JP3727255B2 - Agc回路及び録画装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、AGC回路及び該AGC回路を搭載した録画装置に関する。特に、VTR(Video Tape Recorder)装置やDVD(Digital Versatile Disk)装置等の録画装置における信号処理の一部に本発明に係るAGC回路が適用される。
【0002】
【従来の技術】
例えば、VTR(Video Tape Recorder)装置においては、ビデオカメラやテレビチューナから供給されてくる複合映像信号をFM変調させて記録させる場合に、該複合映像信号に含まれている輝度信号の振幅を一定のレベルに揃えることが必要である。
また、DVD(Digital Versatile Disk)装置においては、入力されてくる輝度信号をMPEG2の信号形式にデータ変換する際には、前述のVTR装置の場合と同様に、輝度信号の振幅を一定のレベルに揃えることが必要である。
かかる輝度信号の振幅値を一定のレベルに調整制御する目的から、AGC(Automatic Gain Control)回路が採用されている。
【0003】
該AGC回路としては、アナログ処理の時代から、今日のデジタル処理の時代に至るまでに、種々の形式の回路が採用されてきている。かかるAGC回路のうち、一般に良く知られている代表的なAGC回路として、「National Technical Report」Vol.25,No.1(1979年2月発行)のp.102〜p.105に記載されているAGC回路と、特開昭58−127480号公報「AGC装置」,特開平11−289505号公報「映像信号処理回路」のそれぞれにて開示されているAGC回路とについて、以下に図を参照しながら説明する。
【0004】
まず、「National Technical Report」Vol.25,No.1(1979年2月発行)に記載されている従来の代表的なAGC回路の構成例について、図7に示す回路ブロックを参照しながら、説明する。なお、図7に示す該AGC回路は、以下に示すように、キードAGC(keyed AGC)動作とピークAGC(peak AGC)動作との併用型の回路構成となっている。
【0005】
図7に示す回路ブロックにおいて、71は、入力された複合映像信号に含まれている同期信号の振幅レベル即ち先端レベルを所定のレベルに揃えるための同期クランプ回路であり、72は、前記複合映像信号から同期信号を分離するための同期分離回路である。
【0006】
また、73は、同期分離回路72にて分離された同期信号を所定の時間遅延させるための同期遅延器であり、74は、同期遅延器73により遅延させた同期信号を整形して一定レベルの参照用パルスとして、複合映像信号に混合させるための混合器である。
【0007】
また、75は、AGCの動作閾値としての基準値を設定するための基準値設定器であり、76は、基準値設定器75で設定された基準値と混合器74からの複合映像信号のピーク振幅レベルを比較し、両者の差分を出力するピークレベル比較器であり、77は、ピークレベル比較器76からの差分の大きさに応じて変化させたVCA(Voltage−Controlled Amplifier)制御値を生成し、複合映像信号の増幅度を制御させるためのVCA制御値生成器であり、78は、VCA制御値生成器77から出力されたVCA制御値に応じて複合映像信号の増幅度を可変に増幅又は減衰せしめるためのAGC用VCA(Voltage−Controlled Amplifier)である。
【0008】
即ち、図7に示すAGC回路構成においては、同期遅延器73にて所定の時間遅延させた同期信号を、複合映像信号のペデスタルレベルから所定の振幅レベル、例えば、Vp1の振幅レベルにある参照用パルスとして整形せしめ、AGC用VCA78より出力された複合映像信号に対して、混合器74にて混合させることにより、合成信号を生成せしめ、該合成信号のピーク振幅レベルが、基準値設定器75で設定されている基準値(即ち、AGCの動作閾値)に一致するように、複合映像信号の振幅レベルが制御されることとなる。
【0009】
かかるAGC回路の動作について、更に、図8を用いて掘り下げて説明する。
ここに、図8は、図7に示す混合器74から出力される合成信号波形の一例を示すものである。また、符号Vrefは、基準値設定器75で設定されている基準値(即ち、AGCの動作閾値)のレベルを示し、符号Vp1は、混合器74において混合された参照用パルスのピーク振幅レベルを示し、符号Vp2は、AGC用VCA78より出力されて、混合器74において前記参照用パルスと混合される複合映像信号に含まれている映像信号のピーク振幅レベルを示している。
【0010】
まず、図8(A)に示すごとく、混合器74から出力された複合映像信号に含まれている参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1が、基準値Vrefにまで達していない場合、該参照パルスのピーク振幅レベルVp1が、基準値Vrefのレベルに一致するように、VCA制御値生成器77によりAGC用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の同期信号と映像信号とが共にレベル増幅されるように動作せしめられる。
【0011】
また、図8(B)に示すごとく、混合器74から出力された複合映像信号に含まれている参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1が、基準値Vrefを超過している場合、該参照パルスのピーク振幅レベルVp1が、基準値Vrefのレベルに一致するように、VCA制御値生成器77によりAGC用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の同期信号と映像信号とが共にレベル圧縮されるように動作せしめられる。
【0012】
即ち、図8(A)及び図8(B)の場合においては、キードAGC動作(Keyed AGC動作)が実行され、複合映像信号のうち、参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1は、基準値Vrefのレベルと一致するが、一方、映像信号のピーク振幅レベルVp2は、図8(A)においては、基準値Vrefを超えたレベルまで、増幅されてしまい、逆に、図8(B)においては、基準値Vrefより益々隔たった低いレベルにまで圧縮されてしまう。
【0013】
続いて、図8(C)に示すごとく、混合器74から出力された複合映像信号に含まれている参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1は、基準値Vrefと一致しているが、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値Vrefを超過している場合、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値Vrefのレベルに一致するように、VCA制御値生成器77によりAGC用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の同期信号と映像信号とが共にレベル圧縮されるように動作せしめられ、図8(D)に示すごとき複合映像信号となる。
【0014】
即ち、ピークAGC動作(Peak AGC動作)が実行され、複合映像信号のうち、映像信号のピーク振幅レベルVp2は、基準値Vrefのレベルと一致するが、参照パルスのピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)Vp1は、基準値Vrefよりも低いレベルにまで圧縮される。
【0015】
次に、AGC回路構成に関する別の従来技術として、特開昭58−127480号公報「AGC装置」にて開示されている技術について、図9に示す回路ブロックを参照しながら、説明する。該公報にて開示されているAGC回路は、テレビジョン装置やVTR装置のチューナに装備されることを前提として発明がなされたものである。
【0016】
図9において、91は、放送電波信号を受信するためのチューナであり、92は、選局された帯域のみを透過させるためのバンドパスフィルタBPFであり、93は、搬送波増幅用のアンプ(増幅器)である。
