JP3661844B2 - 光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ内含機能性フェルールはキャピラリー内に光ファイバを挿入固定したものであり、径の異なるフェルールを用いた光コネクタ間の、径整合用変換器や固定減衰器などに用いられる。
【0003】
従来、光ファイバ内含機能性フェルールは、図5に製造工程を示すように、以下の手順(1) 〜(6) で製造される。図5中、01は長尺キャピラリー、02は光ファイバ挿入穴、03は所望長キャピラリー、04aと04bはテーパー部、05aと05bは端面を示し、Lは所望の長さ、Nは2以上の整数である。
(1) まず、図5(a)に示すように、所望の長さLより長い長尺キャピラリー01を形成する。図5(a)では、長尺キャピラリー01の長さは所望の長さLの整数N倍である。
(2) この長尺キャピラリー01を、図5(b)に示すように、予め所望の長さLで切断して、N本の所望長キャピラリー03を得る。
(3) その後、図5(c)に示すように、所望長キャピラリー03の両端外周を、光コネクタ側フェルールとの結合のために、テーパー状に加工する。
(4) 次に、図5(d)に示すように、テーパー加工された所望長キャピラリー03の光ファイバ挿入穴02に接着剤13を塗布する。
(5) その後、図5(e)に示すように、接着剤13が塗布された所望長キャピラリー03の光ファイバ挿入穴02に光ファイバ14を挿入し、接着固定する。
(6) 最後に、図5(f)に示すように、光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー03の両端面05a、05bを研磨して、光ファイバ内含機能性フェルールとする。
【0004】
表1に、上記従来の製造方法における各作業工程での作業回数を示す。
【0005】
【表1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
長尺キャピラリー01を切断して得た所望長キャピラリー03は、光ファイバ内含機能性フェルールを作製する目的で使用されるために、図5(c)に示したように、予め両端をテーパ状に加工している。また、長尺キャピラリー01の光ファイバ挿入穴02と光ファイバ14のクリアランスは1μm程度である。そのため、従来の製造方法には、下記のような問題点(i) 〜(iii) があった。
(i) 光ファイバ挿入穴02に接着剤13を塗布する際、テーパー部04a、04bを含め、所望長キャピラリー03の側面に接着剤3が付着しないように、細心の注意を払うという必要があり、接着剤13の塗布は精密な作業である。この接着剤塗布作業は、例えば、1本の長尺キャピラリー01から60本の光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合には、60回行われる。
(ii)また、光ファイバ4を光ファイバ挿入穴02に挿入する際にも、クリアランスが1μm程度の光ファイバ挿入穴02に光ファイバ14を挿入する必要があるため、光ファイバ挿入穴02と光ファイバ14との芯合わせ等、非常に精密な作業が要求されていた。この光ファイバ挿入作業も、例えば、1本の長尺キャピラリー01から60本の光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合には、60回行われる。
(iii) このように、従来は、所望の長さLよりも長い長尺キャピラリー01を用いて多数の光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合、精密作業(接着剤塗布作業及び光ファイバ挿入作業)が多数回必要とされるため、光ファイバ内含機能性フェルールは高価なものとなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、光ファイバ内含機能性フェルールを低価格に作製することが可能な方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者は、製造工程の順序を見直すことにより、接着剤塗布及び光ファイバ挿入の作業回数をそれぞれ軽減できることが判った。また、接着剤塗布及び光ファイバ挿入を工夫することにより、それぞれの工程自体を簡便化できることが判った。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
【0009】
請求項1に係る発明の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法は、
所望の長さよりも長い長尺キャピラリーの端部に、接着剤がその塗布の際に長尺キャピラリーの側面に付着することを抑制するフランジを設け、該長尺キャピラリーの光ファイバ挿入穴に接着剤を塗布すること、
該接着剤を塗布した光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入して接着固定すること、
及び、該光ファイバが接着固定された長尺キャピラリーを所望の長さに切断して光ファイバ内含機能性フェルールを作製すること
を特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍の長尺キャピラリーを用いること
を特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍に更に余長を持たせた長尺キャピラリーを用いること
を特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記フランジとして弾性チューブを装着すること
