JP3660623B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話などに用いられる内蔵アンテナや、車載アンテナなどの外付けアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話などに用いられるアンテナには、広帯域化が求められる場合が多い。これは、携帯電話のアンテナは、使用する人体などの近接により周波数特性が変化しやいので、この変化量を少なくするためである。
【0003】
従来の技術としては、図1に示すようなアンテナがある。このアンテナは、例えば、無線通信機のプラスチックなどの絶縁体で作られた外部筐体の内部にある接地導体板(地板)で作られた方形の内部筐体101のある一面、すなわち、地板100上に設置され、第1の板状素子104と、第2の板状素子105とからなる板状の逆Fアンテナと、地板100と第2の板状素子105との間に付加された第3の板状素子106とから構成された内蔵アンテナである。なお、第2の板状素子105は、給電線103に接続点111で接続され、第3の板状素子106は、給電線103に接続点112で接続されている。
【0004】
図1に示したアンテナは、板状の逆Fアンテナに第3の板状素子106を付加して広帯域化させたものであるが、形状による実装の問題と設計の難しさという問題を有している。このアンテナは、86年春、電子情報通信学会の全国大会にて、本願の発明者が学会発表したものである。
【0005】
近年、無線通信機などの端末は携帯可能なように小型化が進み、例えば、図1に示したようなアンテナを回路基板上に設け、板状素子の直下にも、部品実装を行いたいという要望がある。しかし、図1に示したアンテナの場合、第3の板状素子と第2の板状素子とで、板状素子が2段になるため、回路基板100上の部品実装に限界が生じるという問題点がある。
【0006】
また、図1に示したアンテナの場合、設計に長時間を費やす必要があるという問題がある。このアンテナの場合、板状素子105,106を含むため、電磁界シミュレーションに入力するためのモデル化が難しく、また実験的なアプローチをとろうとしても、パラメータが多いので、構造上の寸法値を最適化するためには、長い時間を必要とする。また、設計指針となる値が明らかになっていなかったため、所望の広帯域特性を得ることが非常に困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の図1に示したような広帯域化された板状逆Fアンテナでは、その実装面積に無駄が生ずるとともに、設計が非常に難しいという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、設計が容易で(パラメータの決定が容易で)、(例えば回路基板上に設置する場合に)広い部品実装面積を確保することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のアンテナ装置は、第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子(あるいは第5の線状素子)とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記板状素子(あるいは第5の線状素子)の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数(f1)信号の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の線状素子が並列共振するときの第2の周波数(f3)信号の波長の1/2で、かつ、前記第1および第3の線状素子の長さの和が、前記第1および第3の線状素子が直列共振するときの第3の周波数(f2)信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の周波数信号の周波数(f3)は、前記第1の周波数信号の周波数(f1)より高く、前記第3の周波数信号の周波数(f2)より低いことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のアンテナ装置は、第1の板状素子と第2の板状素子と第3の板状素子と第4の板状素子と第5の板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の板状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の板状素子の一端に接続され、前記第2の板状素子の一端は、前記第1の板状素子と前記第3の板状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記第5の板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の板状素子と前記第2の板状素子の接続点に接続され、前記第1、第2,第3,第4,第5の板状素子が同じ平面上に配置され、前記第1、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の板状素子が並列共振するときの第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第1および第3の板状素子の長さの和が、前記第1および第3の板状素子が直列共振するときの第3の周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の周波数信号の周波数は、前記第1の周波数信号の周波数より高く、前記第3の周波数信号の周波数より低いことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のアンテナ装置は、第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第1の周波数信号(f1)の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第2の周波数信号(f3)の波長の1/2で、かつ、前記第1の周波数信号の周波数(f1)は、前記第2の周波数信号の周波数(f3)より低いことを特徴とする。
【0012】
本発明のアンテナ装置は、第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成される(あるいは、第1乃至第7の線状素子から構成される)アンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、前記板状素子(あるいは前記第7の線状素子)の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、前記第3の線状素子の長さと前記第4の線状素子の長さは等しく、前記第5の線状素子の長さと前記第6の線状素子の長さは等しいことを特徴とする。
【0013】
本発明のアンテナ装置は、第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成される(あるいは、第1乃至第7の線状素子から構成される)アンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、前記板状素子(あるいは、前記第7の線状素子)の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の線状素子と前記第3の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第2の動作周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第2の線状素子と前記第4の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第2の動作周波数信号の波長の1/2であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ2の構成例を示したものである。第1の実施形態に係るアンテナ2は、例えば、無線通信機のプラスチックなどの絶縁体で作られた外部筐体の内部にある接地導体板(地板)で作られた方形の内部筐体1に設置される場合を示している。筐体1のアンテナ2が実装されている面を、ここでは、地板31と呼ぶ。地板1とは電気的な接続がないように、筐体1に設けられた給電点21を介して、例えば無線機とアンテナ2との間で信号の伝送が行われる。
【0016】
筐体1の形状、大きさは特に限定するものではなく、任意である。給電点21は、筐体1上の任意の位置に設けることができる。図2では筐体1の地板31の端に配置されているが、筐体1上のどこにあっても、調整を行えば、以下に示すような同様の効果を得ることができる。
【0017】
図2に示したアンテナ2は、地板31にその一端を立設して配置されると共に自由端側は地板31に対向させて折曲させたL字形の板状素子26と、第1の線状素子22と、第2の線状素子23と、第3の線状素子24と、第4の線状素子25とから構成されている。
【0018】
図2に示すように、アンテナ2の第1の線状素子22の一端は給電点21に接続されて、この第1の線状素子22は地板31にほぼ垂直となるように配置されている。第3の線状素子24の一端は第1の線状素子22の他端に接続され、この第3の線状素子24は地板31にほぼ平行となるように配置されている。第1の線状素子22と第3の線状素子24との接続点27には、第2の線状素子23の一端が接続され、この第2の線状素子23は第1の線状素子22に平行となるように配置されている。第2の線状素子23の他端には第4の線状素子25の一端が接続され、この第4の線状素子25は第3の線状素子24とほぼ平行となるように配置されている。さらに、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28は、板状素子26の自由端に接続されている。線状素子24と線状素子25は、それぞれをコの字形に折曲して、この2つの線状素子24,25が互いに平行に配置されている。
【0019】
アンテナ2は、アンテナの動作面から見た場合に、第1の線状素子22と第2の線状素子23とからなる給電線と、第4の線状素子25と板状素子26とから構成される直列共振アンテナと、第1の線状素子22と第2の線状素子23とからなる給電線と、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25とから構成される並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。
【0020】
図3は、図2のアンテナ2の動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータa〜fも合わせて図に示している。
【0021】
アンテナ2は、上記したように、直列共振アンテナと、並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。従って、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25の長さの和は、この直列共振アンテナの共振するときの波長の1/4となる。また、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25の長さの和は、この並列共振アンテナの共振するときの波長の1/2となる。
【0022】
すなわち、図3に示すように、給電点21と接続点27とを接続する第1の線状素子22の長さをaとし、接続点27にその一端が接続された第3の線状素子24の長さをbとし、接続点27と接続点28を接続する第2の線状素子23の長さをcとし、接続点28にその一端が接続された第4の線状素子24の長さをdとする。すると、図4(a)に示すように、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25の長さの和(a+c+d)は、直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λ1の1/4、すなわち、(1/4)λ1となる。また、図4(b)に示すように、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25の長さの和(b+c+d)は、この並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λ3の1/2、すなわち、(1/2)λ3となる。
【0023】
また、aとcの値の和により上記直列共振アンテナの高さが決定され、これによってアンテナ2の送受信周波数帯域幅が決まる。帯域幅をできるだけ広く取りたい場合には、a+cで表される高さをなるべく高く取ればよい。
【0024】
次に、aの値は、次のような条件を満たす必要がある。
【0025】
(c−b+d)/2 >a > (b−c−d)/2 …(1)
式(1)は、アンテナ2に並列共振を発生させるための条件式である。
【0026】
アンテナ2における並列共振は、アンテナ2の2つの直列共振モードのそれぞれのエレメントから発生するとも言える。2つの直列共振モードのうちの1つ目は、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25とから構成される、長さが(a+c+d=(λ1)/4)のアンテナ(以下、これを第1の直列共振モードアンテナと呼ぶ)であり(図4(a)参照)、2つ目は、第1の線状素子22と第3の線状素子24とから構成される、長さが(a+b=(λ2)/4)のアンテナ(以下、これを第2の直列共振モードと呼ぶ)である(図4(c)参照)。
【0027】
第1の直列共振モードアンテナの共振周波数をf1(周波数f1の周波数信号の波長をλ1)、第2の直列共振モードアンテナの共振周波数をf2(周波数f2の周波数信号の波長をλ2)とする。
【0028】
このとき、第1と第2の直列共振モードアンテナの共振周波数f1とf2は、異なっていることが、アンテナ2に並列共振を発生させるための条件の1つ目である。
【0029】
さらに、この2つの共振周波数f1,f2の間に、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25とから構成される、長さb+c+d=λ3/2の上記並列共振アンテナ(図4(b)参照)の共振周波数f3(周波数f3の周波数信号の波長λ3)が挟まると、これが、並列共振の発生条件の2つ目になる。すなわち、
f1<f3<f2 …(2)
あるいは、これを波長で表した
λ2<λ3<λ1 …(3)
が、並列共振の発生条件の2つ目である。
【0030】
さらに、式(3)に、
a+c+d=λ1/4
b+c+d=λ3/2
a+b=λ2/4
を当てはめると、
4(a+b)<2(b+c+d)<4(a+c+d) …(4)
となり、式(4)を変形することによって式(1)が求まる。
【0031】
