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JP3680854B2 - ペースト組成物およびこれを用いた誘電体組成物 - Google Patents

ペースト組成物およびこれを用いた誘電体組成物 Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサやコンデンサとしての機能を有する回路材料用の層間絶縁材料や光配線材料として好適な特性を示す誘電体組成物に関する。
近年、電子機器の小型化、信号の高速化や大容量化の要求に伴って、実装回路部品の高密度化が進んでいる。しかしながら、電気的ノイズが増大し、データエラーが発生することが問題になってきている。この電気的ノイズの発生を抑え、半導体デバイスを安定に動作させるためには、半導体デバイスに近い位置から必要量の電流を供給することが重要である。このためには、半導体デバイス直下に、容量の大きなコンデンサをデカップリングキャパシタとして配置することが有効である。
そこで、プリント配線板にコンデンサを配置する方法として、プリント配線板にチップコンデンサなどの外部コンデンサを配置する方法もある。しかし、小型化の点では、プリント配線板の内層に無機フィラーを加え、プリント配線板自体にコンデンサ機能を持たせる方法が有利であり、無機フィラーと樹脂を混合した複合体を層間絶縁材料として用いる方法(特許文献1、2参照)が知られている。しかしながら、上記の方法による複合体の比誘電率は10〜20程度と低いものであった。
無機フィラー含有の複合誘電体は、無機フィラーの添加量を増やすことにより比誘電率を上げることができるが、無機フィラーの含有率が50体積%を越えると無機フィラーの含有量を増加させても比誘電率が上がらないという問題があった。また、多量に高誘電率無機フィラーを樹脂に混合すると高粘度になるため、通常、溶剤多量に必要となる。
これまでの高誘電体組成物は、無機フィラー、樹脂および溶剤を含有しているペースト組成物を脱溶剤、固化して作製していた(特許文献3参照)。しかし、使用する溶剤の量が多いと、残留溶剤による耐熱性の低下や、表層に空隙が発生するなどの欠点が生じていた。
高い比誘電率を得る方法として、2種以上の粒径を有するフィラーを添加し、フィラーの充填率を上げることで比誘電率を高くする方法(特許文献4、5参照)が知られている。しかしながら、これらに用いられているフィラーは、最大の平均粒径を有するフィラーの平均粒径が5μm以上と大きく、このフィラーと樹脂を混合し、得られる複合体の膜厚は、300μm程度と厚くならざるを得なかった。
その他に、誘電率を高くする方法として、粒子径の大きな無機フィラーを用いる手法がある。フィラーの誘電率はフィラーの結晶構造に依存する。一般に無機結晶では、チタン酸バリウムなどに見られるように、陰イオンと陽イオンの重心位置ずれが大きな誘電率をもたらしている。フィラーとして用いる場合、その粒子径が小さくなると、一般に結晶粒子サイズも小さくなり、粒子の表面エネルギーが大きくなり、系全体のエネルギーを低下させるために結晶構造の対称性がより高いものとなる。結晶構造の対称性が高くなると陰イオンと陽イオンの重心位置ずれは小さくなるため、誘電率は小さくなる。したがって、粒子径の大きなフィラーを用いることで、誘電率を大きくすることができる。特にチタン酸バリウムにおいてはこの効果が顕著である。例えば、平均粒径15μmのチタン酸バリウムをフィラーに用い、エチルカルビトール(沸点が202℃)を用いた例(特許文献6参照)がある。しかしながら、フィラーの粒径が大きく、フィラーの比表面積が小さいため、沸点の高い溶剤を用いても、加熱時の脱溶剤が比較的低温で短時間に進む。すると、系全体の収縮に伴う樹脂やフィラーの移動より速い速度で脱溶剤が起きるため、空隙が多く発生する。空隙の発生は誘電率の低下の原因となる。フィラーの平均粒子径が大きいものを用いれば、フィラーそのものの誘電率は大きくなるものの、高沸点溶剤を用いても上記のように空隙の発生が抑制できず、結果として、誘電率は52となり大きな値を得ることができなかった。また、15μmという大きな平均粒径のフィラーを用いている(特許文献6参照)ため、膜厚が25μmと大きくならざるを得ず、従って静電容量密度は1.8nF/cm2と小さい。
一方で、内部に実装されるシステムの小型・薄型化を実現するために、メモリだけでなく端子数の多いLSIを混載した高密度SiP(システムインパッケージ)の開発が急ピッチで行われているが、このSiPの中に内蔵されるコンデンサは、薄型化が強く要求され、このコンデンサ用層間絶縁材料の膜厚が10μm以下にすることが必要とされている。従って、これまでの技術では、10μm以下という薄型化の要求を満たすことができず、携帯電話などのモバイル機器の高性能化において急速に高まってきた薄型化へのニーズには対応できない。
さらには、コンデンサの静電容量は層間絶縁材料の膜厚に反比例するため、層間絶縁材料の膜厚を薄くすることは、コンデンサの大静電容量化の点からも好ましい。
また、層間絶縁材料に要求される重要な基本特性として、低線膨張係数が挙げられる。樹脂自体の線膨張係数は50ppm/℃以上であり、配線層となる金属、例えば、銅の線膨張係数(17ppm/℃)と比較して非常に大きい。従って、樹脂のみからなる層間絶縁材料を用いた場合、配線層との線膨張係数の相違のために、ストレスによる層間剥離や配線断裂などの不具合が生じる。これに対して、樹脂に無機フィラーを複合化させると線膨張係数を低くすることができるため、無機フィラーと樹脂を混合した複合体を層間絶縁材料として用いた場合には、配線層の線膨張係数の値に近づけることが可能となる。しかしながら、従来の方法では、無機フィラーを十分に高充填化することができず、配線層の線膨張係数にほぼ近い値まで下げることができなかった。
特開平5−57852号公報(特許請求の範囲) 特開平6−85413号公報(特許請求の範囲) 特開平10−158472号公報(特許請求の範囲) 特開昭53−88198号公報(特許請求の範囲) 特開2001−233669号公報(特許請求の範囲) 特開平8−293429号公報(第13〜20段落)
かかる状況に鑑み、本発明は、線膨張係数が低い高誘電体組成物を得ることを目的とし、さらには、高密度SiPに内蔵される大静電容量コンデンサ用層間絶縁材料として十分な薄型化が達成された誘電体組成物と光配線材料を提供する。
すなわち本発明は、無機フィラー、エポキシ樹脂、および溶剤を沸点160℃以上の溶剤を含有してなるペースト組成物であって、溶剤が沸点160℃以上の溶剤を1種以上有し、無機フィラーの平均粒径が5μm以下である無機フィラーを有し、全溶剤量がペースト組成物全量の25重量%以下であることを特徴とするペースト組成物である。
また本発明のもう一つの態様は、無機フィラーと樹脂を有する誘電体組成物であって、無機フィラーが少なくとも2種類の平均粒径を有し、前記平均粒径のうちの最大の平均粒径が0.1〜5μmであり、最小の平均粒径に対し、最大の平均粒径が3倍以上であることを特徴とする誘電体組成物である。
本発明によれば、比誘電率が50以上と高い誘電体の組成物を容易に得ることができる。さらに本発明の組成物は、配線金属の線膨張係数にほぼ近い低線膨張係数を有しているため、層間絶縁材料として用いた場合、配線層との間での剥離や配線断裂などの不具合が生じにくく、高い信頼性を有するコンデンサを得ることができる。さらには、均一な膜厚、均一な物性を有する薄膜を容易に得ることができる。これは大静電容量に適しているため、高密度SiPに内蔵されるコンデンサやコンデンサとしての機能を有する回路基板材料用層間絶縁材料に有用である。
本発明のペースト組成物は、無機フィラー、エポキシ樹脂、溶剤からなるものであって、無機フィラーの平均粒径が5μm以下である無機フィラーを有し、溶剤が沸点160℃以上の溶剤を含み、かつ、全溶剤量がペースト組成物全量の25重量%以下であることを特徴とするペースト組成物である。
また本発明は、無機フィラーと樹脂を有する誘電体組成物であって、少なくとも2種類の平均粒径を有する無機フィラーを含み、そのうちの最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が0.1〜5μmであり、最小の平均粒径に対し、最大の平均粒径が3倍以上であることを特徴とする誘電体組成物である。
本発明のペースト組成物中の全溶剤量は、ペースト組成物全量の25重量%以下であることが必要である。好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。また1重量%以上が好ましい。溶剤量が25重量%以下では、乾燥時の溶剤揮発による空隙の発生が抑制されて、誘電体組成物の比誘電率を高くすることができる。また吸湿の原因となりうる空隙量が小さいために、湿度、水分の影響による物性変化が小さくできる。さらに保存耐久性が優れている。溶剤量が25重量%より多いと、溶剤を除去する乾燥工程および熱硬化工程で空隙部が増加し、誘電体組成物の比誘電率が低下することが多い。溶剤量が1重量%未満では溶剤が少ないため、ペースト組成物の粘度や均一性が損なわれる。
なお、無機フィラーの充填率が高くなるにつれて、上記溶剤量による影響は大きくなり、無機フィラーがペースト組成物に含まれる固形分の85重量%以上の場合に、本発明の効果が特に大きい。
