JP3726114B2 - 圧縮機の制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両空調システム等に適用される圧縮機を制御する制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧縮機として、吐出容量を変更可能な可変容量型圧縮機が存在する。例えば、ハウジングはシリンダブロックに接合固定され、その内部には両者に囲まれてクランク室が区画形成されている。駆動軸はクランク室に配置されており、ハウジング及びシリンダブロックによって回転可能に架設支持されている。シリンダボアはシリンダブロックに貫設形成され、ピストンは同シリンダボア内に収容されている。斜板は、クランク室において駆動軸に一体回転可能でかつ傾動可能に挿着されており、同駆動軸の回転によりその軸線方向前後に揺動される。ピストンは斜板に連結されており、従って、駆動軸の回転によりピストンが往復動されて、冷媒ガスの圧縮が行われる。
【0003】
前記クランク室は、抽気通路を介して吸入圧領域に連通されている。同クランク室は、給気通路を介して吐出圧領域に連通されている。電磁弁よりなる容量制御弁は、抽気通路及び給気通路の少なくとも一方に介在されている。そして、駆動回路が、冷房負荷等に基づく制御コンピュータの制御により動作され、容量制御弁のソレノイドが励磁・消磁される。従って、同容量制御弁の弁体が動作され、抽気通路及び給気通路の少なくとも一方が開閉されて、クランク室への吐出冷媒ガスの導入量及び同クランク室からの冷媒ガスの排出量の少なくとも一方が調節される。その結果、クランク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピストンを介した差が変更され、斜板の傾角が変更されて吐出容量が変更される。
【0004】
図7及び図8は、前記ソレノイドのコイルユニット112を示す。すなわち、絶縁性の合成樹脂よりなるボビン113は円筒状をなし、同ボビン113の外周にはコイル114が巻回されている。ターミナルベース115は、ボビン113の端縁において一体に延出形成されている。導体である給電側ターミナル116及び接地側ターミナル117は、ターミナルベース115に固定されている。コイル114の給電側端子114aは、給電側ターミナル116に接続されている。同コイル114の接地側端子114bは接地側ターミナル117に接続され、同接地側ターミナル117を介して接地されている。コネクタピン固定片116a及びカソード固定片116bは、給電側ターミナル116に設けられている。
アノード固定片117aは接地側ターミナル117に設けられている。
【0005】
コネクタピン118は、コネクタピン固定片116aに対してハンダ付けにより固定されている(ハンダ付け部121)。図示しない駆動回路の給電線は、コネクタピン118に対して着脱可能に接続されている。ダイオード119は、カソード側端子119aがカソード固定片116bに、アノード側端子119bがアノード固定片117aにそれぞれハンダ付けにより固定されている(ハンダ付け部122)。同ダイオード119は、コイル114に対してフライホイール回路を構成する。つまり、コイル114は、例えば、ソレノイドの励磁状態からの消磁により自己インダクタンスに基づいて逆起電力を生じる(接地側が昇圧される)。しかし、この逆起電力に基づく過大な電流は、フライホイール回路を経由して消費される。従って、同電流が駆動回路側に流れ込むことはなく、同駆動回路に過大な電気負荷が作用することを防止できる。
【0006】
絶縁被覆120は、絶縁性の合成樹脂がコイルユニット112の外面に盛られることで形成されている。コイル114、ターミナルベース115上のターミナル116,117、固定片116a,116b,117a及ダイオード119等は、同絶縁被覆120に埋没された状態となっている。従って、これらの絶縁性や耐候性は向上されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術においては、次のような問題点が存在する。
(1)前記ターミナルベース115及び絶縁被覆120は合成樹脂よりなり、カソード固定片116bとアノード固定片117aとの間に介在されている。同ターミナルベース115及び絶縁被覆120は、ソレノイド111の動作発熱等により膨張しようとする。従って、両固定片116b,117aの間隔が広がろうとする。また、同ターミナルベース115及び絶縁被覆120は、外気温の低下等により収縮しようとする。従って、両固定片116b,固定片117aの間隔が狭まろうとする。
【0008】
しかし、前記ダイオード119は、その全長方向の多くを占める両端子119a,119bが合成樹脂より膨張率の低い金属製であって、周囲の温度が変化されてもその全長の変化は少ない。つまり、両固定片116b,117aは、ダイオード119によって拘束された状態にある。その結果、熱応力がターミナルベース115及び絶縁被覆120に生じて両固定片116b,117aに作用され、やがては、強度的に弱いハンダ付け部122が疲労破壊されて導通不良が生じるおそれがあった。
【0009】
(2)駆動回路の給電線は、車両空調システムの車両に対する組み込み時や、その後の同システムのメンテナンス時等において、コネクタピン118に対して抜き差しされる。従って、給電線の抜き差しによりハンダ付け部121に過大な応力が作用され、同ハンダ付け部121が疲労破壊されて導通不良が生じるおそれがあった。
