JP3678003B2 - 粗形鋼片の圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形鋼の粗形鋼片の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、例えばH形鋼等の形鋼の熱間圧延工程を摸式的に示した図である。まず、図10に基づいて形鋼の熱間圧延工程の概要を説明する。加熱炉51にて所定の温度に加熱されたスラブ、ブルーム又はビームブランクなどの素材は、造形圧延機52により粗形鋼片に圧延され、以降はユニバーサル圧延機53a、53bとエッジャ圧延機54a、54bからなる粗ユニバーサル圧延機群又は形鋼用孔型を有した水平圧延機群と仕上げ圧延機55にて製品形状寸法まで圧延される。
【0003】
造形圧延機52では、例えば図11に示すようなスラブ61を素材としてH形鋼用粗形鋼片を圧延する場合は、フランジ部を成形する複数のエッジング圧延用ボックス孔型62、63、64と、ウェブ相当部分の厚みを減じ、ほぼH形に圧延成形する孔型65により所望の粗形鋼片を圧延する。このような粗形鋼片の造形法は、例えば特公昭58−19361号公報に開示されている。
【0004】
図11に基づいて従来法におけるフランジ部造形の工程を詳細に述べる。まず、スラブ端面をエッジング圧延用の孔型62の側壁62aで拘束しつつ、突起62bにより割り込みを入れ、次に孔型幅及び突起高さ・突起角度の大きな孔型63により被圧延材を孔型側面で拘束しつつ、孔型62で成形した割り込みを突起63bで深くするとともに、割り込み角を増大させフランジ部を造形する。
【0005】
次に、被圧延材の割り込みを深くした部分を孔型64により押し拡げるとともにエッジング圧下を行い、フランジ部を造形する。このとき、フランジ幅はエッジング圧下量を増大することによって拡大可能であり、圧延安定性はエッジング圧下の後半において、孔型側壁64aにより拘束することにより確保できる。
最後に、孔型65によりウェブ相当部分の厚みを減じ、ほぼH形に圧延成形するにより所望の粗形鋼片を圧延する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
同一厚みのスラブからフランジ部の厚みの厚い粗形鋼片を造形可能とするならば、大物サイズの形鋼製造が可能となるばかりでなく、後工程でのフラシジ部肉厚圧下を大きくとることができるようになるので、後工程での圧下量を大きくとることにより疵のない製品を造ることが可能となるという大きなメリットがある。
しかし、上述したような従来の粗形鋼片の圧延方法では、同一厚みのスラブからフランジ部の厚みが厚い粗形鋼片を造形することは極めて困難であった。以下、その理由を述べる。
【0007】
まず、孔型62の工程においては、スラブ61を割り込みスリットすることから、フランジ部の厚みはスラブ厚みの1/2 が最大である。
また、孔型63の工程では、被圧延材は孔型側面63aで拘束されるので、フランジ部の厚みを増すことは難しい。ここで、孔型側面63aで拘束しているのは、割り込み拡大を安定して行うためには、この拘束が不可欠であると考えられていたためである。
【0008】
さらに、孔型64の工程では、エッジングによる幅圧下量を増大させると、図12に示すように、孔型側壁64aに接するフランジ足先部のみが増肉し、圧延後工程でのラップ疵の発生といった弊害を生じ、効果的にフランジ部の厚みを増大させることはできない。
さらにまた、孔型65の工程では、主としてウェブが圧下され、ウェブの延伸によりフランジ部が引き延ばされるため、フランジ部の肉量が減少する所謂フランジ肉引けが生じることが周知であり、この工程でフランジ部の厚みを増大させることは困難である。
【0009】
以上のように、従来の粗形鋼片の圧延方法では、同一厚みのスラブからフランジ部の厚みが厚い粗形鋼片を造形極めて困難であった。
【0010】
また、他の課題として、従来の粗形鋼片の圧延方法では、すべての孔型が側壁を不可欠としているため、特に大物サイズの粗形鋼片を造形する際には、限られたロール胴長の中にこれら全ての孔型を配置することが困難となり、このことが造形サイズの制約となっていた。
