JP3735159B2 - 新規な農薬 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な1−アリール−5−(置換アルキル(チオ)アミド)ピラゾール及びその製造方法に関する。本発明は更に、節足動物、線形動物、蠕形動物または原生動物などの有害生物を防除するための、上記化合物を含有する組成物、及び上記化合物の使用方法に関する。本発明は特に、摂取もしくは接触作用によって節足動物(特に昆虫)を防除するための、上記化合物または組成物の農薬としての使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の1−(置換フェニルまたはピリジル)−5−(置換アルキル(チオアミド)ピラゾール化合物が、除草剤、植物成長調節剤、殺虫剤及び殺線虫剤のような複数の異なる種類の農薬活性を示すことは公知である。従って、1−アリールピラゾールクラスの種々の化合物が極めて多様な生物活性を有し得ることは明らかである。
【0003】
欧州特許出願第295,117号、第234,119号、第295,118号及び第350,311号は、節足動物、線形動物、蠕形動物または原生動物などの有害生物を防除するための1−フェニル−5−(置換アミノ)ピラゾール化合物を開示している。本発明の化合物はこれらの先行技術に開示または示唆されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明は、
式(I):
【0005】
【化2】
【0006】
〔式中、
R1は、シアノ、ニトロ、ハロゲン、ホルミル及びアルキルカルボニルから成るグループから選択され、
R2は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ニトロ、チオシアナト、未置換またはモノ−もしくはジアルキル置換スルファモイル、未置換またはモノ−もしくはジアルキル置換アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、あるいは、未置換または置換R11S(O)n{但し、nは0、1または2でR11はアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはハロシクロアルキルアルキルである}から成るグループから選択され、
R3は、水素、アルキル、アルコキシアルキル、プロパルギル、アリルアルコキシカルボニル、ベンジル、アルキルカルボニル及び−C(O)C(R4)(R5)(R6)から成るグループから選択され、
R4は、水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、並びに、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ及びハロアルキルから選択された1〜5個の基で置換されるかまたは未置換のフェニルから成るグループから選択され、
R5は、水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、ハロアルコキシアルキル、アルキルS(O)zアルキル(z=0、1、2)、アルコキシ(アルコキシ)aアルキル(a=0〜4)、OH、アルキルOC(O)アルキル、及び、アルコキシから成るグループから選択され、
またはR4とR5とが一緒に、0〜2個のヘテロ原子(例えば、O、S、S(O)、S(O)2、NH、N−アルキル、N−C(O)アルキル、N−C(O)−ハロアルキル)を有する3〜7員の環系を形成しており、
R6は、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルコキシ(アルコキシ)b{但し、bは1〜4}またはハロアルコキシ(アルコキシ)b{但しbは1〜4}またはヒドロキシから成るグループから選択され、
R7は、水素、ハロゲン、または直鎖状もしくは分枝状C1−C8アルキル及びアルコキシから成るグループから選択され、
R8及びR10は互いに独立して水素またはフッ素を示し、
Yは、O及びSから成るグループから選択され、
R9は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルキル−S(O)nまたはハロアルキル−S(O)nから成るグループから選択され、
Xは、窒素原子(N)またはC−R12を示し、ここにR12は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、アルキルチオまたはアルコキシを示す〕で示される1−アリールピラゾール誘導体または農薬として許容されるその塩を提供する。
【0007】
以上または以下の記載中、「アルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」、「ハロアルコキシ」及び「アルキルチオ」なる用語は、直鎖状または分枝状の低級アルキル炭素鎖を意味しており、特に注釈がない限り、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む。「シクロアルキル」なる用語は、任意に1つ以上のヘテロ原子で遮断された3〜7原子の炭素環構造を意味する。「シクロアルキルアルキル」なる用語は、1〜4個の炭素原子から成る炭素鎖によってピラゾール環に結合されたシクロアルキルを意味する。「ハロアルキル」のようにアルキルの前に付けた接頭辞「ハロ」は、このアルキル基が、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素から成るグループから選択された1つ以上の原子を含むことを意味する。「農薬として許容される塩」という用語は、そのアニオンが公知であり、農業用または園芸用の塩の形成に当業界で許容される塩を意味する。塩は好ましくは水溶性である。酸性の式(I)の化合物、即ち、1つ以上のアミド基を含む化合物と塩基とによって形成される適当な塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)塩、アンモニウム及びアミン(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、オクチルアミン、ジオクチルメチルアミン及びモルフォリン)塩がある。本明細書が一般式(I)の化合物に言及する場合、文脈次第では言及された化合物が塩も包含することが理解されよう。いくつかの場合には、置換基R1〜R12が光学異性及び/または立体異性を生じさせる。このような異性体もすべて本発明に包含される。
【0008】
好ましい式(I)の化合物は、
R1は、シアノまたはハロゲンを示す、
R2は、R11S(O)nを示し、ここにnは0、1または2でR11はアルキルまたはハロアルキルである、
R3は、水素またはアルキルを示す、
R4は、水素、アルキル、並びに、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロまたはハロアルキルから選択された1〜5個の基で置換されるかまたは未置換のフェニルから成るグループから選択される、
R5は、水素またはアルキルを示す、
またはR4とR5とが一緒に3〜7員の環を形成している、
R6は、アルコキシ、ハロアルコキシまたはアルコキシ(アルコキシ)b{但し、bは1〜4}またはハロアルコキシ(アルコキシ)b{但し、bは1〜4}から成るグループから選択される、
R7は、水素、ハロゲンまたはアルキルから成るグループから選択される、
R9は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルまたはハロアルコキシから成るグループから選択される、
YはOである、
Xは、窒素原子またはC−R12を示し、ここにR12は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルキルチオまたはアルコキシから成るグループから選択される、から成る特徴を1つまたはそれ以上有する化合物である。
【0009】
特に好ましい式(I)の化合物は、
R1は、シアノを示し、
R2は、R11S(O)nを示し、ここにnは0、1または2でR11はアルキルまたはハロアルキルであり、
R4は、水素またはアルキルを示し、
R5は、水素またはアルキルを示し、
またはR4とR5とが一緒に3〜7員の環を形成し、
R6は、アルコキシ(アルコキシ)b{但し、bは1〜4}を示し、
R7は、水素、ハロゲンまたはアルキルから成るグループから選択され、
R9は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルまたはハロアルコキシから成るグループから選択され、
Xは、窒素原子またはC−R12を示し、ここにR12は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルキルチオまたはアルコキシから成るグループから選択される、ことを特徴とする化合物である。
【0010】
本発明の1つの目的は、新規な農薬を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、公知及び/または入手容易な大抵は廉価な中間体及び出発物質から容易に調製される比較的簡単な化学式の農薬を提供することである。
【0012】
本発明の第三の目的は、節足動物特に昆虫、植物線虫類、蠕形動物または原生動物などの有害生物を防除するために、特に農業用または園芸用作物、林業、獣医薬または畜産業または公衆衛生に使用される農薬組成物及びその使用方法を提供することである。
【0013】
本発明の第四の目的は、広いスペクトルの農薬活性を有する極めて活性の化合物、及び、アブラムシ駆除、ダニ駆除、茎葉昆虫駆除、土壌昆虫駆除及び線虫駆除、浸透作用、摂食阻害作用などの選択的特殊活性、または種子処理による農薬活性を有する化合物を提供することである。
【0014】
本発明の第五の目的は、特に接触作用によって、特に昆虫、より特定的には幼虫期の昆虫に対して実質的に強化された即効的な活性を有する化合物を提供することである。
【0015】
本発明の第六の目的は、局所的に施用されたときに有害生物種に対して改善された浸透性(より高度且つより迅速な浸透)を有する化合物を提供することであり、従って、有害生物体内の(1つまたは複数の)農薬作用部位に対する化合物の移動を改善することである。
【0016】
本発明の別の目的は、溶解度、融点、安定度、電子的及び立体的パラメーターのような化学的、物理的及び生物学的特性などを最適化することによって得ることができ使用者及び環境への安全性が改良された極めて活性の化合物を提供することである。
【0017】
本発明の上記及びその他の目的は、本発明の詳細な記載から容易に明らかであり、本発明によって完全または部分的に達成されるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
