JP3702124B2 - Ht590級耐火鋼のサブマージアーク溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建築や橋梁分野において各種構造物に用いる耐火性に優れるHT590級鋼板(以下、HT590級耐火鋼という)のサブマージアーク溶接方法に係わり、詳しくは耐火鋼を用いたボックス柱の角継手溶接に於いて溶接入熱10〜50kJ/mmで1層溶接した場合、600℃での耐力及び高温伸びに優れかつ良好な靭性を得るサブマージアーク溶接方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐火鋼としては常温強度が400〜520N/mm2 のHT400級、HT490級、HT520級耐火鋼および耐候性耐火鋼が実用化され、それに用いる各種溶接材料が実用化されている。サブマージアーク溶接としては、例えば特公平5−025598号に耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤとフラックスが提案されており、溶接金属において高温耐力と適正な常温強度および良好な靭性を得ている。また、特開平3−174978では600℃での高温耐力や常温での耐候性などの特性を損なわずに靭性および高温延性に優れ、クリープ破断寿命を向上させた耐火鋼及び耐候性耐火鋼用のサブマージアーク溶接方法が提案されている。
【0003】
また、本発明者等は特願平8−58246号において新規鋼板成分としてAl−B系耐火鋼とMo−Nb系耐火鋼に共用できるサブマージアーク溶接法として、適正塩基度のフラックスを用い、フラックス、ワイヤおよび鋼板から溶接金属中に移行するMo、B量および溶接金属の炭素量等を適正化し、高温耐力と伸びを確保し、かつ、引張強度と靭性を適正に保つサブマージアーク溶接方法を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平5−025598号で提案された耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤとフラックスを用いたサブマージアーク溶接方法は、高温特性として高温での耐力には着目しているが高温での伸びには充分考慮していない。
【0005】
また、特開平3−174978号では高温での耐力に加え伸びも考慮した耐火鋼及び耐候性耐火鋼用のサブマージアーク溶接方法が提案されている。この場合の耐火鋼はMoあるいはNbとの複合添加した400〜520N/mm2 級耐火鋼であり、耐候性耐火鋼ではさらにNi、Cuを添加したものであった。これに対する溶接材料はBとTiを制限し良好な性能を得たものである。
【0006】
更に、特願平8−58246号ではMoおよびNbを低減し、AlとBを増加しボロン処理された鋼板に対応する溶接材料として本発明者らは、溶接材料のMo量と溶接金属のCeq、フラックスの塩基度を特定して良好な高温伸びと靭性を得たものであるが、これはHT400〜HT520級耐火鋼用であり、常温強度としては最大660N/mm2 程度でありそれ以上の強度は考慮していない。しかしながらその後、さらに強度の高い耐火鋼としてMoあるいはMoおよびNbを含有したHT590N/mm2 の耐火鋼が開発され、この大入熱1層サブマージアーク溶接方法においては、特開平3−174978号に開示された溶接材料ではボックス柱の角溶接のような母材希釈率の大きい溶接においては、必ずしも良好な高温引張特性が得られない。
【0007】
また、特願平8−58246号に提案した溶接材料はボックス柱の角溶接のような母材希釈率の大きい溶接においては、HT590N/mm2 の様な高強度の溶接金属では、必ずしも良好な特性が得られない。即ち、大入熱1層サブマージアーク溶接方法においては母材希釈率は40〜60%程度大きく母材から溶接金属中に移行する金属成分のうちMo、Mn、Siなど高温耐力、常温強度、高温伸びおよび靭性に影響する元素が適正値から外れるためすべての特性を満足することが困難であった。
【0008】
