JP3736051B2 - イオン整水器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水等の原水を電気分解してアルカリイオン水および酸性イオン水を製造するイオン整水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン整水器は水道水等の原水を電気分解してイオン水を得るもので、飲用、医療用等としてはアルカリイオン水が、化粧水、殺菌洗浄水等としては酸性イオン水がそれぞれ用いられている。
【0003】
ここで、近年においては、連続電解方式のイオン整水器が普及している。このイオン整水器は、電解槽内で水道水等を電気分解して、陽極側に酸性イオン水を生成し、陰極側にアルカリイオン水を生成するものである。
【0004】
以下、従来の連続電解方式のイオン整水器について説明する。
従来のイオン整水器は、整水器内に流入する原水の流量を検出する流量センサ、この原水を電気分解するために電解槽に印加する電圧(以下、「電解電圧」という。)を出力する電解電圧印加手段、生成されたアルカリイオン水または酸性イオン水(以下、「イオン水」という。)や原水のpH値を検出するpHセンサ、電解槽に流れる電流(以下、「電解電流」という。)を検出する電解電流センサ、流量センサの検出流量から流量レベルを判断して電解電圧印加手段に出力する電解電圧を決定するとともにタイマーやデータの演算等を行う制御手段、生成したいイオン水のpH値をスイッチ等で設定するpH設定手段、電解電圧等のデータを記憶する記憶手段、不具合をLEDやブザーで知らせる警報手段から構成されている。
【0005】
そして、このような整水器に原水を流し込み、流量センサで検出された流量が記憶手段の任意の流量以上の場合(以下、「通水」という。)、設定pH値の通水した流量レベルに対応する電解電圧を記憶手段に予め記憶された任意の初期データから判断し、その電解電圧を印加する。この後、設定pH値とpH値を一定の速度で比較し、pH値が設定pH値のたとえば±0.1になるまで印加する電解電圧を一定の速度で増減する。そして、pH値が安定したときの電解電圧を設定pH値の当該流量レベルに対応する電解電圧として記憶手段に記憶する。
【0006】
同様に、設定pH値が切り換えられた場合や流量レベルが変化した場合には、変化した設定pH値や変化した流量レベルに対応した任意の初期データである電解電圧を記憶手段から判断して、その電解電圧を印加する。そして、生成されたイオン水のpH値が設定pH値の±0.1で安定したらそのときの電解電圧を記憶手段に記憶する。
【0007】
生成開始後は、記憶手段に記憶されている最大電解電流値と電解センサで検出された電解電流値とを比較し、検出電流値のほうが大きい場合には、過電流と判断して電解電圧出力を停止するとともに警報手段で作業者に知らせるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、電解電圧を一定の速度で増減しつつ生成されたイオン水のpH値を設定pH値の所定範囲内で安定させるようにしているため、pH値を安定させるまでに時間を費やしてしまう。
【0009】
また、最初に通水した流量レベル以外の流量レベルでイオン水を生成する場合、新しい流量レベルでの通水開始時は記憶手段に記憶された任意の電解電圧が印加されるために、水質の違いで生成されたイオン水のpH値を設定pH値の所定範囲内で安定させるまでに時間を費やしてしまう。
【0010】
さらに、動作が止水から通水に移行した場合や通水状態で設定pH値を小さい値から大きい値に切り換えられた場合には、変更されたpH値の流量レベルに対応した電解電圧を印加するようにしているが、これでは生成されるイオン水のpH値が設定pH値の所定範囲内に近づくまでに時間を費やしてしまう。
【0011】
そして、イオン水の生成中に過電流が流れた場合には、制御手段に過負荷がかかって整水器の動作が不安定になる。
【0012】
そこで、本発明は、イオン水における設定pH値の所定範囲内までの到達時間を短縮することのできるイオン整水器を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、流量レベルが変化した場合において、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の所定範囲内で安定化させることのできるイオン整水器を提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、動作が止水から通水に移行した場合や設定pH値が大きい値に切り換えられた場合において、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の所定範囲内で安定化させることのできるイオン整水器を提供することを目的とする。
【0015】
そして、本発明は、制御手段に過電流による過負荷がかかることのないイオン整水器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のイオン整水器は、整水器内に流入する原水の流量を検出する流量センサと、原水を電気分解する一対の電極板に印加する電圧を出力する電解電圧印加手段と、生成されたイオン水または原水のpH値を検出するpHセンサと、電極板が設置された電解槽に流れる電流を検出する電解電流センサと、生成したいイオン水のpH値を設定するpH設定手段と、電極板に印加される電解電圧の増減とpH値の検出速度をpHセンサにより検出されたイオン水のpH値のレベルに応じて変化させてこのイオン水のpH値を設定pHの所定範囲内にする制御手段とを有するものである。これにより、イオン水における設定pH値の所定範囲内までの到達時間を短縮することができる。