式(I)の化合物は、公知の方法の使用または応用によって調製され得る(即ち、これまでに使用されるかまたは化学文献に記載され化学合成の当業者に公知の方法。当業者はChemical Abstractsの処理知識を有しているものとする)。
【0019】
化学的にアミドとして記述される式(I)の化合物は、例えば式(II)のアミノピラゾールと式(III)の酸ハロゲン化物とから以下の反応によって調製される:
【0020】
【化3】
【0021】
式(III)のハロゲン化物または対応する酸もまた、普遍的に知られた有機化学の化合物であり、通常は、市販されているかまたはかかる市販化合物から化学合成の当業者に公知の方法によって調製され得る。
【0022】
反応は好ましくは、適当な反応助剤の存在下に行う。適当な助剤は、有機または無機の塩基、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ピリジンまたは炭酸カリウムである。結合反応のために比較的広い範囲の反応温度を使用し得る。一般には、約20℃〜約150℃の範囲、好ましくは約40℃〜約90℃の範囲の反応温度を用いる。1.0〜5.0モル当量、好ましくは1.0〜1.5モル当量の式(III)の酸ハロゲン化物、及び、1.0〜5.0モル当量、好ましくは1.0〜1.5モル当量の反応助剤を一般に使用する。プロセスを行うための適当な希釈剤は、典型的には非プロトン性の不活性有機溶媒であり、その例としては、脂肪族、脂環式もしくは芳香族または任意にハロゲン化された炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、酢酸エチル、t−ブチルメチルエーテル、メチレンクロリド、クロロホルム及びシクロヘキサンがある。化学合成の当業者に公知の方法で反応を実施し、反応生成物を単離及び精製する。
【0023】
式中のYがイオウを示す式(I)の化合物は、式中のYが酸素を示す式(I)の対応する化合物を、〔2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィット〕のようなLawessonの試薬または燐ペンタスルフィットで処理することによって調製できる。
【0024】
式中のR3がアルキル、アルコキシアルキル、プロパルギル、アリル、アルコキシカルボニル、ベンジル、アルキルカルボニルまたは−C(O)C(R4)(R5)(R6)を示す一般式(I)の化合物は、式中のR3が水素を示す一般式(I)の対応する化合物と適当な求電子試薬とを、塩基の存在下に、溶媒中で反応させることによって調製され得る。求電子試薬の非限定例は、アルコキシアルキルハライド、プロパルギルハライド、アリルハライド、アルコキシカルボニルハライド、ベンジルハライド、アルコキシカルボニルハライドまたはX1C(O)C(R4)(R5)(R6)であり、ここにX1はハロゲン原子である。塩基の非限定例は、NaH、K2CO3、Na2CO3である。溶媒の非限定例は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルまたはジメチルスルホキシドである。このような反応は化学合成の当業者にN−アルキル化またはN−アシル化として認識されている。
【0025】
中間体である式(II)の5−アミノ−1−フェニルピラゾール中間体は公知であるか、または、例えば欧州特許出願第295,117号、第295,118号、第234,119号及び第350,311号並びに米国特許第5,232,940号及び第4,772,312号に記載された方法またはプロセスによって調製され得る。
【0026】
式(I)の化合物全部についてその適正な形成条件は、出発物質及び形成される生成物の性質、即ち、溶解度、反応性、安定度に依存し、化学合成の当業者が個々の適正条件を決定することができ、変化させずに維持したい分子の部分に適当な保護基を使用することができるであろう。
【0027】
【実施例】
以下の実施例1〜3は、式(I)の代表的な農薬化合物の詳細な合成方法を示す。これらの実施例に示す化合物及び以下に詳細に示す手順または上述の方法もしくはプロセスと同様の方法で調製されるその他の化合物を表1〜3に示す。これらの実施例の化合物の融点も表1〜3に示す。
【0028】
実施例1
1− ( 2 , 6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル ) −3−シアノ−4−トリフルオロ−メチルスルフェニル−5− ( メトキシアセトアミド ) ピラゾール ( 化合物1 ) の調製
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−4−トリフルオロ−メチルスルフェニル−5−アミノピラゾール(2g,4.7ミリモル)、メトキシアセチルクロリド(0.5ml,1.15当量)、4−ジメチルアミノピリジン(0.58g,1当量)、トリエチルアミン(0.86ml,1.3当量)及びクロロホルム(150ml)の混合物を還流下で48時間加熱した。有機溶液を1%HCl/H2Oで1回洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン/酢酸エチルで溶出させた。所望の生成物(1.2g、理論量の52%)が融点110〜112℃の白色固体として得られた。
【0029】
実施例2
1− ( 2 , 6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル ) −3−シアノ−4−トリフルオロメチルスルフェニル−5−〔 ( プロバルギル )( メトキシアセトアミド ) 〕ピラゾール ( 化合物60 ) の調製
1−〔(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−4−トリフルオロメチルスルフェニル−5−メトキシアセトアミド〕ピラゾール(2g、4ミリモル)、NaH(0.64g,油中60%,4当量)及びテトラヒドロフランの混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、プロパルギルブロミド(3ml、6当量)及び10滴の15−クラウン−5を添加した。黄色の懸濁混合物を還流下で72時間加熱した。HCl/H2Oに添加して反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出させた。所望の生成物(0.4g、理論量の18%)が粘性油状物質として得られた。
【0030】
実施例3
1−〔 ( 2 , 6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル ) −3−シアノ−4−ジクロロフルオロメチルスルフィニル−5− ( メトキシプロピオンアミド ) 〕ピラゾール ( 化合物52 ) の調製
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−4−ジクロロフルオロメチルスルフィニル−5−アミノピラゾール(1g、2.1ミリモル)、メトキシプロピオニルクロリド(0.4g、1.5当量)、4−ジメチルアミノピリジン(0.3g、1.15当量)、トリエチルアミン(0.4ml、1.5当量)及びクロロホルム(150ml)の混合物を還流下で20時間加熱した。混合物を1%のHCl/H2Oで一回洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後に所望の生成物(0.9g、理論量の77%)が融点150〜151℃の白色固体として得られた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
本発明化合物を用いて以下の代表的試験手順を実施し、ダニ類、アブラムシ、2種類の毛虫、ハエ及び3種類の甲虫幼虫(1種類は葉摂食性、2種類は根摂食性)を含む数種の昆虫類、並びに線虫類に対する本発明化合物の農薬効果及び農薬活性を測定した。試験した種を以下に示す。
【0036】
属、種 通称 ( 略号 )
Tetranychus urticae ナミハダニ (TSM)
Aphis nasturtii クロウメモドキアブラムシ (BA)
Spodoptera eridania 南方アワヨトウ (SAW)
Epilachna varivestis マダラテントウムシ (MBB)
Musca domestica イエバエ (HF)
Diabrotica u.howardi 南方トウモロコシネクイハムシ(SCRW)
Diabrotica virgifera 西洋トウモロコシネクイハムシ(WCRW)
Meloidogyne incognita南方根瘤線虫 (SRKN)
Aphis gossypii ワタアブラムシ (CA)
Schizaphis graminum イネアブラムシ (GB)
Heliothis virescenes タバコガ (TBW)
製剤
各試験に使用する被験化合物を以下の手順で調製した。
【0037】
ダニ、アブラムシ、南方アワヨトウ、マダラテントウムシ、タバコガの試験には、10mgの被験化合物を、160mlのジメチルホルムアミド、838gのアセトン、2mgのTriton X−172:Triton X−152の3:1混合物(各々がアルキルアリールポリエーテルアルコールと有機スルホネートとの無水ブレンドから成る夫々が主としてアニオン性及び非イオン性の低発泡乳化剤)及び98.99gの水溶液に添加することによって溶液または懸濁液を調製した。
【0038】
イエバエの試験には、先ず、16.3gの水を使用し、これに対応して他の成分を調節し、200ppm濃度の製剤を上記同様の手順で調製した。最後に、等容の20重量%のショ糖水溶液で希釈して、被験化合物の濃度を100ppmとした。必要な場合、完全な分散を確保するために音波処理した。
【0039】
南方トウモロコシネクイハムシ及び西洋トウモロコシネクイハムシの試験には、イエバエの200ppm濃度の初期製剤と同様の手順で溶液または懸濁液を調製した。この200ppm濃度の製剤を水で所望の試験濃度に希釈して使用した。
【0040】
南方根瘤線虫、南方アワヨトウ、ワタアブラムシ、タバコガ及びイネアブラムシの浸透性試験には、15mgの被験化合物を250mgのジメチルホルムアミド、1250mgのアセトン及び上記同様の配合の3mgの乳化剤に添加することによって原液または懸濁液を調製した。次いで水を添加して被験化合物の濃度を150ppmとした。必要な場合、完全な分散を確保するために音波処理した。
【0041】
タバコガの接触試験には、化合物をアセトンに溶解することによって原液を調製し、次いで必要な系列希釈濃度に更に希釈した。
【0042】
試験手順
上記のごとく調製した被験化合物を以下の試験手順によって特定重量濃度ppm(1/1,000,000部)で用いてその農薬活性を評価した。
【0043】
