JP3668004B2 - 溶融紡糸装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性合成繊維の溶融紡糸において、デニール斑(繊度斑)や不均一冷却が生じない溶融紡糸装置に関し、特に単繊維繊度が0.6デニール以下のマルチフィラメントからなる極細単繊維糸条を溶融紡糸するための溶融紡糸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性合成樹脂からなる繊維を溶融紡糸するに当たって、溶融した熱可塑性ポリマーを紡糸口金から吐出させ、紡出糸条群を横切る方向に流れる冷却風により冷却した後、延伸して引き取ることが行われている。
【0003】
このような溶融紡糸によって得られる単繊維鮮度が0.6デニール以下の極細繊維は、人工皮革や高級衣料等の高付加価値製品の素材として用いられている。このような用途に用いられる極細繊維としては、単繊維繊度として少なくとも1.0デニール以下であって、単繊維の集合体であるマルチフィラメント糸条とした場合の繊度が、20デニール以上であることが要求される。したがって、このような極細繊維を製造するためには、多ホールの紡糸口金を使用して紡糸する事が必須になる。
【0004】
しかしながら、このような多ホール紡糸においては、紡出糸条を冷却固化させる過程で冷却の不均一を生じやすい。この冷却の不均一は、マルチフィラメント糸条を構成する各単繊維間に物性のバラツキを生じる原因となって、糸切れ等の工程トラブル、各単繊維における長さ方向の繊度斑、染斑等となって現れ、十分な品質を持つ極細マルチフィラメント糸条を得る事が難しかった。特に、紡出された糸条を横切るようにして冷却風を吹き付ける場合において、紡出糸条がこの冷却風の影響を受けて揺動する場合にこのような現象が生じる。
【0005】
また、生産性を向上させる等の理由のために、近年、紡糸速度の高速化が図られるようになってきたが、このために走行する紡出糸条に随伴する気流が紡速の増大とともに益々増大することとなり、この随伴気流が紡出糸条の糸揺れの大きな原因ともなっている。
【0006】
このような問題を解決するために、従来から種々の検討がなされている。例えば、特開平4−18107号公報には、紡糸口金に穿設するポリマー吐出孔の配列を工夫して、冷却風の吹出し側と反吹出し側の紡出糸条の冷却差を解消すると共に、冷却風が紡出糸条の間を容易に通過できるように、冷却風の通過性を向上させることで、冷却の不均一を解消することが提案されている。
【0007】
しかしながら、この方法では、多ホール化や高速化による随伴気流の増大と、これによって誘起される糸揺れが原因となる繊度斑の発生については何等の考慮も払われていないため、特に、90ホール以上の多ホール紡糸や2500m/分以上の高速紡糸において、前記の糸揺れが顕著となる。
【0008】
したがって、特公昭59−40923号公報、特開昭63−145407号公報等には、整流板を糸条群の走行方向に沿って配設したり、冷却風の吹出し側と対向して設けた整流板を介して外気を吸気することで、冷却風の乱れを解消しながら、紡出糸条の冷却の均一化を図り、マルチフィラメント糸条の繊度斑を解消する方法が提案されている。
【0009】
しかし、この方法においても、前記の多ホール化や高速化による随伴気流の増大によって誘起される糸揺れや冷却風の単繊維間への通過容易性に関しては、何等の配慮もされていないため、糸切れや繊度斑の発生を減少させるためには十分でない。しかも、前述のような極細繊維を高速で紡糸しようとすると、糸条の細化完了点は通常紡糸の場合と比較して、紡糸口金方向へとシフトするため、紡出糸条を徐冷する徐冷ゾーン内での気流の乱れが前述のような繊度斑等の問題を惹起する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み成されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、以下の通りである。
すなわち、紡出されたマルチフィラメント糸条を横切るように冷却風を該糸条に吹き付けて、溶融したマルチフィラメント糸条を冷却固化する際に、主として糸条の糸揺れに起因する繊度斑や不均一冷却を防止できる溶融紡糸装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明によれば下記のような手段が提供される。