【0017】
また、94は、不要なスペクトルを除去するための表面波フィルタSWF(Surface Wave Filter)であり、95は、映像中間周波数を増幅するためのVIF(Video Intermediate Frequency Amplifier:中間周波数増幅器)である。
【0018】
また、96は、複合映像信号の帯域内から同期信号成分を抽出するためのバンドパスフィルタBPFであり、97は、BPF96により抽出された同期信号成分を増幅するためのVIFであり、98は、VIF97により増幅された同期信号成分から同期信号を分離するための同期分離回路SYNCSEPであり、99は、SYNCSEP98により分離された同期信号から、複合映像信号の同期信号のバックポーチ(即ち、同期信号パルスの後縁から帰線消去信号の後縁までの部分)に挿入するパルスを生成するための波形整形回路である。
【0019】
かかる回路構成において、キードAGC(keyed AGC)機能が内蔵されている回路ブロックがVIF95であり、一方、ピークAGC(peak AGC)機能が内蔵されている回路ブロックがVIF97である。したがって、かかる構成においては、映像信号に直接的に作用を及ぼすAGCは、キードAGCのみとなっている。
【0020】
次いで、AGC回路構成に関する更なる別の従来技術として、特開平11−289505号公報「映像信号処理回路」にて開示されている技術について、図10に示す回路ブロックを参照しながら、説明する。該公報にて開示されているAGC回路は、AGC回路の応答速度を改善せしめ、かつ、AGCエラー生成回路の構成をより簡略化することを意図して発明がなされたものである。
【0021】
図10において、101は、入力されたアナログビデオ信号を増幅するためのゲインコントロールアンプであり、102は、周波数帯域制限用のプリフィルタであり、103は、複合映像信号のシンクレベルを揃えるためのクランプ回路である。
【0022】
また、104は、アナログビデオ信号をデジタルデータ信号に変換するためのA/Dコンバータであり、105は、複合映像信号に含まれている同期信号成分を抽出するための低域フィルタLPFである。
【0023】
また、106は、ピークAGC動作のためのピーク振幅レベルを得るためのピークAGCレベル検出回路であり、一方、107は、シンクAGC動作(あるいは、キードAGC動作)のためのシンクレベルを得るためのシンクAGCレベル検出回路である。
【0024】
また、108は、ピークAGC動作とシンクAGC動作(あるいは、キードAGC動作)とを切り替えるための信号選択回路である。
更に、109は、ピークAGCレベル検出回路106あるいはシンクAGCレベル検出回路107から信号選択回路108を介して出力されたAGCレベルを対数化するための対数変換回路である。
【0025】
また、110は、AGCの収束値(目標値)を設定するためのレベル設定器であり、111は、対数変換回路109にて対数変換されたAGCレベルとレベル設定器110で設定された収束値(目標値)との差分を得るための減算器であり、112は、減算器111からの差分に、所定の係数を掛け合わせた補正量を得るための係数器である。
【0026】
更に、113,114,115は、それぞれ加算器,リミッタ,遅延回路であり、係数器112からの補正量を積分するための積分回路ブロックを構成している。
【0027】
更に、116は、AGCループゲインを設定するためのゲインデコーダであり、117は、ゲインコントロールアンプ101で発生したレベル変動分を補償するための乗算器である。
【0028】
かかる一連の回路ブロックにより構成された映像信号処理回路において、AGC回路の応答速度を高速化するための処理は、ピークAGCレベル検出回路106において、入力映像信号の変化レベルが大きいことを検出した場合に、ピークAGCの動作時間単位をフィールドあるいはフレーム時間単位から水平ライン時間単位に切り替えることによって実現している。
また、AGCの制御値生成に関する回路規模の低減化(即ち、AGCエラー生成回路構成の簡略化)については、対数変換回路109によってAGC制御値を対数化して低ビットレート化することにより、実現している。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のAGC回路構成においては、以下のごとき問題を有している。
【0030】
即ち、図7に示すキードAGC(keyed AGC)動作とピークAGC(peak AGC)動作との併用型AGC回路においては、次のごとき問題を有している。
まず、第1の問題として、AGC動作が不安定となり、複合映像信号にリップルが発生する場合があることが挙げられる。
【0031】
即ち、図7に示すAGC用VCA78より出力された複合映像信号が、たとえば、図8(D)に示すごとき状態にある場合、図7の混合器74に入力された複合映像信号のうち、映像信号のピーク振幅レベルVp2は、基準値Vrefのレベルと一致しているが、参照パルスのピーク振幅レベルVp1が、基準値Vrefにまで達していないため、VCA制御値生成器77によりAGC用VCA78の利得制御がなされ、複合映像信号中の同期信号と映像信号とが共にレベル増幅されるように、AGC用VCA78の利得を増大させんとする。
【0032】
而して、AGC用VCA78の利得が増大すると、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値Vrefのレベルを超過してしまうため、今度は、逆に、AGC用VCA78の利得を減少せしめんとする。
【0033】
かくのごとく、参照パルスのピーク振幅レベルVp1を基準値Vrefのレベルに一致せしめんとするキードAGC(keyed AGC)動作と、映像信号のピーク振幅レベルVp2を基準値Vrefのレベルに一致せしめんとするピークAGC(peak AGC)動作とが交互に切り替わる状態が生起して、AGC動作が不安定となり、複合映像信号レベルに関し、時間によるレベル変動(即ち、リップル)が発生する要因となる。
【0034】
また、第2の問題としては、一画面内に輝度むらが発生する場合があることにある。
即ち、一般に、キードAGC(keyed AGC)動作の応答時間は、一画面(即ち、一フィールド)時間内に設定されているため、従来のAGC動作においては、ピークAGC(peak AGC)動作についても、一画面時間内に応答することとなるが故に、一画面内で、映像信号のピーク振幅レベルVp2が、基準値Vrefを超過する場合と超過しない場合とがあると、両者の場合について、複合映像信号の振幅レベルに相違が発生することとなり、一画面内で輝度むらが発生してしまうこととなる。
【0035】
更には、第3の問題としては、同期信号の分離が不安定となる場合もある点にある。
即ち、図7に示すAGC回路においては、同期分離回路72に入力する同期分離入力信号を、同期クランプ回路71の出力である複合映像信号としているが、もし、AGC回路に入力され、同期クランプ回路71から出力されている複合映像信号に含まれている同期信号の振幅レベルが小さい場合には、同期分離回路72での同期分離が不安定となってしまう。
【0036】
かかる不安定を防止する手段として、同期分離回路72に入力する同期分離入力信号を、同期クランプ回路71ではなく、AGC用VCA78の出力である複合映像信号とすることも可能ではあるが、ピークAGC(peak AGC)が動作した場合には、たとえ、AGC用VCA78の出力の複合映像信号を用いる場合であっても、同期信号の振幅レベルが小さくなってしまうことがあるため、前述の同期クランプ回路71の出力を用いる場合と同様に、同期分離が不安定となる場合を防ぎ切れない。
【0037】
続いて、特開昭58−127480号公報「AGC装置」にて開示されているAGC回路の構成については、次のごとき問題がある。
即ち、図9に示すごとく、ピークAGC動作が、同期分離回路SYNCSEP98により、入力された複合映像信号から同期信号を分離させる場合に対しては作用しているものの、入力された複合映像信号のうちの映像信号に対しては、直接的に作用していないため、入力された映像信号に直接作用することができるAGCの効果は、キードAGCのみとなってしまっている。
【0038】