ナミハダニ:6cmの泥鉢で育成した2本のインゲンマメの初生葉を、保存培養から得られた成虫期及び若虫期のナミハダニで汚染した。24時間以内に試験に十分な数のダニ(150〜200)が新しい植物に移入した。回転するターンテーブルに鉢栽培植物(化合物あたり1鉢)を載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を汚染植物に噴霧した。同様に調製したジコホルまたはヘキシチアゾックスのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。噴霧植物を6日間維持し、6日目に生物の致死率をカウントした。
【0044】
ナミハダニ ( 殺卵試験 ):保存培養したナミハダニ成虫から卵を採取した。保存培養物によってひどく汚染させた葉を未感染のインゲンマメ植物に載せた。雌を約24時間産卵させ、この時点で、生物を殺し以後の産卵を防ぐために植物の葉をTEPP(テトラエチルジホスフェート)溶液に浸漬させた。植物の乾燥後にこの浸漬手順を反復しても、卵の生存率に影響はなかった。回転するターンテーブルに鉢栽培植物(化合物あたり1鉢)を載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を汚染植物に噴霧した。同様に調製したデメトンに代表される市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。噴霧植物を7日間維持し、7日目に卵の致死率をカウントし、同時に、孵化幼虫に対する残留活性を測定した。
【0045】
クロウメモドキアブラムシまたはワタアブラムシ:成虫期及び若虫期のクロウメモドキアブラムシまたはワタアブラムシを、鉢栽培した矮性キンレンカ植物または綿植物で夫々育成した。100〜150のアブラムシで汚染した鉢栽培植物(被験化合物あたり1鉢)を回転するターンテーブルに載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を汚染植物に噴霧した。同様に調製したマラチオンまたはシハロトリンのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。噴霧後、クロウメモドキアブラムシでは1日間、ワタアブラムシでは3日間鉢を維持し、この時点でアブラムシの致死率をカウントした。
【0046】
南方アワヨトウ:鉢栽培インゲンマメ植物を回転するターンテーブルに載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を植物に噴霧した。同様に調製したシペルメトリンまたはスルプロフォスのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。乾燥した葉を、湿潤濾紙を敷いたプラスチックカップに配置した。無作為に選択した5匹の第2虫齢の南方アワヨトウの幼虫を各カップに導入し、カップを閉鎖して5日間維持した。棒で突いて刺激しても体長に沿って身体を動かすことのできない幼虫を死亡と判定した。
【0047】
タバコガ:鉢栽培綿植物を回転するターンテーブルに載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を植物に噴霧した。同様に調製したシペルメトリンまたはスルプロフォスのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。乾燥した葉を、濾紙片及び湿潤歯科用ガーゼを敷いたプラスチック皿に配置した。無作為に選択した1匹の第2虫齢のタバコガの幼虫を各カップに導入し、カップを閉鎖して5日間維持した。棒で突いて刺激しても体長に沿って身体を動かすことのできない幼虫を死亡と判定した。
【0048】
マダラテントウムシ:鉢栽培綿植物を回転するターンテーブルに載せ、40psigの空気圧に設定したDeVilbissスプレーガンを使用し、100ppmの被験化合物を含む製剤100mlを、植物を十分に湿潤させて流出するまで噴霧した。非処理対照として、被験化合物非含有の100mlの水−アセトン−DMF−乳化剤溶液を植物に噴霧した。同様に調製したシペルメトリンまたはスルプロフォスのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。乾燥した葉を、湿潤濾紙を敷いたプラスチックカップに配置した。無作為に選択した5匹の第2虫齢のマダラテントウムシの幼虫を各カップに導入し、カップを閉鎖して5日間維持した。棒で突いて刺激しても体長に沿って身体を動かすことのできない幼虫を死亡と判定した。
【0049】
イエバエ:4〜6日齢のイエバエ成虫をChemical Specialties Manufacturing Association(Blue Book,McNair-Dorland Co.,N.Y.1954;243−244,261頁)の指示に従って調整条件下で育成した。二酸化炭素で麻酔にかけてハエを動けないようにし、動けないようにした雄雌合わせて25匹の個体を標準的食品裏ごし器から成り包装紙で表面を覆ったケージに移した。100ppmの被験化合物濃度を含む製剤10mlを、吸収性綿パッドを入れたスフレカップに加えた。非処理対照として、被験化合物非含有の10mlの水−アセトン−DMF−乳化剤−ショ糖溶液を同様にして使用した。同様に調製したマラチオンのような市販化合物を用いた処理対照を標準として試験した。食品裏ごし器に毒餌カップを入れた後、麻酔したハエを導入した。24時間後、刺激に対して運動の徴候を示さないハエを死亡と判定した。
【0050】
南方または西洋トウモロコシネクイハムシ:60gの砂壤土を入れたジャーに、被験化合物が適正な最終土壌濃度となるように水で希釈した200ppmの被験化合物を含む水性製剤の1.5mlのアリコートと、3.2mlの水と、5本の発芽前トウモロコシ苗とを導入した。被験製剤を均一に分布させるためにジャーを十分に振盪した。次いで、20個のトウモロコシネクイハムシの卵(または、WCRWの場合は任意に10匹の第1虫齢の幼虫)を土壌に設けた凹部に導入した。次いで、WCRW試験の場合には任意にバーミュキュライト(1ml)と共に、水(1.7ml)を凹部に添加した。非処理対照は、被験化合物非含有の水−アセトン−DMF−乳化剤溶液の同量のアリコートを使用して同様に調製した。更に必要な場合には、同様に調製した市販化合物(典型的にはテルビュフォス、ホノホス、フォレート、クロルピリフォス、カルボフラン、イサゾフォスまたはエトプロップから選択)を用いた処理対照を試験標準とした。7日後、公知の“Berlese”漏斗抽出法を用いて生存トウモロコシネクイハムシをカウントした。
【0051】
南方根瘤線虫:南方根瘤線虫の卵塊を含むトマト植物の汚染根を保存培養物から採取し、水道水で振り洗いして土壌を除いた。線虫卵を根組織から分離し、水洗した。スクリーンと接触するように水位を調節した受容ボールに載せた微細スクリーンに卵懸濁液のサンプルを載せた。円錐形容器の底部を粗粒バーミキュライトで塞ぎ、上から1.5cm以内まで約200mlの殺菌土壌を充填した。次に、円錐内の土壌の中心に設けた穴に150ppm濃度の被験化合物を含む製剤のアリコートをピペットで注入した。市販の化合物フェナミフォスを用いて同様に調製した処理対照を標準として試験した。非処理対照としては、被験化合物非含有の水−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同様に使用した。被験化合物による土壌処理後直ちに、各円錐の頂部に1000匹の南方根瘤線虫の第2期の若虫を添加した。30日後、健全なトマト苗を円錐に移植した。汚染土壌及びトマト苗を収容した円錐を温室に3週間維持した。試験の終了時に、トマト苗の根を円錐から取り出して、非処理対照に対する以下の評価段階に従って虫えいを判定した。
【0052】
1.非処理対照と同等の重度の虫えい
3.軽度の虫えい
4.極めて軽度の虫えい
5.虫えいは観察されない、即ち完全防除。
【0053】
次にこれらの結果をED3またはED5値(虫えいの評価段階3または5に対応する有効薬用量)に変換した。
【0054】
トマトの南方アワヨトウ−浸透性試験:この試験は南方根瘤線虫の試験(上述)と合わせて実施した。線虫試験用の土壌(試験用に選択した出発化合物濃度6.6ppmの土壌または約150ppmの溶液)で生育させたトマト植物を使用し、化合物の根吸収及びその後のトマトの茎葉に達する浸透性移動を判定した。処理の21日後に線虫試験が終了したとき、トマトの茎葉を切除し、プラスチック容器に入れ、南方アワヨトウの第2虫齢の幼虫で汚染した。約5日後、幼虫の死亡率を測定した。
【0055】
ワタアブラムシとタバコガ ( 綿 ) 及びイネアブラムシとタバコガ ( モロコシ類 ) −浸透性試験:綿及びモロコシの植物を栽培した6cmの鉢に150ppmの線虫被験溶液の7.0mlのアリコートを潅注で10.0ppmの土壌濃度に相当するように分布させた。綿植物を、処理のほぼ2日前にワタアブラムシ、処理1日前にイネアブラムシで汚染した。植物を約3日間維持した後、植物のアブラムシ活性を判定した。更に6日目に、植物のアブラムシ活性を評価し、ワタアブラムシとイネアブラムシとをカウントし、致死率を算定した。綿及びモロコシの茎葉部分を切除し、別々のプラスチック容器に入れ、タバコガの第2虫齢の幼虫で汚染させた。残りのアブラムシを殺すために鉢栽培植物をスルフォテップに浸漬させ、温室に戻して育成を続けた。処理の13日後、残りの茎葉を切除し、タバコガに給餌した。汚染6日後に致死率を測定した。
【0056】
ワタアブラムシと南方アワヨトウ ( 綿 ) 及びイネアブラムシと南方アワヨトウ ( モロコシ類 ) −浸透性試験:調製(または後で希釈)した原液または懸濁液5mlを綿及びモロコシの植物を栽培した6cmの鉢に潅注で20ppmの土壌濃度に相当するように分布させた。綿植物を、処理のほぼ2日前にワタアブラムシ、処理1日前にイネアブラムシで汚染させた。植物を約3日間維持した後、植物のアブラムシ活性を評価した。更に6日目に、植物のアブラムシ活性を評価し、ワタアブラムシとイネアブラムシとをカウントし、致死率を算定した。綿及びモロコシの茎葉部分を切除し、別々のプラスチック容器に入れ、南方アワヨトウの第2虫齢の幼虫で汚染させた。残りのアブラムシを殺すために鉢栽培植物をスルフォテップに浸漬させ、温室に戻して育成を続けた。処理の13日後、残りの茎葉を切除し、南方アワヨトウに給餌した。汚染6日後に致死率を測定した。
【0057】
ワタアブラムシ及び南方アワヨトウ ( 綿及びエンバク類 ) −種子処理試験:化合物と種子とを適当な寸法のジャーに入れ、ボールミルでジャーを回転させることによってエンバク及び綿の種子に化学物質を施用した。種子に使用した物質を重量で検定した。種子を播種した。発芽及び出芽すると、適当な間隔で植物を宿主昆虫で汚染させた。
【0058】
