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JP3693491B2 - 改良された再生コラーゲン繊維及びその製造方法 - Google Patents

改良された再生コラーゲン繊維及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を有する再生コラーゲン繊維及びその製造方法に関する。本発明の再生コラーゲン繊維は、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合を有しているため、酸化還元反応により任意に変形し、かつ変形後の形状の保持性を有しており、人毛、獣毛、ガットなどの代替品として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
再生コラーゲン繊維は、一般に動物の皮や骨を原料としており、これをアルカリ又は酵素処理して、コラーゲンのテロペプチド部分を分解除去して水に可溶なコラーゲンとし、これを紡糸して繊維化する方法により製造するのが一般的である。従来から再生コラーゲン繊維は、蛋白繊維の中では絹と同様に高強度を発現することから様々な分野に応用されている。特に、再生コラーゲン繊維は、特徴的な分子構造を保持した蛋白繊維であることから、天然の蛋白繊維でありきわめて複雑な微細構造を有している人毛と風合い・光沢・触感が近似している。そのため、頭髪や毛皮用などの獣毛調繊維に用いる試みがなされている。
【0003】
一般に天然コラーゲン分子中のシステイン残基又はシスチン残基はテロペプチド部分に存在しているため、テロペプチド部分を除去した再生コラーゲン繊維の分子中にはシステイン残基又はシスチン残基がほとんどなく、再生コラーゲン繊維は人毛の様にパーマネントウェーブ処理ができない。なお、ここで述べるパーマネントウェーブ処理とは、美容院や家庭などで薬剤による酸化還元反応によって毛髪に保持性のある任意の形状を付与することである。
【0004】
これまで、再生コラーゲン繊維を改質するために、化学修飾や金属架橋剤による処理等の様々な処理を施す試みがなされてきた。然し、再生コラーゲン繊維にメルカプト基又はジスルフィド結合を付与する検討はなされていない。また、前述したように再生コラーゲン繊維は、分子構造ではコラーゲン本来の構造をある程度保持しているが、分子同士は不規則な分子集合体を形成している。このような特殊な繊維構造にメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与した場合にもパーマネントウェーブ処理が可能かどうかはこれまで明らかにされていなかった。
【0005】
一方、人毛の代替品として様々な合成繊維も提案されている。その中には、人毛のようにパーマネントウェーブ処理可能な素材として、側鎖にメルカプト基やジスルフィド結合を担持したポリアミノ酸(特開昭63−191829号公報)やポリアミノ酸誘導体(例えば特開平7−316287号公報)などの合成繊維が提案されている。しかし、これらの発明は、限られた数のアミノ酸からなる合成繊維であり、その繊維構造は本発明の再生コラーゲン繊維とは大きく異なる。また、これらの発明のメルカプト基又はジスルフィド結合を導入する方法は、原料となるアミノ酸の調整が容易で、過酷な反応条件も可能な合成繊維を対象にしたものであるため、原料が天然蛋白質である再生コラーゲン繊維には変性しやすい等の欠点があり応用ができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、人毛のような天然蛋白繊維の持つ風合い・光沢・触感を備えた、パーマネントウェーブ処理可能な再生コラーゲン繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ジスルフィド結合を有するジアミン及び/又はハロゲン化アルデヒド及び/又はエポキシ化合物を用いることを特徴とする化学修飾法を見出し、これによりコラーゲン分子にメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を化学修飾させることでパーマネントウェーブ処理が可能な再生コラーゲン繊維を得ることができ、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合を有する再生コラーゲン繊維であり、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合の硫黄含量がコラーゲンに対して0.3〜5.1重量%であるのが好ましく、二価の硫黄含量はコラーゲンに対して0.5〜5.4重量%であるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の製造方法は、コラーゲンのアミノ基及び/又はカルボキシル基に、化学修飾によりメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与する方法であり、コラーゲンとジスルフィド結合を有するジアミンと縮合剤を用いてアミド化反応させる方法を用いることができる。また、この方法は、再生コラーゲン繊維を乾燥させた後に行うのがより好ましい。
【0010】
更に、アルデヒドとチオ硫酸塩及び/又は水硫化物の水溶液で処理する方法も用いることができ、コラーゲンをエポキシ化合物と硫黄を含む化合物とで処理してメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与する方法を用いることもできる。
なお、これらの方法は少なくとも2種類を併用して行うことができる。
【0011】
また、コラーゲンのアミノ基及び/又はカルボキシル基に、化学修飾によりメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与した後、金属塩水溶液で処理することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
コラーゲン分子には種々の官能基が存在するが、その中で特にアミノ基、カルボキシル基に化学修飾してメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を導入させることができる。導入させるメルカプト基又はジスルフィド結合は、メルカプト基又はジスルフィド結合の硫黄含量がコラーゲンに対して0.3〜5.1重量%、好ましくは0.7〜5.1重量%、更に好ましくは1.0〜5.1重量%であることが望ましい。前記硫黄含量が0.3重量%未満ではパーマネントウェーブ処理効果が不十分となり、5.1重量%を越えるとコラーゲンのアミノ基及びカルボキシル基に化学修飾せず、繊維の表面や内部に付着する割合が増し、いずれもパーマネントウェーブ処理効果の向上には実用的ではない。
【0013】
元々再生コラーゲン繊維には、メルカプト基又はジスルフィド結合はほとんど存在しないが、メチオニン残基によるチオエーテルが存在する。そのため、化学修飾を施していない再生コラーゲン繊維でも二価の硫黄含量を0.2〜0.3重量%程度含んでいる。従って、本発明における再生コラーゲン繊維の二価の硫黄含量は、コラーゲンに対して0.5〜5.4重量%、好ましくは0.9〜5.4重量%、更に好ましくは1.1〜5.4重量%であることが望ましい。前記硫黄含量が0.5重量%未満ではパーマネントウェーブ処理効果が不十分となり、5.4重量%を越えるとコラーゲンのアミノ基及びカルボキシル基に化学修飾せず、繊維の表面や内部に付着する割合が増し、いずれもパーマネントウェーブ処理効果の向上には実用的ではない。
【0014】
また、再生コラーゲン繊維をクロム、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属陽イオンで架橋させる場合に、その金属の硫酸塩を用いることがある。その場合、硫酸イオンの四価の硫黄も繊維内に存在し、コラーゲンに対する全硫黄含量は、5.4重量%を越えることがある。しかし、パーマネントウェーブ処理効果を発揮するために必要なのは、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合などの二価の硫黄であり、その含量はコラーゲンに対して5.4重量%を越えることはない。
