JP3678303B2 - 非吸収性記録媒体に対するインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくはインク組成物に対して非吸収性である記録媒体に反応液とインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
【0003】
紙などの記録媒体にあっては、インク組成物をある程度吸収することにより着色剤を記録媒体に浸透させ、定着させる。
【0004】
一方、OHPシートのようなプラスチックフィルムは、インク組成物を基本的に吸収しない。このようなインク組成物に対して非吸収性の記録媒体に、インクジェット記録方法により記録を行う場合、インク組成物を記録媒体表面に強固に固着することが必要となる。インク組成物が強固に固着しない場合、画像が耐擦性に劣るものとなってしまう。また、水を主成分とするインク組成物を用いる場合、固着までの時間、すなわち乾燥時間が短いことが好ましい。画像の固着までの時間が長いと、プリンタ内において画像に部材が触れて、あるいはプリンタから排出された後において手などが触れて画像が劣化してしまうおそれがある。さらに、インク組成物に対して非吸収性の記録媒体に印刷を行う場合、インク組成物に含有されている溶剤によって、記録媒体が変質、変形を起こさない様に、インク組成物に添加する溶剤を選択する必要がある。
【0005】
一方、インクジェット記録方法として、最近新たに、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むインク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特開平5−202328号公報)。この方法においては、多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、この複合体の存在により、耐水性がありかつカラーブリードがない高品位の画像を得ることができるとされている。
【0006】
また、少なくとも浸透性を付与する界面活性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインクと、この塩との作用により増粘または凝集するブラックインクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得られるという提案もなされている(特開平6−106735号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組成物との二液を印字することで、良好な画像が得られるとするインクジェット記録方法が提案されている。
【0007】
また、その他にも二液を印字するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−240557号公報、特開平3−240558号公報)。
【0008】
【発明の概要】
本発明者等は、今般、インク組成物に対して非吸収性の記録媒体に対して良好な画像が実現できる二液を用いたインクジェット記録方法を見いだした。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0009】
従って、本発明は、インク組成物に対して非吸収性の記録媒体に対して良好な画像が実現できる二液を用いたインクジェット記録方法の提供をその目的としている。
【0010】
そして、本発明によるインクジェット記録方法は記録媒体に、反応液とインク組成物とを付着させて、印字を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体が、前記インク組成物に対して実質的に非吸収性のものであり、
前記反応液がインク組成物と接触したとき凝集物を生じさせる反応剤を含んでなり、
前記インク組成物が、顔料と、最低造膜温度が20℃以下の樹脂エマルジョンとを含んでなり、インク組成物中のポリマー微粒子の添加量が5重量%以上であり、かつ顔料に対してポリマー微粒子をその重量比で1〜20の範囲で含んでなるものである。
【0011】
【発明の具体的説明】
インクジェット記録方法
本発明によるインクジェット記録方法は、インク組成物に対して実質的に非吸収性の記録媒体に、後記する組成のインク組成物と反応液とを印字する工程を含んでなるものである。
【0012】
本発明において記録媒体は、インク組成物に対して実質的に非吸収性のものである。「インク組成物に対して実質的に非吸収性である」とは、記録媒体にインク組成物を付着させたとき、数秒の時間ではまったく記録媒体へインク組成物が浸透しないような記録媒体を意味する。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、布等の繊維表面に撥水処理等がなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。
【0013】
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、反応液とインク組成物とが接触することで良好な印字が実現できる。以下は仮定であってこれよって本発明が限定的に解釈されないことを条件にその理由を述べれば次の通りである。反応液とインク組成物とが接触すると、反応液中の反応剤がインク組成物中の着色剤、ポリマー微粒子、その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集させると考えられる。これらの凝集物が着色剤を記録媒体表面に強固に固着させるものと考えられる。さらに本発明にあっては、インク組成物が特定の性質を有する樹脂エマルジョンを含んでなるが、この樹脂エマルジョンの存在がこの凝集物の生成を促進しているものと予想される。その結果、色濃度の高い、にじみ、印刷ムラの少ない画像を実現するものと考えられる。また、カラー画像においては、異なる色の境界領域での不均一な色混じり、すなわちカラーブリードを有効に防止できるとの利点も有する。以上の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
【0014】
反応液とインク組成物を記録媒体に適用する順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち反応液を記録媒体に付着させその後この記録媒体にインク組成物を付着させる方法、インク組成物を印字した後反応液を付着させる方法、さらに反応液とインク組成物をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも好適に行うことができる。
【0015】
反応液の記録媒体への付着に関しては、インク組成物を付着させる場所にのみ選択的に反応液を付着させるという方法と、記録媒体全体に反応液を付着させる方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和されるが、記録媒体全体に大量の反応液を付着させることとなり、乾燥性の観点から不利である場合がある。従って、いずれの方法を採用するかは、インク組成物と反応液との組み合わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する場合、反応液の付着は、インクジェット記録方法によることが可能である。
【0016】
インク組成物