【0010】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであって、その目的は、電気部品と部品固定片とのろう付け部分に作用される応力を軽減可能な圧縮機の制御弁を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、ソレノイドの励磁・消磁により弁体を動作させて圧縮機を制御する制御弁であって、導体であるターミナルにはソレノイドを構成するコイルの端子が接続されるとともに該コイルに対して電気部品を接続するための部品固定片が設けられ、これら部品固定片および電気部品は絶縁性の合成樹脂にて被覆されており、前記部品固定片は、折り返しにより厚みが増されており、同折り返し部分を厚み方向に貫通して切り込み形成された係合溝が前記電気部品の一部を収容した状態でカシメにより変形することで同係合溝の内面にて前記電気部品を挟持するとともに、同電気部品が電気的ろう付けによって固定される制御弁である。
【0013】
請求項2の発明では、前記ターミナルは給電側ターミナル及び接地側ターミナルからなり、給電側ターミナルにはコイルの給電側端子が接続されるとともに、接地側ターミナルにはコイルの接地側端子が接続されており、給電側ターミナルに設けられた部品固定片と接地側ターミナルに設けられた部品固定片との間には、コイルに対してフライホイール回路を構成する前記電気部品の外部端子が各々固定されている。
【0014】
請求項3の発明では、前記電気部品は、ターミナルとコイルを通電制御する駆動回路とを接続するための電気線を構成している。
【0015】
請求項4の発明では、前記圧縮機は、ハウジングの内部にクランク室及び制御圧室を形成するとともに駆動軸を回転可能に支持させ、ハウジングの一部を構成するシリンダブロックにシリンダボアを形成し、そのシリンダボアにはピストンを往復動可能に収容し、駆動軸にカムプレートを一体回転可能でかつ傾動可能に挿着し、制御圧室の圧力を変更することでクランク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピストンを介した差を変更し、その差に応じてカムプレートの傾角を変更することで、吐出容量を制御する構成であって、前記制御弁は、制御圧室と吸入圧領域とを連通する抽気通路及び同制御圧室と吐出圧領域とを連通する給気通路の少なくとも一方に介在され、ソレノイドの励磁・消磁により弁体を動作させることで同通路の開度を調節して制御圧室の圧力の変更を行うものである。
【0016】
(作用)
上記構成の請求項1の発明においては、電気部品が、電気的ろう付け及びカシメによりターミナルの部品固定片に固定され、同ターミナルを介してコイルに接続されている。従って、電気部品と部品固定片との固定部分に作用される応力は、カシメ部分によっても負担され、ろう付け部の負担は軽減される。
【0017】
また、部品固定片をカシメることで電気部品を収容した収容溝が変形し、同収容溝の内面によって電気部品が挟持される。
【0018】
また、部品固定片の一部が折り返しにより厚みが増されており、同折り返し部分を貫通形成された収容溝の内面は、電気部品との接触面積が広くなっている。
【0019】
請求項2の発明においては、絶縁性の合成樹脂が、温度変化によって膨張或いは収縮しようとし、給電側ターミナルの部品固定片と接地側ターミナルの部品固定片との間隔が変化しようとする。しかし、両部品固定片は、電気部品によって拘束された状態にある。従って、熱応力がスペーサ内に生じ、電気部品の各外部端子と各部品固定片との固定部分に作用されるが、同熱応力はカシメ部分も負担し、ろう付け部の負担が軽減される。
【0020】
すなわち、請求項2の発明においては、例えば、励磁状態にあるソレノイドが消磁されると、同ソレノイドのコイルには自己インダクタンスに基づいて逆起電力が発生する。しかし、電気部品がコイルに接続されてフライホイール回路を構成するため、逆起電力による電流は同フライホイール回路を経由して消費される。従って、同電流がコイルを駆動する駆動回路側に流れ込むことはない。
【0021】
請求項3発明において電気部品は、ターミナルとコイルを通電制御する駆動回路とを接続するための電気線を構成している。従って、例えば、車両空調システムの車両に対する組み込み時等において、電気線を引っ張る等すると、電気部品とターミナルの部品固定片との固定部分に応力が作用される。しかし、同電気部品は、ろう付け及びカシメ部分を介して部品固定片に固定されており、同固定部分に作用される応力はカシメ部分も負担し、ろう付け部の負担は軽減される。
【0022】
請求項4の発明においては、ソレノイドの励磁・消磁により弁体を動作させることで抽気通路及び給気通路の少なくとも一方の開度が調節され、制御圧室の圧力が変更される。従って、クランク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピストンを介した差が変更され、その差に応じてカムプレートの傾角が変更されて、吐出容量が制御される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧縮機を、クラッチレスタイプの可変容量型圧縮機の容量制御弁において具体化した一実施形態について説明する。
【0024】
