JP3715894B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用交流発電機に関し、特に冷却ファンと固定子巻線との位置関係に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の車両用交流発電機を示す断面図である。
図10において、車両用交流発電機は、アルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたケース3と、このケース3内に設けられ、一端部にプーリ4が固定されたシャフト6と、このシャフト6に固定されたランデル型の回転子7と、この回転子7の軸方向両端部に固定された冷却ファンとしての遠心ファン5と、回転子7を包囲するようにケース3に固定された固定子8と、シャフト6の他端部に固定されて回転子7に電流を供給するスリップリング9と、スリップリング9の表面に摺動する一対のブラシ10と、このブラシ10を収納するブラシホルダ11と、固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12と、ブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク17に取り付けられて、固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18とを備えている。
【0003】
回転子7は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線13と、この界磁巻線13を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20、21とを備えている。そして、一対のポールコア20、21は、鉄製で、それぞれ最外径面形状を略台形形状とする爪状磁極22、23が外周縁部に周方向に等角ピッチで突設されてなり、これらの爪状磁極22、23を噛み合わせるように対向させてシャフト6に固着されている。
固定子8は、磁性鋼板を積層してなる円筒状の固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16とから構成されている。そして、固定子8は、爪状磁極22、23の外周面と固定子鉄心15の内周面との間に均一なエアギャップを形成するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されている。
整流器12は、固定子巻線16の出力を三相全波整流するための一方向性導通素子パッケージ24と、一対のヒートシンク25と、ブッリジ回路を構成する配線がインサート成形されたサーキットボード26とから構成されている。一方向性導通素子パッケージ24は放熱用タブ24bに接合されたダイオード24aを絶縁性樹脂24cによりモールドして略直方体形状に成形されている。そして、一方向性導通素子パッケージ24が、放熱用タブ24bをヒートシンク25の主面に接合して各ヒートシンク25に所定個数づつ実装されている。
【0004】
このように構成された車両用交流発電機では、バッテリ(図示せず)からブラシ10、スリップリング9を通じて界磁巻線13に電流が供給されて磁束が発生する。この磁束により、ポールコア20の爪状磁極22がN極に着磁され、ポールコア21の爪状磁極23がS極に着磁される。
一方、エンジンによってプーリ4が駆動され、シャフト6によって回転子7が回転される。この回転子7の回転により、回転磁界が固定子鉄心15に与えられ、固定子巻線16に起電力が発生する。そして、固定子巻線16に発生した交流の起電力が整流器12により直流に整流されるとともに、その出力電圧の大きさがレギュレータ18により調整され、バッテリに充電される。
【0005】
ここで、界磁巻線13、固定子巻線16、整流器12およびレギュレータ18は、発電中、常に発熱しており、定格出力電流100Aクラスの車両用交流発電機では、温度的に高い回転ポイントで、それぞれ60W、500W、120W、6Wの発生熱量がある。
そこで、発電により発生する熱を冷却するために、吸気孔1a、1bがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の軸方向端面に穿設され、排気孔1b、2bがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の径方向側面に固定子巻線16のコイルエンド群16f、16rに相対するように穿設されている。
これにより、回転子7の回転に伴って遠心ファン5が回転駆動され、外気が吸気孔1a、2aからケース3内に吸気されて軸方向に回転子7側に流れ、ついで遠心ファン5により遠心方向に曲げられ、その後コイルエンド群16f、16rを横切って排気孔1b、2bから外部に排気される冷却風流路が形成される。また、回転子7のフロント側およびリヤ側の圧力差に起因して、フロント側から回転子7内を通ってリヤ側に流れる冷却風流路が形成される。