本発明においてインク組成物とは、モノクロ印字を行う場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー印字を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物、更に場合によってブラックインク組成物を意味するものとする。
【0017】
本発明による方法に用いられるインク組成物は、顔料と、樹脂エマルジョンとを少なくとも含んでなる。
【0018】
樹脂エマルジョンは、反応液中の反応剤、とりわけ多価金属イオンまたはポリアリルアミンもしくはポリアリルアミンの誘導体との相互作用により、顔料の記録媒体表面への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録媒体上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性を向上させる効果も有する。
【0019】
本発明によるインク組成物は樹脂エマルジョンを含んでなるのが好ましい。ここで、樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、などがあげられる。また、本発明にあっては、樹脂エマルジョンを構成する樹脂成分粒子をポリマー微粒子(または樹脂エマルジョン粒子)という。
【0020】
さらに、本発明にあってはこの樹脂エマルジョンは、20℃以下の最低造膜温度を有するものである。ここで、最低造膜温度とは、ポリマー微粒子を水に分散させて得られた樹脂エマルジョンをアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムの形成される最低の温度をいう。最低成膜温度以下の温度領域では白色粉末状となる。さらに本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子のガラス転移点は10℃以下であることが好ましい。
【0021】
またさらに本発明においてインク組成物は、ポリマー微粒子を、インク組成物の5重量%以上含んでなり、さらに好ましくは8重量%以上含んでなる。そしてさらに、顔料に対してポリマー微粒子をその重量比で1〜20の範囲で含んでなり、さらに好ましくは2〜10の範囲である。
【0022】
また、これらポリマー微粒子の粒子径は100nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜80nm程度である。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子は、その表面にカルボキシル基を有し、さらに二価金属塩と高い反応性を有するものであることが好ましい。具体的には、ポリマー微粒子は、その0.1重量%の水性エマルジョン3容量と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶液1容量とを接触させたとき、波長700nmの光の透過率が初期値の50%となる時間が1×104 秒以下(好ましくは1×103 秒以下、より好ましくは1×102 秒以下))となるような二価金属塩との反応性を有するものである。樹脂エマルジョンは、二価金属イオンと接触すると反応して浮遊物を生じ溶液の透明度を落とす。この浮遊物の生成量を光の透過率をもって測定する。ここで、二価金属イオンとは、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+が挙げられ、それと塩を形成する陰イオンとしては、Cl- 、NO3 - 、I- 、Br- 、ClO3 - よびCH3 COO- があげられる。このような高い反応性は、ポリマー微粒子がその表面に比較的多くのカルボキシル基を有することに起因するものと考えられる。上記の様な高い反応性を示すような多量のカルボキシル基をその表面に有するポリマー微粒子を含んでなるインク組成物は、撥水処理されたインクジェット記録用ヘッドのノズルプレートに親和性を有さない。従って、従来、水溶性樹脂を含んだインク組成物において問題とされていた、インク組成物がノズルプレートをよく濡らし、その結果インク滴の飛行曲がりおよび吐出不良の発生するという問題を有効に防止することができるとの大きな利点を有する。本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子を濃度10重量%で水媒体に分散させた水性エマルジョンのテフロン板上での接触角が70°以上であることが好ましい。さらに、ポリマー微粒子を濃度35重量%で水媒体に分散させた水性エマルジョンの表面張力が、40×10-3N/m(40dyne/cm、20℃))以上であることが好ましい。上記の様な樹脂エマルジョンを利用することによって、より飛行曲がりを防止でき、良好な印刷が可能となる。
【0024】
さらに、上記のような比較的多量のカルボキシル基を有するポリマー微粒子の利用は、より良好な耐擦過性および耐水性を実現する。その理由は定かではないが、下記の様に考えられる。すなわち、インク組成物を紙のような記録媒体表面に付着させると、先ずインク組成物中の水および水溶性有機溶媒が記録媒体へ浸透する。そして、記録媒体の表面近傍に着色剤とポリマー微粒子とが残る。この時、この樹ポリマー微粒子表面のカルボキシル基は、紙繊維を構成するセルロースの水酸基と結合し、ポリマー微粒子と紙繊維とが強固に吸着することとなる。これによって、着色剤の紙内部への浸透がさらに抑制される。さらに、この紙繊維に吸着したポリマー微粒子の近傍の水および水溶性有機溶媒は紙内部に浸透して減少していく。上記したように、樹脂エマルジョンは造膜性を有することから、水および水溶性有機溶媒の減少により、ポリマー微粒子同士が合一し、樹脂皮膜を形成する。この樹脂皮膜は、カルボキシル基の存在によってより強固に記録媒体表面に固着することとなる。上記はあくまで仮定であって、本発明は上記に限定されない。
【0025】
さらに、このポリマー微粒子表面の高い親水性によって、インク組成物は優れた保存安定性が得られるとの利点も有する。
【0026】
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂モノマーを、場合によって界面活性剤とともに水中で乳化重合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに水中で乳化重合させることによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常1000:1〜10:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以上を混合して用いることができる。また、アセチレングリコール(オルフィンY、ならびにサーフィノール82、104、440、465、および485(いずれもAir Products and Chemicals Inc. 製))を用いることも可能である。
【0027】
また、分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200重量部の範囲が適当である。
【0028】
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。
【0029】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は樹脂エマルジョン形態の熱可塑性樹脂を含んでなるのが好ましい。また、これらの樹脂は、軟化または溶融温度以上に加熱され冷却された際に強固な耐水性、耐擦性のある膜を形成するものが好ましい。
