JP3684762B2 - 弾性軸継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動を吸収する弾性軸継手に係り、特に車両のステアリング装置に使用される弾性軸継手の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両のステアリングシャフトは、車両の走行によって発生する車輪からの振動や、エンジンの振動を吸収し、ステアリングホイールに不快な振動が伝わらないように、弾性軸継手を介して連結されている。
【0003】
このような弾性軸継手をステアリングシヤフトに設けたものとしては、同心状に配されたシヤフトと管状部材との間に半径方向に圧縮された状態で嵌挿されたエラストマー材料からなるスリーブと、前記管状部材の端部に設けられた切欠部にすきまを持って係合する突起を有する前記シヤフトに固定されたワッシヤーとからなる運動伝達用組立体が知られている。(例えば、特公昭57−45925号公報)
【0004】
また、他の従来技術としては、実開昭57−17872号公報に示されているように、ステアリングシヤフトのダンパー装置として、断面が円形の外筒に、断面が小判形の内筒を挿入して、その間にゴム等の吸振部材を充填し、さらに小判形断面の軸を前記内筒に弾性部材を介して圧入嵌合し、前記外筒に貫通穴を設けて、前記内筒と前記軸とを貫通したストッパーピンを、内筒と外筒とが相対変位を許容する如く、前記貫通穴に挿入したステアリングシヤフトのダンパー装置が知られている。
【0005】
更に、別な従来技術としては、実公平7−43494号公報に示されているように、ヨークを形成したハウジングとステアリングシャフトとの間に弾性部材を配置し、このハウジングに設けた開口を介して、外方からピンを貫通させ、このピンにストッパーの機能を持たせるようにしたものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、衝突時における乗員の安全確保や軸方向の変位を吸収するという観点から、ステアリングシャフトには、縮長可能な構成が通常用いられている。より具体的には、例えば実公平7−43494号公報に示されているように、一端近傍においてストッパーピンが貫通した中空のステアリングシャフトには、内周に雌スプラインが形成されている。更に雄スプラインを設けたスプラインシャフトが、両スプライン同士を係合させることにより、前記ステアリングシャフトと連結されている。かかるスプラインシャフトとステアリングシャフトとは、回転方向には一体的に回転するため、ステアリングホイールからの操舵力を伝達できるが、軸線方向には相対移動で、それにより縮長可能な構成を形成している。
【0007】
ところが、かかる従来技術には、以下に述べるような問題がある。中空のステアリングシャフトにおいて、雌スプラインは、機械加工における容易性等の観点から、全長にわたって形成されるのが普通である。しかるに、上述したように雌スプラインを全長にわたって形成すると、ストッパーピンが貫通する孔まで雌スプラインが形成されることとなる。
【0008】
一方、ストッパーピンが貫通する孔は、通常ドリルによって穿孔されるため、切粉やバリが雌スプライン上に生じやすい。このような切粉やバリを放置すると、例えば車両の振動等により落下若しくは移動して、スプライン歯同士の間に噛み込まれ、それによりステアリングシャフトとスプラインシャフトとの相対移動を阻止し、その本来の機能を損なう恐れがある。しかしながら、雌スプライン上に生じた切粉やバリの排除は困難であり、従って従来技術によれば、例えば手作業により時間を掛けて、かかる切粉やバリの排除を行わなくてはならなかった。
【0009】
そこで、本発明は、製造工程において手間のかかる作業を低減させつつも、信頼性を確保した弾性軸継手を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明の弾性軸継手は、
内周にスプライン歯を形成し、主として回転運動を伝達する中空軸と、前記中空軸を内包するハウジングと、前記中空軸と前記ハウジングとの間に設けられた弾性部材と、前記中空軸と前記ハウジングの所定角度以上の相対変位を制限するストッパーピンとからなる弾性軸継手において、
前記中空軸の内周に密着するシール部材が設けられ、
前記ストッパーピンは、前記ハウジングと、前記弾性部材と、前記中空軸と、前記シール部材とを貫通し、前記中空軸に対して固定されたピンであるように構成してなる。
【0011】
【作用】
本発明の弾性軸継手によれば、前記中空軸の内周に密着するシール部材が設けられ、前記ストッパーピンが、前記中空軸と前記シール部材とを貫通しているので、例えば前記中空軸に、前記ストッパーピンを貫通させるための孔を機械加工により形成した場合に、内周のスプライン上に切粉やバリが生じても、かかる切粉やバリをシール部材で封入でき、それにより切粉やバリのスプライン歯による噛み込みを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、本発明による実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかる弾性軸継手の軸線方向断面図である。図2は、図1の弾性軸継手をII−II線に沿って切断し矢印方向に見た図である。図3は、図1の弾性軸継手を矢印III方向から見た図である。図4は、図1の弾性軸継手をIV−IV線に沿って切断し矢印方向に見た図である。
【0013】
図において、円管状のハウジング2の左端部には、自在継手の一部を構成するヨーク7が一対形成されている。一方、ハウジング2の右端部には、大径部23が形成されている。この大径部23内には、ハウジング2の右端から突出するようにして弾性部材3が取り付けられている。
【0014】
弾性部材3は、大径部23に圧入嵌合される円管状の外環31と、円管状の内環33と、この間に充填された弾性体32とからなる。内環33内には、中空軸1が圧入嵌合されている。
【0015】
中空軸1の内周には、その全周にわたって雌スプライン11が形成されている。雌スプライン11に係合するようにして雄スプライン51が端部に形成されたスプライン軸5が、中空軸1内を延在している。スプライン軸5は、右端を不図示のステアリングホイールに連結されている。両軸はスプライン結合されているので、ステアリングホイールからの操舵力に基づき、スプライン軸5が回転すると、中空軸1はそれと一体的に回転するが、スプライン軸5は、中空軸1に対して相対的に軸線方向に移動可能となっている。
【0016】
図4に示すように、中空軸1の右端は、シール部材6により密封されている。シール部材6は、中空軸1の雌スプライン11の内周に密着している。
