JP3720254B2 - 薄膜太陽電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜太陽電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の薄膜太陽電池としては、例えば図5及び図6に示す様なものがある。この薄膜太陽電池は、ガラス基板101上に、SnO2 、ITO、ZnO等からなる短冊状の透明導電膜102を形成し、その上に、非晶質半導体のp層、i層及びn層を順次積層してなる短冊状の光電変換層103を形成し、更に、金属薄膜である短冊状の裏面電極104、及び短冊状のレジスト105を順次形成してなる。
【0003】
また、他の薄膜太陽電池としては、電極となる金属基板上に、非晶質半導体のn層、i層及びp層を順次積層してなる光電変換層を形成し、その上に、透明導電膜を形成したものがある。
【0004】
これらの薄膜太陽電池のうちの前者のもの(p層、i層及びn層からなる光電変換層103を含む)においては、ガラス基板101が太陽電池の表面の保護を兼ねること、またSnO2 等の耐プラズマ性透明導電膜が開発されたり、プラズマCVD法による非晶質半導体の生成が可能になったこと、つまり製造技術が確立されたことから、多用される様になり、現在の主流となっている。
【0005】
また、図5及び図6に示す薄膜太陽電池においては、短冊状の光電変換層103、裏面電極104及びレジスト105を順次積層してなる各太陽電池片106を直列接続している。1つの太陽電池片106の光電変換層103下に重なる透明導電膜102は、隣合う他の太陽電池片106のスルーホール103aを介して裏面電極104に接続されている。
【0006】
更に、薄膜太陽電池の周縁に、透明導電膜102、光電変換層103、裏面電極104及びレジスト105を部分的に開口して、開口溝108を形成し、この開口溝108の内側の太陽電池と外側の透明導電膜間を電気的に絶縁している。この開口溝108は、透明導電膜102、光電変換層103、裏面電極104及びレジスト105をレーザー光により加工して形成される。ただし、透明導電膜102をレーザー光により加工すると、透明導電膜102の昇華により導電性を有する残滓が発生し、この残滓が開口溝108の断面に付着し、各層間の絶縁性が損なわれる。このため、通常は、透明導電膜102を形成した直後に、レーザー光により、透明導電膜102の開口部を形成しておき、その上に光電変換層103、裏面電極104及びレジスト105を順次形成してから、レーザー光により、図7に示す様に透明導電膜102の開口部よりも狭い幅の開口溝108を光電変換層103、裏面電極104及びレジスト105に形成している。これにより、開口溝108を形成するときに、レーザー光が透明導電膜102に照射されることがなく、透明導電膜102の残滓が発生せずに済む。
【0007】
ところで、この様な薄膜太陽電池に、採光用の開口溝を設けることがある。例えば、図8(a)及び(b)に示す様な薄膜太陽電池においては、各太陽電池片111の直列接続の方向と直交する方向に、複数の採光用開口溝112を形成している。また、各採光用開口溝112が各太陽電位片111の直列接続の方向と直交するので、この直列接続の方向での抵抗が大きく、このために電流を流す複数の非採光部113を格別に形成している。
【0008】
尚、図9に示す様にシリコンウエハーを用いた結晶型太陽電池においても、採光を採用したものがある。ここでは、シリコンウエハーから形成された複数の太陽電池片121を相互に離間させて配列し、各太陽電池片121を2枚のガラス基板122間に挟み込んで、各太陽電池片121の間隙に透光性樹脂を充填しており、各太陽電池片121の間隙が採光用の開口部となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8(a)及び(b)の薄膜太陽電池においては、各太陽電池片111の電流を各非採光部113に集め、各非採光部113から電圧端子114及び配線(図示せず)を通じて外部に取り出すので、電流経路が長く、抵抗損失が大きくなり、特性が劣化した。
【0010】
また、各採光用開口溝112は、YAG第2高調波レーザー光により形成する方法と、YAG基本波レーザー光により形成する方法とがある。
【0011】
前者のYAG第2高調波レーザー光を透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジストに照射すると、光電変換層、裏面電極及びレジストが選択的に加工され、透明導電膜のみが加工されない。このため、各採光用開口溝112の底部には、透明導電膜が残存することになり、この透明導電膜の昇華による残滓が発生することはない。しかしながら、YAG第2高調波レーザー光の大出力を得ることは困難であり、十分な加工性能を達成するには、レーザビーム径を小さくするしかなく、生産性が低下するという問題があった。
【0012】