【0030】
水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン‐ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン‐アクリル酸共重合体、スチレン‐メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン‐アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル‐アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0031】
低分子量の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン‐無水マレイン酸共重合体、カルナバワックス等の動植物系ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0032】
本発明において上記条件を満足する樹脂エマルジョンとして、公知の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば特公昭62−1426号、特開平3−56573号、特開平3−79678号、特開平3−160068号、特開平4−18462号などに記載の樹脂エマルジョンを用いることができる。
【0033】
本発明の別の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子は、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体に由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有し、架橋性単量体に由来する構造を0.2〜4重量%含有してなるものであることが好ましい。重合の際に重合可能な二重結合を二つ以上さらに好ましくは三つ以上有する架橋性単量体類を共重合させて三次元架橋させた架橋性ポリマーの利用により、ノズルプレート表面がインク組成物によりさらに濡れ難くなり、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性をより向上させることが出来る。
【0034】
本発明においてポリマー微粒子として単粒子構造のものを利用することができる。一方、本発明においてはコア部とそれを囲むシェル部とからなるコアシェル構造を有するポリマー微粒子を利用することも可能である。本発明において「コアシェル構造」とは、「組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態」を意味する。従って、シェル部がコア部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル部ポリマーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、コア部とシェル部の中間に、更にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものであってもよい。
【0035】
本発明の好ましい態様によれば、コア部がエポキシ基を有する樹脂からなり、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂から形成されるものであることが好ましい。エポキシ基とカルボキシル基とは互いに反応する性質を有するが、これら二つの基をコア部とシェル部とに分離して存在させる。水および水溶性有機溶媒の減少により、ポリマー微粒子同士が合一し造膜に伴う圧力によって変形する。これによって、コア部のエポキシ基とシェル部のカルボキシル基とが結合して、網目構造を形成する。これにより、より強度の大きな皮膜を形成することが出来るとの利点が得られる。エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体の量は1〜10重量%であることが好ましい。なお、ここで造膜前の一部のエポキシ基とカルボキシル基との反応は、膜形成能が失われていない限り、本発明にあっては許容されるものである。このようなポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させ、硬化剤を添加しなくとも造膜時にそれら基を反応させ網目構造を形成する性質を本発明にあっては「自己架橋性」と呼ぶ。
【0036】
本発明による方法に用いられる樹脂エマルジョンは、公知の乳化重合によって得ることができる。すなわち、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触媒、および乳化剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。
【0037】
不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタクリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、等のメタクリル酸エステル類、および酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル、等のハロゲン化単量体類;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレン、イソプロピレン、等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類が挙げられる。カルボキシル基を有さない単量体には、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体の利用が必須となるが、好ましいその例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸が挙げられ、メタクリル酸の利用が好ましい。また、使用可能な乳化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
また、上記したように本発明にあっては、上記モノマー由来の分子を、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有することが好ましい。重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、等のジアクリレート化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、等のジメタクリレート化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンが挙げられる。
【0039】
さらに、上記単量体に加えて、アクリルアミド類または水酸基含有単量体を添加することによって、さらに印字安定性を向上させることが出来る。アクリルアミド類の例としてはアクリルアミドおよびN,N’−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水酸基含有単量体の例としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられ、これらを単独または二種以上混合して使用することができる。
【0040】