を特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍に更に余長を持たせた長尺キャピラリーを用いること、及び、
該長尺キャピラリーの光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入する前に該長尺キャピラリー先端の余長部分に、光ファイバをその挿入の際に光ファイバ挿入穴へ案内する役目を果たすテーパーガイドを設けること
を特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1から5いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記光ファイバとして屈折率分布が周期的に変化している光ファイバを用いること
を特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1から5いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記光ファイバとして光強度を減衰させる機能を有する光ファイバを用いることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して、本発明に係る光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す。図2は本発明の第2実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す。図3は余長部分にフランジ及びガイド穴を設けた長尺キャピラリーを拡大して示す。図4は本発明の第2実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す。
【0017】
[第1実施形態例]
本発明の第1実施形態例では、図1に示すように、以下の手順(1) 〜(6) により光ファイバ内含機能性フェルールを作製する。図1中、11は長尺キャピラリー、12は光ファイバ挿入穴、13は接着剤、14は光ファイバ、15は所定長キャピラリー、16aと16bはテーパー部、17aと17bは端面を示し、Lは所望の長さ、Nは2以上の整数である。
【0018】
(1) まず、所望の長さLよりも長い長尺キャピラリーとして、図1(a)に示すように、所望の長さLの整数N倍の長さ(L×N)を持つ長尺キャピラリー11を成形する。この光ファイバ挿入穴12付きの長尺キャピラリー11は、例えばガラス等の線引き加工により成形される。
【0019】
(2) 次に、図1(a)に示した長尺キャピラリー11の光ファイバ挿入穴12に、図1(b)に示すように、接着剤13を塗布する。例えば、真空ポンプを用いて真空引きしながら光ファイバ挿入穴12内に接着剤13を導入することにより、接着剤13を光ファイバ挿入穴12内にまんべんなく塗布する。
【0020】
(3) その後、図1(c)に示すように、光ファイバ挿入穴12に光ファイバ14を挿入し、接着固定する。その際、必要あれば、接着剤13の種類に応じて、紫外線硬化や熱硬化などの処理を行う。
【0021】
(4) 次に、図1(c)に示した光ファイバ14が接着固定された長尺キャピラリー11を、図1(d)に示すように、所望の長さLで切断する。これにより、光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15がN本得られる。
【0022】
(5) その後、図1(d)に示した光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15の両端外周を、図1(e)に示すように、テーパー状に加工して光コネクタ側フェルールとの結合用にテーパー部16a、16bを形成する。
【0023】
(6) 最後に、図1(e)に示した光ファイバ14が接着固定され且つテーパー加工された所望長キャピラリー15の両端面17a、17bを、図1(f)に示すように、研磨する。これで、N本の光ファイバ内含機能性フェルールが得られる。
【0024】
表2に、本第1実施形態例における各作業工程での作業回数を示す。
【0025】
【表2】
【0026】
図1と図5の比較、並びに、表2と表1の比較から判るように、長尺キャピラリー11を用いて光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合、本実施形態例の製造方法によれば、精密作業の回数が接着剤塗布、光ファイバ挿入ともに、従来方法に較べて1/Nに軽減する。従って、光ファイバ内含機能性フェルールをそれだけ低価格に作製することができる。この傾向は、整数Nが大きいほど、顕著である。
【0027】
例えば、所望の長さLよりも60倍長い長尺キャピラリー11(N=60)を用いれば、接着剤塗布作業回数は従来の60回から1回で完了し、光ファイバ挿入作業回数も従来の60回から1回で完了する。つまり、従来方法では精密作業が120回(接着剤塗布作業と光ファイバ挿入作業の合計)必要であったものが、本実施形態例では精密作業は2回(接着剤塗布作業と光ファイバ挿入作業の合計)しか必要なくなる。ガラスフェルールなどは一般には線引き加工により作製されるので、長尺キャピラリー11自体はそれが長くても安価に作製可能であるから、精密作業回数の軽減によって、所望の長さよりも長尺キャピラリー11を用いて低価格に光ファイバ内含機能性フェルールを作製することができる。
【0028】
なお、キャピラリー11が所望の長さLと同じ、従って整数Nが1の場合は、精密作業回数の軽減はないが、従来方法と同価格で光ファイバ内含機能性フェルールを作製することができる。
【0029】
[第2実施形態例]