【0017】
このイオン整水器において、制御手段により、最初に生成されたイオン水のpH値が設定pHの所定範囲内となったときの流量レベルと電解電圧から他の流量レベルにおける電解電圧を算出し、この電解電圧を電極板に印加するようにすることができる。これにより、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の所定範囲内で安定化させることができる。
【0018】
また、このイオン整水器において、制御手段により、止水から通水に移行した場合および通水中に小さいpH値から大きいpH値に設定が切り換えられた場合において、イオン水の生成開始から所定時間経過後より最大電解電圧を一定時間印加し、その後、設定された電解電圧を印加するようにすることができる。これにより、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の範囲内で安定化させることができる。
【0019】
さらに、このイオン整水器において、制御手段により、イオン水の生成開始から一定時間小さい電解電圧を印加して電解槽内の電解電流を検出するようにすることができる。これにより、過剰な電解電流が流れることが未然に防止され、過電流により制御手段に過負荷がかからない。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、整水器内に流入する原水の流量を検出する流量センサと、原水を電気分解する一対の電極板に印加する電圧を出力する電解電圧印加手段と、生成されたイオン水または原水のpH値を検出するpHセンサと、電極板が設置された電解槽に流れる電流を検出する電解電流センサと、生成したいイオン水のpH値を設定するpH設定手段と、電極板に印加される電解電圧の増減とpH値の検出速度をpHセンサにより検出されたイオン水のpH値のレベルに応じて変化させてこのイオン水のpH値を設定pHの所定範囲内にする制御手段とを有するイオン整水器であり、イオン水における設定pH値の所定範囲内までの到達時間を短縮することができるという作用を有する。
【0021】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御手段により、最初に生成されたイオン水のpH値が設定pHの所定範囲内となったときの流量レベルと電解電圧から他の流量レベルにおける電解電圧を算出し、この電解電圧を電極板に印加することとしたイオン整水器であり、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の所定範囲内で安定化させることができるという作用を有する。
【0022】
さらに、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、制御手段により、止水から通水に移行した場合および通水中に小さいpH値から大きいpH値に設定が切り換えられた場合において、イオン水の生成開始から所定時間経過後より最大電解電圧を一定時間印加し、その後、設定された電解電圧を印加することとしたイオン整水器であり、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の範囲内で安定化させることができるという作用を有する。
【0023】
そして、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明において、制御手段により、イオン水の生成開始から一定時間小さい電解電圧を印加して電解槽内の電解電流を検出することとしたイオン整水器であり、過剰な電解電流が流れることが未然に防止されて過電流により制御手段に過負荷がかからないという作用を有する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0025】
図1は本発明の一実施の形態であるイオン整水器の構成を示す概略図、図2は図1のイオン整水器における制御系を示すブロック図、図3は図1のイオン整水器において原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャート、図4は図1のイオン整水器において流量レベルが変化した場合における原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャート、図5は図1のイオン整水器において設定pH値が大きい値に切り換えられた場合における原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャートである。
【0026】
図1において、アルカリイオン水や酸性イオン水が生成されるイオン整水器3には水道水等の原水を導入するための原水管1が接続されている。原水管1には水栓2が取り付けられており、この水栓2を操作することによって原水管1の管路が開放または遮断される。
【0027】