その結果、固定子巻線16で発生した熱がコイルエンド群16f、16rから冷却風に放熱され、固定子8の温度上昇が抑えられる。また、ダイオード24aおよびレギュレータ18で発生した熱がヒートシンク25、17を介して冷却風に放熱され、整流器12およびレギュレータ18の温度上昇が抑えられる。さらに、界磁巻線13で発生した熱が回転子7内を流れる冷却風に放熱されて、回転子7の温度上昇が抑えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成された車両用交流発電機では、遠心ファン5によって形成される冷却風流路を流れる冷却風により固定子8、整流器12等の発熱部品を冷却するようになっている。
ここで、冷却風流路を流れる冷却風の流入流量は、冷却風流路の通風抵抗に依存し、通風抵抗が大きくなるほど、流入流量は低下する。この冷却風の流入流量の低下は整流器12およびレギュレータ18の冷却性の低下をもたらすことになる。また、遠心ファン5と固定子巻線16のコイルエンド群16f、16rとのラップ量(両者の径方向の重なりの軸方向長さ)が冷却風流路の通風抵抗を増加する1つの要因となっている。つまり、該ラップ量が大きくなれば、通風抵抗が増大する。そして、該ラップ量が大きくなるほど、固定子巻線16の冷却性が高められる。
このように、遠心ファン5と固定子巻線16のコイルエンド群16f、16rとのラップ量を大きくすることは、固定子巻線16の冷却性向上につながるが、整流器12およびレギュレータ18の冷却性の低下をもたらすことになってしまう。
【0007】
しかしながら、従来、遠心ファン5と固定子巻線16のコイルエンド群16f、16rとのラップ量が、固定子巻線16の冷却性、もしくは、整流器12およびレギュレータ18の冷却性を考慮して設定されていたので、固定子巻線16、もしくは、整流器12およびレギュレータ18が過度に温度上昇してしまうという課題があった。
【0008】
本出願人は、このような状況に鑑み、大きな発熱部品である固定子巻線16および整流器12に着目し、固定子巻線16および整流器12の温度上昇に伴う不具合について検討した。
そして、固定子巻線16の温度が過度に上昇すると、固定子巻線16に含浸されているワニスの軟化をもたらすことになる。その結果、振動により固定子巻線16が固定子鉄心15に擦れ、固定子巻線16の導体線の絶縁被膜が損傷して、絶縁性が低下してしまう。
一方、整流器12の温度が過度に上昇すると、整流器12のダイオード24aが熱劣化して寿命が短くなってしまう。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、固定子巻線に含浸されているワニスの軟化温度と整流器のダイオードの耐熱温度とを考慮して冷却ファンと固定子巻線のコイルエンド群とのラップ量を設定し、絶縁性の悪化がなく、かつ、ダイオードの長寿命化が図られる車両用交流発電機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用交流発電機は、ケースに回転可能に支持されたシャフトと、上記シャフトに固着された回転子と、軸方向に延びるスロットが毎極毎相当たり2の割合で周方向に並んで複数形成され、上記回転子を内包するように上記ケースに支持された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、上記回転子の軸方向の一端面に相対するように上記ケースに支持された整流器と、少なくとも上記回転子の軸方向の一端面に固着された冷却ファンとを備えた車両用交流発電機において、上記冷却ファンは、上記固定子巻線のコイルエンド群の頂部に対するファンの軸方向突出量tとファンの軸方向高さhとの比(t/h)が、0.2<t/h<0.7を満足するように構成されているものである。
【0011】
また、上記固定子巻線の上記コイルエンド群と上記固定子鉄心の端面との間に隙間が形成されており、該隙間が軸方向に関して上記冷却ファンが固着された上記回転子の端面より中心側に位置しているものである。
【0012】
また、上記固定子巻線の各相の巻線が、振り分け巻で上記固定子鉄心に巻装されているものである。
【0013】
また、上記冷却ファンは、上記回転子の外径より小径の外径に形成されているものである。
【0014】
また、上記回転子の軸方向端面と外周面との交差領域が面取りされているものである。
【0015】
また、上記冷却ファンが上記回転子の軸方向の両端面に固着され、上記回転子の軸方向の一端面に固着された上記冷却ファンが遠心ファンであり、上記回転子の軸方向の他端面に固着された上記冷却ファンが斜流ファンである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子を示す分解斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における電気回路を示す回路図である。
