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JP3672713B2 - 回転体駆動制御方法 - Google Patents

回転体駆動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ドラム状の感光体を用いたカラー複写機、カラープリンタ等においては、画像データの書込みに際して位置ずれの少ない高画質化を図る上では、感光体の周速度(線速)が一定状態で安定していることが要求される。この他、感光体に限らず、周速度が一定状態で安定していることが要求される回転体は多くある。ところが、現実には感光体等の回転体の回転軸の偏心等の要因により回転体を周速一定で回転させることは簡単ではなく、従来より、種々の対応策が講じられている。
【0003】
その代表例として、例えば、特開平6−175427号公報に示されるような回転体駆動制御装置がある。同公報によれば、回転軸の偏心等を考慮して、感光体ドラムの回転軸にロータリエンコーダを取付けて回転角速度を検出し、この回転角速度が一定となるようにモータの回転速度を制御することで、ロータリエンコーダの偏心を除去するようにしている。換言すれば、偏心量を検出し、その検出結果に基づいて感光体ドラムの軸(即ち、回転中心)を調整することで、偏心を除去するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、同公報の制御方法は速度制御方法である。そのため、時間とともに位置偏差が大きくなるか、立上り時の遅れを吸収できない。特にカラー複写機のように、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの各色トナーを感光体上に順番に現像し、転写ベルト上に重ね合わせると色ずれを起こす。また、タンデム方式のような4ドラム方式では、外乱等により各々のドラムの速度差が生じた場合、そのまま色ずれをした状態となる。即ち、速度差を生じた後は、ずれた状態のままとなる。
【0005】
また、同公報方式によると、経時変化、温度変化等により制御系の伝達特性が変化して十分な位相余裕及びゲイン余裕が得られなくなった場合には、制御パラメータを切換えることにより、十分な位相余裕及びゲイン余裕を確保することができ、常に回転体の速度制御を高精度に行うことができる。ところが、一巡伝達関数G(s)・H(s)を動作開始時に自動的に或はユーザの指示に基づいてCPUにより求める旨が記載されているが、ここに、sはラプラス演算子であり、周波数特性を求めるためには、s=j・ω(j;√(−1),ω;角周波数)と置き、角周波数ωを求めたい周波数帯域でスイープするなどの処理・操作が必要であり、簡単にはできない。また、温度変化の環境は、不特定多数のユーザでは、予測できない場合があり、常に伝達特性を求める必要が生じてしまう。
【0006】
そこで、本発明の第1の目的は、回転体に偏心があっても、その偏心量をその回転位置に対応付けて検出することで、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にできる回転体駆動制御方法を提供することである。
【0007】
本発明の第2の目的は、併せて、経時変化、温度変化等により制御系の伝達特性が変動しても、即ち、回転体と駆動源のパラメータ変動及び外乱等があっても安定して位置制御を行える回転体駆動制御方法を提供することである。
【0008】
本発明の第3の目的は、製造ばらつき、経時変化、温度変化等による、慣性モーメント、モータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスが仕様値に対して乗法的摂動があっても、目標値に安定して追従させることができる回転体駆動制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の第4の目的は、偏心外乱等があっても目標値に対して正確に追従させて、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にできる回転体駆動制御方法を提供することである。
【0010】
本発明の第5の目的は、演算量を減らすことで、高価なデジタルシグナルプロセッサ等を用いることなく、汎用の低価格のマイクロコンピュータで制御し得る回転体駆動制御方法を提供することである。
【0011】
本発明の第6の目的は、連続系で設計したロバスト制御系を、そのままCPUで演算した場合と比べてサンプリング時間の影響を受けることなく高精度に目標値に追従させ得る回転体駆動制御方法を提供することである。
