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JP3707229B2 - 電子写真感光体およびこれを用いた電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびこれを用いた電子写真画像形成装置 Download PDF

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JP3707229B2
JP3707229B2 JP04193198A JP4193198A JP3707229B2 JP 3707229 B2 JP3707229 B2 JP 3707229B2 JP 04193198 A JP04193198 A JP 04193198A JP 4193198 A JP4193198 A JP 4193198A JP 3707229 B2 JP3707229 B2 JP 3707229B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置において用いられる電子写真感光体およびこれを用いた電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真の技術は、複写機の分野で発展してきており、最近では従来の装置とは比較にならない程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中でもデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が特に注目されてきた。これらの装置に用いられる画像形成方法としては、光を照射した部分以外にトナーを付着させて画像を形成する、従来からの正規現像方式だけでなく、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、レーザービーム等の光を照射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現像方式が採用されている。
【0003】
これらの電子写真装置で使用される感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられている。このような感光体においては、現像時に導電性基体から電荷発生層への電荷の注入が起こってトナー像が形成されるべきでない所に形成される、いわゆる黒ポチ、あるいはトナー像が形成されるべき所に形成されない、いわゆる白ポチと言われる画像ノイズが発生するのを防止するため、感光体基体表面を陽極酸化して陽極酸化層を設けるのが一般的であるが、かかる陽極酸化層を有する基体上に上記感光層を形成しても感光層から陽極酸化層への電荷の移動がスムーズにいかず、得られる感光体の特性に悪影響を及ぼしたり、陽極酸化処理による該基体表面積の増加により、処理液あるいは洗浄液中の不純物が付着し、再び黒ポチあるいは白ポチが発生するという問題が生じていた。
【0004】
そこで、特開昭63−116163号公報では陽極酸化処理した感光体基体表面を50〜80℃の酢酸ニッケル水溶液により封孔処理する技術が、特開昭63−214759号公報では陽極酸化処理した感光体基体表面を25〜40℃のフッ化ニッケル水溶液により封孔処理する技術が、特開昭63−311260号公報では陽極酸化処理した感光体基体表面を40℃以下の赤血塩水溶液等により低温封孔処理する技術が開示されている。しかしながら、いずれの技術においても1段階の封孔処理が行われるのみであり、上記問題を完全に解決するには至っていないの現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、いかなる環境下においても黒ポチあるいは白ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化した後、低温封孔処理および高温封孔処理をその順に施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなり、低温封孔処理が低温封孔剤を含む40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理であり、低温封孔剤がフッ化ニッケルまたは赤血塩であり、前記高温封孔処理が、高温封孔剤を含む65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理であり、高温封孔剤が酢酸ニッケルであることを特徴とする電子写真感光体に関する。
本発明はまた、少なくとも感光体の表面を帯電させる手段、像露光後トナーにて現像させる手段、該トナーを転写材に転写させる手段からなる電子写真画像形成装置において、感光体は上記感光体であり、前記感光体を帯電させる手段は感光体表面に接触して、感光体を帯電させる接触帯電手段であることを特徴とする電子写真画像形成装置に関する。
【0007】
本発明においては、このようにアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体表面を陽極酸化処理した後、低温封孔処理および高温封孔処理の2段階の封孔処理を行うことによって得られる感光体基体上に感光層を形成してなる電子写真感光体を用いることにより、いかなる環境下においても黒ポチ等のノイズが発生しない優れた画像を提供することができる。
【0008】
本発明の感光体に用いられるアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体の材質については特に限定されるものではなく、従来から用いられているものが使用可能である。しかし、アルミニウム合金中の混在異種金属の結晶粒径が大きいと酸化層の薄い部分ができて抵抗値が低くなり、支持体から感光層側への電荷の注入が生じやすくなる傾向があるため、混在異種金属の結晶粒径が小さい材質のアルミニウム合金を用いることが好ましい。
【0009】