すなわち、「多数本の熱可塑性合成単繊維からなる熱可塑性合成繊維糸条を紡出するための多ホール紡糸口金、該紡出糸条を徐冷するための徐冷ゾーン、該紡出糸条が走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する冷却風遮断部材、及び該紡出糸条を横切るように吹出された冷却風によって該紡出糸条を冷却する冷却装置をこの順に設け、その際、
紡出糸条が走行する筒状の走行空間を有し、該走行空間の下端開口の糸条走行方向への投影面が冷却風遮断部材の開口に略重なるように形成した筒状のスペーサを、紡糸口金と冷却風遮断部材との間の徐冷ゾーンに紡出糸条に近接させて付設した溶融紡糸装置」が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施態様例である、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘(図の実施態様では4錘)の熱可塑性合成繊維糸条群Yを紡出するための極細繊維用溶融紡糸装置を模式的に示した側断面図である。また、図2はその正断面図である。
【0013】
該図において、Yはマルチフィラメントからなる紡出糸条、1は紡糸パック、2は多ホールの紡糸口金、3は冷却風遮断部材、4は冷却風供給室、5は冷却風の均圧化部材、6は給気整流部材、6′は吸気整流部材、7は紡出糸条Yがその内部を走行する筒状のスペーサ、8は油剤付与ガイドを兼ねる糸条集束ガイド、そして、9は冷却紡糸筒をそれぞれ示す。なお、該紡出糸条Yを徐冷するために紡糸口金2と冷却風遮断部材3との間には、徐冷ゾーンが設けられるが、この徐冷ゾーンは本発明では明示しないが、通常、加熱されてその内部雰囲気を一定の温度に維持する保温筒によって囲繞されている。
【0014】
ここで、前記の吸気整流部材6′は、紡出糸条Yを間に挟んで給気整流部材6に対向して設けられ、かつ冷却紡糸筒9の外部から内部へ整流された外気を吸気する役割を果たしている。また、冷却風遮断部材3は、紡糸口金2直下の徐冷ゾーンへ冷却風が進入しないように、紡出糸条Yが走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する設けられたものである。なお、本発明で言う「冷却装置」とは、図1の実施態様では、冷却風供給室4、冷却風の均圧化部材5、給気整流部材6、吸気整流部材6′、及び冷却紡糸筒9を含んで構成された装置を指す。
【0015】
この時、冷却風の均圧化部材5は、冷却風が通過する際に圧力損失が生じるような金網フィルター、通気性の焼結金属等の如き部材で製作することが好ましい。何故ならば、これによって冷却風供給室4の冷却風吹出し部においては、冷却風の吹出し圧力、風速、及び風量等の分布を紡速、紡糸糸条の銘柄等の紡糸条件に対応したプロファイルに制御できるからである。このような好ましいプロファイルに制御された冷却風は、整流された冷却風を供給する給気整流部材6から冷却紡糸筒9内の紡出糸条Yを横切る方向へ供給される。
【0016】
以上のように構成された溶融紡糸装置において、紡糸パック1に取り付けられた多ホール紡糸口金2から紡出された糸条Yは、紡糸口金直下の保温筒7によって内部雰囲気温度を所定の値に維持された徐冷ゾーンL1に導かれる。そして、これに引き続いて、冷却装置によって冷却される冷却ゾーンL2へと導かれる。この冷却ゾーンL2において、ハニカム等の整流作用を有する部材で構成された給気整流部材6から紡出糸条Yを横切る方向へ供給された冷却風によって、冷却固化される。更に、油剤付与ガイドを兼ねる糸条集束ガイド8で油剤が付与されると共に集束され、糸条に交絡処理が施された後、引き取られる。
【0017】
この時、紡出糸条Yを横切るように供給される冷却風は、走行糸条Yに随伴する気流と共に下方へと流れ、この冷却風の流れによって冷却紡糸筒9内の動圧は上昇するが、逆に冷却紡糸筒9内の静圧は低下する。このため、吸気整流部材6′を介して整流された外気は、冷却紡糸筒9の内部へと自然に流入し、この方向からも紡出糸条Yは冷却される。なお、該吸気整流部材6′の設置長さは、紡糸条件に対応させて、適宜好ましい条件にすれば良い。例えば、ポリエステルの溶融紡糸においては、その有効長を紡出糸条Yの走行方向に沿って300〜700mmとすることが好ましい。