【0012】
本発明の第7の目的は、摩擦力による目標位追従遅れや定常偏差を抑制することができる回転体駆動制御方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、駆動源により回転駆動される回転体の偏心量をその回転位置に対応させて検出し、検出された偏心量及び対応する回転位置に基づき前記回転体の周速度が一定となるように前記回転体の目標回転位置を可変調整するようにした。従って、回転体に偏心があっても、その偏心量をその回転位置に対応付けて検出し、周速度が一定となるように回転体の目標回転位置を可変調整することで、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にできる。
【0014】
また、請求項1記載の発明は、目標回転位置に回転体と駆動源とのパラメータ変動及び外乱等による前記回転体の目標位置ずれを設計に取り込んだロバスト制御系により駆動源を駆動する。従って、経時変化、温度変化等により制御系の伝達特性が変動しても、即ち、回転体と駆動源のパラメータ変動及び外乱等があっても追従遅れがなく安定して位置制御を行える。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転体駆動制御方法において、回転体のパラメータ変動を慣性モーメント、駆動源のパラメータ変動をモータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスとし、これらを仕様値に対する乗法的摂動として設計に取り込んだロバスト制御系を用いる。従って、製造ばらつき、経時変化、温度変化等による、慣性モーメント、モータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスが仕様値に対して乗法的摂動があっても、それらを設計に取り込んだロバスト制御系を用いることにより、目標値に安定して追従させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の回転体駆動制御方法において、外乱等による回転体の目標位置ずれは、偏心外乱最大振幅とその周波数に対して目標位置の追従精度として設計に取り込んだロバスト制御系を用いる。従って、偏心外乱最大振幅とその周波数に対して目標位置の追従精度として設計に取り込んだロバスト制御系を用いるので、偏心外乱等があっても目標値に対して正確に追従させて、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にできる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3いずれか記載の回転体駆動制御方法において、ロバスト制御系は、低次元化されている。従って、低次元化することでマイクロコンピュータの演算量を減らすことができ、高価なデジタルシグナルプロセッサ等を用いることなく、汎用の低価格のマイクロコンピュータで制御できる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4いずれか記載の回転体駆動制御方法において、ロバスト制御系は、制御演算のサンプリング時間で離散化され、マイクロコンピュータのソフトウェアサーボで演算され、その演算結果が駆動源への入力として与えられる。従って、連続時間系でロバスト制御系のコントローラを求めているので、そのままデジタル化すると、サンプリング時間の影響により精密に駆動できないが、サンプリング時間で離散化処理しているので、そのままCPUで演算した場合と比べてサンプリング時間の影響を受けることなく高精度に目標値に追従させることができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の回転体駆動制御方法において、回転体と駆動源の定常回転での電流値から摩擦力を求め、その摩擦力によりフィードフォワード系をロバスト制御系に付加する。従って、定常回転での電流値から摩擦力を求めるため、現実の実機に合った値をフィードフォワードでき、摩擦力による目標位追従遅れや定常偏差を抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、例えば、タンデム型のカラー複写機中の複数のドラム状の感光体を制御対象である回転体とするものである。図1は回転体である1つの感光体1に対する駆動系構成を示し、この感光体1の中心には回転軸2が嵌合されている。この回転軸2に対してはプーリ3,4、タイミングベルト5、減速機構6等の伝達系を介して駆動源であるモータ7が連結されている。なお、8は前記回転軸2上に取り付けられて前記感光体1の回転を安定させるためのフライホイールである。また、本実施の形態では、前記感光体1としては表面が比較的軟らかい有機感光体(OPC)が用いられている。また、前記モータ7の軸上にはこのモータ制御用の原点信号付きで回転位置速度検出手段として機能するロータリエンコーダ9が取り付けられている。さらに、前記感光体1の表面の一部に対向させて前記感光体1の偏心量を検出するための偏心量検出手段として機能する偏心量検出計10が設けられている。この偏心量検出計10としては、レーザ変位計や静電容量変位計等の非接触型のものが用いられる。