アンテナ2は、主に、上記したようなa〜d、さらに、e、fなるパラメータの値を設定することで、容易に構成可能であるが、図1に示したような構成の従来例においては、板状素子を用いていたため、そのパラメータを設定することが容易に行えなかった。
【0032】
なお、周波数f3(周波数f3の周波数信号の波長λ3)で共振する並列共振の必要性はこれまで言及されたことはなく、本願発明の特徴の1つであり、単なる設計上の値とは異なったものである。
【0033】
以下、図3に示した構成のアンテナ2のパラメータa〜fの値の決定手法について具体的に説明する。
【0034】
ここでは、例えば、周波数f1がほぼ860MHz、周波数f2がほぼ900MHz、周波数f3がほぼ880MHzと与えられているときに、パラメータの値を決定する場合について説明する。
【0035】
また、アンテナ2を実装する筐体1の大きさなどから、例えば、パラメータb、c、dの値をそれぞれ、80mm、5mm、86mmと予め決定したものとして、以下説明を行う。
【0036】
このとき、まず、パラメータaの値の決定手法について、図5、図6を参照して説明する。
【0037】
図5は、図3に示した構成のアンテナ2から板状素子26を抜いた状態、つまり並列共振アンテナの構成を示したものである。
【0038】
aの値は、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの値を見ながら調節する必要がある。すなわち、aの値を調節することで、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの値を調整することができる。
【0039】
図6は、パラメータb、c、dの値をそれぞれ、ほぼ80mm、5mm、86mmと与えられた場合に、パラメータaの値を、例えば、ほぼ2.5mmに設定したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナの周波数特性を示したものである。
【0040】
図6(a)は、図5の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0041】
図6(b)は、同様にして、図5の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0042】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f13で周波数860MHz(f1に対応する周波数)、f16で880MHz(f3に対応する周波数)、f17で900MHz(f2に対応する周波数)であるとする。
【0043】
パラメータaの値は、図6(a)に示すようなスミスチャートを参照しながら、入力周波数信号の周波数がf1、f3、f2のときに、図5に示した構成の並列共振アンテナのリアクタンスが「0」となり、かつ、図6(b)に示すように、周波数f3のときに不整合損がほぼ「0」となるように調節すればよい。
【0044】
その結果、aがほぼ2.5mmのときに、図6(a)に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、周波数f1、f3、f2に対応する入力周波数信号の周波数f13、f16、f17のときに、リアクタンスが「0」となり、しかも、図6(b)に示すように、f3に対応する880MHzのところで、不整合損がほぼ「0」となっている。この周波数域(ほぼ880MHz)が並列共振で動作しているところである。
【0045】
パラメータaの値は、並列共振アンテナの直列共振アンテナに対する優位度を決定するものである。アンテナ2上には、並列共振と直列共振の2つの電流分布が重なって存在している。並列共振アンテナの優位度とは、これら分布の振幅の大きさの比にあたる。aの大きさが小さいほど、並列共振の電流が増加する。従って、aの値を調節することで、インピーダンスの値を調整することが可能となるのである。
【0046】
パラメータaが決定されたので、次に、板状素子6の形状を決定する。
【0047】
以下、板状素子26の形状を決定するパラメータe、fの決定手法について、図7,図8を参照して説明する。
【0048】
図7は、図3に示した構成のアンテナ2から線状素子24を抜いた状態、つまり直列共振アンテナの構成を示したものである。
【0049】
図2、図3では、板状素子6は、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形になっているが、この場合に限らず、少なくとも、板状素子6は、その一端が地板31に接続され、他端は、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28に接続されていればよい。
【0050】
要は、板状素子6は、接続点28と地板31(グランド(GND))とを接続し、以下に示しような周波数特性を持つのであれば、その形状は問わない。例えば、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図9に示すような板状素子51であってもよい。なお、図9において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図9において、板状素子51の一端は地板31(筐体1)に接続され、その板面を傾斜させて、他端が接続点28に接続されている。
【0051】
また、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図10に示すような線状素子52であってもよい。なお、図10において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図10において、線状素子52の一端は地板31(筐体1)に接続され、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点28に接続されている。
【0052】
さらに、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図11に示すような線状素子53であってもよい。なお、図11において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図11において、直線状の線状素子53を地板31(筐体1)と接続点28との間に立てかけるように配置し、かつ、線状素子53の一端が地板31に、他端を接続点28に接続した構成としている。
【0053】
図7の説明に戻る。
【0054】
板状素子26の形状を決定するパラメータe、fの値を変化させることにより、図7に示した構成の直列共振アンテナの周波数特性も変化する。この周波数特性について、図8を参照して説明する。
【0055】
図8は、パラメータc、dの値をそれぞれ、ほぼ、5mm、86mmとしたときに、上記のようにして(図5,図6参照)、パラメータaの値を、ほぼ2.5mmに設定した場合に、パラメータe、fの値を例えば、それぞれ2mm、5mmに設定したときの図7に示した構成の直列共振アンテナの周波数特性を示したものである。
【0056】
図8(a)は、図7の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0057】
図8(b)は、同様にして、図7の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の直列共振アンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0058】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f13で周波数860MHz(f1に対応する周波数)、f16で880MHz(f3に対応する周波数)、f17で900MHz(f2に対応する周波数)であるとする。
【0059】
図7に示したように、線状素子21、22、25と、例えば板状素子26などにより接続点28が地板31(筐体1)に接続された構成の直列共振アンテナの場合、入力周波数信号の周波数の変化に伴うインピーダンスの変化の軌跡は、図8(a)に示すような円状となる。
【0060】
パラメータe、fは、(A)図8(a)に示すように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を表した(スミスチャート上の)円状の軌跡が、円状のスミスチャートの端に表れること、(B)この軌跡の円の半径が、スミスチャートの直径の数分の一(例えば、約1/6程度)であること、の以上2つの条件を満たすように調節すればよい。
【0061】
パラメータe、fを変化させることにより、スミスチャート上に表れる円状の軌跡は次のように変化する。すなわち、(fの値を固定したとき)eの値が小さくなるほど、円状の軌跡は、スミスチャート上の端に移動し、その軌跡の円の大きさ(半径)は小さくなる。一方、(eの値を固定したとき)fの値が大きくなるほど、円状の軌跡は、スミスチャート上の端に移動し、その軌跡の円の大きさ(半径)は小さくなる。
【0062】
上記(A)(B)の条件を満たすように、パラメータe、fの値を調節すればよい。
【0063】
また、図7に示した直列共振アンテナは、不整合損が最小となる周波数がほぼ周波数f1(ここでは、例えば、f1=860MHz)であることが要求される。このために、線上素子25の長さ(パラメータd)を調節すればよい。パラメータdの値が大きくなればなるほど、不整合損が最小となる周波数が低くなる。ここでは、不整合損が最小となる周波数がほぼ860MHzとなるように、パラメータdを調節すればよい。
【0064】
パラメータe、fを調節した結果、eがほぼ2mm、fがほぼ5mm、dがほぼ86mmのときに、図8(a)に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を表した円状の軌跡は、スミスチャートの端の方に表れ、その大きさ(半径)はほぼ、スミスチャートの直径の6分の1程度となる。また、図8(b)に示すように、f1に対応する860MHzのところで、不整合損が最小となっている。
【0065】
以上のようにして、パラメータa、e、f、さらにdの値が決定した。上記の例では、周波数f1がほぼ860MHz、周波数f2がほぼ900MHz、周波数f3がほぼ880MHzと与えられたとき、アンテナ2のパラメータa〜fが、それぞれ、2.5mm、80mm、5mm、86mm、2mm、5mmと決定されたわけであるが、この場合のアンテナ2の周波数特性を図12に示す。
【0066】
図12(a)は、図3の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図3に示したアンテナ2のインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0067】
図12(b)は、同様にして、図3の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図3に示した構成のアンテナ2の不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0068】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f12で周波数840MHz、f13で860MHz、f16で880MHzであるとする。
【0069】
図12(a)に示すように、入力周波数信号の周波数がほぼ840MHz、860MHz、880MHzのときに、図3に示した構成のアンテナ2のリアクタンスがほぼ「0」となり、しかも、図12(b)に示すように、入力周波数信号の周波数が840MHz、860MHz、880MHzのときに、不整合損がほぼ「0」となっている。すなわち、図12(b)からも明らかなように、下限周波数が840MHz、上限周波数が880MHzの送受信帯域幅を持つアンテナ2が得られたことになる。
【0070】
ここで、上記のようにして設計されたアンテナ2の周波数特性(図12参照)と比較するために、図13に示したような一般的な逆Fアンテナの周波数特性を図14に示す。
【0071】
図13に示した逆Fアンテナは、図3に示したアンテナ2から線状素子24を取り除き、板状素子26を線状素子61に置き換えたものとなっている。なお、図13において、図3と同一部分には同一符号を付している。図13において、線状素子61の一端は地板31(筐体1)に接続され、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点28に接続されている。
【0072】
また、図13に示した逆Fアンテナの各線状素子の長さ(線状素子21の長さa、線状素子23の長さc、線状素子25の長さd、線状素子61の地板31に対向している部分の長さe)は、それぞれ、a=2.5mm、c=5mm、d=90mm、e=2.5mmである。
【0073】
図14(a)は、図13の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図13に示した構成の逆Fアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0074】
図14(b)は、同様にして、図13の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図13に示した構成の逆Fアンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0075】
図14(a)に示したように、入力周波数信号の周波数がほぼf13=840MHzのときに、図13に示した逆Fアンテナのリアクタンスが「0」となり、図14(b)に示すように、不整合損がほぼ「0」となっている。
【0076】
不整合損−0.5dBのところで、図14(b)に示した逆Fアンテナの周波数特性と、図12(b)に示したアンテナ2の周波数特性とを比較すると、アンテナ2が倍以上の広帯域化を示していることがわかる。
【0077】
以上は、地板31上にアンテナ2を実装する場合について説明したが、この場合に限らず、回路基板などにも実装可能である。この場合、板状素子26、51、線状素子52、53などの第2の線状素子23と第4の線状素子25との接続点が接続されていない方の端は、接地されていればよい(グランド(GND)に接続されていればよい)。
【0078】
この場合、回路基板上の線状素子24、25で囲まれた部分に部品を実装することも可能である。従って、従来の板状素子を用いたアンテナ(図1参照)にくらべて部品実装面積を広くすることができる。
【0079】
次に、上述したアンテナ2を構成する線状素子24、25の形状について説明する。すなわち、図15には比較のために、上述したアンテナ2の線状素子24、25の形状を示し、図16〜図19に、アンテナ2に適用可能な線状素子24、25の形状と位置関係のバリエーションを示す。
【0080】
なお、図15〜図19では、線状素子24、25の形状とその位置関係のみを簡略化して示している。
【0081】