図1に示すように、フロントハウジング11はシリンダブロック12の前端に接合固定されている。リヤハウジング13は、シリンダブロック12の後端に弁形成体14を介して接合固定されている。制御圧室としてのクランク室15は、フロントハウジング11とシリンダブロック12とにより囲まれて区画形成されている。駆動軸16は、クランク室15を通るようにフロントハウジング11とシリンダブロック12との間に回転可能に架設支持されている。プーリ17は、フロントハウジング11にアンギュラベアリング18を介して支持されている。同プーリ17は、駆動軸16のフロントハウジング11からの突出端部に連結されており、その外周部に巻き掛けられたベルト19を介して外部駆動源としての車両エンジン20に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。
【0025】
回転支持体22は、クランク室15において駆動軸16に止着されている。カムプレートとしての斜板23は、駆動軸16に対してその軸線L方向へスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。支持アーム24は回転支持体22に突設されており、そのガイド孔24aを以て斜板23に設けられたガイドピン25の球状部25aに係合されている。そして、斜板23は、支持アーム24とガイドピン25との連係により、駆動軸16の軸線L方向へ傾動可能でかつ同駆動軸16と一体的に回転可能となっている。同斜板23の傾動は、ガイド孔24aと球状部25aとの間のスライドガイド関係、駆動軸16のスライド支持作用により案内される。斜板23の半径中心部がシリンダブロック12側に移動されると、同斜板23の傾角が減少される。傾角減少バネ26は、回転支持体22と斜板23との間に介在されている。同傾角減少バネ26は、斜板23を傾角の減少方向に付勢する。傾角規制突部22aは回転支持体22の後面に形成され、斜板23の最大傾角を規制する。
【0026】
図2に示すように、収容孔27は、シリンダブロック12の中心部において駆動軸16の軸線L方向に貫設されている。遮断体28は筒状をなし、収容孔27にスライド可能に収容されている。吸入通路開放バネ29は、収容孔27の端面と遮断体28との間に介在され、同遮断体28を斜板23側へ付勢している。
【0027】
前記駆動軸16は、その後端部を以て遮断体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング30は、駆動軸16の後端部と遮断体28の内周面との間に介在され、同遮断体28とともに駆動軸16に対して軸線L方向へスライド移動可能である。このように、駆動軸16の後端部は、ラジアルベアリング30及び遮断体28を介して収容孔27の内周面で回転可能に支持されている。
【0028】
吸入圧領域を構成する吸入通路32は、リヤハウジング13及び弁形成体14の中心部に形成されている。同吸入通路32は収容孔27に連通されており、その弁形成体14の前面に表れる開口周囲には、位置決め面33が形成されている。遮断面34は遮断体28の先端面に形成され、同遮断体28の移動により位置決め面33に接離される。同遮断面34が位置決め面33に当接されることにより、両者間33,34のシール作用で吸入通路32と収容孔27の内空間との連通が遮断される。
【0029】
スラストベアリング35は斜板23と遮断体28との間に介在され、駆動軸16上にスライド移動可能に支持されている。同スラストベアリング35は、吸入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と遮断体28との間で挟持されている。そして、斜板23が遮断体28側へ傾動するのに伴い、同斜板23の傾動がスラストベアリング35を介して遮断体28に伝達される。従って、同遮断体28が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置決め面33側に移動され、同遮断体28は遮断面34を以て位置決め面33に当接される。同遮断面34が位置決め面33に当接された状態にて、斜板23のそれ以上の傾動が規制され、この規制された状態にて同斜板23は、0°よりも僅かに大きな最小傾角となる。
【0030】
シリンダボア12aはシリンダブロック12に貫設形成され、片頭型のピストン36は同シリンダボア12a内に収容されている。同ピストン36は、シュー37を介して斜板23の外周部に係留されており、同斜板23の回転運動によりシリンダボア12a内で前後往復運動される。
【0031】
吸入圧領域を構成する吸入室38及び吐出圧領域を構成する吐出室39は、リヤハウジング13にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート40、同吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート42、同吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞれ弁形成体14に形成されている。そして、吸入室38の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作により吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボア12aに吸入される。同シリンダボア12aに吸入された冷媒ガスは、ピストン36の往動動作により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出される。
【0032】