【0021】
次に、制御系を中心とするハードウェア構成を図2により説明する。まず、全体の制御を受け持つマイクロコンピュータ16が設けられている。このマイクロコンピュータ16は、プロセッサであるマイクロプロセッサ(CPU)17とROM18とRAM19とにより構成されている。ここに、ROM18は読出し専用メモリであり、前記CPU17が実行するプログラムや所定のデータが格納されている。また、前記モータ7の軸上に設けられた前記ロータリエンコーダ9のエンコーダ出力aは状態検出用インタフェース20、バス21を介して前記マイクロコンピュータ16に入力されている。前記偏心量検出計10の検出出力bも状態検出用インタフェース20、前記バス21を介して前記マイクロコンピュータ16に入力されている。ここに、前記状態検出用インタフェース20はエンコーダ出力aを処理してデジタル数値に変換するもので、エンコーダパルスの数を計数するカウンタを備えている。また、この状態検出用インタフェース20は検出出力bを処理してデジタル数値に変換して偏心量データとする機能も併せ持つ。この際、この状態検出用インタフェース20はロータリエンコーダ9が持つ原点情報を利用することで、感光体1上の偏心量と感光体1の回転位置との対応付け(相関)をとる機能を備えている。従って、本実施の形態では、状態検出用インタフェース20が偏心量・位置対応付け手段として機能する。
【0022】
さらに、前記モータ7は前記マイクロコンピュータ16に対して前記バス21、駆動用インタフェース22及び駆動装置23を介して接続されている。前記駆動用インタフェース22は前記マイクロコンピュータ16における演算結果のデジタル信号を駆動装置23を構成するパワー半導体、例えば、パワートランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)に変換する機能を有する。駆動装置23はこのパルス状信号に基づき動作し、モータ7に印加する電圧を制御する。この結果、後述するようにモータ7は所定の目標回転位置に追従するように駆動される。この時のモータ7の回転速度はロータリエンコーダ9、状態検出用インタフェース20により検出されてマイクロコンピュータ16に取り込まれる。
【0023】
本実施の形態の回転制御手段は、前記CPU17、駆動装置23等により構成されている。また、ロバスト制御系によるコントローラ演算機能と目標値関数(目標速度)を求める手段の機能は、前記CPU17における演算処理機能により実行される。
【0024】
なお、図2では、ディスクリートタイプのマイクロコンピュータ16を用いたが、インタフェース20,22を含めて1チップ化したマイクロコンピュータを用いてもよい。
【0025】
次に、モータ7を介して感光体1の周速度が一定となるように感光体1の回転位置を制御するフィードバック制御系の構成を図3のブロック線図により説明する。このフィードバック制御系は、主として前記マイクロコンピュータ16によりソフトウェアサーボとして実行される。図中、“dist”は偏心等の外乱、“Wp”は重み関数を示し、種々の周波数帯域で希望する性能を相対的に反映するのに用いる。“e”は制御量であり、目標回転位置入力と感光体位置との追従精度としての意味合いもある。いま、感度関数sで表現すると、
s=e/dist=1/(1+GK)
となる。ここで、“K”はロバストコントローラになる。
【0026】
GK≧1の帯域では、
s≒1/GK
となり、感度関数sの逆数(GK)は制御系では一巡伝達関数或はオープンループ伝達関数と称され、追従性能を表すことになる。例えば、偏心外径100*10~6m、周波数0.5Hz、目標追従誤差10*10~6mとするためには、0.5Hzのゲインが
|GK(0.5Hz)|>20log(100*10~6/10*10~6)dB
であり、20dB以上が必要になる。この条件を示す重み関数Wpは図4のようになる。
【0027】