【0018】
図1において、回転子7Aは、電流を流して磁束を発生する界磁巻線13と、この界磁巻線13を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20A、21Aとを備えている。そして、一対のポールコア20A、21Aは、鉄製で、それぞれ最外径面形状を略台形形状とする爪状磁極22、23が外周縁部に周方向に等角ピッチで突設されてなり、各軸方向端面と外周面との交差領域をアール状に面取りして肩部20a、21aが形成され、これらの爪状磁極22、23を噛み合わせるように対向させてシャフト6に固着されている。
冷却ファンとしての遠心ファン38は、外径がポールコア20A、21Aの軸方向端面と肩部20a、21aとの境界部に略一致するようにポールコア20A、21Aの軸方向端面に固着されている。
固定子8Aは、磁性鋼板を積層してなる円筒状の固定子鉄心15Aと、固定子鉄心15Aに巻装された固定子巻線16Aとから構成されている。そして、固定子8Aは、爪状磁極22、23の外周面と固定子鉄心15Aの内周面との間に均一なエアギャップを形成するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されている。
【0019】
ここで、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの頂部に対する遠心ファン38の軸方向突出量tと遠心ファン38の軸方向高さhとの比(t/h)を0.5としている。
なお、他の構成は、図10に示された従来の車両用交流発電機と同様に構成されている。
【0020】
ついで、固定子8Aの構造について図2および図3を参照しつつ説明する。
固定子鉄心15Aには、軸方向に延びるスロット14が毎極毎相当たり2個の割合で周方向に等角ピッチ(電気角で30度のピッチ)で設けられている。つまり、回転子7Aの12個の爪状磁極22、23に対して、2つの3相交流巻線からなる固定子巻線16Aが得られるように、72個のスロット14が固定子鉄心15Aに設けられている。
ここで、スロット14は、a相のスロット14a、d相のスロット14d、b相のスロット14b、e相のスロット14e、c相のスロット14cおよびf相のスロット14fの順に周方向に繰り返し配列されている。なお、各相のスロット14は6スロットピッチで配列されている。
【0021】
a相巻線30aは、絶縁被覆された連続銅線からなる導体線を所定回巻回した波巻き巻線に構成されており、図3に示されるように、6スロットピッチ(6P)に配列された12のスロット収納部31aと、隣り合うスロット収納部31aの端部同士を軸方向の両側で交互に連結する連結部31bとからなる波状パターンに形成されている。このa相巻線30aは、スロット収納部31aを6スロットピッチに配列されたa相のスロット14aのそれぞれに収納して固定子鉄心15Aに巻装されている。そして、隣り合うスロット収納部31aの端部同士を連結する連結部31bが固定子鉄心15Aの軸方向の外側で周方向に延在し、コイルエンドを構成している。また、b相、c相、d相、e相およびf相巻線30b、30c、30d、30e、30fが、同様に構成されている。
【0022】
そして、a相、b相およびc相巻線30a、30b、30cが互いに周方向に2スロット分(2P)ずらされて3層に重ねられて、固定子鉄心15Aに巻装されている。同様に、f相、d相およびe相巻線30f、30d、30eが互いに周方向に2スロット分ずらされて3層に重ねられて、a相、b相およびc相巻線30a、30b、30cの内周側に位置するように固定子鉄心15Aに巻装されている。
これにより、図2に示されるように、6相の巻線30a〜30fが径方向に6層に重ねられて固定子鉄心15Aに巻装された固定子8Aが得られる。そして、6相の巻線30a〜30fのコイルエンド(連結部31b)が固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rを構成している。また、コイルエンドの固定子鉄心15Aの周方向に延在する部位が渡り部16bとなり、渡り部16bと固定子鉄心15Aの端面との間に隙間Gが形成されている。なお、図示していないが、ワニスが固定子巻線16を収納したスロット14内に含浸されており、固定子巻線16が固定子鉄心15Aに固着されている。
【0023】
このように巻装されたa相、b相およびc相巻線30a、30b、30cがY結線(交流結線)されて第1の3相交流巻線160Aを構成し、d相、e相およびf相巻線30d、30e、30fがY結線(交流結線)されて第2の3相交流巻線160Bを構成している。固定子巻線16Aは第1および第2の3相交流巻線160A、160Bから構成されている。そして、第1および第2の3相交流巻線160A、160Bがそれぞれ整流器12に接続されて、図4に示される電気回路を構成している。