タバコガ−接触試験:以下の局所施用法ではタバコガ幼虫に対する化合物の接触毒性を評価する。10μg/μlから0.16μg/μlまでの逐次倍加希釈濃度の被験化合物溶液を微量注射器で、約20mgのタバコガ幼虫の背中に1μlずつ重複投与する。これは体重1gあたり500μgから8μgの用量に等しい。被験化合物非含有のアセトン処理対照も投与した。同じくアセトン中のシペルメトリンまたはチオジカーブのような市販化合物による処理対照を標準として使用した。処理幼虫を約27℃及び約50%相対湿度に維持した。処理幼虫の各々を、非処理綿葉及び湿潤歯科ガーゼを収容した個別のプラスチックシャーレに入れた。処理の1日後及び4日後に致死率を判定した。
【0059】
使用結果:−本発明のいくつかの代表的化合物の殺ダニ、殺虫及び殺線虫活性の典型的な結果を以下に論じ、指定試験種(BA*/CA、SAW、MBB、HF、TBW、SCRW*/WXRW:通称の略号で指定)に指定薬用量で投与されたいくつかの化合物の結果を表4に示す。表4の結果は、指定試験種に対して70〜100%の致死率を与える化合物を(Xで)示す。
【0060】
本発明のいくつかの化合物は殺ダニ剤であり、例えば、化合物24、46、47及び51は茎葉毒餌試験で100ppmでダニを30〜70%防除した。
【0061】
更に、本発明化合物は、有害生物のいくつかの種、例えば南方アワヨトウまたはマダラテントウムシのような茎葉有害生物に対して摂食抑制または摂食阻害特性を示す。
【0062】
本発明化合物は更に低い割合でも種々の有害生物に対して有効である。例えば、茎葉散布では約50〜0.5ppmまたはそれ以下の割合で有用である。毒餌施用の場合には、約50〜0.05ppmまたはそれ以下の割合で有用である。土壌施用の場合には、約1.0〜0.01ppmまたはそれ以下の割合で有用である。
【0063】
上記に検討し表4に報告した結果では、本発明化合物が種々の濃度で施用される。1ppm(施用被験溶液中の化合物濃度1/1,000,000部)の茎葉散布用の溶液、懸濁液またはエマルジョンは、約1,000リットル/ha(流出に十分な量)の噴霧量に基づいて、約1g/haの有効成分の施用にほぼ対応する。従って、約6.25〜500ppmの葉面噴霧は約6〜500g/haに対応する。土壌施用の場合、土中約7.5cmに基く1ppmの土壌濃度は、広域圃場施用では約1,000g/haに対応する。また、上記の1ppmの土壌濃度は約18cmの帯状施用の場合には約166g/haに対応する。接触試験の場合、幼虫に0.2μg/μl(200ppm)の溶液を体重1μlあたり10μgで施用したときの薬用量は広域噴霧として約50〜約100g/haの圃場散布に対応する。
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
方法及び組成物
前述の農薬使用から明らかなように、本発明は、農薬として有効な化合物を提供し、また、節足動物特に昆虫またはダニ、植物線虫類、蠕形動物または原生動物などの多くの有害生物を防除するためのかかる化合物の使用方法を提供する。従って化合物は、例えば、農園芸用作物、林業、獣医薬、畜産業または公衆衛生などの分野で有利に実用化できる。
【0067】
従って、ある場所の有害生物を防除するためにその場所を有効量の式(I)の化合物で処置(例えば施用または投与)する方法を提供することも本発明の目的の1つである。場所の例としては、有害生物自体または有害生物が棲息もしくは摂食する場所(植物、動物、人体、建造物、地所、森林、果樹園、水路、土壌、植物または動物の製品、など)がある。
【0068】
本発明化合物は好ましくは、トウモロコシネクイハムシ、シロアリ類(特に建造物の保護)、ネクイムシ、ハリガネムシ、ネクイゾウムシ、クキセンコウチュウ、ヨトウムシ、ネクイアブラムシまたはカブトムシ幼虫のような土壌昆虫を防除するために使用される。また、根瘤、包嚢、ダガー、病斑のような病原性植物線虫、または、茎もしくはりん茎の線虫、またはダニ類に対する効果を発揮するために使用され得る。土壌有害生物、例えばトウモロコシネクイハムシを防除するためには、作物の栽培土壌もしくは栽培予定土壌、種子または植物の成長根に有効薬用量の化合物を施用または取込ませるのが有利である。
【0069】
更に、これらの化合物は、いくつかの節足動物特に植物の地上部分を摂食するいくつかの昆虫類またはダニ類を防除するために茎葉散布または浸透作用によって使用し得る。また、植物の根または種子に施用すると、その後に植物の地上部分に浸透性移行し茎葉の有害生物を防除することが可能である。
【0070】
公衆衛生の分野では、化合物は多くの昆虫、特にイエバエ、サシバエ、ミズアブ、ツノサシバエ、アブ、ウシアブ、ユスリカ、ヌカカ、ブユまたはカのような不潔なハエまたは他の双翅目有害生物の防除に特に有効である。
【0071】
本発明化合物は、節足動物特に昆虫もしくはダニ、線形動物、蠕形動物または原生動物などの有害生物に対して以下の施用方法で使用され得る。
【0072】
本発明化合物は、穀粒または穀粉のような穀物、塊茎、動物飼料、木材のような保存産物、絨毯及び織物のような家庭用品を、節足動物、特にゾウムシ、ガまたはダニなどの甲虫、例えば、Ephestia種(コナガ)、Anthrenus種(ヒメマルカツオブシムシ)、Tribolium種(コクヌストモドキ)、Sitophilus種(コクゾウムシ)またはAcarus種(ダニ)の攻撃に対して有効に保護する。
【0073】
本発明化合物は、居住用または事業用の地所に発生したゴキブリ、アリまたはシロアリまたは同様の節足動物有害生物の防除、あるいは、水路、井戸、貯水槽またはその他の流水または貯留水の蚊幼虫の防除に有効である。
【0074】
建造物を、シロアリ、例えば、Reticulitermes種、Heterotermes種、Coptotermes種による攻撃から防止するための基礎、土台または土壌の処理に有効である。
【0075】
農業では、以下の鱗翅目(蝶または蛾)の成虫、幼虫及び卵に対して有効である:Heliothis種、e.g.Heliothis virescens(タバコガ)、Heliothis armigera及びHeliothis zea、Spodoptera種、e.g.S . exempta、S . frugiperda、S . exiqua、S . littoralis(ハスモンヨトウ)、S . eridania(南方アワヨトウ)及びMamestra configurata(バーサアワヨトウ)、Earias種、e.g.E . insulana(エジプシャンオオタバコガ)、Pectinophora種、e.g.Pectinophora gossypiella(ワタキバガ)、Ostrinia種、e.g.O . nubilalis(ヨーロピアンアワノメイガ)、Trichoplusia ni(イラクサキンウワバ)、Artogeia種(アオムシ)、Laphygma種(アワヨトウ)、Agrotis及びAmathes種(ヨトウムシ)、Wiseana種(ポリナガ)、Chilo種(イネクキセンコウチュウ)、Tryporyza種及びDiatraea種(サトウキビセンコウチュウ及びイネセンコウチュウ)、Sparganothis pilleriana(ブドウガ)、Cydia pomonella(コドリンガ)、Archips種(果樹ハマキガ)、Plutella xylostella(コナガ)、Bupalus piniarius、Cheimatobia brumata、Lithocolletis blancardella、Hyponomeuta padella、Plutella maculipennis、Malacosoma neustria、Euproctis chrysorrhoea、Lymantria種、Bucculatrix thurberiella、Phyllocnistis citrella、Euxoa種、Feltia brassicae、Panolis flammea、Prodenia litura、Carpocapsa pomonella、Pyrausta nubilalis、Ephestia kuehniella、Galleria mellonella、Tineola bisselliella、Tinea pellionella、Hofmannophila pseudospretella、Cacoecia podana、Capus reticulana、Choristoneura fumiferana、Clysia ambiguellis、Homona magnanime及びTortix viridana。
【0076】
以下の鞘翅目(甲虫)の成虫及び幼虫に対して有効である:Hypothenemus hampei(コーヒーノキセンコウチュウ)、Hylesinus種(キクイムシ)、Anthonomus種、e.g.、grandis(オオアオゾウムシ)、Acalymma種(ウリハムシ)、Lema種、Psylliodes種、Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)、Diabrotica種(トウモロコシネクイハムシ)、Gonocephalum種(ニセハリガネムシ)、Agriotes種、Limonius種(ハリガネムシ)、Dermolepida種、Popillia種、Heteronychus種(ネキリムシ)、Phaedon cochleariae(カラシハムシ)、Epitrix種 ( ノミハムシ ) 、Lissorhoptrus oryzop hilus(水稲ゾウムシ)、Meligethes種(カフンハムシ)、Ceutorhynchus種、Rhynchophorus及びCosmopolites種(ネゾウムシ)、Anobium punctatum、Rhizopertha dominica、Bruchidius obtectus、Acanthoscelides obtectus、Hylotrupes bajulus、Agelastica alni、Psylliodes chrysocephala、Epilachna varivestis、Atomaria種、Oryzaephilus surinamensis、Sitophilus種、Otiorrhynchus sulcatus、Cosmoplites sordidus、Ceuthorrhynchus assimilis、Hypera postica、Dermestes種、Trogoderma種、Anthrenus種、Attagenus種、Lyctus種、Maligethes aeneus、Ptinus種、Niptus hololeucrus、Gibbium psylliodes、Tribolium種、Tenebrio molitor、Conoderus種、Melolontha melolontha、Amphimallon solstitialis及びCostelytra zealandica。
【0077】
