JP3669156B2 - 衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置は、乗用車等の自動車の操舵装置中に組み込み、二次衝突時にステアリングホイールを、衝撃エネルギを吸収しつつ前方に変位する事を許容して、運転者の生存空間を確保すると共にこの運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用操舵装置は、例えば図16に示す様に構成している。上端部にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2は、ステアリングコラム3の内側に回転自在に支持している。又、このステアリングコラム3は、上部、下部両支持ブラケット4、5により、インスツルメントパネル6の下面部分等で車体に固定している。上記ステアリングシャフト2の下端部で上記ステアリングコラム3の下端開口から突出した部分には、第一の自在継手7を介して、中間シャフト8の上端部を連結している。更に、この中間シャフト8の下端部は、第二の自在継手9を介して、ステアリングギヤ(図示せず)の入力軸10に連結している。この様な自動車用操舵装置の使用時に、上記ステアリングホイール1の動きは、上記ステアリングコラム3を挿通したステアリングシャフト2、第一の自在継手7、中間シャフト8、第二の自在継手9を介してステアリングギヤの入力軸10に伝わり、車輪に舵角を付与する。
【0003】
ところで、この様に構成される自動車用操舵装置に於いて、衝突時に運転者を保護する為、ステアリングコラム3、及びステアリングシャフト2を、衝撃に伴って全長が縮まる衝撃吸収式のものとする事が、一般的に行なわれている。図17〜20は、従来から一般的に使用されている、衝撃吸収式の自動車用操舵装置の具体的構造の1例を示している。ステアリングシャフト2aは、アウターシャフト11とインナーシャフト12とを軸方向に亙る相対的変位自在に組み合わせる事により、軸方向に亙る衝撃力が加わった場合に全長が縮まる様に構成している。又、ステアリングコラム3aは、アウターコラム13とインナーコラム14とをテレスコープ状に組み合わせる事により、やはり軸方向に亙る衝撃力が加わった場合に全長が縮まる様に構成している。尚、これら衝撃吸収式のステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aの構造及び作用に就いては、従来から周知であり、本発明の要旨でもない為、詳しい説明は省略する。
【0004】
上記ステアリングコラム3aの中間部に溶接等により固定した上部支持ブラケット4は、カプセル15、15及びこれら各カプセル15、15を挿通した図示しない取付ボルトにより、車体16に対し取付支持している。衝突事故の際には、自動車が他の自動車等にぶつかる一次衝突に続き、運転者の身体がステアリングホイール1(図16参照。図17には省略。)にぶつかる二次衝突が発生して、上記ステアリングシャフト2aの上端部に、図17に矢印αで示す様に、自動車の進行方向前方に向いた衝撃荷重が加わる。この衝撃荷重に基づいて、上記ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aの全長が縮まる。同時に、上記各カプセル15、15が、図20に示す様に上記上部ブラケット4の後縁部に形成した各切り欠き17、17(図18〜19)から抜け出て、この上部ブラケット4及びこの上部ブラケット4を固定したアウターコラム13が前方に変位自在となる。
【0005】
この結果、上記ステアリングシャフト2aの後端部に支持固定したステアリングホイール1が前方に変位して、運転者の生存空間を確保する。又、この変位を許容すべく、上記ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aが縮む際に、運転者の身体から上記ステアリングホイール1に加えられた衝撃エネルギを吸収し、この運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の衝撃吸収式の自動車用操舵装置の場合、二次衝突に伴う衝撃荷重の作用方向と、ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aの変位方向とが一致しない。この為、二次衝突が発生した瞬間に運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和する事が難しい。即ち、二次衝突に伴う衝撃荷重は運転者の身体から上記ステアリングシャフト2aの後端部に、図17に矢印αで示す様に、ほぼ水平方向前方に加わる。これに対して上記ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aの変位方向は、それぞれの部材2a、3aの軸方向である。乗用車等の一般的な自動車のステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aは、図17に示す様に、取付角度θを持って、車体16に対し支持されている。従って上記部材2a、3aの軸方向とは、斜め下方となり、上記衝撃荷重の作用方向と不一致になる。
【0007】
二次衝突の発生直後には、上部ブラケット4に形成した切り欠き17、17からカプセル15、15を抜き出す必要がある。そして、この様にカプセル15、15を抜き出す方向は、上記部材2a、3aの軸方向となる。この為、多少なりとも上記各切り欠き17、17からカプセル15、15を抜け出る事に対する抵抗が大きくなり、二次衝突の瞬間に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する性能が悪くなる。この点に就いて、図21により説明する。
【0008】