なお、a相、b相およびc相巻線30a、30b、30cはそれぞれ電気角で60度の位相差が与えられ、d相、e相およびf相巻線30d、30e、30fはそれぞれ電気角で60度の位相差が与えられている。さらに、d相、e相およびf相巻線30d、30e、30fは、a相、b相およびc相巻線30a、30b、30cに対して電気角で30度の位相差が与えられている。
【0024】
このように構成された車両用交流発電機では、回転子7Aの回転により、回転磁界が固定子鉄心15Aに与えられ、固定子巻線16Aの第1および第2の3相交流巻線160A、160Bに起電力が発生する。第1および第2の3相交流巻線160A、160Bで発生された交流の起電力がそれぞれ整流器12により直流に整流されるとともに、その出力電圧の大きさがレギュレータ18により調整される。そして、各整流器12の出力が合成されてバッテリに充電される。
【0025】
この実施の形態1によれば、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの頂部に対する遠心ファン38の軸方向突出量tと遠心ファン38の軸方向高さhとの比(t/h)を0.5としているので、冷却風の流入流量が確保され、コイルエンド群16f、16rの冷却性を損なうことなく、整流器12のダイオード24aの温度上昇を低減することができる。これにより、ダイオード24aの熱劣化が抑えられるので、ダイオード24aの長寿命化が図られる。さらに、固定子8Aの温度上昇が抑えられるので、ワニスの軟化が抑えられて、固定子巻線16Aの導体線と固定子鉄心15Aとの擦れに起因する導体線の絶縁被膜の損傷も阻止され、絶縁性が向上される。
【0026】
また、遠心ファン38の外径がポールコア20A、21Aより小径に構成されているので、遠心ファン38とコイルエンド群16f、16rとの径方向距離が大きくなり、遠心ファン38とコイルエンド群16f、16rとの干渉に起因する風騒音が低減される。
また、ポールコア20A、21Aにアール状の肩部20a、21aが形成されているので、肩部20a、21aによる風切り音が改善され、風騒音が低減される。
また、スロット14が毎極毎相当たりの2個の割合で形成されているので、スロット14間に形成されるティースが径方向に関して隣り合う磁極間に重なる時間が短くなる。その結果、漏れ磁束が低減され、有効磁束の減少が抑えられる。さらに、磁束の脈動の発生が抑えられ、発電電圧の変動や出力波形の乱れが少なくなり、直流に整流した場合のリップルが低減される。
【0027】
ここで、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの頂部に対する遠心ファン38の軸方向突出量tと遠心ファン38の軸方向高さhとの関係について検討する。そこで、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの頂部高さを変えた固定子8Aを搭載した車両用交流発電機を全負荷で発電させ、出力が安定した状態で、固定子8Aおよび整流器12(ダイオード24a)の飽和温度を測定し、飽和温度の雰囲気温度からの温度上昇値を図5に示す。なお、図5において、横軸には遠心ファン38の軸方向突出量tと遠心ファン38の軸方向高さhとの比(t/h)を表し、縦軸には固定子8Aおよびダイオード24aの実験雰囲気温度(20℃)からの温度上昇値ΔT(℃)を表している。そして、固定子8Aの温度上昇値を点線で、ダイオード24aの温度上昇値を実線で示している。また、固定子8Aおよびダイオード24aの飽和温度は、2000、2500、3000、4000および5000r/minで運転させて固定子8Aおよびダイオード24aの各飽和温度を測定し、その最大値を飽和温度としている。また、t/h=1は、コイルエンド群16f、16rの頂部が回転子7Aのポールコア20A、21Aの軸方向端面(ファン取付面)に一致している場合であり、t/h=0は、コイルエンド群16f、16rの頂部が遠心ファン38の軸方向外端面(ファン高さ)に一致している場合である。
【0028】
図5から、ダイオード24aの温度上昇値ΔTは、t/hが0の時、120℃を示し、t/hが増加するに従って急激に低下し、0.6を越えると緩やかに減少し、t/hが1の時に、95℃となることが分かる。これは、t/h=0では、コイルエンド群16f、16rが遠心ファン38の軸方向全域と径方向に関して重なっているので、通風抵抗が最大となり、冷却風の流入流量が最小となり、ダイオード24aが効果的に冷却されなかったものと推測される。そして、t/hが増えるにつれ、通風抵抗が小さくなり、冷却風の流入流量が増加することにより、ダイオード24aの冷却性が上がり、ダイオード24aの温度上昇が抑えられたものと推測される。
【0029】