以下の半翅目(異翅亜目及び同翅亜目)に対して有効である:Psylla種、Bemisia種、Trialeurodes種、Aphis種、Myzus種、Megoura viciae、Phylloxera種、Adelges種、Phorodon humuli(ホップダムソンイボアブラムシ)、Aeneolamia種、Nephotettix種(イネヨコバイ)、Empoasca種、Nilaparvata種、Perkinsiella種、Pyrilla種、Aonidiella種(アカカイガラムイ)、Coccus種、Pseucoccus種、Helopeltis種(モスキートバグ)、Lygus種、Dysdercus種、Oxycarenus種、Nezara種、Eurygaster種、Piesma quadrata、Cimex lectularius、Rhodnius prolixus及びTriatoma種、Aspio diotus hederae、Aeurodes brassicae、Brevicoryne brassicae、Cryptomyzus ribis、Doralis fabae、Doralis pomi、Eriosoma lanigerum、Hyalopterus arundinis、Macrosiphum avenae、Phorodon humuli、Rhopalosiphum padi、Euscelis bilobatus、Nephotettix cincticeps、Lecanium corni、Saissetia oleae、Laodelphax striatellus。
【0078】
以下の膜翅目に対して有効である:Athalia種及びCephus種(サシバエ)、Atta種(ハキリアリ)、Diprion種、Hopolocampa種、Lasius種、Monomorium種、Polistes種、Vespa種、Vespula種及びSolenopsis種。
【0079】
以下の双翅目に対して有効である:Delia種(ネクイムシ)、Atherigona種及びChlorops種、Sarcophaga種、Musca種、Phormia種、Aedes種、Anopheles種、Simulium種(クキバエ)、Phytomyza種(ハモグリムシ)、Ceratitis種(ミバエ)、Culex種、Drosophila melanogaster、Ceratitis capitata、Dacus oleae、Tipula paludosa、Calliphora erythrocephala、Lucilia種、Chrysomyia種、Cuterebra種、Gastrophilus種、Hyppobosca種、Stomoxys種、Oestrus種、Hypoderma種、Tabanus種、Fannia種、Bibio hortulanus、Oscinella frit、Phorbia種、Pegomyia hyoscyani。
【0080】
以下の総翅目に対して有効である:Thrips tabaci、Hercinothrips femoralis及びFrankliniella種。
【0081】
以下の直翅目に対して有効である:Locusta及びSchistocerca種(イナゴ及びコオロギ)、Gryllus種及びAcheta種、e.g.、Blatta orientalis、Periplaneta americana、Leucophaea maderae、Blatella germanica、Acheta domesticus、Gryllotalpa種、Locusta migratoria migratorioides、Melanoplus differentialis及びSchistocerca gregaria。
【0082】
以下の粘管目に対して有効である:Sminthurus種及びOnychiurus種(トビハムシモドキ)、Periplneta種及びBlattela種(ゴキブリ)。
【0083】
以下の等翅目に対して有効である:Odontotermes種、Reticuletermes種、Coptotermes種(シロアリ)。
【0084】
以下の革翅目に対して有効である:Forticula種(ハサミムシ)。
【0085】
農業的に重要な以下の節足動物に対して有効である:Acari(ダニ)、e.g.、Tetranychus種、Panonychus種、Bryobia種(ハダニ)、Ornithonyssus種(トリダニ)、Eriophyes種(フシダニ)及びPolyphadotarsonemus種。
【0086】
以下の総尾目に対して有効である:Lepisma saccharia。
【0087】
以下の虱目に対して有効である:Phylloxera vastatrix,Pemphigus種、Pediculus humanus corporis、Haematopinus種及びLinognathus種。
【0088】
以下の食毛目に対して有効である:Trichodectes種及びDamalinea種。
【0089】
以下の隠翅目に対して有効である:Xenopsylla cheopis及びCeratophyllus種、
以下のようなその他の節足動物に対して有効である:Blaniulus種(ヤスデ)、Scutigerella種(結合綱)、Oniscus種(キジラミ)及びTriops種(甲殻類)。
【0090】
以下の等脚類に対して有効である:Oniseus asellus、Armadillidium vulgare及びPorcellio scaber。
【0091】
以下の唇脚類に対して有効である:Geophilus carpophagus及びScutigera spex。
【0092】
農業、林業または園芸に重要な植物または樹木を直接に攻撃するかまたは細菌性、ウイルス性、マイコプラズマ性もしくは真菌性の植物疾患を蔓延させることによって攻撃する以下の線虫に対して有効である:根瘤線虫、例えばMeloidogyne種(e.g.、M . incognita);包嚢線虫、例えばGlobodera種(e.g.、G . rostochiensis);Heterodera種(e.g.、H . avenae);Radopholus種(e.g.、R . similis);病斑線虫、例えばPratylenchus種(e.g.、P . pratensis)、Belonolaimus種(e.g.、B . gracilis)、Tylenchulus種(e.g.、T . semipenetrans)、Rotylenchulus種(e.g.、R . reniformis)、Rotylenchus種(R . robustus)、Helicotylenchus種(e.g.、H . multicinctus)、Hemicycliophora種(e.g.、H . gracilis ) 、Criconemoides種 ( e . g . 、C . simi lis)、Trichodorus種(e.g.、T . primitivus);ダガー線虫、例えばXiphinema種(e.g.、X.diversicaudatum)、Longidorus種(e.g.、L . elongarus)、Hoplolaimus種(e.g.、H . coronatus)、Aphelenchoides種(e.g.、A . rizema−bosi、A . besseyi);茎及びりん茎のスセンチュウ、例えばDitylenchus種(D . dipsaci)。
【0093】
脊椎動物、特に温血脊椎動物、例えば人体または家畜、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ニワトリ、イヌまたはネコの体内または体外に寄生する節足動物、蠕形動物または原生動物に対する獣医薬もしくは畜産業の分野または公衆衛生維持の分野で、以下の有害生物に対して有効である:ダニ類、特にマダニ(e.g.、Ixodes種、Boophilus種(e.g.、Boophilus microplus)、Amblyomma種、Hyalomma種、Rhipicephalus種(e.g.、Rhipicephalus appendiculatus)、Haemaphysalis種、Dermacentor種、Ornithodorus種(e.g.、Ornithodorus moubata)及びその他のダニ(e.g.、Damalinia種(Dermahyssus gallinae)、Sarcoptes種(e.g.、Sarcoptes scabiei)、Psoroptes種、Chorioptes種、Demodex種、Eutrombicula種);双翅目(e.g.、Aedes種、Anopheles種、Musca種、Hypoderma種、Gasterophilus種、Simulium種);半翅目(e.g.、Triatoma種);ケジラミ(e.g.、Damalinia種、Linognathus種);隠翅目(e.g.、Ctenochephalides種);直翅目(e.g.、Periplaneta種、Blatella種);膜翅目(e.g.、Monomorium pharaonis)。
【0094】
以下の寄生線虫を原因とする胃腸管感染症に対して有効である:Trichostrongylidae科の成員、Nippostrongylus bra siliensis、Trichinella spiralis、Haemonchus contortus、Trichostrongylus colubrioformis、Nematodirus batus、Ostertagis circumcincta、Trichostrongylus axei、Cooperia種及びHymenolepis nana;
以下の原生動物を原因とする疾患の防除及び治療に有効である:Eimeria種(e.g.、Eimeria tenella、Eimeria acervulina、Eimeria brunetti、Eimeria maxima及びEimeria necatrix)、Trypanosoms cruzi、Leishaminia種、Plasmodium種、Babesis種、Trichomonadidae種、Histomanas種、Giardia種、Toxoplasma種、Entamoeba histolytica及びTheileria種。
【0095】
本発明は、前述のごとく、有効量の式(I)の化合物を1つの場所に施用または投与することによってその場所を処理することから成る有害生物の防除方法を提供する。
【0096】
本発明方法では、節足動物特に昆虫もしくはダニまたは線虫動物のような植物有害生物を防除するために実際に使用するために、例えば植物またはその育成媒体に有効量の本発明化合物を施用する。このような方法において、活性化合物は一般に、節足動物または線虫動物の発生を防除すべき場所に、被処理場所1ヘクタールあたり活性化合物約0.005kgから約15kgの範囲の有効薬用量で施用する。理想的な条件下では、防除すべき有害生物次第では、もっと少ない薬用量で適切な保護が与えられるであろう。逆に、不利な気候条件下では、有害生物の耐性または他の要因のため、有効成分をより高い薬用量で使用することが必要になるかもしれない。最適薬用量は通常、防除される有害生物の種類、汚染された植物の種類もしくは成長段階、畝間、または施用方法のような複数の要因に左右される。活性化合物の有効薬用量のより好ましい範囲は約0.01kg/ha〜約2kg/haである。