而して、映像信号に重畳された同期信号の振幅レベルが基準レベルよりも小さい場合には、映像信号に対するAGCゲインが増加し過ぎることによる信号歪が発生してしまうという弊害が生じる。
【0039】
更には、同期分離用の複合映像信号に、キードAGCを作用させていないため、図7に示す併用型AGC回路における第3の問題として前述した場合と同様に、同期信号の振幅レベルが基準レベルよりも小さい場合に、同期分離が不安定となるという問題も有している。
【0040】
また、特開平11−289505号公報「映像信号処理回路」にて開示されているAGC回路の構成については、次のごとき問題がある。
即ち、図7に示す併用型AGC回路の場合における第1の問題と同様に、図10に示すキードAGC動作の制御とピークAGC動作の制御とが、同一のゲインコントロールアンプ101に作用しているため、キードAGC制御とピークAGC制御との切り替え時にAGC動作の不安定を招き、複合映像信号レベルに関し、時間によるレベル変動(即ち、リップル)が発生することとなるという問題がある。
【0041】
また、AGC回路の応答速度を高速化させるために、前述のごとく、入力複合映像信号の変化レベルが大きい場合に、ピークAGC動作の動作時間単位をフィールドあるいはフレーム時間単位から水平ライン時間単位に切り替える処理が行なわれている。
しかしながら、水平ライン時間単位毎の処理では、一画面内での輝度むらの発生を防止することは難しいという問題を有している。
そこで、図10に示すAGC回路においては、後段の乗算器117において、かかる一画面内での輝度むらの発生を防止するための制御がなされることとしている。
【0042】
しかしながら、たとえば、ピークAGC動作の動作基準値(即ち、図10に示すレベル設定器110にて設定されているAGCの収束値)を超過した画素が、一画面内で、100ライン分の時間間隔を隔てて2画素存在していた場合において、一つ目の画素が、動作基準値の1.5倍、また、二つ目の画素が、動作基準値の2.0倍のレベルであったとすると、ピークAGC動作が、あくまでも、フィードバック制御であるために、原理的にも、一つ目の画素に関して、前記動作基準値の超過が検知された際に設定されるAGC制御値と、該一つ目の画素から100ライン分の時間間隔が隔たった二つ目の画素に関して、前記動作基準値の超過が検知された際に設定されるAGC制御値とが、同一の値となることはあり得ない。
而して、後段の乗算器117で、たとえ、一画面内の輝度むらを補正せんとしたとしても、完全に補正することはできない場合が存在していることとなる。
【0043】
以上に示した従来技術における問題を整理すると、次の3つの問題に纏められる。即ち、
第1の問題は、キードAGC動作とピークAGC動作との切り替え時において、複合映像信号にリップルが発生することにある。
第2の問題は、AGC応答速度を向上させる対策として、ピークAGCの動作時間単位を水平ライン時間単位とすると、一画面内における輝度むらが生じることとなる波形歪の問題を回避することができないことにある。
第3の問題は、同期信号の振幅レベルが小さい場合に、同期信号を分離させる同期分離動作が不安定となることにある。
【0044】
かかる3つの問題について、複合映像信号にリップルが生ずるとの第1の問題の発生要因は、キードAGC動作のフィードバック制御ループとピークAGC動作のフィードバック制御ループとを共用させていることにある。
【0045】
また、一画面内での波形歪が生ずるとの第2の問題の発生要因は、ピークAGC動作の応答速度を向上させる手法として水平ライン時間単位に切り替えて駆動させていることにある。
【0046】
更に、同期信号の振幅レベルが小さい場合に同期分離動作が不安定となる第3の問題の発生要因は、同期分離入力信号に関して、同期信号のみの振幅レベルを所定の値となるように、他の映像信号の振幅制御とは独立させた制御がなされていない点にある。
【0047】
本発明に係るAGC回路及び録画装置は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、前記第1の問題に関しては、キードAGC動作のフィードバック制御ループとピークAGC動作のフィードバック制御ループとを全く独立させた構成とすることにより解決せんとするものである。
【0048】
また、前記第2の問題に関しては、ピークAGC動作における複合映像信号のピーク振幅レベルの検出周期を、一画面時間分に相当するフィールド時間単位毎の周期に固定することにより、一画面内における輝度むらの発生という波形歪の問題を回避せんとするものである。
なお、前記ピーク振幅レベルの検出周期を、フィールド時間単位毎の周期に固定する際において生じることとなる、複合映像信号の振幅レベルの急峻な変動が発生した場合におけるピークAGC動作の追従速度の低下という問題に関しては、かかる急岐な変動を示す過渡応答中であることを検知して、かくのごとき過渡応答期間にある場合にあっては、ピークAGC動作を制御するためのAGCエラー量(即ち、AGCゲインの変化量)を増加させて、追従速度を向上させることにより、対処せんとするものである。
【0049】
更には、前記第3の問題に関しては、前記第1の問題に対する解決手段と同様に、キードAGC動作のフィードバック制御ループとピークAGC動作のフィードバック制御ループとを全く独立させた構成として、ピークAGC動作に対して独立動作が可能となったキードAGC動作により、一定の振幅レベルに調整された同期信号を含む複合映像信号を同期分離のための信号とすることにより、解決せんとするものである。
【0050】
【課題を解決するための手段】
第1の技術手段は、入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルとあらかじめ定められたピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値としてあらかじめ定められた閾値を超過している場合には、各前記周期毎に、前記差分に比例した調整量で、変化するAGCゲインを生成せしめ、逆に、前記過渡応答閾値を超過していない場合には、各前記周期毎に、前記差分の大きさの如何によらず、あらかじめ定められた微小な一定調整量で、変化するAGCゲインを生成せしめることを特徴とするものである。
【0052】
第2の技術手段は、入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値を超過していない場合においては、前記複合映像信号の振幅レベルが前記ピークAGC基準値を、各前記周期毎に、超過している超過回数を計数することにより、該超過回数が、あらかじめ定められた基準回数を超過している際には、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な一定調整量で減衰せしめ、逆に、前記超過回数が、前記基準回数を超過しない限りにおいては、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な前記一定調整量で減衰量をゼロにせしめることを特徴とするものである。
【0053】
第3の技術手段は、入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値を超過している場合においては、各前記周期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基準値よりも大きい場合は、前記AGCゲインを、前記差分に比例した調整量で減衰せしめ、逆に、各前記周期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基準値を超過しない限りにおいては、前記AGCゲインを、前記差分に比例した前記調整量で減衰量をゼロにせしめることを特徴とするものである。
【0054】
第4の技術手段は、前記第1乃至第3の技術手段のいずれかに記載のAGC回路において、前記ピークAGC動作手段は、各前記周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とが一致している場合、入力された該ピーク振幅レベルをそのまま維持するAGCゲインを生成せしめることを特徴とするものである。
【0055】