図15は、線状素子24と線状素子25のそれぞれをコの字形に折曲して、この2つの線状素子24,25を互いに平行に、かつ、所定間隔を存して配置したものである。
【0082】
図15の線状素子24の取り付け端を90度回転させ、かつ線状素子24を反転させた上で、上部側の線状素子24と位置をそろえて互いに平行に配置したものが図16である。
【0083】
図16に示したように、線状素子24,25を配置すると、並列共振の共振周波数f3を変化させることができ、アンテナ設計の自由度を上げることができる。これは、線状素子24と線状素子25の図16に示した配置から、この2つの線状素子24,25でコイルが形成されることから、並列共振時に素子にインダクタンス性が発生し、素子の電気長が長くなるからである。この電気的な長さの変化は、直列共振時においては発生しない。なぜなら、直列共振時には、線状素子24または線状素子25のどちらかにしか電流が流れないため、電流分布がループ状にならずインダクタンス性が発生しないからである。したがって2つの直列共振を変化させることなく並列共振だけを変化させることで、アンテナの調整が可能になり、アンテナの設計がやりやすくなるのである。
【0084】
なお、図15、図16において、板状素子26、51や線状素子52,53などの自由端には、線状素子25と線状素子23との接続点28が接続する。
【0085】
図17〜図18には、第1の実施形態のアンテナ2を構成する第2の線状素子23の長さを「0」としたときに、本願発明のアンテナとして適用可能な線状素子24と線状素子25の形状と、配置関係を示したものである。
【0086】
図17は、線状素子24,25のそれぞれをコの字形に折曲し、さらに、それぞれの自由端を矩形波状に折曲して、この2つの線状素子24,25の矩形波状に折曲された部分を同一平面内で互いに向き合わせて配置した場合を示している。この場合も線状素子24、線状素子25の長さを所定の値とすることによって、図16の場合と同様、線状素子24と線状素子25がコイル状に配置されていることにより、並列共振時の共振周波数を変化させることができる。
【0087】
図18は、図16の線状素子23の長さを「0」にして、コの字形状の線状素子25のコの字の内側に、同じくコの字形状の線状素子24を同一平面内に配置した場合である。図18の場合、図16,図18の場合とは異なり、コイルの特性を排除している。図16、図18の場合では、インダクタンスの値が大きくなりすぎて並列共振の周波数f3だけが非常に低くなり、直列共振の周波数f1から大きくはずれてしまう(並列共振周波数f3が式(2)の条件を満たさなくなる)ことがある。このような状況があり得る場合には(特に、線状素子のインダクタンス性を下げるために)、図18に示した構成を適用することが好ましい。
【0088】
なお、図17、図18において、線状素子22、24、25の接続点が板状素子26、51や線状素子52,53などの自由端に接続される。
【0089】
また、線状素子24、25の形状とその位置関係は、上記図15〜18に示したものに限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り様々に変形可能である。
【0090】
また、線状素子24、25の形状や配置が図16〜図18に示したようなものであっても、アンテナ2は、前述同様、回路基板などにも実装可能である。
【0091】
以上説明したように、上記第1の実施形態によれば、従来の板状のアンテナにくらべて設計が容易で(パラメータa〜fの決定が容易で)、しかも部品実装面積を広くすることが可能となる。
【0092】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態として、第1の実施形態で説明した本発明に係るアンテナの原理を同じくした、リボン状素子にて構成したアンテナについて説明する。
【0093】
一般的に、アンテナには、機械的強度が確保できて、しかも、コスト削減を図れるようにするため、板状導体が使われる。本発明のアンテナも細い板状素子つまりリボン状素子による構成も採用できる。
【0094】
図19は、本発明の第2の実施形態に係るリボン状素子を用いたアンテナの構成を示したもので、アンテナの各素子にリボン状素子を用いたときの、上記アンテナ2で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて図に示しておく。
【0095】
図19に示したアンテナは、第1の実施形態で説明した線状素子の場合と異なり幅を有しているが、基本的には、それぞれにリボン状素子の持つ幅の中心線の長さをパラメータa〜fとすればよい。
【0096】
図19に示したアンテナは、板体をF型に打ち抜き、その打ち抜いた結果得られるF型の板体のF字の縦線に対応する部分にスリット131を1本入れて構成されている。
【0097】
F字の上下2本の横線に対応する素子124,125のうち、上の横線部分に対応する素子125は、図2、図3の第4の線状素子25に対応し、下の横線部分に対応する素子124は図2、図3の第3の線状素子24に対応し、F字の縦線に対応する部分のスリット131により分割される右側領域の素子127は、図2、図3の線上素子22と線上素子23とに対応し、左側領域の素子126は、図2、図3の板状素子26に対応する。なお、素子127の下端に給電点121が設けられている。板状素子126の下端は地板に立設し、あるいは、接地される。
【0098】
素子125の中心線の長さがパラメータdの値にほぼ対応し、素子124の中心線の長さがパラメータbの値にほぼ対応する。また、スリット131の幅がパラメータeの値にほぼ対応し、素子126の幅がパラメータfの値にほぼ対応し、素子127の中心線の下端から素子124の中心線までの長さがパラメータaにほぼ対応し、素子127の中心線の素子124の中心線から素子127の上端までの長さがパラメータcにほぼ対応する。
【0099】
なお、素子127のうち、その下端から素子124の中心線までの部分を素子127a、素子124の中心線から素子127の上端までの部分を素子127bと呼ぶ。
【0100】
図19に示した構成のアンテナのパラメータa〜fの決定手法も第1の実施形態の説明と同様である。
【0101】
すなわち、第1の実施形態と同様に、図19に示したアンテナは、素子127aに対応する第1の板状素子と、素子127bに対応する第2の板状素子と、素子124に対応する第3の板状素子と、素子125に対応する第4の板状素子と、その下端が接地された、あるいは地板に立設して配置される素子126に対応する第5の板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、第1の板状素子(素子127a)は、その一端が給電点121に接続されて、当該アンテナの実装面(あるいは地板)にほぼ垂直となるように配置され、第3の板状素子(素子124)は、その一端が第1の板状素子の他端に接続されて実装面(あるいは地板)にほぼ平行となるように配置され、第2の板状素子(素子127b)は、その一端が第1の板状素子と第3の板状素子との接続点に接続されて、第1の板状素子に平行となるように配置され、第4の板状素子(素子125)は、その一端が第2の板状素子の他端に接続されて、第3の板状素子とほぼ平行となるように配置され、第5の板状素子(素子126)の自由端側には、第4の板状素子と第2の板状素子の接続点が接続され、さらに、第1、第2,第3,第4,第5の板状素子が同じ平面上に配置されて構成されている。
【0102】
そして、第1、第2および第4の板状素子の長さの和が、第1、第2および第4の線状素子とが直列共振するときの第1の周波数信号(周波数f1)の波長(λ1)の1/4で、かつ、第3、第2および第4の板状素子の長さの和が、第3、第2、第4および第1の板状素子が並列共振するときの第2の周波数信号(周波数f3)の波長(λ3)の1/2で、かつ、第1および第3の板状素子の長さの和が、第1および第3の板状素子が直列共振するときの第3の周波数信号(周波数f2)の波長(λ2)の1/4で、かつ、第2の周波数信号の周波数f3は、第1の周波数信号の周波数f1より高く、第3の周波数信号の周波数f2より低くなるように、上記パラメータa〜fの値が決定されている。
【0103】
第1の実施形態で説明したアンテナ2と同様、図19に示したアンテナも、回路基板上にも実装可能である。この場合、素子126の下端が接地されていればよい。
【0104】
また、図19に示したようにリボン上の素子で構成した場合、機械的強度が確保できるので、例えば、車載アンテナとしても利用可能である。
【0105】
以上説明したように、上記第2の実施形態によれば、従来の板状のアンテナにくらべて設計が容易で(パラメータa〜fの決定が容易で)、しかも部品実装面積を広くすることが可能となるばかりか、さらに、機械的強度が確保できて、コスト削減も図れる。
【0106】
なお、第1および第2の実施形態で説明したアンテナは、第1の線状素子22の一端や素子127の下端に給電点が接続され、板状素子26、51、線状素子52,53などの自由端や素子126の下端が接地されていれば、その実装面は特に限定するものではない。
【0107】
また、以上の説明は、アンテナの広帯域化を目標とし、直列共振と並列共振を近接した周波数で発生させるための条件についてのものであったが、本発明は、2つの動作帯域(ほぼ第1の動作周波数F1の帯域と、ほぼ第2の動作周波数F2の帯域)をもつようなアンテナの場合にも適用が可能である。
【0108】
この場合は、第1の動作周波数F1に上記第1の直列共振モードアンテナの共振周波数f1、第2の動作周波数F2に上記並列共振アンテナの共振周波数f3を割り当てればよい。
【0109】
図20は、このときのアンテナの形状を示したものである。なお、図20において、図2や図3に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図3で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて図に示しておく。
【0110】
図20からも明らかなように、板状素子26の形状と、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28の板状素子26の自由端に接続する位置が図3に示した構成のアンテナと異なり、また、線状素子24,25が折曲されずにまっすぐなまま線状素子22や23に接続されている点においても図3に示した構成のアンテナとは異なる。
【0111】
図20において、ほぼ第1の動作周波数F1=820MHzにおいて直列共振が発生するように、第1、第2および第4の線状素子22,23,24の長さで(パラメータa、c、d)を決定している。また、ほぼ第2の動作周波数F2=940MHzにおいて並列共振が発生するように、第3、第2および第4の線状素子の長さ(パラメータb、c、d)を決定した。
【0112】
この場合、第1、第2および第4の線状素子22,23,25の長さの和(a+c+d)が、第1の動作周波数F1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、第3、第2および第4の線状素子24,23,25の長さの和(b+c+d)が、第2の動作周波数F2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、F1<F2であることが、上記パラメータを決定する際の必要最低限の条件である。
【0113】
なお、図21に示したアンテナは、大きな地板上において動作するように設計されている。
【0114】
例えば、上記パラメータa〜fが、a=10mm、b=78mm、c=10mm、d=71mm、e=2mm、f=10mmのとき、図20に示した構成のアンテナは、図21に示したような周波数特性を示す。
【0115】
図21において、設計どおり、2つの動作周波数F1=820MHzとF2=940MHzにおいて、不整合損が減少しており、この周波数F1、F2で動作することがわかる。
【0116】
このように、2つの動作周波数をもつアンテナの場合もパラメータを容易に決定することができ、設計が容易に行える。また、第1の実施形態の場合と同様、例えば回路基板上に設置する場合には、広い部品実装面積を確保でき、例えば、携帯電話などの携帯型の小型情報通信端末に用いられる内蔵アンテナにも適用可能である。
【0117】
(第3の実施形態)
図20に示した構成のアンテナは、ほぼ第1の動作周波数F1=820MHzにおいて直列共振が発生するように、第1、第2および第4の線状素子22,23,24の長さで(パラメータa、c、d)を決定し、また、ほぼ第2の動作周波数F2=940MHzにおいて並列共振が発生するように、第3、第2および第4の線状素子の長さ(パラメータb、c、d)を決定した。
【0118】
しかし、このアンテナは並列共振モードが優勢となる周波数帯において、共振のピークが鋭いという問題がある。また、地板と平行なアンテナエレメントからの放射が強く、上方向への放射指向性が大きいため効率が悪いという問題がある。
【0119】
そこで、第3の実施形態では、この問題点を解決すべく、図20における第3の線状素子24と第5の線状素子25に対応する、地板に平行な線状素子をもう1組追加してなるアンテナ200について説明する。
【0120】
図22は、第3の実施形態に係るアンテナ200の構成例を示したもので、接地導体板(地板)201上にアンテナ200が実装され、地板201とは電気的な接続がないように設けられた給電点202を介して、例えば無線機とアンテナ200との間で信号の伝送が行われるようになっている。図22では、説明の簡単のため、地板201の中心に給電点202が設けられている。しかし、給電点202は、地板201上のどこにあっても、調整を行えば同様の効果を得ることができる。以下の計算では簡単のために無限の大きさを持つ地板201を仮定している。地板201の大きさによって特性に多少の影響があるが、その影響は調整によって無限板上と同様の効果を得ることができる。
【0121】
図22に示したアンテナ200は、地板201にその一端を立設して配置されると共に自由端側は地板201に対向させて折曲させたL字形の板状素子217と、第1の線状素子211と、第2の線状素子212と、第3の線状素子213と、第4の線状素子214と、第5の線状素子215と、第6の線状素子216から構成されている。
【0122】
図22に示すように、アンテナ200の第1の線状素子211の一端は給電点202に接続されて、この第1の線状素子211は地板201にほぼ垂直となるように配置されている。第3の線状素子213の一端は第1の線状素子211の他端に接続され、この第3の線状素子213は地板201にほぼ平行となるように配置されている。第1の線状素子211の他端と第3の線状素子213の一端との接続点221には、第4の線状素子214の一端が接続され、この第4の線状素子214は、地板201にほぼ平行となるように配置されている。
【0123】
接続点221に接続された第3の線状素子213と第4の線状素子214は、地板201にほぼ平行である平面上にあるように配置されている。