吸入室38は通口45を介して収容孔27に連通されている。そして、遮断体28がその遮断面34を以て位置決め面33に当接されると、通口45は吸入通路32から遮断される。通路46は駆動軸16の軸芯に形成され、同通路46を介してクランク室25と遮断体28の内空間とが連通されている。放圧通口47は遮断体28の周面に貫設され、同放圧通口47を介して遮断体28の内空間と収容孔27の内空間とが連通されている。これら、収容孔27の内空間、通口45、通路46及び放圧通口47が抽気通路を構成する。
【0033】
給気通路48は吐出室39とクランク室15とを連通させ、同通路48上には制御弁としての容量制御弁49が介在されている。検圧通路50は、吸入通路32と容量制御弁49との間に形成されている。
【0034】
容量制御弁49は、バルブハウジング51とソレノイド52とが中央付近において接合されている。弁室53は、バルブハウジング51とソレノイド52との間に区画形成されている。弁体54は弁室53内に収容されている。弁孔55は、弁室53においてバルブハウジング51の軸線に上に形成され、弁体54と対向するように開口されている。強制開放バネ56は、弁体54と弁室53の内壁との間に介在され、弁孔55を開放する方向に弁体54を付勢している。弁室53は、弁室ポート57及び給気通路48を介して吐出室39に連通されている。
【0035】
感圧室58は、バルブハウジング51の上部に区画形成されている。同感圧室58は、吸入圧導入ポート59及び検圧通路50を介して吸入通路32に連通されている。ベローズ60は感圧室58に収容されている。感圧ロッド挿通孔61は感圧室58と弁室53との間に形成され、弁孔55に連続されている。感圧ロッド62は、感圧ロッド挿通孔61に摺動可能に挿通されている。弁体54とベローズ60は、感圧ロッド62によって作動連結されている。また、感圧ロッド62の弁体54側部分は、弁孔55内の冷媒ガスの通路を確保するために小径となっている。
【0036】
ポート63は、バルブハウジング51において弁室53と感圧室58との間に形成され、弁孔55と直交されている。同ポート63は、給気通路48を介してクランク室15に連通されている。つまり、弁室ポート57、弁室53、弁孔55及びポート63は、給気通路48の一部を構成している。
【0037】
前記ソレノイド52は、ほぼ有蓋円筒状のソレノイドケーシング71と、ほぼ有底円筒状の収容筒72とを備えている。固定鉄心64は収容筒72の上方開口部に嵌合され、同固定鉄心64によって収容筒72内に収容室65が区画形成されている。可動鉄心67は有蓋円筒状をなし、収容室65に往復動可能に収容されている。追従バネ68は、可動鉄心67と収容筒72の底面との間に介装されている。なお、同追従バネ68は、強制開放バネ56よりも弾性係数が小さいものが使用されている。
【0038】
ソレノイドロッド挿通孔69は固定鉄心64に形成され、収容室65と弁室53とを連通している。ソレノイドロッド70は弁体54と一体形成されており、ソレノイドロッド挿通孔69に摺動可能に挿通されている。ソレノイドロッド70の可動鉄心67側端部は、強制開放バネ56及び追従バネ68の付勢力によって可動鉄心67に当接される。そして、可動鉄心67と弁体54とは、ソレノイドロッド70を介して作動連結されている。
【0039】
図4は容量制御弁49の要部拡大断面図であって、図5及び図6はソレノイド52のコイルユニット90を示す。絶縁性の合成樹脂よりなる円筒状のボビン91は、ソレノイドケーシング71内において収容筒72の外周に、固定鉄心64及び可動鉄心67を跨ぐように嵌着されている。コイル92はボビン91の外周に巻回されている。スペーサとしての板状をなすターミナルベース93は、ボビン91の端縁において一体に延出形成されている。導体である給電側ターミナル94及び接地側ターミナル95は板状をなし、それぞれターミナルベース93のベース面93aに重合固定されている。コイル92の給電側端子92aは、給電側ターミナル94に設けられた結線部94aに接続固定されている。コイル92の接地側端子92bは、接地側ターミナル95に設けられた結線部95aに接続されている。詳述しないが、同接地側ターミナル95は、バルブハウジング51及びブラケット66を介してリヤハウジング13に接続され、コイル92の接地側端子92bを接地させている。
【0040】
部品固定片としてのコネクタピン固定片96及びカソード固定片97は、それぞれ給電側ターミナル94の一部を切り起こすことで形成されている。同じく部品固定片としてのアノード固定片98は、接地側ターミナル95の一部を切り起こすことで形成されている。カソード固定片97及びアノード固定片98は、板面同士を互いに対向させた状態で配置されている。
【0041】
電気部品としてのコネクタピン99は、その基端部がコネクタピン固定片96に固定されている。電気素子としてのダイオード100は、外部端子としてのカソード側端子100aがカソード固定片97に、同じく外部端子としてのアノード側端子100bがアノード固定片98にそれぞれ固定されている。従って、同ダイオード100は両ターミナル94,95を介してコイル92に接続され、同コイル92に対してフライホイール回路を構成する。
【0042】
スペーサとしての絶縁被覆102は、コイルユニット90の外面に対して絶縁性の合成樹脂を盛ることで形成されている。特に、カソード固定片97及びアノード固定片98は、ターミナルベース93のベース面93aに形成された絶縁被覆102に埋没した状態、所謂、樹脂埋め状態となっている。ソケット102aは絶縁被覆102の外側に一体形成されている。