二次衝突時にステアリングホイール1には、F0 なる衝撃荷重がほぼ水平方向に加わる。そして、この衝撃荷重F0 の分力F1 、F2 のうち、ステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aの軸方向に亙る分力F1 がこれら各部材2a、3aを縮める方向に作用し、この分力F1 と直角方向に作用する分力F2 が、これら各部材2a、3aの後端部を上方に持ち上げる方向に作用する。そして、この分力F2 に基づきこれら各部材2a、3aには、上部支持ブラケット4部分を中心に回転しようとするモーメントMが発生する。このモーメントMに基づいて、上記上部支持ブラケット4とカプセル15、15との間に作用する摩擦力が増大し、これら各カプセル15、15が上記上部支持ブラケット4に形成した切り欠き17、17から抜け出る為に要する力が大きくなって、上述の様に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する性能が悪くなる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、二次衝突の瞬間に運転者の身体に加わる衝撃をより小さくできる衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置を実現すべく発明したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のステアリングコラムの支持装置は何れも、ステアリングコラムを車体に対して支持すると共に、衝突事故に伴う二次衝突の際にこのステアリングコラムを、運転者の身体からこのステアリングコラムに加えられた衝撃荷重を吸収しつつ自動車の進行方向前方に変位させる機能を有する。
この様な本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置のうち、請求項1に記載したものは、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、これら1対の支持板部の内側面に対向する左右1対の被支持面を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の支持板部に形成された透孔と、上記各被支持面に結合固定された状態でこれら各透孔を挿通された結合部材とを備える。
そして、通常状態でこの結合部材は、上記各透孔の後端部に存在しており、これら各透孔は、上記二次衝突に伴って上記各結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは前方に向かう程上方に向かう方向に長くしている。又、上記各支持板部の一部で上記各透孔の前端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材が前方に変位する事を許容する延長部を設けている。
【0010】
又、請求項2に記載したものは、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、それぞれの外側面を上記1対の支持板部の内側面に対向させた左右1対の被支持板部を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の被支持板部に形成された透孔と、上記各支持板部の内側面に結合固定された状態で上記各透孔を挿通された結合部材とを備える。
そして、通常状態でこの結合部材は、上記各透孔の前端部に存在しており、これら各透孔は、上記二次衝突に伴って上記各結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは後方に向かう程下方に向かう方向に長くしている。又、上記各被支持板部の一部で上記各透孔の後端部から連続する部分には、これら各被支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材をその内側に進入させる事により、二次衝突時に上記ステアリングコラムが前方に変位するのを許容する延長部を設けている。
【0011】
更に、請求項3に記載したものは、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、それぞれの外側面を上記1対の支持板部の内側面に対向させた左右1対の被支持板部を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の支持板部に形成された第一の透孔と、上記1対の被支持板部に形成された第二の透孔と、これら第一、第二の各透孔を挿通された結合部材とを備える。
そして、通常状態でこの結合部材は、上記第一の透孔の後端部若しくはこの第一の透孔の後端部から連続する上下方向に長い第三の透孔の一部と、上記第二の透孔の前端部とに存在しており、これら第一、第二の各透孔は、上記二次衝突に伴って上記結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは、前方に向かう程上方に向かう方向、又は、後方に向かう程下方に向かう方向に長くしている。又、上記各支持板部の一部で上記各第一の透孔の前端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記各結合部材がこれら各支持板部に対して前方に変位する事を許容する第一の延長部を、上記各被支持板部の一部で上記各第二の透孔の後端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材をその内側に進入させる事により、上記ステアリングコラムが前方に変位するのを許容する第二の延長部を、それぞれ設けている。
尚、上記各請求項に記載した発明に於ける、各延長部としては、上記各結合部材の外径よりも小さな幅を有する透溝、或は凹溝を形成する事により設けた薄肉部等の構造を採用できる。
【0012】
【作用】
上述の様に構成する本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置のうち、請求項1に記載したものに於いては、二次衝突の発生直後には結合部材が、1対の支持板部に形成した透孔の後端部から前端部にまで変位する。これら各透孔は、上記二次衝突に伴って上記各結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する方向に長い為、この変位は円滑に行なわれ、二次衝突の発生の瞬間に運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和できる。
上記結合部材が上記透孔の前端部にまで変位した後に於いては、この結合部材が延長部に入り込む。そして、この延長部を塑性変形させつつ、この結合部材、並びに支持ブラケットを介してこの結合部材を支持したステアリングコラムが軸方向に亙り変位する事を防止する。この為、衝突時のステアリングホイールの前方への変位量が大きくなり、運転者の保護をより充実させる事ができる。又、上記結合部材が上記延長部に入り込む際、この延長部を形成した支持板部が塑性変形する事により、ステアリングホイールからステアリングシャフト及びステアリングコラムを介して上記結合部材に伝わった衝撃エネルギを吸収する。この結果、上記ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