また、コアシェル構造のポリマー微粒子は、公知の手法により、一般的には多段階の乳化重合などによって製造される。例えば、特開平4−76004号公報で開示されている方法によって製造することができる。重合に用いられる不飽和ビニル単量体の例としては、上記したものが同様に挙げられる。
【0041】
また、上記のコア部へのエポキシ基の導入は、エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニル単量体と共重合する方法、あるいは一種以上の不飽和ビニル単量体を重合してコア粒子を調製する際にエポキシ化合物を同時に添加し、複合化させる方法を挙げることができる。重合の容易さや重合安定性等の点から前者の方法が好ましい。
【0042】
また、乳化重合の際に使用される開始剤、界面活性剤、分子量調整剤、さらには中和剤等も常法に準じて使用してよい。
【0043】
本発明において、樹脂エマルジョンは微粒子粉末としてインク組成物の他の成分と混合されてもよいが、好ましくはポリマー微粒子を水媒体に分散させ、ポリマーエマルジョンの形態とした後、インク組成物の他の成分と混合されるのが好ましい。インク組成物におけるポリマー微粒子の含有量は、5〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜20重量%程度である。
【0044】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物はアルギン酸誘導体を含んでなるのが好ましい。アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられる。
【0045】
このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0046】
アルギン酸誘導体の添加により良好な画像が得られる理由は確定できないが、反応液に存在する多価金属塩が、インク組成物中のアルギン酸誘導体と反応し、着色剤の分散状態を変化させ、着色剤の記録媒体への定着が促進されることに起因するものと考えられる。
【0047】
本発明において用いられるインク組成物に含まれる着色剤は、顔料である。顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0048】
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる分散剤および界面活性剤がインク組成物の分散剤および界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に明らかであろう。
【0049】
インクへの顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。
【0050】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0051】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0052】
これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はインクの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0053】
本発明に用いられる、インク組成物は分散剤および界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の例としては、前記樹脂エマルジョンの説明で記載した各種の界面活性剤が挙げられる。
【0054】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0055】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0056】
これら糖類の含有量は、インクの0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0057】
その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
【0058】
反応液
本発明において用いられる反応液は反応剤を含んでなり、ここで反応剤とは、インク組成物中の顔料および/または樹脂エマルジョンの分散および/または溶解状態を破壊し、凝集させ得るものである。その例としては、多価金属塩、ポリアミン、およびポリアミン誘導体があげられる。
【0059】
反応液に用いることができる多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -よびC H3COO-などがあげられる。
【0060】
とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成される金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質という二つの観点から、好適な結果を与える。
【0061】
これら多価金属塩の反応液中における濃度は印字品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0062】
本発明の好ましい態様によれば、反応液に含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたはカルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0063】
ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0064】
このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げられる。
【0065】
さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0066】
反応液に用いることができるポリアリルアミン及びポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、式(I)、式(II)、および式(III)が挙げられる。
【0067】
【化1】
(式中、X-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、燐 酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等を表す)
上記以外にもアリルアミンとジアリルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することもできる。
【0068】
これらポリアリルアミン及びポリアリルアミン誘導体の含有量は、反応液の0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0069】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は、多価金属塩に加えて、ポリオールを含んでなる。ここで、このポリオールは、20℃での蒸気圧が0.01mmHg以下であるものであり、かつその添加量は多価金属塩に対して重量比で1以上、好ましくは1.0〜5.0とされる。さらに本発明の好ましい態様によれば、このポリオールの反応液に対する添加量は10重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%程度である。
