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JP3668579B2 - 電極用スラリー - Google Patents

電極用スラリー Download PDF

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JP3668579B2
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池の電極を作製するために集電体の表面に塗布される電極用スラリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、また、充放電サイクル特性や負荷特性、安全性などに優れるため、近年脚光を浴びている。この電池は、既にビデオカメラやノート型パソコンあるいは携帯電話などに大量の需要が見込まれ、今後は電気自動車用の電池への応用も期待される。
【0003】
一般にリチウムイオン二次電池は、正負の電極をセパレータを介して対向配置すると共にこれらを非水電解液に浸漬した構成を有する(図1参照)。そして、電極としては、金属箔からなる集電体2a,2bの表面に電極活物質を付着させたものが使用される。通常、正極用の電極活物質(正極活物質)にはリチウム含有複合酸化物(以下、単にリチウム酸化物という)が使用され、負極用の電極活物質(負極活物質)には炭素材料が使用される。
【0004】
電極活物質は、スラリーの状態で集電体2a,2bの両面に塗布される。これはその後乾燥され、次いでロールプレス機により圧縮された後、電池缶に組み込まれて電極とされる。上記スラリー即ち電極用スラリーは、電極活物質をバインダー溶液に混合・分散したものである。そして、バインダー溶液は、電極活物質の粒子間および電極活物質と集電体を結着するためのバインダーを、有機溶剤に溶解してなる。
【0005】
この有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が使用される。また、バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)が使用される。電極用スラリーは、集電体2a,2bの表面に均一に塗布しなければならないので、電極活物質はバインダー溶液によく混合・分散している必要があり、かつ電極用スラリーの粘度μも20≦μ≦100dPa・s程度でなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バインダー溶液にNMPを使用し、かつ電極活物質としてニッケルを含有したリチウム酸化物、即ちLiNiO あるいは組成式LiNi 1−x で示されるもの(但しMはAl、Mn、Co、Cr、Feのうちの1種で、1>x≧0))を使用した場合、この電極活物質をバインダー溶液に混合・分散して電極用スラリーを作ると、得られたスラリーには常に多少のゲル化が見られ、塗工ができなかったり、塗工できても剥離しやすかったり、剥離がなくても塗工厚みにムラを生じたりする問題があった。かかる問題は超音波により分散溶解させる時に起こりやすかった。また、この現象は、電極活物質として、上記のニッケルを含有したリチウム酸化物に例えば炭素材料を含む場合でも同様に発生した。電極活物質が集電体から剥離しやすくなると、そのもろさ故にスパイラル状に電極を巻き取ることができなくなる。また厚さムラがあると部分的に正極および負極の容量バランスを乱すことになるため、リチウムの析出による爆発やその他電池性能を悪化させる諸問題を生じさせてしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、バインダー溶液の有機溶剤としてNMPを使用する場合に、そのバインダー溶液にリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質を混合・分散しても、ゲル状にならずによく分散している電極用スラリーを提供することにある。
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、これらの問題点の大小がNMPの性状や不純物と関係することを見い出して、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のうち請求項1記載の発明は、リチウムイオン二次電池の電極を作製するために集電体の表面に塗布される電極用スラリーにおいて、該電極用スラリーはN−メチル−2−ピロリドンにバインダーを溶解してなるバインダー溶液にリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質が混合・分散されてなり、上記N−メチル−2−ピロリドンとして、該N−メチル−2−ピロリドンの中の5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピロリドンの濃度αが0≦α≦500ppmとなるものが使用されていることを特徴とする。このように構成することにより、電極用スラリーはゲル状にならずにリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質がよく分散している。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、上記N−メチル−2−ピロリドンを10重量%の濃度で水に溶解したときの水溶液のpHが5≦pH≦7となるものが使用されていることを特徴とする。このように構成しても、電極用スラリーはゲル状にならずにリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質がよく分散している。
【0011】