【0013】
又、請求項2に記載したものの場合も、1対の被支持板部に形成した各透孔及び各延長部と、1対の支持板部の内側面に固定した結合部材との係合に基づき、やはり上記ステアリングホイールにぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
又、請求項3に記載したものの場合には、1対の支持板部に第一の透孔及び第一の延長部を形成すると共に、1対の被支持板部に第二の透孔及び第二の延長部を形成した分だけ、二次衝突時に於けるステアリングホイールの前方への変位量を更に大きくできる。この為、衝突時に於ける運転者の保護をより充実させる事ができる。
更に、これら請求項2及び請求項3に記載したものの場合には、二次衝突の発生直後に於いて、ステアリングコラムが、各支持板部の内側面と各被支持板部の外側面との2つの当接面にのみ作用する、比較的小さな摩擦力に抗して前方に変位する様にできる。従って、二次衝突の発生の瞬間に、ステアリングホイールを前方に変位させる為に要する荷重を更に小さくでき、運転者の身体に加わる衝撃をより低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置の特徴は、二次衝突時にステアリングコラム3aを前方に向け円滑に変位させる部分の構造にある。より具体的には、請求項に記載したステアリングコラムに相当するアウターコラム13と、請求項に記載した支持ブラケットに相当する上部支持ブラケット4aとの係合部の構造にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図16〜20に示した従来構造と同様である。従って、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0015】
上記上部支持ブラケット4aは、鋼板等、必要とする剛性を確保自在で、且つ、塑性変形自在な金属板を折り曲げる事により、凸字形に形成している。この様な上部支持ブラケット4aは、左右1対ずつの支持板部18、18と取付板部19、19とを有する。この様な上部支持ブラケット4aは、これら各取付板部19、19に形成した取付孔20、20を挿通した図示しないボルトにより、車体16に支持固定している。本発明の場合、上記上部支持ブラケット4aは、この様に車体16に支持固定された状態のまま、二次衝突時にも脱落する事はない。
【0016】
一方、上記アウターコラム13の中間部左右両側面には、それぞれ被支持ブラケット21、21を固定している。上記アウターコラム13と同じ金属材料(鋼又はアルミニウム合金)に削り出し加工等を施す事により形成した上記各被支持ブラケット21、21は、それぞれねじ孔22、22を有する。この様な各被支持ブラケット21、21は、これら各ねじ孔22、22と上記アウターコラム13の中間部両側面に形成した通孔23、23とを整合させた状態でこのアウターコラム13の中間部左右両側面に、それぞれ溶接固定している。この様にしてアウターコラム13の中間部両側面に固定した各被支持ブラケット21、21の外側面24、24は、互いに平行になる。本例の場合には、これら各外側面24、24が、請求項に記載した左右1対の被支持面に相当する。
【0017】
又、上記上部支持ブラケット4aに設けた左右1対の支持板部18、18には、それぞれ透孔25、25を形成している。これら各透孔25、25は、二次衝突時にステアリングホイール1に加わるF0 なる衝撃荷重の方向、即ちほぼ水平方向に長い。この様な各透孔25、25の後端部には、請求項に記載した結合部材に相当するボルト26、26を挿通している。これら各ボルト26、26の先端部に形成した雄ねじ部は、上記各被支持ブラケット21、21に形成したねじ孔22、22に螺合し、更に所定のトルクで緊締している。従って、上記上部支持ブラケット4aを構成する1対の支持板部18、18は、ワッシャ27、27と共に、上記各ボルト26、26の頭部28、28の内側面と、前記各被支持ブラケット21、21の外側面24、24との間で、所定の強さで挟持されている。
【0018】
又、上記各透孔25、25の上下両側縁は互いに近づく方向に僅かに傾斜させて、これら各透孔25、25の幅を、前方に向かう程狭くしている。又、これら各透孔25、25の幅は、後端部で上記各ボルト26、26の中間部の外径よりも少しだけ大きく、前端部でこの外径とほぼ同じかこの外径よりも僅かに小さくしている。本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置を組み立てて通常状態、即ち、衝突事故が発生していない状態で上記各ボルト26、26は、上記各透孔25、25の後端部に存在する。
【0019】
更に、上記各支持板部18、18の一部で上記各透孔25、25の前端部から前方に連続する部分には、延長部29を、それぞれ設けている。本例の場合、これら各延長部29は、上記各ボルト26、26の中間部の外径よりも小さな幅を有する透溝である。この様な透溝である上記各延長部29の幅は、上記各透孔25、25との連続部である後端部で、上記各ボルト26、26の外径と同じかこの外径よりも僅かに小さく、前端部でこの外径よりも小さくしており、後端部から前端部に向けて漸減する。この様な延長部29に上記各ボルト26、26の中間部が入り込んだ場合には、上記各支持板部18、18のうちの少なくとも上記各延長部29の両側部分を塑性変形させつつ、上記各ボルト26、26が前方に変位する事を許容する。
【0020】
上述の様に構成する本発明のステアリングコラムの支持装置に於いては、二次衝突の発生直後には上記各ボルト26、26が、上記各透孔25、25の後端部から前端部にまで、図1〜2に示した状態から図5に示した状態にまで変位する。この際、アウターコラム13は、上記各支持板部18、18の両面と、前記各被支持ブラケット21、21の外側面24、24及び前記各ワッシャ27、27の内側面との間に作用する摩擦力に抗して前方に変位する。上記各透孔25、25は、上記二次衝突に伴って上記各ボルト26、26に加わる力の方向、即ち水平方向若しくは少し上向きの方向に長い。この為、上記各ボルト26、26の中間部外周面と上記各透孔25、25の内側縁とが強く擦れ合う事がなく、これら各ボルト26、26並びにアウターコラム13の前方への変位は円滑に行なわれる。従って、二次衝突の発生の瞬間に、前記ステアリングホイール1を前方に変位させる為に要する荷重が大きくならず、運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和できる。