【0097】
有害生物が土壌伝播性の場合、一般には任意の適当な方法で製剤組成物の形態の活性化合物を処理すべき地区に(例えば広域処理または帯状処理として)均一に分布させる。所望の場合、圃場もしくは作物栽培地区全域に施用してもよく、または攻撃から保護すべき種子もしくは植物の極めて近傍に施用してもよい。地区に水を噴霧するかまたは自然の降雨作用に任せて有効成分を土壌中で拡散させる。所望の場合、施用中または施用後に、例えばプラウもしくはプラウ円板によって耕起したり、ドラッグチェーンを使用したりして製剤形態の化合物を土壌中に機械的に分布させてもよい。植付け前、植付け中または植付け後で発芽前に施用してもよく、または発芽後に施用してもよい。更に、播種前の種子処理及び播種後の後防除を順次行う防除方法もある。
【0098】
有害生物防除方法では更に、植物の気中部分を攻撃する節足動物特に昆虫もしくはダニまたは線形動物を防除するための茎葉散布または茎葉処理を用いてもよい。更に、本発明化合物による有害生物防除方法では、施用場所から遠隔の植物の部分を摂食する有害生物を防除し得る。例えば、植物の根または播種前の植物の種子に施用された活性化合物はその浸透作用によって葉を摂食する昆虫を防除し得る。更に、本発明化合物は、摂食阻害効果または忌避効果によって植物に対する攻撃を抑制し得る。
【0099】
本発明化合物及びその使用による有害生物防除方法は、圃場、青刈飼料、企業作物、温室、果樹園もしくはブドウ畑の保護、観賞植物の保護、人口林もしくは森林の樹木の保護に特に重要である。これらの例としては、穀物(トウモロコシ、コムギ、イネまたはモロコシ類など)、綿、タバコ、野菜(マメ、アブラナ作物、curcurbits、レタス、タマネギ、トマトまたはコショウなど)、農作物(ジャガイモ、テンサイ、落花生、ダイズ、西洋アブラナなど)、サトウキビ、草原作物または青刈飼料(トウモロコシ、モロコシ、アルファルファなど)、企業作物(茶、コーヒー、ココア、バナナ、ヤシ油、ココヤシ、ゴム、香辛料など)、果樹園または柑橘類果樹園(石果、核果、レモン、キーウイフルーツ、アボカド、マンゴー、オリーブ、クルミなど)、ブドウ畑、観賞植物、温室、庭園または公園の花卉、野菜、低木、森林、人口林または苗床の林木(落葉樹及び常緑樹)がある。
【0100】
また、木材(立木、伐木、加工木材、貯蔵木材または建造用木材)をハバチ、甲虫またはシロアリの攻撃から保護するために有効である。
【0101】
また、全粒、精白または加工製品とした穀粒、果実、ナッツ、香辛料またはタバコを、ガ、甲虫、ダニまたはコクゾウムシの攻撃から保護するために使用できる。また、天然形態または加工形態(例えば絨毯または繊維製品)の皮革、毛皮、羊毛または羽毛のような貯蔵動物製品をガまたは甲虫の攻撃から保護し、貯蔵肉、魚または穀粒を甲虫、ダニまたはハエの攻撃から保護する。
【0102】
更に、本発明化合物およびその使用方法は、ヒト及び家畜に有害であるかまたはヒト及び家畜の病気を伝播もしくは媒介する節足動物、蠕形動物または原生動物の防除に特に有効である。これらの動物については前述したが、特に、マダニ、それ以外のダニ、シラミ、ノミ、ユスリカ、または、サシバエもしくは気味悪いハエの幼虫の防除に特に有効である。本発明化合物は、家畜に寄生するかまたは皮膚から摂食もしくは吸血する節足動物、蠕形動物または原生動物の防除に特に有用である。このためには、化合物を経口、非経口、経皮または局所投与するとよい。
【0103】
更に、本発明化合物は、Eimeria属の寄生原生動物の感染を原因とするコクシジウム症に有効である。これは、特に集約的条件下で育成または飼育される家畜及び家禽の経済的な損失の重要な原因になり得る。例えば、ウシ、ヒツジ、ブタまたはウサギもこの病気に罹患するが、家禽、特にニワトリの重大な病気である。少量の本発明化合物を好ましくは給餌と共に投与すると、コクシジウム症の発生の予防または顕著な抑制に有効である。化合物は、盲腸型及び腸型の双方に有効である。更に本発明化合物は、卵母細胞の障害作用を発揮し、その産生数及び産生した卵母細胞の胞子形成を顕著に低減する。家禽の病気は一般に、糞便で汚染された敷き藁、地面、食物または飲料水に混入した感染性生物を鳥が採取することによって伝播する。病気の徴候としては、出血、盲腸の鬱血、糞への血液混入、衰弱、消化障害などがある。病気が動物を致死させる場合も多いが、重症の感染症から回復した場合でもこのような家禽の市場価値は感染の結果として実質的に下落する。
【0104】
以下では本発明組成物を栽培作物または作物栽培場所に施用するかまたは種子粉衣として使用する場合を記載しているが、代替的に、組成物をヒトもしくは動物に局所使用してもよく、または保存製品、家庭用品、普遍的環境の地所または地区の保護に使用してもよい。本発明化合物は以下に例示する適当な手段によって施用される。
【0105】
栽培作物に対しては、粉剤、顆粒剤、噴霧剤もしくは泡剤、または微細組成物もしくはカプセル封入組成物の懸濁液を茎葉散布で施用するか、液体潅注、粉剤、顆粒剤、煙霧剤または泡剤で土壌もしくは根を処理するか、液体スラリーまたは粉剤の種子粉衣で作物の種子に施用する。
【0106】
節足動物、蠕形動物または原生動物に侵入されたかまたは接触している人体または動物に対しては、節足動物、蠕形動物または原生動物に対して即効性作用及び/または一定期間の持続性作用を発揮する有効成分を含有する組成物を非経口、経口または局所投与する。例えば、食餌、適当な経口製剤、食用毒餌、塩場、補充食餌、注入製剤、噴霧剤、浴剤、浸漬剤、シャワー剤、ジェット剤、グリース剤、シャンプー剤、クリーム剤、ワックス塗抹剤または家畜の自家治療システムに混ぜる。
【0107】
有害生物が潜在する普遍的環境または特定場所、例えば保存製品、木材、家庭用品、または、居住用もしくは事業用地所に対しては、散布剤、噴霧剤、粉剤、煙霧剤、ワックス塗抹剤、ラッカー剤、顆粒剤もしくは毒餌として使用し、水路、井戸、貯水槽またはその他の流水もしくは貯留水に対しては細流として混入させる。
【0108】
家畜に対しては、糞便を摂食するハエ幼虫を防除するために食餌に混入させる。 実際には、本発明化合物が組成物の一部を構成する場合が多い。これらの組成物は、節足動物特に昆虫またはダニ、線形動物、蠕形動物または原生動物のような有害生物を防除するために使用され得る。組成物は、任意の地所、屋内もしくは屋内の地区または脊椎動物に対する内服もしくは外用で所望の有害生物に使用するために適当な公知の任意の形態を有し得る。これらの組成物は、有効成分となる少なくとも1種類の前述のような本発明化合物を、1種またはそれ以上の他の相溶性成分と組み合わせてまたは会合させて含有する。相溶性成分としては例えば、予定の用途に適しており耕種学的または薬物学的に許容される固体もしくは液体の担体もしくは希釈剤、アジュバント、界面活性剤などがある。当業界で公知の任意の方法によって調製されるこれらの組成物も本発明の一部である。
【0109】
これらの組成物はまた、保護コロイド、接着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、噴霧油(特に殺ダニ剤として使用するとき)、安定剤、保存剤(特にカビ防止剤)、金属イオン封鎖剤などのような他の種類の成分、並びに、農薬特性(特に、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性または殺真菌性)または植物の成長調節特性を有する他の公知の有効成分を含有し得る。より普遍的には、本発明で使用される化合物を、常用の製剤技術に対応するすべての固体または液体添加剤と組み合わせることができる。
【0110】
農園芸用の適当な組成物は、例えば、噴霧剤、粉剤、顆粒剤、煙霧剤、泡剤、エマルジョンなどとして使用するのに適した製剤を含む。
【0111】
脊椎動物用または人体用の適当な組成物は、経口、非経口、経皮、例えば注入、または局所投与に適した調製物を含む。
【0112】
経口投与される組成物は、1種以上の一般式(I)の化合物を、医薬として許容される担体またはコーティング剤と共に含有しており、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、軟膏、ゲル、潅注、薬物添加食品、薬物添加飲料水、薬物添加食餌補充物、胃腸管内部に滞留させる目的の徐放性丸剤(bolus)または他の徐放性デバイスとして調製される。これらはいずれも、マイクロカプセルに収容されるかまたは酸溶解性もしくはアルカリ溶解性もしくは医薬として許容される他の腸溶性コーティング剤でコートされた有効成分を組込んでいる。薬物添加した食品、飲料水または動物が消費する他の物質の調製に使用するために本発明化合物を含有する食品プレミックスまたは濃縮物を使用してもよい。
【0113】
非経口投与される組成物は、医薬として許容される適当なビヒクル中の溶液、エマルジョンもしくは懸濁液、または、長期間にわたって有効成分を放出するように設計された固体もしくは半固体の経皮インプラントもしくはペレットであり、当業界に公知の任意の適当な方法で調製され、滅菌され得る。
【0114】
経皮的及び局所的に投与される組成物は、噴霧剤、粉剤、浴剤、浸漬剤、シャワー剤、ジェット剤、グリース剤、シャンプー剤、クリーム剤、ワックス塗抹剤または注入用調製物またはデバイス(例えば、節足動物を局部的または浸透的に防除するように動物の外部に取り付ける耳タグ)がある。
【0115】
節足動物の防除に適した固体または液体の毒餌は、1種またはそれ以上の一般式(I)の化合物と、節足動物による消費を誘発する食物またはいくつかの他の物質から成る担体または希釈剤とから構成される。
【0116】
本発明で使用される化合物の有効な使用用量は、特に、駆除すべき有害生物の種類、または、例えばこれらの有害生物による作物の汚染の程度次第で広範囲に変更し得る。概して、本発明化合物は通常は約0.05重量%〜約95重量%の1種以上の本発明の有効成分と、約1重量〜約95重量%の1種以上の固体または液体担体と、任意に、約0.1%〜約50%の1種以上の相溶性成分、例えば界面活性剤とを含有し得る。
【0117】
本明細書において、「担体」なる用語は、植物、種子または土壌などに対する有効成分の施用を容易にするために有効成分と併用される天然または合成の有機または無機の成分を意味する。従って、この担体は一般に不活性であり、許容性(例えば特に被処理植物に対して耕種学的に許容性)でなければならない。
【0118】
