064】
そして、受光強度が同じグループにグループ分けされている測距データを集めてプリセグメントを作成することにより、反射強度の弱い部分(例えば車体部分)と反射強度の高い部分(例えばリフレクタ部分)とが区別できる。この結果、プリセグメント同士を一体化して本セグメントを作成する際に、反射光の強度の高いプリセグメントを基準に、本セグメントの距離の算出や形状の算出を行なうことが可能となる。これにより、本セグメントの距離や形状等を正確に把握することができる。
【0065】
さらに、プリセグメント化処理においては、外来光等のノイズの影響を排除するため、以下の2つの条件▲4▼,▲5▼の内、いずれかが成立した場合には、その測距データをプリセグメントとしては扱わないこととした。
【0066】
▲4▼反射物までの距離が所定距離(例えば100m)以下の場合に、測距データが、他の測距データと一体化されない、すなわち、1本のレーザ光のみ単独で反射光が得られた場合。
【0067】
上記の所定距離範囲において、認識対象物体である車両は、複数本のレーザ光が当たる大きさを備えており、1本のレーザ光のみが、上述した▲1▼,▲2▼の条件である所定距離以上離れて独立して存在したり、他の反射光と異なる受光強度となることは通常ありえない。従って、測距データが他の測距データと一体化されない場合、その反射光は、何らかの要因で発生したノイズであるとみなすことができる。このため、ノイズとみなされる測距データは、その測距データ単独でプリセグメントとして扱わないようにする。
【0068】
▲5▼一体化される測距データの数が所定個数(例えば2)以下で、かつその受光強度が受光強度小のグループにグループ分けされている場合。
【0069】
反射光の強度が低く、かつ一体化される測距データの個数が所定個数(零を含む)以下である場合にも、その反射光は、何らかの要因で発生したノイズであるとみなすことができるためである。
【0070】
上述したプリセグメント化条件に従って、図6(a)に示す測距データをプリセグメント化すると、図6(b)に示すように5つのプリセグメントが形成されることになる。そして、各プリセグメントについて、各測距データの位置(X,Z)を平均化して、中心位置(Xc,Zc)を求めるとともに、各測距データの位置(X、Z)の最小値と最大値とに基づいて、横幅W及び奥行きDを求める。
【0071】
次にステップS30において、本セグメント化処理が行なわれ、1走査ラインの測距データから形成されたプリセグメント同士が、本セグメント化条件を満足する場合、それらを一体化して本セグメントとする。なお、他のプリセグメントと一体化されないプリセグメントは、そのまま、本セグメントとなる。
【0072】
この本セグメント化条件は、プリセグメント同士の中心位置(Xc,Zc)の差(ΔXc、ΔZc)が、それぞれ一体化判定距離(ΔX,ΔZ)以下であることである。この一体化判定距離(ΔX、ΔZ)は、プリセグメントまでの距離Zに応じて変更される。例えば、距離Zが35m以下の距離範囲においては、X軸方向の差ΔXが15cm以下、Z軸方向の差ΔZが1.5m以下、距離Zが35mから70mの範囲においては、ΔXが20cm以下、ΔZが1.5m以下、さらに70m以上の範囲においては、ΔXが25cm以下、ΔZが2m以下のように設定される。このように、一体化判定距離(ΔX,ΔZ)が、プリセグメントまでの距離Zに応じて変更される理由は、レーザ光の測定精度や分解能を考慮したためである。
【0073】
これにより、図7に例示するように、プリセグメントPS1,PS2,PS3までの距離Zに応じて、それぞれ、X軸及びZ軸方向に一体化判定距離(ΔX,ΔZ)に応じた領域が設定される。そして、例えばプリセグメントPS1に対して設定される領域内に他のプリセグメントPS2の中心位置(Xc,Zc)が属するときには、プリセグメントPS1とプリセグメントPS2とが一体化されて、本セグメントが形成される。なお、プリセグメントPS3は、その領域から外れているため、プリセグメントPS1,PS2とは一体化されず、単独で本セグメントとなる。
【0074】
ただし、本セグメント化処理においては、本セグメントとして認識される反射物体までの距離や形状を正しく把握するために、複数のプリセグメントを一体化して本セグメントを形成した場合、本セグメントまでの距離の算出や横幅の算出等を以下のように行なう。
【0075】
