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JP3673971B2 - 偽造防止印刷物 - Google Patents

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JP3673971B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IDカード、通行証、登録証、入場券、出入国証などの身分、権利、資格などを証明する証書類及び株券、債権、商品券、銀行券などの有価証券類に適用される特殊形状の凸状画線を用いて潜像効果のある偽造防止印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀行券、株券、債権、商品券等の有価証券類、IDカード、出入国証、登録証等の証書類及び重要書類等の印刷物などにおいて、従来からこれらの偽造、変造及び複製を防止するための方法として、凹版印刷された3次元的模様要素の均一なディメンションを有する像配列と、バックグランド配列の一方が他方のディメンションとは異なることによりマークが現われ又は消えるように構成された書類や、像配列とバックグランド配列における線の向きが異なることによりマークが現われ又は消えるように構成された書類や、要素がドットであり一方の配列の要素間に他方の配列があることによりマークが現われ又は消えるように構成された書類が開示されている(特公昭56−19273号公報参照)。
【0003】
また、二つの高さを有する平行な盛り上がったセグメントの線からなる群が交互に二つの所定の異なった方向に延在し、高い方の盛り上がりセグメントによって隠し画像が形成され低い方のセグメントにより図柄の背景を形成する背景と少なくとも二つの隠し画像を有する有価証券が開示されている(特開昭60−155492号公報参照)。
【0004】
更に、インキを適宜の高さに盛って成る線と、インキを低く盛って成る低線により模様を構成すると共に、適宜の図柄に対応させて低線を設けている偽造防止印刷物が開示されている(特開昭55−117689号公報参照)。
【0005】
更に、互いに平行に微細な溝条と突条とを交互に多数本刻設したマーク形成部を有したカードにおいて突条の一部を他の部分に対して盛り上げて形成することによりマークを画成したカードが開示されている(実開平2−127478号公報参照)。
【0006】
上記した従来からの技術を用いて得られた書類、有価証券、偽造防止印刷物、カードなどは、配列や群の画線の高さの差により又は画線の一部を高くすることにより或いは配列や群の画線の向きを異ならせることによりマーク等の隠し画像を形成したものである。これらの従来からの技術は、マーク等の隠し画像を表示する画線とその他の部分を表示する画線との画線の高さのわずかな違いを利用して隠し画像を視認するものであるため、マーク等の隠し画像は視認できる範囲が極めて小さくかつ分かりにくいという欠点があった。
【0007】
また、前記配列や群の画線の向きを異ならせることによりマーク等の隠し画像を形成するものは、マーク等の隠し画像を形成する部分が周辺のマーク等の隠し画像を形成しない部分に比べ不自然に目立ってしまうという欠点があり、デザインが制約されてしまうという問題があった。更に、マーク等の隠し画像を形成する部分が周辺のマーク等の隠し画像を形成しない部分に比べ不自然にならないように配列や群の画線の向きを構成するとマーク等の隠し画像は視認できる範囲が極めて小さくかつ分かりにくくなってしまうという欠点があった。
【0008】
また、これらのマーク等の隠し画像を形成するための画線は、印刷分野で一般的に行われている腐食法で作製した凹版版面を用いて印刷することにより或いは金属加工において一般的に行われている腐食法で作製した版を用いてホットスタンプすることにより容易に得ることができる。このため、悪意で銀行券、株券、債権、商品券等の有価証券類、出入国証、登録証等の証書類及び重要書類等の印刷物又はIDカード類などを偽造或いは変造しようとする者が、容易にこれを真似することができるという難点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、偽造或いは変造に対して、より効果が高くしかも容易に真似することのできない技術の開発及び複写機により複写されない画線の開発として、従来の凹版画線のインキの盛による優れた指感性や真偽判別効果だけではなく、凹版画線が立体である特徴を活かし、一本一本の画線形状を三次元的に複雑化することが望まれてきている。
【0010】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたもので、基材上に、複数の凸状画線の構成によって画像を形成した偽造防止印刷物において、複数の凸状画線は、凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が一定で、凸状画線は高さ方向のインキの盛りが高くなるに伴い、幅方向の画線幅が狭くなり、長さ方向の画線形状は波状に変化する凸状画線で構成することによって、複製され難く、複写防止効果のある印刷物になり得ることを見出した。
【0011】
また、上記凸状画線の画線構成によって、背景画像部とメッセージ画像部を作製して、背景画像部の波状に変化する凸状画線とメッセージ画像部の波状に変化する凸状画線を、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なって構成することで、特定の方向からメッセージ画像を視認することができ、複製され難く、複写機では複写することができない印刷物になり得ることを見出した。本発明は上記記載の偽造防止印刷物を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材上に、複数の凸状画線の構成によって画像を形成した偽造防止印刷物において、前記画像は、背景画像部とメッセージ画像部に区分けされ、前記背景画像部と前記メッセージ画像部は複数の凸状画線で同一方向に構成され、前記背景画像部の凸状画線と前記メッセージ画像部の凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が一定で、凸状画線の高さ方向のインキの盛りが高くなるに伴い、幅方向の画線幅が狭くなり、長さ方向の形状は波状に変化する凸状画線で構成され、且つ、前記背景画像部の波状に変化する凸状画線と前記メッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なるように構成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0013】