【0021】
上記各ボルト26、26が上記透孔25、25の前端部にまで変位した後に於いては、これら各ボルト26、26が延長部29に入り込む。そして、これら各延長部29の幅を広げる方向に、これら各延長部29を形成した各支持板部18、18を塑性変形させつつ、上記各ボルト26、26、並びに上部支持ブラケット4aを介してこれら各ボルト26、26を支持したアウターコラム13が軸方向に亙り変位する事を防止する。上記各支持板部18、18のうち、上記各延長部29を形成した部分の前後方向に亙る幅は大きくして、これら各延長部29の長さを確保している。従って、衝突時のステアリングホイール1の前方への変位量を大きくして、運転者の保護をより充実させる事ができる。
【0022】
又、上記各ボルト26、26の中間部が上記各延長部29に入り込む際、これら各延長部29を形成した支持板部18が塑性変形する事により、上記ステアリングホイール1からステアリングシャフト2a及びアウターコラム13を介して上記ボルト26、26に伝わった衝撃エネルギを吸収する。この結果、上記ステアリングホイール1にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。上記各延長部29の幅は、前方に向う程小さくなり、従って塑性変形により吸収するエネルギも次第に大きくなる。この為、運転者の身体に加わる衝撃エネルギを効率良く吸収し、運転者の保護の充実を図れる。
【0023】
尚、本例の場合、1対の支持板部18、18の板厚を、透孔25、25を形成した後半部よりも、延長部29を形成した前半部で僅かに小さくすれば、ステアリングコラムの支持装置による衝撃エネルギの吸収量の調節を容易にできる。即ち、この様に構成すれば、二次衝突時に被支持ブラケット21、21が上記1対の支持板部18、18の間を前方に移動して、各ボルト26、26の中間部が各延長部29の内側に入り込むと同時に、上記1対の支持板部18、18の内側面と上記各被支持ブラケット21、21の外側面24、24との間、並びに上記各支持板部18、18の外側面と前記各ワッシャ27、27の内側面との間に作用する摩擦力を、低減若しくは消滅させる事ができる。この結果、二次衝突時に上記各当接面に作用する摩擦力が衝撃エネルギの吸収に影響するのを防止して、上記衝撃エネルギの吸収量の調節を、上記各延長部29の形状及び寸法のみを規制する事により、容易に行なえる様になる。この様な効果は、上記各被支持ブラケット21、21の外側面24、24同士の間隔を、後端部に比べて中間部及び前端部で小さくする事によっても得られる。
【0024】
次に、図6は、やはり請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、延長部29の後端部分の幅を狭くして、結合部材であるボルト26の中間部がこの後端部分を通過する際に、支持板部18を大きく塑性変形させる様にしている。従って本例の場合には、上記ボルト26の中間部が透孔25から延長部29に入り込む際に、比較的大きな衝撃エネルギの吸収を行なう。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0025】
次に、図7〜8は、やはり請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、透孔25の前端部から前方に連続する延長部29aを、支持板部18の内側面と外側面との一方又は双方に断面V字形の凹溝30を形成する事により設けた薄肉部としている。二次衝突に伴ってボルト26の中間部が上記延長部29aに入り込むと、先ず上記凹溝30の底部が裂け、続いて上記支持板部18を塑性変形させつつ、上記ボルト26の中間部が進入自在な孔を形成する。従って本例の場合には、板厚や材質により定まる、上記支持板部18の強度が同じと仮定した場合には、前述した第1例及び上述した第2例に比較して、大きな衝撃エネルギの吸収を行なえる。その他の構成及び作用は、前述した第1例及び上述した第2例の場合と同様である。
【0026】
次に、図9は、やはり請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。前述した第1〜2例及び上述した第3例が何れも、アウターコラム13の中間部に固定する被支持ブラケット21(図1〜7)を、何れもブロック状に形成していたのに対し、本例の場合には、被支持ブラケット21aとして、鋼板等、必要とする剛性を確保できる金属板を折り曲げ形成して成るものを使用している。即ち、金属板を略C字形に折り曲げ形成して成る上記被支持ブラケット21aの両端縁部を、上記アウターコラム13の下部側面に溶接固定している。そして、上部支持ブラケット4aを構成する1対の支持板部18、18と、上記被支持ブラケット21aの被支持板部31、31とを挿通したボルト26、26とナット32、32とを所定のトルクで緊締して、上記1対の支持板部18、18の間に上記被支持ブラケット21aを挟持している。被支持ブラケット21aの形状が異なる事に合わせて、上記ナット32、32を設けた以外の構成及び作用は、前述した第1〜2例或は上述した第3例と同様である。
【0027】
次に、図10〜11は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。上述した1〜4例の場合には、透孔及び延長部を何れも1対の支持板部18、18に形成していた。これに対して、本例の場合には、これら透孔34及び延長部39、39を、被支持ブラケット21aを構成する1対の被支持板部31、31に形成している。即ち、これら1対の被支持板部31、31のうち、上記各支持板部18、18の間部分に存在する前半部には、それぞれ上記透孔34を形成している。これら各透孔34は、それぞれ二次衝突時にステアリングホイール1に加わるF0 なる衝撃荷重(図1参照)の方向、即ちほぼ水平方向に長い。又、通常状態でこれら各透孔34の前端部は、ボルト26、26(図9参照)を挿通する為、1対の支持板部18、18に形成した円孔40と整合する。この様に整合した各透孔34と各円孔40との内側には、前述の図9に示した構造と同様に、それぞれボルト26、26を挿通する。そして、これら各ボルト26、26とナット32、32(図9)との緊締に基づいて、上記1対の支持板部18、18の間に上記被支持ブラケット21aを挟持する。従って、本例の場合、通常状態で上記各ボルト26、26は、上記各透孔34の前端部に存在する。