イオン整水器3には、原水中の残留塩素を吸収する活性炭および一般細菌や不純物を取り除く中空糸膜等を備えた浄水部4が原水管1に接続されて設けられている。この浄水部4には通水された水を電気分解する電解槽7が接続されており、浄水部4と電解槽7との間には、配管内の原水の流量を測定する流量センサ5、グリセロリン酸カルシウムや乳酸カルシウム等のカルシウムイオンを原水中に付与して導電率を高めるカルシウム供給部6が順次設置されている。
【0028】
電解槽7には内部を2つの電解室7a、7bに区画する隔膜8が設けられ、各電解室7a、7bには電極板9、10が配設されている。それぞれの電解室7a、7bには吐出管12、18が取り付けられており、電極板9の配設された電解室7a内の水および電極板10の配設された電解室7bの水は各吐出管12、18を通して外部に排出される。
【0029】
カルシウム供給部6と電解槽7との間から吐出管18に連通してバイパス配管23が設けられている。バイパス配管23には、イオン水生成時には閉位置とされる電磁弁11が設置されている。そして、この電磁弁11を開くことにより、電解槽7内の洗浄に用いられた水がバイパス配管23から吐出管18を通って排出される。
【0030】
吐出管12と吐出管18とを連通するようにしてセンサ用配管24が設けられており、このセンサ用配管24には、原水や生成された水のpH値を検出するpHセンサ13が取り付けられている。
【0031】
このような配管構造を有するイオン整水器3には、このイオン整水器3の動作を制御するMPUなどの制御手段14が設けられている。
【0032】
図2において詳しく示すように、制御手段14には前述した流量センサ5、電磁弁11、pHセンサ13が電気的に接続されており、導入された水の流量データが流量センサ5から制御手段14へ送られ、バイパス配管23の開閉が制御手段14によりコントロールされ、そして電解槽7を経た水のpH値のデータがpHセンサ13から制御手段14へ送られるようになっている。
【0033】
また、この制御手段14には、電極板9、10に電解電圧を印加するFET等の電解電圧印加手段21、この電解電圧印加手段21で印加される電解電圧によって電解槽7に流れる電解電流を検出する電解電流センサ22、イオン整水器3により生成したいpH値を設定するpH設定手段19およびイオン整水器3における過電流等の異常を表示やブザー等で知らせる警報手段20が電気的に接続されている。したがって、制御手段14では、pH設定手段19から送られたpH値と電解電流センサ22から送られた電解電流値とにより電極板9、10に印加する電解電圧値を判断し、タイマー、およびデータの演算等を行う。
【0034】
さらに、制御手段14には記憶手段17が電気的に接続されている。記憶手段17は、プログラムとデータの初期値(定数)等を記憶するROMと動作するために必要なデータ(可変数)等を記憶するRAM、電源が切られても保持データを記憶しているEEPROMなどから構成されており、イオン整水器3の動作情報等はこの記憶手段17に記憶される。
【0035】
なお、このような制御手段14は、電源投入用プラグ15から取り入れられて電源部16において交流電流から変換された直流電流により動作される。
【0036】
次に、以上のように構成された本実施の形態におけるイオン整水器3について、イオン水を生成する動作を説明する。
【0037】
先ず、利用者は生成したいアルカリイオン水または酸性イオン水のpH値をpH設定手段19で入力し、水栓2を開く。これにより原水管1から通水された原水は、浄水部4で原水中の残留塩素や不純物が取り除かれ、流量センサ5で通水量が検出され、カルシウム供給部6でグリセロリン酸カルシウム等が溶解されて電解容易な水に処理された後、電解槽7に案内される。
【0038】
一方、電源投入用プラグ15からはたとえばAC100Vの電圧が供給され、電源部16で制御用の直流電圧に変換される。そして、電解室7a、7b内に設けられた電極板9、10に相互に極性の異なる電圧であるプラス電圧、マイナス電圧が印加される。これにより、陽極室、陰極室が形成され、陰極室側にアルカリイオン水が、陽極室側に酸性イオン水が生成される。
【0039】
流量センサ5に検出された流量レベルが所定値以上となったとき、制御手段14により通水と判断される。このときpH設定手段19で電解条件が設定されているので、制御手段14は電解槽7により電気分解を行うための電解電圧を電解電圧印加手段21を介して電極板9、10に印加する。その結果、設定されたpH値レベルの生成水が吐水管12から吐水される。
【0040】
なお、イオン整水器3が止水状態になったとき、あるいは所定の洗浄条件を満たしたとき、電極板9、10に印加する電圧の極性を反転して電極板9、10を洗浄する。洗浄終了後は、制御手段14により電磁弁11を開き、バイパス配管23、排水管18より洗浄水が排出される。
【0041】
ここで、本実施の形態におけるイオン整水器3において原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成するプロセスを図3を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、設定pH値の±0.1範囲内のイオン水を生成する場合について説明するが、設定pH値に対する範囲は自由に規定することができる。また、流量レベルは4段階とされているが、これも自由に設定することができる。
【0042】