【0018】
次に、本発明の一大特徴をなすスペーサ7について以下に詳細に説明する。
紡出糸条Yが走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する冷却風遮断部材3は、前述のように徐冷ゾーンへ冷却風が流入して、その雰囲気温度が擾乱されることを防止する目的をもって設けられている。このため、紡出糸条Yが走行するための開口は、紡出糸条Yに近接させて設ける必要が有る。
【0019】
しかしながら、冷却風遮断部材3に接触せずに紡出糸条Yを安定して走行させるためには、紡出糸条Yに近接させる開口の大きさには限界が有る。しかも、一般に直列錘配置の多錘紡糸装置では、単繊維同士の密着防止や繊度斑防止の観点から、冷却装置の上流側の冷却風の吹出し風速を下流側より速くするという設計がなされる。このため、どうしても冷却風遮断部材3の開口から冷却風が徐冷ゾーンへ流入するという現象が発生する。このような現象に対しては、単繊維デニールがある程度大きな繊維では致命的な影響を受けないが、特に単繊維繊度が0.6デニール以下の極細単繊維においては、その影響を大きく受けることは言うまでもない。また、多錘の溶融紡糸装置において、その隣接する錘の糸条同士の相互作用を受け易いことも言うまでもない。したがって、本発明は、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘糸条群を紡糸する溶融紡糸装置において、より大きな効果を奏する。
【0020】
このため、単に冷却風遮断部材3の開口を紡出糸条Yに近接させて設けるだけでは、前記の諸問題を解決できず、このため、図1と図2とにおいて示すような紡出糸条Yがその内部を走行する筒状のスペーサ7を紡出糸条に近接して設ける必要がある。このとき、該筒状のスペーサ7は、紡出糸条Yが走行する筒状の走行空間を有し、該走行空間の下端開口の糸条走行方向への投影面が冷却風遮断部材3の開口に略重なるように形成されていることが好ましい。
【0021】
ここで、前記のスペーサ7を徐冷ゾーンに設けない場合には、冷却風遮断部材3の開口部で一旦気流の流れが急に絞られるため、この部分で気流は急に縮流して乱れが生じる。しかしながら、前記のようなスペーサ7を設ける本発明の実施態様によれば、紡出糸条Yが走行する方向に沿って、徐冷ゾーンの走行空間を徐々に狭めることができ、急な縮流部が現出することを避けることができる。したがって、徐冷ゾーン内の気流の流れを円滑にし、徐冷ゾーン内での気流の乱れを防止することができ、紡出糸条Yの糸揺れを抑制することができる。
【0022】
このとき、本発明のスペーサ7は、紡糸口金2と冷却風遮断部材3とに対してそれぞれ僅かな間隙(0.2mm〜数mm程度)を開けて非接触に設けることが好ましい。このようにしてスペーサ7を紡糸口金2と冷却風遮断部材3とから断熱し、これら紡糸口金2と冷却風遮断部材3とからスペーサ7への熱伝導によってスペーサ7の温度が撹乱させられる要因を減少させることができる。そして、これによって徐冷ゾーンの雰囲気温度を一定値に維持することが容易となり、紡出された各単繊維関に不均一加熱による品質斑の発生が生ずるのを防止できる。また、紡糸口金2とスペーサ7との間に間隙を形成することで、この間隙から加熱気流が糸条の走行域へ流入させることができ、より一層徐冷ゾーン内の気流の流れを円滑にすることができる。
【0023】
更に、本発明のスペーサ7においては、徐冷ゾーンの紡出糸条の走行方向に沿って保温筒との間で中空部を形成させることが好ましい。このようにスペーサ7を構成することで中空部の雰囲気を加熱でき、該加熱された雰囲気や該中空部に新たに加熱気体を導入することによって、スペーサ7を一定温度に制御することができる。
【0024】
また、本発明のスペーサ7においては、紡出糸条Yが出入りする両端部にそれぞれ鍔を設けることが好ましい。この様にすることで、スペーサ7と冷却風遮断部材3との間隙から冷却風が前記の中空部へ侵入する際の気流の流入抵抗を大きくすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上に述べた本発明によれば、紡出されたマルチフィラメント糸条を横切るように冷却風を該糸条に吹き付けて、溶融したマルチフィラメント糸条を冷却固化する際に、主として糸揺れに起因する繊度斑や不均一冷却を防止できる。この場合、特に、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘の糸条群を紡糸する溶融紡糸装置において、より大きな効果を奏する。