従って、今回新たに開発されたHT590N/mm2 の耐火鋼に用いるボックス柱角継手のような大入熱1層サブマージアーク溶接材料の開発および溶接方法の開発が急務となった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するものであって、Mo:0.6〜1.2%、Nb:0.001〜0.05%を含有するHT590級耐火鋼を溶接するためのサブマージアーク溶接方法であって、下記式(1)、(2)、(3)および(4)を満足するサブマージアーク溶接用フラックスと、おなじく下記式(2)、(3)および(4)を満足し、且つ、C:0.01〜0.13%、Si:0.005〜0.15%、Mn:1.2〜2.2%、Mo:0.60%以下、Nb:0.05%以下、V:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.0005%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマージアーク溶接用ワイヤとを組み合わせて行うことを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
【0010】
【0011】
[Mo]C ≧0.32 (2)
ここで、[Mo]C =αW [Mo]W+αP [Mo]P+αF (Mo)F
【0012】
[B]C≦0.0010 (3)
ここで、[B]C =αW [B]W+αP [B]P+αF (B2 O3 )F 、
【0013】
0.37≦Ceq≦0.49 (4)
ここで、Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Mo+Nb)/5+5B
【0014】
但し、(1)式でCaO、MnO、MgO、CaF2 、SiO2 、Al2 O3、TiO2 :それぞれフラックス中のCaO、MnO、MgO、CaF2 、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 の含有量(重量%)、
(2)、(3)式で[Mo]W :ワイヤ中のMo含有量(重量%)、[Mo]P :母材中のMo含有量(重量%)、(Mo)F :フラックス中のMo含有量(重量%)、[B]w :ワイヤ中 のB含有量(重量%)、[B]p :母材中のB 含有量(重量%)、(B2 O3 )F :フラックス中のB2 O3 含有量(重量%)αw :ワイヤ中 のMoおよびBの溶接金属中への移行率,αp :母材中のM oおよびBの溶接金属中への移行率、αF :フラックス中のMoおよびBの溶接金属への移行率であり、板厚19〜28mmはαw =0.37、αp =0.43、αF =0.20,板厚28超〜40mmはαw=0.42、αp=0.48、αF =0.10、板厚40超〜55mmはαw =0.45、αp =0.50、αF=0.05、
(4)式でC、Si、Mn、Mo、NbおよびBはそれぞれ溶接金属中のC、Si、Mn、Mo、NbおよびBの含有量(重量%)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記目的を達成するため種々検討し、適正組成のワイヤおよびフラックスを用い、フラックス、ワイヤおよび鋼板から溶接金属中に移行するB量を規制するとともに溶接金属の炭素等量を適正にして高温伸びを確保し、かつ、ワイヤ成分およびフラックス塩基度の適正化により引張強度と靭性を良好に保つ溶接方法を見出したのである。
【0016】
まず、本発明が対象とする被溶接材の鋼材であるが、Mo:0.6〜1.2%、Nb:0.001〜0.05%を含有することにより、従来から一般に用いられてきた耐火鋼より強度を向上させたHT590級耐火鋼である。この鋼材の全体の成分を上記Mo、Nbも含めて記載すると、重量%で、C:0.05〜0.09%、Si:0.25〜0.35%、Mn:1.2〜1.7%、Mo:0.6〜1.2%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.05%以下、Ti:0.02%以下、B:0.0010%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるものが一般的である。
【0017】
以前のHT490〜HT520級の耐火鋼の溶接では溶接金属の600℃での耐力を得るため、溶接金属中のMo量の尺度を表す特定式でその値を規定することを提案した。本発明が対象とするHT590耐火鋼で考えた場合、通常耐力の規格値440N/mm2 の70%を600℃で保証するとすれば、耐力の規格値は308N/mm2 以上となる。この耐力を得るためには図1のグラフに示す如く溶接金属中のMo量の尺度を示す鋼板、ワイヤおよびフラックスの特定式による[Mo]c 値を0.33以上とすることが必要である。
【0018】