また、後者のYAG基本波レーザー光を適用する場合は、大出力を容易に得ることができるものの、YAG基本波レーザー光を透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジストに照射すると、これらの全てが同時に加工されるので、透明導電膜の昇華による残滓が発生する。このため、図5及び図6の開口溝108と同様に、透明導電膜を形成した直後に、レーザー光により、透明導電膜の開口部を形成しておき、その上に光電変換層、裏面電極及びレジストを順次形成してから、レーザー光により、透明導電膜の開口部よりも狭い幅の開口部を光電変換層、裏面電極及びレジストに形成する必要がある。この場合は、製造工程が煩雑化することから、生産性が低下した。
【0013】
尚、図9の結晶型太陽電池は、採光用の開口部を有するものとして例示しているが、基本的な構造及び製造方法が薄膜太陽電池とは全く異なる。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、多数の採光用開口溝を設けても、特性が劣化せず、また生産性の向上を図ることが可能な薄膜太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の薄膜太陽電池は、透明基板上に、複数の電池列を並行に配列すると共に、各電池列から電力を取り出すための電力端子を設け、この電力端子の配置部位を除く範囲で、各電池列間に光を透過する各採光用開口溝を設けており、各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものである。
また、本発明の薄膜太陽電池は、透明基板上に、複数の電池列を並行に配列すると共に、各電池列からの電力を伝送するための配線を設け、この配線の配置部位を除く範囲で、各電池列間に光を透過する各採光用開口溝を設けており、各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものである。
【0016】
本発明によれば、各電池列は、各薄膜太陽電池片を直列接続してなる。各採光用開口溝は、各電池列に並行しているので、電池列の各薄膜太陽電池片の接続を遮ることがない。従って、各電池列の両端から電力を取り出すことができ、電流経路が長くならず、抵抗損失を小さすることができる。
また、採光用開口溝を配線や電力端子の部位に形成しないので、配線や電力端子が採光用開口溝を通じて見えずに済む。また、採光用開口溝によって配線や電力端子が分断されずに済む。
【0017】
また、本発明においては、太陽電池片は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層したものであり、採光用開口溝は、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部を重ねたものである。
【0018】
この様に採光用開口溝が透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部からなる場合は、YAG基本波レーザー光によって各層の開口部を一度に形成することができる。
【0019】
また、本発明の薄膜太陽電池は、透明基板上に、複数の電池列を並行に配列して、各電池列間に、光を透過する各採光用開口溝を設けており、各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものであり、各薄膜太陽電池片は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層したものであり、採光用開口溝は、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部を重ねたものであり、透明導電膜の開口部の幅は、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭い。
【0020】
この様に透明導電膜の開口部の幅だけを狭くするには、YAG基本波レーザー光の強度を調整することによりなされる。この場合、昇華される透明導電膜の量が減少し、かつ透明導電膜の開口部が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面から離間する。このため、透明導電膜の昇華により発生した残滓が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面に付着する確率が減少し、各層間の絶縁不良の発生率が減少する。
【0021】
また、本発明においては、採光用開口溝の幅は、3ミリ以下である。
【0022】
レーザー光の適用により、採光用開口溝の幅を3ミリ以下にすることができ、デザイン上の自由度を高くすることができる。
【0026】
次に、本発明の製造方法は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層し、レーザー光を照射することにより、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を部分的に開口して、採光用開口溝を形成しており、レーザー光の強度は、透明導電膜の開口部の幅が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭くなる様に設定される。
【0027】
この様にレーザー光によって透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を開口する場合は、その製造工程が簡単化される。また、YAG基本波レーザー光を適用することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0029】