【0070】
ポリオールの好ましい具体例としては、多価アルコール、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。さらに、ポリオールの好ましい具体例としては糖、例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。
【0071】
これらポリオールは単独で添加されても、二以上の混合物として添加されてよい。二以上の混合物として添加される場合、その添加量は、合計として多価金属塩に対して重量比で1以上とされる。
【0072】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防ぐことによりヘッドの目詰まりを防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例としては、前記ポリオールとも一部重なるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。本発明の好ましい態様によれば、反応液はトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを組み合わせて含んでなることが好ましい。
【0073】
高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されないが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度である。
【0074】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は低沸点有機溶剤を含んでなる。低沸点有機溶剤の好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量は0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0075】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は浸透剤を含んでなる。浸透剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどがあげられる。
【0076】
さらに本発明に用いることができる浸透剤は、下記式(IV)で表わされる化合物及び/または多価アルコールの低級アルコールエーテルが、より好ましい。
【0077】
【化2】
(式中、0≦m+n≦50、R1、R2、R3、およびR4は独立してアルキル基である)
上記式で表される化合物の代表的なものとして具体的にはオルフィンY、サーフィノール82、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれも製造:Air Products and Chemicals.Inc.)等がある。これらは単独でまたは2種類以上添加しても良い。
【0078】
本発明の好ましい態様によれば、反応液はpH調整のためにトリエタノールアミンを含んでなる。トリエタノールアミンが添加される場合、その添加量は、0〜2.0重量%程度が好ましい。
【0079】
また、この反応液は、前記のインク組成物の項で記載したカラー着色剤を添加して着色され、インク組成物の機能を兼ね備えたものとされてもよい。
【0080】
インクジェット記録装置
本発明によるインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置につて以下、図面を用いて説明する。
【0081】
図1のインクジェット記録装置は、インク組成物および反応液をタンクに収納し、インク組成物および反応液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給される態様である。すなわち、記録ヘッド1とインクタンク2とがインクチューブ3で連通される。ここで、インクタンク2は内部が区切られてなり、インク組成物、場合によって複数のカラーインク組成物の部屋と、反応液の部屋とが設けられてなる。
【0082】
記録ヘッド1は、キャリッジ4に沿って、モータ5で駆動されるタイミングベルト6によって移動する。一方、記録媒体である記録媒体7はプラテン8およびガイド9によって記録ヘッド1と対面する位置に置かれる。なお、この態様においては、キャップ10が設けられてなる。このキャップ10には吸引ポンプ11が連結され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸引されたインク組成物はチューブ12を介して廃インクタンク13に溜め置かれる。
【0083】
記録ヘッド1のノズル面の拡大図を図2に示す。1bで示される部分が反応液のノズル面であって、反応液が吐出されるノズル21が縦方向に設けられてなる。一方、1cで示される部分がインク組成物のノズル面であって、ノズル22、23、24、25からはそれぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐出される。
【0084】
さらにこの図2に記載の記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法を図3を用いて説明する。記録ヘッド1は矢印A方向に移動する。その移動の間に、ノズル面1bより反応液が吐出され、記録媒体7上に帯状の反応液付着領域31を形成する。次に記録媒体7が送り方向矢印Bに所定量移送される。その間記録ヘッド1は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左端の位置に戻る。そして、既に反応液が付着している反応液付着領域にインク組成物を印字し、印字領域32を形成する。
【0085】
また、図4に記載のように記録ヘッド1において、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可能である。図中で、41aおよび41bは反応液の吐出ノズルであり、ノズル42、43、44、45からはぞれぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記録ヘッド1がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれにおいても印字が可能である点で、図2に示される記録ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印字が期待できる。
【0086】
さらに反応液とインク組成物の表面張力を好ましくは前記のように調節することにより、これらの付着順序にかかわらず、高品質の印字がより一定して得られる。この場合反応液の吐出ノズルを1つとすることもでき(例えば図中で41bのノズルを省くことができる)、さらなるヘッドの小型化と印字の高速化が達成できる。
【0087】
さらに、インクジェット記録装置には、インク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを取り替えることで行われるものがある。また、このインクタンクは記録ヘッドと一体化されたものであってもよい。
【0088】