次に、以前のHT490〜HT520の耐火鋼の溶接では溶接金属のミクロ組織において適度の初析フェライトを残すことを提案した。即ち、初析フェライトは600℃での引張試験における伸びを18%以上確保するためには残すことが必要であり、一方、良好な靭性を確保するためにはできるだけ仰制することが必要であるので、両立させるためにフラッククス、ワイヤおよび鋼板から溶接金属に移行するB量の特定式を規定し、さらにCeqとの関連式で適正範囲を規定した。溶接金属の常温強度は490〜660N/mm2 であるので溶接金属に初析フェライトを残すことが比較的容易に出来る。
【0019】
しかしながら、本発明が対象とするHT590耐火鋼においては鋼板に0.6 〜1.2%のMoが添加されており、この鋼板をボックス柱の角溶接のような大 入熱一層溶接を行えば母材希釈率は45%程度となり、母材からの希釈だけで0.27〜0.57と最大0.6%程度のMoが溶接金属へ移行する。溶接金属のM oが増加するとミクロ組織において粒界の初析フェライトが減少し、0.6%の Moでは極微の生成になる。このようなMoが多量に母材から溶接金属中に移行し初析フェライトが減少しやすい溶接ではB量を厳しく仰制するか、さらに溶接金属を高酸素として変態温度を高くして初析フェライトが成長しやすい組成にする必要がある。
【0020】
HT590鋼の溶接では溶接金属のB量はフラックス、ワイヤ、鋼板の不純物から不可避的に入る以外は添加せず、かつ、フラックスでは塩基度を低く設定する。さらに、強度が過大とならないようにCeqは適正範囲に規制することが必要である。
【0021】
Bは鋼板およびワイヤには0.0006%程度以下、ボンドフラックスでは通常使用するマグネシアクリンカーからB2 O3 として0.03%程度以下がフラ ックスに不可避的に含まれる。溶接金属にBは意図的に添加せず、さらに溶接金属に移行するB量の尺度として特定式の[B]c 値を用いて0.0010以下に 規定する。
【0022】
さらに、溶接金属に酸素を供給する尺度としてBn=(0.108CaO+0.068MnO+0.100MgO+0.078CaF2 )/(0.105SiO2+0.002Al2 O3 +0.080TiO2 )で表される塩基度を0.55≦B n≦1.40とする。それに加えて常温の強度を590N/mm2 以上を確保す るためにはCeqを0.37%以上に規制する。
【0023】
さらに本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、まず耐火鋼の溶接金属において[Mo]C 量と600℃の耐力(以下、YP600と言う)との関係を求めた。[Mo]c 量が大きくなるに従ってYP600が大きくなることがわかる。[Mo]c は溶接金属中のMo量の尺度を示すもので、以前のHT400〜HT520級耐火鋼では本発明者等は[Mo]c として[Mo]c =43[Mo]w +55[Mo]p +18(Mo)F なる計算値を用いYP600≧235N/mm2 を確保するために[Mo]c ≧8.5とすることを提案した。
【0024】
本発明が対象するHT590級耐火鋼においてはSM590鋼の規格YP≧440N/mm2 に対し耐火鋼としてはYP600≧308(=440×0.7) N/mm2 が必要である。ここでその尺度として上記式に変え板厚によって差のある母材希釈率を考量した[Mo]c 、即ち、特定式[Mo]c =αw [Mo]w+αp[Mo]p +αF (Mo)F を得た。目標値を達成するためには[Mo]cが0.33以上が必要である。
ここで、[Mo]W :ワイヤ中のMo含有量(重量%)、[Mo]P :母材中のMo含有量(重量%)、(Mo)F :フラックス中のMo含有量(重量%)であり、αw:ワイヤ中 のMoの溶接金属中への移行率、αp:母材中のMoの溶 接金属中への移行率、αF :フラックス中のMoの溶接金属への移行率であり、板厚19〜28mmはαw =0.37、αp =0.43、αF =0.20、板厚28超〜40mmはαw =0.42、αp =0.48、αF =0.10、板厚40超〜55mmはαw =0.45、αp =0.50、αF =0.05である。
【0025】
次に、600℃の引張試験の伸びを確保するための尺度としてHT400〜HT520級耐火鋼では本発明者等はまず溶接金属中のB量の尺度として[B]c=4300[B]w +5500[B]p +120(B2 O3 )F を提案したがHT590鋼では上記式に換え板厚によって差のある母材希釈率を考慮した[B]c 、即ち、[B]c =αw [B]w +αp[B]p +αF (B2 O3 )F を用い、[B]c ≦0.0010が必要であることを見出した。[B]w :ワイヤ中のB含有量(重量%)、[B]p :母材中のB含有量(重量%)、(B2 O3 )F:フラックス中のB2 O3 含有量(重量%)、αw :ワイヤ中 のBの溶接金属中への移行率、αp :母材中のBの溶接金属中への移行率、αF :フラックス中のBの溶接金属への移行率であり、板厚19〜28mmはαw =0.37、αp=0.43、αF =0.20、板厚28超〜40mmはαw =0.42、αp =0.48、αF =0.10、板厚40超〜55mmはαw =0.45、αp =0.50、αF =0.05である。
