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JP3709564B2 - L−バリン及びl−ロイシンの製造法 - Google Patents

L−バリン及びl−ロイシンの製造法 Download PDF

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篤 横田
賢一 橋口
正子 石郷岡
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Description

技術分野
本発明はL−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物に関し、詳しくは、L−バリンまたはL−ロイシン生産能が増強された微生物に関する。
背景技術
従来、L−バリン及びL−ロイシンは、主としてブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属またはセラチア属に属するL−バリンもしくはL−ロイシン生産菌またはそれらの変異株を用いた発酵法により製造されている(アミノ酸発酵、学会出版センター、397〜422頁、1986年)。従来の方法により、これらのアミノ酸の生産性はかなり高まってはいるが、今後のL−バリン及びL−ロシインの需要の一層の増大に応えるためには、さらに安価かつ効率的な製造法の開発が求められている。
ところで、エシェリヒア(Escherichia)属に属する微生物は、その増殖速度の速さ並びに遺伝子解析の進み方、遺伝子材料の豊富さ等から優れたL−バリン又はL−ロイシン生産菌として利用される可能性を有しているが、エシェリヒア属微生物によるこれらのアミノ酸生産の報告は少なく、L−分岐鎖アミノ酸ではL−イソロイシンの生産例が見られるのみである(特開平5−304969、特開平5−130882)。
発明の開示
本発明は、上記観点から、エシェリヒア属に属する微生物のL−バリン又はL−ロイシン生産能を向上させ、安価かつ効率的なL−バリン及びL−ロイシンの製造法を提供することを課題とする。
本発明者らは、エシェリヒア属に属する微生物の変異株によるL−バリン及びL−ロイシンの生産性について鋭意研究を重ねた結果、生育のためにリポ酸を要求する変異または/及びH+-ATPaseを欠損する変異が、L−バリン又はL−ロイシン生産菌のこれらのアミノ酸生産能を高めることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本願発明の第1の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物において、生育のためにリポ酸を要求することを特徴とする微生物である。本願発明の第2の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物において、H+-ATPaseを欠損したことを特徴とする微生物である。さらに本願発明の第3の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物において、生育のためにリポ酸を要求し、かつ、H+-ATPaseを欠損したことを特徴とする微生物である。
また本願発明は、上記微生物を液体培地に培養し、培養液中にL−バリンまたはL−ロイシンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−バリンまたはL−ロイシンの製造法を提供する。
尚、本明細書において、「H+-ATPase欠損」とは、細胞がH+-ATPase活性を実質的に発現しないことをいい、H+-ATPaseの8種類のサブユニットをコードするatpオペロンの全体もしくは一部の欠失、または分断により遺伝子の発現が起こらない場合、及びH+-ATPase遺伝子から発現されるH+-ATPaseタンパクがH+-ATPase活性を有しないような1もしくは2以上のヌクレオチドの置換、挿入もしくは欠失を同遺伝子内に有する場合のいずれもが含まれる。また、ilvGMEDAオペロンとは、少なくともilvGilvMilvE及びilvDの各遺伝子を有するものをいい、活性を持たないスレオニンデアミナーゼを発現するilvA遺伝子を有するもの、あるいは実質的にilvA遺伝子を有しないものも含む。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明の微生物
本発明の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物であり、下記性質の何れかを有する微生物である。
▲1▼生育のためにリポ酸を要求する。
▲2▼H+-ATPaseを欠損している。
▲3▼生育のためにリポ酸を要求し、かつH+-ATPaseを欠損している。
本発明においては、上記▲1▼〜▲3▼のいずれかの性質を有するものであってもよいが、これらの内では▲3▼の性質を有するものが特に好ましい。
このような性質を有する微生物は、自然突然変異もしくは人為突然変異によって、生育のためにリポ酸を要求する変異(以下、「リポ酸要求性変異」という)又は/及びH+-ATPaseを欠損する変異(以下、「H+-ATPase欠損変異」という)を付与したエシェリヒア属に属する微生物に、L−バリンもしくはL−ロイシン生産能を付与し、または上記変異株のL−バリンもしくはL−ロイシン生産能を増強することによって得られる。また、本発明の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物に、リポ酸要求性変異または/及びH+-ATPase欠損変異を導入することによっても得られる。
上記微生物の取得に用いられる微生物としては、エシェリヒア・コリ(Escherichiacoli;以下、「E. coli」ともいう)等のエシェリヒア属に属する微生物であって病原性のない菌株が挙げられる。具体的な例としては、次のような菌株が挙げられる。
エシェリヒア・コリK−12(ATCC10798)
エシェリヒア・コリW3110(ATCC27325)
エシェリヒア・コリW1485(ATCC12435)
このようなエシェリヒア属に属する微生物に、リポ酸要求性変異または/およびH+-ATPase欠損変異を導入するには、通常の変異処理法、例えばX線や紫外線の照射あるいはN−メチル−N’−ニトローN−ニトロソグアニジン(以下、NGと略す)、亜硝酸等の変異剤に接触せしめる等の方法が適用できる。また、エシェリヒア属に属する微生物への変異の導入は、他の遺伝的手法、例えば遺伝子組換え法、形質導入法、細胞融合法等によっても行うことができる。
変異株取得のためのより具体的な手段は、例えば次のようなものである。
リポ酸要求性変異株(以下、「リポ酸要求株」という)は、変異処理した菌体を寒天平板培地で培養し、リポ酸要求性となったコロニーを分離することによって得られる(A. A. Herbert and J. R. Guest: J. Gen. Microbiol., 53, 363-381(1968))。リポ酸要求株として具体的にはE. coli W1485lip2(ATCC25645)等が挙げられる。
+-ATPase欠損変異株(以下、「H+-ATPase欠損株」という)は、変異処理した菌株の内、コハク酸を唯一の炭素源とする寒天平板培地で生育できず、グルコースを唯一の炭素源とする平板培地上で生育できる変異株を取得し、更にこの中よりH+-ATPaseを欠損している株を取得することによって得られる。H+-ATPase欠損株として具体的には、E. coli AN718(E. coli Genetic Stock Center, Yale University、Department of Biology)等が挙げられる。
+-ATPaseは8種類のサブユニットが複雑に集合した分子量約50万の膜結合性酵素であり、ATPを加水分解して生じる自由エネルギー変化によってH+を膜外に排出するポンプ機能と、細胞内呼吸により生じた膜内外のH+の濃度勾配を利用してATPを合成する機能とがある。またこの酵素は、膜内在性でH+輸送活性を持つF0画分と、膜表在性でATPの分解及び合成を触媒するF1画分に分けられ、F0はa,b,cの3種、F1はα、β、γ、δ、εの5種のサブユニットから構成されている。これらのどのサブユニットが変異した株でもH+-ATPase欠損株として使用することが出来る。また、H+-ATPase欠損変異は、変異サブユニットを発現するものでもよく、プロモーター部位の変異等によってH+-ATPaseを構成するサブユニットが発現しなくなったものでもよい。
さらに、H+-ATPase欠損株では酸化的リン酸化が行われず、エネルギー獲得は基質レベルのリン酸化で行われることから、H+-ATPase阻害剤、TCAサイクル阻害剤、呼吸鎖阻害剤、脱共役剤等の各種薬剤を培養液に添加することによってもH+-ATPase欠損と同様の効果が得られることが期待される。このようなH+-ATPase阻害剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド、トリブチルスズ、オーロベルチン等が、TCAサイクル阻害剤としてはマロン酸、モノヨード酢酸、メチルバイオレット、2,4−ジニトロフェノール等が、電子伝達系阻害剤としてはテノイルトリフルオロアセトン,2−n−ノニル−4−ヒドロキシキノリン−N−オキシド、アンチマイシン、脱共役剤としてはバリノマイシン、アテブリン、4,5,6,7−テトラフロロ−2−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール等が例示される。これらの阻害剤は、単独で使用してもよく、2種以上の混合物として使用してもよい。