このようなインクタンクを利用したインクジェット記録装置の好ましい例を図5に示す。図中で図1の装置と同一の部材については同一の参照番号を付した。図5の態様において、記録ヘッド1aおよび1bは、インクタンク2aおよび2bと一体化されてなる。記録ヘッド1aまたは1bをそれぞれインク組成物および反応液を吐出するものとする。印字方法は基本的に図1の装置と同様であってよい。そして、この態様において、記録ヘッド1aとインクタンク2aおよび記録ヘッド1aおよびインクタンク2bは、キャリッジ4上をともに移動する。
【0089】
さらに、印字がなされた記録媒体を加熱するヒータが設けられてなる、インクジェット記録装置の好ましい例を図6に示す。図6は、ヒータ14を設けた点以外は図1に示したものと同様なものである。このヒータ14は、記録媒体に接触してそれを加熱するものであっても、赤外線などを照射しまたは熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触せずに加熱するものであってもよい。
【0090】
【実施例】
【0091】
インク組成物Aの調製
ブラックインクA1
カーボンブラックMA7(三菱化学(株)) 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、 10重量%
樹脂成分50%、MFT=5℃、
大日本インキ化学工業(株)製)
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残 量
【0092】
インクの調製は以下の通りに行った。カーボンブラックと分散剤とイオン交換水とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍(重量))とともに2時間分散させた後にガラスビーズを取り除カーボンブラック分散液を調整した。次いでカーボンブラック、分散剤を除く残りの溶剤とイオン交換水とを混合して混合溶液を調整した。上記のカーボンブラック分散液を攪拌しながら上記の混合溶液を徐々に滴下し、常温で20分攪拌した。その後、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得た。
【0093】
以下のインク組成物をブラックインク1に準じて調製した。
【0094】
ブラックインクA2
カーボンブラックMA100(三菱化学(株)) 1重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂 44.4重量%
エマルジョン、樹脂成分45%、MFT=4℃
大日本インキ化学工業(株)製)
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残 量
【0095】
ブラックインクA3
C.I.ピグメントブラック1 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マイクロジェルE−5002(スチレン−アクリル系樹脂 15重量%
エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT=80℃
日本ペイント(株)製)
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残 量
【0096】
カラーインクセットA1
シアンインクA1
C.I.ピグメントブルー 15:3 2重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、 10重量%
樹脂成分50%、MFT=5℃
大日本インキ化学工業(株)製)
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残 量
【0097】
マゼンタインクA1
C.I.ピグメントレッド 122 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂 20重量%
エマルジョン、樹脂成分45%、MFT=4℃
大日本インキ化学工業(株)製)
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残 量
【0098】
イエローインクA1
C.I.ピグメントイエロー 74 3.5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、 15重量%
樹脂成分50%、MFT=5℃
大日本インキ化学工業(株)製)
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残 量
【0099】
カラーインクセットA2
シアンインクA2
顔料 KET BLUEEX−1 3重量%
(大日本インキ化学工業(株)製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マクロジェルE−5002(スチレン−アクリル系樹脂 7重量%
エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT=80℃
日本ペイント(株)製)
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残 量
【0100】
マゼンタインクA2
顔料 KET RED 309 4重量%
(大日本インキ化学工業(株)製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
SAE1014(スチレン−アクリル系樹脂 9重量%
エマルジョン、樹脂成分40%、MFT=70〜90℃
日本ゼオン(株)製)
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残 量
【0101】
イエローインクA2
顔料 KET Yellow 403 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
マイクロジェルE−5002(スチレン−アクリル系樹脂 10重量%
エマルジョン、樹脂成分29.2%、MFT=80℃
日本ペイント(株)製)
エチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残 量
【0102】
反応液Aの調製
下記成分を混合して、反応液とした。
反応液A1
硝酸マグネシウム/六水和物 25重量%
トリエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残 量
【0103】
反応液A2
ポリアリルアミンPAA−HCL−3L 20重量%
(樹脂成分50%、日東紡績社製)
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残 量
【0104】
印字評価試験A
以上のインク組成物および反応液を以下の表1のように組み合わせ、インクジェットプリンタで実際に印刷を行って印字品質等を評価した。
【0105】
非吸収性記録媒体への印字
インク1〜3、カラーインクセット1〜2、反応液1をインクジェットプリンターMJ−930C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、PETフィルム上に印字を行った。
【0106】
評価A1:カラーブリード
反応液ならびにブラックインクおよびカラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字し、色境界での不均一な色混じりを目視で観察した。その結果を以下の基準で評価した。
【0107】
評価A:色混じりが無く、境界が鮮明である
評価B:色混じりがわずかに生じた