まず、本セグメントまでの距離Zを算出するためのプリセグメントを、受光強度に基づいて抽出する。具体的には、受光強度が中以上のプリセグメントを抽出する。ただし、受光強度が中以上のプリセグメントが1つしか存在しなくて、かつそのプリセグメントを構成する測距データの数が1つである場合には、受光強度が小のプリセグメントも抽出する。測距データが1つでは、本セグメントの奥行き等を算出することができないためである。また、受光強度が中以上のプリセグメントがない場合にも、受光強度小のプリセグメントを抽出する。
【0076】
このようにして抽出したプリセグメントに基づいて、本セグメントまでの距離Z等を算出する。具体的には、本セグメントまでの距離Zは、抽出プリセグメントの距離Zの平均値として算出される。さらに、抽出プリセグメントの距離Zの中の最小距離Zmin、及び抽出プリセグメントの距離Zの中の最大距離Zmaxを求め、最小距離Zminと最大距離Zmaxとの差から本セグメントの奥行きDを求める。なお、最小距離Zmin及び最大距離Zmaxは、抽出プリセグメントを構成する各測距データの最小値及び最大値から求められる。
【0077】
このように、原則として、受光強度が中以上のプリセグメントを抽出し、その抽出プリセグメントによって、本セグメントまでの距離Z等を求めることにより、その距離の精度を向上することができる。すなわち、高い強度を有する反射光はレーザレーダセンサ5によって安定的に受光可能であり、そのような反射光による受光信号に基づいて算出される反射物体までの距離の精度は非常に高い。このため、受光強度が中以上のプリセグメントのみに基づいて距離Z等を算出することにより、本セグメントまでの距離Z等を高精度に求めることができる。
【0078】
次に本セグメントの横幅Wの算出方法について説明する。本セグメントの横幅Wは、まず、全てのプリセグメントを使用して算出される。すなわち、全てのプリセグメントの中で、最も右端及び左端に位置する測距データの位置から横幅Wを算出する。その算出した横幅Wが、車両として通常有する横幅の最大値W0(例えば誤差を考慮して2.7m)よりも小さい場合には、そのまま、横幅Wとする。
【0079】
しかしながら、その算出した横幅が最大値W0よりも大きい場合であって、受光強度が異なる複数のプリセグメントによって本セグメントが構成される場合、受光強度小のプリセグメントを除いて、本セグメントの横幅を算出する。認識対象である車両が存在すべき領域に車両の幅を大きく超えるような幅を持つ物体が存在する可能性は極めて低い。従って、この場合は、受光強度が小のプリセグメントは、ノイズ等によるものであると推測できるので、そのプリセグメントを除いて横幅Wを算出するのである。
【0080】
ただし、受光強度が小のプリセグメントを除外した結果、その横幅Wが小さくなりすぎる場合(例えば1m未満)は、プリセグメントの除外を行なわない。同様に、横幅Wが最大値W0を超えた場合であっても、プリセグメントの受光強度がすべて同じである場合にも、プリセグメントの削除を行なわない。そして、本セグメントの横幅Wを算出した後、さらに、その横幅Wに基づいて、本セグメントのX軸における中心位置を算出しておく。
【0081】
このようにして、走査ライン毎に、本セグメントが形成されると、次に、ステップS50に示すように物標化処理が行なわれる。この物標化処理では、図8に示すように、各走査ラインにおける本セグメント同士を一体化すべき否かの判定がなされる。そして、一体化すべきと判定された本セグメント同士が接続され、一体の物標モデルとされる。
【0082】
以下、物標化処理に関して、図9の説明図及び図10のフローチャートに基づいて説明する。物標化処理では、まず、ステップS110において、各本セグメントの推定位置を算出する。すなわち、図9に示すように、本セグメントが前回処理時の位置から前回処理時における相対速度で移動したと仮定した場合、その本セグメントが存在するであろう推定位置を算出する。続いて、ステップS120において、推定位置の周囲に、X軸及びZ軸方向それぞれに所定量の幅を有する推定移動範囲を設定する。そして、ステップS130において、推定移動範囲に少なくとも一部が含まれる本セグメントを選択する。なお、この推定移動範囲と対比される本セグメントの位置の算出には、上述した最小距離Zmin,最大距離Zmax,補正された横幅Wの右端位置及び左端位置が使用される