【0026】
このように本発明によれば、冷却の不均一や冷却風の乱れによる糸揺れの発生等を解消することができ、繊度斑、染斑、及び、断糸のない良好な糸条、特に単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなるマルチフィラメント糸条を多錘紡糸によって得ることができるという極めて大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融紡糸装置を模式的に例示した側断面図である。
【図2】本発明の溶融紡糸装置を模式的に例示した正断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸パック
2 紡糸口金
3 冷却風遮断部材
4 冷却風供給室
5 冷却風の均圧化部材
6 給気整流部材
6′ 吸気整流部材
7 スペーサ
Y 紡出糸条
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性合成繊維の溶融紡糸において、デニール斑(繊度斑)や不均一冷却が生じない溶融紡糸装置に関し、特に単繊維繊度が0.6デニール以下のマルチフィラメントからなる極細単繊維糸条を溶融紡糸するための溶融紡糸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性合成樹脂からなる繊維を溶融紡糸するに当たって、溶融した熱可塑性ポリマーを紡糸口金から吐出させ、紡出糸条群を横切る方向に流れる冷却風により冷却した後、延伸して引き取ることが行われている。
【0003】
このような溶融紡糸によって得られる単繊維鮮度が0.6デニール以下の極細繊維は、人工皮革や高級衣料等の高付加価値製品の素材として用いられている。このような用途に用いられる極細繊維としては、単繊維繊度として少なくとも1.0デニール以下であって、単繊維の集合体であるマルチフィラメント糸条とした場合の繊度が、20デニール以上であることが要求される。したがって、このような極細繊維を製造するためには、多ホールの紡糸口金を使用して紡糸する事が必須になる。
【0004】
しかしながら、このような多ホール紡糸においては、紡出糸条を冷却固化させる過程で冷却の不均一を生じやすい。この冷却の不均一は、マルチフィラメント糸条を構成する各単繊維間に物性のバラツキを生じる原因となって、糸切れ等の工程トラブル、各単繊維における長さ方向の繊度斑、染斑等となって現れ、十分な品質を持つ極細マルチフィラメント糸条を得る事が難しかった。特に、紡出された糸条を横切るようにして冷却風を吹き付ける場合において、紡出糸条がこの冷却風の影響を受けて揺動する場合にこのような現象が生じる。
【0005】
また、生産性を向上させる等の理由のために、近年、紡糸速度の高速化が図られるようになってきたが、このために走行する紡出糸条に随伴する気流が紡速の増大とともに益々増大することとなり、この随伴気流が紡出糸条の糸揺れの大きな原因ともなっている。
【0006】
このような問題を解決するために、従来から種々の検討がなされている。例えば、特開平4−18107号公報には、紡糸口金に穿設するポリマー吐出孔の配列を工夫して、冷却風の吹出し側と反吹出し側の紡出糸条の冷却差を解消すると共に、冷却風が紡出糸条の間を容易に通過できるように、冷却風の通過性を向上させることで、冷却の不均一を解消することが提案されている。
【0007】
しかしながら、この方法では、多ホール化や高速化による随伴気流の増大と、これによって誘起される糸揺れが原因となる繊度斑の発生については何等の考慮も払われていないため、特に、90ホール以上の多ホール紡糸や2500m/分以上の高速紡糸において、前記の糸揺れが顕著となる。
【0008】