ここで、実機では、最悪の運転条件で90℃の雰囲気温度となる。また、ダイオード24aの耐熱温度は165℃である。そこで、雰囲気温度90℃での温度上昇値を75℃以下に抑えれば、最悪の運転条件になってもダイオード24aの温度が耐熱温度を越えることが避けられることになる。そして、雰囲気温度上昇による界磁電流低下による出力の低下を考慮すると、雰囲気温度90℃での温度上昇値ΔT75℃は雰囲気温度20℃での温度上昇値ΔT105℃(t/h=0.2)に相当している。従って、ダイオード24aの寿命(熱劣化)を考慮すると、t/hは0.2を越えるように設定することが望ましい。
【0030】
一方、図5から、固定子8Aの温度上昇値は、t/hが0の時、180℃を示し、t/hが増加するに従って緩やかに増加し、0.6を越えるとやや急峻に増加し、t/hが1の時に、230℃をとることが分かる。これは、t/h=0では、コイルエンド群16f、16rが遠心ファン38の軸方向全域と径方向に関して重なっているので、遠心ファン38で遠心方向に曲げられた冷却風のほとんどがコイルエンド群16f、16rに供給され、固定子巻線16が効果的に冷却されたものと推測される。そして、t/hが増えるにつれ、コイルエンド群16f、16rと遠心ファン38との重なりが少なくなり、遠心ファン38からコイルエンド群16f、16rへの冷却風の供給量が低下することにより、コイルエンド群16f、16rの冷却性が悪化し、固定子8Aが温度上昇したものと推測される。
【0031】
ここで、ワニスの軟化温度が260℃であることから、雰囲気温度90℃での温度上昇値ΔTを170℃以下に抑えれば、最悪の運転条件になっても固定子8Aの温度がワニスの軟化温度を越えることが避けられることになる。そして、雰囲気温度上昇による界磁電流低下による出力の低下を考慮すると、雰囲気温度90℃での温度上昇値ΔT170℃は雰囲気温度20℃での温度上昇値ΔT200℃(t/h=0.7)に相当している。従って、ワニスの軟化を考慮すると、t/hは0.7未満に設定することが望ましい。これにより、固定子巻線16Aと固定子鉄心15Aとの結合の緩みに起因する絶縁性の悪化が抑えられる。
そこで、0.2<t/h<0.7とすることで、ダイオード24aの長寿命化が図られ、かつ、絶縁性の悪化が抑えられる車両用交流発電機を実現することができる。
【0032】
ついで、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの渡り部16bの固定子鉄心側端面とファン取付面との間の軸方向距離Lと風騒音との関係について検討する。そこで、固定子巻線16Aのコイルエンド群16f、16rの渡り部16bと固定子鉄心15Aの端面との隙間Gの軸方向高さを変えた固定子8Aを搭載した車両用交流発電機を10000r/minで運転したときの風騒音を測定した結果を図6に示す。なお、図6において、横軸には渡り部16の固定子鉄心側端面とファン取付面との間の軸方向距離L(mm)を表し、縦軸には風騒音のOver All値(dB)を表している。また、L=0は、渡り部16の固定子鉄心側端面がファン取付面に一致している場合であり、L>0は、隙間Gの軸方向全域がポールコア20A、21Aと径方向に重なっている場合であり、L<0は、隙間の少なくとも一部が遠心ファン38と径方向に重なっている場合である。
【0033】
図6から、隙間Gの少なくとも一部が遠心ファン38と径方向に重なっている場合(L<0)、ほぼ一定の大きな風騒音(95dB)が発生しているが、風騒音はL=0近傍で急激に減少し、L>0でほぼ一定(85dB)となることが分かる。風騒音はコイルエンド群16f、16rの周方向における凹凸と遠心ファン38との間の干渉により発生している。そして、周方向に繰り返し現れる隙間Gで構成される周方向の凹凸に起因する風騒音が約10dBある。そこで、この隙間Gで構成される周方向の凹凸に起因する風騒音は、隙間Gと遠心ファン38との径方向における重なりをなくすことで、防止される。
従って、風騒音を低減するためには、L>0とすることが望ましい。
【0034】
ここで、隙間Gは、スロット数が多くなるほど多くなる。そして、隙間Gで構成される周方向の凹凸に起因する風騒音は、隙間Gが多くなるほど発生する周波数が高くなる。つまり、高次数の騒音、即ち不快な耳障りな騒音となる。そして、L>0とすることで、このような不快な耳障りな騒音の発生を抑えることができる。このL>0とすることによる不快な耳障りな騒音の発生を防止する効果は、毎極毎相当たりのスロットが2以上のものに対して、顕著となる。また、毎極毎相当たりのスロット数が1の場合でも、スロット数が多いもの(磁極数:16、スロット数:48)においてL>0とすることは、不快な耳障りな騒音の発生を抑える点で、有効な対策となる。
【0035】
なお、上記実施の形態1では、6相の巻線30a〜30fが、外周側からa相巻線30a、b相巻線30b、c相巻線30c、f相巻線30f、d相巻線30dおよびe相巻線30eの順に並んで固定子鉄心15に装着されているものとしている。しかしながら、6相の巻線30a〜30fの装着順序はこれに限定されるものではない。