本発明において行われる陽極酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、公知の方法で行われるが、本発明においては硫酸中での陽極酸化処理が最も良好である。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、好ましくは100〜200g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、好ましくは10〜30℃、電解電圧は5〜20V、好ましくは10〜20Vの範囲に設定するのが望ましい。さらに本発明においては、画像品質の観点から電流密度0.3〜1.5A/dm2、好ましくは0.6〜1.2A/dm2、より好ましくは0.7〜1.1A/dm2程度の低電流密度にて、10分以上、好ましくは15〜60分間程度の比較的長い時間にわたって陽極酸化処理することが望ましい。
【0010】
なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、好ましくは2〜10μm、より好ましくは4〜8μmとするのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要ない。
【0011】
得られた陽極酸化層は封孔処理に供される。陽極酸化層における多孔質部分が不安定であるためであり、一般に封孔処理することにより陽極酸化層の抵抗値が増加し、陽極酸化層の電荷注入防止層としての機能(ブロッキング性)がさらに向上する。
【0012】
本発明においては、封孔処理として低温封孔処理および高温封孔処理の2段階封孔処理が行われる。これら2種類の封孔処理の処理順序は、特に限定されないが、低温封孔処理を行った後、高温封孔処理を行うことが好ましい。この理由としては、低温封孔処理することにより、陽極酸化処理層表面に形成された多孔質部分の底部が充填され、高温封孔処理することにより多孔質部分の入口付近が閉じて狭くなることから、先に孔の底部が充填されてから、孔の入口が狭くなる順序の方が封孔処理がスムーズにおこなわれるものと考えられる。
【0013】
低温封孔処理とは、40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。処理液中には所望により低温封孔剤として、例えば、フッ化ニッケル、赤血塩等が含有されている。
【0014】
具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.0〜6.0、温度20〜40℃、好ましくは20〜35℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する感光体基体を1〜15分間、好ましくは2〜15分間浸漬することにより行われる。温度が25℃以下では水溶液の拡散が悪く、処理後の基体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一方、40℃を越えると得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキング性が低下して耐刷時にカブリを生じる。
【0015】
低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは10〜20g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜35℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する感光体基体を1〜20分間、好ましくは5〜15分間浸漬することにより行われる。温度が25℃以下では水溶液の拡散が悪く、処理後の基体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一方、40℃を越えると得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキング性が低下して耐刷時にカブリを生じる。
【0016】
また、低温封孔処理としては上記のように低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による蒸気封孔処理や加湿封孔処理を行ってもよい。蒸気封孔処理を行う場合には、3.0〜6.0kg/cm2の水蒸気圧下、30〜40℃で10〜30分間、好ましくは20〜30分間放置することにより行われる。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置することにより行われる。
【0017】
このように低温封孔処理された陽極酸化層は次いで高温封孔処理に供される。その際、低温封孔処理後、純水により流水洗浄したものを高温封孔処理に供することが好ましい。
【0018】
高温封孔処理とは、65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。処理液中には所望により高温封孔剤、例えば、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩が含有されるが、特に酢酸ニッケルを用いることが最も好ましい。
【0019】
具体的には、高温封孔剤として酢酸ニッケルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは80〜98℃に調整し、これに上記低温封孔処理済み陽極酸化層を有する感光体基体を5〜40分間、好ましくは10〜30分間浸漬することにより行われる。温度が65℃以下では処理後の基体表面の封孔度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一方、100℃を越えると、実質的に処理器具等がコスト高となり現実的でなく、また、得られる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキング性が低下して耐刷時にカブリを生じる。高温封孔剤として酢酸ニッケル以外の酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩を用いる場合も、酢酸ニッケルを用いる場合に準じて行われる。