本発明で用いられる溶剤は、少なくともその1種が、沸点160℃以上である必要がある。好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。溶剤の沸点が160℃以上では、空隙の発生が抑制されて、誘電体組成物の比誘電率を高くすることができる。沸点が160℃より低いと、溶剤の揮発速度が速いため、熱処理時の物質移動による緻密化が追いつかず、空隙部が増加し、誘電体組成物の比誘電率が低下することが多くなる。また、本発明で用いられる溶剤は、沸点300℃以下であることが好ましく、より好ましくは280℃以下である。沸点が280℃より高くなると、脱溶剤のための処理が高温となり、高温化によって樹脂が分解し、誘電特性の劣化などが起こる。また300℃より大きくなると、樹脂の分解がより激しくなり、機械強度の低下が起きる。本発明のペースト組成物に使用する溶剤は、沸点160℃以上のもの1種のみでもよいが、沸点160℃以上の溶剤を含有していれば、それ以外の溶剤を含んでいても良い。
沸点160℃以上の溶剤は、メシチレン、アセトニルアセトン、メチルシクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルフェニルケトン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソホロン、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクタム、エチレングリコールアセテート、3−メトキシ3−メチルブタノールおよびそのアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、シュウ酸エステル、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル、炭酸プロピレン、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール等がある。
本発明において、エステル構造を含む溶剤が好ましく使用され、さらに好ましくはラクトン構造を含む溶剤が好ましい。最も好ましい溶剤はγ−ブチロラクトンである。本発明でいう沸点とは、1気圧、即ち1.013×10 N/mの圧力下での沸点である。沸点の測定は公知の技術を用いて行うことができ、特に限定されないが、例えば、Swietoslawskiの沸点計を用いることで測定できる。
それ以外の本発明で用いられる溶剤は、樹脂を溶解するものを適宜選択することができる。溶剤は、例えば、メチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロベンゼン、トリクロロエチレン、ベンジルアルコール、メトキシメチルブタノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびそのアセテートなどや、これらのうちの1種類以上を含有する有機溶剤混合物が好ましく用いられる。
無機フィラーの形状は、球状、略球状、楕円球状、針状、板状、鱗片状、棒状などが挙げられるが、特に、球形あるいは略球形であることが好ましい。球状あるいは略球状のフィラーは、最も比表面積が少ないために充填時にフィラー凝集や樹脂流動性低下などを生じにくいからである。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いることができる。
低線膨張係数、および高比誘電率を得るためには、これらの無機フィラーを高充填率で樹脂に含有させることが望ましい。
層間絶縁材料として一般に使用される有機樹脂は、例えば、ポリイミドで30〜50ppm/℃、エポキシ樹脂で50ppm/℃以上の線膨張係数を有する。これは、配線金属、例えば、銅の線膨張係数17ppm/℃に比較して非常に大きいが、無機フィラーを混合させることにより、線膨張係数を下げることが可能となる。
また、無機フィラーと樹脂からなる誘電体組成物において、その誘電体組成物の比誘電率は、複合体における比誘電率の導出式、いわゆる下記に記載した対数混合則(1)に従う(セラミックス材料科学入門(応用編)、内田老鶴圃新社、W.D.Kingery著、小松和蔵ら訳、p912)。高誘電率を有する無機フィラーの含有量が高いほど、得られる誘電体組成物の比誘電率は高くなる。
Figure 0003680854
ε :複合体の比誘電率
εi:複合体の各成分の比誘電率
Vi :複合体の各成分の体積分率。
無機フィラーを高充填率で樹脂に含有させるために、2種類以上の異なる平均粒径を持つものを混合して用いることが好ましい。単一粒径のフィラーを充填した場合、特に、フィラーが球状あるいは略球状である場合には、高密度に充填するとフィラーとフィラーの間に菱形状の空隙が生じ、この空隙には、他のフィラーが侵入することは出来ない。しかし、この空隙以下の大きさのフィラーであればさらにこの隙間に侵入でき、容易に充填率を向上できる。
本発明では含まれる無機フィラーにおいて、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径と最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径の差比は、大きいほど好ましく、最大の平均粒径は最小の平均粒径に対し、3倍以上、さらには5倍以上であることが好ましい。差比が小さいと、小さいフィラーが効率よく大きいフィラー間の空隙に侵入しにくい。一方、差比が大きと、小さいフィラーが凝集しやすくなり、分散安定性が低下する。好ましくは30倍以下、さらには10倍以下であることが好ましい。
少なくとも2種類の平均粒径を有した無機フィラーを用いる場合、その最大の平均粒径を持つ無機フィラーの総体積Vaと最小の平均粒径を持つ無機フィラーの総体積Vbが、0.05≦Vb/(Va+Vb)<0.5を満たすことが好ましい。つまり小さいフィラーの量は、体積比にしてフィラー全量の5%以上50%未満であることが好ましい。5%未満の場合には、空隙に侵入して充填量を上げる効果がほとんど得られず、また50%以上では、大きいフィラーが作る空隙よりも小さいフィラーの占める体積が大きくなり、相互侵入して充填量を増やす効果は小さくなる。
これらの大きいフィラー、小さいフィラーの他に、更に他の粒径のフィラーを混合しても良く、3種類以上でも適宜粒径と配合比を選ぶことでフィラーを混合することによる充填率向上の効果が得られる。
本発明で用いられる無機フィラーは、少なくとも2種類の異なる平均粒径を有する無機フィラーを含み、そのうち最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が5μm以下であることが好ましい。より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。また0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。ここで、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が5μmより大きいものを用いて、膜厚10μm以下のコンデンサを作製しようとすると、フィラーが膜表面に突出しやすくなるために、安定した誘電特性が得ることが難しい。また、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が2μm以下のものを用いた場合には、フィラー分散液のフィラーが沈降しにくい。さらに、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が1μm以下のものを用いた場合には、長期保管においてフィラーが沈降しにくく、保管条件が制限されないことがある。一方、比誘電率が大きい材料を得ようとした場合に、最大の平均粒径が0.1μmより小さい場合には、それらのフィラーの比表面積が大きいために結晶構造の対称性が高くなりやすく、高誘電率相が得られにくく、誘電体組成物の比誘電率が低下してしまう原因となる。また、最大の平均粒径が0.2μm以上だと、フィラー表面積が小さくなり、フィラー分散ペーストが凝集しにくく、粘度変化が小さく、混練、分散や塗布加工が影響を受けにくい。さらに、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が0.3μm以上だと、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径と最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径の差比を十分大きくとれるので、充填率が左右されない。