【0124】
接続点221には、さらに、第2の線状素子212の一端が接続され、この第2の線状素子212は、その軸線が第1の線状素子211の軸線に一致するように配置されている。第2の線状素子212の他端は、板状素子217の自由端のほぼ中央近傍に接続され、この第2の線状素子212の他端と板状素子217との接続点222には、第5の線状素子215の一端が接続され、この第5の線状素子215は地板201にほぼ平行となるように配置されている。接続点222には、さらに、第6の線状素子216の一端が接続され、第6の線状素子215は、地板201にほぼ平行となるように配置されている。
【0125】
第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向は互いに同一である。
【0126】
なお、図22では、板状素子217は、地板201に接続されていない他端側が地板201に対向するようにL字形になっているが、この場合に限らず、少なくとも、板状素子217は、その一端が地板201に接続され、他端は、第2の線状素子217と第5の線状素子215と第6の線状素子216との接続点222に接続されていればよい。
【0127】
要は、第1の実施形態における図9〜図11の説明と同様、板状素子217は、接続点222と地板201(グランド(GND))とを接続し、図32〜図33に示すような周波数特性を持つのであれば、その形状は問わない。例えば、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図9に示した板状素子51と同様な板状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図9の板状素子51と同様に、当該板状素子の一端は地板201に接続され、その板面を傾斜させて、他端が接続点222に接続されている。
【0128】
また、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図10に示した線状素子52と同様な線状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図10の線状素子52と同様に、当該線状素子の一端は地板201に接続され、地板201に接続されていない他端側が地板201に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点222に接続されている。
【0129】
さらに、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図11に示した線状素子53と同様な線状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図11の線状素子53と同様に、当該直線状の線状素子を地板201と接続点222との間に立てかけるように配置し、かつ、当該線状素子の一端が地板201に、他端を接続点222に接続した構成としている。
【0130】
図23は、アンテナ200の動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータg〜lも合わせて図に示している。
【0131】
アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子212とからなる給電線と、第5の線状素子215と板状素子217によって構成される第1の直列共振アンテナと、上記給電線と第6の線状素子216と板状素子217によって構成される第2の直列共振アンテナと、第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215によって構成される第1の並列共振アンテナと、第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216によって構成される第2の並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。
【0132】
図23に示すように、給電点202と接続点221とを接続する第1の線状素子211の長さをgとし、接続点221にその一端が接続された第3の線状素子213の長さをhとし、接続点221にその一端が接続された第4の線状素子214の長さをiとし、接続点221と接続点222とを接続する第2の線状素子212の長さをjとし、接続点222にその一端が接続された第5の線状素子215の長さをkとし、接続点222にその一端が接続された第6の線状素子216の長さをlとする。
【0133】
ここで、第1および第2の直列共振アンテナの共振波長をともにλx、第1および第2の並列共振アンテナの共振波長をともにλyとする。
【0134】
すると、図24(a)に示すように、第1の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第5の線状素子215の長さの和(k+j+g)は、第1の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λxの1/4、すなわち、(1/4)λxとなる。同様に、第2の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第6の線状素子216の長さの和(l+j+g)は、第2の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λxの1/4、すなわち、(1/4)λxとなる。
【0135】
言い換えると、第1の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第5の線状素子215の長さの和(k+j+g)と、第2の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第6の線状素子216の長さの和(l+j+g)は、これら第1および第2の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの第1の動作周波数信号の波長λxの1/4である。
【0136】
一方、図24(b)に示すように、第1の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215の長さの和(k+j+h)は、第1の並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λyの1/2、すなわち、(1/2)λyとなる。同様に、第2の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216の長さの和(l+j+i)は、第2の並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λyの1/2、すなわち、(1/2)λyとなる。
【0137】
言い換えると、第1の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215の長さの和(k+j+h)と、第2の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216の長さの和(l+j+i)は、これら第1および第2の並列共振アンテナの共振(並列共振)する第2の動作周波数信号の波長λyの1/2である。
【0138】
すなわち、次式(11)〜(14)のように表すことができる。
【0139】
k+j+g=λx/4 … (11)
l+j+g=λx/4 … (12)
k+j+h=λy/2 … (13)
l+j+i=λy/2 … (14)
上記式を変形することで以下の式を得る。
【0140】
h=i … (15)
k=l … (16)
すなわち、アンテナ200が、波長λxに対応する周波数帯と、波長λyに対応する周波数帯を動作帯域とするには、第3の線状素子213の長さhと第4の線状素子214の長さiとは等しく、第5の線状素子の長さkと第6の線状素子の長さlとは等しくなければならない。
【0141】
例えば、図25に示すように、給電点202を原点として、板状素子217の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸とする。この場合、アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子2122とを含むyz平面(このyz平面は、第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線を含む平面である)に対し、第3の線状素子213と第4の線状素子214との位置関係と、第5の線状素子と第6の線状素子との位置関係は、それぞれ左右対称となるような形状をなしている。
【0142】
なお、ここでは、接続点221に接続された第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、接続点2122に接続された第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度は、どちらも180°となっているが、この場合に限らず、第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向が同一であれば、180°より小さい角度あってもよく、また、双方の角度が異なっていても、パラメータを調整すれば、以下と同様の効果が得られる。
【0143】
アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子222とを含むyz平面(以下、簡単にyz平面と呼ぶ)に対し左右対称であるため、図25に示すように、第3の線状素子213と第4の線状素子214、第5の線状素子215と第6の線状素子216において、yz平面から同じ距離にある点は、それぞれ位相が逆で大きさが等しい電流が流れる。そのためyz平面上の天頂方向(z軸方向)では互いに打ち消しあう関係となり、不要放射が減少する。
【0144】
図26は、アンテナ200を流れる電流について説明するための図である。地板201に平行な線状素子(第3の線状素子213,第4の線状素子214、第5の線状素子215、第6の線状素子216)が、第1の線状素子211と第2の線状素子212からなる給電線から左右双方に伸びているため、地板に平行な線状素子が一方にしか伸びていない、図20に示したアンテナに比べて、地板に平行な各線状素子(第3の線状素子213、第4の線状素子214、第5の線状素子215、第6の線状素子216)に流れる電流271〜274は減少するが、図26に示したように、給電線としての第2の線状素子212に流れる電流275はほとんど変わらないため相対的に放射抵抗が増加し、広帯域化を実現できる。
【0145】
ここで、第1の動作周波数820MHzと第2の動作周波数950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようなアンテナ200について考えてみる。この場合、アンテナ200の上記パラメータg〜lは、以下に示すような計算により容易に求めることができる。
【0146】
周波数820MHzの波長をλx、周波数950MHzの波長をλyとすると、
λx/4=92mm … (17)
λy/2=158mm … (18)
となる。ここでアンテナの高さ(すなわち、第1の線状素子211の長さgと第2の線状素子212の長さjとの和)を20mmと決めると、式(11)、(16)より、
k=l=72mm … (19)
となる。更に、式(11)、(13)、(15)より、
h−g=i−g=66mm … (20)
となる。ここで、第1の線状素子の長さgを10mmと決めると、式(20)より、
h=i=76mm … (21)
となる。
【0147】
次に、上記のようにして求めたパラメータ値のアンテナ200と、図20に示したアンテナとの周波数特性と放射パターンとを比較する。なお、第3の線状素子213の長さhと第4の線状素子214の長さiは、以下のように微調整を行った。
【0148】
h=i=73mm … (22)
また、上記パラメータg〜lの他に、板状素子217の形状を決定するパラメータm、nを、それぞれ、5mm、25mmとする。パラメータmは、L字型の板状素子217の庇部分の短辺の長さであり、nは当該庇部分の長辺の長さである。
【0149】
次に、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータg〜nを上記のように決定したアンテナ200と、同じく、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータa〜fを決定した図20に示した構成のアンテナとを、周波数特性と放射パターンについて比較してみる。
【0150】
まず、図20に示した構成のアンテナの場合について説明する。図27は、比較対象である、図20に示したアンテナを模式的に表すとともに、比較時のパラメータ値を示したものである。なお、図27において、図20と同様、図2や図3に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図3で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて示している。図27に示すように、上記パラメータa〜fが、a=10mm、b=74mm、c=10mm、d=72mm、e=5mm、f=25mmのとき、図27に示したアンテナは、図28、図29に示すような周波数特性を示す。
【0151】
図28は、図27の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図27に示したアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0152】
図29は、同様にして、図27の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図27に示したアンテナの電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)の変化を示したものである。
【0153】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f21(=800MHz)から、その値を徐々に挙げて行き、f23でほぼ周波数835MHz、f28でほぼ955MHz、f29で1000MHzであるとする。
【0154】
図28に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図27に示した構成のアンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、入力周波数信号の周波数f23、f28近傍で、VSWRが「2」に最も近づくようなインピーダンスとなる。この図28に示したインピーダンス特性は、図29にも同様に表れている。