本発明の第2実施形態例では、図2に示すように、以下の手順(1) 〜(7) により光ファイバ内含機能性フェルールを作製する。図2及び図3中、18は余長付きの長尺キャピラリー、12は光ファイバ挿入穴、13は接着剤、14は光ファイバ、15は所定長キャピラリー、16aと16bはテーパー部、17aと17bは端面、19は余長部分、20はフランジ、21はテーパーガイドを示す。また、Lは所望の長さ、Nは2以上の整数、Rは余長である。
【0030】
(1) まず、所望の長さLよりも長い長尺キャピラリーとして、図2(a)に示すように、所望長さLの整数N倍に更に余長Rを加えた長さ(L×N+R)を持つ長尺キャピラリー18を成形する。この余長部分19を持つ光ファイバ挿入穴12付きの長尺キャピラリー18は、例えばガラス等の線引き加工により成形される。
【0031】
(2) 次に、図2(a)に示した長尺キャピラリー18の一端の余長部分19に、図2(b)、図3に示すように、フランジ20及びテーパガイド21を設ける。フランジ20は、以降の工程で長尺キャピラリー18の光ファイバ挿入穴12へ接着剤13を塗布する際に、接着剤13が長尺キャピラリー18の側面に付着することを抑制するために予め設けるものである。また、テーパガイド21は、以降の工程で長尺キャピラリー18の光ファイバ挿入穴12へ光ファイバ14を挿入する際に、光ファイバ14を光ファイバ挿入穴12へガイドする役目を果たすように予め設けるものであり、光ファイバ挿入穴12に通じている。本例では、図3に拡大して示すように、フランジ10としてゴムチューブを用い、これを余長部分19の外周に密に取り付けてゴムチューブフランジとしている。また、テーパーガイド21として、余長部分19の先端に円錐状のテーパ穴を加工している。
【0032】
(3) 次に、図2(b)、図3に示したフランジ20及びテーパガイド21付き長尺キャピラリー18の光ファイバ挿入穴12に、図2(c)に示すように、フランジ20側から光ファイバ挿入穴12に接着剤13を塗布する。この際、接着剤13が長尺キャピラリー18の側面に付着することをフランジ20が抑制するので、接着剤13の塗布を容易に行うことができ、接着剤塗布工程が簡便化する。なお、この場合も、例えば、真空ポンプを用いて真空引きしながら接着剤13を光ファイバ挿入穴12内に導入し、まんべんなく塗布する。
【0033】
(4) その後、図2(d)に示すように、長尺キャピラリー18のテーパガイド21側から光ファイバ挿入穴12に光ファイバ14を挿入し、接着固定する。その際、テーパガイド21が光ファイバ14を光ファイバ挿入穴21へ案内するので、簡単に芯合わせでき、光ファイバ14の挿入を容易に行うことができ、光ファイバ挿入工程が簡便化する。なお、この場合も、必要あれば、接着剤13の種類に応じて、紫外線硬化や熱硬化などの処理を行う。
【0034】
(5) 次に、図2(d)に示した光ファイバ14が接着固定された長尺キャピラリー18を、図2(e)に示すように、所望の長さLで切断する。この際、余長部分19もフランジ20及びテーパガイド21を含めて切断し、除去する。これにより、光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15がN本得られる。
【0035】
(6) その後、図2(e)に示した光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15の両端外周を、図2(f)に示すように、テーパー状に加工して光コネクタ側フェルールとの結合用にテーパー部16a、16bを形成する。
【0036】
(7) 最後に、図2(f)に示した光ファイバ14が接着固定され且つテーパー加工された所望長キャピラリー15の両端面17a、17bを、図2(g)に示すように、研磨する。これで、N本の光ファイバ内含機能性フェルールが得られる。
【0037】
表3に、本第2実施形態例における各作業工程での作業回数を示す。
【0038】
【表3】
【0039】
本第2実施形態例によれば、長尺キャピラリー18に若干の余長部分19を持たせることにより、この余長部分19に接着剤13の塗布を容易にする簡易なフランジ20を設けることが可能となり、従来及び第1実施形態例に較べて接着剤塗布工程が大幅に簡便化する。また、余長部分19にテーパガイド21を設けることが可能となり、従来及び第1実施形態例に較べて光ファイバ挿入工程が大幅に簡便化する。
【0040】
従って、図2と図5の比較、並びに、表3と表1の比較から判るように、長尺キャピラリー18を用いて光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合、本第2実施形態例の製造方法によれば、フランジ20を設ける作業、テーパガイド21を設ける作業及び余長部分18を切除する作業は追加されるが、接着剤塗布や光ファイバ挿入といった精密作業が簡便化するので、第1実施形態例の製造方法より更に低価格に光ファイバ内含機能性フェルールを作製することができる。この傾向は、整数Nが大きいほど、顕著である。
【0041】
[第2実施形態例の具体例]
第2実施形態例の具体例として、長さL=15mmの光ファイバ内含機能性フェルールをN=60本作製するために、長さ910mmの長尺キャピラリー18を用いた。この長尺キャピラリー18の先端10mmの部分が余長部分19となる。この余長部分19の先端に、フランジ20としてゴムチューブを予め取り付け、接着剤13を塗布した。このように、余長部分19にフランジ10を設けたため、簡便な作業により接着剤13の塗布を行うことができた。また、余長部分19の先端面に、テーパガイド21として円錐状のガイド穴を予め設けた。このため、クリアランスが1μm程度の光ファイバ挿入穴12へ容易に光ファイバ14を挿入することができた。このように、光ファイバ14を挿入・接着・固定した910mmの長尺キャピラリー18を、通常の機能性フェルール作製時と同様に所望長さL=15mmに切断することで、長さ15mmの光ファイバ内含機能性フェルールをN=60本得られた。