【0011】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、フランジ厚みを変更することが可能な粗形鋼片の圧延方法を提供することを目的としている。
また、効率及び圧延安定性が良好な粗形鋼片の圧延方法を提供することを目的としている。
さらに、効果的にフランジ部の増肉を可能とする粗形鋼片の圧延方法を提供することを目的としている。
また、ロール胴長を有効に利用可能とすることにより、大物サイズの粗形鋼片の造形を可能とする粗形鋼片の圧延方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粗形鋼片の圧延方法は、熱間圧延の粗圧延における被圧延材のフランジ部を造形する工程において、
頂角の1/2の角度と孔型底部の角度との和が45°以下である突起部を有する造形孔型を用いて前記被圧延材のフランジ部を割り込み圧延し、前記被圧延材の端部が前記造形孔型の孔型底部に接した後、前記被圧延材の端部両側を拘束しないで、さらに圧下を加えて圧延し、前記被圧延材のフランジ部の増肉を可能とすることを特徴とするものである。
【0013】
また、 前記被圧延材の端部が孔型底部に接してからさらに圧下する際の1パス圧下を、下記式を満足する圧下量で行うようにしたことを特徴とするものである。
l n( Hs+ΔWe ) /Hs≧ 0.15
但し、H s ;突起部高さ
2×ΔW e ;1パス圧下量
【0014】
さらに、前記造形孔型は、前記突起部の頂角の1/2 の角度と、孔型底部の角度との和が45°以下であることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記突起部を有する造形孔型が、スラブ端面に割り込みをいれフランジ部を造形する第1段階の孔型と、該第1段階の孔型で圧延された被圧延材の割り込みを拡大しフランジ部を造形しつつフランジ部の厚みを増大させる第2段階の孔型と、該第2段階の孔型で圧延された被圧延材のフランジ部を押し拡げかつエッジングする第3段階の孔型と、該第3段階の孔型で圧延された被圧延材の主としてウェブを減厚しほぼH形に成形する第4段階の孔型とを具備するロールの前記第2段階の孔型であって、
前記第2段階の孔型の突起部に連なる傾斜面を、前記第3段階の孔型において側壁として利用することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の一実施の形態に用いる孔型の説明図である。図1に示す孔型1は、従来例を示した図11に示した孔型63による圧延工程に用いるものである。この孔型1は図1に示すように、突起1bのみを有し、側壁を有していない。
【0017】
以下、孔型1を用いた本発明の圧延方法を、これを完成するに至った過程を述べつつ説明する。スラブ端面を、従来例で示した孔型62の側壁62aで拘束しつつ、突起62bにより割り込みを入れる。そして、割り込みの入った被圧延材40を孔型1によって、その端部41が、図1(b)に示すように孔型底部に接触するまで圧延する。ここまでは、従来方法と同様である。
【0018】
従来例では、これ以降の圧下を安定して行うには被圧延材の端部両側を拘束することが不可欠であるとされており、実際、従来例で示した孔型63のように側壁63aで被圧延材を拘束して圧延を行っていた。
しかし、この工程で被圧延材の端部両側を孔型の側壁で拘束をしたのでは、フランジの厚みを増すことはできない。
そこで、本発明者等は、孔型の側壁による拘束なしに安定した圧延を可能にすると共に、この工程でフランジの厚みを増すべく、鋭意検討を行った。その結果以下の新しい知見を見い出すに至った。
【0019】
すなわち、被圧延材の端部41が孔型底部に接した後、被圧延材の端部両側を拘束しないで、さらに大圧下を加えて圧延することにより、安定して圧延ができるとともにフランジ部の増肉を効果的にできるというものである。以下、この知見に至る経緯について説明する。
発明者等は、被圧延材を高さHs を有する孔型突起部1bにより割り込み拡大し、被圧延材の端部41が孔型底部に接触した以降の総圧下量を同一とし、1パス圧下量(2×ΔWe )を種々変更し、圧延安定性とフランジ部厚みの変化を調査した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