前記のようにして得られたリポ酸要求株を親株としてさらに変異処理を行い、H+-ATPaseを欠損した株を選択することによって、あるいはH+-ATPase欠損株を親株としてさらに変異処理を行い、リポ酸を要求するようになった株を選択することによって、リポ酸要求性変異及びH+-ATPase欠損変異を共に有する変異株(以下、「リポ酸要求−H+-ATPase欠損株」という)が得られる。また、リポ酸要求性変異及びH+-ATPase欠損変異をともに有する変異株は、これらの変異の一方を有する変異株に、形質導入、形質転換、細胞融合等によって他方の変異を導入することによっても得ることが出来る。
例えば、リポ酸要求株を親株として、その株にH+-ATPase欠損変異を形質導入することにより、リポ酸要求−H+-ATPase欠損株が得られる。この場合、親株としては上記W1485lip2株が、H+-ATPase欠損変異の供与菌としては上記AN718株が挙げられる.また、H+-ATPase欠損株を親株として、その株にリポ酸要求性変異を形質導入することによっても、リポ酸要求−H+-ATPase欠損株が得られる。
上記のようにして得られるリポ酸要求−H+-ATPase欠損変異株としては、例えばE. coli AJ12631等が挙げられる。AJ12631株は、1991年7月24日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P-12381として寄託され、1995年8月29日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP-5209の受託番号が付与されている。
本発明の微生物は、エシェリヒア属に属する微生物のリポ酸要求性変異株もしくはH+-ATPase欠損変異株、またはリポ酸要求−H+-ATPase欠損変異株に、L−バリンもしくはL−ロイシン生産能を付与し、または上記変異株のL−バリンもしくはL−ロイシン生産能を増強することにより得られる。また、本発明の微生物は、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物に、リポ酸要求性変異または/及びH+-ATPase欠損変異を導入することによっても得られる。さらに、L−バリンまたはL−ロイシン生産能が低い微生物であっても、リポ酸要求性変異又は/及びH+-ATPase欠損変異を導入することによって、L−バリンまたはL−ロイシン生産能を高めることができる。
〔1〕L−バリン生産菌
L−バリン生産菌は、エシェリヒア属に属する微生物のリポ酸要求性変異株もしくはH+-ATPase欠損変異株、またはリポ酸要求−H+-ATPase欠損変異株に、L−バリン生産能を付与し、または前記各変異株のL−バリン生産能を増強することによって得られる。
L−バリンの生産能の付与または増強は、例えば、制御機構が実質的に解除されたL−バリン生合成系遺伝子をエシェリヒア属に属する微生物に導入することによって行われる。また、エシェリヒア属に属する微生物が保持するL−バリン生合成系遺伝子の制御機構が実質的に解除されるような変異を導入してもよい。
エシェリヒア属に属する微生物において、L−バリンの生合成の最終段階の反応は、ilvGMEDAオペロンによってコードされる酵素群によって行われる。ilvGMEDAオペロンは、ilvGilvMilvEilvDilvAの各遺伝子を有しており、各々順に、アセトヒドロキシ酸シンターゼのアイソザイムIIの大サブユニット、小サブユニット、トランスアミナーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ及びスレオニンデアミナーゼをコードしている。これらの酵素のうち、アセトヒドロキシ酸シンターゼ、トランスアミナーゼ及びジヒドロキシ酸デヒドラターゼは、ピルビン酸からL−バリンへの合成経路、及び2−ケト酪酸からL−イソロイシンへの合成経路を触媒し、スレオニンデアミナーゼはL−イソロイシン生合成系の律速段階であるL−スレオニンから2−ケト酪酸への脱アミノ化反応を触媒する。したがって、L−バリン合成系の反応を効率よく進行させるためには、スレオニンデアミナーゼ活性を発現しないオペロンを用いることが好ましい。このようなスレオニンデアミナーゼ活性を発現しないilvGMEDAオペロンとしては、スレオニンデアミナーゼ活性を失うような変異がilvAに導入された、又はilvAが破壊されたilvGMEDAオペロン、あるいはilvAが欠失したilvGMEDオペロンが挙げられる。
また、ilvGMEDAオペロンは、L−バリン及び/又はL−イソロイシン及び/又はL−ロイシンによるオペロンの発現調節(アテニュエーション)を受けるので、生成するL−バリンによる発現抑制を解除するために、アテニュエーションに必要な領域が除去又は変異されていることが好ましい。
上記のような、スレオニンデアミナーゼ活性を発現せず、アテニュエーションが解除されたilvGMEDAオペロンは、野生型ilvGMEDAオペロンを変異処理し、または遺伝子組換え技術を用いて改変することにより得られる。
ilvGMEDAオペロンとしては、エシェリヒア属細菌由来のもの、特にE. coli由来のilvGMEDAオペロンが挙げられる。エシェリヒア属細菌としては、特に制限されないが、具体的にはナイトハルトらの著書(Neidhardt, F. C. et. al., Escherichica coli and Salmonella typhimurium, American Society for Microbiology, Washington D. C., 1208, table 1)にあげられるものが利用できる。ilvGMEDAオペロンを含有するDNAの供与菌として野生株を用いた場合、野生型のilvGMEDAオペロンを含むDNAが取得される。
ただし、野生型ilvGMEDAオペロンのDNA供与菌としてE. coliを用いる場合、K-12野生株はilvG遺伝子がフレームシフト変異をもっているために活性のあるアセトヒドロキシ酸シンターゼのアイソザイムII(AHASII)が発現していない(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78, 922, 1991)。従ってK-12株をDNA供与菌とする場合には、ilvG遺伝子がコードするアセトヒドロキシ酸シンターゼIIの活性が回復するようにフレームが戻った変異株を調製してから同変異株をDNA供与菌として用いる必要がある。あるいはK-12株由来の株以外のE. coliをDNA供与菌としてilvG遺伝子のみを単離し、これをK-12株由来のilvGMEDAオペロンに導入してもよい。すなわち、K-12株をDNA供与菌としてilvMEDA部分を単離し、K-12株由来の株以外のE. coliをDNA供与菌としてilvG遺伝子のみを単離し、両者を連結して完全長のilvGMEDAオペロンとする。なお、アセトヒドロキシ酸シンターゼのアイソザイムII(AHASII)は大小2つのサブユニットにより構成されており、大サブユニットはilvG遺伝子にコードされている。小サブユニットはilvM遺伝子にコードされている。
アテニュエーションが解除されたilvGMEDAオペロンを取得する方法は以下の通りである。
ilvGMEDAオペロンの5’上流域に存在するアテニュエーターの位置および塩基配列はR. P. Lawtherらによって報告されている。(Nucleic Acids Res. 15, 2137 (1987))。
スレオニンデアミナーゼを発現しないilvGMEDAオペロンを出発材料にして、アテニュエーターが除去されたilvGMEDAオペロンを調製することにより、スレオニンデアミナーゼを発現せず、且つアテニュエーターが除去されたilvGMEDAオペロンが得られる。
配列表の配列番号1として記載した塩基配列は、ilvGMEDAオペロンの塩基配列のうち、プロモーター、アテニュエーター、及びilvG遺伝子コード領域を含む配列であり、アテニュエーションに必要な領域を含んでいる。また、ilvG遺伝子によりコードされるアミノ酸配列を配列番号2に示す。966番目から971番目にいたるDNA配列はリーダーペプチド内に存在する2個のロイシン残基の連続部分をコードし、999番目から1007番目にいたるDNA配列はリーダーペプチド内に存在する3個のバリン残基の連続部分をコードし、1008番目から1016番目にいたるDNA配列はリーダーペプチド内に存在する3個のイソロイシン残基の連続部分をコードする。1081番目から1104番目にいたるDNA配列はアテニュエーター内にあるロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成する部分をコードする。