この様にレーザー光の強度を適宜に設定することにより、透明導電膜の開口部の幅を光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭くすることができる。これにより、先に述べた様に昇華される透明導電膜の量が減少し、かつ透明導電膜の開口部が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面から離間する。このため、透明導電膜の昇華により発生した残滓が該断面に付着する確率が減少し、各層間の絶縁不良の発生率が減少する。
【0030】
更に、本発明においては、電力を伝送するための配線を設ける範囲、及び電力を取り出すための電力端子の範囲にレーザー光が照射されない様に、レーザー光を照射するレーザ装置をプログラム制御する。
【0031】
また、本発明においては、電力を伝送するための配線を設ける範囲、及び電力を取り出すための電力端子の範囲にレーザー光が照射されない様に、マスクを被せる。
【0032】
この様にレーザ装置をプログラム制御したり、マスクを被せることにより、配線や電力端子の範囲にはレーザー光を照射せず、この範囲では採光用開口溝を形成していない。こうして採光用開口溝を配線や電力端子の部位に形成しなければ、配線や電力端子が採光用開口溝を通じて見えずに済む。また、採光用開口溝によって電力端子が分断されずに済む。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の薄膜太陽電池の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1の薄膜太陽電池を示す部分拡大図である。
【0035】
本実施形態の薄膜太陽電池を製造するには、まず図3に示す様にガラス基板1上に、短冊状の透明導電膜2を形成し、その上に、非晶質半導体のp層、i層及びn層を順次積層してなる短冊状の光電変換層3を形成し、更に、金属薄膜である短冊状の裏面電極4、及び短冊状のレジスト5を順次形成する。これにより、光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5を順次積層してなる各太陽電池片6が形成される。1つの太陽電池片6の透明導電膜2を隣り合う他の太陽電池片6のスルーホール3aを介して裏面電極4に接続して、各太陽電池片6を直列接続している。
【0036】
この後、YAG基本波レーザ装置を用いて、YAG基本波レーザ光を図3のガラス基板1上の各層に照射することにより、透明導電膜2、光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5を部分的に開口して、図1及び図2に示す様に各太陽電池片6の直列接続の方向と直交する方向に延びる複数の採光用開口溝7を形成する。各採光用開口溝7の形成に伴い、各採光用開口溝7間には、各太陽電池片6を直列接続してなるそれぞれの電池列8が形成される。
【0037】
ただし、各電池列8の両端に接続されるそれぞれの電力端子9、及び薄膜太陽電池の略中央の配線スペース10には、採光用開口溝7を形成しない。このためには、YAG基本波レーザ装置をプログラム制御したり、レーザー光に対する十分な耐性と遮蔽性を有する金属等のマスクを各電力端子9及び配線スペース10に被せ、各採光用開口溝7の形成範囲を特定する。
【0038】
更に、各電力端子9にそれぞれの配線コード11を接続し、各配線コード11を薄膜太陽電池の略中央まで配線スペース10上で引き廻す。そして、各配線コード11間に電流バイパス用のダイオード(図示せず)を接続して挿入し、このダイオードを小箱(図示せず)に収納する。更に、各配線コード11を保護ガラス(図示せず)の中央の孔に通して、この保護ガラスを各電池列8や各電力端子9等の上に重ね合わせ、透明樹脂等を用いて、この保護ガラスと基板ガラス1間に各電池列8や各電力端子9等を封止する。
【0039】
この様に本実施形態の薄膜太陽電池では、各電池列8の両端をそれぞれの電力端子9に接続し、各電池列8の電力を各電力端子9及び各配線コード11を通じて取り出すので、電流経路が短く、抵抗損失が小さくて済む。
【0040】
また、各採光用開口溝7を形成するために、YAG基本波レーザ光を用いている。このYAG基本波レーザ光は、赤外線域の波長を有しており、透明導電膜2に吸収されても、ガラス基板1に吸収されることがない。このため、ガラス基板1を除く、他の透明導電膜2、光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5が部分的に除去されて開口される。このYAG基本波レーザ光の強度を適宜に調整することにより、図4に示す様に透明導電膜2の開口部の幅よりも、光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5の開口部の幅が広くなった採光用開口溝7の断面構造を得ることができる。これは、光電変換層3よりも、裏面電極4及びレジスト5の方が、膜としての強度が低く、かつYAG基本波レーザ光の吸収率が高いためと考えられる。
【0041】