【0015】
本発明に用いるコラーゲンの原料は、床皮の部分を用いるのが好ましい。床皮は、例えば牛などの動物を屠殺して得られるフレッシュな生皮や塩漬けした生皮より得られる。これら床皮などは、大部分が不溶性コラーゲンからなるが、通常網状に付着している肉質部分を除去したり、腐敗・変質防止のために用いた塩分を除去した後に用いられる。
【0016】
この不溶性コラーゲンにはグリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸などの脂質、糖蛋白質、アルブミンなどのコラーゲン以外の蛋白質などの不純物が存在している。これらの不純物は、繊維化するにあたって紡糸安定性、光沢や強伸度などの品質、臭気などに多大の影響を及ぼすため、例えば石灰漬けにして不溶性コラーゲン中の脂肪分を加水分解し、コラーゲンを解きほぐした後、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶剤処理などのような従来より一般に行われている皮革処理を施し、あらかじめこれらの不純物を除去しておくことが好ましい。
【0017】
前記のような処理が施された不溶性コラーゲンには、架橋しているペプチド部を切断するために可溶化処理が施される。かかる可溶化処理の方法としては、一般に採用されている公知のアルカリ可溶化法や酵素可溶化法などを適用することができる。
【0018】
前記アルカリ可溶化法を適用した場合には、例えば塩酸などの酸で中和することが好ましい。なお、従来より知られているアルカリ可溶化法の改善された方法として、特公昭46−15033号公報に記載された方法を用いてもよい。
【0019】
前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生コラーゲンを得ることができるという利点を有するものであり、本発明において好適に採用しうる方法である。かかる酵素可溶化法としては、例えば特公昭43−25829号公報や特公昭43−27513号公報などに記載された方法を採用することができる。
なお、本発明においては、前記アルカリ可溶化法及び酵素可溶化法を併用してもよい。
【0020】
このように可溶化処理を施したコラーゲンに、pHの調整、塩析、水洗や溶剤処理などの操作をさらに施した場合には、品質などに優れた再生コラーゲンを得ることができるので、これらの処理を施すことが好ましい。
【0021】
得られた可溶化コラーゲンは、例えば1〜15重量%、なかんずく2〜10重量%程度の所定濃度の原液になるように塩酸、酢酸、乳酸などの酸でpH2〜4.5に調整した酸性溶液を用いて溶解される。なお、得られたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧攪拌下で脱泡を施したり、水不溶分である細かいゴミを除去するために濾過を行ってもよい。得られる可溶化コラーゲン水溶液には、さらに必要に応じて例えば機械的強度の向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、防腐などを目的として安定剤、水溶性高分子化合物などの添加剤が適量配合されてもよい。
【0022】
可溶化コラーゲン水溶液を、例えば紡糸ノズルやスリットを通して吐出し、無機塩水溶液に浸漬することにより再生コラーゲン繊維が形成される。無機塩水溶液としては、例えば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの水溶性無機塩の水溶液が用いられ、通常これらの無機塩の濃度は10〜40重量%に調整される。無機水溶液のpHは、例えばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、酢酸、ホウ酸、水酸化ナトリウムなどを配合することにより、通常pH2〜13、好ましくはpH4〜12となるように調整されるのが好ましい。pHが2未満である場合及び13を越える場合には、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくなり、目的とする繊維が得られにくくなる傾向がある。また、無機塩水溶液の温度は特に限定しないが、通常35℃以下であることが好ましい。温度が35℃より高いと、可溶性コラーゲンが変性したり、紡糸した繊維の強度が低下し、安定した糸の製造が困難となる。なお、温度の下限は特に限定はなく、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整されればよい。
【0023】
なお、前記再生コラーゲン繊維には、必要により、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、メチルグリオキザール、アクロレイン、クロトンアルデヒドなどのモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどのジアルデヒド類;酸化エチレン、酸化プロピレンなどの酸化アルキル、脂肪族アルコール、グリコールやポリオールのグリシジルエーテル、モノカルボン酸、ジカルボン酸やポリカルボン酸のグリシジルエステルなどのエポキシ化合物;尿素、メラニン、アクリルアミド、アクリル酸アミド、及びそれらの重合体より誘導されたN−メチロール化合物;ポリオールやポリカルボン酸にイソシアネートを導入し亜硫酸水素ナトリウムを付加してなる水溶性ポリウレタン;モノクロロトリアジンやジクロロトリアジンなどのトリアジン誘導体;オキシエチルスルホンの硫酸エステル又はビニルスルホンの誘導体;トリクロロピリジンの誘導体;ジクロロキノキザリンの誘導体;N−メチロール誘導体;イソシアネート化合物;フェノール誘導体;タンニンに代表される水酸基を有する芳香族類;アルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウムなどで代表される金属の陽イオンなどの架橋剤で不溶化処理を施してもよい。架橋による不溶化処理を行わない場合には、高濃度の塩の水溶液、水溶性アルコール類、ケトン類などの有機溶媒やそれらの水溶液で処理したり、保存したものに乾燥を施したものを用いることができる。また、さらに乾燥後に他の有機溶剤や有機溶剤の水溶液などを用いて処理したり、保存したものであってもよい。
【0024】
また、本発明においては、必要により、再生コラーゲン繊維に水洗、油剤処理、乾燥を施すことができる。水洗を施すのは、塩による油剤の析出を防止したり、乾燥時に再生コラーゲン繊維から塩が析出し、かかる塩によって再生コラーゲン繊維に糸切れが発生したり、生成した塩が乾燥機内で飛散し、乾燥機内の熱交換器に付着して伝熱係数が低下するのを防ぐためである。また前記のごとく油剤処理を施した場合には乾燥時における繊維の膠着防止の効果を更に高めることができる。
【0025】
本発明は、このような繊維状の再生コラーゲンにメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を化学修飾させる。化学修飾の方法には、(A)カルボキシル基を化学修飾する方法と(B)アミノ基を化学修飾する方法とがある。この2種の方法についてそれぞれ説明する。
(A)コラーゲンのカルボキシル基を修飾する方法は、再生コラーゲン繊維と下記一般式(I)
【0026】
【化4】
Figure 0003693491
(式中のn、mはそれぞれ1〜4の整数を示す。)
及び/又は下記一般式(II)
【0027】
【化5】
Figure 0003693491
(式中のR1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示す。)
で表されるジアミンと縮合剤を用いてアミド化反応させる。
【0028】