ここで、制御対象(G)の詳細を図5に示す。即ち、ノミナル値(公称値=仕様値)とパラメータの変動部分を合わせた全体が制御対象(G)になる。制御対象(G)の中には、ノミナルモデルGnom 、モデルの中での不確かさを表すWdel とΔGとが含まれている。この不確かさは、乗法的不確かさであり、Wdel は不確かさを表す重み関数、ΔGは伝達関数を示す。伝達関数ΔGは、安定で、
‖ΔG‖ <1
の条件を満足するものである。
【0028】
摂動モデルをGper とすると、
Gper =(1+Wdel *ΔG)Gnom
より、
Wdel *ΔG=Gper /Gnom −1
となる。
【0029】
図6は、摂動モデルGper のパラメータ変動の中で、ノミナル値(公称値)に対して、イナーシャJを80%、トルク定数Ktを20%、電機子抵抗Raを500%としたときのWdel・ΔG 及びWdel を示す。ロバストコントローラKはWpとWdel とを選定することにより数値計算できる。
【0030】
次に、フィードフォワード量FFを求める方法について説明する。摩擦トルクをTf、トルク定数Ktとすると、電流アンプ系では、
FF=Tf/Kt
とすれば、摩擦トルクTfを打ち消すフィードフォワード量FFが得られる。
【0031】
図7はこのような電流アンプ系の構成を示すブロック線図である。図中、Ua;電流アンプ入力、Ga;電流アンンプの帯域を決めるゲイン、Gpi;1次系フィルタ、L;駆動源(モータ7)のインダクタンス、Ra;電機子抵抗、Rs;電流検出抵抗、Kt;トルク定数、Ke;誘起電圧定数、J;イナーシャである。
【0032】
ここで、‖Wp(1+GK)~1 <1を満足するロバストコントローラKの一例を説明する。状態方程式で示すと、
dx/dt=ak1*x+bk1*u
y=ck1*x+dk1*u
となる。uは目標回転位置に対する観測出力の偏差、yは電流アンプに与える制御入力である。xは状態変数、ak1,bk1,ck1,dk1は各々
ak1 ;21行21列
bk1 ;21行 1列
ck1 ; 1行21列
dk1 ;=0
なるサイズの状態マトリックスである。
【0033】
図8は一巡伝達関数(Gnom*K)の周波数応答を示す。図示例によれば、|Gnom*K(0.5Hz)| は20dB以上のゲインになっていることが判り、得られたロバストコントローラは外乱に対する制御性能を満足することが判る。
【0034】
次に、マイクロコンピュータ16で演算処理するために、サンプリングタイムTdでロバストコントローラKをTustin 変換により離散化する。この離散化により得られたロバストコントローラをDKとすると、
x(n+1)=dak1*x(n)+dbk1*u(n)
y(n) =dck1*x(n)+ddk1*u(n)
なる演算式が成り立つ。u(n) はサンプリングされた目標回転位置に対する観測出力の偏差、y(n) はマイクロコンピュータ16の演算結果をサンプリングタイムTd毎に電流アンプに与える制御入力である。また、x(n) は状態変数、dak1,dbk1,dck1,ddk1は各々
dak1;21行21列
dbk1;21行 1列
dck1; 1行21列
ddk1;=0
なるサイズの状態マトリックスである。
【0035】
マイクロコンピュータ16で演算する場合、このような行列式では演算時間が長くなるため、本実施の形態では、低次元化処理をして次数を
ak1 ;10行10列
bk1 ;10行 1列
ck1 ; 1行10列
dk1 ;=0
の如く下げるものである。この低次元化処理により得られたロバストコントローラをDKreとする。離散化処理されたロバストコントローラDKと低次元化処理されたロバストコントローラをDKreとの周波数応答特性(ゲイン及び位相)を示すと図9のようになり、両者が一致していることが判る。
【0036】
続いて、一例として偏心量deltaR*cos(Θ)を有する回転体(感光体1)を駆動した結果について説明する。駆動源(モータ7)の目標位置関数Θref 、定常状態でのモータ速度をWref とし、ロバストコントローラとしては低次元化処理されたDKreを用いるものとする。偏心がない場合の目標位置関数Θref は、
Θref =Wref*t
となる。但し、tは時間である。
【0037】
図10に目標位置関数を補正(可変調整)しない場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)位置との時間応答特性を示す。図10によれば、回転体位置が変動して周速が変化していることが判る。図11に本実施の形態の方法に従い目標位置関数を補正(可変調整)した場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)位置との時間応答特性を示す。なお、基準の半径R0に対して前述した偏心量deltaR*cos(Θ)がある場合の目標位置関数Θref は、