【0020】
高温封孔処理としては上記のように高温封孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による熱水封孔処理または蒸気封孔処理等を行ってもよい。熱水封孔処理を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜98℃の熱水に10〜60分間、好ましくは20〜40分間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場合には、3.0〜6.0kg/cm2の水蒸気圧下、95〜98℃で10〜30分間、好ましくは10〜20分間放置することにより行われる。
【0021】
このように基体表面の陽極酸化層は、低温封孔処理、高温封孔処理の順に行われることが好ましいが、逆に処理することもできる。この場合において、それぞれの処理における具体的な方法および処理条件は上述の通りである。
【0022】
上記のようにして得られた感光体基体上には、公知の方法により感光層が形成される。感光層としては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれであってもよい。
【0023】
以下、感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場合について説明する。
【0024】
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着するか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布するか、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送層を形成する。
【0025】
本発明の感光体に用いられる電荷発生材料としては、例えばビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても使用することができる。
【0026】
また、本発明の感光体に用いられる電荷輸送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料を使用することができる。
【0027】
上記のような感光体の製造に使用される結着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例えば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することができる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリイミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上組み合わせて使用される。
なお、電荷輸送材料がそれ自身バインダーとして使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0028】
本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用してもよい。
【0029】
尚、本発明の感光体は、上述の低温封孔処理および高温封孔処理を施した陽極酸化層上に中間層を設けた構成であってもよい。中間層に用いられる材料としてはナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロースポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が適当である。膜厚は0.1〜30μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μmとする。
【0030】
さらに本発明の感光体は、上記感光層上に膜厚0.1〜10μmの表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などが使用できる。
また、表面保護層には、表面の硬度や粗さを調整するために、無機フィラーおよび有機微粒子等を添加してもよい。
無機フィラーとしては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫化物、窒素ケイ素、窒素アルミニウムおよびそれらの混合物等の金属窒素化物が挙げられる。これらの中で好ましいものは、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムである。
【0031】
有機微粒子としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等の各種微粒子およびそれらの混合物が挙げられ、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂ならびにポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂からなる樹脂微粒子が好ましく挙げられる。
【0032】
上記微粒子は球形粒子が好ましく、平均粒径あるいは長径が0.05〜2.0μm、望ましくは0.05〜1.0μmのものを使用する。粒径が0.05μmを下回ると 、感光層表面に必要な機械的強度が得られず、繰り返し像形成の過程で表面層が磨耗、損傷し易くなり、かつ電子写真性能が劣化する。又、2μmを上回ると感光層表面の表面粗さが大きくなり、クリーニング不良が起こる。
上記微粒子は表面層総重量に対して、50重量%まで、好ましくは5〜35重量%である。その含有量が50重量%より多くなると、感光体の感度が低下し、耐刷時に残留電位が上昇しカブリが発生する問題が生じる。
【0033】