【0028】
又、上記各被支持板部31、31の中間部乃至は後半部で、上記各透孔34の後端部から後方に連続する部分には、前記延長部39、39を、それぞれ設けている。本例の場合、これら各延長部39、39は、上記各ボルト26、26の中間部の外径よりも小さな幅を有する透溝である。
【0029】
この様な透溝である上記各延長部39、39の幅は、前端部から後端部に向う程漸減するもので、前端部では上記各ボルト26、26の中間部の外径とほぼ同じとしている。この様な各延長部39、39に上記各ボルト26、26の中間部が入り込んだ場合には、上記各被支持板部31、31のうちの少なくとも上記各延長部39、39の両側部分を塑性変形させつつ、上記各ボルト26、26がこれら各延長部39、39の奥部(後端部)にまで進入する事を許容する。尚、本例の場合も、上記各延長部39、39は、前述の図6に示した第2例の様に、基端部分の幅を狭く構成したり、或は、図7〜8に示した第3例の様に、薄肉部として構成しても良い。
【0030】
上述の様に構成する本例のステアリングコラムの支持装置の場合、二次衝突の発生直後には、アウターコラム13と共に被支持ブラケット21aが前方に変位する事に基づいて、上記各透孔34内での上記各ボルト26、26の挿通位置が、これら各透孔34の前端部から後端部にまで移動する。この際、上記アウターコラム13は、上記各被支持板部31、31の両面と、上記各支持板部18、18の内側面及び前記各ナット32、32の内側面との間に作用する摩擦力に抗して前方に変位する。本例の場合も上記各透孔34は、上記二次衝突に伴って上記各ボルト26、26に加わる力の方向、即ち水平方向若しくは少し上向き方向に長い。この為、上記各ボルト26、26の中間部外周面と上記各透孔34の内側縁とが強く擦れ合う事がなく、これら各ボルト26、26並びにアウターコラム13の前方への変位は円滑に行なわれる。従って、二次衝突の発生の瞬間に、前記ステアリングホイール1を前方に変位させる為に要する荷重が大きくならず、運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和できる。
【0031】
尚、本例の場合、1対の被支持板部31、31の板厚を、通常状態で1対の支持板部18、18に挟持される、上記透孔34を形成した前半部よりも、通常状態でこれら1対の支持板部18、18に挟持されず、上記延長部39、39を形成した後半部で僅かに小さくすれば、ステアリングコラムの支持装置による衝撃エネルギの吸収量の調節を容易にできる。即ち、この様に構成すれば、二次衝突時に被支持ブラケット21aが上記1対の支持板部18、18の間を前方に移動して、各ボルト26、26aの中間部が各延長部39、39の内側に入り込むと同時に、上記1対の支持板部18、18の内側面と上記1対の被支持板部31、31の外側面24、24との間、並びに上記各被支持板部31、31の内側面と各ナット32、32の内側面との間に作用する摩擦力を、低減若しくは消滅させる事ができる。この結果、二次衝突時に上記各当接面に作用する摩擦力が過大となるのを防止できると共に、上記衝撃エネルギの吸収量の調節を、上記各延長部39、39の形状及び寸法のみを規制する事により、容易に行なう事ができる。
【0032】
次に、図12は、やはり請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、上部支持ブラケット4aと被支持ブラケット21aとを結合する結合部材として、上述の第5例で使用した1対のボルト26、26(図9参照)に代えて、1本の長尺なボルト26aを使用している。即ち、このボルト26aは、1対の支持板部18、18に形成した各円孔40(図10)と1対の被支持板部31、31に形成した各透孔34(図10)とに挿通すると共に、このボルト26aの先端部で、一方(図12の右方)の支持板部18から突出した部分に形成した雄ねじ部に螺合したナット32aを、所定のトルクで緊締している。この様に構成する本例の場合、二次衝突の直後に、アウターコラム13は、上記各支持板部18、18の内側面と各被支持板部31、31の外側面24、24との2つの当接面に作用する摩擦力のみに抗して、前方に変位する。従って、二次衝突の発生の瞬間に、ステアリングホイール1を前方に変位させる為に要する荷重を更に小さくでき、運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和できる。即ち本例の場合には、ステアリングコラム3aの前方への変位を開始させる為に打ち勝つべき静止摩擦力が、上記各被支持板部31、31の外側面24、24と支持板部18、18の内側面との間に作用する静止摩擦力のみで良い。従って、前述した第1〜4例の場合に比べて、ステアリングホイール1の変位開始を、より円滑に行なわせる事ができる。
【0033】
尚、本例の場合、1対の被支持板部31、31の外側面24、24同士の間隔を、通常状態で1対の支持板部18、18に挟持される前半部よりも、通常状態でこれら1対の支持板部18、18に挟持されていない後半部で僅かに小さくすれば、ステアリングコラムの支持装置による衝撃エネルギの吸収量の調節を容易にできる。即ち、この様に構成すれば、二次衝突時に被支持ブラケット21aが上記1対の支持板部18、18の間を前方に移動して、各ボルト26、26aの中間部が各延長部39、39の内側に入り込むと同時に、上記1対の支持板部18、18の内側面と上記1対の被支持板部31、31の外側面24、24との間に作用する摩擦力を、低減若しくは消滅させる事ができる。この結果、二次衝突時に上記各当接面に作用する摩擦力が過大となるのを防止できると共に、上記衝撃エネルギの吸収量の調節を、上記各延長部39、39の形状及び寸法のみを規制する事により、容易に行なう事ができる。尚、上記各側面24、24同士の間隔を途中から小さくするには、上記各被支持板部31、31の板厚を変える他、これら各被支持板部31、31の中間部に折れ曲がり段部を形成する事でも対応できる。その他の構成及び作用は、上述した第5例の場合と同様である。