Θref =Wref*t*R0/(R0+deltaR*cos(Θ))
となる。図11によれば、目標回転位置を変化させているため、駆動源の位置出力が目標回転位置に追従して変化しているが、回転体位置は直線的に変化していることが判る。即ち、回転体の周位置での単位時間当りの移動量(=周速)が一定であることが判る。ちなみに、図10及び図11は制御対象(G)がノミナル値(Gnom )の結果である。また、図12はトルク定数Ktをノミナル値より20%大きくした場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)位置との時間応答特性を示し、図13はイナーシャJをノミナル値より80%大きくした場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)位置との時間応答特性を示している。何れの場合も、目標値に追従していることが判る。
【0038】
また、前述した電流アンプ系によるフィードフォワード量FFによる効果について説明する。図14はフィードフォワードを行わない場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)の位置との偏差の時間応答特性を示す。図14によれば、立上り時のオーバシュートが大きく、かつ、定常状態の位置の偏差が大きめ(0.04〔rad〕)であることが判る。これに対して、図15はフィードフォワードを行った場合の目標回転位置と実際の回転体(感光体1)の位置との偏差の時間応答特性を示す。図15によれば、立上り時のオーバシュートが図14の場合よりも抑制され、かつ、定常状態の位置の偏差が0.005〔rad〕 以下に小さくなっているのが判る。即ち、フィードフォワード量FFによる効果として定常状態の位置偏差が抑えられている。なお、これらの図14及び図15では、摩擦トルクが1Nmの場合であり、偏心がない回転体での結果である。
【0039】
なお、本実施の形態では、回転体として感光体1を用いた例で説明したが、感光体に限らず、周速度の一定化を必要とする各種の回転体についても同様に適用し得ることはもちろんである。また、回転体に偏心がある場合について説明したが、回転体の回転状態を検出するためのエンコーダ9に偏心がある場合にも、偏心検出手段を用いて同様に補正し得ることは、明らかである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、回転体に偏心があっても、その偏心量をその回転位置に対応付けて検出し、周速度が一定となるように回転体の目標回転位置を可変調整することで、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にすることができる。
【0041】
また、請求項1記載の発明によれば、目標回転位置に回転体と駆動源とのパラメータ変動及び外乱等による前記回転体の目標位置ずれを設計に取り込んだロバスト制御系により駆動源を駆動するようにしたので、経時変化、温度変化等により制御系の伝達特性が変動しても、即ち、回転体と駆動源のパラメータ変動及び外乱等があっても追従遅れがなく安定して位置制御を行わせることができる。
【0042】
請求項2記載の発明によれば、回転体のパラメータ変動を慣性モーメント、駆動源のパラメータ変動をモータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスとし、これらを仕様値に対する乗法的摂動として設計に取り込んだロバスト制御系を用いるようにしたので、製造ばらつき、経時変化、温度変化等による、慣性モーメント、モータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスが仕様値に対して乗法的摂動があっても、目標値に安定して追従させることができる。
【0043】
請求項3記載の発明によれば、外乱等による回転体の目標位置ずれは、偏心外乱最大振幅とその周波数に対して目標位置の追従精度として設計に取り込んだロバスト制御系を用いるようにしたので、偏心外乱等があっても目標値に対して正確に追従させて、回転体の周位置での単位時間当りの移動量、即ち、周速を一定にさせることかできる。
【0044】
請求項4記載の発明によれば、ロバスト制御系は、低次元化されているので、マイクロコンピュータの演算量を減らすことができ、高価なデジタルシグナルプロセッサ等を用いることなく、汎用の低価格のマイクロコンピュータで制御させることができる。
【0045】