図3において、流量センサ5で検出されて制御手段14に入力された流量が記憶手段17に記憶された流量値以上でない場合(以下、「止水」という。)には、電解電圧出力が停止される(ステップ1)。
【0043】
一方、流量センサ5による流量が記憶手段17に記憶された流量値以上である場合(以下、「通水」という。)には、pH設定手段19で設定されたモードが浄水モードかどうかが判断され(ステップ2)、浄水モードであれば電解電圧出力が停止される。また、アルカリあるいは酸性モードであれば、通水開始から20〜40秒経過したかどうか、つまりpH値の制御を許可してもよいかが判断される(ステップ3)。そして、禁止であればステップ1に戻り、許可であれば生成イオン水のpH値がpHセンサ13から制御手段14に入力される(ステップ4)。その後、pH値制御速度の初期設定が終了したかどうかが判断される(ステップ5)。
【0044】
初期設定が終了していれば電解電圧が印加される(ステップ6)。未設定であれば制御速度(0.5〜2秒程度)の初期設定が行われ、記憶手段17に記憶された任意に設定された初期データの電解電圧が印加される(ステップ7)。
【0045】
ステップ6の後、設定されたpH制御速度をカウントして、カウントオーバーでなければステップ1に戻る(ステップ8)。また、カウントオーバーしていれば、ステップ4で制御手段14に入力されたイオン水のpH値が設定pH値の±0.1の範囲内であるかが判断され(ステップ9)、範囲内であれば制御速度4(2〜8秒程度)が設定される。範囲外であればイオン水のpH値が設定pH値の±0.2の範囲内であるかが判断され(ステップ10)、範囲内であれば制御速度3(2〜8秒程度)が設定される。範囲外であればイオン水のpH値が設定pH値の±0.3の範囲内であるかが判断され(ステップ11)、範囲内であれば制御速度2(2〜8秒程度)が設定される。さらに、範囲外であれば(ステップ12)、制御速度1(0.5〜2秒程度)が設定される。
【0046】
そして、イオン水のpH値が設定pH値の±0.1の範囲内であれば、その時の電解電圧が設定pH値と流量レベルに対応した電解電圧として記憶手段17に記憶され(ステップ13)、範囲外であれば、範囲内になるように電解電圧が増減され(ステップ14)、ステップ1に戻される。
【0047】
このように、本実施の形態によるイオン整水器によれば、電極板9、10に印加される電解電圧の増減とpH値の検出速度をpHセンサ13により検出されたイオン水のpH値のレベルに応じて変化させてこのイオン水のpH値を設定pHの±0.1範囲内にすることとしているので、イオン水における設定pH値の±0.1の範囲内までの到達時間を短縮することができる。
【0048】
ここで、原水の流量レベルが変化した場合におけるイオン水のpH値制御について説明する。
【0049】
図4において、イオン整水器3に最初に通水し、あるpH値における任意の流量レベルで、前述したようなステップ1〜14によって電解電圧の初期設定がされる。そして、この初期設定が終了したかどうかが判断され(ステップ15)、終了していなければ初期設定が行われる。また、終了していれば、初期設定の流量レベルに対応した電解電圧以外の電解電圧が各設定pH値において演算されて記憶手段17に記憶される(ステップ16)。
【0050】
ここで、演算方法としては、初期設定で設定された電解電圧と予め記憶手段17に記憶された設定pH値の流量レベルに対応する電解電圧データとの差を求め、その差の最大値、最小値の範囲内で増減算して他の流量レベルにおける電解電圧を求める。
【0051】
各設定pH値において、2回目以降の通水は、ステップ1〜14で設定された電解電圧について、記憶手段17で前回記憶されたデータを更新して記憶する。
【0052】
このように、本実施の形態によるイオン整水器によれば、最初に通水されて生成されたイオン水のpH値が設定pHの±0.1範囲内となったときの流量レベルと電解電圧から他の流量レベルにおける電解電圧を算出し、この電解電圧を印加することとしているので、流量レベルが変化した場合には、演算で得られた電解電圧値を印加することにより、水質に関係なく、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の±0.1の範囲内で安定化させることができる。
【0053】
次に、動作が止水から通水に移行した場合、設定pH値が大きい値に切り換えられた場合におけるイオン水のpH値制御について説明する。
【0054】
イオン整水器に原水を通水した後、図5において、アルカリまたは酸性モードにおいて生成開始からm秒(1〜2秒程度)経過したかどうかが判断される(ステップ17)。そして、経過していなければ、ステップ18において、有する能力の10〜15%程度の電解電圧(以下、「電解電圧X%」という。)が印加される。また、経過していれば生成開始n秒(3〜5秒程度)経過したかどうかが判断される(ステップ22)。そして、経過していれば設定されたpH値と流量レベルに対応した電解電圧が印加される(ステップ23)。また、経過していなければ止水から通水、または通水中にpH設定値が小さい値から大きい値に切り換えられたかどうかが判断される(ステップ24)。切り換えられていれば、100%の電解電圧が印加され(ステップ25)、そうでなければステップ23に移行される。
【0055】