この表1から、1パス圧下量(2×ΔWe )と圧延安定性には関連があり、1パス圧下量(2×ΔWe )が大きい程圧延は安定することがわかった。
図2は、表1の条件4におけるフランジ増肉歪みεfw(縦軸)と圧下量(2×ΔWe )(横軸)との関係を示した図である。
この図2から、安定して圧延が可能な条件では、フランジ部の厚みが圧下量に比例して効率良く増大可能であることが分かった。
【0022】
次に、1パス圧下量(2×ΔWe )が大きい程圧延は安定し、フランジ部の厚みが圧下量に比例して効率良く増大可能であるとして、何故にこのようになるのかを解析すると共に、1パス圧下量をいかなる値すべきかを検討した。
図3は被圧延材を高さHs を有する孔型突起部1bにより割り込み拡大し、被圧延材端部41が孔型底部に接触した状態(図3(a))と、それ以降さらに圧下を加えた変形状態(図3(b))を示している。以下、図3に基づいて解析結果を説明する。
【0023】
圧延前の被圧延材端部41の垂直方向の長さは孔型突起高さと等しくHs である。そして、1パスの圧下量が2×ΔWe の場合、片側ΔWe の圧延による割り込みにより新たなフランジ部43が創出されるとともに、圧延前フランジ部とこの創出されたフランジ部には、垂直方向にΔWe の圧下が加わる。これを歪みεfwで表すと
εfw=ln(Hs /(Hs +ΔWe ))
である。
【0024】
図3(b)に示すように、被圧延材のフランジ部足先と孔型底部では、圧延反力P1 、P2 が作用するが、この値は垂直方向の圧下歪みεfwが発生する時の変形抵抗kfと接触面積C1 、C2 の積にほぼ比例する。
そして、変形抵抗kfと歪みとの間には一定の関係があり、図4に一例として、1200℃での0.20%C炭素鋼の圧縮試験における歪みと変形抵抗の関係を示す。この図4から分かるように、圧下歪みが0.15以下の比較的小さい領域では、歪みに対する変形抵抗の変化率が大きく、圧下歪みが約0.15以上ではその変化率が減少する。
【0025】
つまり、圧延前の被圧延材の前パスでの割り込みにより造形されたフランジ部の長さlfが何らかの原因で左右不均一であった場合、またはロールの左右レベリングが不適正であった場合、当該パスでのフランジ部左右の圧下歪みに違いが生じるが、圧下量が比較的小さい、即ち圧下歪みの比較的小さい場合には、この歪みの差による左右フランジ部の変形抵抗の差が大きくなり、孔型底部に作用するフランジ左右の圧延反カP1 ,P2 に差が生じ、これに起因して圧延不安定となると考えられる。
【0026】
さらに、左右フランジ部の圧下量が異なると接触領域面積にも差を生じ、圧延不安定をより助長することとなる。また、所望の圧下量をパス毎に小さい圧下量で圧延する場合は、パス回数が増えることにより安定性を害する外乱を受ける機会が多くなる。
【0027】
すなわち、従来は1パス当たりの圧下量大きくすると圧延不安定になると考えられていたが実はそうではなく、1パス当たりの圧下量を小さくとっていたが故に圧延不安定となっていたのである。
【0028】
上記要因分析から、上述したように被圧延材の端部41が孔型底部に接した後、さらに大圧下を加えて大きな歪みを生ずるような圧延をすれば、フランジ部左右長さ不均一等に起因するフランジ部左右の圧下歪みに違いがあっても、圧延は安定することが分かった。なぜなら、圧下歪みを、図4に示すように、被圧延材の変形抵抗の歪みに対する変化率が飽和するような歪み(図4では約0.15)よりも大きくすれば、フランジ部左右の圧下歪みに多少違いがあっても、変形抵抗の差は小さく、孔型底部に作用するフランジ左右の圧延反カP1 ,P2 に差が生じないからである。
【0029】
すなわち、圧延安定性を確保するためには以下に示す条件を満たすことが望ましい。
ln((Hs +ΔWe )/Hs)≧0.15
【0030】
また、本発明のフランジ部造形圧延では、被圧延材端部のみに加工を加えるため、圧延による延伸は5%以下と極めて少なく、フランジ部の厚みは、圧下量2×ΔWe に対して効率良く増加し、ほぼ以下の関係にある。
ln(T2 /t2)=α×ln((Hs +ΔWe)/Hs)
α=0.9 〜0.6
t2 ;圧延前フランジ部厚み
T2 ;圧延後フランジ部厚み
Hs ;突起部高さ
2×ΔWe ;1パス圧下量
【0031】
実施の形態2.