一般式(I)のジアミンの具体例としては、シスタミン、シスタミン二塩酸塩、シスタミン硫酸塩、一般式(II)のジアミンの具体例としては、D−シスチンメチルエステル、L−シスチンメチルエステル、D,L−シスチンメチルエステル混合物、D−シスチンエチルエステル、L−シスチンエチルエステル、D,L−シスチンエチルエステル混合物、D−シスチンプロピルエステル、L−シスチンプロピルエステル、D,L−シスチンプロピルエステル混合物、D−シスチンブチルエステル、L−シスチンブチルエステル、D,L−シスチンブチルエステル混合物、D−シスチンベンジルエステル、L−シスチンベンジルエステル、D,L−シスチンベンジルエステル混合物などが挙げられる。
【0029】
このアミド化反応は、再生コラーゲン繊維を一般式(I)及び/又は(II)のジアミンと縮合剤とを溶解した反応溶媒に浸漬処理して行われる。このときの一般式(I)及び/又は(II)のジアミンの使用量はコラーゲン1g に対して0.05mmol以上好ましくは0.6mmol以上、更に好ましくは1.2mmol以上とし、縮合剤の使用量はコラーゲン1g に対して0.1mmol以上、好ましくは1.2mmol以上とするのが望ましい。この量以下であるとパーマネントウェーブ処理効果を発現させるために必要な硫黄含量を得ることができない。処理温度は80℃以下、浸漬時間は5分間以上とするのが好ましい。処理温度が80℃を越えると、再生コラーゲン繊維が変性したり、得られる繊維の強度が低下し、安定的な糸の製造が困難になる傾向がある。
【0030】
縮合剤としては、例えば1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及びその塩酸塩、1−ベンジル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及びその塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド・メソ−p−トルエンスルホネート、N,N´−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミド類;ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、ジフェニルホスホリルアジドなどのリン化合物;N,N´−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンなどが挙げられる。これらの縮合剤は単独あるいは組み合わせて用いてもよい。また、反応を速め、副反応を抑制するために縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを組み合わせて用いてもよい。
【0031】
アミド化反応の溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系有機溶媒:DMF、DMSOなどの中性有機溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒を用いてもよい。反応溶媒として水を用いる場合、必要に応じて硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの無機塩の水溶液を用いてもよく、また、必要に応じて、例えば、ホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウムなどを配合することによりpHを調整してもよい。この反応の場合、pH3.0〜7.0が好ましい。
【0032】
アミド化反応は、再生コラーゲン繊維を一度乾燥させた後に行うことが好ましい。一度も乾燥させること無しにアミド化を行った場合でもメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を化学修飾することができ、パーマネントウェーブ処理が可能となるが、再生コラーゲン繊維を乾燥した後に前記アミド化反応を行うとパーマネントウェーブ処理効果は更に向上する。再生コラーゲン繊維は乾燥前後でコラーゲン分子の凝集構造あるいは繊維構造などの高次構造に不可逆的な変化が起こり、その構造変化を起こした再生コラーゲン繊維に前記アミド化反応を施こすことによりパーマネントウェーブ処理の効果を更に高めることができると推測している。
【0033】
この乾燥は120℃以下で行うことが好ましい。120℃を越えると、再生コラーゲン繊維が変性したり、得られる繊維の強度が低下し、安定的な糸の製造が困難になる傾向がある。
【0034】
(B)コラーゲンのアミノ基を化学修飾する方法には、(1)ハロゲン化アルデヒド化合物を用いる方法と(2)エポキシ化合物を用いる方法がある。以下それぞれの方法について説明する。
【0035】
(1)ハロゲン化アルデヒド化合物を用いる方法としては、▲1▼再生コラーゲン繊維を下記一般式(III)で表されるアルデヒドにより処理した後、チオ硫酸塩及び/又は水硫化物の水溶液で処理するか、又は▲2▼下記一般式(III)で表されるアルデヒドとチオ硫酸塩及び/又は水硫化物とを混合して反応させた後、該反応液を用いて再生コラーゲン繊維を処理する方法が挙げられる。
【0036】
【化6】
Figure 0003693491
(式中のXはハロゲン原子、Rは炭素数3以下の炭化水素基、nは1〜3の整数を示す。)
一般式(III)のXの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。一般式(III)のRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。一般式(III)で表されるアルデヒドの具体例としては、2−クロロアセトアルデヒド、2−ブロモアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、3−フルオロプロピオンアルデヒド、2−フルオロプロピオンアルデヒド、3−クロロプロピオンアルデヒド、2−クロロプロピオンアルデヒド、3−ブロモプロピオンアルデヒド、2−ブロモプロピオンアルデヒド、3−ヨードプロピオンアルデヒド、2−ヨードプロピオンアルデヒド、4−フルオロブチルアルデヒド、3−フルオロブチルアダデヒド、2−フルオロブチルアルデヒド、4−クロロブチルアルデヒド、3−クロロブチルアルデヒド、2−クロロブチルアルデヒド、4−ブロモブチルアルデヒド、3−ブロモブチルアルデヒド、2−ブロモブチルアルデヒド、4−ヨードブチルアルデヒド、3−ヨードブチルアルデヒド、2−ヨードブチルアルデヒド、3−フルオロ−2−メチルプロピオンアルデヒド、3−クロロ−2−メチルプロピオンアルデヒド、3−ブロモ−2−メチルプロピオンアルデヒド、3−ヨード−2−メチルプロピオンアルデヒド、3−フルオロアクロレイン、3−クロロアクロレイン、3−ブロモアクロレイン、3−ヨードアクロレイン、4−フルオロクロトンアルデヒド、4−クロロクロトンアルデヒド、4−ブロモクロトンアルデヒド、4−ヨードクロトンアルデヒドなどが挙げられるが、なかでも水への溶解度が高く、安価で入手し易い2−クロロアセトアルデヒドが特に好ましい。
【0037】
また、チオ硫酸塩の具体例としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、水硫化物の具体例としては、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化カルシウム、水硫化アンモニウムなどが挙げられるが、本発明はかかる具体例のみに限定されるものではない。
【0038】
前記(1)−▲1▼の方法は、コラーゲン分子のアミノ基と一般式(III)で表されるアルデヒドのアルデヒド基を反応させて結合させた後、クロライドとチオ硫酸塩又は水硫化物の陰イオンを置換反応させるためメルカプト基が導入できると考えられている。
【0039】