また本発明では、最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径は0.01〜0.1μmであることが好ましい。さらには0.04〜0.06μmのものを用いることがより好ましい。なお最大の平均粒径と最小の平均粒径の差比をとる必要があるため、最小の平均粒径を有する無機フィラーは、最大の平均粒径によって、上記の範囲から適宜選択される。最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径は、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径との差比を大きくとった方が、充填率を高めることができる。この理由により、最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径は、最大の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径の好ましい範囲から考えて、0.1μm以下が好ましく、より好ましくは、0.06μm以下である。最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が0.04μm以上では、分散後の再凝集が起こりにくく、ペーストの分散安定性が良い。また、最小の平均粒径を有する無機フィラーの平均粒径が0.01μm以上では、それらのフィラーどうしが二次凝集しにくくなるために、凝集体を解し、分散させやすい。
本発明のペースト組成物及び誘電体組成物中に含まれる平均粒径の測定は、誘電体組成物薄膜を形成し、その薄膜の膜厚方向に膜断面を切り出した超薄切片に対してXMA測定、および透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うことにより測定できる。無機フィラーと樹脂で電子線に対する透過率が異なるので、TEM観察像中で無機フィラーと樹脂はコントラストの違いにより識別できる。複数種の無機フィラーが使用されている場合の各無機フィラーの同定はXMA測定に基づく元素分析および電子線回折像観察による結晶構造解析を行うことにより可能である。このようにして得られたフィラーと樹脂の面積の分布を画像解析により求め、無機フィラーの断面を円形と近似して面積から粒径を算出できる。粒径の評価は倍率5000倍と40000倍のTEM画像について行えばよい。算出された粒径の分布を倍率が5000倍のTEM画像において0.1μm刻みのヒストグラム、倍率が40000倍のTEM画像において0.01μm刻みのヒストグラムで表し、度数が極大値となる級の中心値を平均粒径とする。本発明でいう「少なくとも2種類の平均粒径を有する」とは、この極大値が2つ以上存在することを意味し、組成物に含まれる無機フィラーの粒径分布における極大値が2つ以上存在することである。なお、粒径分布の評価法としては上記の方法でTEMの代わりに走査型電子顕微鏡(SEM)を用いても良い。
また、他の手法として、フィラーのブラウン運動による散乱光の揺らぎを測定する動的光散乱法、フィラーを電気泳動したときの散乱光のドップラー効果を測定する電気泳動光散乱法などによって平均粒径を測定することができる。レーザー回折、散乱式の粒度分布測定装置としては例えば堀場製作所製LA−920や島津製作所製SALD−1100、日機装製MICROTRAC−UPA150等がある。
無機フィラーの誘電特性としては、比誘電率が50〜30000のものを用いることが好ましい。比誘電率が50未満の無機フィラーを用いると比誘電率が十分大きい誘電体組成物が得られない。また、比誘電率が30000を越えるものでは、比誘電率の温度特性が悪くなる傾向があるため、好ましくない。ここでいう無機フィラーの比誘電率とは、無機フィラーを原料粉末として、加熱、焼成して得られる焼結体の比誘電率をさす。焼結体の比誘電率は、例えば以下の手順によって測定する。無機フィラーをポリビニルアルコールのようなバインダー樹脂、有機溶剤もしくは水を混合して、ペースト状組成物を作製したのち、ペレット成型器の中に充填して、乾燥させ、ペレット状固形物を得る。そのペレット状固形物を、例えば900〜1200℃程度で焼成することにより、バインダー樹脂を分解、除去し、無機フィラーを焼結させ、無機成分のみからなる焼結体を得ることができる。このとき、焼結体の空隙は十分小さく、理論密度と実測密度から計算した空隙率が1%以下となっていることが必要である。この焼結体ペレットに上下電極を形成し、静電容量および寸法の測定結果から、比誘電率を計算する。
無機フィラーは、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系、二酸化チタン系、などを挙げることができる。チタン酸バリウム系とは、チタン酸バリウム結晶内の一部の元素を他の元素で置換したり、結晶構造内に他の元素を侵入させたりした、チタン酸バリウムを母材とする固溶体を含めた総称である。その他のチタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系、二酸化チタン系もいずれも同様で、それぞれを母材とする固溶体を含めた総称である。
特に、ペロブスカイト型結晶構造、あるいは複合ペロブスカイト型結晶構造を有するフィラーを用いることが好ましい。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができるが、少なくとも2種の異なる平均粒径を有する無機フィラーが同一化学組成である方が誘電特性の点から、好ましい。特に、高い比誘電率を有する誘電体組成物を得る場合には、商業的利便性との両立の点から、主としてチタン酸バリウムからなる化合物を用いることが好ましい。但し、誘電特性や温度安定性を向上させる目的で、シフター、デプレッサー剤などを少量添加して用いてよい。
無機フィラーの作製方法は、固相反応法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、しゅう酸塩法などの方法が挙げられる。最大の平均粒径を有する無機フィラーの作製方法としては、高い比誘電率と品質安定性の点から、固相反応法、あるいはしゅう酸塩法を用いることが好ましい。また、最小の平均粒径を有する無機フィラーの作製方法は、小粒径化が容易であるという理由から、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法のいずれかを用いることが好ましい。
本発明のペースト組成物及び誘電体組成物に含まれる無機フィラーと樹脂の割合としては、無機フィラーの総体積と樹脂固形分の総体積の合計体積に対する無機フィラーの割合Vfが、50%以上95%以下を満たすことが好ましい。さらに好ましくは70%以上90%以下である。無機フィラー含有率Vfが50%以上では十分大きな比誘電率が得られ、小さい熱膨張率が得られる。また、無機フィラー含有率Vfが70%以上では、少なくとも2種類の平均粒径を有する無機フィラーを用いた効果が顕著になり、大きい比誘電率が得られる。一方、無機フィラー含有率Vfが95%以下では、組成物内部での空隙発生を抑制でき、十分に大きな比誘電率を得ることができ、空隙に起因する吸湿率が小さく、物性が水分や湿度の影響を受けにくい。また、無機フィラー含有率Vfが90%以下の場合、耐久性促進テストであるPCT(プレッシャークッカーテスト)後の接着性が、低下しにくい。
次に、本発明で用いられる樹脂は、熱可塑性、熱硬化性樹脂のいずれも選択することができる。
熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、フッ素樹脂などを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、シアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などのほか、一般的にプリント配線板の絶縁層に使用される樹脂を用いることができる。はんだ耐熱性などの点から、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、特に、熱硬化収縮性、粘性などの点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。
ここで、エポキシ樹脂とは、分子構造中にエポキシ基(オキシラン環)を2個以上含むプレポリマーを有する樹脂である。プレポリマーは、誘電特性の点から、ビフェニル骨格あるいはジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。また、硬化剤を有していてもよく、硬化剤には、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、アミノトリアジン化合物、ナフトール化合物などの硬化剤を用いることができる。さらに、トリフェニルホスフィン、ベンゾイミダゾール系化合物、トリス(2、4−ペンタンジオナト)コバルトなどの金属キレート化合物などの硬化促進剤を添加することも可能である。
本発明のペースト組成物は、無機フィラーを樹脂へ分散することによって得られる。例えば、無機フィラーを樹脂溶液に加えて、混合分散する方法や、予め無機フィラーを適当な溶中に分散した分散液を作製し、その分散液と樹脂溶液を混合するレットダウン法などによって作製される。また、樹脂または溶中へ無機フィラーを分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波分散、ボールミル、ロールミル、クレアミックス、ホモジナイザー、メディア分散機などの方法を用いることができるが、特に、分散性の点でボールミル、ホモジナイザーを用いることが好ましい。