細胞内にL−イソロイシン、L−バリン及びL−ロイシンが十分量存在すると、1081番目から1104番目にいたるDNA配列より転写されるRNAよりロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループが形成されるためRNAポリメラーゼによる転写が終結してilvGMEDAオペロンは発現しない。
細胞内に、例えばL−バリンが不足すると細胞内にL−バリンが結合したtRNAが不足し、リーダーペプチドをコードする領域内に存在するバリン残基の連続部分でリボゾームによる翻訳が停滞する。このため、mRNAが新たな立体構造を形成するようになって、結果として1081番目から1104番目にいたるDNA配列により転写されるRNAにより形成されていたロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループが形成されなくなる。このためRNAポリメラーゼによる転写が続行してilvGMEDAオペロンは発現する。L−イソロイシン又はL−ロイシンが不足した場合も同様にしてilvGMEDAオペロンは発現する。
したがって、L−バリンによるアテニュエーションに必要な領域を除去するためには、配列表の配列番号1に開示される配列の999番目から1007番目にいたるDNA配列、または1081番目から1104番目にいたるDNA配列を除去すれば良い。同様に、後述のL−ロイシン生産菌の作製において、L−ロイシンによるアテニュエーションに必要な領域を除去するためには、配列表の配列番号1に開示される配列の966番目から971番目にいたるDNA配列、または1081番目から1104番目にいたるDNA配列を除去すれば良い。
ところで、アテニュエーションに必要な領域を除去するとは、アテニュエーションが起こらないように変異が導入されていることを意味する。したがって同変異はilvGMEDAオペロンの5’上流域に存在するアテニュエーター全部を除去するものだけに限定されない。要するに、アテニュエーターがロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成できなくなる変異であってもよい。また、L−バリン生産菌の作製においては、リーダーペプチド内にバリン残基の連続部分が含まれないようにする変異であってもよい。また、L−ロイシン生産菌の作製においては、リーダーペプチド内にロイシン残基の連続部分が含まれないようにする変異であってもよい。上記のいずれの場合もアテニュエーションは機能しなくなるからである。
すなわち、アテニュエーションに必要な領域を除去するとは、ilvGMEDAオペロンの5’上流域に存在するアテニュエーター全部、一部または近傍部分を除去するものの他に、アテニュエーター内部に新たなDNA断片を挿入することも含まれる。
(i)野生型ilvGMEDAオペロンの取得
ilvGMEDAオペロンを含有するDNAを取得するには、ilvGM遺伝子、ilvE遺伝子、ilvD遺伝子及びilvA遺伝子をおのおの取得し、これらを連結する方法が考えられる。ただし、L−バリン生産菌の取得においては、スレオニンデアミナーゼをコードするilvA遺伝子は必要ないので、ilvGM遺伝子、ilvE遺伝子及びilvD遺伝子を連結してilvGMEDを含有するDNAを取得してもよい。
まず、E. coli、例えばE. coli K-12株、E. coli W3110株、E. coli MC1061株(以上の3株はilvGがフレームシフトを起こしている)、E. coli MI162株(thr-10, car-94, λ - , relA1, ilvG603, thi-1)、E. coli B株(以上の2株は正常なilvGを有している)を培養して培養物を得る。上記微生物を培養するには、通常の固体培養法で培養しても良いが、集菌の際の効率を考慮すると液体培養法を採用して培養するのが好ましい。また、培地としては、酵母エキス、ペプトン、トリプトン、又は肉エキスに塩化ナトリウム(NaCl)を加えた培地が用いられる。具体的にはL−broth(バクト・トリプトン1%、バクト・イースト・エキストラクト0.5%、NaCl0.5%、ブドウ糖0.1%、pH=7.2)である。なお、培地の初発pHは、6〜8に調製するのが適当である。また培養は30〜42℃、好ましくは37℃前後で4〜24時間、通気かく拌深部培養、振とう培養または静置培養等により行う。なお、E. coli MI162株は、E. coli Genetic Stock Center(米国コネチカット州)より入手可能である。同株の索引番号はCGSC5919である。同株の詳しい性質は、Mol. Gen. Genet. 143, 243(1976), J. Bacteriol., 149, 294(1982)に記載されている。
このようにして得られた培養物を、例えば3,000r.p.m.で5分間遠心分離してE. coliの菌体を得る。この菌体より、例えば斎藤、三浦の方法(Biochem. Biophys. Acta., 72, 619(1963))、K. S. Kirbyの方法(Biochem. J., 64, 405,(1956))等の方法により染色体DNAを得ることができる。
こうして得られた染色体DNAからilvGMEDAオペロンを単離するために、染色体DNAライブラリーを作製する。まず、染色体DNAを適当な制限酵素で部分分解して種々の断片混合物を得る。切断反応時間等を調節して切断の程度を調節すれば、幅広い種類の制限酵素が使用できる。例えば、Sau3AIを、温度30℃以上、好ましくは37℃、酵素濃度1〜10ユニット/mlで様々な時間(1分〜2時間)染色体DNAに作用させてこれを消化する。
ついで、切断された染色体DNA断片を、エシェリヒア属細菌細胞内で自律複製可能なベクターDNAに連結し、組換えDNAを作製する。具体的には、染色体DNAの切断に用いた制限酵素Sau3AIと同一末端塩基配列を生じさせる制限酵素、例えばBamHIを、温度30℃以上、酵素濃度1〜100ユニット/mlの条件下で1時間以上、好ましくは1〜3時間、ベクターDNAに作用させてこれを完全消化し、切断開裂する。次いで、上記のようにして得た染色体DNA断片混合物と開裂切断されたベクターDNAを混合し、これにDNAリガーゼ、好ましくはT4DNAリガーゼを、温度4〜16℃、酵素濃度1〜100ユニット/mlの条件下で1時間以上、好ましくは6〜24時間作用させて組換えDNAを得る。
得られた組換えDNAを用いて、エシェリヒア属の微生物、例えばE. coli MI262(leuB6, ilvI614, ilvH612, λ - , relA1, spoT1, ilvB619, ilvG603, ilvG605(am), thi-1)のようなアセトヒドロキシ酸シンターゼ欠損変異株、E. coli AB2070株(proA2, trp-3, hisG4, ilvE12, metE46, thi-1, ara-9, lacY1 or lacZ4, galK2, malA1, mtl-1, rpsL8 or rpsL9, ton-1, tsx-3, λ R , λ - , supE44)のようなトランスアミナーゼB欠損変異株、あるいはE. coli AB1280株(hisG1, ilvD16, metB1, argH1, thi-1, ara-13, lacY1 or lacZ4, gal-6, xyl-7, mtl-2, malA1, rpsL8, 9 or 17, tonA2, λ R , λ - , supE44)のようなジヒドロキシ酸デヒドラターゼ欠損変異株を形質転換して染色体DNAライブラリーを作製する。この形質転換は、D. M. Morrisonの方法(Methods in Enzymology 68, 326, 1979)あるいは受容菌細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Mandel, M. and Higa, A., J. Mol., Biol., 53, 159(1970))等により行うことができる。なお、E. coli MI262株は、E. coli Genetic Stock Center(米国コネチカット州)より入手可能である。同株の索引番号はCGSC5769である。同株の詳しい性質は、Mol. Gen. Genet., 156, 1(1977)に記載されている。E. coli AB2070株は、E. coli Genetic Stock Center(米国コネチカット州)より入手可能である。同株の索引番号はCGSC2070である。同株の詳しい性質は、J. Bacteriol., 109, 730(1972)に記載されている。
ところで、ilvGMEDAオペロンの全塩基配列は明らかにされている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))ので、特定の制限酵素を選んで染色体DNAを消化することにより、目的とする遺伝子が存在するDNA断片を特定の長さのものとすることができる。同特定の長さを有するDNA断片だけをベクターDNAに連結して組換えDNAを作成し、同組換えDNAを用いて染色体DNAライブラリーを作成する方が、より効率よく目的とする遺伝子が存在するDNA断片を取得することができる。