この方法は、通常再生コラーゲン繊維を一般式(III)で表されるアルデヒド水溶液に浸漬することによって行われる。アルデヒドの使用量はコラーゲン1g に対して0.4mmol以上とし、その濃度は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、更に好ましくは0.2〜5重量%となるように調整される。アルデヒドの濃度が0.05重量%未満であると、反応点が少なくなるため、コラーゲンのアミノ基との反応が進行し難くなり、また10重量%を越えると、アミノ基との反応は進行するものの、工業的な取扱い性や環境面で好ましくなくなる。
【0040】
アルデヒド水溶液はpH4〜13、好ましくはpH6〜9であることが望ましい。pHが4以下であると、コラーゲンのアミノ基との反応が遅くなるかあるいは反応が進行しなくなる。pHが13を越えると、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受けやすくなり、目的とする繊維が得られにくい傾向がある。また、アルデヒド水溶液のpHは時間とともに低下していくため、必要によりpH調整を行ってもよい。
【0041】
アルデヒド水溶液による再生コラーゲン繊維の処理温度は50℃以下、浸漬時間は5分間以上であることが好ましい。処理温度が50℃を越えると、再生コラーゲン繊維が変性したり、得られる繊維の強度が低下し、安定的な糸の製造が困難になる。
【0042】
アルデヒドと反応させた再生コラーゲン繊維は、次にチオ硫酸塩及び/又は水硫化物の水溶液に浸漬処理する。チオ硫酸塩や水硫化物の濃度は0.1〜40重量%で、処理温度は50℃以下、浸漬時間は5分間以上である。
【0043】
前記(1)−▲2▼の方法は、一般式(III)で表されるアルデヒドのクロライドとチオ硫酸塩又は水硫化物の陰イオンを置換反応させた後、そのアルデヒド基とコラーゲン分子のアミノ基とを反応し結合させるため、メルカプト基が導入できると考えられている。この方法では、先ず一般式(III)で表されるアルデヒドとチオ硫酸塩及び/又は水硫化物とを混合反応させる。アルデヒドの使用量はコラーゲン1g に対して0.4mmol以上とし、その濃度は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、更に好ましくは0.2〜5重量%となるように調整する。そこに、前記アルデヒドと等モルのチオ硫酸塩及び/又は水硫化物を投入し攪拌する。攪拌時間は0〜24時間、好ましくは1〜6時間である。前記反応溶液に再生コラーゲン繊維を浸漬するが、このときの溶液のpHは4〜13、好ましくは6〜9が望ましい。処理温度は50℃以下、浸漬時間は5分間以上である。
【0044】
前記の(1)−▲1▼及び▲2▼のいずれの方法でもチオ硫酸塩を用いて処理した場合は、得られた再生コラーゲン繊維を更に酸又はメルカプトエタノール水溶液などで処理する必要がある。酸で処理する場合は塩酸、硫酸、ほう酸などでpH2〜6に調整し、50℃以下、浸漬時間5分間以上で処理する。メルカプトエタノール水溶液で処理する場合は、濃度0.1%以上、50℃以下、浸漬時間5分以上で処理する。
【0045】
(2)エポキシ化合物を用いる方法においては、再生コラーゲン繊維をエポキシ化合物と硫黄を含む化合物とで処理する。この方法は、多官能エポキシ化合物がコラーゲン分子のアミノ基及び硫黄を含む化合物に反応することにより、メルカプト基が導入できると考えられている。この方法においては、再生コラーゲン繊維にエポキシ化合物の浸漬処理と硫黄を含む化合物の浸漬処理を行えばよく、その処理順序は必要に応じて適宜決定すればよい。また、エポキシ化合物と硫黄を含む化合物を先に反応させ、該反応溶液で再生コラーゲン繊維を浸漬処理する方法なども考えられる。
【0046】
本発明で用いるエポキシ化合物は、少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物であって、例えばグリコール、ポリグリコール、ソルビトール、ポリソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン、その他のポリオールのグリシジルエーテルであるポリグリシジルエーテル類;ジカルボン酸、ポリカルボン酸のグリシジルエステルであるポリグリシジルエステル類などが挙げられる。
【0047】
本発明で用いる硫黄を含む化合物としては、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化アンモニウムなどの水硫化物;チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸塩;システアミン、システインなどのメルカプト基を有するアミン類;シスタミン、シスチン、シスチンメチルエステル,シスチンエチルエステル,シスチンプロピルエステル,シスチンブチルエステル,シスチンベンジルエステルなどのジスルフィド結合を有するアミン類などが挙げられる。
【0048】
エポキシ化合物をコラーゲンや硫黄を含む化合物のアミノ基と反応させる場合には、必要に応じて触媒及び反応助剤を用いてもよい。触媒としては具体的にはアミン類やイミダゾール類などの触媒を用いてもよく、例えばアミン類としてはトリエチルジアミン、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N´−ジメチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類;ピペラジン、モルフォリンなどの第2級アミン類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩などが挙げられ、イミダゾール類としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。さらに反応助剤として具体的にはサリチル酸又はサリチル酸金属塩;チオシアン酸、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩類;テトラメチルチウラムジサルファイド;チオユリア等が挙げられる。
【0049】
エポキシ化合物及び/又は硫黄を含む化合物を反応させる際の反応溶剤としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系有機溶媒:DMF,DMSOなどの中性有機溶媒等が挙げられ、これらの混合溶媒を用いてもよい。反応溶剤として水を用いる場合、必要に応じて硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの無機塩の水溶液を用いてもよく、通常これらの無機塩の濃度は10〜40重量%に調整される。また、必要に応じて、例えば、ホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウムなどを配合することにより、pHを調整してもよい。エポキシ化合物の反応の場合、pH3〜12、好ましくはpH7〜12に調整するのが良い。pH3以下であれば触媒を用いたとしても、反応は非常に遅くなり、好ましくない。
【0050】
本発明における浸漬処理の一般的な条件として、エポキシ化合物の使用量はコラーゲン1g に対してエポキシ基量で0.1mmol以上、好ましくは1.0mmol以上とし、硫黄を含む化合物の使用量はコラーゲン1g に対し硫黄量で0.1mmol以上、好ましくは1.0mmol以上であるのが良い。それぞれの処理温度は80℃以下、処理時間1分以上が好ましい。また、前記エポキシ化合物と硫黄を含む化合物を先に混合反応させる場合、混合時間は1分以上が好ましく、該反応溶液での再生コラーゲン繊維の処理温度は50℃以下、処理時間1分以上が好ましい。
【0051】
エポキシ化合物と、硫黄を含む化合物として水硫化物を用いる場合の具体例としては、再生コラーゲン繊維にエポキシ化合物を反応させた後に、水硫化物を反応させる方法が挙げられる。この方法では、再生コラーゲン繊維のアミノ基にエポキシ化合物が反応し、その後未反応のエポキシ基を水硫化物でメルカプト基に変換していると考えられる。
【0052】
水硫化物としては、前記したものを用いることができるが、水硫化物はコラーゲン1g に対して硫黄量で0.1mmol以上用いることが好ましく、硫黄量がこの量以下になるとパーマネントウエーブを発現するために十分な硫黄量を得ることが困難になる傾向がある。