請求項1及び2のいずれの発明においても、電極活物質としては、請求項3記載のように、MをAl、Mn、Co、Cr、Feのうちの1種とするとき、組成式LiNi1-x x 2 (但し1>x≧0)で示されるニッケルを含有したリチウム含有複合酸化物及びこのリチウム含有複合酸化物を含むものが使用できる。また、請求項4記載のように、炭素材料を含むものを使用することもできる。この炭素材料としては、例えば黒鉛材料、難黒鉛性炭素、無定形炭素(コークス)などを挙げることができる。また、上記バインダーは、電極活物質の粒子間及び電極活物質と集電体とを結着するためのもので、このバインダーとしては、請求項5記載のように、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の電極用スラリーを用いて作製される電極は、リチウムイオン二次電池に組み込まれる。この電池は一般に、図1に示す如く、正負の電極がセパレータ3を介して対面配置されると共にそれらが非水電解液4内に浸漬された構成を有するもので、エネルギー密度が高く、また、充放電サイクル特性、負荷特性、安全性などに優れる。尚、図1に記載された元素については一例を示すもので、リチウムイオン二次電池にはこれら以外の元素で構成されるものもある。
【0013】
本発明の電極用スラリーの説明をする前に、まず一般のリチウムイオン二次電池について以下に概要を記す。但し、本発明に係る電極用スラリーは、下記のリチウムイオン二次電池の構成そのものには特に制限されるものではない。
【0014】
上記非水電解液4は、有機溶媒にリチウム塩を溶解してなるものである。このリチウム塩としては例えばLiClO4 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiAsF6 などが使用され、これらの2種以上を併用することもできる。上記有機溶媒としては例えばプロピレンカーボネート(PC),エチレンカーボネート(EC),ジメチルカーボネート(DMC),ジエチルカーボネート(DEC),エチルメチルカーボネート(EMC)などが使用され、これらの2種以上からなる混合溶媒を使用することもできる。
【0015】
正極は、金属箔からなる集電体2aに正極活物質を付着させてなる。この集電体2aとしては通常アルミニウム箔が使用される。集電体2aの両面に正極活物質としてリチウム含有複合酸化物(以下、単にリチウム酸化物という)を含むものが付着せしめられる。リチウム酸化物としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2 ),マンガン酸リチウム(LiMn2 4 ),ニッケル酸リチウム(LiNiO2 )などがある。
【0016】
上記正極活物質は、電極を作製する際にスラリーの状態で上記集電体2aの両面に塗布される。そして、これを乾燥し、更にロールプレス機で圧縮した後、正極として使用される。このスラリー即ち電極用スラリーは、有機溶剤にバインダーを溶解して作ったバインダー溶液に、例えば上記ニッケル酸リチウム(LiNiO2 )及び黒鉛粉末を混合した後、これらを超音波分散機などで分散させて作られる。ここで、有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が使用され、また、バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)が使用される。また、上記黒鉛粉末は、主として正極活物質の導電性を良好にするために添加される。
【0017】
負極は、金属箔からなる集電体2bに負極活物質を付着させてなる。この集電体2bとしては通常銅箔が使用される。集電体2bの両面には負極活物質として炭素材料が付着せしめられる。この炭素材料としては、例えば黒鉛材料(天然黒鉛や人造黒鉛)、難黒鉛性炭素、無定形炭素(コークス)などがある。
【0018】
この負極活物質も、上記正極活物質と同様にスラリーの状態で上記集電体2bの両面に塗布される。そして、これを乾燥し、更にロールプレス機で圧縮した後、負極として使用される。このスラリー即ち電極用スラリーは、有機溶剤にバインダーを溶解して作ったバインダー溶液に、黒鉛粉末を混合した後、これを超音波分散機などで分散させて作られる。ここで、有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が使用され、また、バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)が使用される。
【0019】
本発明は上記のような電極用スラリーに係るものである。即ち、本発明の電極用スラリーは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にバインダーを溶解してなるバインダー溶液に電極活物質が混合・分散されてなり、上記NMPとして、該NMPを10重量%の濃度で水に溶解したときの水溶液のpHが5≦pH≦7となるものが使用されている。こうすることにより、この電極用スラリーはゲル状にならずに電極活物質がよく分散しており、また、その粘度μも集電体に塗布するのに好適な20≦μ≦100dPa・s程度となる。
【0020】
ここで、NMPを10重量%の濃度で水に溶解したときの水溶液のpHが5≦pH≦7となるようにするには、NMPの酸化により生成する5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピロリドン(5−ヒドロキシ−NMP)の濃度αを、0≦α≦500ppmの範囲内とすることにより実現できる。
【0021】
そこで、本発明の電極用スラリーの別の態様は、NMPにバインダーを溶解してなるバインダー溶液に電極活物質が混合・分散されてなり、上記NMPとして、該NMP中の5−ヒドロキシ−NMPの濃度αが0≦α≦500ppmとなるものが使用されている。こうすることによっても、この電極用スラリーはゲル状にならずに電極活物質がよく分散しており、また、その粘度μも集電体に塗布するのに好適な20≦μ≦100dPa・s程度となる。