請求項5記載の発明によれば、連続時間系でロバスト制御系のコントローラを求めているので、そのままデジタル化すると、サンプリング時間の影響により精密に駆動できないが、サンプリング時間で離散化処理しているので、そのままCPUで演算した場合と比べてサンプリング時間の影響を受けることなく高精度に目標値に追従させることができる。
【0046】
請求項6記載の発明によれば、回転体と駆動源の定常回転での電流値から摩擦力を求め、その摩擦力によりフィードフォワード系をロバスト制御系に付加するようにしたので、定常回転での電流値から摩擦力を求めるため、現実の実機に合った値をフィードフォワードでき、摩擦力による目標位追従遅れや定常偏差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の駆動系構成の概略を示す斜視図である。
【図2】制御系を中心とするハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】フィードバック制御系の構成を示すブロック線図である。
【図4】重み関数Wpの周波数特性図である。
【図5】フィードバック制御系中の制御対象(G)の詳細を示すブロック線図である。
【図6】摂動モデルGper のパラメータ変動に関する周波数特性図である。
【図7】フィードフォワード系の電流アンプの構成を示すブロック線図である。
【図8】一巡伝達関数の周波数応答特性図である。
【図9】DK,DKreの周波数応答特性図である。
【図10】目標位置関数を補正しない場合の目標位置と回転体位置との時間応答を示す特性図である。
【図11】目標位置関数を補正した場合の目標位置と回転体位置との時間応答を示す特性図である。
【図12】トルク定数Ktをノミナル値より20%大きくした場合の目標位置と回転体位置との時間応答を示す特性図である。
【図13】イナーシャJをノミナル値より80%大きくした場合の目標位置と回転体位置との時間応答を示す特性図である。
【図14】フィードフォワードを行わない場合の目標位置と回転体位置との偏差の時間応答を示す特性図である。
【図15】フィードフォワードを行った場合の目標位置と回転体位置との偏差の時間応答を示す特性図である。
【符号の説明】
1 回転体
7 駆動源
16 マイクロコンピュータ

Claims (6)

  1. 駆動源により回転駆動される回転体の偏芯量をその回転位置に対応させて検出する偏芯量検出ステップと、
    前記偏芯量検出ステップにより検出された偏芯量及び対応する回転位置に基づき前記回転体の周速度が一定となるように前記回転体の目標回転位置を可変調整する可変調整ステップと、を有し
    前記可変調整ステップは、目標回転位置に回転体と駆動源とのパラメータ変動及び外乱等による前記回転体の目標位置ずれを設計に取り込んだロバスト制御系により駆動源を駆動する、
    ことを特徴とする画像形成装置の回転体駆動制御方法
  2. 前記回転体のパラメータ変動を慣性モーメント、
    前記駆動源のパラメータ変動をモータのトルク定数、電機子抵抗及びインダクタンスとし、
    これらを仕様値に対する乗法的摂動として設計に取り込んだロバスト制御系を用いる、
    とを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の回転体駆動制御方法。
  3. 外乱等による前記回転体の目標位置ずれは、偏心外乱最大振幅とその周波数に対する目標位置の追従精度として設計に取り込んだロバスト制御系を用いる、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置の回転体駆動制御方法。
  4. 前記ロバスト制御系は、低次元化されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の画像形成装置の回転体駆動制御方法。
  5. 前記ロバスト制御系は、制御演算のサンプリング時間で離散化され、マイクロコンピュータのソフトウェアサーボで演算され、その演算結果が前記駆動源への入力として与えられる、
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の画像形成装置の回転体駆動制御方法。
  6. 前記回転体と前記駆動源の定常回転での電流値から摩擦力を求め、その摩擦力によりフィードフォワード系をロバスト制御系に付加する、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の回転体駆動制御方法。
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