得られた染色体DNAライブラリーの中から、アセトヒドロキシ酸シンターゼ活性が増大した株あるいはアセトヒドロキシ酸シンターゼ遺伝子欠損に起因する栄養要求性が相補された株を選択し、ilvGM遺伝子を含む組換えDNAをもつ菌株を得る。
得られた染色体DNAライブラリーの中から、トランスアミナーゼB活性が増大した株あるいはトランスアミナーゼB遺伝子欠損に起因する栄養要求性が相補された株を選択し、ilvE遺伝子を含む組換えDNAをもつ菌株を得る。
得られた染色体DNAライブラリーの中から、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ活性が増大した株あるいはジヒドロキシ酸デヒドラターゼ遺伝子欠損に起因する栄養要求性が相補された株を選択し、ilvD遺伝子を含む組換えDNAをもつ菌株を得る。
ilvGM遺伝子を含有する組換えDNAをもつ候補株が、ilvGM遺伝子がクローニングされた組換えDNAを保持するかどうかを確認するには、候補株から細胞抽出液を調製し、それより粗酵素液を調製してアセトヒドロキシ酸シンターゼ活性が増大していることを確認することにより達成できる。アセトヒドロキシ酸シンターゼの酵素活性測定法は、M. D. Feliceらの方法により行うことができる(Methods in Enzymology 166, 241)。
また、アセトヒドロキシ酸シンターゼ欠損変異株はイソロイシン、ロイシン及びバリン要求性があるので、アセトヒドロキシ酸シンターゼ欠損変異株を宿主に用いた場合は、バリンを含有しない最少培地上で生育可能となった菌株を単離し、該菌株から組換えDNAを回収することにより、ilvGM遺伝子を含有するDNA断片を得ることができる。
あるいは、ilvGM遺伝子を含むDNAの塩基配列はR. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))。そこで、候補株から組換えDNAを単離して、その塩基配列を解読して、同報告にある塩基配列と比較することによっても確認が行える。
上述した通り、E. coli K-12株のilvG遺伝子のオープン・リーディング・フレーム内部には変異が生じている。その結果フレームシフトが起き、さらに途中に終始コドンが出現するために翻訳が終了してしまう。すなわち、ilvG遺伝子の開始コドンのATG(1〜3番目)から数えて982〜984番目に終始コドンが出現している。したがって、同株より取得したilvGM遺伝子を用いる場合には、サイト・ダイレクティッド・ミュータジェネシス法により変異部分を正常に戻す必要がある。たとえばエシェリヒア・コリMI162株のilvG遺伝子(ilvG603)では、982〜984番目にある終始コドンTGAの前に、TGの2塩基対が挿入されて、フレームが正常に戻っている。その他についてはJ. Bacteriol. 149, 294(1982)のFig.2に詳しく記載されている。
ilvE遺伝子を含有する組換えDNAをもつ候補株が、ilvE遺伝子がクローニングされた組換えDNAを保持するかどうかを確認する方法は以下の通りである。トランスアミナーゼB欠損変異株はイソロイシン要求性であるので、トランスアミナーゼB欠損変異株を宿主に用いた場合は、イソロイシンを含有しない最少培地上で生育可能となった菌株を単離し、該菌株から組換えDNAを回収することにより、ilvE遺伝子を含有するDNA断片を得ることができる。
あるいはilvE遺伝子を含むDNAの塩基配列はR. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))。そこで、候補株から組換えDNAを単離して、その塩基配列を解読して、同報告にある塩基配列と比較することによっても確認が行える。
ilvD遺伝子を含有する組換えDNAをもつ候補株が、ilvD遺伝子がクローニングされた組換えDNAを保持するかどうかを確認する方法は以下の通りである。ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ欠損変異株はイソロイシン、ロイシン、バリン要求性であるので、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ欠損変異株を宿主に用いた場合は、バリンを含有しない培地上で生育可能となった菌株を単離し、該菌株から組換えDNAを回収することにより、ilvD遺伝子を含有するDNA断片を得ることができる。
あるいはilvE遺伝子を含むDNAの塩基配列はR. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))。そこで、候補株から組換えDNAを単離して、その塩基配列を解読して、同報告にある塩基配列と比較することによっても確認が行える。
上記菌株おのおのより、組換えDNAを、例えばP. Guerryらの方法(J. Bacteriol., 116, 1064(1973))、D. B. Clewellの方法(J. Bacteriol., 110, 667(1972))などにより単離することができる。
ilvGMEDAオペロン全長を得るには、ilvGM遺伝子を有するDNA断片、ilvE遺伝子を有するDNA断片、及びilvD遺伝子を有するDNA断片を連結する。連結するときには、R. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))ilvGMEDAオペロン全塩基配列を参考にできる。
野生型ilvGMEDAオペロンの取得は、染色体上に野生型ilvGMEDAオペロンを有する株から、斎藤、三浦の方法等により染色体DNAを調製し、ポリメラーゼチェインリアクション法(PCR:polymerase chain reaction; White, T. J. et al; Trends Genet. 5,185(1989)参照)により、ilvGMEDAオペロンを増幅することによっても行える。増幅反応に用いるDNAプライマーは、ilvGMEDAオペロンの全領域あるいは一部領域を含有するDNA二重鎖の両3’末端に相補するものを用いる。ilvGMEDAオペロンの一部領域だけを増はした場合には、該DNA断片をプローブとして全領域を含むDNA断片を染色体DNAライブラリーよりスクリーニングする必要がある。ilvGMEDAオペロンの全領域を増幅した場合には、増幅されたilvGMEDAオペロンを含有するDNA断片を含むPCR反応液をアガロースゲル電気泳動に供した後、目的のDNA断片を抽出することによってilvGMEDAオペロンを含有するDNA断片を回収できる。この場合においても、L−バリン生産菌の取得に際してはilvA遺伝子は必須ではないので、ilvGMED部分のみを増幅してもよい。
DNAプラスマーを作製するには、R. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))E. coliilvGMEDAオペロン全塩基配列を参考にできる。
プラスマーDNAの合成はホスホアミダイド法(Tetrahedron Letters, 22, 1859(1981)参照)等の常法により、市販のDNA合成装置(例えば、Applied Biosystems社製DNA合成機model 380B等)を用いて合成することができる。また、PCR反応は、市販のPCR反応装置(パーキンエルマー社製DNAサーマルサイクラーPJ2000型等)を使用し、TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造(株)より供給されている)を用い、供給者により指定された方法に従って行うことができる。
PCR法により増幅されたilvGMEDAオペロンは、エシェリヒア属細菌細胞内において自律複製可能なベクターDNAに接続し、エシェリヒア属細菌細胞に導入することによって、ilvA遺伝子への変異の導入操作およびアテニュエーションに必要な領域の除去操作等がしやすくなる。用いられるベクターDNAと形質転換法、さらにilvGMEDAオペロンの存在の確認方法は上述した方法と同じである。
ilvGMEDAオペロンの供与菌として、E. coli K-12株、E. coli W3110株、E. coli MC1061株等を使用した場合には、上述したようにilvG遺伝子のオープン・リーディング・フレーム内部にフレームシフト変異が存在しているので、この変異部分をサイト・ダイレクティッド・ミュータジェネシス法等により正常に戻す必要がある。E. coli MI162株(thr-10, car-94, λ - , relA1, ilvG603, thi-1)、E. coli B株等をDNA供与菌として場合には、ilvG遺伝子はそのまま使用することができる。
(ii)ilvGMEDAオペロンのアテニュエーションに必要な領域の除去
ilvGMEDAオペロンからアテニュエーションに必要な領域を除去する、すなわちilvGMEDAオペロンにアテニュエーションが起こらないような変異を導入するには、ilvGMEDAオペロンの5’上流域に存在するアテニュエーター全部、一部または近傍部分を除去するものの他に、アテニュエーター内部に新たなDNA断片を挿入するものも含まれる。なお、ここで「アテニュエーター」とは、ロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成する塩基配列である。たとえば配列表配列番号1に記載される塩基配列の1081番目から1104番目にいたる部分である。