次に、図5に示す突起部1bの頂角の角度2×Aと孔型底部の角度Bを変更して、これら突起部1bの頂角の角度2×Aと孔型底部の角度Bとフランジ部の肉厚増加の関係を角度G=A+Bをパラメータとして調査した。
【0032】
図6は、この調査結果を、フランジ部増肉歪みを縦軸に、角度G=A+Bを横軸に取って示したものである。図6から分かるように、角度Gが増加するにしたがい、フランジの増肉歪みは徐々に減少し、約45°を超えるとフランジの増肉歪みの低下は大きくなる。効率的なフランジ部の肉厚増加を実現するためには、突起部1bの頂角の1/2 の角度と、孔型底部の角度との和が約45°であることが望ましいことを見いだした。
【0033】
実施の形態3.
図7は実施の形態3の説明図であり、実施の形態1に示した側壁を有しない孔型の突起部を隣接する孔型の側壁として利用した孔型を示している。
以下、図7に基づいて、実施の形態3を説明する。
この例は、スラブ30を素材としてH形鋼用粗形鋼片を造形圧延する場合に本発明を適用したものである。
【0034】
この実施の形態3では、スラブ端面に割り込みをいれフランジ部を造形する第1段階の孔型62と、この孔型62で圧延された被圧延材の割り込みを拡大しフランジ部を造形しつつフランジ部の厚みを増大させる第2段階の孔型1(突起部1bのみで側壁を有しない実施の形態1で説明した孔型)と、この孔型1の突起部1bを片側の側壁としたフランジ部を押し拡げかつエッジングする第3段階の孔型64と、主としてウェブを減厚しほぼH形に成形する第4段階の孔型65を用いる。
【0035】
具体的な圧延方法は、第1段階、第3段階、第4段階では、従来例と同様に行い、第2段階では実施の形態1と同様に行う。
【0036】
本実施の形態では、第2段階の孔型1が側壁を有しておらず、この孔型1の突起部1bを第3段階の孔型64の片側の側壁として利用しているので、孔型として使用されるロール胴長が短くなり、逆に言えば、大物サイズの粗形鋼片の造形が可能となる。
なお、図11に示した従来法では、実施の形態3の孔型1に相当する孔型63には側壁を必要としているため、図7に示したようなロール胴長をフルに使用する大物サイズの粗形鋼片の造形は、本発明と同じロール胴長内には孔型を入れ込めないため不可能である。
【0037】
【実施例】
実施例1
厚み250mm 、幅1100mmの矩形スラブ30を素材とし、図8に示す本発明の孔型1と、比較例として従来例の孔型63(図11参照)により造形圧延を実施した。
圧延条件は、被圧延材のフランジ端部が孔型底に接する迄は同一条件で行い、それ以降の圧下スケジュールは表2に示す条件で行った。その結果も、表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示したように、比較例の場合には、圧延時にふらつくとともに、フランジ部4箇所の厚みの不均一性も大きかったのに対して、本発明の圧下スケジュールの圧延では、圧延が安定しており、かつフランジ部4箇所の厚みの不均一性も小さかった。
この実施例1から本発明の効果が実証された。
【0040】
実施例2
厚み250mm 、幅1300mmのスラブを素材とし、図9に示す本発明の孔型(a)と本発明とは異なる孔型(b)により、実施例1と同様に被圧延材のフランジ端部が孔型底に接した以降で、表3に示す圧下スケジュールにより造形圧延を実施した。その結果も、表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
双方とも、圧延安定性は良好であったが、比較孔型の圧延では被圧延材端部の幅は増大したが、フランジ部の肉厚の増加は不十分であり、この点で本発明との違いが明確に把握できた。
すなわち、本発明では従来は困難であったスラブ厚みの1/2 以上のフランジ厚みの造形が可能となり、スラブ厚みの1/2 より約20mm厚いフランジ厚みを図9(a)の孔型による圧延終了時に確保できた。
以上より、実施の形態2で示した孔型の形状がスラブ厚みの増肉に効果的であることが実証された。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0044】