【0034】
次に、図13〜15は、請求項3、4に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例は、二次衝突時に於けるアウターコラム13の前方への変位量を、より大きくできる構造を実現するものである。更に、本例の場合には、この様な構造を、ステアリングコラム3aの一部を車体に対して昇降自在に支持する事により、ステアリングホイール1(図1参照)の高さ調節を自在とする、所謂チルト式ステアリング装置に適用している。
【0035】
即ち、本例の場合、上部支持ブラケット4aを構成する1対の支持板部18、18に、前述の図1〜5に示した第1例と同様の透孔25(第一の透孔)及び延長部29(第一の延長部)を、被支持ブラケット21aを構成する1対の被支持板部31、31に、前述の図10〜11に示した第5例と同様の透孔34(第二の透孔)及び延長部39、39(第二の延長部)を、それぞれ設けている。又、上記1対の支持板部18、18の互いに整合する位置には、それぞれが第三の透孔である、上下方向に長い1対の長孔33を、これら各長孔33の上端縁を上記各第一の透孔25の後端縁に連続させた状態で形成している。これら各長孔33は、上記ステアリングコラム3aの前端部に設けた横軸41をそれぞれの曲率半径の中心とする、円弧状に形成している。後述する様に、上記ステアリングコラム3aは、上記横軸41を中心に揺動自在である。
【0036】
又、通常状態に於いて、上記1対の支持板部18、18の前半部で、上記第一の透孔25を形成した後半部同士の間には、上記被支持ブラケット21aの前端部で、上記第二の透孔34を形成した部分のみを配置している。又、この状態で、上記各第二の透孔34の前端部を、上記各長孔33の一部に整合させている。尚、図13〜14に示した状態(後述するステアリングホイール1が最高位置の状態)で、上記各第二の透孔34の前端部は、上記各長孔33の上端部、即ち上記各第一の透孔25の後端部と整合する。
【0037】
この様に整合した上記各第二の透孔34の前端部と上記各第一の透孔25の後端部若しくは上記各長孔33の一部との内側には、結合部材である、チルトボルト35を、横方向(図13〜14の表裏方向、図15の左右方向)に亙り挿通している。そして、このチルトボルト35の先端部(図15の右端部)で一方(図15の右方)の支持板部18の外側面から突出した雄ねじ部に、チルトナット36を螺合し、更にこのチルトナット36に、チルトレバー37の基端部を固定している。尚、このチルトレバー37が図13〜14に示した位置にある状態で、上記チルトナット36は、上記雄ねじ部との螺合に基づき、一方(図15の右方)の支持板部18を強く押圧する。従って、これら図13〜14に示した状態で、上記上部支持ブラケット4aを構成する1対の支持板部18、18と上記被支持ブラケット21aを構成する1対の被支持板部31、31とは、上記チルトボルト35の頭部38と上記チルトナット36との間で、所定の強さで挟持されている。
【0038】
又、上記チルトボルト35の頭部38と長孔33の両側縁とは、この頭部38の回転を不能に係合する事により、このチルトボルト35が回転する事を阻止している。この為に上記頭部38の内端部(図15の右端部)外周面には、長孔33の両側縁と係合する、図示しない1対の平坦面を形成している。従って、上記チルトナット36に固定したチルトレバー37を操作(回動)すれば、上記頭部38とチルトナット36との距離を調節できる。即ち、上記チルトレバー37を図13に示す位置から時計回りに回動させる事により、上記頭部38とチルトナット36との距離を大きくすれば(上記チルトナット36の緊締状態を解けば)、上記チルトボルト35が上記長孔33に沿って移動自在となる。従って、この状態でステアリングコラム3aを昇降させれば(前記横軸41を中心に揺動させれば)、ステアリングホイール1の高さ調節を行なえる。
【0039】
反対に、上記チルトレバー37を図13に示す位置に回動させる事により、上記距離を小さくすれば(上記チルトナット36を緊締すれば)、上記ステアリングコラム3aの昇降を不能として、ステアリングホイール1の高さを調節後の位置に固定できる。尚、図示は省略したが、チルトナット36を長孔33に対して昇降のみ自在に(回転不能に)係合させると共に、チルトボルト35を回転自在とする構造も、従来から知られている。この様な構造の場合には、チルトボルト35の頭部38にチルトレバー37の基端部を結合固定する。この為、このチルトボルト35の頭部38を、前述したチルトナット36の如き形状にする。
【0040】
上述の様に構成する本例のステアリングコラムの支持装置により、二次衝突時に衝撃エネルギを吸収する際の作用に就いて、以下に説明する。先ず、図13〜14に示す様に、二次衝突時にチルトボルト35が長孔33の上端部にある場合(ステアリングホイール1が最高位置にある場合)には、この二次衝突の発生直後に、アウターコラム13と共に被支持ブラケット21aが前方に変位する事に基づいて、先ず、上記被支持板部31、31に設けた第二の透孔34内での上記チルトボルト35の挿通位置が、これら第二の透孔34の前端部から後端部にまで移動する。この際、上記アウターコラム13は、上記各支持板部18、18の内側面と上記各被支持板部31、31の外側面24、24との間に作用する摩擦力(合計2つの当接面に作用する摩擦力)に抗して前方に変位する。
【0041】
この様にしてチルトボルト35の挿通位置が第二の透孔34の後端部にまで移動したならば、続いて、このチルトボルト35が、上記1対の支持板部18、18に設けた第一の透孔25の後端部から前端部にまで変位する。この際、上記アウターコラム13は、上記各支持板部18、18の内側面と上記各被支持板部31、31の外側面24、24との間に作用する摩擦力に加え、更に上記各支持板部18、18の外側面と、上記チルトボルト35の頭部38の内側面及び上記チルトナット36の内側面との間に作用する摩擦力(合計4つの当接面に作用する摩擦力)に抗して前方に変位する。上記第一、第二の各透孔25、34は、上記二次衝突に伴って上記チルトボルト35に加わる力の方向、即ち水平方向若しくは少し上向き方向に長い。この為、上記チルトボルト35の杆部外周面と上記第一、第二の各透孔25、34の内側縁とが強く擦れ合う事がなく、このチルトボルト35並びにアウターコラム13の前方への変位は円滑に行なわれる。