アテニュエーターを除去するためにはilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも上流域のDNA断片を調製し、またilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも下流域のDNA断片を調製して両者を連結すればよい。例えばilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも上流域のDNA断片は、完全長のilvGMEDAオペロンを含むDNA断片を適当な制限酵素で切断することによって調製できる。あるいは、ilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも上流域のDNA断片をPCR法によって増幅してもよい。PCR法に用いるプライマーDNAは、R. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))塩基配列、G. Coppolaらによってすでに報告されている(Gene 97, 21(1991))塩基配列を基にして化学合成してもよい。さらには、ilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも上流域のDNA断片を化学合成してもよい。
ilvGMEDAオペロンのうちアテニュエーター部よりも下流域のDNA断片を調製する方法も同様である。
ilvGMEDAオペロンを出発材料にして、アテニュエーターの一部または近傍部分が除去されたilvGMEDAオペロンを調製することによりilvGMEDAオペロンが得られる場合がある。アテニュエーターの位置および塩基配列はR. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))ので、この配列を基にして除去するDNAを決定する。
除去するDNAは、アテニュエーターがロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成するために必要なDNA部分か、同シュテム/ループの上流に位置する連続するバリン残基をコードする領域を含む適当なDNA部分か、あるいはその両方を含むDNA部分が好ましい。アテニュエーターの一部または近傍部分を除去するためにはilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも上流域のDNA断片を調製し、またilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも下流域のDNA断片を調製して両者を連結すればよい。例えばilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも上流域のDNA断片は、完全長のilvGMEDAオペロンを含むDNA断片を適当な制限酵素で切断することによって調製できる。あるいは、ilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも上流域のDNA断片をPCR法によって増幅してもよい。PCR法に用いるプライマーDNAは、R. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))塩基配列、G. Coppolaらによってすでに報告されている(Gene 97, 21(1991))塩基配列を基にして化学合成してもよい。さらには、ilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも上流域のDNA断片を化学合成してもよい。
ilvGMEDAオペロンのうち除去されるDNA部分よりも下流域のDNA断片を調製する方法も同様である。
ilvGMEDAオペロンを出発材料にして、アテニュエーター内部に新たなDNA断片が挿入されたilvGMEDAオペロンを調製することによりilvGMEDAオペロンが得られる場合がある。アテニュエーターの位置および塩基配列は、R. P. Lawtherら、あるいはG. Coppolaらによってすでに報告されているので、この配列を基にして挿入される新たなDNA断片の挿入位置および挿入されるDNA断片の塩基配列を決定する。
挿入される新たなDNA断片は、アテニュエーターがロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成するために必要なDNA部分か、あるいは同シュテム/ループの上流に位置する連続するバリン残基をコードするDNA部分に挿入されることが好ましい。挿入の結果、アテニュエーターがロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成できなくなることがあり、このためアテニュエーターが機能しなくなることが期待されるからである。
挿入される新たなDNA断片の塩基配列は、挿入されたときにアテニュエーターがロー非依存型のターミネーター様シュテム/ループを形成しないように設計され、挿入されたときに同シュテム/ループの上流に連続するバリン残基が位置しないように設計されることが好ましい。
アテニュエーターの内部に新たなDNA断片を挿入するためには、ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片を調製し、またilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも下流域のDNA断片を調製して、さらに挿入される新たなDNA断片を調製して3者を連結すればよい。例えばilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片は、完全長のilvGMEDAオペロンを含むDNA断片を適当な制限酵素で切断することによって調製できる。あるいは、ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片をPCR法によって増幅してもよい。PCR法に用いるプライマーDNAは、R. P. Lawtherらによってすでに報告されている(Nucleic Acids Res. 15, 2137(1987))塩基配列、G. Coppolaらによってすでに報告されている(Gene 97, 21(1991))塩基配列を基にして化学合成してもよい。さらには、ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片を化学合成してもよい。
ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも下流域のDNA断片を調製する方法も同様である。
挿入される新たなDNA断片は化学合成によって調製できる。
また、ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片、あるいはilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも下流域のDNA断片をPCR法によって増幅する際に、プライマーDNAに挿入される新たなDNA断片を連結しておくこともできる。例えば、ilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも上流域のDNA断片を増幅するために用いる3’側DNAプライマーに、挿入される新たなDNA断片の片方の鎖を連結する。同様にしてilvGMEDAオペロンのうち新たなDNA断片が挿入されるDNA部分よりも下流域のDNA断片を増幅するために用いる5’側DNAプライマーに、挿入される新たなDNA断片の相補鎖を連結する。これらのプライマーを用いて増幅される2種のDNA断片を連結する。
(iii)スレオニンデアミナーゼの不活性化
取得したilvオペロンがilvA遺伝子を含んでいる場合には、スレオニンデアミナーゼ活性を発現しないように、ilvA遺伝子を除去し、あるいは発現されるスニオニンデアミナーゼが不活性化されるようにilvA遺伝子内部に変異、挿入、欠失等を起こさせるように、ilvA遺伝子を改変する。改変法としては、例えばilvA遺伝子内部に存在する制限酵素部位を切断し、切断点よりも下流のDNA断片を除去する方法が挙げられる。ilvA遺伝子を2箇所の制限酵素部位で切断し、再連結することによってDNA断片を切り出してもよい。また、前記制限酵素部位に合成DNA等の他のDNA断片を挿入することによって、発現されるスレオニンデアミナーゼを不活性化することができる。制限酵素切断部位が粘着末端である場合には、この粘着末端を平滑化した後、末端同士を連結することによっても、発現されるスレオニンデアミナーゼを不活性化することができる。さらに、部位特異的変異導入等によってもスレオニンデアミナーゼを不活性化することができる。
以下、アテニュエーションが解除され、かつ、スレオニンデアミナーゼ活性を発現しないilvGMEDAオペロンまたはilvAを欠失したilvGMEDオペロンを、解除型ilvGMEDA *オペロンという。ここで、「A*」は、ilvA遺伝子の欠失、または活性を有しないスレオニンデアミナーゼまたはその一部をコードするilvA遺伝子を表す。