【0036】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機を示す断面図、図8はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図、図9はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子に巻装された固定子巻線の分解斜視図である。
図7において、実施の形態2による車両用交流発電機では、冷却ファンとしての斜流ファン39がポールコア20Aの軸方向端面(ファン取付面)に固着されている。そして、固定子8Bは、固定子鉄心15Aと、固定子鉄心15Aに巻装された固定子巻線16Bとから構成されている。この固定子巻線16Bの各相の巻線が、後述するように、振り分け巻きで固定子鉄心15Aに巻装されている。尚、他の構成は上記実施の形態1と同様の構成されている。
【0037】
ここで、固定子巻線16Bの構成について、図8および図9を参照しつつ説明する。
a相巻線40aは、絶縁被覆された連続銅線からなる導体線を所定回巻回した波巻き巻線に構成されており、図9に示されるように、6スロットピッチ(6P)に配列された12のスロット収納部41aと、隣り合うスロット収納部41aの半分の端部同士を軸方向の両側で交互に連結し、かつ、残りの半分の端部同士を軸方向の両側で交互に連結する連結部41bとからなる波状パターンの振り分け巻線に形成されている。このa相巻線40aは、スロット収納部41aを6スロットピッチに配列されたa相のスロット14aのそれぞれに収納して固定子鉄心15Aに巻装されている。そして、隣り合うスロット収納部41aの端部同士を連結する連結部41bが固定子鉄心15Aの軸方向の外側で周方向に延在し、コイルエンドを構成している。この時、1つのスロット14aから延出する連結部41bは、その半分が周方向の一側に延びて周方向一側の隣のスロット14aに入り、残りの半分が周方向の他側に延びて周方向他側の隣のスロット14aに入っている。
また、b相、c相、d相、e相およびf相巻線40b、40c、40d、40e、40fが、同様に構成されている。
【0038】
そして、a相およびe相巻線40a、40eが互いに周方向に3スロット分(3P)ずらされて2層に重ねられて、固定子鉄心15Aに径方向の外周側の2層を構成するように巻装されている。同様に、d相およびc相巻線40d、40cが互いに周方向に3スロット分ずらされて2層に重ねられて、固定子鉄心15Aに径方向の中央の2層を構成するように巻装されている。さらに、b相およびf相巻線40b、40fが互いに周方向に3スロット分ずらされて2層に重ねられて、固定子鉄心15Aに径方向の内周側の2層を構成するように巻装されている。
これにより、図8に示されるように、6相の巻線40a〜40fが径方向に6層に重ねられて固定子鉄心15Aに巻装された固定子8Bが得られる。この時、6相の巻線40a〜40fは、外周側からa相巻線40a、e相巻線40e、d相巻線40d、c相巻線40c、b相巻線40bおよびf相巻線40fの順に並んで固定子鉄心15Aに装着されている。そして、6相の巻線40a〜40fのコイルエンド(連結部41b)が固定子巻線16Bのコイルエンド群16f、16rを構成している。また、コイルエンドの固定子鉄心15Aの周方向に延在する部位が渡り部となり、渡り部と固定子鉄心15Aの端面との間に隙間Gが形成されている。
【0039】
このように巻装されたa相、b相およびc相巻線40a、40b、40cがY結線(交流結線)されて第1の3相交流巻線を構成し、d相、e相およびf相巻線40d、40e、40fがY結線(交流結線)されて第2の3相交流巻線を構成している。そして、第1および第2の3相交流巻線がそれぞれ整流器12に接続されて、図4に示される電気回路と同等の電気回路を構成している。
なお、a相、b相およびc相巻線40a、40b、40cはそれぞれ電気角で60度の位相差が与えられ、d相、e相およびf相巻線40d、40e、40fはそれぞれ電気角で60度の位相差が与えられている。さらに、d相、e相およびf相巻線40d、40e、40fは、a相、b相およびc相巻線40a、40b、40cに対して電気角で30度の位相差が与えられている。
このように構成された固定子8Bを固定子8Aに代えて車両用交流発電機に搭載され、上記実施の形態1と同様に動作する。
【0040】
この実施の形態2では、フロント側の冷却ファンが斜流ファン39により構成されているので、吸気孔1aから流入した冷却風は斜流ファン39により径方向外側と軸方向リヤ側とに流される。そこで、回転子7A内を通ってフロント側からリヤ側に流れる冷却風の流量が確保され、界磁巻線13が確実に冷却される。これにより、界磁巻線13の温度上昇が抑えられ、出力向上が図られる。
【0041】