【0042】
本第2実施形態例では、テーパーガイド21を接着剤13の塗布前に余長部分19に設けたが、接着剤塗布後であっても、光ファイバ挿入前であれば、同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、本第2実施形態例では、余長部分19にフランジ20とテーパーガイド21の両方を設けたが、一方だけ設けるようにすることもできる。
【0044】
更に、本第2実施形態例では、長尺キャピラリー18の一端側のみを余長部分19とし、フランジ20とテーパガイド21を同じ余長部分19に設けたが、長尺キャピラリー18の両端とも余長部分19とし、フランジ20とテーパーガイド21を別々の余長部分19に設けるようにすることもできる。
【0045】
また更に、本第2実施形態例では、整数Nを2以上としたが、N=1とした場合は、精密作業回数の軽減はなく、しかも、フランジ20を設ける作業、テーパーガイド21を設ける作業及び余長部分19を切除する作業が追加されるが、これらに較べると接着剤塗布や光ファイバ挿入といった精密作業が簡便化するといった効果が大きく、従来よりも低価格に光ファイバ内含機能性フェルールを作製できることが期待される。
【0046】
[第3実施形態例]
本発明の第3実施形態例では、図4に示すように、以下の手順(1) 〜(7) により光ファイバ内含機能性フェルールを作製する。図4中、11は長尺キャピラリー、12は光ファイバ挿入穴、13は接着剤、14は光ファイバ、15は所定長キャピラリー、16aと16bはテーパー部、17aと17bは端面、20はフランジを示す。また、Lは所望の長さ、Nは2以上の整数である。
【0047】
(1) まず、所望の長さLよりも長い長尺キャピラリーとして、図4(a)に示すように、所望長さLの整数N倍の長さ(L×N)を持つ長尺キャピラリー11を成形する。この光ファイバ挿入穴12付き長尺キャピラリー11は、例えばガラス等の線引き加工により成形される。
【0048】
(2) 次に、図4(a)に示した余長がない長尺キャピラリー11の一端部に、図4(b)に示すように、フランジ20を設ける。フランジ20は、以降の工程で長尺キャピラリー11の光ファイバ挿入穴12へ接着剤13を塗布する際に、接着剤13が長尺キャピラリー11の側面に付着することを抑制するために予め設けるものである。本例では、フランジ20としてゴムチューブを用い、これを長尺キャピラリー11の端部外周に密に取り付けている。
【0049】
(3) 次に、図4(b)に示したフランジ20付き長尺キャピラリー11の光ファイバ挿入穴12に、図4(c)に示すように、フランジ20側から光ファイバ挿入穴12に接着剤13を塗布する。この際、接着剤13が長尺キャピラリー11の側面に付着することをフランジ20が抑制するので、接着剤13の塗布を容易に行うことができ、接着剤塗布工程が簡便化する。この場合、例えば、真空ポンプを用いて真空引きしながら接着剤13を光ファイバ挿入穴12内に導入し、まんべんなく塗布する。
【0050】
(4) その後、図4(d)に示すように、長尺キャピラリー11の光ファイバ挿入穴12に光ファイバ14を挿入し、接着固定する。この場合、必要あれば、接着剤3の種類に応じて、紫外線硬化や熱硬化などの処理を行う。
【0051】
(5) 次に、図4(d)に示した光ファイバ14が接着固定された長尺キャピラリー11を、図4(e)に示すように、所望の長さLで切断する。この切断前あるいは後に、フランジ20を除去する。この除去作業はフランジ20がゴムチューブである場合、特に、容易である。以上により、光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15がN本得られる。
【0052】
(6) その後、図4(e)に示した光ファイバ14が接着固定された所望長キャピラリー15の両端外周を、図4(f)に示すように、テーパー状に加工して光コネクタ側フェルールとの結合用のテーパー部16a、16bを形成する。
【0053】
(7) 最後に、図4(f)に示した光ファイバ14が接着固定され且つテーパー加工された所望長キャピラリー15の両端面17a、17bを、図4(g)に示すように、研磨する。これで、N本の光ファイバ内含機能性フェルールが得られる。
【0054】
表4に、本第3実施形態例における各作業工程での作業回数を示す。
【0055】
【表4】
【0056】
本第3実施形態例によれば、長尺キャピラリー11の端部に接着剤13の塗布を容易にする簡易なフランジ20を設けるので、従来及び第1実施形態例に較べて接着剤塗布工程が大幅に簡便化する。
【0057】
従って、図4と図5の比較、並びに、表4と表1の比較から判るように、長尺キャピラリー11を用いて光ファイバ内含機能性フェルールを作製する場合、本第3実施形態例の製造方法によれば、フランジ20を設ける作業及びフランジ20を除去する作業は追加されるが、精密な接着剤塗布作業が簡便化するので、第1実施形態例の製造方法より更に低価格に光ファイバ内含機能性フェルールを作製することができる。この傾向は、整数Nが大きいほど、顕著である。
【0058】
なお、キャピラリー11が長尺ではなく所望の長さLと同じである場合は、精密作業回数の軽減はなく、しかも、フランジ20を設ける作業及びフランジ20を除去する作業が追加されるが、これらに較べると精密な接着剤塗布作業が簡便化するという効果が大きく、従来よりも低価格に光ファイバ内含機能性フェルールを作製できることが期待される。