表面保護層として有機プラズマ重合膜を使用することもできる。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んでいてもよい。
【0034】
本発明の感光体は感光層を選択することによって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式でも、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができるが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。
【0035】
このようにして製造された感光体が組み込まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれであってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。
【0036】
また表面保護層を形成した本発明の感光体は、感光層表面の帯電を表面と接触しながら行う帯電部材で構成されている複写システム、すなわち少なくとも感光体の表面を帯電させる手段、像露光後トナーにて現像させる手段、転写材に転写する手段および転写後クリーニングする手段からなる電子写真画像形成装置において、該帯電する手段が感光体表面に接触させて帯電させる接触帯電手段であることを特徴としている電子写真画像形成装置に適している。かかる装置に使用される帯電部材はブラシ状、ブレード状、フィルム状、およびローラー状等で、レーヨン、ナイロン、ビニロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、フッ化エチレン等の樹脂中にカーボンブラック、炭素繊維、金属粉、金属ウイスカー、金属酸化物等の抵抗調整剤を分散させた各種形態のものが知られている。
【0037】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例】
実施例1
JIS5005円筒状アルミニウム合金(外径100mm、長さ350mm、厚さ1mm)の表面を、切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。これを脱脂剤(界面活性剤)を用いて60±5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。次いで濃度10g/lの硝酸により2分間エッチング処理した後、純水で流水洗浄した。次に、電解液として150g/lの硫酸を用いて、電解電圧18V、電流密度0.8A/dm2、液温20℃で25分間陽極酸化処理を行い、厚さ7μmの陽極酸化層を形成した。
【0038】
これを純水で流水洗浄した後、赤血塩を主成分とする低温封孔剤(CS−1;クラリアント社製)水溶液(濃度15g/l、pH5.8)を用いて、30℃で10分間低温封孔処理を行った。次に、これを純水で流水洗浄した後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤(DX−500;奥野製薬工業社製)水溶液(濃度7g/l、pH5.8)を用いて、85℃で20分間高温封孔処理を行い、純水洗浄後、乾燥させ、感光体基体を得た。
【0039】
一方、τ型金属フタロシアニン(Liophoton:東洋インキ製造社製)1重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)0.5重量部とをテトラヒドロフラン(THF)50重量部と共にサンドミルにより分散させた。得られたフタロシアニン系の分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0040】
下記式:
【化1】
Figure 0003707229
【0041】
で表されるトリフェニルアミン化合物10重量部とポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300、帝人化成社製)10重量部とをジクロルメタン180重量部に分散させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0042】
実施例2
円筒状アルミニウム合金としてJIS5657(外径100mm、長さ350mm、厚さ1mm)を用いたこと、および低温封孔処理工程において低温封孔剤としてフッ化ニッケルを主成分とする封孔剤(L−100;奥野製薬工業社製)を用い、これの水溶液(濃度5g/l、pH5.5)を用いて25℃で5分間低温封孔処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0043】
実施例3
円筒状アルミニウム合金としてJIS6063(外径100mm、長さ350mm、厚さ1mm)を用いたこと以外、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0044】
実施例4
高温封孔処理を行った後で低温封孔処理を行ったこと、高温封孔処理工程において純水(熱水)を用いて95℃で30分間高温封孔処理を行ったこと、および低温封孔処理工程において低温封孔剤としてフッ化ニッケルを主成分とする封孔剤(CS−N;クラリアントジャパン社製)を用い、これの水溶液(濃度4g/l、pH5.5)を用いて30℃で10分間低温封孔処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0045】
実施例5
実施例2と同様にして感光体基体を得た。この感光体基体上に、以下に従って感光層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0046】
下記式:
【化2】
Figure 0003707229
【0047】
で表されるトリスアゾ化合物0.45重量部、ブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)0.25重量部およびフェノキシ樹脂(PKHH;ユニオンカーバイド社製)0.25重量部をシクロヘキサノン50重量部と共にサンドミルにより48時間分散させた。