ステップS140では、ステップS130において選択された本セグメントが複数存在する場合、それぞれの本セグメントのX軸及びZ軸方向における相対速度の差(ΔVx,ΔVz)が、それぞれ所定速度差(ΔVx0、ΔVz0)未満か否かを判定する。そして、ステップS150では、ステップS140にて相対速度差(ΔVx,ΔVz)が所定速度差(ΔVx0、ΔVz0)未満と判定された場合には、それら複数の本セグメントが、一体のものであるとみなし、それら複数の本セグメントを一体化して物標モデルを形成する。すなわち、複数の本セグメントに属する測距データのX軸、Z軸方向における最小値及び最大値から、横幅Wm、奥行きDmを求めるとともに、各本セグメントまでの距離を平均化して、物標モデルまでの距離Zmを求める。なお、上記の所定速度差(ΔVx0,ΔVz0)は一定値でも良いし、自車両の走行速度が上昇するにつれて、増加するように変更しても良い。
【0083】
一方、推定移動範囲に含まれる本セグメントが1つであった場合には、その本セグメント単独で物標モデルを構成することになる。
【0084】
そして、前回求めた本セグメントに対応する本セグメントが特定された場合には、次回の推定位置の算出等を行なうため、本セグメントのデータ更新処理を実行する。更新されるデータは、各本セグメントの中心座標(Xc,Zc)、幅W、奥行きD、X軸方向及びZ軸方向の相対速度(Vx,Vz)、中心座標(Xc,Zc)の過去複数回分のデータなどである。なお、いずれの推定範囲にも属さない本セグメントは、新規本セグメントとして登録する。
【0085】
上述したように、本実施形態における物標化処理によれば、走査ライン毎に求められた本セグメント同士が、同一物体か否かを判断する際に、各本セグメントのX軸及びZ軸方向における相対速度の差を用いている。このため、たまたま先行車両等の移動物と看板等の静止物とが接近した場合や、先行車両同士が接近している場合であっても、それらを確実に別個の物体として区別して認識することができる。
【0086】
なお、本発明はこのような実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
【0087】
上記実施形態では、ストップパルスPBのパルス幅を受光強度を示す指標として採用したが、他の指標を用いても良い。例えば、ストップパルスPBのピーク値を検出するピーク値検出回路を設け、このピーク値を受光強度を示す指標とすることができる。また、ストップパルスPBの立ち上がり角度、すなわち、ストップパルスPBの立ち上がり開始から所定の基準電圧まで達する時間を受光強度を示す指標として採用しても良い。
【0088】
上記実施形態では、レーザ光の2次元スキャンを行うために面倒れ角が異なるポリゴンミラー73を用いたが、例えば車幅方向にスキャン可能なガルバノミラーを用い、そのミラー面の倒れ角を変更可能な機構を用いても同様に実現できる。但し、ポリゴンミラー73の場合には、回転駆動だけで2次元スキャンが実現できるという利点がある。
【0089】
上記実施形態では、物体認識ブロック43において、距離及び対応するスキャン角度θxを極座標系からXZ直交座標系に変換していたが、その処理をレーザレーダセンサ5において行っても良い。
【0090】
上記実施形態では、レーザ光を用いたレーザレーダセンサ5を採用したが、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外に方位を測定できる方式であればよい。そして、例えばミリ波でFMCWレーダ又はドップラーレーダなどを用いた場合には、反射波(受信波)から先行車までの距離情報と先行車の相対速度情報が一度に得られるため、レーザ光を用いた場合のように、距離情報に基づいて相対速度を算出するという過程は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車間制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)はレーザレーダセンサの構成を示す構成図であり、(b)はレーザレーダセンサにおける距離検出方法を説明するための説明図であり、(c)は受光強度を示す指標としてのストップパルスのパルス幅について説明する説明図である。
【図3】レーザレーダセンサの照射可能領域を示す斜視図である。
【図4】物体認識に係わる処理を示すフローチャートである。
【図5】プリセグメント化処理と本セグメント化処理の順序を説明するための説明図である。
【図6】(a)は、XZ直交座標に変換された測距データを示し、(b)は、プリセグメント化されたデータを示す説明図である。