この様に透明導電膜2の開口部の幅が狭い場合は、昇華される透明導電膜2の量が減少し、かつ該開口部が光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5の開口部の断面から離間する。このため、透明導電膜2の昇華により発生した残滓が光電変換層3、裏面電極4及びレジスト5の開口部の断面に付着する確率が減少する。更に、採光用開口溝7を形成した後に、採光用開口溝7を洗浄したりエッチングすれば、透明導電膜2の残滓をほぼ完全に除去することができ、採光用開口溝7における各層間の絶縁不良を防止することができる。
【0042】
また、例えば採光用開口溝7の幅を0.1ミリに設定し、各採光用開口溝7間の受光面の幅を0.9ミリに設定すると、薄膜太陽電池の表面に対する採光用開口溝7の開口率が10%程度となる。この場合、薄膜太陽電池の全体に多数の細線が並行に引かれる。この様な薄膜太陽電池を建築物等に設置すると、デザイン上、視覚的に優れた効果を得ることができる。また、採光用開口溝7の幅や受光面の幅、それらの数等を適宜に設定することができ、デザインの自由度が高い。
【0043】
尚、従来の図9に示す結晶型太陽電池の場合は、シリコンウエハーからなる各太陽電池片121間の接続配線を考慮すると、各太陽電池片121を相互に5ミリ以上離間させて配置せねばならない。このため、デザイン上の視覚的な効果が低く、デザインの自由度が殆どない。
【0044】
更に、各電力端子9及び配線スペース10には、採光用開口溝7を形成していないので、各配線コード11、電流バイパス用のダイオード(図示せず)、このダイオードを収納する小箱(図示せず)等が各採光用開口溝7を通じて見えずに済む。また、各採光用開口溝7によって、電流経路となる各電力端子9が分断されずに済む。
【0045】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、多様に変形することができる。例えば、ガラス基板や保護ガラスの代わりに、他の材質の透明基板を適用しても構わない。また、透明導電膜、光電変換層、裏面電極、レジストの材質を適宜に変更しても良い。更に、各採光用開口溝の幅、長さ、本数、間隔等を任意に設定しも良い。
【0046】
【実施例】
実際に、650ミリ×455ミリのガラス基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジストを順次形成し、この後に照射面でのビーム径が0.1ミリ角、出力が7ワット、パルスの周波数が5KHz、掃引速度が200ミリ/秒のYAG基本波レーザー光を照射することにより、幅が80ミクロン、長さが425ミリの採光用開口溝を880本形成し、薄膜太陽電池の表面に対する採光用開口溝の開口率を10%に設定した。この薄膜太陽電池の初期特性は、次の表の通りであった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、各電池列は、各薄膜太陽電池片を直列接続してなる。各採光用開口溝は、各電池列に並行しているので、電池列の各薄膜太陽電池片の接続を遮ることがない。従って、各電池列の両端から電力を取り出すことができ、電流経路が長くならず、抵抗損失を小さすることができる。
【0049】
また、本発明によれば、太陽電池片は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層したものであり、採光用開口溝は、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部を重ねたものである。このため、YAG基本波レーザー光によって各層の開口部を一度に形成することが可能である。
【0050】
更に、本発明によれば、透明導電膜の開口部の幅だけを狭くしている。これは、YAG基本波レーザー光の強度を調整することによりなされる。この場合、昇華される透明導電膜の量が減少し、かつ透明導電膜の開口部が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面から離間する。このため、透明導電膜の昇華により発生した残滓が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面に付着する確率が減少し、各層間の絶縁不良の発生率が減少する。
【0051】
また、本発明によれば、採光用開口溝の幅は、3ミリ以下である。レーザー光の適用により、採光用開口溝の幅を3ミリ以下にすることができ、デザイン上の自由度を高くすることができる。
【0052】
更に、本発明によれば、採光用開口溝を配線や電力端子の部位に形成しないので、配線や電力端子が採光用開口溝を通じて見えずに済む。また、採光用開口溝によって電力端子が分断されずに済む。
【0053】
次に、本発明の製造方法によれば、レーザー光によって透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を開口するので、その製造工程が簡単化される。また、YAG基本波レーザー光を適用することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0054】