【0155】
図29に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図27に示したアンテナのVSWRの軌跡は、周波数がほぼ835MHzと955MHz近傍でVSWRが「2」に近づき、最も小さくなっている。
【0156】
図30は、図27に示したアンテナの放射パターンを示したもので、図30(a)は、図27の給電点21から供給される周波数信号の周波数が820MHzのときの放射パターンを表し、図30(b)は、図27の給電点21から供給される周波数信号の周波数が950MHzのときの放射パターンを表している。
【0157】
図27に示したように、給電点21を原点として、板状素子26の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸と定めたとき、図30(a)、(b)は、yz平面(φ=90°)内のθ=−90°から90°までの(上半分の)放射パターンを示している。図30(a)(b)に示すように、図27に示したアンテナは、z軸方向(θ=0°)の放射も大きい。
【0158】
図29からも明らかなように、このアンテナは、第1の動作周波数(820MHz)近傍と第2の動作周波数(950MHz)近傍とをそれぞれ動作帯域とし、特に、並列共振モードが優勢となる周波数帯(ほぼ950MHz前後の周波数帯)において、共振のピークが鋭い。また、図30からも明らかなように、当該アンテナの真上、すなわち、図27におけるz軸方向への放射指向性が大きい。
【0159】
次に、図22に示したアンテナ200の場合について説明する。図31は、図22に示したアンテナを模式的に表すとともに、比較時のパラメータ値を示したものである。なお、図31において、図22に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図23で説明した各素子のパラメータg〜l、および板状素子の形状を決定するパラメータm、nも合わせて示している。
【0160】
図31に示すように、上記パラメータg〜lが、g=10mm、h=73mm、i=73mm、j=10mm、k=72mm、l=72mm、m=5mm、n=25mmのとき、図31に示したアンテナは、図32、図33に示すような周波数特性を示す。
【0161】
図32は、図31の給電点202から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図31に示したアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0162】
図33は、同様にして、図31の給電点202から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図31に示したアンテナの電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)の変化を示したものである。
【0163】
給電点202から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f21(=800MHz)から、その値を徐々に挙げて行き、f24でほぼ周波数840MHz、f27でほぼ950MHz、f29で1000MHzであるとする。
【0164】
図32に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図31に示した構成のアンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、入力周波数信号の周波数f24近傍で、VSWRが「2」に一度最も近づくようなインピーダンスとなる。周波数が増加すると、今度は、周波数f25(ほぼ920MHz)からf27(ほぼ950MHz)の間でVSWRが「2」より小さくなるようなインピーダンスとなり、特に、周波数f26(ほぼ940MHz)ではVSWRがほぼ「1」となるようなインピーダンスを示している。この図32に示したインピーダンス特性は、図33にも同様に表れている。
【0165】
図33に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図31に示したアンテナのVSWRの軌跡は、周波数がほぼ840MHzのときにVSWRは「2」に近づき、その後、周波数が増加に伴いVSWRは増加するものの、再び周波数890MHzからVSWRは減少していき、ほぼ940MHzのときにはVSWRが最も小さくなっている(VSWRが「1」に最も近づく)。
【0166】
アンテナ200は、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータa〜nを決定することにより、820MHz近傍から955MHz近傍にわたった周波数帯域でVSWRの値が「3」より小さくなっている。
【0167】
図34は、図31に示したアンテナの放射パターンを示したもので、図34(a)は、図31の給電点202から供給される周波数信号の周波数が820MHzのときの放射パターンを表し、図34(b)は、図31の給電点202から供給される周波数信号の周波数が950MHzのときの放射パターンを表している。
【0168】
図31に示したように、給電点202を原点として、板状素子217の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸と定めたとき、図34(a)、(b)は、yz平面(φ=90°)内のθ=−90°から90°までの(上半分の)放射パターンを示している。図34(a)(b)に示すように、z軸方向(θ=0°)での放射が小さくなり、z軸方向を中心に対称の放射パターンを形成している。
【0169】
ここで、図27に示したアンテナのVSWRの周波数特性(図29参照)と、図31に示したアンテナ200のVSWRの周波数特性(図33参照)とを比較してみる。例えば、VSWRが「3」より小さいところで、図29と図33とを比較すると、VSWRが「3」より小さくなる周波数帯域幅は、前者の場合、2つ存在する周波数帯の合計として50MHzあるのに対し(図29参照)、後者の場合、連続する1つの周波数帯として135MHzとなっており(図33参照)、2倍以上の広帯域化を実現していることが分かる。
【0170】
また、図27に示したアンテナの放射パターン(図30参照)と、図31に示したアンテナ200の放射パターン(図34参照)とを比較してみる。図30(a)(b)と、図34(a)(b)のそれぞれを、yz平面(φ=90°)内のz軸方向(θ=0°)において比較してみると、後者の場合、前者の場合より不要放射を10dB以上抑圧してモノポール型の放射パターンを実現していることが分かる。
【0171】
以上説明したように、上記第3の実施形態に係るアンテナ200では、パラメータの決定が容易であるとともに、送受信周波数域の広帯域が実現でき、しかも、アンテナの上方向への不要放射が少ない水平面内無指向性アンテナを実現することが可能となる。また、例えば回路基板上に設置する場合に、広い部品実装面積を確保でき、例えば、携帯電話などの携帯型の小型情報通信端末に用いられる内蔵アンテナにも適用可能である。
【0172】
なお、本発明は、上記第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送受信周波数域の広帯域化が実現できるとともに、設計が容易で(パラメータの決定が容易で)、しかも(例えば回路基板上に設置する場合に)、広い部品実装面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来からあるアンテナの構成を説明するための図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図。
【図3】図2のアンテナの動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータa〜fも合わせて図に示している。
【図4】アンテナ2のパラメータa〜dの満たすべき条件について説明するための図。
【図5】アンテナ2のパラメータaの決定手法について説明するための図で、アンテナ2から板状素子26を抜いた状態、つまり並列共振アンテナの構成を示した図。
【図6】図5の並列共振アンテナの周波数特性を示した図。
【図7】アンテナ2のパラメータe、f、(さらに必要に応じてd)の決定手法について説明するための図で、アンテナ2から線状素子24を抜いた状態、つまり直列共振アンテナの構成を示した図。
【図8】図5の直列共振アンテナの周波数特性を示した図。
【図9】アンテナ2の他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて板状素子51を用いた場合を示した図。
【図10】アンテナ2のさらに他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて線状素子52を用いた場合を示した図。
【図11】アンテナ2のさらに他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて線状素子53を用いた場合を示した図。
【図12】アンテナ2の周波数特例を示した図。
【図13】従来からある逆Fアンテナの構成を示した図。
【図14】図13の逆Fアンテナの周波数特性を示した図。
【図15】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図2,図3に示した構成のアンテナの場合を示している。
【図16】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図17】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図18】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図で、細い板状素子つまりリボン状素子にて構成された場合を示した図。
【図20】2つの動作周波数帯を持つアンテナの構成例を示した図。
【図21】図20に示した構成のアンテナの周波数特性を示した図。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図。
【図23】図22のアンテナの動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータg〜lも合わせて図に示している。
【図24】図22のアンテナのパラメータg〜lの満たすべき条件について説明するための図。
【図25】図22のアンテナの動作面からみた特徴を説明するための図。
【図26】図22のアンテナの動作面からみた特徴を説明するための図。
【図27】図20に示したアンテナの構成を各素子の(設計)パラメータa〜fの値も合わせて示した図。
【図28】図27に示したアンテナのインピーダンスの周波数特性を示した図。
【図29】図27に示したアンテナの定在波比の周波数特性を示した図。
【図30】図27に示したアンテナの放射パターンを示した図。
【図31】図22に示したアンテナの構成を各素子の(設計)パラメータg〜nの値も合わせて示した図。
【図32】図31に示したアンテナのインピーダンスの周波数特性を示した図。
【図33】図31に示したアンテナの定在波比の周波数特性を示した図。
【図34】図31に示したアンテナの放射パターンを示した図。
【符号の説明】
1…内部筐体
2、200…アンテナ
21、202…給電点
22、211…第1の線状素子
23、212…第2の線状素子
24、213…第3の線状素子
25、214…第4の線状素子
26…板状素子
27、28、221、222…接続点
31、201…地板
51…板状素子
52、53…線状素子
121…給電点
124…素子(第3の線状素子24に対応する)
125…素子(第4の線状素子25に対応する)
126…素子(板状素子26に対応する)
127…素子(第1の線状素子22,第2の線状素子23に対応する)
215…第5の線状素子
216…第6の線状素子
217…板状素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話などに用いられる内蔵アンテナや、車載アンテナなどの外付けアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話などに用いられるアンテナには、広帯域化が求められる場合が多い。これは、携帯電話のアンテナは、使用する人体などの近接により周波数特性が変化しやいので、この変化量を少なくするためである。
【0003】
従来の技術としては、図1に示すようなアンテナがある。このアンテナは、例えば、無線通信機のプラスチックなどの絶縁体で作られた外部筐体の内部にある接地導体板(地板)で作られた方形の内部筐体101のある一面、すなわち、地板100上に設置され、第1の板状素子104と、第2の板状素子105とからなる板状の逆Fアンテナと、地板100と第2の板状素子105との間に付加された第3の板状素子106とから構成された内蔵アンテナである。なお、第2の板状素子105は、給電線103に接続点111で接続され、第3の板状素子106は、給電線103に接続点112で接続されている。
【0004】
図1に示したアンテナは、板状の逆Fアンテナに第3の板状素子106を付加して広帯域化させたものであるが、形状による実装の問題と設計の難しさという問題を有している。このアンテナは、86年春、電子情報通信学会の全国大会にて、本願の発明者が学会発表したものである。
【0005】
近年、無線通信機などの端末は携帯可能なように小型化が進み、例えば、図1に示したようなアンテナを回路基板上に設け、板状素子の直下にも、部品実装を行いたいという要望がある。しかし、図1に示したアンテナの場合、第3の板状素子と第2の板状素子とで、板状素子が2段になるため、回路基板100上の部品実装に限界が生じるという問題点がある。
【0006】