一方、ステップ18で電解電圧X%を印加するとき、電解槽7内の電解電流値が電解電流センサ22から制御手段14に入力される(ステップ19)。そして、入力された電解電流値と記憶手段17で記憶された最大電解電流値とが比較される(ステップ20)。その結果、入力された電解電流値が最大電解電流値より大きい場合には、過電流と判断され電解電圧の印加が停止されるとともに警報手段20により作業者に警報が発出される(ステップ21)。また、小さい場合には、そのまま電解電圧X%が印加される。
【0056】
このように、本実施の形態によるイオン整水器によれば、止水から通水に移行した場合や通水中に小さいpH値から大きいpH値に設定が切り換えられた場合、イオン水の生成開始から所定時間経過後より最大電解電圧を一定時間印加し、その後、設定された電解電圧を印加するようにしているので、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の範囲内で安定化させることができる。
【0057】
また、設定pH値において、イオン水の生成開始から一定時間小さい電解電圧を印加して電解槽内の電解電流を検出するようにしているので、過剰な電解電流が流れることが未然に防止され、過電流により制御手段14に過負荷がかかることはない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電極板に印加される電解電圧の増減とpH値の検出速度をpHセンサにより検出されたイオン水のpH値のレベルに応じて変化させてこのイオン水のpH値を設定pHの所定範囲内にすることとしているので、イオン水における設定pH値の所定範囲内までの到達時間を短縮することができるという有効な効果が得られる。
【0059】
また、本発明によれば、最初に通水されて生成されたイオン水のpH値が設定pHの所定範囲内となったときの流量レベルと電解電圧から他の流量レベルにおける電解電圧を算出し、この電解電圧を印加することとしているので、流量レベルが変化した場合に当該電解電圧値を印加することにより、水質に関係なく、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の所定の範囲内で安定化させることができるという有効な効果が得られる。
【0060】
さらに、本発明によれば、止水から通水に移行した場合や通水中に小さいpH値から大きいpH値に設定が切り換えられた場合、イオン水の生成開始から所定時間経過後より最大電解電圧を一定時間印加し、その後、設定された電解電圧を印加するようにしているので、イオン水のpH値を短時間のうちに設定pH値の範囲内で安定化させることができるという有効な効果が得られる。
【0061】
そして、本発明によれば、設定pH値において、イオン水の生成開始から一定時間小さい電解電圧を印加して電解槽内の電解電流を検出するようにしているので、過剰な電解電流が流れることが未然に防止され、過電流により制御手段に過負荷がかからないという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるイオン整水器の構成を示す概略図
【図2】図1のイオン整水器における制御系を示すブロック図
【図3】図1のイオン整水器において原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャート
【図4】図1のイオン整水器において流量レベルが変化した場合における原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャート
【図5】図1のイオン整水器において設定pH値が大きい値に切り換えられた場合における原水から設定pH値の所定範囲内のイオン水を生成する手順を示すフローチャート
【符号の説明】
5 流量センサ
7 電解槽
9,10 電極板
13 pHセンサ
14 制御手段
19 pH設定手段
21 電解電圧印加手段
22 電解電流センサ
Claims (4)
- 整水器内に流入する原水の流量を検出する流量センサと、
前記原水を電気分解する一対の電極板に印加する電圧を出力する電解電圧印加手段と、
生成されたイオン水または原水のpH値を検出するpHセンサと、
前記電極板が設置された電解槽に流れる電流を検出する電解電流センサと、
生成したいイオン水のpH値を設定するpH設定手段と、
前記電極板に印加される電解電圧の増減とpH値の検出速度を前記pHセンサにより検出された前記イオン水のpH値のレベルに応じて変化させてこのイオン水のpH値を設定pHの所定範囲内にする制御手段とを有することを特徴とするイオン整水器。 - 前記制御手段は、最初に生成された前記イオン水のpH値が設定pHの所定範囲内となったときの流量レベルと電解電圧から他の流量レベルにおける電解電圧を算出し、この電解電圧を前記電極板に印加することを特徴とする請求項1記載のイオン整水器。
- 前記制御手段は、止水から通水に移行した場合および通水中に小さいpH値から大きいpH値に設定が切り換えられた場合において、前記イオン水の生成開始から所定時間経過後より最大電解電圧を一定時間印加し、その後、設定された電解電圧を印加することを特徴とする請求項1または2記載のイオン整水器。
- 前記制御手段は、前記イオン水の生成開始から一定時間小さい電解電圧を印加して前記電解槽内の電解電流を検出することを特徴とする請求項1、2または3記載のイオン整水器。
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