【0053】
この水硫化物を用いて処理する方法では、例えば、再生コラーゲン繊維を、エポキシ化合物の溶解した溶液に浸漬することによってエポキシ処理を行う。その際、エポキシ化合物はコラーゲン1g に対してエポキシ基量で3mmol以上、反応温度は50℃以下、浸漬時間は5分以上とすることが好ましい。
【0054】
エポキシ処理の後、必要に応じて水洗、油剤処理、乾燥を施してもよい。その後、水硫化物で処理して、未反応エポキシ基をメルカプト基に変換する。反応条件はコラーゲン1g に対して硫黄含量が1mmol以上、反応温度は80℃以下、浸漬時間は1分以上である。反応溶媒としては水を用い、必要に応じて、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの水溶性無機塩の水溶液を用いてもよい。また、必要に応じて、例えばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウムなどの金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなどを配合することにより、pHを調整してもよい。
【0055】
また、エポキシ化合物と硫黄を含む化合物として一般式(I)及び/又は一般式(II)で表されるジスルフィド結合を有するジアミンとを用いることもでき、ジアミンの具体例としては前記したものを用いることができる。
【0056】
ジアミンの使用量としては、コラーゲン1g に対して硫黄量で0.1mmol以上が好ましく、この量以下であるとパーマネントウエーブを発現するために十分な硫黄含量を得ることが困難な傾向がある。
【0057】
一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを用いる方法としては、
▲1▼コラーゲンに一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを含浸させた後、エポキシ化合物を反応させる方法、
▲2▼コラーゲンにエポキシ化合物を反応させた後、一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを反応させる方法、
▲3▼エポキシ化合物と一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを反応させたものをコラーゲンに反応させる方法、
などを好適に用いることができる。また、ジスルフィド結合を含むジアミンを導入するには、▲2▼と▲1▼を比較すれば▲2▼の方が好ましく、また▲1▼と▲3▼を比較すれば▲3▼の方が好ましい。
【0058】
前記▲1▼の方法は、一般式(I)及び/又は一般式(II)のアミノ基とコラーゲンのアミノ基を架橋し、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合を導入する方法である。具体的には、再生コラーゲン繊維を一般式(I)及び/又は一般式 (II)のジアミンの溶液に浸漬することで一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを含浸させ、次いでエポキシ化合物での処理を行うなどの方法が挙げられる。このジアミンを含浸させる際の量はコラーゲン1g に対して硫黄量で1mmol以上、処理温度は50℃以下、浸漬時間は1分以上が好ましい。また、エポキシ化合物での処理を行う際のエポキシ化合物の量はコラーゲン1g に対してエポキシ基量で3mmol以上、処理温度は50℃以下、浸漬時間は5分以上が好ましい。
【0059】
前記▲2▼の方法は、コラーゲンのアミノ基にエポキシ化合物が反応した後、未反応のエポキシ基と一般式(I)及び/又は一般式(II)のアミノ基が反応して、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合を導入する方法である。具体的には、再生コラーゲン繊維をエポキシ化合物を溶かした溶液に浸漬することによってエポキシ処理を行う。この際のエポキシ化合物の量はコラーゲン1g に対してエポキシ基量で3mmol以上、反応温度は50℃以下、浸漬時間は5分以上が好ましい。前記のエポキシ処理の後、必要に応じて水洗、油剤処理、乾燥を施してもよい。次に一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンを溶かした溶液に浸漬させるという方法が挙げられる。このジアミン溶液に浸漬させる際の一般式 (I)及び/又は一般式(II)のジアミンの量はコラーゲン1g に対して硫黄量が1mmol以上、処理温度は50℃以下、浸漬時間は1分以上が好ましい。また、必要に応じてエポキシ化合物を反応させるときに用いる触媒や反応助剤を用いてもよい。
【0060】
前記▲3▼の方法は、まずエポキシ化合物と一般式(I)及び/又は一般式(II)のアミノ基を反応させた後、エポキシ化合物と一般式(I)及び/又は一般式 (II)のジアミンを反応させた溶液にコラーゲンを投入し、未反応のエポキシ基と再生コラーゲン繊維のアミノ基を反応させることによって、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合を導入する方法である。具体的には、一般式(I)及び/又は一般式(II)のジアミンをエポキシ化合物と反応させた混合溶液(この際の硫黄量はコラーゲン1g に対して1mmol以上、エポキシ基量はコラーゲン1g に対して3mmol以上が好ましい)を調製した後、前記の混合溶液に再生コラーゲン繊維を浸漬させる方法が挙げられる。この混合溶液を調製する際の処理温度は50℃以下、混合時間は1分以上が好ましい。また、再生コラーゲン繊維を浸漬させる際の処理温度は50℃以下、浸漬時間は5分以上であることが好ましい。
【0061】
なお、本発明においては以上のような方法を用いた後、必要に応じて水洗、油剤処理、乾燥を施してもよい。また、ジスルフィド結合を含むジアミンを用いる方法に比べて、水硫化物を用いる方法の方が、パーマネントウェーブ処理の効果が発揮され易く好ましい。
【0062】
更に、本発明においては、前記(A)のジスルフィド結合を有するジアミンを用いる方法と前記(B)−(1)のハロゲン化アルデヒド化合物を用いる方法と(B)−(2)のエポキシ化合物を用いる方法を単独で行うだけではなく、少なくとも2種類以上を併用して行ってもよい。併用する場合には各方法の順序は問わない。特に、カルボキシル基を修飾する前記(A)の方法とアミノ基を修飾する前記(B)の方法とを併用すると、付与するメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を多くできるためパーマネントウェーブ処理効果を向上することができる。
【0063】
このように再生コラーゲンを化学修飾して得たメルカプト基及び/又はジスルフィド結合などの二価硫黄を有する再生コラーゲン繊維は、酸化還元反応により任意に変形し、かつ変形後の形状の保持性を有している。しかも、天然蛋白繊維の持つ風合い・光沢・触感を備えており、パーマネントウェーブ処理可能な素材として人毛、獣毛などの代替品として好適に使用することができる。
【0064】
更に、得られた繊維の吸水率を低下させ触感を更に良好にするには、金属塩水溶液で処理し、金属による架橋処理を行っても良い。使用する金属塩の具体例としては、例えば、硫酸クロム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸ジルコニウム、塩化第一錫、塩化第二錫などが挙げられるが、なかでも硫酸クロムを用いてクロムによる架橋を行うことが好ましい。なお、これらの金属塩は通常単独で用いるが、2種以上混合して用いることもできる。使用する水溶液の濃度は、酸化金属換算で0.05〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%であるのが更に好ましい。また、処理条件としては、例えば金属塩水溶液の液温は60℃以下で、なかんづく15〜40℃で8時間以上行うのが好ましい。