また、本発明によれば、レーザー光の強度を適宜に設定することにより、透明導電膜の開口部の幅を光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭くしている。これにより、先に述べた様に昇華される透明導電膜の量が減少し、かつ透明導電膜の開口部が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の断面から離間する。このため、透明導電膜の昇華により発生した残滓が該断面に付着する確率が減少し、各層間の絶縁不良の発生率が減少する。
【0055】
更に、本発明によれば、レーザ装置をプログラム制御したり、マスクを被せることにより、配線や電力端子の範囲にはレーザー光を照射せず、この範囲では採光用開口溝を形成していない。こうして採光用開口溝を配線や電力端子の部位に形成しなければ、配線や電力端子が採光用開口溝を通じて見えずに済む。また、採光用開口溝によって電力端子が分断されずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の薄膜太陽電池を示す部分拡大図である。
【図3】各採光用開口溝を形成する以前の薄膜太陽電池を示す部分拡大図である。
【図4】図1の薄膜太陽電池を示す部分断面図である。
【図5】従来の薄膜太陽電池の一例を示す斜視図である。
【図6】図5の薄膜太陽電池を示す部分拡大図である。
【図7】図5の薄膜太陽電池を示す部分断面図である。
【図8】(a)は従来の薄膜太陽電池の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)の薄膜太陽電池の部分拡大図である。
【図9】従来の結晶型太陽電池を例示する平面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 透明導電膜
3 光電変換層
4 裏面電極
5 レジスト
6 太陽電池片
7 採光用開口溝
8 電池列
9 電力端子
10 配線スペース
11 配線コード
Claims (8)
- 透明基板上に、複数の電池列を並行に配列すると共に、各電池列から電力を取り出すための電力端子を設け、この電力端子の配置部位を除く範囲で、各電池列間に光を透過する各採光用開口溝を設けており、
各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものであることを特徴とする薄膜太陽電池。 - 透明基板上に、複数の電池列を並行に配列すると共に、各電池列からの電力を伝送するための配線を設け、この配線の配置部位を除く範囲で、各電池列間に光を透過する各採光用開口溝を設けており、
各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものであることを特徴とする薄膜太陽電池。 - 太陽電池片は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層したものであり、
採光用開口溝は、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部を重ねたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜太陽電池。 - 透明基板上に、複数の電池列を並行に配列して、各電池列間に、光を透過する各採光用開口溝を設けており、
各電池列は、複数の薄膜太陽電池片を直列接続したものであり、
各薄膜太陽電池片は、透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層したものであり、
採光用開口溝は、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部を重ねたものであり、
透明導電膜の開口部の幅は、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭いことを特徴とする薄膜太陽電池。 - 採光用開口溝の幅は、3ミリ以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜太陽電池。
- 透明基板上に、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を順次積層し、レーザー光を照射することにより、透明導電膜、光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜を部分的に開口して、採光用開口溝を形成しており、
レーザー光の強度は、透明導電膜の開口部の幅が光電変換層、裏面電極及びレジスト皮膜の開口部の幅よりも狭くなる様に設定されることを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。 - 電力を伝送するための配線を設ける範囲、及び電力を取り出すための電力端子の範囲にレーザー光が照射されない様に、レーザー光を照射するレーザ装置をプログラム制御することを特徴とする請求項6に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
- 電力を伝送するための配線を設ける範囲、及び電力を取り出すための電力端子の範囲にレーザー光が照射されない様に、マスクを被せることを特徴とする請求項6に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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