【0022】
ここで、NMP中の5−ヒドロキシ−NMPの濃度αを、0≦α≦500ppmとするための方法について説明する。5−ヒドロキシ−NMPは、上記のようにNMPの酸化によって生成するためNMP内に混在するが、この5−ヒドロキシ−NMPは、NMPに対する蒸留などの分離操作によって分離できる。これにより、NMP中の5−ヒドロキシ−NMPの濃度αを0≦α≦500ppmの範囲内とすることができる。
【0023】
次に、NMPの蒸留方法について説明する。蒸留されているはずの通常に市販されているNMPは、何故か上記pH範囲および5−ヒドロキシ−NMP濃度範囲を満足しない。市販品には他にN−メチルスクシイミドやγ−ブチロラクトンなどを不純物として含んでいる。従って、蒸留に際しては、使用する装置や条件に応じて、pHや5−ヒドロキシ−NMPが前記範囲になるように蒸留塔有効段数を決定する必要がある。蒸留は酸化防止のために当然不活性気流中での減圧蒸留である。温度は110℃以下が好ましい。
【0024】
さらに蒸留時にNMPに対して5%以上の水を添加すると、前記の範囲の溶剤を容易に得ることができる。その場合、第1工程でNMP含有量が50〜300ppm以下の水を初溜として抜き出し、次に(第2工程として)110℃以下で精溜し、かつ全NMPの3〜15%の量の高沸点部分残渣を廃棄することが好ましい。好ましい本溜は水分が0.01〜0.02%のものである。両工程とも窒素気流中減圧下に行われる。5−ヒドロキシ−NMPが存在しなくなればN−メチルスクシイミドも存在しなくなる。両者はNMPの過酸化物からそれぞれ生成したものと考えられる。
【0025】
以上の本発明の電極用スラリーにおいては、電極活物質として、MをAl、Mn、Co、Cr、Feのうちの1種とするとき、組成式LiNi1-x x 2 (但し1>x≧0)で示されるニッケルを含有したリチウム酸化物を含むものとすることが可能である。集電体にこのような電極活物質を付着させてなる電極は正極となる。また、電極活物質は炭素材料を含むものとすることもできる。この場合、集電体に炭素材料のみを付着させた電極は負極となるが、炭素材料を上記リチウム酸化物あるいはその他のリチウム酸化物に混合して、それを集電体に付着させてなる電極は正極となる。
【0026】
また、本発明の電極用スラリーにおいては、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用することができる。但し、バインダーはこれに限定されるものではなく、例えばエチレンプロピレンジェンモノマー(EPDM)などを使用してもよい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。実施例は本発明を例示的に示したものであって、本発明を制限するものではない。
【0028】
実施例1
表1に記載のNMP(種類A)350gにPVDF30gを加え、マグネチックスターラーで12時間撹拌してPVDFを溶解させ、バインダー溶液とした。このバインダー溶液に、平均粒径10μmのLiNiO2 440gとアセチレンブラック30gを加え混合した。この混合物を超音波分散機で分散させ、電極用スラリーを得た。この電極用スラリーには凝集は認められなかった。回転式粘度計で上記電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは25dPa・sであった。
【0029】
実施例2
表1に記載のNMP(種類B)を用いた以外はすべて実施例1と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは25dPa・sであった。
【0030】
実施例3
表1に記載のNMP(種類C)を用いた以外はすべて実施例1と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは25dPa・sであった。
【0031】
実施例4
表1に記載のNMP(種類D)を用いた以外はすべて実施例1と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは24dPa・sであった。
【0032】
実施例5
表1に記載のNMP(種類A)500gにPVDF30gを加え、マグネチックスターラーで12時間撹拌してPVDFを溶解させ、バインダー溶液とした。このバインダー溶液に、平均粒径15μmのLiNi0.8 Co0.2 2 440gとアセチレンブラック30gを加え混合した。この混合物を超音波分散機で分散させ、電極用スラリーを得た。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で上記電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは31dPa・sであった。
【0033】
実施例6
表1に記載のNMP(種類B)を用いた以外はすべて実施例5と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは32dPa・sであった。
【0034】
実施例7
表1に記載のNMP(種類C)を用いた以外はすべて実施例5と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは30dPa・sであった。
【0035】
実施例8
表1に記載のNMP(種類D)を用いた以外はすべて実施例5と同様に電極用スラリーを作製した。この電極用スラリーにも凝集は認められなかった。回転式粘度計で電極用スラリーの粘度μを測定したところ、粘度μは29dPa・sであった。
【0036】
以上の実施例の結果を表2に示す。次に、上記実施例と比較するため、本発明の範囲に含まれない電極用スラリーについて記す。
比較例1