また、背景画像部と前記メッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、同一画線上において周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なるように構成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0014】
また、本発明は、前記凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が10μm以上から600μm以下で、前記凸状の画線の高さが5μm以上から300μm以下であることを特徴とした偽造防止印刷物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る偽造防止印刷物について図面を用いて説明する。また、本発明に係る偽造防止印刷物は、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の係る特許請求の範囲に記載した技術事項の範囲内であれば、各種の態様を採用することができる。
【0016】
図面によって本発明の偽造防止印刷物に用いる画線の一例を説明する。図1(a)は、基材(1)の上に本発明の凸状画線(2)を形成させた、印刷物Fである。図1(b)は図1(a)の印刷物Fに対して垂直方向から見た一部拡大図を示す。図1(b)に示すように凸状画線(2)は、凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅(3)が一定で、凸状画線(2)は高さ方向(5)のインキの盛りが高くなるに伴い、幅方向の画線幅(3’)が狭くなり、長さ方向の画線形状は波状(6)に変化し、その断面形状(7)が台形を有している凸状画線(2)で構成される。
【0017】
図2に本発明の凸状画線の形状についてその他の例を示す。図2(a)は、一定の画線高さEの凸状画線(2)であり、インキ転移部である底部の画線幅Aと上端部の画線幅Bがある特定の値をもち、長さ方向に波状に変化し、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分(8)は、連続的な膨らんだ曲面を有し、凸状画線(2)の断面形状(7)は図(a)に示すように膨らんだ四角形状の場合の画線形状である。
【0018】
図2(b)は、一定の画線高さEの凸状画線(2)であり、インキ転移部である底部の画線幅Aと上端部の画線幅Bがある特定の値をもち、長さ方向に波状に変化し、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分(8)は、連続的な凹んだ曲面を有し、凸状画線(2)の断面形状(7)は図(b)に示すように凹んだ四角形状の場合の画線形状である。
【0019】
図2(c)は、一定の画線高さEの凸状画線(2)であり、インキ転移部である底部の画線幅Aと上端部の画線幅Bがある特定の値をもち、長さ方向に波状に変化し、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分(8)は、連続的な直線を有し、上端部の画線幅がなく、凸状画線(2)の断面形状(7)が図(c)に示すように三角形状の場合の画線形状である。
【0020】
図2(d)は、一定の画線高さEの凸状画線(2)であり、インキ転移部である底部の画線幅Aと上端部の画線幅Bがある特定の値をもち、長さ方向に波状に変化し、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分(8)は、連続的な膨らんだ曲面を有し、上端部の画線幅がなく、凸状画線(2)の断面形状(7)に図(d)に示すように膨らんだ三角形状の場合の画線形状である。
【0021】
図2(e)は、一定の画線高さEの凸状画線(2)であり、インキ転移部である底部の画線幅Aと上端部の画線幅Bがある特定の値をもち、長さ方向に波状に変化し、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分(8)は、連続的な凹んだ曲面を有し、凸状画線(2)の断面形状(7)は図(e)に示すように凹んだ三角形の場合の画線形状である。
【0022】
また、図1(a、b)及び図2(a、b、c、d、e)の凸状画線(2)において、本発明の凸状画線(2)の凸表面の幅方向の画線幅Bの1/2の幅とその振幅、位相Cを加えた値が、凹版画線形状の都合上、画線の底部の幅Aと同じかそれよりも小さくする必要がある。本発明の凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅Bの1/2の幅とその振幅、位相Cを加えた値が、凹版画線形状の都合上、画線の底部の幅Aより大きいと、インキ転移に支障が生じ、階調の優れた潜像模様が出現しにくくなり、本発明の効果を奏することができなくなる。
【0023】
図1(a、b)、図2(a、b、c、d、e)で説明した凸状画線を用いて、複数の凸状画線の構成によって画像を形成した偽造防止印刷物を図3に示す。
【0024】