無機フィラー分散の際、分散性を向上させるために、例えば、無機フィラーの表面処理、分散剤の添加、界面活性剤の添加、溶剤の添加などを行っても良い。無機フィラーの表面処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤、脂肪酸、リン酸エステルなどによる処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などが挙げられる。また、分散剤の添加の例としては、リン酸、カルボン酸、脂肪酸、およびそれらのエステル類などの酸基を有する分散剤などが挙げられ、特に、リン酸エステル骨格を有する化合物が好ましく用いられる。そのほか、ノニオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤、多価カルボン酸などの湿潤剤、両親和性物質、高立体障害の置換基を有する樹脂などの添加が挙げられる。また、分散時または分散後の系の極性は、溶剤の添加で制御することができる。また、ペースト組成物は必要に応じて、安定化剤、分散剤、沈降防止剤、可塑剤、酸化防止剤などを含有してもよい。
本発明のペースト組成物中に含まれる固形分中に占める無機フィラーの含有量は85重量%以上99重量%以下であることが好ましく、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは94重量%以上である。無機フィラーの含有量が85重量%以上だと、組成物の比誘電率を高くすることが容易にできる。本発明は、無機フィラーの含有率を増やすに従って、高い比誘電率を有する誘電体組成物を得ることができ、99重量%以下の含有率になると、製膜時の成形性が容易となり、無機フィラーの分散が制御しやすい。なお、固形分とは、無機フィラーと樹脂およびその他添加剤などを合わせたものを言う。
本発明の誘電体組成物は、無機フィラー、樹脂を含有してなる誘電体組成物であって、無機フィラーの量が誘電体組成物中に含まれる固形分全量の85〜99重量%であり、かつ空隙率が30体積%以下である。
本発明の誘電体組成物を得る方法として、例えば、まず、無機フィラーを樹脂に混合させたペースト組成物を作製し、そのペースト組成物をある被着体(例えば基板)に塗布し、脱溶剤、固化を行うことにより、誘電体組成物を得る方法が挙げられる。このとき、固化の方法として、熱、光などによる固化が挙げられる。但し、本発明の誘電体組成物は焼結体ではないので、樹脂を完全に分解、除去する必要はなく、電子部品の耐熱温度範囲内、例えば、500℃以下の温度で加熱することが好ましい。
誘電体組成物の空隙率は、30体積%以下であることが必要であり、好ましくは20体積%以下、さらに好ましくは10体積%以下である。空隙率が30体積%より大きい場合、膜体積中に占める無機フィラーの割合が低くなり、比誘電率が50以上の誘電体組成物が得られにくい。また絶縁抵抗の低下やリーク電流の増大、曲げ強さの低下などが起こるため好ましくない。
ここで、空隙率を30体積%以下にする方法としては、例えば、無機フィラー、樹脂、溶剤を上記した中から適宜選択することで達成可能であるが、ペースト組成物が、沸点160℃以上の溶剤を少なくとも1種含む、かつ、全容剤量がペースト組成物全量の25%以下であることで、容易に達成することができる。
また、例えば空隙率を20体積%以下にするには、ペースト組成物がラクトン構造を有する溶剤を少なくとも1種含有していると、空隙率を20体積%以下にすることができる。ラクトン構造を有する溶剤の中でも、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。
誘電体組成物の空隙率の測定方法は、ガス吸着法、水銀圧入法、陽電子消滅法、小角X線散乱法など、用途に合わせて適宜選択することができるが、本発明では、誘電体組成物の密度から、下記(1)〜(3)の手順で空隙率を求める。
(1)重さを量った定形基板上にペースト組成物を塗布、脱溶剤、固化して得られた誘電体組成物の重さを量る。
(2)基板の重さをW1、基板と誘電体組成物の重さをW2、誘電体組成物の密度をD、体積をVとすると、誘電体組成物の密度D=(W2−W1)/Vとなる。
(3)熱重量測定装置(TGA)を用いて、該誘電体組成物を大気雰囲気中、昇温速度10℃/分にて、900℃まで昇温、900℃で30分間保持して脱バインダーを行い、誘電体組成物中に含まれる無機フィラーと樹脂の割合を測定した。無機フィラーの体積をWc、比重をρc、樹脂の体積をWp、比重をρp、空隙率をPとすると、空隙率Pは、以下の式で求められる。空隙率P(体積%)={(V−Wc/ρc−Wp/ρp)/V}×100。
本発明のペースト組成物は、好ましくは、被着体(例えば基板)上に塗布され、脱溶剤、固化されて誘電体組成物を形成する。ペースト組成物を被着体上に塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンナー、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーターなどが挙げられる。このようにして、塗布した膜をホットプレート、オーブンなどの加熱装置を用いて、溶剤の除去や熱硬化を行うことで、誘電体組成物を容易に得ることができる。
ペースト組成物を塗布する被着体は、例えば、有機系基板、無機系基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものから選択できる。有機系基板の例としては、ガラス布・エポキシ銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。
また、無機系基板の例は、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板が挙げられる。回路の構成材料の例は、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や無機フィラーなどを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
本発明の誘電体組成物の形態は特に限定されず、膜状、棒状、球状など、用途に合わせて選択することができるが、特に膜状であることが好ましい。ここでいう膜とは、フィルム、シート、板、ペレットなども含まれる。もちろん、導通のためのビアホール形成、インピーダンスや静電容量あるいは内部応力の調整、または、放熱機能付与など、用途にあわせたパターン形成を行うこともできる。
誘電体組成物を膜として用いる場合の膜厚は、静電容量が所望の値を満たす範囲内で任意に設定することができるが、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、2μm以上20μm以下のものである。コンデンサとして大きな静電容量を確保するには膜厚が薄い方が好ましいが、0.5μmより薄い場合にはピンホールなどが発生しやすく、電気的絶縁が得られにくくなる。また、2μm以上では、耐久性促進テストであるPCT(プレッシャークッカーテスト)後に誘電正接が増大しにくい。また、膜厚が20μmを越えると、十分なコンデンサ性能を得るために大きな比誘電率が必要となる上、実装密度向上が難しくなることがある。
本発明のペースト組成物及び誘電体組成物の用途は特に限定されないが、例えば、高誘電率層としてプリント配線基板の内蔵コンデンサ用層間絶縁材料に用いられる他、多層基板の層間絶縁膜、周波数フィルター、無線用アンテナ、電磁シールド、光配線材料など、多種の電子部品、装置への適用が可能である。
本発明の誘電体組成物は、コンデンサ用層間絶縁材料として好ましく使用される。誘電体組成物を用いてコンデンサ用層間絶縁材料を形成する方法は特に限定されない。例えば、上記したように、基板上に高誘電体を形成した後、適宜電極を形成することで得ることができる。
本発明の誘電体組成物を用いて作製したコンデンサ用層間絶縁材料の面積あたりの静電容量としては、5nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、10nF/cm2以上の範囲にあることが好ましい。5nF/cm2より小さい静電容量では、デカップリングキャパシタとして用いた場合に、システム全体の電源系との分離を十分に行うことができず、デカップリングキャパシタとして十分な機能を果たすことができない。
静電容量の温度変化、面内ばらつきは、小さい方が回路設計上好ましい。温度変化についても、できるだけ小さい方が好ましく、例えば、X7R特性(−55〜125℃において静電容量の温度変化率が±15%以内)を満たすことが好ましい。静電容量の面内ばらつきは、平均値に対して5%以下(静電容量の平均値−5%≦静電容量≦静電容量の平均値+5%)であることが好ましい。
また、電源の電力損失を減らすためには、コンデンサの誘電正接は0.01〜5%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、0.01〜1%の範囲である。ここで、静電容量や誘電正接などの電気特性は、周波数20k〜1GHzでの測定値とする。