第5の技術手段は、前記第1乃至第4の技術手段のいずれかに記載のAGC回路において、前記あらかじめ定められた各周期が、一画面時間を示すフィールド時間単位の周期であるとするAGC回路とすることを特徴とするものである。
【0056】
第6の技術手段は、前記第1乃至第5の技術手段のいずれかに記載のAGC回路を備えている録画装置とすることを特徴とするものである。
【0057】
即ち、前述のごとき各技術手段を採用したAGC回路を構成することにより、キードAGC(keyed AGC)動作とピークAGC(peak AGC)動作との切り替え時に発生するリップルを防止することができ、入力ビデオ信号即ち入力複合映像信号の振幅レベルの変化量が大きい場合であっても、AGC回路の応答時間に問題がなく、また、同期信号を分離する同期分離に関しても、キードAGC動作によって同期信号の振幅レベルが安定した複合映像信号に含まれている同期信号成分から確実に同期分離が行なわれるため、安定したAGC動作が実現されることになる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るAGC回路及び録画装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るAGC回路の回路構成の一例を示した回路ブロック図である。ここに、図1に示すごとく、本発明に係るAGC回路1は、キードAGC(keyed AGC)動作を行なうキードAGC動作部1aと、ピークAGC(peak AGC)動作を行なうピークAGC動作部1bとの2つの回路ブロックから構成されており、それぞれの回路ブロックが、互いに独立して動作を行なうことが可能な構成となっている。
【0059】
図1において、11は、キードAGC用VCA(Voltage−Controlled Amplifier)であり、AGC回路に入力された複合映像信号の振幅レベルに関し、キードAGC動作により、複合映像信号のうち、同期信号成分の振幅レベルが、キードAGC基準値設定器14にて設定されているキードAGC基準値のレベルと一致するように、制御がなされる。
【0060】
12は、低域フィルタLPFであり、キードAGC用VCA11からの複合映像信号から、映像信号成分と高域ノイズ成分とを除去し、同期信号成分を抽出して取り出すためのものである。
【0061】
13は、同期分離回路であり、低域フィルタLPF12からの同期信号成分から同期信号を分離して、分離されて得られた水平同期信号を基に、キードAGC用VCA制御値生成回路15用のゲート信号であるゲートパルスAと、分離して得られた垂直同期信号を基に、ピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBとを生成するものである。
【0062】
15は、前述のごとく、キードAGC用VCA制御値生成回路であり、同期分離回路13から供給されるキードAGC用VCA制御値生成回路15用のゲート信号であるゲートパルスAのタイミングにて、低域フィルタ12からの同期信号成分のピーク振幅レベルと、キードAGC基準値設定器14で設定されているキードAGC収束値(即ち、キードAGC基準値)とのずれ量を検出して、該ずれ量に比例したキードAGC制御値を、キードAGC用VCA11に対して出力することにより、キードAGC用VCA11の出力である複合映像信号に含まれる同期信号のピーク振幅レベルが、キードAGC基準値設定器14で設定されているキードAGC収束値(即ち、キードAGC基準値)と一致した振幅レベルとなるように、AGCループゲインの利得制御がなされ、キードAGCループ制御を実行せしめる。
【0063】
16は、同期クランプ回路であり、複合映像信号に含まれている同期信号のピーク振幅レベル(即ち、先端レベル)が、所定の振幅レベルに揃うように動作し、ピークAGC用VCA17に対して出力するものである。
【0064】
17は、前述のごとく、ピークAGC用VCAであり、同期クランプ回路16から出力される複合映像信号の振幅レベルに関し、ピークAGC動作により、複合映像信号のうち、映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値のレベルと一致するように制御がなされる。
【0065】
18は、低域フィルタLPFであり、ピークAGC用VCA17のピークAGC動作により制御されるべき複合映像信号が、極めて短い時間幅のインパルス性ノイズに対して応答して動作してしまうことを防止するためのものである。
【0066】
19は、ピークAGC用VCA制御値生成回路であり、一画面時間分に相当するフィールド時間周期毎に、即ち、同期分離回路13から供給されてくるピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの発生周期毎に、周期的に、低域フィルタ18からの複合映像信号のピーク振幅レベルと、ピークAGC基準値設定器20で設定されている参照値(即ち、ピークAGC用基準値)とが比較され、該参照値を超過していた場合には、ピークAGC用VCA17に対して、VCA利得を下げるような減衰利得を与えるAGC制御値(即ち、AGCゲイン)を出力する。
【0067】
一方、該参照値を超過していない場合においては、ピークAGC用VCA17に対して、VCA利得を上げるような増幅利得を与えるAGC制御値(即ち、AGCゲイン)を出力する。
【0068】
更には、該参照値と一致している場合には、ピークAGC用VCA17のVCA利得を「1」の値(即ち、入力ピーク振幅レベルをそのまま維持して出力する値)とするようなAGC制御値(即ち、AGCゲイン)を出力する。
【0069】
ここで、ピークAGC用VCA制御値生成回路19の動作について、図2を用いて、更に詳細に説明する。図2は、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19を構成する回路ブロックの一例を示すブロック構成図である。
【0070】
図2において、図1に示す低域フィルタLPF18からの複合映像信号は、入力値判定器19aと最大値判定器19cとにそれぞれ入力される。
まず、入力値判定器19aにおいては、入力された複合映像信号のピーク振幅レベルが、図1に示すピークAGC基準値設定器20で設定されている参照値(即ち、ピークAGC基準値)を、図1に示す同期分離回路13からのピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの発生時間間隔(即ち、一画面時間を示すフィールド時間単位の周期)の間に、何回超過したかをカウントしていき、該カウントにより求められた超過回数を、エラー値生成器1 19bに出力する。
【0071】
エラー値生成器1 19bにおいては、入力された前記超過回数が、各周期毎に(即ち、一画面時間を示すフィールド時間単位の周期毎に)、あらかじめ定められた所定の閾値である基準回数を超過しているか判定し、該基準回数を超過していると判定した場合には、あらかじめ定められた正の所定のエラー値(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、微小な一定調整量で減衰せしめる値)を、エラーAとして、後段の切替回路SWITCH19fに出力し、逆に、該基準回数を超過していないと判定した場合には、あらかじめ定められた負の所定のエラー値(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、逆に、微小な前記一定調整量で減衰量をゼロにせしめる値)を、エラーAとして、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。
【0072】
一方、最大値判定器19cにおいては、入力された複合映像信号のピーク振幅レベルが、図1に示す同期分離回路13からのピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの発生時間間隔(即ち、一画面時間を示すフィールド時間)の間における最大値となっている最大ピーク振幅レベルを導出する。
【0073】
導出された前記最大ピーク振幅レベルは、エラー値生成器2 19dと過渡応答モード判定器19eとに出力される。