また、図1に示したアンテナの場合、設計に長時間を費やす必要があるという問題がある。このアンテナの場合、板状素子105,106を含むため、電磁界シミュレーションに入力するためのモデル化が難しく、また実験的なアプローチをとろうとしても、パラメータが多いので、構造上の寸法値を最適化するためには、長い時間を必要とする。また、設計指針となる値が明らかになっていなかったため、所望の広帯域特性を得ることが非常に困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の図1に示したような広帯域化された板状逆Fアンテナでは、その実装面積に無駄が生ずるとともに、設計が非常に難しいという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、設計が容易で(パラメータの決定が容易で)、(例えば回路基板上に設置する場合に)広い部品実装面積を確保することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のアンテナ装置は、第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子(あるいは第5の線状素子)とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記板状素子(あるいは第5の線状素子)の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数(f1)信号の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の線状素子が並列共振するときの第2の周波数(f3)信号の波長の1/2で、かつ、前記第1および第3の線状素子の長さの和が、前記第1および第3の線状素子が直列共振するときの第3の周波数(f2)信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の周波数信号の周波数(f3)は、前記第1の周波数信号の周波数(f1)より高く、前記第3の周波数信号の周波数(f2)より低いことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のアンテナ装置は、第1の板状素子と第2の板状素子と第3の板状素子と第4の板状素子と第5の板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の板状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の板状素子の一端に接続され、前記第2の板状素子の一端は、前記第1の板状素子と前記第3の板状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記第5の板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の板状素子と前記第2の板状素子の接続点に接続され、前記第1、第2,第3,第4,第5の板状素子が同じ平面上に配置され、前記第1、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の板状素子が並列共振するときの第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第1および第3の板状素子の長さの和が、前記第1および第3の板状素子が直列共振するときの第3の周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の周波数信号の周波数は、前記第1の周波数信号の周波数より高く、前記第3の周波数信号の周波数より低いことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のアンテナ装置は、第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、前記板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第1の周波数信号(f1)の波長の1/4で、かつ、前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第2の周波数信号(f3)の波長の1/2で、かつ、前記第1の周波数信号の周波数(f1)は、前記第2の周波数信号の周波数(f3)より低いことを特徴とする。
【0012】
本発明のアンテナ装置は、第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成される(あるいは、第1乃至第7の線状素子から構成される)アンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、前記板状素子(あるいは前記第7の線状素子)の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、前記第3の線状素子の長さと前記第4の線状素子の長さは等しく、前記第5の線状素子の長さと前記第6の線状素子の長さは等しいことを特徴とする。
【0013】
本発明のアンテナ装置は、第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成される(あるいは、第1乃至第7の線状素子から構成される)アンテナ装置であって、前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、前記板状素子(あるいは、前記第7の線状素子)の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の線状素子と前記第3の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第2の動作周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第2の線状素子と前記第4の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第2の動作周波数信号の波長の1/2であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ2の構成例を示したものである。第1の実施形態に係るアンテナ2は、例えば、無線通信機のプラスチックなどの絶縁体で作られた外部筐体の内部にある接地導体板(地板)で作られた方形の内部筐体1に設置される場合を示している。筐体1のアンテナ2が実装されている面を、ここでは、地板31と呼ぶ。地板1とは電気的な接続がないように、筐体1に設けられた給電点21を介して、例えば無線機とアンテナ2との間で信号の伝送が行われる。
【0016】
筐体1の形状、大きさは特に限定するものではなく、任意である。給電点21は、筐体1上の任意の位置に設けることができる。図2では筐体1の地板31の端に配置されているが、筐体1上のどこにあっても、調整を行えば、以下に示すような同様の効果を得ることができる。
【0017】
図2に示したアンテナ2は、地板31にその一端を立設して配置されると共に自由端側は地板31に対向させて折曲させたL字形の板状素子26と、第1の線状素子22と、第2の線状素子23と、第3の線状素子24と、第4の線状素子25とから構成されている。
【0018】
図2に示すように、アンテナ2の第1の線状素子22の一端は給電点21に接続されて、この第1の線状素子22は地板31にほぼ垂直となるように配置されている。第3の線状素子24の一端は第1の線状素子22の他端に接続され、この第3の線状素子24は地板31にほぼ平行となるように配置されている。第1の線状素子22と第3の線状素子24との接続点27には、第2の線状素子23の一端が接続され、この第2の線状素子23は第1の線状素子22に平行となるように配置されている。第2の線状素子23の他端には第4の線状素子25の一端が接続され、この第4の線状素子25は第3の線状素子24とほぼ平行となるように配置されている。さらに、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28は、板状素子26の自由端に接続されている。線状素子24と線状素子25は、それぞれをコの字形に折曲して、この2つの線状素子24,25が互いに平行に配置されている。
【0019】
アンテナ2は、アンテナの動作面から見た場合に、第1の線状素子22と第2の線状素子23とからなる給電線と、第4の線状素子25と板状素子26とから構成される直列共振アンテナと、第1の線状素子22と第2の線状素子23とからなる給電線と、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25とから構成される並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。
【0020】
図3は、図2のアンテナ2の動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータa〜fも合わせて図に示している。
【0021】
アンテナ2は、上記したように、直列共振アンテナと、並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。従って、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25の長さの和は、この直列共振アンテナの共振するときの波長の1/4となる。また、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25の長さの和は、この並列共振アンテナの共振するときの波長の1/2となる。
【0022】
すなわち、図3に示すように、給電点21と接続点27とを接続する第1の線状素子22の長さをaとし、接続点27にその一端が接続された第3の線状素子24の長さをbとし、接続点27と接続点28を接続する第2の線状素子23の長さをcとし、接続点28にその一端が接続された第4の線状素子24の長さをdとする。すると、図4(a)に示すように、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25の長さの和(a+c+d)は、直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λ1の1/4、すなわち、(1/4)λ1となる。また、図4(b)に示すように、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25の長さの和(b+c+d)は、この並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λ3の1/2、すなわち、(1/2)λ3となる。
【0023】
また、aとcの値の和により上記直列共振アンテナの高さが決定され、これによってアンテナ2の送受信周波数帯域幅が決まる。帯域幅をできるだけ広く取りたい場合には、a+cで表される高さをなるべく高く取ればよい。
【0024】
次に、aの値は、次のような条件を満たす必要がある。
【0025】
(c−b+d)/2 >a > (b−c−d)/2 …(1)
式(1)は、アンテナ2に並列共振を発生させるための条件式である。
【0026】
アンテナ2における並列共振は、アンテナ2の2つの直列共振モードのそれぞれのエレメントから発生するとも言える。2つの直列共振モードのうちの1つ目は、第1の線状素子22と第2の線状素子23と第4の線状素子25とから構成される、長さが(a+c+d=(λ1)/4)のアンテナ(以下、これを第1の直列共振モードアンテナと呼ぶ)であり(図4(a)参照)、2つ目は、第1の線状素子22と第3の線状素子24とから構成される、長さが(a+b=(λ2)/4)のアンテナ(以下、これを第2の直列共振モードと呼ぶ)である(図4(c)参照)。
【0027】
第1の直列共振モードアンテナの共振周波数をf1(周波数f1の周波数信号の波長をλ1)、第2の直列共振モードアンテナの共振周波数をf2(周波数f2の周波数信号の波長をλ2)とする。
【0028】
このとき、第1と第2の直列共振モードアンテナの共振周波数f1とf2は、異なっていることが、アンテナ2に並列共振を発生させるための条件の1つ目である。
【0029】
さらに、この2つの共振周波数f1,f2の間に、第2の線状素子23と第3の線状素子24と第4の線状素子25とから構成される、長さb+c+d=λ3/2の上記並列共振アンテナ(図4(b)参照)の共振周波数f3(周波数f3の周波数信号の波長λ3)が挟まると、これが、並列共振の発生条件の2つ目になる。すなわち、
f1<f3<f2 …(2)
あるいは、これを波長で表した
λ2<λ3<λ1 …(3)
が、並列共振の発生条件の2つ目である。
【0030】
さらに、式(3)に、
a+c+d=λ1/4
b+c+d=λ3/2
a+b=λ2/4
を当てはめると、
4(a+b)<2(b+c+d)<4(a+c+d) …(4)
となり、式(4)を変形することによって式(1)が求まる。
【0031】
アンテナ2は、主に、上記したようなa〜d、さらに、e、fなるパラメータの値を設定することで、容易に構成可能であるが、図1に示したような構成の従来例においては、板状素子を用いていたため、そのパラメータを設定することが容易に行えなかった。
【0032】
なお、周波数f3(周波数f3の周波数信号の波長λ3)で共振する並列共振の必要性はこれまで言及されたことはなく、本願発明の特徴の1つであり、単なる設計上の値とは異なったものである。
【0033】
以下、図3に示した構成のアンテナ2のパラメータa〜fの値の決定手法について具体的に説明する。
【0034】
ここでは、例えば、周波数f1がほぼ860MHz、周波数f2がほぼ900MHz、周波数f3がほぼ880MHzと与えられているときに、パラメータの値を決定する場合について説明する。
【0035】
また、アンテナ2を実装する筐体1の大きさなどから、例えば、パラメータb、c、dの値をそれぞれ、80mm、5mm、86mmと予め決定したものとして、以下説明を行う。
【0036】
このとき、まず、パラメータaの値の決定手法について、図5、図6を参照して説明する。
【0037】
図5は、図3に示した構成のアンテナ2から板状素子26を抜いた状態、つまり並列共振アンテナの構成を示したものである。
【0038】
aの値は、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの値を見ながら調節する必要がある。すなわち、aの値を調節することで、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの値を調整することができる。
【0039】
図6は、パラメータb、c、dの値をそれぞれ、ほぼ80mm、5mm、86mmと与えられた場合に、パラメータaの値を、例えば、ほぼ2.5mmに設定したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナの周波数特性を示したものである。
【0040】
図6(a)は、図5の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0041】
図6(b)は、同様にして、図5の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の並列共振アンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0042】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f13で周波数860MHz(f1に対応する周波数)、f16で880MHz(f3に対応する周波数)、f17で900MHz(f2に対応する周波数)であるとする。
【0043】
パラメータaの値は、図6(a)に示すようなスミスチャートを参照しながら、入力周波数信号の周波数がf1、f3、f2のときに、図5に示した構成の並列共振アンテナのリアクタンスが「0」となり、かつ、図6(b)に示すように、周波数f3のときに不整合損がほぼ「0」となるように調節すればよい。