本発明の誘電体組成物は、光配線材料としても、好ましく用いることができる。光配線とは、LSI、モジュール、ボードなどのそれぞれの間の信号伝送を通常の電気信号で行うのでなく、光信号で行う方式における配線のことである。実装基板上やその内部に光配線を形成する場合は、屈折率の高い層を屈折率の低い層でサンドイッチした構造をとる。屈接率が低い層を空間で代用することも可能である。光配線材料として用いる場合は、光配線内を導波する信号伝送用の光の散乱を小さくするために、その光の波長に比べ十分小さい無機フィラーを用いることが重要であり、光の波長の1/4以下の粒径とすることが好ましい。また、無機フィラー材料選択、含有量、樹脂材料選択から、屈折率、屈折率の温度依存性、熱膨張率を制御することができる。このことから光配線層を形成する基板材料の選択の幅が広がり、従来から用いられているシリコンやセラミックスなどの無機材料からなるものだけでなく、有機材料からなる基板をも用いることが可能になる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
チタン酸バリウムフィラー(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)323重量部、γ−ブチロラクトン18重量部をホモジナイザーを用いて氷冷下で1時間混合分散し、分散液A−1を得た。エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN502H)10重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ工業(株)製、TD−2131)10重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.6重量部、γ−ブチロラクトン20重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−1を得た。分散液A−1とエポキシ樹脂溶液B−1をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−1を作製した。γ−ブチロラクトンの沸点は204℃である。このペースト組成物C−1を厚さ300μmのアルミ基板上にダイコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、80℃×15分間で乾燥させた後、175℃×1時間で硬化させ、膜厚10μmの高誘電体組成物を得た。
次に、この高誘電体組成物に直径11mmのアルミ電極を蒸着法により形成し、1MHzにおける誘電特性をインピーダンスアナライザHP4284AおよびサンプルホルダーHP16451B(共にヒューレットパッカード社製)を用いて、JIS K 6911に準じて測定した結果を表1に示した。高誘電体組成物の比誘電率は82、誘電正接は2.8%であり、面積あたりの静電容量は7.3nF/cm2であった。空隙率は9体積%であった。
実施例2
実施例1と同様にペースト組成物C−1を作製した。次にγ−ブチロラクトンを22.6重量部さらに添加し、ペースト組成物中の溶剤量が15重量%になるよう、ペースト組成物C−2を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。高誘電体組成物の比誘電率は73、誘電正接は3.4%であり、面積あたりの静電容量は4.3nF/cm2であった。空隙率は12体積%であった。
実施例3〜4
ペースト組成物C−1にγ−ブチロラクトンをさらに添加し、ペースト組成物中の溶剤量が20、25重量%になるよう、溶剤量の異なるペースト組成物C−3〜C−4を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。空隙率が20体積%以下、かつ比誘電率が50以上の高誘電体組成物が得られた。
比較例1
ペースト組成物C−1にγ−ブチロラクトンを添加し、ペースト組成物中の溶剤量が40重量%であるペースト組成物D−1を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表4に示した。ペースト組成物中に含まれる溶剤量が全量の40重量%の時、空隙率は31体積%、比誘電率は41であった。
実施例5
チタン酸バリウム(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)323重量部、分散剤(ビックケミー(株)製、BYK−W903)0.2重量部、γ−ブチロラクトン18重量部をホモジナイザーを用いて混練を行い、分散液A−2を得た。分散液A−2とエポキシ樹脂溶液B−1をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−5を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。比誘電率は102、誘電正接は3.6%であり、面積あたりの静電容量は11.3nF/cm2、空隙率は6体積%であった。
実施例6
ペースト組成物C−5にγ−ブチロラクトンを添加し、ペースト組成物中の溶剤量が15重量%であるペースト組成物C−6を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。比誘電率は95、誘電正接は3.1%であり、面積あたりの静電容量は8.4nF/cm2、空隙率は7体積%であった。
実施例7
溶剤がN−メチル2−ピロリドンである以外はペースト組成物C−2と同様にペースト組成物を作製し、ペースト組成物C−7を作製した。N−メチル2−ピロリドンの沸点は202℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。比誘電率は58、誘電正接は4.6%であり、面積あたりの静電容量は5.3nF/cm2、空隙率は26体積%であった。
実施例8
溶剤がエチレングリコールジアセテートである以外はペースト組成物C−2と同様にペースト組成物を作製し、ペースト組成物C−8を作製した。エチレングリコールジアセテートの沸点は190℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表1に示した。比誘電率は64、誘電正接は4.8%であり、面積あたりの静電容量は5.7nF/cm2、空隙率は21体積%であった。
実施例9
溶剤がエチルカルビトールである以外はペースト組成物C−2と同様にペースト組成物を作製し、ペースト組成物C−9を作製した。エチルカルビトールの沸点は202℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率は50、誘電正接は2.2%であり、面積あたりの静電容量は4.4nF/cm2、空隙率は30体積%であった。
比較例2
溶剤がモルホリンである以外はペースト組成物C−2と同様にペースト組成物を作製し、ペースト組成物D−2を作製した。モルホリンの沸点は128℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表4に示した。比誘電率は35、誘電正接は5.8%であり、面積あたりの静電容量は2.6nF/cmであり、電気特性劣っていた。空隙率は32体積%であった。
比較例3
溶剤がプロピレングリコールモノメチルアセテートである以外はペースト組成物C−2と同様にペースト組成物を作製し、ペースト組成物D−3を作製した。プロピレングリコールモノメチルアセテートの沸点は146℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表4に示した。比誘電率は46,誘電正接は4.7%であり、面積あたりの静電容量は2.7nF/cm2であり、電気特性に劣っていた。空隙率は35体積%であった。
実施例10
チタン酸バリウム(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)494重量部、γ−ブチロラクトン71重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−3を得た。分散液A−3とエポキシ樹脂溶液B−1をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−10を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率は79、誘電正接は3.4%であり、面積あたりの静電容量は5.8nF/cm2、空隙率は13体積%であった。
実施例11
チタン酸バリウム(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)185重量部、γ−ブチロラクトン16重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−4を得た。分散液A−4とエポキシ樹脂溶液B−1をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−11を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率は76、誘電正接は3.2%であり、面積あたりの静電容量は8.4nF/cm2、空隙率は5体積%であった。
実施例12
高誘電率無機フィラーとして、チタン酸バリウム(東邦チタニウム(株)製、SB05、平均粒径:0.5μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ペースト組成物C−12を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率は70、誘電正接は2.9%であり、面積あたりの静電容量は6.2nF/cm2、空隙率は14体積%であった。