まず、エラー値生成器2 19dにおいては、入力されてきた前記最大ピーク振幅レベルと、図1に示すピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値(即ち、参照値)との差分を求めた後、該差分に所定の係数(即ち、AGCゲインに比例する所定の数値)を乗算せしめて、エラーBとして、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。ここで、入力された前記最大ピーク振幅レベルが、前記ピークAGC用基準値よりも大きい場合には、エラーBとして、正の値(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、前記差分に比例した調整量で減衰せしめる値)を出力し、逆に、前記ピークAGC用基準値を超過しない限りにおいては、エラーBとして、負の値(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインを、逆に、前記差分に比例した調整量で減衰量をゼロにせしめる値)を出力する。
【0074】
一方、過渡応答モード判定器19eにおいては、入力されてきた前記最大ピーク振幅レベルと図1に示すピークAGC基準値設定器20で設定されている前記ピークAGC基準値との差分が、あらかじめ定められた所定の過渡応答閾値よりも大きい場合には、当該ピークAGC動作が、過渡応答期間であるものと判定し、例えば、「1」の論理値を、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。
【0075】
逆に、該差分が、あらかじめ定められた所定の前記過渡応答閾値よりも大きくない場合には、当該ピークAGC動作が、安定動作期間にあるものと判定して、例えば、「0」の論理値を、後段の切替回路SWITCH19fに出力する。
【0076】
ここで、過渡応答モード判定器19eから後段の切替回路SWITCH19fに出力される前記論理値は、後段の切替回路SWITCH19fにおける切替制御用のコントロール信号となるものであり、切替回路SWITCH19fにおいては、例えば、論理値が「1」の場合、即ち、過渡応答期間にあると判定された場合には、エラー値生成器2 19dからのエラーBが選択されて、選択エラー値として出力され、一方、論理値が「0」の場合、即ち、安定動作期間にあると判定された場合には、エラー値生成器1 19bからのエラーAが選択されて、選択エラー値として出力される。
【0077】
次に、切替回路SWITCH19fから出力される前記選択エラー値について、図3を用いて、更に詳細に説明する。
図3は、図2に示す切替回路SWITCH19fから出力される前記選択エラー値と、図2に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力された複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とのずれ量(即ち、差分)との関係を模式的に示すグラフであり、横軸に前記ずれ量(即ち、差分)を、縦軸に前記選択エラー値を示している。
ここに、前記ずれ量とは、最大値判定器19cにおいて導出された前記最大ピーク振幅レベルと、図1に示すピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値との差分を示すものである。
【0078】
また、図2に示す過渡応答モード判定器19eにおいて過渡応答期間の判定用として用いられるあらかじめ定められた所定の前記過渡応答閾値が、図3においては、横軸のずれ量の値として、「a」あるいは「−a」と表示されている。ここに、「a」は正数としている。
【0079】
更に、ずれ量が少なく、安定動作期間と判定されている際に、切替回路SWITCH19fにおいて、選択エラー値として、選択されることとなるエラー値生成器1 19bからエラーAとして出力されている微小な一定値(即ち、あらかじめ定められた微小な一定調整量)が、図3においては、縦軸のエラー値として、「b」あるいは「−b」と表示されている。ここに、「b」は正数としている。
なお、前記ずれ量(即ち、差分)が、前記過渡応答閾値「a」あるいは「−a」となった時点において、エラー値生成器2 19dからエラーBとして出力されている値も、「b」あるいは「−b」となるように、エラー値生成器2 19dのゲイン(即ち、前記所定の係数)が制御されている。
【0080】
而して、図3において、入力された複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とのずれ量xと、切替回路SWITCH19fから出力される前記選択エラー値yとの関係は、次の式(1),(2),(3)により表現される。即ち、AGCの安定動作期間を示す0≦|x|≦|a|の場合においては、
x=0の場合、 y=0 (1)
0<|x|≦|a|の場合、 y=|b| (2)
ここに、符号| |は絶対値を示し、xの値が正数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、a,bであり、xの値が負数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、−a,−bである。
【0081】
即ち、ずれ量xが極めて小さいAGC動作の安定動作期間においては、ずれ量(即ち、差分)xが全くない場合でない限り(即ち、x≠0の場合)、式(2)に示すごとく、前記選択エラー値yとしては、xが正数であれば、差分の大きさの如何によらず、微小な一定の正数であるbを、逆に、xが負数であれば、差分の大きさの如何によらず、微小な一定の負数である−bを出力することとなる。また、ずれ量xがない0である場合(即ち、x=0の場合)には、式(1)に示すごとく、前記選択エラー値yも0を出力する。
【0082】
なお、AGC動作の安定動作期間においては、ずれ量xが極めて小さい場合であり、前述したように、ピーク振幅レベルがピークAGC基準値を超過している超過回数に応じて、前記基準回数よりも多い場合には、正の微少な一定調整量bを、逆に、前期基準回数を超えていない場合には、全く一致している場合でない限り、負の微少な一定調整量−bを出力することとしている。
【0083】
一方、AGC動作の過渡応答期間を示す|x|>|a|の場合においては、ずれ量xが大きく、過渡応答期間と判定された場合に該当しており、かかる場合においては、切替回路SWITCH19fにおいて選択されることとなるエラー値生成器2 19dからエラーBとして出力されている値が、選択エラー値yとなる。
即ち、次の式(3)のごとくになる。
|x|>|a|の場合、 y=α(x−|a|)+|b| (3)
ここに、αは、前述した所定の係数(即ち、AGCゲインに比例する所定の数値)であり、ずれ量xに対して乗算する値を示すものであり、正の数である。
また、前述した式(1),(2)の場合と同様に、xの値が正数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、a,bであり、xの値が負数であれば、|a|,|b|は、それぞれ、−a,−bである。
【0084】
而して、過渡応答期間の閾値を示すx=|a|において設定されている、選択エラー値y=|b|を起点として、ずれ量xの大きさに比例して、選択エラー値yの大きさも、変化して出力されることとなる。
【0085】
即ち、エラーBは、前述のごとく、エラー値生成器2 19dに入力されてきた複合映像信号の前記最大ピーク振幅レベルと、前記ピークAGC用基準値との差分を求めて、該差分に所定の係数(即ち、AGCゲインに比例する所定の数値)αを乗算せしめたものであり、過渡応答期間におけるずれ量xに対する選択エラー値yの係数αは、エラー値生成器2 19dにおいて、前記所定の係数(即ち、AGCゲインに比例する所定の数値)として設定される。
【0086】
次に、図2に戻り、切替回路SWITCH19fから出力された前記選択エラー値が入力される積分器19g以降の回路の動作について説明する。
即ち、切替回路SWITCH19fから出力された図3に示すごとき特性を有する前記選択エラー値は、積分器19gによって、積分される。
ここに、積分の周期は、図1に示す同期分離回路13からのピークAGC用VCA制御値生成回路19用のゲート信号であるゲートパルスBの発生時間間隔(即ち、一画面時間を示すフィールド時間の周期)である。
【0087】
積分器19gで積分された前記選択エラー値は、ループゲイン調整回路19hに入力されて、ループ利得調整が行なわれ、ループ利得調整値として、後段の減算器19iに出力される。