突起部を有する造形孔型を用いて被圧延材のフランジ部を割り込み圧延し、前記被圧延材の端部が前記造形孔型の孔型底部に接した後、前記被圧延材の端部両側を拘束しないで、さらに圧下を加えて圧延するようにしたので、粗圧延工程においてフランジ厚みをスラブの厚みの1/2 よりもを厚くすることができる。これによって、同一厚みのスラブから大物サイズの形鋼の製造が可能となる。
【0045】
また、被圧延材の端部が孔型底部に接してからさらに圧下する際の1パス圧下を、被圧延材の変形抵抗の歪みに対する変化率が下記式を満足する圧下量で行うようにしたので、効率及び圧延安定性が良好になった。
l n( Hs+ΔWe ) /Hs≧ 0.15
但し、H s ;突起部高さ
2×ΔW e ;1パス圧下量
【0046】
さらに、突起部の頂角の1/2 の角度と、孔型底部の角度との和が45°以下になるようにしたので、効果的にフランジ部の肉増ができる。
【0047】
また、造形孔型の突起部を隣接する孔型の側壁として利用するようにしたので、ロール胴長を有効に利用可能とすることにより、大物サイズの粗形鋼片の造形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に用いる孔型の説明図である。
【図2】 表4の条件4におけるフランジ増肉歪みεfw(縦軸)と圧下量(2×ΔWe )(横軸)との関係を示した図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における理論解析の説明図である。
【図4】 歪み(横軸)と変形抵抗(縦軸)との関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態2におけるフランジ部増肉歪みの変化の説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態3の説明図である。
【図8】 本発明の実施例1の説明図である。
【図9】 本発明の実施例2の説明図である。
【図10】 H形鋼等の形鋼の熱間圧延工程を摸式的に示した図である。
【図11】 従来の圧延方法の説明図である。
【図12】 従来の課題の説明図である。
【符号の説明】
1 孔型
1b 突起部
40 被圧延材
41 被圧延材の端部
Claims (3)
- 熱間圧延の粗圧延における被圧延材のフランジ部を造形する工程において、
頂角の1/2の角度と孔型底部の角度との和が45°以下である突起部を有する造形孔型を用いて前記被圧延材のフランジ部を割り込み圧延し、前記被圧延材の端部が前記造形孔型の孔型底部に接した後、前記被圧延材の端部両側を拘束しないで、さらに圧下を加えて圧延し、前記被圧延材のフランジ部の増肉を可能とすることを特徴とする粗形鋼片の圧延方法。 - 前記被圧延材の端部が孔型底部に接してからさらに圧下する際の1パス圧下を、下記式を満足する圧下量で行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の粗形鋼片の圧延方法。
ln(Hs+ΔWe)/Hs≧0.15
但し、Hs ;突起部高さ
2×ΔWe ;1パス圧下量 - 前記突起部を有する造形孔型が、スラブ端面に割り込みをいれフランジ部を造形する第1段階の孔型と、該第1段階の孔型で圧延された被圧延材の割り込みを拡大しフランジ部を造形しつつフランジ部の厚みを増大させる第2段階の孔型と、該第2段階の孔型で圧延された被圧延材のフランジ部を押し拡げかつエッジングする第3段階の孔型と、該第3段階の孔型で圧延された被圧延材の主としてウェブを減厚しほぼH形に成形する第4段階の孔型とを具備するロールの前記第2段階の孔型であって、
前記第2段階の孔型の突起部に連なる傾斜面を、前記第3段階の孔型において側壁として利用することを特徴とする請求項1または2記載の粗形鋼片の圧延方法。
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