【0065】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例において、メルカプト基は:SH基、ジスルフィド結合は:SS結合と略記する。
(A)再生コラーゲン繊維の調製
牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、コラーゲン濃度6重量%に調整した原液を減圧下で攪拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置し、脱泡を行った。この原液をピストンで押し出した後、ギアポンプ定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで濾過後、孔径0.35mm、孔長0.5mm、孔数 50の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度4m/ 分で吐出した。
(B)油剤処理
得られた繊維を水洗し、アミノ変性シリコーンのエマルジョン及びプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。
(実施例1)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維を、シスタミン二塩酸塩10重量%及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.5重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した後、水洗した。
得られた繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で30分間浸漬した。次に、(B)に記載の方法で油剤処理した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例2)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維をホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整したホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中に25℃で30分間浸漬し、水洗した。
得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩10重量%及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.5重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。次に、(B)に記載の方法で油剤処理した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例3)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で30分間浸漬した。次に、(B)に記載の方法で油剤処理した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩10重量%及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.5重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。その後、繊維を水洗し、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例4)
実施例3と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した後乾燥させて繊維を得た。得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩3.5重量%及びジシクロヘキシルカルボジイミド3.5重量%を含有したメタノール中に25℃で24時間浸漬した。その後、繊維をメタノール及び水で洗浄した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例5)
実施例3と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した後乾燥させて繊維を得た。得られた繊維を、L−シスチンジメチルエステル二塩酸塩15重量%及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.5重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。その後、繊維を水洗し、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例6)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維を2−クロロアセトアルデヒド2.5重量%及び硫酸ナトリウム12重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で72時間浸漬した。
得られた繊維を水洗した後、チオ硫酸ナトリウム40重量%を含有した水溶液に25℃で18時間浸漬した。更に、繊維を水洗した後、硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液(硫酸及び水酸化ナトリウムでpH3に調整)に25℃で1時間浸漬した。その後、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例7)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維を2−クロロアセトアルデヒド2.5重量%及び硫酸ナトリウム12重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で72時間浸漬した。
得られた繊維を水洗した後、70%水硫化ナトリウム6.5重量%を含有したpH12の水溶液に25℃で15時間浸漬した。その後(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例8)
2−クロロアセトアルデヒド2.5重量%及び硫酸ナトリウム12重量%を含有した水溶液(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に、チオ硫酸ナトリウムを5.0重量%となるように加えて1時間攪拌した。
反応溶液に、(A)に記載の方法で得られた再生コラーゲン繊維を25℃で3時間浸漬した。
得られた繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で1時間浸漬した。更に、繊維を水洗した後、硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液(硫酸及び水酸化ナトリウムでpH3に調整)に25℃で1時間浸漬した。
その後(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例9)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で2分間浸漬した。
次に、2−クロロアセトアルデヒド2.5重量%及び硫酸ナトリウム12重量%を含有した水溶液(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に、チオ硫酸ナトリウムを5.0重量%となるように加えて1時間攪拌して得られた反応溶液に、繊維を25℃で3時間浸漬した。更に、繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で1時間浸漬した。