【0017】
ハウジング2と、互いに圧入嵌合された弾性部材3の外環31及び弾性体32と、互いに圧入嵌合された内環33及び中空軸1と、シール部材6とは組み立てた状態において、半径方向外方から貫通され、それぞれ貫通孔21,34,12,61を形成している。なお、かかる貫通孔は、各部材の組立前にそれぞれ形成されていても良い。
【0018】
円柱状のストッパーピン4が貫通孔21,34,12,61内に挿入されている。貫通穴の径は、貫通孔12,61については、ピン部材であるストッパーピン4が圧入嵌合される寸法とし、貫通孔21,34については、ストッパーピン4と所定のすきまδ(図3)が得られるように少し大きな径に決定される。
【0019】
ストッパーピン4は、貫通孔21,34,12,61を介して、その先端がハウジング2を半径方向に貫通する位置まで挿入された状態で、中空軸1に圧入固定された後、ストッパーピン4の図中下方の部分13(中空軸1の外周近傍)が抜け止めのために加締められる。尚、この加締めは、ストッパーピン4が中空軸1に圧入されているので、省略することも可能である。
【0020】
本実施の形態による弾性軸継手の動作について説明する。車両に搭載された状態で、自在継手からヨーク7を通してハウジング2に伝えられる振動は、弾性部材3によって吸収され、中空軸1には伝わり難くなる。一方、据え切り時の操舵トルク等の比較的大きな力が作用した場合には、ストッパーピン4と貫通孔21,34とが接触し、ハウジング2から中空軸1へとトルクを伝達することができる。
【0021】
また、弾性部材3は外環31と内環33の間に弾性体32が充填された構成であるので、弾性部材3の組立が単独ででき、組立の自動化も容易である。尚、本実施例ではストッパーピン4は中空軸1に圧入されているが、ストッパーピン4をハウジング2の貫通孔に圧入するようにし、その代わりに中空軸1の貫通孔に対しては所定のすきまを設ける構造とすることも可能である。
【0022】
本実施の形態による弾性軸継手の製造工程について説明する。まず中空軸1に雌スプライン11を形成し、その後シール部材6を中空軸1の内周に付着させ、また弾性部材3を中空軸1の外周に嵌合させる。更にドリル等を用いて、かかる組立体を半径方向に穿孔し、貫通孔12,61を形成する。その後、ハウジング2を弾性部材3の外周に圧入嵌合し、ストッパーピン4を上述した態様で固定し、最後にスプライン軸5を挿入する。
【0023】
このようにして、弾性継手は形成されているので、貫通孔12,61をドリル等を用いて形成しても、それにより生じた切粉やバリはシール部材6に封入され、中空軸1内に落下することはない。従って、中空軸1とスプライン軸5のスプライン歯における切粉やバリの噛み込みが防止でき、もって中空軸1とスプライン軸5との相対軸線方向移動を確保することができる。
【0024】
また、弾性軸継手は車両に搭載される場合、例えば水や小石等が飛散する場所に設置されることがあるが、かかるシール部材を設けることにより、水や小石等が中空軸1内に侵入することを防止でき、それにより中空軸1とスプライン軸5とが錆や異物の噛み込みにより固着することがないようにしている。
【0025】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の弾性軸継手によれば、中空軸の内周に密着するシール部材が設けられ、ストッパーピンが、前記中空軸と前記シール部材とを貫通しているので、例えば前記中空軸に、前記ストッパーピンを貫通させるための孔を機械加工により形成した場合に、内周のスプライン上に切粉やバリが生じても、かかる切粉やバリをシール部材で封入でき、それにより切粉やバリのスプライン歯による噛み込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる弾性軸継手の軸線方向断面図である。
【図2】図1の弾性軸継手をII−II線に沿って切断し矢印方向に見た図である。
【図3】図1の弾性軸継手を矢印III方向から見た図である。
【図4】図1の弾性軸継手をIV−IV線に沿って切断し矢印方向に見た図である。
【符号の説明】
1………シャフト
2………ハウジング
3………弾性部材
4………ストッパーピン
5………スプライン軸
6………シール部材
Claims (1)
- 内周にスプライン歯を形成し、主として回転運動を伝達する中空軸と、前記中空軸を内包するハウジングと、前記中空軸と前記ハウジングとの間に設けられた弾性部材と、前記中空軸と前記ハウジングの所定角度以上の相対変位を制限するストッパーピンとからなる弾性軸継手において、
前記中空軸の内周に密着するシール部材が設けられ、
前記ストッパーピンは、前記ハウジングと、前記弾性部材と、前記中空軸と、前記シール部材とを貫通し、前記中空軸に対して固定されたピンである弾性軸継手。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16064997A JP3684762B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 弾性軸継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16064997A JP3684762B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 弾性軸継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10331861A JPH10331861A (ja) | 1998-12-15 |
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Family
ID=15719508
Family Applications (1)
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JP16064997A Expired - Lifetime JP3684762B2 (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 弾性軸継手 |
Country Status (1)
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- 1997-06-04 JP JP16064997A patent/JP3684762B2/ja not_active Expired - Lifetime
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