【0048】
得られたトリスアゾ化合物の分散塗液を上記感光体基体に、乾燥後の厚さが0.4g/m2となるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0049】
下記式:
【化3】
Figure 0003707229
【0050】
で表されるジスチリル化合物40重量部、ポリカーボネート樹脂(TS−2050、帝人化成社製)60重量部、およびジブチルヒドロキシトルエン6重量部をジクロルメタン400重量部に溶解した溶液を上記電荷発生層上に塗布、乾燥させて、膜厚28μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0051】
実施例6
円筒状アルミニウム合金としてJIS6063(外径100mm、長さ350mm、厚さ1mm)を用いたこと以外、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0052】
比較例1
高温封孔処理を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作成した。
【0053】
比較例2
低温封孔処理を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作成した。
【0054】
比較例3
高温封孔処理を行わなかったこと以外、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作成した。
【0055】
比較例4
低温封孔処理を行わなかったこと以外、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作成した。
【0056】
比較例5
低温封孔処理を行わなかったこと以外、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作成した。
【0057】
(黒ポチ評価)
実施例1〜4および比較例1〜4で得られた電子写真感光体をそれぞれフルカラー複写機(CF80;ミノルタ社製、光源波長:0.78μm、最大光量12.5erg/cm2)に搭載し、システムスピードが109mm/秒になるように改造した。この複写機の4つの現像器全てに純製黒色トナーを補給し、黒色トナーによる4回重ねにより白ベタ画像を複写し、初期および1000枚複写後における画像25mm2中の黒ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。
○:14個以下;
△:15〜29個;
×:30個以上。
【0058】
この評価結果を以下の表1に示す。
【表1】
Figure 0003707229
【0059】
(白ポチ評価)
実施例5〜6および比較例5で得られた電子写真感光体をそれぞれ複写機(EP9765;ミノルタ社製)に搭載し、黒色トナーを用いて黒ベタ画像を複写し、初期および20万枚複写後における画像25mm2中の白ポチ(白斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。
◎:0個
○:1〜14個;
△:15〜29個;
×:30個以上。
【0060】
この評価結果を以下の表2に示す。
【表2】
Figure 0003707229
【0061】
これらの結果から、陽極酸化処理後、低温封孔処理および高温封孔処理を行うことによって得られた感光体基体に感光層を形成した感光体を用いると黒ポチあるいは白ポチ等の画像ノイズのない優れた画像を提供でき、さらには低温封孔処理および高温封孔処理はいずれの処理を先に行っても良好な結果が得られることが明らかになった。また、このようにして得られた感光体基体は、該基体上に積層される感光層を選択することによって、反転現像方式および正規現像方式のいずれの方式によっても有効に用いられ、いかなる環境下でも本発明の感光体は黒ポチあるいは白ポチ等のない優れた画像を提供できることが明らかになった。
【0062】
(単層型感光体)
実施例7
JIS6063円筒状アルミニウム合金基板(外径50mm、長さ254mm、厚さlmm)の表面を切り刃に 天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加エした。切削加工したアルミニウム合金を脱脂剤としての界面活性剤トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製))30g/lを用いて60土5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。
洗浄したアルミニウム基板を100g/lの硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処理を行い、流水洗浄した。
【0063】
次に電解液として150g/1の硫酸を用いて、電流密度1A/dm2、液温20℃の条件で25分間陽極酸化を行い、7μmの陽極酸化層を形成した。酸化層を形成したアルミニウム基板を純水にて流水洗浄した後、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを主成分とする封孔剤(クラリアントジャパン社製:CS−N)6g/1の水溶液(pH5.7)を用いて、30℃、5分間封孔処理を行なった。次に純粋にて流水洗浄した後、高温封孔として純水により95℃、30分間封孔処理を行い、処理基板を純水にて洗浄し乾燥させた。
【0064】
この陽極酸化層上に、下記構造のブタジエン化合物;
【化4】
Figure 0003707229
50重量部、ポリカーボネート(パンライトK1300;帝人化成社製)50重量部および下記構造;
【化5】
Figure 0003707229
のチアピリリウム塩(TP;保土谷化学社製)2.5重量部をジクロロメタン400重量部に溶解した液を乾燥膜厚が18μmとなるように塗布し、感光層を形成した。