実施例13
高誘電率無機フィラーとして、チタン酸ストロンチウム(堺化学(株)製、ST−03、平均粒径:0.3μm)を用いた以外は、実施例2と同様にしてペースト組成物C−13を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率は65、誘電正接は1.2%であり、面積あたりの静電容量は3.8nF/cm2、空隙率は14体積%であった。
実施例14〜16
表2に示した樹脂、硬化剤を用いた以外は、実施例2と同様にして、ペースト組成物C−14〜16を作製した。高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表2に示した。比誘電率が50以上の高誘電体組成物が得られた。
実施例19
チタン酸バリウムフィラー(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)323重量部、γ−ブチロラクトン36重量部をホモジナイザーを用いて氷冷下で1時間混合分散し、分散液A−5を得た。エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN502H)12.8重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ工業(株)製、TD−2131)7.8重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン24.8重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−2を得た。分散液A−5とエポキシ樹脂溶液B−2をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−19を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表3に示した。比誘電率は73、誘電正接は3.4%であり、面積あたりの静電容量は4.3nF/cm2、空隙率は12体積%であった。
実施例20
チタン酸バリウム(堺化学(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)323重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー(株)製、BYK−W9010)0.2重量部、γ−ブチロラクトン36重量部をホモジナイザーを用いて混練を行い、分散液A−6を得た。分散液A−6とエポキシ樹脂溶液B−2をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−20を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作成し、誘電特性を評価した結果を表3に示した。比誘電率は95、誘電正接は3.1%であり、面積あたりの静電容量は8.4nF/cm2、空隙率は7体積%であった。
実施例21
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000)15.3重量部、フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、”カヤハード”TPM(新名:”カヤハード”KTG−105))5.3重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.2重量部、γ−ブチロラクトン24.7重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−3を得た。分散液A−2とエポキシ樹脂溶液B−3をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−21を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表3に示した。比誘電率は76、誘電正接は2.8%であり、面積あたりの静電容量は5.6nF/cm2、空隙率は14体積%であった。
実施例22
チタン酸バリウム(堺化学(株)製、BT−05:平均粒径0.5μm)62.3重量部、チタン酸バリウム(TPL,Inc.社製、HPB−1000:平均粒径0.059μm)21.9重量部、γ−ブチロラクトン15重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー、ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)0.8重量部をホモジナイザーを用いて混練し、分散液A−7を得た。エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN502H)2.2重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ工業(株)製、TD−2131)1.4重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.04重量部、γ−ブチロラクトン7.1重量部を混合し、エポキシ樹脂溶液B−4を得た。分散液A−7とエポキシ樹脂溶液B−4をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−22を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は123、誘電正接は3.1、静電容量は10.9nF/cm2、空隙率は4体積%であった。
実施例23
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000)2.6重量部、フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、”カヤハード”TPM(新名:”カヤハード”KTG−105)0.9重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製、トリフェニルホスフィン)0.04重量部、γ−ブチロラクトンを7.1重量部混合し、エポキシ樹脂溶液B−5を得た。分散液A−7とエポキシ樹脂溶液B−5をボールミルを用いて混合し、ペースト組成物C−23を作製した。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は121、誘電正接は2.6%、面積あたりの静電容量は10.7nF/cm2、空隙率は4体積%であった。
実施例24
溶剤がエチレングリコールジアセテートである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−24を作製した。エチレングリコールジアセテートの沸点は190℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は95、誘電正接は3.1%であり、面積あたりの静電容量は8.4nF/cm2、空隙率は8体積%であった。
実施例25
溶剤がマロン酸ジエチルである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−25を作製した。マロン酸ジエチルの沸点は199℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した。比誘電率は85、誘電正接は2.7%、面積あたりの静電容量は7.5nF/cm2、空隙率は9体積%であった。
実施例26
溶剤がエチルカルビトールである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−26を作製した。エチルカルビトールの沸点は202℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した。比誘電率は99、誘電正接は2.9%であり、面積あたりの静電容量は8.8nF/cm2、空隙率は7体積%であった。
実施例27
溶剤が4−メチルシクロヘキサノンである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−27を作製した。4−メチルシクロヘキサノンの沸点は169℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は79、誘電正接は2.1%であり、面積あたりの静電容量は7.0nF/cm2、空隙率は12体積%であった。
実施例28
溶剤がイソホロンである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−28を作製した。イソホロンの沸点は215℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は76、誘電正接は2.2%であり、面積あたりの静電容量は6.7nF/cm2、空隙率は11体積%であった。
実施例29
溶剤がジエチルホルムアミドである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−29を作製した。ジエチルホルムアミドの沸点は177℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した結果を表6に示した。比誘電率は70、誘電正接は2.3%であり、面積あたりの静電容量は6.2nF/cm2、空隙率は15体積%であった。