【0043】
コネクタピン99は、その先端側がソケット102aの内空間へ突出されている。駆動回路74は、図示しない車両バッテリ等に接続されている。同駆動回路74からの給電線74aは、ソケット102a内において、コネクタピン99に着脱可能に接続されている。つまり、同コネクタピン99は、給電側ターミナル94と駆動回路74を接続すための電気線の役目をなす電気部品である。
【0044】
本実施形態において、コネクタピン99のコネクタピン固定片96への固定、ダイオード100のカソード側端子100aのカソード固定片97への固定、及びダイオード100のアノード側端子100bのアノード固定片98への固定には、電気的ろう付けとしてのハンダ付け及び機械的固定手段としてのカシメが用いられている。
【0045】
すなわち、図4〜図6の拡大円中に示すように、コネクタピン固定片96、カソード固定片97及びアノード固定片98の先端部はそれぞれ折り返されており、同先端部の厚みは各固定片96〜98の板厚の略2倍となっている。係合溝96a〜98aは各固定片96〜98の先端部に切り込み形成され、折り返し部分を板厚方向に貫通されている。そして、コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bは、対応する固定片96〜98の係合溝96a〜98aにそれぞれ挿入され、カシメにより押し潰されて狭くなった同係合溝96a〜98aの内面によって狭持されている。なお、図面の拡大円中においては、係合溝96a〜98aの変形を誇張して描いてある。
【0046】
各固定片96〜98にカシメ固定されたコネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bは、さらに同固定片96〜98に対して、周知の方法によってハンダ付けされている(ハンダ付け部101,103)。同ハンダ付け部101,103は、コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bと固定片96〜98との接触面積を増やして所定の電気導通を確保している。
【0047】
以上構成の圧縮機は、その吸入室38に冷媒ガスを導入する通路となる吸入通路32と、吐出室39から冷媒ガスを排出する吐出フランジ75とが外部冷媒回路76により接続されている。凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は、同外部冷媒回路76上に介在されている。そして、図示しないが、前記構成の圧縮機、凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は車両に搭載されて、車両空調システムが構築されている。
【0048】
蒸発器温度センサ81,車室温度センサ82,エアコンスイッチ83,車室温度設定器84及び前記駆動回路74は、制御コンピュータ85に接続されている。そして、制御コンピュータ85は、各センサ81,82による検出値、エアコンスイッチ83のオン・オフ信号、車室温度設定器84による設定温度信号等の入力値に基づいてデューティ比(単位時間に占めるソレノイド52の励磁時間の割合)を決定し、同デューティ比を駆動回路74に指令する。同駆動回路74は、指令されたデューティ比に基づいてコイル92の通電量を制御し、ソレノイド52の励磁・消磁を行う。同ソレノイド52は、デューティ比が大きい程、両鉄心64,67間の吸引力を強くする。
【0049】
次に、上記構成の圧縮機の動作について説明する。
制御コンピュータ85は、エアコンスイッチ83がオン状態の下で、車室温度センサ82の検出値が車室温度設定器84の設定温度以上である場合に、駆動回路74に対してソレノイド52の励磁(デューティ比≠0%)を指令する。そして、駆動回路74によりソレノイド52のコイル92に対して電流が供給され、図2に示すように、両鉄心64,67間にはデューティ比に応じた吸引力が生じる。この吸引力は、強制開放バネ56の付勢力に抗して、弁開度が減少する方向の力としてソレノイドロッド70を介して弁体54に伝達される。一方、ベローズ60は、吸入通路32から検圧通路50を介して感圧室58に導入される吸入圧の変動に応じて変位する。そして、同ベローズ60はソレノイド52の励磁状態において吸入圧に感応し、その変位が感圧ロッド62を介して弁体54に伝達される。容量制御弁49の弁開度は、ソレノイド52からの付勢力、ベローズ60からの付勢力及び強制開放バネ56の付勢力のバランスにより決定される。
【0050】
冷房負荷が大きい場合には、例えば車室温度センサ82によって検出された車室温度と、車室温度設定器84の設定温度との差が大きい。制御コンピュータ85は、車室温度と設定温度とに基づいて設定吸入圧を変更するようにデューティ比を変更する。制御コンピュータ85は車室温度と設定温度との差が大きいほどデューティ比を大きくする。従って、固定鉄心64と可動鉄心67との間の吸引力が強くなり、弁体54の弁開度が小さくなる方向の付勢力が増大する。そして、より低い吸入圧にて弁体54の開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、デューティ比が増大されることで、より低い吸入圧を保持するように動作される。
【0051】