【0065】
(評価)
得られた感光体を市販のリーダープリンター(RP603Z;ミノルタ社製)に搭載し、黒色トナーを用いて黒ベタ画像を複写し、初期および1000枚複写後における画像25mm2中の白ポチ(白斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。
◎:0個
○:1〜15個;
△:15〜29個;
×:30個以上。
【0066】
比較例6
実施例7において、低温封孔の代わりに、酢酸ニッケル含有の高温封孔剤(クラリアントジャパン社袋;シーリングソルトAS)5g/l(pH5.6)とした水溶液を用いて、95℃、20分間処理を行う以外は実施例7と同様にして行い、本発明の電子写真感光体を作製した。得られた感光体を実施例7と同様に評価した。
【0067】
結果を下記表3に示した。
【表3】
Figure 0003707229
【0068】
(表面保護層を設けた積層型感光体)
実施例8
JIS6063円筒状アルミニウム合金基板(外径30mm、長さ250mm、厚さlmm)の表面を切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。切削加工したアルミニウム合金を脱脂剤としての界面活性剤トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製))30g/lを用いて60土5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。
【0069】
洗浄したアルミニウム基板を100g/lの硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処理を行い、流水洗浄した。
【0070】
次に電解液として150g/1の硫酸を用いて、電流密度1A/dm2、液温20℃の条件で15分間陽極酸化を行い、8μmの陽極酸化層を形成した。
酸化層を形成したアルミニウム基板を純水にて流水洗浄した後、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを主成分とする封孔剤(CS−N;クラリアントジャパン社製)6g/l(pH5.7)の水溶液を用いて、30℃、5分間封孔処理を行なった。
次に純粋にて流水洗浄した後、酢酸ニッケル含有の封孔剤(シーリングソルトAS;クラリアントジャパン社製)を10g/l(pH5.8)とした水溶液を用いて80℃、15分間封孔処理を行った。
【0071】
このようにして陽極酸化層を封孔処理した感光体基体上に、以下のようにして感光層を形成した。
X型フタロシアニン(8120B;大日本インキ工業社製)4.5重量部とブチラール樹脂(エスレックBH−3;積水化学社製)2.5重量部およびフェノキシ樹脂(PKHH;ユニオンカーバイド社製)2.5重量部をジクロロエタン500重量部とともにサンドミルにより分散した。得られた分散液を上記感光体基体上に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0072】
次に、下記式;
【化6】
Figure 0003707229
で示されるスチリル化合物40重量部、ポリカーボネート樹脂(TS−2050;帝人化成社製)60重量部、下記構造;
【化7】
Figure 0003707229
のフェノール化合物ブチルヒドロキシトルエン(特級;東京化成社製)2重量部をテトラヒドロフラン400重量部に溶解させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、20μmの電荷輸送層を形成した。
【0073】
次に上記化6で示されるスチリル化合物1.5重量部、ポリカーボネート樹脂(ユーロピアンZ800;三菱瓦斯化学社製)2重量部、フェノール化合物ブチルヒドロキシトルエン(特級;東京化成社製)0.3重量部およびシリカ微粒子(アエロジルR972;日本アエロジル社製)0.7重量部をジクロロメタン100重量部に溶解、分散させてなる塗布液を上記電荷輸送層上に塗布乾燥させて、2μmの表面層を形成して、本発明の電子写真感光体を作成した。
【0074】
比較例7
実施例8において、フッ化ニッケルによる低温封孔を行なわないこと以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0075】
実施例9
実施例8において、表面保護層を設けない以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0076】
実施例10
実施例8において、シリカ微粒子を酸化チタン微粒子(CR90;石原産業社製)に代える以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0077】
実施例11
実施例8において、シリカ微粒子を酸化アルミニウム微粒子(バイカロックスCP2320;バイコウスキージャパン社製)に代える以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0078】
実施例12
実施例8において、シリカ微粒子をポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散液(KD−200AS;喜多村社製)1.75重量部に代える以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0079】
(評価)
実施例8〜12および比較例7で得られた電子写真感光体をそれぞれプリンター(SP101;ミノルタ社製)に搭載し、白ベタ画像を複写し、初期および5000枚複写後における画像25mm2中の黒ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。
○:14個以下;
△:15〜29個;
×:30個以上。
また、連続コピー5000枚後(高温高湿)の感光体の摩耗量も測定した。