評価C:ヒゲ状に色の混じりが発生した
評価D:色境界がはっきりしないほど色が混じった
【0108】
評価A2:インク定着性
反応液ならびにブラックインクおよびカラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字した後に記録物を常温で1日放置した。その後印刷面を指で強く擦った。その結果を以下の基準で評価した。
【0109】
評価A:インクの剥離が全く無い
評価B:インクの剥離がわずかにある
評価C:インクが完全に剥離する
【0110】
評価A3:加熱によるインク定着性
反応液ならびにブラックインクおよびカラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字した。その直後に記録媒体を裏面から50℃のヒーターで5秒間加熱した。加熱した直後に記録媒体の印刷面を指で強く擦った。その結果を以下の基準で評価した。
【0111】
評価A:インクの剥離が全く無い
評価B:インクの剥離がわずかにある
評価C:インクが完全に剥離する
【0112】
以上の評価結果は以下表2に示される通りであった。
【0113】
水性樹脂エマルジョンBの調製
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、おび温度計を備えた反応容器に、純水370g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gを仕込み、窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム2.3gを添加した。一方、次の組成の三層の乳化モノマーを別々に準備した、即ち、第一層として、純水36.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、スチレン38.6g、ブチルアクリレート32.9g、グリシジルメタクリレート22.5g、およびt−ドデシルメルカプタン0.1gの混合物を、第二層として、純水72.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、スチレン93.2g、ブチルアクリレート88.8g、およびt−ドデシルメルカプタン0.2gの混合物を、第三層として、純水72.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、スチレン57.6g、ブチルアクリレート110.9g、メタアクリル酸30g、およびt−ドデシルメルカプタン0.2gの混合物を用意した。次に、上記の水溶液に第一の乳化モノマーを滴下した後、熟成した。さらに、第二層および第三層の乳化モノマーの滴下および熟成を繰り返した。
滴下時間は第一層では3時間、第二層および第三層では2時間、また熟成期間は各層で2時間とした。
得られた水性樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水とアンモニア水とを添加して固形分35重量%、pH8に調製した。
得られた水性樹脂エマルジョンは、最低成膜温度が約18℃、表面張力57×10-3N/m、接触角89°、粒子経0.09μmであり、Mg2+イオンとの反応における半減期が10秒であった。
【0114】
インク組成物Bの調製
下記の組成からなるインク組成物を調製した。調製は下記の要領で行った。
顔料と分散剤とイオン交換水とを混合して、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
次いで、顔料、分散剤を除く溶剤とイオン交換水とを混合して混合溶液として、上記の顔料分散液を撹拌しながらインク溶媒を徐々に滴下して、常温で20分撹拌した。5μmのメンブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用インク組成物とした。
【0115】
インク組成物B1
カーボンブラックMA7(三菱化学社製) 5重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
上記水性樹脂エマルジョンB
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
【0116】
インク組成物B2
C.I.ピグメントブラック1 1重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
グリセリン 15重量%
イオン交換水 残量
【0117】
カラーインクセットB1
シアンインクB1
C.I.ピグメントシアン15:3 2重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
上記水性樹脂エマルジョンB
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
イオン交換水 残量
マゼンタインクB1
C.I.ピグメントレッド122 3重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
上記水性樹脂エマルジョンB
(ポリマー微粒子の濃度として) 20重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 5重量%
イオン交換水 残量
イエローインクB1
C.I.ピグメントイエロー74 3.5重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
上記水性樹脂エマルジョンB
(ポリマー微粒子の濃度として) 15重量%
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残量
【0118】
カラーインクセットB2
シアンインクB2
顔料KET BLUEEX−1
(大日本インキ化学工業社製) 3重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
マゼンタインクB2
顔料KET Red309
(大日本インキ化学工業社製) 4重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
イエローインクB2
顔料KET Yellow403
(大日本インキ化学工業社製) 3重量%
スチレン‐アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
イオン交換水 残量
反応液Bの調製
反応液B1
硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%
トリエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
反応液B2
ポリアリルアミン PAA−HCL−3L 20重量%
(樹脂成分50%、日東紡績社製)
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
印字評価試験B
下記の表3に記載通りの組合せによって例とした。下記の評価の対象とした印刷物は、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタMJ−930
Cを用いてPETフィルムに印字を行った。なお、本明細書において使用される単位「duty」は、下記の式(I)で定義され、算出されれる値Dの単位を示すものである。
【数1】
【0119】
【0120】