実施例30
溶剤がジメチルアセトアミドである以外は、実施例23と同様にして、ペースト組成物C−30を作製した。ジメチルアセトアミドの沸点は165℃である。また実施例1の方法に基づき、高誘電体組成物を作製し、誘電特性を評価した。比誘電率は79、誘電正接は2.3%であり、面積あたりの静電容量は7.0nF/cm2、空隙率は11体積%であった。
合成例1;分散液X−1
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.社製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−1を得た。
合成例2;分散液X−2
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(Cabot Corp.製、K−Plus16、平均粒径:0.06μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−2を得た。
合成例3;分散液X−3
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−02、平均粒径:0.18μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−3を得た。
合成例4;分散液X−4
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−03、平均粒径:0.28μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−4を得た。
合成例5;分散液X−5
チタン酸バリウムフィラー(共立マテリアル(株)製、BT−HP3、平均粒径:1.2μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−5を得た。
合成例6;分散液X−6
チタン酸バリウムフィラー(共立マテリアル(株)製、BT−SA、平均粒径:2.1μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−6を得た。
合成例7;分散液X−7
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)6067重量部、チタン酸ストロンチウムフィラー(TPL,Inc.製、HPS−2000、平均粒径:0.045μm)1613重量部、γ−ブチロラクトン1523重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)77重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−7を得た。
合成例8;分散液X−8
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)5261重量部、酸化チタンフィラー(東邦チタニウム(株)製、HT0514、平均粒径:0.2μm)2419重量部、γ−ブチロラクトン1523重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)77重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−8を得た。
合成例9;分散液X−9
鉛系フィラー(Ferro社製、Y5V183U、平均粒径:0.9μm)6695重量部、チタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)1145重量部、γ−ブチロラクトン1722重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)78重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−9を得た。
合成例10;分散液X−10
チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)7200重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル系の酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−10を得た。
合成例11;分散液X−11
チタン酸バリウムフィラー(共立マテリアル(株)製、BTHP−8YF、平均粒径:7μm)5328重量部、チタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−11を得た。
合成例12;分散液X−12
チタン酸バリウムフィラー(共立マテリアル(株)製、BT−SA、平均粒径:2.1μm)をボールミルを用いてアクリル樹脂バインダーに分散した後、スプレードライヤーを用いて一次粒子を凝集固化させた二次粒子を造粒した。次にこれを大気中1200℃で6時間焼成したのち、乳鉢で粉砕した後、500メッシュと300メッシュの篩で分級し、平均粒径 40μmのチタン酸バリウムフィラーAを得た。平均粒子径の測定には動的散乱式粒径分布測定装置((株)堀場製作所製 LB−500)を用いた。このチタン酸バリウムフィラーAを5328重量部、チタン酸バリウムフィラーB(共立マテリアル(株)製、BT−SA、平均粒径:2.1μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−12を得た。
合成例13;分散液X−13
1000メッシュと600メッシュの篩を用いた以外は合成例12のチタン酸バリウムフィラーAと同様にして、平均粒径20μmのチタン酸バリウムフィラーCを作製した。このチタン酸バリウムフィラーCを5328重量部、チタン酸バリウムフィラーB(共立マテリアル(株)製、BT−SA、平均粒径:2.1μm)1872重量部、γ−ブチロラクトン928重量部、分散剤(リン酸エステル骨格を有する酸基を持つコポリマー:ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−W9010)72重量部をホモジナイザーを用いて、氷冷下で1時間、混合分散し、分散液X−13を得た。
合成例14;エポキシ樹脂溶液Y−1
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、”フェノライト”EPPN−502H)400重量部、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、TD−2131)400重量部、γ−ブチロラクトン1000重量部を混合し、樹脂溶液Y−1を得た。
合成例15;エポキシ樹脂溶液Y−2
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000)600重量部、フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、”カヤハード”TPM(新名:”カヤハード”KTG−105))200重量部、硬化促進剤(北興化学(株)製トリフェニルホスフィン)8重量部、γ−ブチロラクトン1000重量部を混合し、樹脂溶液Y−1を得た。
実施例31
攪拌機を備えた容器内に、82重量部の分散液X−1を仕込み、18重量部の樹脂溶液Y−1を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらにボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約61体積%であった。
次に、このペースト組成物をアルミニウム基板及び銅基板上にスピンコーターを用いて塗布し、オーブンを用いて、120℃、10分間で乾燥させた後、175℃、1時間で硬化させ、誘電体組成物を得た。これら2種の基板上に形成した誘電体組成物の温度によるストレス変化をテンコール社製ストレス測定装置Flexusを用いて測定し、その変化率から、誘電体組成物の線膨張係数を算出した結果、18ppm/℃であり、銅(17ppm/℃)にほぼ一致した良好な値であった。
さらに、アルミニウム基板上の誘電体組成物の表面に、アルミニウム電極を蒸着法により形成し、これと基板のアルミニウムを電極として、1MHzにおける誘電特性をインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、HP4284A、HP16451B)を用いて、JIS K 6911に準じて測定した結果、比誘電率は55、誘電正接は3.3%、面積当たりの静電容量は4.9nF/cm2であった。
また、銅基板上の誘電体組成物をプレッシャークッカーテスト(PCT試験、100%RH、121℃、2気圧、100時間後)を行った結果、顕微鏡観察で何ら異常は観察されず、碁盤目テープ法による試験(JIS K5400)では、評価点数は10点であり、良好であった。
なお、線膨張係数、誘電特性、PCT試験のいずれの測定においても、誘電体組成物の膜厚は、5、10、20μmの3水準で評価を行ったが、膜厚による差異はみられなかったため、表9には10μmでの結果をまとめた。