また、固定子巻線16Bを構成する各相の巻線40a〜40fは、振り分け巻線で構成されているので、各巻線40a〜40fのスロット14から延出する連結部41b(コイルエンド)が周方向両側に半分づつ振り分けられる。そこで、スロット14から延出した後周方向に曲げられる近傍における各巻線40a〜40fを構成する導体線の束の径方向の重なりが周方向に分散され、コイルエンド群16f、16rの径方向の膨らみが低減される。これにより、コイルエンド群16f、16rの周方向における凹凸が少なくなるので、コイルエンド群16f、16rと回転子8Aおよび冷却ファン(遠心ファン38および斜流ファン39)との圧力変動に起因する風騒音を低減することができる。
【0042】
さらに、外周側からa相巻線40a、e相巻線40e、d相巻線40d、c相巻線40c、b相巻線40bおよびf相巻線40fの順に並んで固定子鉄心15に装着されている。
そこで、第1の3相交流巻線を構成する巻線と第2の3相交流巻線を構成する巻線とが径方向に交互に並んでいるので、第1の3相交流巻線のコイルエンド(連結部41b)と第2の3相交流巻線のコイルエンド(連結部41b)とが径方向にバランスよく配列されている。これにより、冷却ファン5から供給される冷却風により、第1の3相交流巻線のコイルエンドと第2の3相交流巻線のコイルエンドとが均等に冷却され、一方の3相交流巻線の温度が過度に上昇することもなく、固定子8Bの温度上昇を抑えることができる。
【0043】
また、径方向の外周側の2層を構成するa相巻線40aおよびe相巻線40eは、e相巻線40eの連結部41bが、a相巻線40aの連結部41bの周方向の中央でスロット14eから延出するように配列されている。これにより、a相巻線40aおよびe相巻線40eのコイルエンドにおけるスロット14から延出した後周方向に曲げられる近傍(径方向の膨らみが最大となる部位)が周方向に最も離反した状態となる。
同様に、径方向の中央の2層を構成するd相巻線40dおよびc相巻線40cは、d相巻線40dの連結部41bが、c相巻線40cの連結部41cの周方向の中央でスロット14dから延出するように配列されている。これにより、d相巻線40dおよびc相巻線40cのコイルエンドにおけるスロット14から延出した後周方向に曲げられる近傍が周方向に最も離反した状態となる。
さらに、径方向の内周側の2層を構成するb相巻線40bおよびf相巻線40fは、f相巻線40fの連結部41fが、b相巻線40bの連結部41bの周方向の中央でスロット14fから延出するように配列されている。これにより、b相巻線40bおよびf相巻線40fのコイルエンドにおけるスロット14から延出した後周方向に曲げられる近傍が周方向に最も離反した状態となる。
その結果、コイルエンド群16f、16rの径方向の膨らみが低減される。これにより、コイルエンド群16f、16rの周方向における凹凸が少なくなるので、コイルエンド群16f、16rと回転子7および冷却ファン5との圧力変動に起因する風騒音を低減することができる。
【0044】
ここで、上記実施の形態2では、6相の巻線40a〜40fが、外周側からa相巻線40a、e相巻線40e、f相巻線40f、b相巻線40b、c相巻線40cおよびd相巻線40dの順に並んで固定子鉄心15Aに装着されているものとしている。しかしながら、6相の巻線40a〜40fの装着順序はこれに限定されるものではない。
【0045】
なお、上記各実施の形態では、d相、e相およびf相巻線は、a相、b相およびc相巻線に対して電気角で30度の位相差が与えられているものとしているが、d相、e相およびf相巻線と、a相、b相およびc相巻線との間の位相差は30度(電気角)に限定されるものではなく、例えば両者の位相差を32.5度(電気角)としてもよい。この場合、不快な高調音の原因となる12次電磁加振力が低減される。
また、上記各実施の形態では、毎極毎相当たりのスロット数が2のものについて説明しているが、この発明は、毎極毎相当たりのスロット数が1のもの、あるいは3以上のものに適用しても、同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、固定子巻線の各相の巻線に1本の導体線からなる波巻き巻線を用いるものとしているが、この発明では、各相の巻線は1本の導体線からなる波巻き巻線に限定されるものではなく、例えば短尺の導体セグメントを連結して構成した波巻き巻線でもよい。
【0046】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0047】
この発明によれば、ケースに回転可能に支持されたシャフトと、上記シャフトに固着された回転子と、軸方向に延びるスロットが毎極毎相当たり2の割合で周方向に並んで複数形成され、上記回転子を内包するように上記ケースに支持された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、上記回転子の軸方向の一端面に相対するように上記ケースに支持された整流器と、少なくとも上記回転子の軸方向の一端面に固着された冷却ファンとを備えた車両用交流発電機において、上記冷却ファンは、上記固定子巻線のコイルエンド群の頂部に対するファンの軸方向突出量tとファンの軸方向高さhとの比(t/h)が、0.2<t/h<0.7を満足するように構成されているので、導体線の絶縁被膜の損傷に起因する絶縁性の低下が抑えられ、かつ、ダイオードの長寿命化が図られる車両用交流発電機が得られる。