担体は、固体、例えば、クレー、天然または合成のシリケート、シリカ、樹脂、ワックス、固体肥料(例えばアンモニウム塩)、地中天然鉱物、例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイトもしくは珪藻土、または、地中合成鉱物、例えばシリカ、アルミナもしくはシリケート、特にアルミニウムもしくはマグネシウムシリケートである。顆粒剤の適当な固体担体としては、方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトなどの天然岩の砕粉または分割片;無機または有機粉末の合成顆粒;おが屑、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ包葉またはタバコ茎のような有機物の顆粒;珪藻土、リン酸三カルシウム、粉末コルク、または吸収性カーボンブラック;水溶性ポリマー、樹脂、ワックス;または固体肥料がある。このような固体組成物は所望の場合、1種以上の相溶性湿潤剤、分散剤、乳化剤または着色剤を含有し得、固体の場合にはこれらが希釈剤の機能も果たす。
【0119】
担体は、液体、例えば、水;アルコール、特にブタノールまたはグリコール及びそれらのエーテルまたはエステル、特にメチルグリコールアセテート;ケトン、特にアセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはイソホロン;石油留分、例えばパラフィン系または芳香族炭化水素、特にキシレンまたはアルキルナフタレン;鉱油または植物油;脂肪族塩素化炭化水素、特にトリクロロエタンまたはメチレンクロリド;芳香族塩素化炭化水素、特にクロロベンゼン;水溶性または強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリドン;液化ガス;などまたはその混合物でもよい。
【0120】
界面活性剤は、イオン型または非イオン型の乳化剤、分散剤もしくは湿潤剤またはこれらの界面活性剤の混合物でよい。これらの例として特に、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールもしくは脂肪酸または脂肪エステルもしくは脂肪アミンとの重縮合物、置換フェノール(特にアルキルフェノールまたはアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特にアルキルタウレート)、アルコールのリン酸エステル、エチレンオキシドとフェノールとの重縮合物のリン酸エステル、脂肪酸とポリオールとのエステル、または上記化合物の硫酸塩、スルホン酸塩もしくはリン酸塩の官能誘導体がある。有効成分及び/または不活性担体が水に難溶性または不溶性であり施用組成物の担体が水であるとき、通常は少なくとも1種類の界面活性剤の存在が必須である。
【0121】
本発明組成物は更に、接着剤または着色剤のような他の添加剤を含有し得る。カルボキシメチルセルロース、または、粉末、顆粒もしくは格子の形態の天然または合成のポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニル、天然リン脂質、例えばセファリンまたはレシチン、または合成リン脂質のような接着剤を組成物中に使用し得る。酸化鉄、酸化チタンまたはプルシアンブルーのような無機顔料、アリザリン染料、アゾ染料または金属フタロシアニン染料のような有機染料などの着色剤、または、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンまたは亜鉛の塩のような微量栄養素を使用することも可能である。
【0122】
節足動物、植物線虫、蠕形動物または原生動物のような有害生物を防除するために施用される一般式(I)の化合物を含有する組成物はまた、共力剤(例えば、ピペロニルブトキシドまたはセサメックス)、安定剤、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺植物線虫剤、殺蠕形動物剤、殺球虫剤、殺真菌剤(適宜農業用または獣医薬用、例えばベノミル及びイプロジオン)、殺菌剤、節足動物もしくは脊椎動物の吸引剤もしくは忌避剤またはフェロモン、脱臭剤、芳香剤、染料、または補助治療薬、例えば微量元素を含有し得る。これらは、必要に応じて、薬効、持続性、安全性、吸収、防除される有害生物のスペクトルを改良するように、または、組成物が同じ動物または被処理地区で他の有用な機能を発揮するように設計され得る。
【0123】
本発明の組成物に含有または併用され得る他の農薬活性化合物の例は、アセファート、クロルピリフォス、デメトン−S−メチル、ジスルフォトン、エトプロフォス、フェニトロチオン、フェンアミフォス、フォノフォス、イサゾフォス、イソフェンフォス、マラチオン、モノクロトフォス、パラチオン、フォレート、ホサロン、ピリミフォス−メチル、テルビュフォス、トリアゾフォス、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、ペルメトリン、テフルトリン、アルディカーブ、カルボスルファン、メトミル、オキサミル、ピリミカーブ、ベンジオカーブ、テフルベンズロン、ジコホル、エンドスルファン、リンダン、ベンズオキシメート、カータップ、シヘキサチン、テトラジフォン、アベルメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、チオファナート、トリクロルフォン、ジクロルボス、ジアベリジンまたはジメトリアダゾールである。
【0124】
従って農業用に施用する場合には、式(I)の化合物は一般に固体または液体の形態の種々の組成物の形態である。
【0125】
使用できる固体形態の組成物は、(式(I)の化合物含量80%以下の)散布用粉剤、水和剤または顆粒(水分散性顆粒を含む)であり、特に押出、圧縮、粒状担体の含浸、または粉末を出発物質とする造粒によって得られたものである(これらの水和剤または顆粒中の式(I)の化合物の含量は約0.5〜約80%である)。1種以上の一般式(I)の化合物を含有する均質または不均質な固体組成物、例えば、顆粒、ペレット、ブロックまたはカプセルは、貯留水または流水を一定期間処理するために使用され得る。水分散性濃縮物の擬餌または間断給餌を用いて本文中の記載と同様の効果が達成され得る。
【0126】
液体組成物は例えば、水性または非水性の溶液または懸濁液(乳剤、エマルジョン、フローワブル、分散液もしくは溶液)またはエアゾールである。液体組成物はまた、特に、乳剤、分散剤、エマルジョン、フローワブル、エアゾール及び水和剤(または散布用粉剤)、ドライフローワブルまたはペーストから成り、これらは液体組成物の形態であるかまたは施用時に水性噴霧剤(少量及び超少量)もしくは噴霧剤もしくはエアゾールのような液体組成物を形成する予定の組成物の形態である。
【0127】
例えば、乳剤または可溶性濃縮物の形態の液体組成物は大抵は約5重量%〜約80重量%の有効成分を含有し、そのままで施用できるエマルジョンまたは溶液は夫々、約0.01%〜約20%の有効成分を含有する。溶媒に加えて、乳剤または可溶性濃縮物は、必要な場合、約2%〜約50%の適当な添加剤、例えば、安定剤、界面活性剤、浸透剤、防腐剤、着色剤または接着剤を含有する。例えば植物に施用するために特に適当な任意の所要濃度のエマルジョンは、これらの濃縮物を水で希釈することによって得られる。これらの組成物は本発明で使用され得る組成物の範囲内に包含される。エマルジョンは油中水型または水中油型のいずれでもよく、濃密なコンシステンシーを有し得る。
【0128】
本発明の液体組成物は、通常の農業使用に加えて、例えば、節足動物(または本発明化合物によって防除される他の有害生物)が発生したまたは発生し易い基層または立地の処理、例えば地所、屋外もしくは屋内の貯蔵もしくは加工地区、容器もしくは設備、または貯留水もしくは流水の処理に使用され得る。
【0129】
これらの水性分散液またはエマルジョンまたは噴霧用混合物は、例えば、適当な手段、主として特に噴霧によって、作物に施用され得る。噴霧量は一般にはヘクタールあたり噴霧用混合物約100〜約1,200リットルのオーダであるが、必要または施用技術次第で、もっと多くても、もっと少なくてもよい(例えば、少量、または超少量)。本発明の化合物または組成物は、駆除すべき有害生物が棲息する植生、特に根または葉に施用し易い。本発明の化合物または組成物の別の施用方法はケミゲーション、即ち、有効成分含有製剤を潅漑用水に添加する方法である。この潅漑としては、茎葉用農薬に対してはスプリンクラー潅漑を用い、土壌用または浸透性農薬に対しては地表潅漑または地下潅漑を用いる。
【0130】
噴霧によって施用され得る濃縮懸濁液は、沈降しない安定な流体生成物(微粉砕)が得られるように調製され、通常は、約10重量%〜約75重量%の有効成分と、約0.5%〜約30%の界面活性剤と、約0.1%〜約10%の揺変剤と、約0%〜約30%の適当な添加剤、例えば抑泡剤、防腐剤、安定剤、浸透剤、接着剤とを含有し、担体として水を含有するかまたは有効成分を殆どもしくは全く溶解させない有機液体を含有している。沈降防止または水の凍結防止を支援するためにいくつかの有機固体または無機塩を担体に溶解させてもよい。
【0131】
水和剤(または散布用粉剤)は通常は、約10重量%〜約80重量%の有効成分と、約20%〜約90%の固体担体と、約0%〜約5%の湿潤剤と、約3%〜約10%の分散剤とを含有し、必要な場合には約0%〜約80%の1種以上の安定剤及び/または他の添加剤、例えば浸透剤、接着剤、凝固防止剤、着色剤、などを含有している。これらの水和剤を得るために、(1種または複数の)有効成分を適当なブレンダー内で添加物質と完全に混合し、多孔質充填剤に含浸させ、ミルまたは他の適当なグラインダーによって粉砕する。この手順によって有利な水和性及び懸濁性を有する水和剤が得られる。水和剤を水に懸濁させて所望の濃度にすることができ、この懸濁液は特に植物の茎葉施用に極めて有利である。
【0132】
「水分散性顆粒(WG)」(水に容易に分散する顆粒)は、水和剤の組成に実質的に近似の組成を有している。これらは、水和剤で記載された配合材料を湿式で造粒するか(微細有効成分を不活性充填剤及び少量例えば1重量%〜20重量%の水と接触させるか、または、分散剤もしくは結合剤の水溶液と接触させ、次いで乾燥し選別する)、または、乾式で造粒する(圧縮し、次いで粉砕して選別する)ことによって調製され得る。
【0133】
製剤組成物の形態の有効成分の施用量(有効薬用量)は一般に約0.005〜約15kg/ha、好ましくは約0.01〜約2kg/haの範囲である。従って、製剤組成物の薬用量及び濃度は、施用方法または組成物の種類またはその用途次第で調整し得る。概して、節足動物、植物線虫、蠕形動物または原生動物のような有害生物の防除に使用される組成物は、約0.00001重量%〜約95重量%、より特定的には約0.0005重量%〜約50重量%の1種以上の一般式(I)の化合物または全有効成分(即ち、一般式(I)の化合物と、節足動物、植物線虫に有毒な他の物質、殺線虫剤、殺球虫剤、共力剤、微量元素または安定剤)を含有している。実際に使用される組成物及びその施用薬量は、所望の効果を達成するように農業者、酪農家、医師及び獣医、有害生物防除班または他の当業者によって選択され得る。
【0134】