したがって、特公昭59−40923号公報、特開昭63−145407号公報等には、整流板を糸条群の走行方向に沿って配設したり、冷却風の吹出し側と対向して設けた整流板を介して外気を吸気することで、冷却風の乱れを解消しながら、紡出糸条の冷却の均一化を図り、マルチフィラメント糸条の繊度斑を解消する方法が提案されている。
【0009】
しかし、この方法においても、前記の多ホール化や高速化による随伴気流の増大によって誘起される糸揺れや冷却風の単繊維間への通過容易性に関しては、何等の配慮もされていないため、糸切れや繊度斑の発生を減少させるためには十分でない。しかも、前述のような極細繊維を高速で紡糸しようとすると、糸条の細化完了点は通常紡糸の場合と比較して、紡糸口金方向へとシフトするため、紡出糸条を徐冷する徐冷ゾーン内での気流の乱れが前述のような繊度斑等の問題を惹起する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み成されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、以下の通りである。
すなわち、紡出されたマルチフィラメント糸条を横切るように冷却風を該糸条に吹き付けて、溶融したマルチフィラメント糸条を冷却固化する際に、主として糸条の糸揺れに起因する繊度斑や不均一冷却を防止できる溶融紡糸装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明によれば下記のような手段が提供される。
すなわち、「多数本の熱可塑性合成単繊維からなる熱可塑性合成繊維糸条を紡出するための多ホール紡糸口金、該紡出糸条を徐冷するための徐冷ゾーン、該紡出糸条が走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する冷却風遮断部材、及び該紡出糸条を横切るように吹出された冷却風によって該紡出糸条を冷却する冷却装置をこの順に設け、その際、
紡出糸条が走行する筒状の走行空間を有し、該走行空間の下端開口の糸条走行方向への投影面が冷却風遮断部材の開口に略重なるように形成した筒状のスペーサを、紡糸口金と冷却風遮断部材との間の徐冷ゾーンに紡出糸条に近接させて付設した溶融紡糸装置」が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施態様例である、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘(図の実施態様では4錘)の熱可塑性合成繊維糸条群Yを紡出するための極細繊維用溶融紡糸装置を模式的に示した側断面図である。また、図2はその正断面図である。
【0013】
該図において、Yはマルチフィラメントからなる紡出糸条、1は紡糸パック、2は多ホールの紡糸口金、3は冷却風遮断部材、4は冷却風供給室、5は冷却風の均圧化部材、6は給気整流部材、6′は吸気整流部材、7は紡出糸条Yがその内部を走行する筒状のスペーサ、8は油剤付与ガイドを兼ねる糸条集束ガイド、そして、9は冷却紡糸筒をそれぞれ示す。なお、該紡出糸条Yを徐冷するために紡糸口金2と冷却風遮断部材3との間には、徐冷ゾーンが設けられるが、この徐冷ゾーンは本発明では明示しないが、通常、加熱されてその内部雰囲気を一定の温度に維持する保温筒によって囲繞されている。
【0014】
ここで、前記の吸気整流部材6′は、紡出糸条Yを間に挟んで給気整流部材6に対向して設けられ、かつ冷却紡糸筒9の外部から内部へ整流された外気を吸気する役割を果たしている。また、冷却風遮断部材3は、紡糸口金2直下の徐冷ゾーンへ冷却風が進入しないように、紡出糸条Yが走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する設けられたものである。なお、本発明で言う「冷却装置」とは、図1の実施態様では、冷却風供給室4、冷却風の均圧化部材5、給気整流部材6、吸気整流部材6′、及び冷却紡糸筒9を含んで構成された装置を指す。
【0015】
この時、冷却風の均圧化部材5は、冷却風が通過する際に圧力損失が生じるような金網フィルター、通気性の焼結金属等の如き部材で製作することが好ましい。何故ならば、これによって冷却風供給室4の冷却風吹出し部においては、冷却風の吹出し圧力、風速、及び風量等の分布を紡速、紡糸糸条の銘柄等の紡糸条件に対応したプロファイルに制御できるからである。このような好ましいプロファイルに制御された冷却風は、整流された冷却風を供給する給気整流部材6から冷却紡糸筒9内の紡出糸条Yを横切る方向へ供給される。