【0044】
その結果、aがほぼ2.5mmのときに、図6(a)に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図5に示した構成の並列共振アンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、周波数f1、f3、f2に対応する入力周波数信号の周波数f13、f16、f17のときに、リアクタンスが「0」となり、しかも、図6(b)に示すように、f3に対応する880MHzのところで、不整合損がほぼ「0」となっている。この周波数域(ほぼ880MHz)が並列共振で動作しているところである。
【0045】
パラメータaの値は、並列共振アンテナの直列共振アンテナに対する優位度を決定するものである。アンテナ2上には、並列共振と直列共振の2つの電流分布が重なって存在している。並列共振アンテナの優位度とは、これら分布の振幅の大きさの比にあたる。aの大きさが小さいほど、並列共振の電流が増加する。従って、aの値を調節することで、インピーダンスの値を調整することが可能となるのである。
【0046】
パラメータaが決定されたので、次に、板状素子6の形状を決定する。
【0047】
以下、板状素子26の形状を決定するパラメータe、fの決定手法について、図7,図8を参照して説明する。
【0048】
図7は、図3に示した構成のアンテナ2から線状素子24を抜いた状態、つまり直列共振アンテナの構成を示したものである。
【0049】
図2、図3では、板状素子6は、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形になっているが、この場合に限らず、少なくとも、板状素子6は、その一端が地板31に接続され、他端は、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28に接続されていればよい。
【0050】
要は、板状素子6は、接続点28と地板31(グランド(GND))とを接続し、以下に示しような周波数特性を持つのであれば、その形状は問わない。例えば、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図9に示すような板状素子51であってもよい。なお、図9において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図9において、板状素子51の一端は地板31(筐体1)に接続され、その板面を傾斜させて、他端が接続点28に接続されている。
【0051】
また、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図10に示すような線状素子52であってもよい。なお、図10において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図10において、線状素子52の一端は地板31(筐体1)に接続され、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点28に接続されている。
【0052】
さらに、図2、図3に示したような形状の板状素子6に換えて、図11に示すような線状素子53であってもよい。なお、図11において、図2、図3と同一部分には同一符号を付している。図11において、直線状の線状素子53を地板31(筐体1)と接続点28との間に立てかけるように配置し、かつ、線状素子53の一端が地板31に、他端を接続点28に接続した構成としている。
【0053】
図7の説明に戻る。
【0054】
板状素子26の形状を決定するパラメータe、fの値を変化させることにより、図7に示した構成の直列共振アンテナの周波数特性も変化する。この周波数特性について、図8を参照して説明する。
【0055】
図8は、パラメータc、dの値をそれぞれ、ほぼ、5mm、86mmとしたときに、上記のようにして(図5,図6参照)、パラメータaの値を、ほぼ2.5mmに設定した場合に、パラメータe、fの値を例えば、それぞれ2mm、5mmに設定したときの図7に示した構成の直列共振アンテナの周波数特性を示したものである。
【0056】
図8(a)は、図7の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0057】
図8(b)は、同様にして、図7の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図5に示した構成の直列共振アンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0058】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f13で周波数860MHz(f1に対応する周波数)、f16で880MHz(f3に対応する周波数)、f17で900MHz(f2に対応する周波数)であるとする。
【0059】
図7に示したように、線状素子21、22、25と、例えば板状素子26などにより接続点28が地板31(筐体1)に接続された構成の直列共振アンテナの場合、入力周波数信号の周波数の変化に伴うインピーダンスの変化の軌跡は、図8(a)に示すような円状となる。
【0060】
パラメータe、fは、(A)図8(a)に示すように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を表した(スミスチャート上の)円状の軌跡が、円状のスミスチャートの端に表れること、(B)この軌跡の円の半径が、スミスチャートの直径の数分の一(例えば、約1/6程度)であること、の以上2つの条件を満たすように調節すればよい。
【0061】
パラメータe、fを変化させることにより、スミスチャート上に表れる円状の軌跡は次のように変化する。すなわち、(fの値を固定したとき)eの値が小さくなるほど、円状の軌跡は、スミスチャート上の端に移動し、その軌跡の円の大きさ(半径)は小さくなる。一方、(eの値を固定したとき)fの値が大きくなるほど、円状の軌跡は、スミスチャート上の端に移動し、その軌跡の円の大きさ(半径)は小さくなる。
【0062】
上記(A)(B)の条件を満たすように、パラメータe、fの値を調節すればよい。
【0063】
また、図7に示した直列共振アンテナは、不整合損が最小となる周波数がほぼ周波数f1(ここでは、例えば、f1=860MHz)であることが要求される。このために、線上素子25の長さ(パラメータd)を調節すればよい。パラメータdの値が大きくなればなるほど、不整合損が最小となる周波数が低くなる。ここでは、不整合損が最小となる周波数がほぼ860MHzとなるように、パラメータdを調節すればよい。
【0064】
パラメータe、fを調節した結果、eがほぼ2mm、fがほぼ5mm、dがほぼ86mmのときに、図8(a)に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う図7に示した構成の直列共振アンテナのインピーダンスの変化を表した円状の軌跡は、スミスチャートの端の方に表れ、その大きさ(半径)はほぼ、スミスチャートの直径の6分の1程度となる。また、図8(b)に示すように、f1に対応する860MHzのところで、不整合損が最小となっている。
【0065】
以上のようにして、パラメータa、e、f、さらにdの値が決定した。上記の例では、周波数f1がほぼ860MHz、周波数f2がほぼ900MHz、周波数f3がほぼ880MHzと与えられたとき、アンテナ2のパラメータa〜fが、それぞれ、2.5mm、80mm、5mm、86mm、2mm、5mmと決定されたわけであるが、この場合のアンテナ2の周波数特性を図12に示す。
【0066】
図12(a)は、図3の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図3に示したアンテナ2のインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0067】
図12(b)は、同様にして、図3の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図3に示した構成のアンテナ2の不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0068】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f11から、その値を徐々に挙げて行き、f12で周波数840MHz、f13で860MHz、f16で880MHzであるとする。
【0069】
図12(a)に示すように、入力周波数信号の周波数がほぼ840MHz、860MHz、880MHzのときに、図3に示した構成のアンテナ2のリアクタンスがほぼ「0」となり、しかも、図12(b)に示すように、入力周波数信号の周波数が840MHz、860MHz、880MHzのときに、不整合損がほぼ「0」となっている。すなわち、図12(b)からも明らかなように、下限周波数が840MHz、上限周波数が880MHzの送受信帯域幅を持つアンテナ2が得られたことになる。
【0070】
ここで、上記のようにして設計されたアンテナ2の周波数特性(図12参照)と比較するために、図13に示したような一般的な逆Fアンテナの周波数特性を図14に示す。
【0071】
図13に示した逆Fアンテナは、図3に示したアンテナ2から線状素子24を取り除き、板状素子26を線状素子61に置き換えたものとなっている。なお、図13において、図3と同一部分には同一符号を付している。図13において、線状素子61の一端は地板31(筐体1)に接続され、地板31に接続されていない他端側が地板31(筐体1)に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点28に接続されている。
【0072】
また、図13に示した逆Fアンテナの各線状素子の長さ(線状素子21の長さa、線状素子23の長さc、線状素子25の長さd、線状素子61の地板31に対向している部分の長さe)は、それぞれ、a=2.5mm、c=5mm、d=90mm、e=2.5mmである。
【0073】
図14(a)は、図13の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図13に示した構成の逆Fアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0074】
図14(b)は、同様にして、図13の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図13に示した構成の逆Fアンテナの不整合損(mismatching loss)の変化を示したものである。
【0075】
図14(a)に示したように、入力周波数信号の周波数がほぼf13=840MHzのときに、図13に示した逆Fアンテナのリアクタンスが「0」となり、図14(b)に示すように、不整合損がほぼ「0」となっている。
【0076】
不整合損−0.5dBのところで、図14(b)に示した逆Fアンテナの周波数特性と、図12(b)に示したアンテナ2の周波数特性とを比較すると、アンテナ2が倍以上の広帯域化を示していることがわかる。
【0077】
以上は、地板31上にアンテナ2を実装する場合について説明したが、この場合に限らず、回路基板などにも実装可能である。この場合、板状素子26、51、線状素子52、53などの第2の線状素子23と第4の線状素子25との接続点が接続されていない方の端は、接地されていればよい(グランド(GND)に接続されていればよい)。
【0078】
この場合、回路基板上の線状素子24、25で囲まれた部分に部品を実装することも可能である。従って、従来の板状素子を用いたアンテナ(図1参照)にくらべて部品実装面積を広くすることができる。
【0079】
次に、上述したアンテナ2を構成する線状素子24、25の形状について説明する。すなわち、図15には比較のために、上述したアンテナ2の線状素子24、25の形状を示し、図16〜図19に、アンテナ2に適用可能な線状素子24、25の形状と位置関係のバリエーションを示す。
【0080】
なお、図15〜図19では、線状素子24、25の形状とその位置関係のみを簡略化して示している。
【0081】
図15は、線状素子24と線状素子25のそれぞれをコの字形に折曲して、この2つの線状素子24,25を互いに平行に、かつ、所定間隔を存して配置したものである。
【0082】
図15の線状素子24の取り付け端を90度回転させ、かつ線状素子24を反転させた上で、上部側の線状素子24と位置をそろえて互いに平行に配置したものが図16である。
【0083】
図16に示したように、線状素子24,25を配置すると、並列共振の共振周波数f3を変化させることができ、アンテナ設計の自由度を上げることができる。これは、線状素子24と線状素子25の図16に示した配置から、この2つの線状素子24,25でコイルが形成されることから、並列共振時に素子にインダクタンス性が発生し、素子の電気長が長くなるからである。この電気的な長さの変化は、直列共振時においては発生しない。なぜなら、直列共振時には、線状素子24または線状素子25のどちらかにしか電流が流れないため、電流分布がループ状にならずインダクタンス性が発生しないからである。したがって2つの直列共振を変化させることなく並列共振だけを変化させることで、アンテナの調整が可能になり、アンテナの設計がやりやすくなるのである。
【0084】
なお、図15、図16において、板状素子26、51や線状素子52,53などの自由端には、線状素子25と線状素子23との接続点28が接続する。
【0085】
図17〜図18には、第1の実施形態のアンテナ2を構成する第2の線状素子23の長さを「0」としたときに、本願発明のアンテナとして適用可能な線状素子24と線状素子25の形状と、配置関係を示したものである。
【0086】
図17は、線状素子24,25のそれぞれをコの字形に折曲し、さらに、それぞれの自由端を矩形波状に折曲して、この2つの線状素子24,25の矩形波状に折曲された部分を同一平面内で互いに向き合わせて配置した場合を示している。この場合も線状素子24、線状素子25の長さを所定の値とすることによって、図16の場合と同様、線状素子24と線状素子25がコイル状に配置されていることにより、並列共振時の共振周波数を変化させることができる。
【0087】
図18は、図16の線状素子23の長さを「0」にして、コの字形状の線状素子25のコの字の内側に、同じくコの字形状の線状素子24を同一平面内に配置した場合である。図18の場合、図16,図18の場合とは異なり、コイルの特性を排除している。図16、図18の場合では、インダクタンスの値が大きくなりすぎて並列共振の周波数f3だけが非常に低くなり、直列共振の周波数f1から大きくはずれてしまう(並列共振周波数f3が式(2)の条件を満たさなくなる)ことがある。このような状況があり得る場合には(特に、線状素子のインダクタンス性を下げるために)、図18に示した構成を適用することが好ましい。