減算器19iにおいては、ピークAGC初期動作ゲイン設定器19jにて設定されている初期AGゲイン値から、ループゲイン調整回路19hから出力されてくる前記ループ利得調整値を差し引いて、図1に示すピークAGC用VCA17のAGC制御値(AGゲイン)として、ピークAGC用VCA制御値生成回路19から出力される。
【0088】
ここで、次に示す2つの事例を用いて、前述したピークAGC動作に関する動作例について、更に具体的に説明する。
【0089】
まず、第1の事例として、図1に示すキードAGC用VCA11に入力された複合映像信号の同期信号のピーク振幅レベルが、キードAGC基準値設定器14で設定されているキードAGC収束値(即ち、キードAGC基準値)よりも小さいために、キードAGC動作のゲインが増大されている場合における、ピークAGC動作について説明する。
【0090】
キードAGC動作のゲイン増加によって、たとえば、ピークAGC用VCA17に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値のレベルの約2倍にまで増大していたとすると、かかる場合においては、ピークAGC動作側の図2に示す過渡応答モード判定器19eによって、過渡応答期間にある動作状態と判定される。
【0091】
而して、切替回路SWITCH19fから出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、エラー値生成器2 19dから出力されるエラーBとなる。
したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択エラー値即ちエラーBは、各周期毎に、ピークAGC基準値との間のずれ量(即ち、差分)に比例した大きな正の値(即ち、AGCゲインを減衰せしめる方向に調整する大きな調整量)となるので、図2に示す積分器19gから、該調整量が累積されて出力される積分量が大幅に増大することとなり、該積分量の変化がプラス側に大きくなる。
【0092】
而して、図2に示すループゲイン調整回路19hから出力されるループ利得調整値が急速に増大するため、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19から出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC制御値(即ち、AGCゲイン)が、AGCゲインを減衰せしめる方向に急速に増大して変化することとなり、ピークAGC用VCA17のAGCゲインが、各周期毎に、急速に減衰されていくこととなる。
【0093】
ピークAGC用VCA17のAGCゲイン低下に伴い、ピークAGCのループゲインの設定値如何にも依存するが、通常、約5フィールド時間程度の時間が経過すれば、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値のレベルに対して、所定の範囲、即ち、前記過渡応答閾値の範囲に収まり、図2に示す過渡応答モード判定器19eによって、安定動作期間に移行しているとの判定がなされる。
【0094】
而して、切替回路SWITCH19fから出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、エラー値生成器1 19bから出力されるエラーAとなる。
したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択エラー値即ちエラーAは、ピークAGC基準値との間のずれ量の如何によらず、微小な一定調整量(即ち、図3においては、一定値である|b|)となるので、かかる微小な一定調整量(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインに対する微小な一定調整量)が、各周期毎に、図2に示す積分器19gから累積出力されることとなり、積分器19gの出力である積分量の変化は極めて小さい量となる。
【0095】
かくのごときAGC動作がなされた結果、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19から出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC制御値(即ち、AGCゲインの変化量)がごく小さいものとなり、ピークAGC用VCA17から出力されるピークAGC複合映像信号は安定したものとなる。
【0096】
以上に示す第1の事例、即ち、ピークAGC用VCA17に入力されてくる複合映像信号のレベルの急峻な振幅増加が発生した場合におけるピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCA17から出力されてくるピークAGC複合映像信号の一連の変化を、図4に示している。
即ち、図4においては、ピークAGC用VCA17から出力されてくるピークAGC複合映像信号に関して、かかる第1の事例の場合における振幅レベルの時間的な変化の状況を示している。
【0097】
なお、図4において、ピークAGC複合映像信号の振幅レベルの変化に関する時間的な周期は、1画面時間単位(即ち、1フィールド時間単位)の周期となっている。
また、図4には、ピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルを破線により結んで示しているが、かかる破線に示すごとく、過大な振幅レベルの複合映像信号の入力がなされた過渡応答期間から安定動作期間のAGC動作状態に至るまでに、約5フィールド時間程度と、極めて迅速に応答して、一点鎖線で示すピークAGC基準値のレベルまで移行させることが可能である。
【0098】
また、図4において二点鎖線で示す直線は、ピークAGC動作の動作モードを常に安定動作期間のみとした場合におけるピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルの変化を示しており、ピークAGC基準値に到達するまでの応答時間が極めて長くなっている状態を示している。
【0099】
次に、第2の事例として、図1に示すピークAGC用VCA17に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、過大なレベルになっていたために、AGCゲインが下がっている状態(即ち、利得減衰量が増大している状態)において、標準の振幅レベル(即ち、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値と同一レベル)にある複合映像信号が切り替わって入力されてきた場合における、ピークAGC動作について説明する。
【0100】
かかる場合においては、利得減衰量が増大している状態にあるピークAGC用VCA17から出力されて、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19に対して入力される入力複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値に比して、大幅に下回ってしまうので、図2に示す過渡応答モード判定器19eによって、過渡応答期間にある動作状態として判定される。而して、切替回路SWITCH19fから出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、エラー値生成器2 19dから出力されるエラーBとなる。
【0101】
したがって、図3のグラフにて説明した通り、かかる場合においては、ピークAGC基準値とのずれ量(即ち、差分)がマイナス側になり、選択エラー値即ちエラーBは、各周期毎に、ピークAGC基準値との間のずれ量(即ち、差分)に比例した大きな負の値(即ち、AGCゲインを増幅せしめる方向に調整する大きな調整量)となるので、図2に示す積分器19gから出力される積分量が、大幅に放出(減少)されていくこととなり、該積分量の変化がマイナス側に大きくなる。
【0102】