図3(a)に示す偽造防止印刷物は、背景画像部(9)とメッセージ画像部(10)に区分けし、背景画像部(9)とメッセージ画像部(10)は複数の凸状画線で構成し、背景画像部の凸状画線と前記メッセージ画像部の凸状画線は、凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が一定で、凸状画線は高さ方向のインキの盛りが高くなるに伴い、幅方向の画線幅が狭くなり、長さ方向の画線形状は波状に変化する凸状画線で構成される。また、背景画像部の波状に変化する凸状画線とメッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なるように構成する必要がある。図3(b)に図3(a)の一部拡大図を示す。
【0025】
凸状画線の形状は限定されることなく、図1(b)及び図2(a、b、c、d、e)の何れか一つの凸状画線を選択又は組合せて作製することができる。また、凸状画線の長さ方向に伴う波状の形状は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が連続的及び/又は段階的に変化させて作成しても良い。
【0026】
上記記載の背景画像部の波状に変化する凸状画線と前記メッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なることを説明する図として、画線に対して垂直方向から見た場合の図を図4に示す。
【0027】
図4(a)は本発明の凸状画線(2)において、波状に変化する凸状画線上端部の周期DをD’に変化させた本発明の凸状画線(11)を示すものである。また、図4(b)は本発明の凸状画線(2)において、波状に変化する凸状画線上端部の振幅CをC’に変化させた本発明の凸状画線(12)を示すものである。また、図4(c)は本発明の凸状画線(2)において、波状に変化する凸状画線上端部の位相をHの距離だけ変化させた本発明の凸状画線(13)を示すものである。また、図4(d)において、波状に変化する凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅が狭い凸状画線(2)に対し、凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅Bをある特定の値だけ有するよう変形させた凸状画線(14)を示すものである。
【0028】
図3で示した印刷物に対して垂直方向から観察した場合を図5に示す。印刷物を垂直方向から観察した場合、背景画像部の凸状画線とメッセージ画像部の凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向が一定であるため、メッセージ画像部は確認することができない状態又は確認しにくい状態となる。
【0029】
図3で示した印刷物に対して斜めから観察した場合を図6に示す。背景画像部の波状に変化する凸状画線とメッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なって構成しているため、画線の上端部と底部をつなぐ側面部分において、当たった光が多く反射する部分が明るく見え、当たった光が少なく反射する部分は暗く見えるという光の反射状態のパターンに変化が生じ、背景画像部とメッセージ画像部に明度差が生じて潜像が発現する。また、背景画像部とメッセージ画像部において、凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅、振幅、位相、周期を連続的に変化させることによって、画線の光の反射状態を制御し、観察者の目に入る光の反射パターンに連続的な差異を生じさせることで、より階調の優れた潜像模様が作製可能である。
【0030】
本発明の凹版画線のインキの盛の高さは、印刷品質上問題がなければ特に限定されるわけではないが、印刷物の品質等から判断すると、底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が10μm以上から600μm以下で、前記凸状の画線の高さが5μm以上で300μm以下であることが好ましい。
【0031】
底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が10μm以下、もしくは600μm以上である場合、また、画線の高さが5μm以下、もしくは300μm以上では、本発明の凹版版面の作製が困難といえる。
【0032】
本発明の偽造防止印刷物の作製に用いる版面は、凹版版面を用いる必要があり、従来から印刷分野で一般的に行われているいわゆる腐食法で作製した凹版版面等では、連続する凸状の画線の一部の断面形状を周期的に変えることができないので困難である。また、NC彫刻機(数値制御彫刻機あるいは数値制御工作機)による画線の作製方法においても、彫刻バイトが版面材料へ直接接触し凹版画線の形状となる溝を加工するため、断面の形状がバイトの形状に大きく依存する。このため、画線の断面形状を変えるごとに、バイトの形状もその都度違うものに交換して加工しなければならず、バイト自体を作製するコストもかかってしまう。そのため、非接触で加工の自由度の高いレーザー加工機により作製するのが好ましい。
【0033】
本発明の偽造防止印刷物の作製に用いる印刷方式は凹版印刷方式である。
【0034】
本発明の偽造防止印刷物に用いる基材は、紙、プラスチック等、特に限定されるものではない。
【0035】
本発明の偽造防止印刷物に用いる凹版インキは特に限定されないが、電子線硬化型、紫外線硬化型、酸化重合型、紫外線硬化型と酸化重合型の併用型等のインキが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
図7(a)は、凹版版面を用いて、塗工紙及び黒色上質紙に、透明な紫外線乾燥型の凹版インキによる凹版印刷を行い、紫外線によりインキ皮膜を硬化し、画線幅500μm、画線高さ50μm、凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅をもたない、断面形状が三角形の形をした画線群を、300μmの間隔で作製した印刷物Gの画線構成の概観図である。