実施例32
攪拌機を備えた容器内に、86重量部の分散液X−1を仕込み、11重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン3重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約72体積%であった。
このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9に示した。
実施例33
攪拌機を備えた容器内に、88重量部の分散液X−1を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9に示した。
実施例34
攪拌機を備えた容器内に、89重量部の分散液X−1を仕込み、4重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン7重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約86体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9に示した。
実施例35
攪拌機を備えた容器内に、90重量部の分散液X−1を仕込み、2重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン8重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約91体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9に示した。
実施例36
攪拌機を備えた容器内に、91重量部の分散液X−1を仕込み、1重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン8重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約93体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9に示した。
実施例37〜43
攪拌機を備えた容器内に、表5に示した分散液;88重量部を仕込み、表5に示した樹脂溶液;7重量部とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表9、表10に示した。
実施例44
攪拌機を備えた容器内に、93重量部の分散液X−7を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%に調整した。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表10に示した。
実施例45
攪拌機を備えた容器内に、93重量部の分散液X−8を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約81体積%に調整した。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表10に示した。
実施例46
攪拌機を備えた容器内に、93重量部の分散液X−9を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約86体積%に調整した。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表10に示した。
比較例4
合成例14のエポキシ樹脂溶液を用い、無機フィラー分散液を用いなかった他は実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表10に示した。
比較例5
攪拌機を備えた容器内に、88重量部の分散液X−10を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、線膨張係数、誘電特性、PCT試験を測定した結果を表10に示した。
比較例6
攪拌機を備えた容器内に、88重量部の分散液X−11を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このペースト組成物は、放置によりフィラーが沈降しやすかった。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、誘電特性の測定を試みたが、測定値が安定せず、測定することができなかった。
比較例7
攪拌機を備えた容器内に、88重量部の分散液X−12を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このペースト組成物は、放置によりフィラーが沈降しやすかった。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、誘電特性の測定を試みたが、測定値が安定せず、測定することができなかった。
比較例8
攪拌機を備えた容器内に、8893重量部の分散液X−13を仕込み、7重量部の樹脂溶液Y−1とγ−ブチロラクトン5重量部を徐々に加えて、レットダウン法を用いて混合したのち、さらに、ボールミルで1時間撹拌して、ペースト組成物を得た。このペースト組成物は、放置によりフィラーが沈降しやすかった。このとき、無機フィラーと樹脂の合計量を100体積%としたときの無機フィラー含有量は約79体積%であった。このようにして得られたペースト組成物を用いて、実施例31と同様にして誘電体組成物を得て、誘電特性の測定を試みたが、測定値が安定せず、測定することができなかった。
比較例9
大粒径フィラーであるチタン酸バリウムフィラー(堺化学工業(株)製、BT−05、平均粒径:0.5μm)をチタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)に変更し、小粒径フィラーであるチタン酸バリウムフィラー(TPL,Inc.製、HPB−1000、平均粒径:0.059μm)をチタン酸ストロンチウムフィラー(TPL,Inc.製、HPS−2000、平均粒径:0.045μm)に変更する以外は合成例3と同様にして分散液を作製しようと試みたが、フィラーが凝集して分散液が不安定であり、ペースト組成物を得ることができなかった。
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Claims (16)

  1. 無機フィラー、エポキシ樹脂、および溶剤を含有してなるペースト組成物であって、溶剤が沸点160℃以上の溶剤を1種以上有し、無機フィラーの平均粒径が5μm以下である無機フィラーを有し、全溶剤量がペースト組成物全量の25重量%以下であることを特徴とするペースト組成物。
  2. 無機フィラーがチタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系、二酸化チタン系から選ばれる少なくとも1種類である請求項1記載のペースト組成物。
  3. 無機フィラーが少なくとも2種類の平均粒径を有する無機フィラーを含み、前記平均粒径のうちの最大の平均粒径が0.1〜5μmであり、最小の平均粒径に対し、最大の平均粒径が3倍以上である請求項1記載のペースト組成物。
  4. エステル構造を有する溶剤を少なくとも1種含有している請求項1記載のペースト組成物。
  5. ラクトン構造を有する溶剤を少なくとも1種含有している請求項1記載のペースト組成物。
  6. リン酸エステル骨格を有する化合物を含有している請求項1記載のペースト組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか記載のペースト組成物を、脱溶剤、固化して得られる誘電体組成物であって、無機フィラーの量が誘電体組成物中に含まれる固形分全量の85〜99重量%であり、かつ空隙率が30体積%以下である誘電体組成物。
  8. 膜形状であり、膜厚が0.5μm以上20μm以下である請求項記載の誘電体組成物。
  9. 無機フィラーと樹脂を有する誘電体組成物であって、無機フィラーが少なくとも2種類の平均粒径を有し、前記平均粒径のうちの最大の平均粒径が0.1〜5μmであり、最小の平均粒径に対し、最大の平均粒径が3倍以上であり、空隙率が30体積%以下であることを特徴とする誘電体組成物。
  10. 無機フィラーが二酸化チタン系、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系、マグネシウムタングステン酸鉛系から選ばれる少なくとも1種類である請求項記載の誘電体組成物。
  11. 無機フィラーの総体積と樹脂固形分の総体積に対する無機フィラーの総体積の割合Vfが、50%以上95%以下を満たす請求項記載の誘電体組成物。
  12. 前記樹脂が熱硬化性樹脂を含有している請求項記載の誘電体組成物。
  13. 前記樹脂がエポキシ樹脂である請求項記載の誘電体組成物。
  14. リン酸エステル骨格を有する化合物を含有している請求項記載の誘電体組成物。
  15. 請求項1または記載のペースト組成物または誘電体組成物を用いるコンデンサ。
  16. 請求項1または記載のペースト組成物または誘電体組成物を用いる光配線。
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