【0048】
また、上記固定子巻線の上記コイルエンド群と上記固定子鉄心の端面との間に隙間が形成されており、該隙間が軸方向に関して上記冷却ファンが固着された上記回転子の端面より中心側に位置しているので、隙間に起因する不快な耳障りな騒音の発生が抑えられる。
【0049】
また、上記固定子巻線の各相の巻線が、振り分け巻で上記固定子鉄心に巻装されているので、コイルエンド群の周方向の凹凸が低減され、該周方向の凹凸に起因する風騒音が低減される。
【0050】
また、上記冷却ファンは、上記回転子の外径より小径の外径に形成されているので、冷却ファンとコイルエンド群との径方向距離が確保され、風騒音が低減される。
【0051】
また、上記回転子の軸方向端面と外周面との交差領域が面取りされているので、風切り音が低減される。
【0052】
また、上記冷却ファンが上記回転子の軸方向の両端面に固着され、上記回転子の軸方向の一端面に固着された上記冷却ファンが遠心ファンであり、上記回転子の軸方向の他端面に固着された上記冷却ファンが斜流ファンであるので、回転子内を流れる冷却風が確実に確保され、界磁巻線の温度上昇が抑えられ、出力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子を示す分解斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における電気回路を示す回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機におけるt/hとダイオードおよび固定子の温度上昇値との関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機におけるLと風騒音との関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子に巻装された固定子巻線の分解斜視図である。
【図10】 従来の車両用交流発電機を示す断面図である。
【符号の説明】
3 ケース、6 シャフト、7A 回転子、8A、8B 固定子、12 整流器、13 界磁巻線、14 スロット、15A 固定子鉄心、16A、16B 固定子巻線、16f、16r コイルエンド群、16b 渡り部、20A、21A ポールコア、20a、21a 肩部、38 遠心ファン(冷却ファン)、39 斜流ファン(冷却ファン)、G 隙間。
Claims (6)
- ケースに回転可能に支持されたシャフトと、上記シャフトに固着された回転子と、軸方向に延びるスロットが毎極毎相当たり2の割合で周方向に並んで複数形成され、上記回転子を内包するように上記ケースに支持された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、上記回転子の軸方向の一端面に相対するように上記ケースに支持された整流器と、少なくとも上記回転子の軸方向の一端面に固着された冷却ファンとを備えた車両用交流発電機において、
上記冷却ファンは、上記固定子巻線のコイルエンド群の頂部に対するファンの軸方向突出量tとファンの軸方向高さhとの比(t/h)が、0.2<t/h<0.7を満足するように構成されていることを特徴とする車両用交流発電機。 - 上記固定子巻線の上記コイルエンド群と上記固定子鉄心の端面との間に隙間が形成されており、該隙間が軸方向に関して上記冷却ファンが固着された上記回転子の端面より中心側に位置していることを特徴とする請求項1記載の車両用交流発電機。
- 上記固定子巻線の各相の巻線が、振り分け巻で上記固定子鉄心に巻装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機。
- 上記冷却ファンは、上記回転子の外径より小径の外径に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用交流発電機。
- 上記回転子の軸方向端面と外周面との交差領域が面取りされていることを特徴とする請求項4記載の車両用交流発電機。
- 上記冷却ファンが上記回転子の軸方向の両端面に固着され、上記回転子の軸方向の一端面に固着された上記冷却ファンが遠心ファンであり、上記回転子の軸方向の他端面に固着された上記冷却ファンが斜流ファンであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用交流発電機。
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