弁体54の弁開度が小さくなれば、吐出室39から給気通路48を経由してクランク室15へ流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クランク室15の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47を経由して吸入室38へ流出している。このため、クランク室15の圧力が低下する。また、冷房負荷が大きい状態では、シリンダボア12aの吸入圧も高く、クランク室15の圧力とシリンダボア12aの吸入圧との差が小さくなる。従って、斜板23の傾角が大きくなる。
【0052】
給気通路48における通過断面積が零、つまり容量制御弁49の弁体54が弁孔55を完全に閉止した状態になると、吐出室39からクランク室15への高圧冷媒ガスの供給は行われない。そして、クランク室15の圧力は、吸入室38の圧力と略同一になり、斜板23の傾角は最大となる。
【0053】
逆に、冷房負荷が小さい場合には、例えば、車室温度と設定温度との差は小さい。制御コンピュータ85は車室温度が低いほどデューティ比を小さくするように指令する。このため、固定鉄心64と可動鉄心67との間の吸引力は弱く、弁体54の弁開度が小さくなる方向の付勢力が減少する。そして、より高い吸入圧にて、弁体54の開閉が行われる。従って、容量制御弁49は、デューティ比が減少されることにより、より高い吸入圧を保持するように作動する。
【0054】
弁体54の弁開度が大きくなれば、吐出室39からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くなり、クランク室15の圧力が上昇する。また、この冷房負荷が小さい状態では、シリンダボア12aの吸入圧が低く、クランク室15の圧力とシリンダボア12aの吸入圧との差が大きくなる。従って、斜板23の傾角が小さくなる。
【0055】
冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸発器79における温度がフロスト発生をもたらす温度に近づいてゆく。制御コンピュータ85は、蒸発器温度がフロスト判定温度以下になるとソレノイド52の消磁(デューティ比=0%)を指令する。同フロスト判定温度は、蒸発器79においてフロストが発生しそうな状況を反映する。そして、ソレノイド52は、駆動回路74からコイル92への電流供給の停止により消磁され、固定鉄心64と可動鉄心67との吸引力が消失する。このため、図3に示すように、弁体54は、強制開放バネ56の付勢力により、可動鉄心67及びソレノイドロッド70を介して作用する追従バネ68の付勢力に抗して下方に移動される。そして、弁体54が弁孔55を最大に開いた弁開度位置に移行する。このため、吐出室39の高圧冷媒ガスが多量に給気通路48を介してクランク室15へ供給され、同クランク室15の圧力が高くなる。クランク室15の圧力上昇により、斜板23の傾角が最小傾角へ移行する。
【0056】
また、制御コンピュータ85は、エアコンスイッチ83がオフ状態に切換操作されるとソレノイド52を消磁し、それに応じて斜板23が最小傾角に傾動される。
【0057】
このように、容量制御弁49の開閉動作は、ソレノイド52を励磁・消磁するデューティ比の大小に応じて変化される。デューティ比が大きくなると低い吸入圧にて開閉が実行され、デューティ比が小さくなると高い吸入圧にて開閉動作が行われる。圧縮機は設定された吸入圧を維持すべく、斜板23の傾角を変更し、その吐出容量を変更する。つまり、容量制御弁49は、デューティ比に応じて設定吸入圧を変更する役割、及び吸入圧に関係なく最小容量運転を行う役割を担っている。このような容量制御弁49を具備することにより、圧縮機は冷凍回路の冷凍能力を変更する役割を担っている。
【0058】
斜板23の傾角が最小となると、遮断体28はその遮断面34を以て位置決め面33に当接され、吸入通路32が遮断される。この状態では、吸入通路32における通過断面積が零となり、外部冷媒回路76から吸入室38への冷媒ガスの流入が阻止される。同斜板23の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくなるように設定されている。この最小傾角状態は、遮断体28が吸入通路32と収容孔27との連通を遮断する閉位置に配置されたときにもたらされる。遮断体28は、前記閉位置とこの位置から離間された開位置とに斜板23に連動して切り換え配置される。
【0059】
斜板23の最小傾角は0°ではないため、最小傾角状態においても、シリンダボア12aから吐出室39への冷媒ガスの吐出は行われている。シリンダボア12aから吐出室39へ吐出された冷媒ガスは、給気通路48を通ってクランク室15へ流入する。クランク室15の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47を通って吸入室38へ流入する。吸入室38の冷媒ガスは、シリンダボア12aへ吸入されて、再度吐出室39へ吐出される。すなわち、最小傾角状態では、吐出圧領域である吐出室39、給気通路48、クランク室15、通路46、放圧通口47、収容孔27、吸入圧領域である吸入室38、シリンダボア12aを経由する循環通路が圧縮機内に形成されている。そして、吐出室39、クランク室15及び吸入室38の間では、圧力差が生じている。従って、冷媒ガスが前記循環通路を循環し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内部の各摺動部を潤滑する。
【0060】
上記構成の本実施形態においては、次のような効果を奏する。