【0026】
さらに、600℃の引張試験の伸びを確保するため粒界の初析フェライトが生成するためにはフラックスの塩基度を小さくすることが必要である。フラックスの塩基度は溶接金属中への酸素量の尺度である。即ち、塩基度が小さくなるほど溶接金属中の酸素量が増加し、粒界の初析フェライトが生成して600℃の引張試験の伸びが向上する。いま塩基度としてBn=(0.108CaO+0.068MnO+0.100MgO+0.078CaF2 )/(0.105SiO2 +0.002Al2 O3 +0.080TiO2 )を用いるとして、600℃の引張試験で 良好な伸びを確保するためにはBn≦1.40が必要である。一方、Bnが0.55未満となると靭性が劣化する。即ち、0.55≦Bn≦1.40となる。
【0027】
また、常温での引張強度(以下TSRTと言う)を適正範囲に保つには焼き入れの尺度の制限が必要である。即ち、Ceq≦0.49%であることが必要である。また、590N/mm2 以上にするにはCeq≧0.37%である。即ち、 0.37≦Ceq≦0.49%である。
【0028】
以下に本発明で使用するサブマージアーク溶接用ワイヤの成分について説明する。
Cは常温強度の確保ならびにMo、Nbの添加効果を発揮させるために必要であり0.01%が下限である。また、0.13%を越えると高温割れ感受性が増加するとともに靭性が劣化する。
【0029】
Siは脱酸元素として0.005%以上の添加が必要であるが0.15%を越えると溶接金属の靭性を劣化させる。
Mnは強度および靭性を確保するために不可欠であり1.2%以上の添加が必要であるが、2.2%を越えると、高温割れ感受性が増加するとともに靭性が劣化する。
【0030】
MoおよびNbは十分な高温耐力を確保するために必要であるが、フラックスからも添加が可能であるから特に下限は規定しない。一方、Mo、Nbが過多になると、常温強度が高くなりすぎ靭性が劣化するので、添加量はMoは0.60%以下、Nbは0.05%以下にする必要がある。
【0031】
Vは常温強度の確保に必要であるが、ワイヤとしては0.02%を越えると靭性が劣化する。
Tiは脱酸元素であり、且つ、靭性確保に重要な元素であり0.001%以上の添加が望ましいが、過剰に添加すると溶接金属の高温伸びを劣化させるので0.03%以下にする必要がある。
【0032】
Bは600℃の高温引張の伸びの確保に重要であり、意図的に添加せず0.0 005%以下と不純物から不可避的に入る量に規制する必要がある。
また、本発明ワイヤには以上規定した成分以外としては、Niを1%以下、Crを0.5%以下、Cuをメッキも含め0.5%以下、Pを0.025%以下、S を0.015%以下を許容できる。その他残部はFeおよび不可避的不純物である。
【0033】
【実施例】
以下実施例により、本発明の効果をさらに具体的に示す。
鋼板は表1に示すP1〜P4の4種類、ワイヤは表2に示すW1〜W3の3種類の組成のものを用いた。フラックスは表3のF1〜F6の6種類のボンドフラックスを作製した。このうちF1〜F4は本発明例のフラックス、F5、F6は本発明の効果を明確にするための比較例のフラックスである。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
図2に示す(a)の開先形状はY型開先、(b)はレ型開先であって、(a)の開先形状のθ1 は開先角度35゜、T1 は板厚40mm又は45mm、r1 はルートフェース2mm、t1 は裏当金25mmである。また、(b)の開先形状のθ2 は開先角度40゜、T2 は板厚25mm、r2 はルートフェース2mm、t2 は裏当金25mmである。以上の3種類の試験体を用い、表4に示す溶接条件C1〜C3の条件で、予熱を行わずに2電極によるサブマージアーク溶接を実施した。
【0038】
【表4】
【0039】