【0016】
以上のように構成された溶融紡糸装置において、紡糸パック1に取り付けられた多ホール紡糸口金2から紡出された糸条Yは、紡糸口金直下の保温筒7によって内部雰囲気温度を所定の値に維持された徐冷ゾーンL1に導かれる。そして、これに引き続いて、冷却装置によって冷却される冷却ゾーンL2へと導かれる。この冷却ゾーンL2において、ハニカム等の整流作用を有する部材で構成された給気整流部材6から紡出糸条Yを横切る方向へ供給された冷却風によって、冷却固化される。更に、油剤付与ガイドを兼ねる糸条集束ガイド8で油剤が付与されると共に集束され、糸条に交絡処理が施された後、引き取られる。
【0017】
この時、紡出糸条Yを横切るように供給される冷却風は、走行糸条Yに随伴する気流と共に下方へと流れ、この冷却風の流れによって冷却紡糸筒9内の動圧は上昇するが、逆に冷却紡糸筒9内の静圧は低下する。このため、吸気整流部材6′を介して整流された外気は、冷却紡糸筒9の内部へと自然に流入し、この方向からも紡出糸条Yは冷却される。なお、該吸気整流部材6′の設置長さは、紡糸条件に対応させて、適宜好ましい条件にすれば良い。例えば、ポリエステルの溶融紡糸においては、その有効長を紡出糸条Yの走行方向に沿って300〜700mmとすることが好ましい。
【0018】
次に、本発明の一大特徴をなすスペーサ7について以下に詳細に説明する。
紡出糸条Yが走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する冷却風遮断部材3は、前述のように徐冷ゾーンへ冷却風が流入して、その雰囲気温度が擾乱されることを防止する目的をもって設けられている。このため、紡出糸条Yが走行するための開口は、紡出糸条Yに近接させて設ける必要が有る。
【0019】
しかしながら、冷却風遮断部材3に接触せずに紡出糸条Yを安定して走行させるためには、紡出糸条Yに近接させる開口の大きさには限界が有る。しかも、一般に直列錘配置の多錘紡糸装置では、単繊維同士の密着防止や繊度斑防止の観点から、冷却装置の上流側の冷却風の吹出し風速を下流側より速くするという設計がなされる。このため、どうしても冷却風遮断部材3の開口から冷却風が徐冷ゾーンへ流入するという現象が発生する。このような現象に対しては、単繊維デニールがある程度大きな繊維では致命的な影響を受けないが、特に単繊維繊度が0.6デニール以下の極細単繊維においては、その影響を大きく受けることは言うまでもない。また、多錘の溶融紡糸装置において、その隣接する錘の糸条同士の相互作用を受け易いことも言うまでもない。したがって、本発明は、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘糸条群を紡糸する溶融紡糸装置において、より大きな効果を奏する。
【0020】
このため、単に冷却風遮断部材3の開口を紡出糸条Yに近接させて設けるだけでは、前記の諸問題を解決できず、このため、図1と図2とにおいて示すような紡出糸条Yがその内部を走行する筒状のスペーサ7を紡出糸条に近接して設ける必要がある。このとき、該筒状のスペーサ7は、紡出糸条Yが走行する筒状の走行空間を有し、該走行空間の下端開口の糸条走行方向への投影面が冷却風遮断部材3の開口に略重なるように形成されていることが好ましい。
【0021】
ここで、前記のスペーサ7を徐冷ゾーンに設けない場合には、冷却風遮断部材3の開口部で一旦気流の流れが急に絞られるため、この部分で気流は急に縮流して乱れが生じる。しかしながら、前記のようなスペーサ7を設ける本発明の実施態様によれば、紡出糸条Yが走行する方向に沿って、徐冷ゾーンの走行空間を徐々に狭めることができ、急な縮流部が現出することを避けることができる。したがって、徐冷ゾーン内の気流の流れを円滑にし、徐冷ゾーン内での気流の乱れを防止することができ、紡出糸条Yの糸揺れを抑制することができる。
【0022】