(iv)エシェリヒア属に属する微生物への解除型ilvGMEDA *オペロンの導入
上記のようにして得られる解除型ilvGMEDA *オペロンを含むDNA断片を組換えDNAとして、適当な宿主微生物に導入し、発現させることにより、ilvGMEDA *オペロンにコードされるバリン生合成系の酵素群の発現が増強された微生物を取得できる。宿主としては、エシェリヒア属に属する微生物が好ましく、例えばエシェリヒア・コリがあげられる。
また、組換えDNAから解除型ilvGMEDA *オペロンを取り出し、他のベクターDNAに挿入したものを使用してもよい。本発明において用いることのできることのできるベクターDNAとしては、プラスミドベクターDNAが好ましく、例えばpUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218等が挙げられる。他にもファージDNAのベクターも利用できる。
さらに、解除型ilvGMEDA *オペロンの発現を効率的に実施するために、解除型ilvGMEDA *オペロンの上流にlac、trp、PL等の微生物内で働く他のプロモーターを連結してもよく、ilvGMEDA *オペロン固有のプロモーターをそのまま、あるいは増幅して用いてもよい。
また、上記のように、解除型ilvGMEDA *オペロンを含むDNA断片を自律複製可能なベクターDNAに挿入したものを宿主に導入し、プラスミドのような染色体外DNAとして宿主に保持させてもよいが、解除型ilvGMEDA *オペロンを含むDNA断片を、トランスダクション、トランスポゾン(Berg, D. E. and Berg, C. M., Bio/Technol., 1,417(1983))、Muファージ(特開平2−109985号公報)または相同性組換え(Experiments in Molecular Genetics, Cold Spring Habor Lab.(1972))を用いた方法で宿主微生物の染色体に組み込んでもよい。宿主に導入する解除型ilvGMEDA *オペロンの数は、1つでもよく、複数でもよい。
上記のようにして解除型ilvGMEDA *オペロンを含むDNA断片を、リポ酸要求性の、又は/及びH+-ATPaseを欠損したエシェリヒア属に属する微生物に導入することにより、L−バリン生産菌が得られる。解除型ilvGMEDA *オペロンを含むDNA断片を導入したエシェリヒア属に属する微生物に、リポ酸要求性又は/及びH+-ATPase欠損を導入してもL−バリン生産菌は得られる。
〔2〕L−ロイシン生産菌
後記実施例に示すように、リポ酸要求性またはH+-ATPaseを欠損したエシェリヒア属に属する微生物は、L−バリン生産性を向上させることができることが明らかとなった。このことは、リポ酸要求性変異により、あるいはH+-ATPase欠損変異によって、細胞内の代謝の流れがL−バリン合成が進む方向に傾いた結果であることを示唆している。したがって、L−バリン生合成系の最終中間体から分岐する合成経路を有するL−ロイシン生合成も、リポ酸要求性変異又は/及びH+-ATPase欠損変異によって促進されると考えられる。したがって、L−ロイシン生産能をリポ酸要求性変異株、H+-ATPase欠損変異株、又はリポ酸要求性−H+-ATPase欠損変異をともに有する変異株に付与または増強すれば、L−ロイシン生産能を付与又は増強できることが期待される。
L−ロイシンの生産能の付与または増強は、例えば、上記L−バリン生産に必要な性質に加えて、制御機構が実質的に解除されたL−ロイシン生合成系遺伝子をエシェリヒア属に属する微生物に導入することによって行われる。また、エシェリヒア属に属する微生物が保持するL−ロイシン生合成系遺伝子の制御機構が実質的に解除されるような変異を導入してもよい。このような遺伝子として、例えば、L−ロイシンによる阻害が実質的に解除されたleuA遺伝子が挙げられる。
尚、本発明の微生物は、以上のようなL−バリン生産能あるいはL−ロイシン生産能に加えて、アミノ酸生産能の向上に有効な公知の性質、例えば各種栄養要求性、薬剤耐性、薬剤感受性、薬剤依存性等の性質あるいは遺伝子工学的手法により、アミノ酸の生合成を向上させる遺伝子が増幅されている特徴を併せ持っていてもよい。
<2>本発明のL−バリンまたはL−ロイシンの製造法
本発明によるL−バリンまたはL−ロイシンの製造は、本発明の微生物を液体培地で培養し、培養液中にL−バリンまたはL−ロイシンを生成蓄積せしめ、この培養液からL−バリンまたはL−ロイシンを採取することによって行うことができる。この際、L−バリンの製造には本発明のL−バリン生産菌を、L−ロイシンの製造には本発明のL−ロイシン生産菌を使用する。
本発明の製造法におけるL−バリン生産菌またはL−ロイシン生産菌の培養および培養液からのL−バリンまたはL−ロイシンの採取、精製等は、従来の微生物を用いた発酵法によるアミノ酸の製造法と同様にして行えばよい。培養に使用する培地としては、炭素源、窒素源、無機物を含有し、必要があれば使用菌株が生育に要求する栄養源を適当量含有するものであれば、合成培地でも天然培地でもよい。炭素源としては、グルコースやシュークロースをはじめとする各種炭水化物、各種有機酸があげられる。また使用する微生物の資化性によってはエタノールやグリセロール等のアルコールを用いることが出来る。窒素源としては、アンモニアや、硫酸アンモニウム等の各種のアンモニウム塩類や、アミン類その他の窒素化合物や、ペプトン、大豆加水分解物、発酵菌体分解物等の天然窒素源を用いることが出来る。無機物としては、燐酸一カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、炭酸カルシウム等が用いられる。
培養は、振盪培養、通気撹拌培養等の好気的条件下で行うことが好ましく、培養温度は20〜40℃で、好ましくは30〜38℃の範囲で行う。培地のpHは通常5〜9の範囲であり、6.5〜7.2の範囲が好ましい。培地のpHは、アンモニア、炭酸カルシウム、各種酸、各種塩基、緩衝液などによって調整することができる。通常、1〜3日の培養によって、培養液中に目的とするL−バリンまたはL−ロイシンが蓄積する。
培養終了後、培養液から菌体などの固形物を遠心分離や膜分離法で除去し、イオン交換法、濃縮法、晶析法等によって目的とするL−バリンまたはL−ロイシンを採取、精製することが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1は、プラスミドpHSGSKを構築する手順を示す図である。
図2は、プラスミドpdGM1を構築する手順を示す図である。
図3は、プラスミドpMWGMA2を構築する手順を示す図である。
図4は、プラスミドpMWD5を構築する手順を示す図である。
図5は、プラスミドpMWdAR6を構築する手順を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 L−バリン生産菌の創製
1.解除型ilvGMEDオペロン発現プラスミドpMWdAR6の構築
エシェリヒア・コリMI162株より、染色体DNAを抽出した。該染色体DNAを制限酵素HindIIIで切断した。ilvGM遺伝子を含むHindIII−HindIII DNA断片は4.8kbの長さであることが判明している。そこで4.8kb前後の長さを有するHindIII−HindIII DNA断片と、プラスミドベクターpBR322(宝酒造(株)より購入)をHindIIIで切断して得られるDNA断片とを連結した。
得られたDNA連結反応混合物を、アセトヒドロキシ酸シンターゼ欠損株であるエシェリヒア・コリMI262株に導入した。形質転換されてアセトヒドロキシ酸シンターゼ欠損の形質が相補された株を選択し、その株が保有するプラスミドを単離した。同プラスミドの構造を解析した結果、pBR322のHindIII部位にilvGM遺伝子及びilvE遺伝子の5’末端側の一部を含む4.8kbのDNA断片が挿入されていた。同プラスミドをpBRGM7と命名した。
Gene 97, 21,(1991)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78, 922,(1981)とJ. Bacteriol. 149, 294,(1982)に報告されているilvGM遺伝子の塩基配列を参考にして、配列表配列番号3と配列番号4に記載した合成オリゴヌクレオチドDNAを合成した。両DNAをプライマーとして、MI162株の染色体DNAを鋳型として、PCR法にてDNAの増幅を行った。増幅されるDNA断片は配列表配列番号1に記載される塩基配列のうち25番目から952番目の配列を有するDNA断片である。同断片を断片(A)とする。
同様にして、Gene 97, 21,(1991)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78, 922,(1981)とJ. Bacteriol. 149, 294,(1982)に報告されている塩基配列を参考にして、配列表配列番号5と配列番号6に記載した合成オリゴヌクレオチドDNAを合成した。両DNAをプライマーとして、MI162株の染色体DNAを鋳型として、PCR法にてDNAの増幅を行った。増幅されるDNA断片は配列表配列番号1に記載される塩基配列のうち1161番目から2421番目の配列を有するDNA断片である。同断片を断片(B)とする。