而して、図2に示すループゲイン調整回路19hから出力されるループ利得調整値が急速に減衰するため、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19から出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC制御値が、AGCゲインを増幅せしめる方向に急速に増加して変化することとなり、ピークAGC用VCA17のAGCゲインが、各周期毎に、急速に増加して、「1」(即ち、入力の振幅レベルをそのまま出力するAGCゲイン)に近づいていくこととなる。
【0103】
ピークAGC用VCA17のAGCゲインが急速に「1」に近づくにつれ、ピークAGC用VCA17に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値を上回らない限りにおいて、ピークAGC用VCA17から出力される複合映像信号のピーク振幅レベルも、標準の振幅レベルに急速に近づいていく。
【0104】
而して、図5に示すごとく、約5フィールド時間程度の時間経過で、ピークAGC用VCA17のAGCゲインは、最終的に、「1」に調整設定されていき、ピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力されてくる複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値設定器20で設定されているピークAGC基準値のレベルに対して、所定の範囲、即ち、前記過渡応答閾値の範囲に収まり、図2に示す過渡応答モード判定器19eによって、安定動作期間に移行しているとの判定がなされる。
【0105】
而して、切替回路SWITCH19fから出力されて積分器19gに入力される選択エラー値は、エラー値生成器1 19bから出力されるエラーAとなる。したがって、図3のグラフにて説明した通り、選択エラー値即ちエラーAは、ピークAGC基準値との間のずれ量の如何によらず、微小な一定調整量(即ち、図3においては、一定値である|b|)となるので、かかる微小な一定調整量(即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインに対する微小な一定調整量)が、各周期毎に、図2に示す積分器19gから累積出力されることとなり、積分器19gの出力である積分量の変化は極めて小さい量となる。
【0106】
かくのごときAGC動作がなされた結果、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19から出力されるピークAGC用VCA17に対するAGC制御値(即ち、AGCゲインの変化量)がごく小さいものとなり、ピークAGC用VCA17から出力されるピークAGC複合映像信号は安定したものとなる。
【0107】
以上に示す第2の事例、即ち、ピークAGC用VCA17のAGCゲインが低下している状態(即ち、利得減衰量が増大している状態)で、ピークAGC基準値のレベルと等しい標準レベルの複合映像信号がピークAGC用VCA17に入力されてくる場合におけるピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCA17から出力されてくるピークAGC複合映像信号の一連の変化を、図5に示している。
即ち、図5においては、図4の場合と同様に、ピークAGC用VCA17から出力されてくるピークAGC複合映像信号に関して、かかる第2の事例の場合ににおける振幅レベルの時間的な変化の状況を示している。
【0108】
なお、図5において、図4の場合と同様に、ピークAGC複合映像信号の振幅レベルの変化に関する時間的な周期は、1画面時間単位(即ち、1フィールド時間単位)の周期となっている。
また、図5には、ピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルを破線により結んで示しているが、かかる破線に示すごとく、入力される複合映像信号が標準の振幅レベルに切り替わった直後には、ピークAGC用VCA17から出力されるピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルが、ピークAGC基準値の約1/2程度になされたような過渡応答期間に移行した場合であっても、該過渡応答期間から安定動作期間のAGC動作状態に至るまでに、約5フィールド時間程度と、極めて迅速に応答して、一点鎖線で示すピークAGC基準値のレベルまで復元させることが可能であり、以降は、安定なピークAGC動作がなされる。
【0109】
また、図5において二点鎖線で示す直線は、ピークAGC動作の動作モードを常に安定動作期間のみとした場合におけるピークAGC複合映像信号のピーク振幅レベルの変化を示しており、ピークAGC基準値に到達するまでの応答時間が極めて長くなっている状態を示している。
【0110】
次に、図6は、図1に示す本発明に係るAGC回路が備えられている録画装置の一例として、VTR装置を例にとって、記録系の回路ブロック構成を示したブロック構成図である。
【0111】
即ち、図6において、本発明に係る録画装置の一例であるVTR装置60は、次のごとき記録系の各回路ブロックを備えている。
61は、低域フィルタLPFであり、入力信号であるNTSC信号のうち、低域周波数成分からなる輝度信号成分のみを透過させるものである。なお、該輝度信号成分には、同期信号も含まれている。
62は、本発明に係るAGC回路(自動利得調整回路)であり、前述したごとく、キードAGC動作とピークAGC動作とを独立させて実行させることにより、常に、輝度信号の振幅ピーク値を所望の振幅レベルに一致させるように、自動調整することが可能である。
63は、FM変調器であり、AGC回路62を経て、所定の振幅レベルに調整設定された輝度信号を規定のFM信号に変換するものである。この際に、高域周波数部の振幅変調を行なうプリエンファシスもなされることとしても良い。
【0112】
また、64は、帯域フィルタBPFであり、色信号成分のみを透過させるものである。
65は、ACC(Auto Chroma Control)回路であり、常に一定であるべきカラーバースト信号の振幅と基準値との比較により、色信号成分のピーク振幅レベルを基準レベルと一致させるように振幅自動調整が行なわれるものである。
【0113】
66は、周波数変換を行なうコンバータであり、色信号成分を規定の低域周波数に変換するものである。
67は、混合器であり、FM変調器63によりFM信号に変換された輝度信号とコンバータ66により低域周波数に変換された色信号とを混合して、多重信号とするものである。
68は、録画増幅器であり、混合器67からの多重信号を増幅して、記録媒体である磁気テープ上に、記録ヘッド69により、所定の記録フォーマットで記録させるものである。
【0114】
即ち、図6に示す本発明に係るVTR装置60においては、図1に示すごとき構成からなるAGC回路(自動利得調整回路)62を用いることにより、入力されてくる複合映像信号の輝度信号に関する信号の振幅レベルを適切なレベルに自動的に設定せしめることにより、リップルもなく、輝度むらもなく、かつ、安定した画質の映像情報を記録せしめることが可能である。
【0115】
【発明の効果】
以上に説明したごとく、本発明に係るAGC回路及び該AGC回路を備えた録画装置によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0116】
キードAGC動作とピークAGC動作との両者のフィードバックループを独立とすることにより、かかる2つのAGC動作のフィードバックループを共用している場合において発生する出力複合映像信号におけるリップルの発生を抑止することが可能となる。
【0117】
ピークAGC動作に関しては、一画面時間単位(即ち、フィールド時間単位)で動作することとしているので、一画面以内で複合映像信号の同期信号の振幅レベルが変化することがなく、一画面内の輝度むらが生じることを防止できる。
【0118】
他方、入力複合映像信号の急峻な振幅レベルの変化があった場合においても、各周期毎に、ピークAGC動作の基準値レベルと大幅に異なる振幅レベルにある過渡応答期間を検出して、該過渡応答期間においては、ピークAGC動作の基準値レベルとの差分に比例した大きなAGCエラー量(即ち、ピークAGC動作のAGCゲイン制御値)を生成させて、ピークAGC動作のAGCゲインを調整させることにより、実用的に、全く問題がない急速な応答速度で、所望の振幅レベルの複合映像信号を出力させることが可能である。