次いで、繊維を水洗した後、硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液(硫酸及び水酸化ナトリウムでpH3に調整)に25℃で1時間浸漬した。
その後、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例10)
実施例9と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した再生コラーゲン繊維を得た。この繊維を水洗した後、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX―512)5.0重量%、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.05重量%、サリチル酸0.005重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH10.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。
得られた繊維を水洗した後、70%水硫化ナトリウム6.5重量%を含有した水溶液に25℃で24時間浸漬した。次いで、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例11)
実施例9と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した再生コラーゲン繊維を得た。この繊維を水洗した後、シスタミン塩酸塩10重量%の水溶液に24時間浸漬させた。その後、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル (ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX―512)1.0重量%、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.1重量%、サリチル酸0.01重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH10.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。次いで、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例12)
実施例9と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した再生コラーゲン繊維を得た。この繊維を水洗した後、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX―512)5.0重量%、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.5重量%、サリチル酸0.05重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH10.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。得られた繊維を水洗した後、シスタミン塩酸塩1.0重量%、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.1重量%、サリチル酸0.01重量%を含有した水溶液中に25℃で24時間浸漬した。次いで、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例13)
シスタミン塩酸塩3.0重量%の水溶液にポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX―512)を3.0重量%となるように加えて4時間攪拌した。
その反応液に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.3重量%、サリチル酸0.03重量%を加え、ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH10.5に調整した後に、実施例9と同様にして得られたホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した再生コラーゲン繊維を25℃で24時間浸漬した。次いで、(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例14)
実施例7と同様にして、アミノ基にメルカプト基を導入した後乾燥させて繊維を得た。得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩10重量%及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.5重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。その後、繊維を水洗し、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(実施例15)
実施例10と同様にして、アミノ基にメルカプト基を導入した後乾燥させて繊維を得た。得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩3.5重量%及びジシクロヘキシルカルボジイミド3.5重量%を含有したメタノール中に25℃で24時間浸漬した。次いで、繊維をメタノール及び水で洗浄した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(比較例1)
(A)に記載の方法で再生コラーゲン繊維を得た。
この繊維をホルムアルデヒド1.0重量%及び硫酸ナトリウム15重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH9に調整)に25℃で30分間浸漬した。次に、(B)に記載の方法で油剤処理した後、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(比較例2)
実施例9と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した再生コラーゲン繊維を得た。得られた繊維を水洗した後、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX―512)5.0重量%、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.5重量%、サリチル酸0.05重量%を含有した水溶液中(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH10.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。次に(B)に記載の方法で油剤処理した後、50℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(比較例3)
実施例3と同様にして、ホルムアルデヒド溶液で不溶化処理を施した後乾燥させて繊維を得た。
得られた繊維を、シスタミン二塩酸塩1重量%、及び1−エチル−3−(3´−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.3重量%を含有した水溶液中(塩酸及び水酸化ナトリウムでpH4.5に調整)に25℃で24時間浸漬した。その後、繊維を水洗し、75℃の均熱風乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。
(試験方法)
得られた再生コラーゲン繊維について物性の試験を行った。その方法は次の通りである。
(繊度)
オートバイブロ式繊度測定器Denier−Computer(登録商標)DC−77A(サーチ(株)製)を用いて温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気中で繊度を測定した。