表1に記載のNMP(種類E)を用いた以外はすべて実施例1と同様に電極用スラリーを作製した。ところが、バインダー溶液にLiNiO2 とアセチレンブラックを混合した後、その混合物を超音波分散機で分散したら、スラリーがゲル状に硬化した。粘度μの測定は不可能であった。
【0037】
比較例2
表1に記載のNMP(種類E)を用いた以外はすべて実施例5と同様に電極用スラリーを作製した。ところが、バインダー溶液にLiNi0.8 Co0.2 2 とアセチレンブラックを混合した後、その混合物を超音波分散機で分散したら、スラリーがゲル状に硬化した。この場合も粘度μの測定は不可能であった。
【0038】
以上の比較例の結果についても表2に示した。上記実施例及び比較例の結果から、本発明の電極用スラリーによれば、バインダー溶液に、電極活物質としてニッケルを含有したリチウム酸化物を含むもの、即ちLiNiO2 とアセチレンブラックあるいはLiNi0.8 Co0.2 2 とアセチレンブラックを混合・分散しても、その際に得られる電極用スラリーはゲル状にならずに電極活物質がよく分散していることが明らかである。また、得られる電極用スラリーの粘度μは、すべて集電体に塗布するのに好適な20≦μ≦100dPa・sの範囲内に収まっている。
【0039】
これに対し、本発明の範囲に含まれない電極用スラリーは、バインダー溶液にLiNiO2 とアセチレンブラックあるいはLiNi0.8 Co0.2 2 とアセチレンブラックを混合・分散しようとすると、スラリーがゲル状に硬化して、電極用スラリーとして使用できなくなる。
【0040】
【表1】
Figure 0003668579
【0041】
【表2】
Figure 0003668579
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、電極用スラリーはN−メチル−2−ピロリドンにバインダーを溶解してなるバインダー溶液に電極活物質が混合・分散されてなり、上記N−メチル−2−ピロリドンとして、該N−メチル−2−ピロリドンの中の5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピロリドンの濃度αが0≦α≦500ppmとなるものが使用されているので、該電極用スラリーはゲル状にならずにリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質がよく分散しており、また、その粘度は集電体へ塗布するのに好適な範囲内にある。
【0043】
また、請求項2記載の発明によれば、N−メチル−2−ピロリドンを10重量%の濃度で水に溶解したときの水溶液のpHが5≦pH≦7となるものが使用されているので、該電極用スラリーはゲル状にならずにリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質がよく分散しており、また、その粘度は集電体へ塗布するのに好適な範囲内にある。
【0044】
また、請求項3記載の発明によれば、電極活物質が、MをAl、Mn、Co、Cr、Feのうちの1種とするとき、組成式LiNi1-x x 2 (但し1>x≧0)で示されるニッケルを含有したリチウム含有複合酸化物を含むため、請求項1又は2に記載の発明による上記効果に加えて、このニッケルを含有したリチウム酸化物を電極活物質として具備する電極(正極)を作製することが可能となる。
【0045】
また、請求項4記載の発明によれば、電極活物質が炭素材料を含むため、請求項1又は2に記載の発明による上記効果に加えて、同一のバインダー溶液を使用して、電極活物質として炭素材料を具備する電極(負極)を作製することもできる。
【0046】
また、請求項5記載の発明によれば、バインダーがポリフッ化ビニリデンであるため、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明による上記効果に加えて、上記バインダーとして特殊な合成樹脂を準備する必要がなく、このため電極用スラリーを容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムイオン二次電池の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池
2a,2b 集電体
3 セパレータ
4 非水電解液
5 充電器

Claims (5)

  1. リチウムイオン二次電池の電極を作製するために集電体の表面に塗布される電極用スラリーにおいて、該電極用スラリーはN−メチル−2−ピロリドンにバインダーを溶解してなるバインダー溶液にリチウム含有複合酸化物からなる電極活物質が混合・分散されてなり、上記N−メチル−2−ピロリドンとして、該N−メチル−2−ピロリドンの中の5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピロリドンの濃度αが0≦α≦500ppmとなるものが使用されていることを特徴とする電極用スラリー。
  2. 上記N−メチル−2−ピロリドンを10重量%の濃度で水に溶解したときの水溶液のpHが5≦pH≦7となるものが使用されていることを特徴とする請求項1記載の電極用スラリー。
  3. 上記電極活物質が、MをAl、Mn、Co、Cr、Feのうちの1種とするとき、組成式LiNi1−x(但し1>x≧0)で示されるニッケルを含有したリチウム含有複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電極用スラリー
  4. 上記電極活物質が炭素材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電極用スラリー
  5. 上記バインダーがポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極用スラリー。
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