【0119】
また、AGCシステム全体の動作上、必須となる各種のゲート信号であるゲートパルスについても、ピークAGC動作とは独立に動作するキードAGC動作において、同期信号が所定の振幅レベルに揃った安定した振幅レベル状態に達した後で、キードAGC動作の出力である複合映像信号から同期信号を分離するので、同期信号の分離を確実に行なわせることが可能であり、該同期信号に基づいて各種のゲートパルスを生成させているので、AGC回路に入力された複合映像信号の同期信号の振幅レベルがかなり小さくなっていた場合であっても、安定したAGC動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAGC回路の回路構成の一例を示した回路ブロック図である。
【図2】図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19を構成する回路ブロックの一例を示すブロック構成図である。
【図3】図2に示す切替回路SWITCH19fから出力される選択エラー値と、図1に示すピークAGC用VCA制御値生成回路19に入力された複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とのずれ量との関係を模式的に示すグラフである。
【図4】ピークAGC用VCAに入力されてくる複合映像信号のレベルの急峻な振幅増加が発生した場合におけるピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCAから出力されてくるピークAGC信号の一連の変化を示す模式図である。
【図5】ピークAGC用VCAのAGCゲインが低下している状態で、ピークAGC基準値のレベルと等しい標準レベルの複合映像信号がピークAGC用VCAに入力されてくる場合におけるピークAGC動作結果として、ピークAGC用VCAから出力されてくるピークAGC複合映像信号の一連の変化を示す模式図である。
【図6】図1に示す本発明に係るAGC回路が備えられている録画装置の一例として、VTR装置を例にとって、記録系の回路ブロック構成を示したブロック構成図である。
【図7】従来の代表的なAGC回路の構成例を示す回路ブロック図である。
【図8】図7に示す混合器74から出力される合成信号波形の一例を示すものである。
【図9】従来のAGC回路構成に関する別の例を示す回路ブロック図である。
【図10】従来のAGC回路構成に関する更なる別の例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1…AGC回路、1a…キードAGC動作部、1b…ピークAGC動作部、11…キードAGC用VCA、12…低域フィルタLPF、13…同期分離回路、14…キードAGC基準値設定器、15…キードAGC用VCA制御値生成回路、16…同期クランプ回路、17…ピークAGC用VCA、18…低域フィルタLPF、19…ピークAGC用VCA制御値生成回路、19a…入力値判定器、19b…エラー値生成器1、19c…最大値判定器、19d…エラー値生成器2、19e…過渡応答モード判定器、19f…切替回路SWITCH、19g…積分器、19h…ループゲイン調整回路、19i…減算器、19j…ピークAGC初期動作ゲイン設定器、20…ピークAGC基準値設定器、60…録画装置、61…LPF、62…AGC回路、63…FM変調器、64…BPF、65…ACC回路、66…コンバータ、67…混合器、68…録画増幅器、69…記録ヘッド、71…同期クランプ回路、72…同期分離回路、73…同期遅延器、74…混合器、75…基準値設定器、76…ピークレベル比較器、77…VCA制御値生成器、78…AGC用VCA、91…チューナ、92…BPF、93…アンプ、94…表面波フィルタSWF、95…VIF、96…BPF、97…VIF、98…同期分離回路SYNCSEP、99…波形整形回路、101…ゲインコントロールアンプ、102…プリフィルタ、103…クランプ回路、104…A/Dコンバータ、105…LPF、106…ピークAGCレベル検出回路、107…シンクAGCレベル検出回路、108…信号選択回路、109…対数変換回路、110…レベル設定器、111…減算器、112…係数器、113…加算器、114…リミッタ、115…遅延回路、116…ゲインデコーダ、117…乗算器。
Claims (6)
- 入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルとあらかじめ定められたピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値としてあらかじめ定められた閾値を超過している場合には、各前記周期毎に、前記差分に比例した調整量で、変化するAGCゲインを生成せしめ、逆に、前記過渡応答閾値を超過していない場合には、各前記周期毎に、前記差分の大きさの如何によらず、あらかじめ定められた微小な一定調整量で、変化するAGCゲインを生成せしめることを特徴とするAGC回路。
- 入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値を超過していない場合においては、前記複合映像信号の振幅レベルが前記ピークAGC基準値を、各前記周期毎に、超過している超過回数を計数することにより、該超過回数が、あらかじめ定められた基準回数を超過している際には、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な一定調整量で減衰せしめ、逆に、前記超過回数が、前記基準回数を超過しない限りにおいては、各前記周期毎に、前記AGCゲインをあらかじめ定められた微小な前記一定調整量で減衰量をゼロにせしめることを特徴とするAGC回路。
- 入力された複合映像信号を、所定の適切な振幅レベルに設定させるように調整制御するAGC回路において、前記複合映像信号の同期信号の振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するキードAGC動作手段と、前記複合映像信号のピーク振幅レベルに応じて、前記複合映像信号の振幅レベルを制御するピークAGC動作手段とを備え、前記キードAGC動作手段と前記ピークAGC動作手段とを、互いに独立して動作せしめ、前記キードAGC動作手段により、AGC動作に必要とする各種ゲート用信号を、前記複合映像信号に含まれる各同期信号の振幅レベルを揃えた状態に調整制御された複合映像信号から分離して生成せしめ、前記ピークAGC動作手段により、あらかじめ定められた各周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号の最大ピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値との差分が、過渡応答閾値を超過している場合においては、各前記周期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基準値よりも大きい場合は、前記AGCゲインを、前記差分に比例した調整量で減衰せしめ、逆に、各前記周期毎に、前記複合映像信号の最大ピーク振幅レベルが前記ピークAGC基準値を超過しない限りにおいては、前記AGCゲインを、前記差分に比例した前記調整量で減衰量をゼロにせしめることを特徴とするAGC回路。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のAGC回路において、前記ピークAGC動作手段は、各前記周期毎に、前記ピークAGC動作手段に入力される複合映像信号のピーク振幅レベルと前記ピークAGC基準値とが一致している場合、入力された該ピーク振幅レベルをそのまま維持するAGCゲインを生成せしめることを特徴とするAGC回路。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のAGC回路において、前記あらかじめ定められた各周期が、一画面時間を示すフィールド時間単位の周期であることを特徴とするAGC回路。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のAGC回路を備えていることを特徴とする録画装置。
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