(吸水率)
繊維を蒸留水(温度27±1℃)に20分間浸漬した後、表面付着水を拭き取った後の重量(Ww)(単位g)、その後105℃の均熱風乾燥機で乾燥させて恒量になったときの重量(Wd)(単位g)とし、次式により求めた。
吸水率(%)={(Ww−Wd)/Wd}×100
(硫黄含量)
繊維を試料燃焼装置QF−02型(三菱化成(株)製)を用いて完全燃焼させ、その燃焼ガスを0.3%過酸化水素水に吸収させた。その後、吸収水の硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーIC−7000SERIES II (YOKOGAWA(株) 製) で測定してS含量を求めた。そして、SH基又はSS結合の硫黄含量は以下の計算により求めた。
(SH基又はSS結合の硫黄含量)=(SH基又はSS結合を付与した繊維の測定値)−(SH基又はSS結合を付与していない繊維の測定値)
SH基及び/又はSS結合を付与していない繊維の測定値はメチオニン残基を示している。
(パーマネントウェーブ処理試験)
パーマネントウェーブ処理による効果の試験を以下のように行った。
300〜350本の繊維を束にし、20cmに切り揃えた後、5号ロッドに巻きパーマネントウエーブ用第1液(チオグリコール酸モノエタノールアミンの6.5%水溶液を調整し、モノエタノールアミンでpH9.2〜9.6に調整したもの)中に40℃で15分間浸漬した。次いでパーマネントウェーブ用第2液(臭素酸ナトリウムの5%水溶液)中に40℃で15分間浸漬した。繊維をロッドから外しフリーの状態で水洗し、水中でのウェーブを観測し官能的に評価した。更に、繊維表面に付着した水分を取り除いた後、吊り下げた状態での繊維の長さを求めた。パーマネントウェーブ処理によって保持性のある形状が付与された場合は繊維の長さは20cmより短くなり、付与されない場合は20cmとなる。
(評価基準)
パーマネントウェーブ処理の評価は水中観察と吊り下げたときの繊維の長さとによって行った。それぞれの判定の基準は表1及び表2に示す通りである。
【0066】
【表1】
Figure 0003693491
【0067】
【表2】
Figure 0003693491
実施例及び比較例、人毛についての試験結果を表3に示した。
【0068】
【表3】
Figure 0003693491
【0069】
表3に示した結果からメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を有する再生コラーゲン繊維は、パーマネントウェーブ処理によりウェーブが発現することがわかる。
(実施例16〜24)
実施例3及び6〜13で得られた繊維の一部を、硫酸ナトリウム3重量%及び塩基性硫酸クロム(ネオクロームR、日本化学工業(株)製)を4重量%含有するpH3の架橋液に15℃で15時間浸漬した。次に繊維を水洗し、75℃の均熱乾燥機を用いて緊張下で乾燥させた。得られた繊維はクロムによる架橋処理を行ったために、表4に示すように吸水率が低下し、更に湿触感が良好になった。
【0070】
【表4】
Figure 0003693491
【0071】
【発明の効果】
本発明の改良された再生コラーゲン繊維は、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合などの二価の硫黄を有しており、酸化還元反応による分子間架橋の掛替えによって任意に変形し、かつ変形後の形状の保持性を有している。しかも、この繊維は、天然蛋白繊維から構成されているため、人毛の持つ風合い・光沢・触感に近似しており、人毛、獣毛、ガットなどの優れた代替品となる。

Claims (9)

  1. コラーゲンのアミノ基及び/又はカルボキシル基に、化学修飾によりメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与することを特徴とする、メルカプト基及び/又はジスルフィド結合の硫黄含量がコラーゲンに対して0.3〜5.1重量%であるメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を有する再生コラーゲン繊維の製造方法。
  2. 二価の硫黄含量がコラーゲンに対して0.5〜5.4重量%である請求項1に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  3. コラーゲンと下記一般式(I)
    2N(CH2SS(CH2NH2 (I)
    (式中のn、mはそれぞれ1〜4の整数を示す。)
    及び/又は下記一般式(II)
    2NCH(COOR1)CH2SSCH2CH(COOR2)NH2 (II)
    (式中のR1、R2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示す。)
    で表されるジスルフィド結合を有するジアミンと縮合剤を用いてアミド化反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  4. 再生コラーゲン繊維を乾燥させた後、前記アミド化反応させることを特徴とする請求項3に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  5. コラーゲンを下記一般式(III)
    RCHO (III)
    (式中のXはハロゲン原子、Rは炭素数3以下の炭化水素基、nは1〜3の整数を示す。)
    で表されるアルデヒドとチオ硫酸塩及び/又は水硫化物の水溶液で処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  6. コラーゲンをエポキシ化合物と硫黄を含む化合物とで処理してメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  7. コラーゲンを下記一般式(III)
    RCHO (III)
    (式中のXはハロゲン原子、Rは炭素数3以下の炭化水素基、nは1〜3の整数を示す。)
    で表されるアルデヒドとチオ硫酸塩及び/又は水硫化物の水溶液で処理した後、
    下記一般式(I)
    2N(CH2SS(CH2NH2 (I)
    (式中のn、mはそれぞれ1〜4の整数を示す。)
    及び/又は下記一般式(II)
    2NCH(COOR1)CH2SSCH2CH(COOR2)NH2 (II)
    (式中のR1、R2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示す。)
    で表されるジスルフィド結合を有するジアミンと縮合剤を用いてアミド化反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  8. コラーゲンをエポキシ化合物と硫黄を含む化合物とで処理してメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与した後、
    下記一般式(I)
    2N(CH2SS(CH2NH2 (I)
    (式中のn、mはそれぞれ1〜4の整数を示す。)
    及び/又は下記一般式(II)
    2NCH(COOR1)CH2SSCH2CH(COOR2)NH2 (II)
    (式中のR1、R2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を示す。)
    で表されるジスルフィド結合を有するジアミンと縮合剤を用いてアミド化反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生コラーゲン繊維の製造方法。
  9. コラーゲンのアミノ基及び/又はカルボキシル基に、化学修飾によりメルカプト基及び/又はジスルフィド結合を付与した後、金属塩水溶液で処理することを特徴とする再生コラーゲン繊維の製造方法。
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