断片(A)をSmaIで消化して得られる大断片と、ベクターpUC18(宝酒造)をSmaIで消化して得られるDNA断片とを連結してプラスミドpUCAを作成した。断片(B)をKpnIで消化して得られる大断片と、pHSG399(宝酒造)をHincII及びKpnIで消化して得られる大断片とを連結してプラスミドpHSGBを作成した。
プラスミドpUCAをKpnIで消化し、DNAポリメラーゼIの大フラグメント(クレノーフラグメント)を用いて切断端を平滑末端化し、さらにPstIで消化し、最終的に断片(A)を含むDNA断片を単離した。プラスミドpHSGBをHindIIIで消化し、DNAポリメラーゼIの大フラグメント(クレノーフラグメント)を用いて切断端を平滑末端化し、さらにPstIで消化し、最終的に断片(B)を含むDNA断片を単離した。両DNA断片を連結し、プラスミドpHSGSKを作成した。
pHSGSKに搭載される、断片(A)及び断片(B)に由来するSmaI−KpnI断片を断片(C)と命名した。断片(C)は、ilvGM遺伝子を含む4.8kbのHindIII−HindIII断片をSmaIとKpnIで切断して得られる断片に相当し、プロモーター、SD配列及びilvG遺伝子上流域を含むが、リーダー配列からアテニュエーター領域に至る配列約0.2kbを欠いている。以上、pHSGSKを構築する手順を図1にまとめた。
プラスミドpHSGSKをSmaIとKpnIで消化することにより断片(C)を得、プラスミドpBRGM7をSmaIとKpnIで消化することにより大DNA断片を得、両者を連結した。得られたプラスミドをpdGM1と命名した。pdGM1に搭載される、ilvGM遺伝子を含む4.6kbのHindIII−HindIII断片は、アテニュエーションに必要な領域を欠いている。アテニュエーションに必要な領域を欠いたilvGM遺伝子を、本実施例及び図面において「ΔattGM」と表現する。以上、pdGM1を構築する手順を図2にまとめた。
特開平2−458号公報に記載されているプラスミドpDRIA4は、エシェリヒア属細菌で自律複製可能でありかつブレビバクテリウム属細菌で自律複製可能なシャトルベクターpDR1120と、E. coli K-12由来のスレオニンデアミナーゼをコードするilvA遺伝子及びilvD遺伝子の3’末端側の一部を含むBamHI−BamHI断片とが結合されて調製される。なお同BamHI−BamHI断片は、特開平2−458号公報では、2.3kbと記載されているが、現在では、2.75kbであることが判明している。プラスミドpDRIA4はブレビバクテリウム・フラバムAJ12358(FERM P−9764)あるいはブレビバクテリウム・フラバムAJ12359(FERM P−9765)の染色体DNA外に存在する。これらの株から常法によりプラスミドpDRIA4を調製できる。尚、pDRIA4が有するilvA遺伝子がコードするスレオニンデアミナーゼは、L−イソロイシンによるフィードバック阻害が解除されているが、本発明においてはこのフィードバック阻害の解除は必須ではない。
プラスミドpDRIA4上のBamHI−BamHI 2.75kbのDNA断片中、L−イソロイシンによる阻害が実質的に解除されたスレオニンデアミナーゼをコードするilvA遺伝子を含むHindIII−BamHI断片を調製し、ベクターpMW119(ニッポンジーン社製)をHindIII及びBamHIで切断して得られるDNA断片と連結した。こうして作製されたプラスミドをpMWA1と命名した。
プラスミドpMWA1をHindIIIで切断して得られるDNA断片と、プラスミドpdGM1をHindIIIで切断して得られるilvGM遺伝子を含むDNA断片とを連結した。プラスミド上に存在する制限酵素認識部位の位置を解析することによって、ilvGM遺伝子の転写方向とilvA遺伝子の転写方向とが同方向となったものを選択し、これをプラスミドpMWGMA2と命名した。pMWGMA2は、アテニュエーターを除去されたilvGM遺伝子、ilvE遺伝子の5’末端側の一部、及びilvD遺伝子の3’末端側の一部を有している。以上、pMWGMA2を構築する手順を図3にまとめた。
エシェリヒア・コリMI162株の染色体DNAを調製し、これをSalI及びPstIで切断してDNA断片混合物を調製した。一方、ベクターpUC19(宝酒造社)をSalI及びPstIで切断してDNA断片を調製した。DNA断片混合物とpUC19が切断されて得られるDNA断片とを連結して、DNA混合物を得た。同DNA混合物を、トランスアミナーゼB欠損株であるAB2070株(J. Bacteriol, 109, 703, 1972、エシェリヒア・コリ ジェネティックストックセンターから分譲。CGSC2070)に導入し、形質転換されて分岐鎖アミノ酸要求性が回復した株を選択した。同株よりプラスミドを調製したところ、プラスミドpUC19がSalI及びPstIで切断して得られるDNA断片と、ilvE遺伝子を含むSalI−PstI DNA断片が連結されていた。このプラスミドをpUCE1と命名した。pUCE1は、ilvM遺伝子の3’末端側の一部、ilvE遺伝子、及びilvD遺伝子の5’末端側の一部を有している。
pMWGMA2をHindIIIで部分消化してDNA断片混合物を調製した。一方、pUCE1をHindIIIで切断して、ilvE遺伝子の一部とilvD遺伝子の5’末端側の一部とを含む1.7kbのHindIII−HindIII DNA断片を調製した。両者を連結して得られるDNA混合物を用いてジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(ilvD遺伝子産物)欠損株AB1280株を形質転換し、形質転換された株のうち分岐鎖アミノ酸要求性が消失したものを選択した。同形質転換株から、プラスミドを調製したところ、pMWGMA2がΔattGMとilvAとの間に存在するHindIII部位でのみ切断されて得られるDNA断片と、pUCE1に由来するilvE遺伝子の一部とilvD遺伝子の一部とを含む1.7kbのHindIII−HindIII DNA断片が連結されており、ilvGMEDAオペロンが再生されていた。こうして得られるプラスミドをpMWD5と命名した。以上、pMWD5を構築する手順を図4にまとめた。
以上の様にして得られたプラスミドpMWD5は、pMW119をベクターとしており、アテニュエーションに必要な領域が除去されたilvGMEDAオペロンを搭載したプラスミドである。
次に、こうして得られたプラスミドpMWD5をSnaBIで完全消化した後、AccIIIで部分消化した。得られたDNA断片を再環化しilvA遺伝子のみが破壊されたプラスミドpMWdAR6を得た(図5)。この様にして得られたプラスミドpMWdAR6はアテニュエーションに必要な領域を欠き、且つilvA遺伝子が破壊されたilvGMEDAオペロンを有するプラスミドである。
2.L−バリン生産菌の創製
上記のようにして得られたilvGMEDオペロン発現プラスミドpMWdAR6を用いて、リポ酸要求性変異株E. coli W1485lip2(ATCC25645)、H+-ATPase欠損変異株E. coli W1485atpA401、リポ酸要求性−H+-ATPase欠損変異株E. coli AJ12631(FERM P-12381)、及び野生株E. coli W1485(ATCC12435)をそれぞれ形質転換し、以下の形質転換株を得た。
1)E. coli W1485/pMWdAR6
2)E. coli W1485atpA401/pMWdAR6
3)E. coli W1485lip2/pMWdAR6
4)E. coli AJ12631/pMWdAR6
E. coli AJ12631は、E. coli W1485lip2(ATCC25645)に、E. coli AN718(CGSC6308)に由来するH+-ATPaseのF1のαサブユニットに変異を有する変異遺伝子であるatpA401をP1kcファージ(IFO20008)によって形質導入することによって得られた株である(特開平5−137568参照)。H+-ATPase欠損変異を有する形質導入株の選択は、atpA401遺伝子の近傍に位置するbg1遺伝子をマーカーとして利用した。bg1遺伝子は、ホスホ−β−グルコシダーゼをコードしており、野生型bg1遺伝子(bg1-)を有するE. coliはサリシンを資化できないが、変異bg1遺伝子(bg1+)を有するE. coliはサリシンを唯一の炭素源として生育できるようになり、平板培地にブロモチムールブルー(BTB)を添加しておくとサリシン資化性株のコロニーは自ら生産した有機酸によって黄色に着色する。したがって、変異型bg1遺伝子(bg1+)とatpA401遺伝子を連鎖形質導入すれば、H+-ATPase欠損変異株を効率よく選択することができる。まず、E. coli AN718からサリシン資化性(bg1+)株を分離し、続いてAN718(bg1+)株にP1kcを感染させ、得られた溶菌液を用いてE. coli W1485lip2の形質導入を行った。得られた形質導入株のリポ酸要求性及びH+-ATPase活性を調べ、リポ酸要求性及びH+-ATPase欠損変異のいずれをも保持していることを確認した。