動物、木材、保存製品または家庭用品に局所使用するための固体または液体組成物は通常は、約0.00005重量%〜約90重量%、より特定的には約0.001重量%〜約10重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有し得る。動物に経口または非経口、例えば経皮投与される固体または液体組成物は通常は、約0.1重量%〜約90重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。薬物添加食物は通常は、約0.001重量%〜約3重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。食品に混合する濃縮物または補充物は通常は、約5重量%〜約90重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。無機塩リックは通常は、約0.1重量%〜約10重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。
【0135】
家畜、人体、商品、地所または屋外地区に施用するための粉剤または液体組成物は、約0.0001重量%〜約15重量%、より特定的には約0.005重量%〜約20重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。処理水中の1種以上の一般式(I)の化合物の適当な濃度は約0.0001ppm〜約20ppm、より特定的には約0.001ppm〜約5.0ppmであり、養魚場の治療目的に適当な接触時間で使用し得る。食用毒餌は約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%の1種以上の一般式(I)の化合物を含有している。
【0136】
脊椎動物に非経口、経口または経皮または他の手段で投与する場合、一般式(I)の化合物の投与計画は、脊椎動物の種類、年齢及び健康に左右され、また、節足動物、蠕形動物もしくは原生動物などの有害生物の種類または現在の発生の程度もしくは将来の発生の見込みに左右される。経口または非経口で投与する薬用量は、動物の体重1kgあたり約0.1〜約100mg、好ましくは約2.0〜約20.0mgであり、この量を一回で投与してもよく、または、持続性薬物処理として動物の体重1kgあたり約0.01〜約20.0mg、好ましくは約0.1〜約5.0mgを毎日投与してもよい。持続性放出製剤またはデバイスを使用すると、1日の必要薬用量の数カ月分の合計量を一度に動物に投与し得る。
【0137】
以下の組成物実施例4A〜4Lは、調製実施例で記載したような式(I)の化合物を有効成分として含有する、節足動物特にダニまたは昆虫、植物線虫類、蠕形動物または原生動物のような有害生物を防除する組成物を示す。実施例4A〜4Lに記載の組成物の各々を水に希釈し、圃場に使用するための適正濃度の噴霧可能組成物とする。以下の組成物実施例4A〜4Lに使用した成分(その割合はすべて重量%で示している)の商品名を以下に示す。
【0138】
商品名 化学的記述
EthylanBCP ノニルフェノールエチレンオキシド縮合物
SoprophorBSU トリスチリルフェノールエチレンオキシド縮合物
Arylan CA ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの70%w/w溶液
Solvesso150 軽C10芳香族溶媒
ArylanS ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
DarvanNo.2 リグノスルホン酸ナトリウム
CelitePF 合成マグネシウムシリケート担体
SoproponT36 ポリカルボン酸のナトリウム塩
Rhodigel23 多糖キサンタンガム
Bentone38 マグネシウムモンモリロナイトの有機誘導体
Aerosil 微細二酸化珪素
実施例4A
以下の組成の水溶性濃縮物を調製する:
有効成分 7%
EthylanBCP 10%
N−メチルピロリドン 83%
部分量のN−メチルピロリドンに溶解したEthylanBCPの溶液に、有効成分を添加し、溶解するまで加熱及び撹拌する。得られた溶液を残量の溶媒で希釈する。
【0139】
実施例4B
以下の組成の乳剤(EC)を調製する:
有効成分 7%
SoprophorBSU 4%
ArylanCA 4%
N−メチルピロリドン 50%
Solvesso150 35%
最初の3つの成分をN−メチルピロリドンに溶解し、次いでこれにSolvesso150を添加して最終容量にする。
【0140】
実施例4C
以下の組成の水和剤(WP)を調製する:
有効成分 40%
ArylanS 2%
DarvanNo.2 5%
CelitePF 53%
成分を混合しハンマーミルで粉砕して粒度50ミクロン未満の粉末にする。
【0141】
実施例4D
以下の組成の水性フローワブル製剤を調製する:
有効成分 40.00%
EthylanBCP 1.00%
SoproponT360 0.20%
エチレングリコール 5.00%
Rhodigel230 0.15%
水 53.65%
成分を均質混合し、平均粒度3ミクロン未満が得られるまでボールミルで粉砕する。
【0142】
実施例4E
以下の組成の懸濁乳剤を調製する:
有効成分 30.0%
EthylanBCP 10.0%
Bentone38 0.5%
Solvesso150 59.5%
成分を均質混合し、平均粒度3ミクロン未満が得られるまでボールミルで粉砕する。
【0143】
実施例4F
以下の組成の水分散性顆粒を調製する:
有効成分 30%
DarvanNo.2 15%
ArylanS 8%
CelitePF 47%
成分を均質混合し、流体エネルギーミルで微粉砕し、次いで水(10%まで)と共に噴霧することによって回転ペレタイザーで造粒する。得られた顆粒を、余剰の水分を除去する流動床ドライヤーで乾燥する。
【0144】
実施例4G
以下の組成の散布用粉剤を調製する:
有効成分 1〜10%
超微細タルク粉末 99〜90%
成分を均質混合し、更に必要に応じて粉砕して微粉とする。経口摂取によって節足動物を防除するためにこの粉末を節足動物発生箇所、例えば、節足動物が発生したかまたは発生する危険のあるゴミ捨て場、保存製品、家庭用品、動物に施用する。節足動物発生箇所に散布用粉剤を分布させる適当な手段としては、機械的送風機、手持ち振り出し容器、または家畜の自家治療デバイスがある。
【0145】
実施例4H
以下の組成の食用毒餌を調製する:
有効成分 0.1〜1.0%
小麦粉 80%
Molasses 19.9〜19%
成分を均質混合し、必要な毒餌形態にする。経口摂取によって節足動物を防除するために、この食用毒餌をアリ、イナゴ、ゴキブリまたはハエなどの節足動物が発生する居住用または事業用地所、例えば、厨房、病院または店舗、または屋外地区に撒く。
【0146】
実施例4I
以下の組成の溶液製剤を調製する:
有効成分 15%
ジメチルスルホキシド 85%
必要に応じて撹拌及び/または加熱を伴って有効成分をジメチルスルホキシドに溶解する。この溶液を、節足動物が侵入した家畜に注入施用で経皮投与してもよく、またはポリテトラフルオロエチレン膜(細孔サイズ0.22マイクロメーター)で濾過して滅菌後に動物の体重100kgあたり溶液1.2〜12mlの薬用量で非経口注射してもよい。
【0147】
実施例4J
以下の組成の水和剤を調製する:
有効成分 50%
EthylanBCP 5%
Aerosil 5%
CelitePF 40%
EthylanBCPをAerosilに吸収させ、次いで、他の成分と混合しハンマーミルで粉砕して水和剤とし、これを水で有効成分0.001〜2重量%の濃度に希釈し、双翅目幼虫または植物線虫のような節足動物の発生場所に噴霧によって施用するか、または、節足動物、蠕形動物または原生動物が発生しているかまたは感染する危険のある家畜に噴霧または浸漬または飲料水中の経口投与によって投与し、節足動物、蠕形動物または原生動物を防除する。
【0148】
実施例4K
必要に応じて以下の成分を種々のパーセンテージ(先の組成物と同様に重量%)で含有する顆粒から徐放性丸剤組成物を形成する:
有効成分
含浸剤
徐放剤
結合剤
均質混合した成分を顆粒にし、比重2以上の丸剤に圧縮する。家畜となる反芻動物に節足動物、蠕形動物または原生動物が侵入することを防除するためにこのような反芻動物に経口投与すると、蜂巣胃の内部に長期間維持されて活性化合物を連続的に徐放する。
【0149】
実施例4L
以下の組成の顆粒、ペレット、ブロックなどの形態の徐放性組成物を調製する:
有効成分 0.5〜25%
ポリ塩化ビニル 75〜99.5%
フタル酸ジオクチル(可塑剤) 触媒量
成分をブレンドし、溶融押出または成形によって適当な形態に形成する。これらの組成物は例えば、貯留水に添加して使用されてもよくまたは徐放によって有害生物を防除するように家畜に取り付ける首輪または耳タグを製造するために使用されてもよい。
Claims (5)
- 式(I):
R 2 は、R 11 S(O) n を示し、ここにnは0、1または2でR 11 はアルキルまたはハロアルキルであり、
R 3 は、水素またはアルキルを示し、
R 4 は、水素またはアルキルを示し、
R 5 は、水素またはアルキルを示し、
R 6 は、アルコキシ(アルコキシ) b {但し、bは1または2}を示し、
R 7 は、水素、ハロゲンまたはアルキルから成るグループから選択され、
R 9 は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシから成るグループから選択され、
R 8 及びR 10 は、互いに独立して水素またはフッ素を示し、
Xは、窒素原子またはC−R 12 を示し、ここにR 12 は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルキルチオまたはアルコキシから成るグループから選択され、
Yは、OまたはSを示す]で示される1−アリールピラゾール誘導体。 - 有効量の請求項1に記載の式(I)の1−アリールピラゾール誘導体または農薬として許容されるその塩を、農薬として許容される希釈剤または担体と共に含むことを特徴とする節足動物または蠕形動物防除用農薬組成物。
- 有効量の請求項1に記載の式(I)の1−アリールピラゾール誘導体または農薬として許容されるその塩で該当場所を処理することを特徴とする1つの場所の節足動物または蠕形動物防除方法。
- 場所が、作物の育成に使用されるかまたは使用されるべき地区であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 節足動物または蠕形動物の感染治療薬の製造に使用される請求項1に記載の式(I)の1−アリールピラゾール誘導体または農薬として許容されるその塩。
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