【図7】本セグメント化処理の内容を説明するための説明図である。
【図8】物標化処理について説明する説明図である。
【図9】物標化処理における、一体化条件を説明するための説明図である。
【図10】物標化処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…車両制御装置、3…認識・車間制御ECU、5…レーザレーダセンサ、7…車速センサ、9…ブレーキスイッチ、11…スロットル開度センサ、13…警報音発生器、15…距離表示器、17…センサ異常表示器、19…ブレーキ駆動器、21…スロットル駆動器、23…自動変速機制御器、24…警報音量設定器、25…警報感度設定器、26…クルーズコントロールスイッチ、27…ステアリングセンサ、28…ヨーレートセンサ、29…電源スイッチ、30…ワイパスイッチ、43…物体認識ブロック、44…センサ異常検出ブロック、47…車速演算ブロック、49…操舵角演算ブロック、51…ヨーレート演算ブロック、53…先行車判定ブロック、55…車間制御部及び警報判定部ブロック、57…カーブ半径算出ブロック、70…レーザレーダCPU、71…発光レンズ、72…スキャナ、73…ミラー、74…モータ駆動回路、75…半導体レーザダイオード、76…レーザダイオード駆動回路、77…ガラス板、81…受光レンズ、83…受光素子、85…アンプ、87…コンパレータ、89…時間計測回路
Claims (12)
- 車両前方へ所定の角度範囲に渡って複数の送信波を照射し、各送信波が反射物によって反射され、その反射波を受信した際に、その反射波の強度に応じた受信信号を出力するレーダ手段と、
前記レーダ手段による送受信結果に基づいて、車両の前方に存在する物体を認識する認識手段とを備える車両用物体認識装置であって、
前記レーダ手段は、前記送信波の照射から前記反射波の受信までの時間間隔に基づいて、前記送信波の照射方向における前記反射物までの距離を算出する距離算出手段と、
前記受信信号から前記反射波の強度を求める強度算出手段とを備え、
前記認識手段は、前記レーダ手段が複数の反射波を受信した場合に、それら複数の反射波に基づいて前記距離算出手段によって算出される距離の差が所定距離以下であり、かつ、それら複数の反射波は、前記レーダ手段から近接して照射された送信波によって生じたものであり、さらに、それら複数の反射波に関して前記強度算出手段によって算出された強度の差が所定値以下であるとの条件がすべて成立した場合に、それら複数の反射波を生じさせた反射物を一体化して同一の反射物体と認識する第1の一体化手段を有し、
前記第1の一体化手段は、前記距離算出手段が算出する距離が長くなるほど、複数の反射波に基づいて前記距離算出手段によって算出された距離の差に関する条件である所定距離を長くすることを特徴とする車両用物体認識装置。 - 車両前方へ所定の角度範囲に渡って複数の送信波を照射し、各送信波が反射物によって反射され、その反射波を受信した際に、その反射波の強度に応じた受信信号を出力するレーダ手段と、
前記レーダ手段による送受信結果に基づいて、車両の前方に存在する物体を認識する認識手段とを備える車両用物体認識装置であって、
前記レーダ手段は、前記送信波の照射から前記反射波の受信までの時間間隔に基づいて、前記送信波の照射方向における前記反射物までの距離を算出する距離算出手段と、
前記受信信号から前記反射波の強度を求める強度算出手段とを備え、
前記認識手段は、前記レーダ手段が複数の反射波を受信した場合に、それら複数の反射波に基づいて前記距離算出手段によって算出される距離の差が所定距離以下であり、かつ、それら複数の反射波は、前記レーダ手段から近接して照射された送信波によって生じたものであり、さらに、それら複数の反射波に関して前記強度算出手段によって算出された強度の差が所定値以下であるとの条件がすべて成立した場合に、それら複数の反射波を生じさせた反射物を一体化して同一の反射物体と認識する第1の一体化手段を有し、
前記第1の一体化手段は、2つの送信波の間に介在する送信波の個数が所定個数以下の場合に、近接して照射された送信波と判断するものであり、前記距離算出手段が算出する距離が長くなるほど、その個数を減少させることを特徴とする車両用物体認識装置。 - 前記強度算出手段は、前記反射波の強度に応じて、前記反射波を複数のグループに分け、