上記結果を下記表4に示す。
【0080】
【表4】
Figure 0003707229
【0081】
(接触帯電への適用)
実施例13
JIS3003円筒状アルミニウム合金基板(外径30mm、長さ250mm、厚さlmm)の表面を切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。切削加工したアルミニウム合金を脱脂剤としての界面活性剤トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製))30g/lを用いて60土5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。
洗浄したアルミニウム基板を100g/lの硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処理を行い、流水洗浄した。
【0082】
次に電解液として150g/1の硫酸を用いて、電流密度1A/dm2、液温20℃の条件で15分間陽極酸化を行い、8μmの陽極酸化層を形成した。
酸化層を形成したアルミニウム基板を純水にて流水洗浄した後、低温封孔剤としてフッ化ニッケルを主成分とする封孔剤(CS−N;クラリアントジャパン社製)6g/l(pH5.7)の水溶液を用いて、30℃、5分間封孔処理を行なった。
次に純粋にて流水洗浄した後、酢酸ニッケル含有の封孔剤(DX−500;奥野製薬工業社製)を10g/l(pH5.6)とした水溶液を用いて80℃、15分間封孔処理を行った。
【0083】
このようにして陽極酸化層を封孔処理した感光体基体上に、以下のようにして感光層を形成した。
X型フタロシアニン(8120B;大日本インキ工業社製)4.5重量部とブチラール樹脂(エスレックBH−3;積水化学社製)2.5重量部およびフェノキシ樹脂(PKHH;ユニオンカーバイド社製)2.5重量部をジクロロエタン500重量部とともにサンドミルにより分散した。得られた分散液を上記感光体基体上に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0084】
次に、化6で示されるスチリル化合物40重量部、ポリカーボネート樹脂(ユーロピンZ800;三菱瓦斯化学社製)60重量部、化7のフェノール化合物ブチルヒドロキシトルエン(特級;東京化成社製)2重量部、シリカ微粒子(アエロジル200CF;日本アエロジル社製)15重量部をジクロロメタン400重量部に溶解、分散させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、20μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0085】
比較例8
実施例13において、フッ化ニッケルにおける低温封孔を行なわないこと、酢酸ニッケルによる高温封孔を90℃、20分間行い、純水にて流水洗浄後、純水の沸騰水95℃、10分間浸漬処理を行った以外、実施例13と同様にして電子写真感光体を得た。
【0086】
比較例9
実施例13において、フッ化ニッケルにおける低温封孔を行なわないこと、酢酸ニッケルによる高温封孔を90℃、20分間行い、純水にて流水洗浄後、純水の沸騰水95℃、10分間浸漬処理を行い、電荷発生層の形成時に無機微粒子を用いない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
【0087】
(評価)
実施例13および比較例8および9で得られたそれぞれの電子写真感光体を感光体帯電方式が接触帯電であるプリンター(SP1000;ミノルタ社製)に搭載し、白ベタ画像を複写し、初期および5000枚複写後における画像25mm2中の黒ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全ての場合について評価した。
○:14個以下;
△:15〜29個;
×:30個以上。
また、連続コピー5000枚後(低温低湿)の感光体の摩耗量も測定した。
上記結果を下記表5に示す。
【0088】
【表5】
Figure 0003707229
【0089】
【発明の効果】
本発明により、いかなる環境下においても黒ポチあるいは白ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供することが可能となった。また、本発明の感光体は形成される感光層を選択することによって反転現像方式および正規現像方式のいずれの方式によっても有効に用いることができ、さらには耐久性にも優れている。

Claims (2)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化した後、低温封孔処理および高温封孔処理をその順に施して得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなり、低温封孔処理が低温封孔剤を含む40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理であり、低温封孔剤がフッ化ニッケルまたは赤血塩であり、前記高温封孔処理が、高温封孔剤を含む65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理であり、高温封孔剤が酢酸ニッケルであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 少なくとも感光体の表面を帯電させる手段、像露光後トナーにて現像させる手段、該トナーを転写材に転写させる手段からなる電子写真画像形成装置において、前記感光体は請求項1の感光体であり、前記感光体を帯電させる手段は感光体表面に接触して、感光体を帯電させる接触帯電手段であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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