【0038】
図7(b)は、印刷物Gの一部を拡大した図である。上端部の振幅、位相を200μmと一定とし、メッセージ画像部(10)の上端部の一周期が2mm、背景画像部(9)の上端部の一周期が12mmの2種類の画線で構成されている。
【0039】
図8は、実際の印刷物に対して垂直方向から観察した場合であるが、画線の形状に起因する潜像発現が起こらないため、単なる万線模様として視認される。次に、この印刷物を斜めから観察した場合、図9に示すように画線表面に当たった光が多く反射する部分が明るく見え、当たった光が少なく反射する部分は暗く見えるという明暗のパターンに変化が生じ、メッセージ画像部と背景画像部とでは観察者の目に入る光の反射状態に連続的な差異が生じるため、メッセージ画像部である潜像画像「A」の文字を確認することができた。
【0040】
本実施例1の印刷物をカラー複写機(CLC900、キャノン社製)により複写すると、全く複写することができず、複写防止画像として有効であることが確認された。
【0041】
(実施例2)
実施例1で使用した版を用いて、塗工紙及び黒色上質紙に、青色及び褐色の紫外線乾燥型の凹版インキによる凹版印刷を行い、紫外線によりインキ皮膜を硬化し、実施例1と同様に画線幅500μm、画線高さ50μmの断面形状が三角形の形をした複数の連続する凸状の画線を300μmの間隔で作製した。
【0042】
青色及び褐色の紫外線乾燥型の凹版インキの連続する凸状の画線の表面状態は、インキ中の顔料により多少の凹凸が確認できた。しかし、インキの色によらず透明な紫外線乾燥型の凹版インキと同様に光沢があり、本実施例の、特定の方向のみから視認することができる画像は、実施例1と全く同様にアルファベットの「A」を確認することができた。
【0043】
本実施例2の印刷物をカラー複写機(CLC900、キャノン社製)により複写すると、全く複写することができず、複写防止画像として有効であることが確認された。
【0044】
【発明の効果】
本発明の偽造防止印刷物の画線は複雑化された三次元形状を有しているため容易に複製することができない。凹版画線のインキの盛による優れた指感性や真偽判別効果だけではなく、特定の方向のみから視認することができる画像及び複写防止画像は、視認できる範囲が極めて広く、デザインの制約も少なく、複写機で複写することができないため、身分、権利及び資格などを証明する証書類及び有価証券類の偽造、変造及び複写防止を図ることができる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凸状画線の構成例及び断面図を示す図である。
【図2】本発明の凸状画線の構成例及び断面図を示す図である。
【図3】本発明の印刷物の画線構成の概観図及び一部拡大図を示す図である。
【図4】本発明の凸状画線の周期、振幅、位相、及び凸状画線の凸表面の幅方向の画線幅の異なる形状を示す図である。
【図5】本発明の印刷物に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図6】本発明の印刷物を斜めから観察した場合を示す図である。
【図7】実施例1の印刷物の画線構成の概観図及び一部拡大図を示す図である。
【図8】実施例1の印刷物に対して垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図9】実施例1の印刷物を斜めから観察した場合を示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 凸状画線
3 画線底部であるインキ転移部の幅方向の画線幅
3’ 画線上端部の幅方向の画線幅
5 高さ方向
6 波状
7 凸状画線の断面形状
8 画線上端部と底部をつなぐ側面部分
9 背景画像部
10 メッセージ画像部
11 波状に変形した画線上端部の周期が変化した画線
12 波状に変形した画線上端部の振幅が変化した画線
13 波状に変形した画線上端部の位相が変化した画線
14 波状に変形した画線上端部の幅方向の画線幅が変化した画線
A 画線下底部の幅
B 画線上底部の幅
C、C’ 画線上端部の振幅
D、D’ 画線上端部の周期
E 画線高さ
F、G 印刷物
H 位相のずれ

Claims (3)

  1. 基材上に、複数の凸状画線の構成によって画像を形成した偽造防止印刷物において、前記画像は、背景画像部とメッセージ画像部に区分けされ、前記背景画像部と前記メッセージ画像部は複数の凸状画線で構成され、前記凸状画線は、凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が一定で、凸状画線の高さ方向のインキの盛りが高くなるに伴い、幅方向の画線幅が狭くなり、凸状画線の底部に対する上端部の幅方向位置は長さ方向に波状に変化して構成され、且つ、前記背景画像部の波状に変化する凸状画線と前記メッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、周期、振幅、位相、及び凸状画線の最上端部の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なるように構成されたことを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 前記背景画像部と前記メッセージ画像部の波状に変化する凸状画線は、同一画線上において周期、振幅、位相、及び凸状画線の最上端部の幅方向の画線幅の少なくとも一つ以上が異なるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の偽造防止印刷物。
  3. 前記凸状画線の底部にあたるインキ転移部の幅方向の画線幅が10μm以上から600μm以下で、前記凸状の画線の高さが5μm以上から300μm以下であることを特徴とした請求項1又は2記載の偽造防止印刷物。
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