【0042】
上述の様に第二の透孔34の後端部及び第一の透孔25の前端部にまで変位したチルトボルト35は、続いて、上記第一の透孔25の前端部から前方に連続する第一の延長部29及び上記第二の透孔34の後端部から後方に連続する第二の延長部39、39に入り込む。そして、これら各延長部29、39の幅を広げる方向に、これら各延長部29、39を形成した各支持板部18、18及び各被支持板部31、31を塑性変形させる。最終的に、上記チルトボルト35の挿通位置は、上記第一の延長部29の前端部及び上記第二の延長部39、39の後端部となる。
【0043】
一方、二次衝突時にチルトボルト35が前記長孔33の中間部及び下端部にある場合(ステアリングホイール1が最高位置にない場合)には、この二次衝突の発生直後に、アウターコラム13と共に被支持ブラケット21aが前方に変位する事に基づいて、先ず、上述の場合と同様、上記チルトボルト35の挿通位置が第二の透孔34の前端部から後端部にまで移動する。これに続いてチルトボルト35は、第二の延長部39、39に入り込む。そして、これら各第二の延長部39、39の幅を広げる方向に、これら各第二の延長部39、39を形成した各被支持板部31、31を塑性変形させる。
【0044】
これと同時に、上記チルトボルト35は、上記各長孔33の内周縁に沿って、この長孔33の上端部(第一の透孔25の後端部)にまで移動する。この様にチルトボルト35が長孔33の上端部にまで移動する理由は、二次衝突時に加わる水平方向の衝撃荷重F0 (図1参照)の分力のうち、上記長孔33の長さ方向上方に向く分力が、このチルトボルト35に作用する為である。この分力により長孔33の上端部にまで変位したチルトボルト35は、続いて、上記第一の透孔25、25の後端部から前端部にまで変位する。これに続いて、上記チルトボルト35は、第一の延長部29に入り込む。そして、これら各第一の延長部29の幅を広げる方向に、これら各第一の延長部29を形成した各支持板部18、18を塑性変形させる。この場合も最終的に、上記チルトボルト35の挿通位置は、上記第一の延長部29の前端部及び上記第二の延長部39、39の後端部となる。
【0045】
上述の様に構成され作用する本例の場合も、前述の図12に示した第6例の場合と同様、二次衝突の直後に於いて、アウターコラム13は、各支持板部18、18の内側面と上記各被支持板部31、31の外側面24、24との2つの当接面のみに作用する、比較的小さな摩擦力に抗して前方に変位する。従って、二次衝突の発生の瞬間に、前記ステアリングホイール1を前方に変位させる為に要する荷重を十分に小さくでき、運転者の身体に加わる衝撃を十分に緩和できる。又、チルトボルト35が第一、第二の各延長部29、39に入り込む際には、これら第一、第二の各延長部29、39を形成した支持板部18、18及び被支持板部31、31が塑性変形する事により、上記ステアリングホイール1からステアリングシャフト2a及びアウターコラム13を介して上記チルトボルト35に伝わった衝撃エネルギを吸収する。この結果、上記ステアリングホイール1にぶつかった運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図れる。
【0046】
特に、本例の場合、1対の支持板部18、18と1対の被支持板部31、31との双方に、透孔(第一の透孔25若しくは第二の透孔34)及び延長部(第一の延長部29若しくは第二の延長部39)を形成している。この為、衝突時に於けるアウターコラム13の前方への変位量を、前述した何れの例の場合よりも大きくできる。この為、衝突時に於ける運転者の保護をより充実させる事ができる。尚、本例の場合も、上記第一、第二の各延長部29、39は、前述の図6に示した第2例の様に、基端部分の幅を狭く構成したり、或は、図7〜8に示した第3例の様に、薄肉部として構成しても良い。
【0047】
又、本例の場合も、1対の支持板部18、18の板厚を、第一の延長部29を形成した前半部で薄くしたり、1対の被支持板部31、31の板厚を、第二の延長部39を形成した後半部で薄くしたり、或は上記1対の被支持板部31、31のうち、通常状態で上記1対の支持板部18、18に挟持されていない後半部の外側面同士の間隔を狭くすれば、前述した各例の場合と同様に、ステアリングコラムの支持装置による衝撃エネルギの吸収量の調節を容易にできる。尚、本例の様に、1対の支持板部18、18と1対の被支持板部31、31との双方に、透孔及び延長部を形成して、衝突時に於けるアウターコラム13の前方への変位量を大きくする構造は、チルト機構を持たないステアリングコラムの支持装置にも適用できる事は言う迄もない。
【0048】
【発明の効果】
本発明の衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、衝突事故の際、ステアリングホイールの前方への変位開始を円滑に行なわせて、二次衝突の発生の瞬間に運転者の身体に加わる衝撃を少なくし、衝突時の運転者保護を十分に図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す縦断側面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】一部を省略して図2の上方から見た図。
【図5】二次衝突の発生直後の状態で示す、図2と同様の図。
【図6】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【図7】同第3例を示す、図2と同様の図。
【図8】一部を省略して示す、図7の拡大C−C断面図。
【図9】本発明の実施の形態の第4例を示す、図3と同様の図。
【図10】同第5例を示す、図2と同様の図。
【図11】図10のD−D断面図。
【図12】本発明の実施の形態の第6例を示す、図11と同様の図。
【図13】同第7例を示す、縦断側面図。
【図14】図13のE部拡大図。
【図15】図14のF−F断面図。
【図16】従来から知られている、衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置を組み込んだ自動車用操舵装置の略側面図。
【図17】従来から知られている、衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置の具体的構造の1例を示す縦断側面図。