E. coli W1485atpA401は、同様にしてE. coli W1485にatpA401を形質導入して得られた株である。
実施例2 L−バリンの製造
実施例1で得られたL−バリン生産菌のL−バリン生産性を評価した。バクトトリプトン1%、酵母エキス0.5%、NaCl0.5%、寒天1.5%、アンピシリン100μg/mlからなる組成の培地に各形質転換株を塗布し、37℃で18ないし24時間培養後、その一部を白金耳で20mlの発酵培地(グルコース4%、硫酸アンモニウム1.6%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム7水塩0.1%、硫酸第一鉄7水塩0.001%、硫酸マンガン5水塩0.001%、酵母エキス0.2%、バクトトリプトン0.2%、炭酸カルシウム3%、pH7.0)に接種して、37℃で24時間振盪培養した。リポ酸要求性株の培養にはリポ酸を1μg/Lとなるよう添加して培養した。
菌体を除去した培養上清中のL−バリン濃度を、陽イオンカラム(CPK08:旭化成(株)製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0003709564
この結果から、リポ酸要求性変異及び/又はH+-ATPase欠損変異を有するE. coliを宿主とし、この宿主細胞に、スレオニンデアミナーゼ活性を発現せず、アテニュエーションに必要な領域を欠損したilvGMEDA +オペロンを含むDNA断片を導入して得られたE. coliは、L−バリン生産性が増強されていることが明らかである。また、宿主としてリポ酸要求性であり、かつH+-ATPaseを欠損した株を用いると、L−バリン生産性を一層増強することができる。
産業上の利用可能性
本発明により、L−バリンまたはL−ロイシン生産菌のL−バリンまたはL−ロイシン生産能を増強することが可能となった。本発明の微生物を用いることにより、L−バリン及びL−ロイシンを効率よく製造することができる。
配列表
(1)一般情報
(i)出願人:味の素株式会社
(ii)発明の名称:L−バリン及びL−ロイシンの製造法
(iii)配列数:12
(iv)連絡先:
(A)宛名:
(B)番地:
(C)市:
(D)州:
(E)国:
(F)ZIP:
(v)コンピュータ読取り可能形式
(A)媒体:フロッピーディスク
(B)コンピュータ:IBM PC互換
(C)操作システム:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:FastSEQ Version 1.5
(vi)現行出願データ
(A)出願番号
(B)出願日
(C)分類
(viii)代理人/事務所情報
(A)名前:
(B)登録番号:
(C)整理番号:
(ix)通信情報
(A)電話番号:
(B)ファクシミリ番号:
(2)配列番号1の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:2841 base pairs
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:2本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:Genomic DNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vi)起源:
(A)生物名:エシェリヒア コリ(Escherichia coli
(B)株名:MI162
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:957..1055
(C)特徴を決定した方法:S
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:attenuator
(B)存在位置:1081..1104
(C)特徴を決定した方法:S
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1195..2841
(C)特徴を決定した方法:S
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:Cleavage-site(SmaI)
(B)存在位置:52..57
(C)特徴を決定した方法:S
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:cleavage-site(KpnI)
(B)存在位置:2395..2400
(C)特徴を決定した方法:S
(xi)配列:SEQ ID NO:1:
Figure 0003709564
Figure 0003709564
Figure 0003709564
Figure 0003709564
Figure 0003709564
(2)配列番号2の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:548 amino acids
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:SEQ ID NO:2:
Figure 0003709564
Figure 0003709564
Figure 0003709564
(2)配列番号3の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:22 base pairs
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸 合成DNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:SEQ ID NO:3:
Figure 0003709564
(2)配列番号4の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:21 base pairs
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸 合成DNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:YES
(xi)配列:SEQ ID NO:4:
Figure 0003709564
(2)配列番号5の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:22 base pairs
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸 合成DNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:SEQ ID NO:5:
Figure 0003709564
(2)配列番号6の配列の情報:
(i)配列の性質:
(A)配列の長さ:19 base pairs
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸 合成DNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:YES
(xi)配列:SEQ ID NO:6:
Figure 0003709564

Claims (7)

  1. L−バリン生産能を有するエシェリヒア属に属する微生物において、生育のためにリポ酸を要求し、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号999〜1007、又はヌクレオチド番号1081〜1104に相当する領域に変異を有することにより、L−バリンによるアテニュエーションが解除されたilvGMEDAオペロンを保持することを特徴とする微生物。
  2. さらに、H+−ATPaseを欠損したことを特徴とする請求項1に記載の微生物。
  3. 前記ilvGMEDAオペロンが、少なくともilvG、ilvM、ilvE及びilvDの各遺伝子を発現し、スレオニンデアミナーゼ活性を発現しない、請求項1又は2に記載の微生物。
  4. 前記ilvGMEDAオペロンが、配列番号1のヌクレオチド番号953〜1160の配列が除去されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物。
  5. 微生物がエシェリヒア・コリである請求項1〜4のいずれか一項に記載の微生物。
  6. 微生物が、エシェリヒア・コリW1485lip2(ATCC25645)/pMWdAR6又はエシェリヒア・コリAJ12631(FERM BP−5209)/pMWdAR6である請求項5に記載の微生物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のL−バリン生産能を有する微生物を液体培地に培養し、培養液中にL−バリンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−バリンの製造法。
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