溶接終了後、板表面10mm下の溶接部よりJIS A1号引張試験片を1個、JIS4号Vノッチシャルピー試験片を3個、高温引張試験片(6mm径)1個および分析試料ををそれぞれ採取して供試した。その結果を表5、表6および表7に示す。表6の中で記号1〜12は本発明の実施例、記号13〜21は本発明の効果を明確にするための比較例である。これらの結果、本発明の実施例1〜12はTSRT、YP600、El600およびvE-5℃のいずれも良好な値を示し問題はなかった。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
比較例のうち13は式(1)の値の下限を割ったため靭性が劣化した。また比較例のうち14は式(1)の値の上限を超えたためEl600が劣化した。また比 較例のうち15は(3)値の上限を越えたためEl600が劣化し、式(2)の値 の下限を割ったためYP600が劣化した。
【0044】
比較例のうち16は式(4)の値の下限を割ったため強度不足及び(2)値の下限を割ったためYP600が劣化した。また比較例のうち17は式(2)の値が 下限を割ったためYP600が劣化した。また比較例のうち18は式(2)の値が 下限を割ったためYP600が劣化した。
【0045】
比較例のうち19は式(3)の値が上限を越えたためEl600が劣化した。ま た比較例のうち20は式(3)の値が上限を越えたためEl600が劣化した。ま た比較例のうち21は式(4)の値の上限を越えたためTSRTが過大となった。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したごとく本発明を用いれば、実施例にも示した通りHT590級耐火鋼のサブマージアーク溶接方法において、溶接入熱10〜40kJ/mmで一層溶接した場合、600℃での耐力および高温伸びに優れ、且つ、靭性も良好な溶接部が得られ、大型構造物の溶接に貢献するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接金属の[Mo]cと600℃の耐力(YP600)との関係を示したグラフ
【図2】(a)、(b)はそれぞれ実施例で用いた溶接試験板の開先形状を示す断面図
Claims (1)
- Mo:0.6〜1.2%、Nb:0.001〜0.05%を含有するHT590級耐火鋼を溶接するためのサブマージアーク溶接方法であって、下記式(1)、(2)、(3)および(4)を満足するサブマージアーク溶接用フラックスと、おなじく下記式(2)、(3)および(4)を満足し、且つ、C:0.01〜0.13%、Si:0.005〜0.15%、Mn:1.2〜2.2%、Mo:0.60%以下、Nb:0.05%以下、V:0.02%以下、Ti:0.03%以下、B:0.0005%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマージアーク溶接用ワイヤとを組み合わせて行うことを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
[Mo]C ≧0.32 (2)
ここで、[Mo]C =αW [Mo]W +αP [Mo]P +αF (Mo)F
[B]C≦0.0010 (3)
ここで、[B]C =αW [B]W +αP [B]P +αF (B2 O3 )F 、
0.37≦Ceq≦0.49 (4)
ここで、Ceq=C+Si/24+Mn/6+(Mo+Nb)/5+5B
但し、(1)式でCaO、MnO、MgO、CaF2 、SiO2 、Al2 O3、TiO2 :それぞれフラックス中のCaO、MnO、MgO、CaF2 、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 の含有量(重量%)、
(2)、(3)式で[Mo]W :ワイヤ中のMo含有量(重量%)、[Mo]P :母材中のMo含有量(重量%)、(Mo)F :フラックス中のMo含有量(重量%)、[B]w :ワイヤ中 のB含有量(重量%)、[B]p :母材中のB 含有量(重量%)、(B2 O3 )F :フラックス中のB2 O3 含有量(重量%)αw :ワイヤ中 のMoおよびBの溶接金属中への移行率,αp :母材中のM oおよびBの溶接金属中への移行率、αF :フラックス中のMoおよびBの溶接金属への移行率であり、板厚19〜28mmはαw =0.37、αp =0.43、αF =0.20,板厚28超〜40mmはαw=0.42、αp=0.48、αF =0.10、板厚40超〜55mmはαw =0.45、αp =0.50、αF=0.05、
(4)式でC、Si、Mn、Mo、NbおよびBはそれぞれ溶接金属中のC、Si、Mn、Mo、NbおよびBの含有量(重量%)。
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