(1)合成樹脂よりなるターミナルベース93及び絶縁被覆102はカソード固定片97とアノード固定片98を連結し、ソレノイド52の動作発熱等により膨張しようとする。従って、両固定片97,固定片98の間隔が広がろうとする。また、同ターミナルベース93及び絶縁被覆102は、外気温の低下等により収縮される。従って、両固定片97,98の間隔が狭まろうとする。しかし、両固定片97,98はダイオード100により拘束された状態にあり、両固定片97,98間のターミナルベース93及び絶縁被覆102内には熱応力が生じる。同熱応力は、ダイオード100の各端子100a,100bと各固定片97,98との固定部分に作用される。
【0061】
ここで、ダイオード100の両端子100a,100bは、ハンダ付け及びカシメによって対応する固定片97,98に固定されている。従って、端子100a,100bと固定片97,98との固定部分に作用される熱応力はカシメ部分も負担し、ハンダ付け部101の負担が軽減される。その結果、同ハンダ付け部101が早期に疲労破壊されることはなく、端子100a,100bと固定片97,98との間に導通不良が生じることを抑制でき、フライホール回路の信頼性が向上される。
【0062】
また、駆動回路74の給電線74aは、例えば、車両空調システムの車両に対する組み込み時や、その後の同システムのメンテナンス時等において、コネクタピン99に対して抜き差しされる。従って、同コネクタピン99をコネクタピン固定片96に固定するハンダ付け部103には、給電線74aの抜き差しにより過大な応力が作用される。しかし、同コネクタピン99は、ハンダ付け及びカシメによってコネクタピン固定片96に固定されている。従って、コネクタピン99とコネクタピン固定片96との固定部分に作用される応力は、カシメ部分も負担し、ハンダ付け部103の負担が軽減される。その結果、同ハンダ付け部103が早期に疲労破壊されることはなく、コネクタピン99とコネクタピン固定片96との間に導通不良が生じることを抑制できる。よって、駆動回路74によるコイル92の通電制御に支障を来たすことはなく、容量制御弁49の信頼性が向上される。
【0063】
(2)機械的固定手段は、固定片96〜98の一部の変形を利用したカシメに具体化されている。従って、コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bの固定片96〜98に対する固定作業を容易に行い得る。
【0064】
(3)係合溝96a〜98aが固定片96〜98に設けられている。従って、固定作業の際、コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bは、同係合溝96a〜98aの案内により固定片96〜98に対して位置決め保持され、カシメ作業を効率良く行い得る。
【0065】
(4)各固定片96〜98の先端部は折り返されており、同部位の厚みは固定片96〜98の板厚の略2倍となっている。そして、係合溝96a〜98aは、同折り返し部分を板厚方向へ貫通されている。従って、コネクタピン99及びダイオード100の両端子100a,100bと各係合溝96a〜98aの内面との接触面積が広くなり、同コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bに作用されるカシメ荷重が分散される。その結果、カシメ荷重を上げても、コネクタピン99の基端部及びダイオード100の両端子100a,100bの断線の危惧はなくなり、コネクタピン99及びダイオード100の各固定片96〜98に対する取付強度が高められる。
(5)ターミナルベース93はボビン91に一体形成されており、コイル92の関連構成(ターミナル94,95、固定片96〜98、コネクタピン99、ダイオード100等)がユニット化されている。従って、同構成90の容量制御弁49に対する組み付け性が向上される。
【0066】
(6)ダイオード100は、ソレノイド52のコイル92に対してフライホイール回路を構成している。従って、ソレノイド52の励磁・消磁にともないコイル92に逆起電力が生じたとしても、同逆起電力に基づく電流は、フライホール回路を経由して消費されて駆動回路74側に流れ込むことはない。その結果、コイル92における逆起電力の発生に起因して駆動回路74に不具合が生じることはなく、同駆動回路74、ひいては車両空調システムの耐久性・信頼性が向上される。
【0067】
(7)ダイオード100は、その他にフライホイール回路を構成し得る電気素子(トランジスタや抵抗等)と比較して安価な素子であり、低コストでコイル92のフライホイール回路を構成できる。これは圧縮機の低コスト化につながる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような態様でも実施できる。
(1)上記実施形態において電気的ろう付けは、ろうとしてのハンダを用いるハンダ付けに具体化されていたが、これに限定されるものではなく、ハンダよりも融点の高い硬ろうを使用する硬ろう付けに具体化しても良い。
【0071】
(2)上記実施形態においては、コイル92のフライホイール回路をダイオード100で構成したが、これに限定されるものではなく、バイポーラトランジスタやMOS(Metal Oxide Semiconductor )トランジスタ等のトランジスタを、ソレノイド52のコイル92に対してダイオード接続することでフライホイール回路を構成しても良い。つまり、電気素子は、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタ等のトランジスタであっても良い。