前記第1の一体化手段は、前記強度算出手段によって複数の反射波が同じグループに分けられている場合に、強度の差が所定値以下であると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用物体認識装置。 - 前記認識手段は、前記距離算出手段によって算出される距離が所定の距離以下である場合に、他の反射物と一体化されない反射物を、認識対象から除外することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用物体認識装置。
- 前記認識手段は、前記強度算出手段によって算出される反射波の強度が所定レベル以下であり、かつ一体化される反射物の個数が所定個数以下である場合、その反射物を認識対象から除外することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用物体認識装置。
- 前記レーダ手段は、前記車両の車幅方向に沿って、複数の送信波を照射するものであり、前記認識手段は、前記第1の一体化手段によって一体化された反射物体が複数ある場合に、それら複数の反射物体間の車幅方向の距離及び前記送信波の照射方向における距離が、所定の一体化判定距離以下である場合に、それら複数の反射物体を一体化して同一の一体化反射物体と認識する第2の一体化手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用物体認識装置。
- 前記第2の一体化手段は、前記送信波の照射方向における前記反射物体までの距離が長くなるほど、前記一体化判定距離を長く設定することを特徴とする請求項6に記載の車両用物体認識装置。
- 前記認識手段は、前記第2の一体化手段によって一体化された一体化反射物体までの距離、及びこの一体化反射物体の幅を求める距離・形状算出手段を備え、
前記距離・形状算出手段は、前記第1の一体化手段が前記反射波の強度が所定レベル以上である反射物を一体化した反射物体までの距離に基づいて、前記第2の一体化手段による一体化反射物体までの距離を求めることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用物体認識装置。 - 前記距離・形状算出手段は、前記第2の一体化手段が複数の反射物体を一体化した一体化反射物体を求めた場合に、それら複数の反射物体の反射波の強度が異なっており、かつ、前記一体化反射物体の幅が所定の長さを超えた場合に、最も反射波の強度が弱い反射物体を除いて、当該一体化反射物体の幅を求めることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の車両用物体認識装置。
- 前記レーダ手段は、前記車両の車幅方向における所定の角度範囲に渡る送信波の照射を、前記車両の車高方向における照射角度を変えて複数回実行するものであり、
前記車両の車幅方向における送信波の照射ライン毎に、前記第1の一体化手段及び前記第2の一体化手段が、それぞれ反射物の一体化、さらに反射物体の一体化を行なって一体化反射物体を求めるものであり、
前記認識手段は、照射ライン毎に求められた一体化反射物体が近接した位置に存在し、かつそれぞれの移動速度の差が所定速度差以下との条件が満足された場合に、それらの一体化反射物体をさらに一体化して物標として認識する物標化手段を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の車両用物体認識装置。 - 前記一体化反射物体の移動速度は、自車両との車幅方向における相対速度及び前記送信波の照射方向における相対速度として算出され、前記物標化手段は、複数の一体化反射物体の両相対速度がともに所定速度差以下である場合に、それら複数の一体化反射物体を一体化した物標とすることを特徴とする請求項10に記載の車両用物体認識装置。
- 前記物標化手段は、前記距離・形状算出手段が算出した一体化反射物体までの距離及び一体化反射物体の幅と、この一体化反射物体の相対速度から、前記レーダ手段の検知時間間隔毎に当該一体化反射物体の存在する推定領域を算出し、その推定領域内に他の一体化反射物体が属する場合に、それらの一体化反射物体が近接した位置に存在すると判断することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の車両用物体認識装置。
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