【0059】
[フィルタ機能を有する光ファイバ内含機能性フェルールの作製]
上述した第1〜第3各実施形態例において、光ファイバ14として、グレーティングを施すなどして屈折率分布が周期的に変化しているものを用い、この光ファイバ14を長尺キャピラリー11、18へ挿入・接着・固定し、その後、所定の長さLに切断して所定長キャピラリー15とすることにより、フィルタ機能を有する光ファイバ内含機能性フェルールを低価格に作製することができる。この場合、光ファイバ14が挿入・接着・固定された長尺キャピラリー11、18を、屈折率分布周期の整数倍など、屈折率分布周期に合わせて切断することにより、所定の長さLと屈折率分布周期との関係により、特定の波長の光を通過させたり、逆に、特定の波長の光を遮断させたり等、所望の波長選択特性を持たせることができる。
【0060】
[光減衰機能を有する光ファイバ内含機能性フェルールの作製]
また、上述した第1〜第3各実施形態例において、光ファイバ14として、光強度を積極的に減衰させる機能を有する光ファイバを用い、この光ファイバ14を長尺キャピラリー11、18へ挿入・接着・固定し、その後、切断して所定長キャピラリー15とすることにより、光減衰機能を有する光ファイバ内含機能性フェルールを低価格に作製することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、径の異なるフェルールを用いた光コネクタ間の、変換器や固定減衰器、フィルタなどに用いられる光ファイバ内含機能性フェルールを低価格に得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す図。
【図2】本発明の第2実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す図。
【図3】余長部分にフランジ及びガイド穴を設けた長尺キャピラリーを示す図。
【図4】本発明の第3実施形態例を説明するための光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す図。
【図5】従来の光ファイバ内含機能性フェルールの製造工程を示す図。
【符号の説明】
L 所望の長さ
N 整数
R 余長
11 長尺キャピラリー
12 光ファイバ挿入穴
13 接着剤
14 光ファイバ
15 所定長キャピラリー
16a、16b テーパー部
17a、17b 端面
18 余長付きの長尺キャピラリー
19 余長部分
20 フランジ
21 テーパーガイド
01 従来の長尺キャピラリー
02 光ファイバ挿入穴
03 従来の所望長キャピラリー
04a、04b テーパー部
05a、05b 端面
Claims (7)
- 光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
所望の長さよりも長い長尺キャピラリーの端部に、接着剤がその塗布の際に長尺キャピラリーの側面に付着することを抑制するフランジを設け、該長尺キャピラリーの光ファイバ挿入穴に接着剤を塗布すること、
該接着剤を塗布した光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入して接着固定すること、
及び、該光ファイバが接着固定された長尺キャピラリーを所望の長さに切断して光ファイバ内含機能性フェルールを作製すること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍の長尺キャピラリーを用いること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍に更に余長を持たせた長尺キャピラリーを用いること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1から3いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記フランジとして弾性チューブを装着すること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1に記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記長尺キャピラリーとして所望の長さの整数倍に更に余長を持たせた長尺キャピラリーを用いること、及び、
該長尺キャピラリーの光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入する前に該長尺キャピラリー先端の余長部分に、光ファイバをその挿入の際に光ファイバ挿入穴へ案内する役目を果たすテーパガイドを設けること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1から5いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記光ファイバとして屈折率分布が周期的に変化している光ファイバを用いること
を特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。 - 請求項1から5いずれか1つに記載の光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法において、
前記光ファイバとして光強度を減衰させる機能を有する光ファイバを用いることを特徴とする光ファイバ内含機能性フェルールの製造方法。
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-
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