【0072】
(3)上記実施形態においては、クランク室15への吐出冷媒ガスの導入量を調節することで容量制御を行う圧縮機において具体化されていた。しかし、これに限定されるものではなく、クランク室15からの冷媒ガスの排出量を調節することで容量制御を行う圧縮機において具体化しても良い。また、クランク室15への吐出冷媒ガスの導入量及び同クランク室15からの冷媒ガスの排出量の両方を調節することで容量制御を行う圧縮機において具体化しても良い
(4)上記実施形態においては、クランク室15の圧力を調節することで容量制御を行う圧縮機において具体化されていた。しかし、これに限定されるものではなく、シリンダボア12aの圧力を調節することで容量制御を行う圧縮機において具体化しても良い。
【0073】
(5)クラッチ付きの可変容量型圧縮機において具体化すること。
【0078】
【発明の効果】
上記構成の請求項1及び4の発明によれば、電気部品と部品固定片とのろう付け部分に作用される応力を軽減でき、同ろう付け部分の疲労破壊を防止できる。
従って、導通不良がろう付け部分において生じるおそれがなくなり、制御弁の信頼性が向上される。
【0079】
しかも、請求項1の発明によれば、部品固定に対する電気部品の機械的固定を簡単に行い得る。また、係合溝が電気部品を位置決めするため、カシメの作業性が向上される。
【0080】
さらに、請求項1の発明によれば、カシメ荷重を上げることができ、電気部品の部品固定片に対する取付強度が向上される。
請求項2の発明によれば、絶縁性の合成樹脂内に生じた熱応力が、電気部品の両外部端子と両部品固定片とのろう付け部分に作用されことを軽減でき、同ろう付け部分の疲労破壊を防止できる。従って、導通不良がろう付け部分において生じるおそれがなくなり、制御弁の信頼性が向上される。
【0081】
すなわち、請求項2の発明によれば、ろう付け部分の疲労破壊による電気部品の両端子と両部品固定片との導通不良を防止でき、フライホイール回路の信頼性が向上される。
【0082】
請求項3の発明によれば、駆動回路によるコイルの通電制御に支障を来たすことはなく、制御弁の信頼性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クラッチレスタイプの可変容量型圧縮機の縦断面図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 最小吐出容量状態を示す要部拡大図。
【図4】 図2の要部拡大図であり、絶縁被覆を破断して示す図。
【図5】 容量制御弁のソレノイドを構成するコイルユニットの正面図。
【図6】 コイルユニットの底面図。
【図7】 従来のソレノイドのコイルユニットを示す正面図。
【図8】 コイルユニットの底面図。
【符号の説明】
49…制御弁としての容量制御弁、52…ソレノイド、54…弁体、92…コイル、92a…コイルの給電側端子、92b…コイルの接地側端子、94…給電側ターミナル、95…接地側ターミナル、96…コイルピン固定片、97…カソード固定片、98…アノード固定片、99…電気部品としてのコネクタピン、100…電気部品としてのダイオード、101…ろう付け部としてのハンダ付け部、103…ろう付け部としてのハンダ付け部。
Claims (4)
- ソレノイドの励磁・消磁により弁体を動作させて圧縮機を制御する制御弁であって、導体であるターミナルにはソレノイドを構成するコイルの端子が接続されるとともに該コイルに対して電気部品を接続するための部品固定片が設けられ、これら部品固定片および電気部品は絶縁性の合成樹脂にて被覆されており、
前記部品固定片は、折り返しにより厚みが増されており、同折り返し部分を厚み方向に貫通して切り込み形成された係合溝が前記電気部品の一部を収容した状態でカシメにより変形することで同係合溝の内面にて前記電気部品を挟持するとともに、同電気部品が電気的ろう付けによって固定される制御弁。 - 前記ターミナルは給電側ターミナル及び接地側ターミナルからなり、給電側ターミナルにはコイルの給電側端子が接続されるとともに、接地側ターミナルにはコイルの接地側端子が接続されており、給電側ターミナルに設けられた部品固定片と接地側ターミナルに設けられた部品固定片との間には、コイルに対してフライホイール回路を構成する前記電気部品の外部端子が各々固定されている請求項1に記載の制御弁。
- 前記電気部品は、ターミナルとコイルを通電制御する駆動回路とを接続するための電気線を構成する請求項1に記載の制御弁。
- 前記圧縮機は、ハウジングの内部にクランク室及び制御圧室を形成するとともに駆動軸を回転可能に支持させ、ハウジングの一部を構成するシリンダブロックにシリンダボアを形成し、そのシリンダボアにはピストンを往復動可能に収容し、駆動軸にカムプレートを一体回転可能でかつ傾動可能に挿着し、制御圧室の圧力を変更することでクランク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピストンを介した差を変更し、その差に応じてカムプレートの傾角を変更することで、吐出容量を制御する構成であって、
前記制御弁は、制御圧室と吸入圧領域とを連通する抽気通路及び同制御圧室と吐出圧領域とを連通する給気通路の少なくとも一方に介在され、ソレノイドの励磁・消磁により弁体を動作させることで同通路の開度を調節して制御圧室の圧力の変更を行うものである請求項1〜3のいずれかに記載の制御弁。
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