【図18】図17のG−G断面図。
【図19】一部を省略して示す、図17のH矢視図。
【図20】二次衝突の発生直後の状態で示す、図17の中央部に相当する側面図。
【図21】二次衝突時に自動車用操舵装置に加わる荷重を示す略側面図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ステアリングコラム
4、4a 上部支持ブラケット
5 下部支持ブラケット
6 インスツルメントパネル
7 第一の自在継手
8 中間シャフト
9 第二の自在継手
10 入力軸
11 アウターシャフト
12 インナーシャフト
13 アウターコラム
14 インナーコラム
15 カプセル
16 車体
17 切り欠き
18 支持板部
19 取付板部
20 取付孔
21、21a 被支持ブラケット
22 ねじ孔
23 通孔
24 外側面
25 透孔(第一の透孔)
26、26a ボルト
27 ワッシャ
28 頭部
29、29a 延長部(第一の延長部)
30 凹溝
31 被支持板部
32、32a ナット
33 長孔
34 透孔(第二の透孔)
35 チルトボルト
36 チルトナット
37 チルトレバー
38 頭部
39 延長部(第二の延長部)
40 円孔
41 横軸
Claims (4)
- ステアリングコラムを車体に対して支持すると共に、衝突事故に伴う二次衝突の際にこのステアリングコラムを、運転者の身体からこのステアリングコラムに加えられた衝撃荷重を吸収しつつ自動車の進行方向前方に変位させる機能を有する衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置であって、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、これら1対の支持板部の内側面に対向する左右1対の被支持面を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の支持板部に形成された透孔と、上記各被支持面に結合固定された状態でこれら各透孔を挿通された結合部材とを備え、通常状態でこの結合部材は、上記各透孔の後端部に存在しており、これら各透孔は、上記二次衝突に伴って上記各結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは前方に向かう程上方に向かう方向に長く、上記各支持板部の一部で上記各透孔の前端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材が前方に変位する事を許容する延長部を設けている衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置。
- ステアリングコラムを車体に対して支持すると共に、衝突事故に伴う二次衝突の際にこのステアリングコラムを、運転者の身体からこのステアリングコラムに加えられた衝撃荷重を吸収しつつ自動車の進行方向前方に変位させる機能を有する衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置であって、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、それぞれの外側面を上記1対の支持板部の内側面に対向させた左右1対の被支持板部を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の被支持板部に形成された透孔と、上記各支持板部の内側面に結合固定された状態で上記各透孔を挿通された結合部材とを備え、通常状態でこの結合部材は、上記各透孔の前端部に存在しており、これら各透孔は、上記二次衝突に伴って上記各結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは後方に向かう程下方に向かう方向に長く、上記各被支持板部の一部で上記各透孔の後端部から連続する部分には、これら各被支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材をその内側に進入させる事により、上記二次衝突時に上記ステアリングコラムが前方に変位するのを許容する延長部を設けている衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置。
- ステアリングコラムを車体に対して支持すると共に、衝突事故に伴う二次衝突の際にこのステアリングコラムを、運転者の身体からこのステアリングコラムに加えられた衝撃荷重を吸収しつつ自動車の進行方向前方に変位させる機能を有する衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置であって、左右1対の支持板部を有し、車体に固定される支持ブラケットと、それぞれの外側面を上記1対の支持板部の内側面に対向させた左右1対の被支持板部を有し、ステアリングコラムの中間部に固定されて上記1対の支持板部の間に挟持される被支持ブラケットと、上記1対の支持板部に形成された第一の透孔と、上記1対の被支持板部に形成された第二の透孔と、これら第一、第二の各透孔を挿通された結合部材とを備え、通常状態でこの結合部材は、上記第一の透孔の後端部若しくはこの第一の透孔の後端部から連続する上下方向に長い第三の透孔の一部と、上記第二の透孔の前端部とに存在しており、これら第一、第二の各透孔は、それぞれ上記二次衝突に伴って上記結合部材に加わる力の方向にほぼ一致する、水平方向若しくは、前方に向かう程上方に向かう方向、又は、後方に向かう程下方に向かう方向に長く、上記各支持板部の一部で上記各第一の透孔の前端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材がこれら各支持板部に対して前方に変位する事を許容する第一の延長部を、上記各被支持板部の一部で上記各第二の透孔の後端部から連続する部分には、これら各支持板部を塑性変形させつつ上記結合部材をその内側に進入させる事により、上記ステアリングコラムが前方に変位するのを許容する第二の延長部を、それぞれ設けている衝撃吸収式ステアリングコラムの支持装置。
- 各透孔又は各第一の透孔の幅が、後端部で結合部材の外径よりも大きく、前端部でこの外径以下である、請求項1又は請求項3に記載した衝撃吸収式ステアリングコラムの支持 装置。
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