評価B1:カラーブリード評価
反応液およびブラックインク、カラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字して、色境界での不均一な色の混じりを目視で以下の基準で評価した。
A:色混じりが無く境界が鮮明な場合
B:色混じりがわずかに生じた場合
C:ヒゲ状に色の混じりが発生した場合
D:色境界がはっきりしないほど色が混ざった場合
【0121】
評価B2:インクの定着性評価
反応液およびブラックインク、カラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字した後に、記録物を常温で1日放置して、印刷面を指で強く擦ってインクの定着性を評価した。
A:インクの剥離が全くない
B:インクの剥離がわずかにある
C:インクが完全に剥離する
【0122】
評価B3:加熱によるインクの定着性評価
反応液およびブラックインク、カラーインクを100%dutyでPETフィルム上に同時に印字した直後、記録媒体を裏面から50℃のヒーターで5秒間加熱した。加熱直後の記録媒体の印刷面を指で強く擦ってインクの定着性を評価した。
A:インクの剥離が全くない
B:インクの剥離がわずかにある
C:インクが完全に剥離する
【0123】
上記評価試験Bの結果は下記の表4に示した通りであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録方法に用いることができるインクジェット記録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッドとインクタンクがそれぞれ独立してなり、インク組成物および反応液はインクチューブによって記録ヘッドに供給される。
【図2】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、1bが反応液のノズル面であり、1cがインク組成物のノズル面である。
【図3】図2の記録ヘッドを用いたインクジェット記録を説明する図である。図中で、31は反応液付着領域であり、32は反応液が付着された上にインク組成物が印字された印字領域である。
【図4】本発明による記録方法に用いることができる記録ヘッドの別の態様を示す図であって、吐出ノズルが全て横方向に並べて構成されたものである。
【図5】本発明による記録方法に用いることができるインクジェット記録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッドとインクタンクが一体化されてなる。
【図6】本発明による記録方法に用いることができるインクジェット記録装置を示す図であって、この態様においては印字後の記録媒体を加熱するヒータを備えてなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 インクタンク
3 インクチューブ
14 ヒータ
21 反応液吐出ノズル
22、23、24、25 インク組成物吐出ノズル
31 反応液付着領域
32 印字領域
Claims (16)
- 記録媒体に、反応液とインク組成物とを付着させて、印字を行うインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体が、前記インク組成物に対して実質的に非吸収性のものであり、
前記反応液がインク組成物と接触したとき凝集物を生じさせる反応剤を含んでなり、
前記インク組成物が、顔料と、最低造膜温度が20℃以下の樹脂エマルジョンとを含んでなり、前記樹脂エマルジョンが分散相としてポリマー微粒子を含んでなるものであり、インク組成物中のポリマー微粒子の添加量が5重量%以上であり、かつ顔料に対しポリマー微粒子をその重量比で1〜20の範囲で含んでなるものである、インクジェット記録方法。 - ポリマー微粒子の粒径が100nm以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ポリマー微粒子が、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体に由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有し、該架橋性単量体に由来する構造を0.2〜4重量%含有してなる、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ポリマー微粒子がコアシェル構造を有するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ポリマー微粒子が自己架橋性を有するものである、請求項4に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ポリマー微粒子が、コア部がエポキシ基を有する樹脂からなり、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂からなる、請求項5に記載のインクジェット記録方法。
- 前記樹脂エマルジョンの最低成膜温度が20℃以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物が有機溶媒をさらに含んでなるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体の表面の材質がプラスチックまたは金属である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記反応剤が多価金属塩またはポリアリルアミンもしくはその誘導体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 多価金属塩が硝酸塩またはカルボン酸塩である、請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸イオンが、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸(このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよい)または炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである、請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 前記反応液がトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを更に含んでなるものである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 記録媒体上にインク組成物の液滴を吐出する工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の後に行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 記録媒体上にインク組成物の液滴を吐出する工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の前に行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜15いずれか一項に記載の方法によって印字された、記録物。
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