このとき、本発明のスペーサ7は、紡糸口金2と冷却風遮断部材3とに対してそれぞれ僅かな間隙(0.2mm〜数mm程度)を開けて非接触に設けることが好ましい。このようにしてスペーサ7を紡糸口金2と冷却風遮断部材3とから断熱し、これら紡糸口金2と冷却風遮断部材3とからスペーサ7への熱伝導によってスペーサ7の温度が撹乱させられる要因を減少させることができる。そして、これによって徐冷ゾーンの雰囲気温度を一定値に維持することが容易となり、紡出された各単繊維関に不均一加熱による品質斑の発生が生ずるのを防止できる。また、紡糸口金2とスペーサ7との間に間隙を形成することで、この間隙から加熱気流が糸条の走行域へ流入させることができ、より一層徐冷ゾーン内の気流の流れを円滑にすることができる。
【0023】
更に、本発明のスペーサ7においては、徐冷ゾーンの紡出糸条の走行方向に沿って保温筒との間で中空部を形成させることが好ましい。このようにスペーサ7を構成することで中空部の雰囲気を加熱でき、該加熱された雰囲気や該中空部に新たに加熱気体を導入することによって、スペーサ7を一定温度に制御することができる。
【0024】
また、本発明のスペーサ7においては、紡出糸条Yが出入りする両端部にそれぞれ鍔を設けることが好ましい。この様にすることで、スペーサ7と冷却風遮断部材3との間隙から冷却風が前記の中空部へ侵入する際の気流の流入抵抗を大きくすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上に述べた本発明によれば、紡出されたマルチフィラメント糸条を横切るように冷却風を該糸条に吹き付けて、溶融したマルチフィラメント糸条を冷却固化する際に、主として糸揺れに起因する繊度斑や不均一冷却を防止できる。この場合、特に、単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる多錘の糸条群を紡糸する溶融紡糸装置において、より大きな効果を奏する。
【0026】
このように本発明によれば、冷却の不均一や冷却風の乱れによる糸揺れの発生等を解消することができ、繊度斑、染斑、及び、断糸のない良好な糸条、特に単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなるマルチフィラメント糸条を多錘紡糸によって得ることができるという極めて大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融紡糸装置を模式的に例示した側断面図である。
【図2】本発明の溶融紡糸装置を模式的に例示した正断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸パック
2 紡糸口金
3 冷却風遮断部材
4 冷却風供給室
5 冷却風の均圧化部材
6 給気整流部材
6′ 吸気整流部材
7 スペーサ
Y 紡出糸条
Claims (6)
- 多数本の熱可塑性合成単繊維からなる糸条を紡出するための多ホール紡糸口金、該紡出糸条を徐冷するための徐冷ゾーン、紡出糸条が走行するための開口を残して下部からの冷却風の流入を遮断する冷却風遮断部材、及び該紡出糸条を横切るように吹出された冷却風によって該紡出糸条を冷却する冷却装置をこの順に設け、その際、
該紡出糸条が走行する走行空間の下端開口面が該冷却風遮断部材の開口に略重なる走行空間を形成した筒状のスペーサを、該紡糸口金と該冷却風遮断部材との間に該紡出糸条に近接させて、該徐冷ゾーンに付設した溶融紡糸装置。 - 前記の紡糸口金と前記の冷却風遮断部材とに対してそれぞれ僅かな間隙を開けて、前記のスペーサを非接触に設けたことを特徴とする請求項1記載の溶融紡糸装置。
- 前記の徐冷ゾーンに筒状のスペーサによって紡出糸条の走行方向に沿って中空部を形成させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶融紡糸装置。
- 前記の筒状のスペーサの両端部にそれぞれ鍔を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の溶融紡糸装置。
- 単繊維繊度が0.6デニール以下の多数本の極細単繊維からなる熱可塑性合成繊維糸条を紡出する極細繊維用溶融紡糸装置である請求項1〜4の何れか一項に記載の溶融紡糸装置。
- 多錘の糸条群を紡糸するための溶融紡糸装置であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の溶融紡糸装置。
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