【0088】
なお、図17、図18において、線状素子22、24、25の接続点が板状素子26、51や線状素子52,53などの自由端に接続される。
【0089】
また、線状素子24、25の形状とその位置関係は、上記図15〜18に示したものに限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り様々に変形可能である。
【0090】
また、線状素子24、25の形状や配置が図16〜図18に示したようなものであっても、アンテナ2は、前述同様、回路基板などにも実装可能である。
【0091】
以上説明したように、上記第1の実施形態によれば、従来の板状のアンテナにくらべて設計が容易で(パラメータa〜fの決定が容易で)、しかも部品実装面積を広くすることが可能となる。
【0092】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態として、第1の実施形態で説明した本発明に係るアンテナの原理を同じくした、リボン状素子にて構成したアンテナについて説明する。
【0093】
一般的に、アンテナには、機械的強度が確保できて、しかも、コスト削減を図れるようにするため、板状導体が使われる。本発明のアンテナも細い板状素子つまりリボン状素子による構成も採用できる。
【0094】
図19は、本発明の第2の実施形態に係るリボン状素子を用いたアンテナの構成を示したもので、アンテナの各素子にリボン状素子を用いたときの、上記アンテナ2で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて図に示しておく。
【0095】
図19に示したアンテナは、第1の実施形態で説明した線状素子の場合と異なり幅を有しているが、基本的には、それぞれにリボン状素子の持つ幅の中心線の長さをパラメータa〜fとすればよい。
【0096】
図19に示したアンテナは、板体をF型に打ち抜き、その打ち抜いた結果得られるF型の板体のF字の縦線に対応する部分にスリット131を1本入れて構成されている。
【0097】
F字の上下2本の横線に対応する素子124,125のうち、上の横線部分に対応する素子125は、図2、図3の第4の線状素子25に対応し、下の横線部分に対応する素子124は図2、図3の第3の線状素子24に対応し、F字の縦線に対応する部分のスリット131により分割される右側領域の素子127は、図2、図3の線上素子22と線上素子23とに対応し、左側領域の素子126は、図2、図3の板状素子26に対応する。なお、素子127の下端に給電点121が設けられている。板状素子126の下端は地板に立設し、あるいは、接地される。
【0098】
素子125の中心線の長さがパラメータdの値にほぼ対応し、素子124の中心線の長さがパラメータbの値にほぼ対応する。また、スリット131の幅がパラメータeの値にほぼ対応し、素子126の幅がパラメータfの値にほぼ対応し、素子127の中心線の下端から素子124の中心線までの長さがパラメータaにほぼ対応し、素子127の中心線の素子124の中心線から素子127の上端までの長さがパラメータcにほぼ対応する。
【0099】
なお、素子127のうち、その下端から素子124の中心線までの部分を素子127a、素子124の中心線から素子127の上端までの部分を素子127bと呼ぶ。
【0100】
図19に示した構成のアンテナのパラメータa〜fの決定手法も第1の実施形態の説明と同様である。
【0101】
すなわち、第1の実施形態と同様に、図19に示したアンテナは、素子127aに対応する第1の板状素子と、素子127bに対応する第2の板状素子と、素子124に対応する第3の板状素子と、素子125に対応する第4の板状素子と、その下端が接地された、あるいは地板に立設して配置される素子126に対応する第5の板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、第1の板状素子(素子127a)は、その一端が給電点121に接続されて、当該アンテナの実装面(あるいは地板)にほぼ垂直となるように配置され、第3の板状素子(素子124)は、その一端が第1の板状素子の他端に接続されて実装面(あるいは地板)にほぼ平行となるように配置され、第2の板状素子(素子127b)は、その一端が第1の板状素子と第3の板状素子との接続点に接続されて、第1の板状素子に平行となるように配置され、第4の板状素子(素子125)は、その一端が第2の板状素子の他端に接続されて、第3の板状素子とほぼ平行となるように配置され、第5の板状素子(素子126)の自由端側には、第4の板状素子と第2の板状素子の接続点が接続され、さらに、第1、第2,第3,第4,第5の板状素子が同じ平面上に配置されて構成されている。
【0102】
そして、第1、第2および第4の板状素子の長さの和が、第1、第2および第4の線状素子とが直列共振するときの第1の周波数信号(周波数f1)の波長(λ1)の1/4で、かつ、第3、第2および第4の板状素子の長さの和が、第3、第2、第4および第1の板状素子が並列共振するときの第2の周波数信号(周波数f3)の波長(λ3)の1/2で、かつ、第1および第3の板状素子の長さの和が、第1および第3の板状素子が直列共振するときの第3の周波数信号(周波数f2)の波長(λ2)の1/4で、かつ、第2の周波数信号の周波数f3は、第1の周波数信号の周波数f1より高く、第3の周波数信号の周波数f2より低くなるように、上記パラメータa〜fの値が決定されている。
【0103】
第1の実施形態で説明したアンテナ2と同様、図19に示したアンテナも、回路基板上にも実装可能である。この場合、素子126の下端が接地されていればよい。
【0104】
また、図19に示したようにリボン上の素子で構成した場合、機械的強度が確保できるので、例えば、車載アンテナとしても利用可能である。
【0105】
以上説明したように、上記第2の実施形態によれば、従来の板状のアンテナにくらべて設計が容易で(パラメータa〜fの決定が容易で)、しかも部品実装面積を広くすることが可能となるばかりか、さらに、機械的強度が確保できて、コスト削減も図れる。
【0106】
なお、第1および第2の実施形態で説明したアンテナは、第1の線状素子22の一端や素子127の下端に給電点が接続され、板状素子26、51、線状素子52,53などの自由端や素子126の下端が接地されていれば、その実装面は特に限定するものではない。
【0107】
また、以上の説明は、アンテナの広帯域化を目標とし、直列共振と並列共振を近接した周波数で発生させるための条件についてのものであったが、本発明は、2つの動作帯域(ほぼ第1の動作周波数F1の帯域と、ほぼ第2の動作周波数F2の帯域)をもつようなアンテナの場合にも適用が可能である。
【0108】
この場合は、第1の動作周波数F1に上記第1の直列共振モードアンテナの共振周波数f1、第2の動作周波数F2に上記並列共振アンテナの共振周波数f3を割り当てればよい。
【0109】
図20は、このときのアンテナの形状を示したものである。なお、図20において、図2や図3に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図3で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて図に示しておく。
【0110】
図20からも明らかなように、板状素子26の形状と、第4の線状素子25と第2の線状素子23の接続点28の板状素子26の自由端に接続する位置が図3に示した構成のアンテナと異なり、また、線状素子24,25が折曲されずにまっすぐなまま線状素子22や23に接続されている点においても図3に示した構成のアンテナとは異なる。
【0111】
図20において、ほぼ第1の動作周波数F1=820MHzにおいて直列共振が発生するように、第1、第2および第4の線状素子22,23,24の長さで(パラメータa、c、d)を決定している。また、ほぼ第2の動作周波数F2=940MHzにおいて並列共振が発生するように、第3、第2および第4の線状素子の長さ(パラメータb、c、d)を決定した。
【0112】
この場合、第1、第2および第4の線状素子22,23,25の長さの和(a+c+d)が、第1の動作周波数F1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、第3、第2および第4の線状素子24,23,25の長さの和(b+c+d)が、第2の動作周波数F2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、F1<F2であることが、上記パラメータを決定する際の必要最低限の条件である。
【0113】
なお、図21に示したアンテナは、大きな地板上において動作するように設計されている。
【0114】
例えば、上記パラメータa〜fが、a=10mm、b=78mm、c=10mm、d=71mm、e=2mm、f=10mmのとき、図20に示した構成のアンテナは、図21に示したような周波数特性を示す。
【0115】
図21において、設計どおり、2つの動作周波数F1=820MHzとF2=940MHzにおいて、不整合損が減少しており、この周波数F1、F2で動作することがわかる。
【0116】
このように、2つの動作周波数をもつアンテナの場合もパラメータを容易に決定することができ、設計が容易に行える。また、第1の実施形態の場合と同様、例えば回路基板上に設置する場合には、広い部品実装面積を確保でき、例えば、携帯電話などの携帯型の小型情報通信端末に用いられる内蔵アンテナにも適用可能である。
【0117】
(第3の実施形態)
図20に示した構成のアンテナは、ほぼ第1の動作周波数F1=820MHzにおいて直列共振が発生するように、第1、第2および第4の線状素子22,23,24の長さで(パラメータa、c、d)を決定し、また、ほぼ第2の動作周波数F2=940MHzにおいて並列共振が発生するように、第3、第2および第4の線状素子の長さ(パラメータb、c、d)を決定した。
【0118】
しかし、このアンテナは並列共振モードが優勢となる周波数帯において、共振のピークが鋭いという問題がある。また、地板と平行なアンテナエレメントからの放射が強く、上方向への放射指向性が大きいため効率が悪いという問題がある。
【0119】
そこで、第3の実施形態では、この問題点を解決すべく、図20における第3の線状素子24と第5の線状素子25に対応する、地板に平行な線状素子をもう1組追加してなるアンテナ200について説明する。
【0120】
図22は、第3の実施形態に係るアンテナ200の構成例を示したもので、接地導体板(地板)201上にアンテナ200が実装され、地板201とは電気的な接続がないように設けられた給電点202を介して、例えば無線機とアンテナ200との間で信号の伝送が行われるようになっている。図22では、説明の簡単のため、地板201の中心に給電点202が設けられている。しかし、給電点202は、地板201上のどこにあっても、調整を行えば同様の効果を得ることができる。以下の計算では簡単のために無限の大きさを持つ地板201を仮定している。地板201の大きさによって特性に多少の影響があるが、その影響は調整によって無限板上と同様の効果を得ることができる。
【0121】
図22に示したアンテナ200は、地板201にその一端を立設して配置されると共に自由端側は地板201に対向させて折曲させたL字形の板状素子217と、第1の線状素子211と、第2の線状素子212と、第3の線状素子213と、第4の線状素子214と、第5の線状素子215と、第6の線状素子216から構成されている。
【0122】
図22に示すように、アンテナ200の第1の線状素子211の一端は給電点202に接続されて、この第1の線状素子211は地板201にほぼ垂直となるように配置されている。第3の線状素子213の一端は第1の線状素子211の他端に接続され、この第3の線状素子213は地板201にほぼ平行となるように配置されている。第1の線状素子211の他端と第3の線状素子213の一端との接続点221には、第4の線状素子214の一端が接続され、この第4の線状素子214は、地板201にほぼ平行となるように配置されている。
【0123】
接続点221に接続された第3の線状素子213と第4の線状素子214は、地板201にほぼ平行である平面上にあるように配置されている。
【0124】
接続点221には、さらに、第2の線状素子212の一端が接続され、この第2の線状素子212は、その軸線が第1の線状素子211の軸線に一致するように配置されている。第2の線状素子212の他端は、板状素子217の自由端のほぼ中央近傍に接続され、この第2の線状素子212の他端と板状素子217との接続点222には、第5の線状素子215の一端が接続され、この第5の線状素子215は地板201にほぼ平行となるように配置されている。接続点222には、さらに、第6の線状素子216の一端が接続され、第6の線状素子215は、地板201にほぼ平行となるように配置されている。
【0125】
第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向は互いに同一である。
【0126】
なお、図22では、板状素子217は、地板201に接続されていない他端側が地板201に対向するようにL字形になっているが、この場合に限らず、少なくとも、板状素子217は、その一端が地板201に接続され、他端は、第2の線状素子217と第5の線状素子215と第6の線状素子216との接続点222に接続されていればよい。
【0127】
要は、第1の実施形態における図9〜図11の説明と同様、板状素子217は、接続点222と地板201(グランド(GND))とを接続し、図32〜図33に示すような周波数特性を持つのであれば、その形状は問わない。例えば、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図9に示した板状素子51と同様な板状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図9の板状素子51と同様に、当該板状素子の一端は地板201に接続され、その板面を傾斜させて、他端が接続点222に接続されている。
【0128】
また、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図10に示した線状素子52と同様な線状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図10の線状素子52と同様に、当該線状素子の一端は地板201に接続され、地板201に接続されていない他端側が地板201に対向するようにL字形に折曲されて、当該他端が接続点222に接続されている。
【0129】
さらに、図22に示したような形状の板状素子217に換えて、図11に示した線状素子53と同様な線状素子を用いてもよい。この場合、当該線状素子は図11の線状素子53と同様に、当該直線状の線状素子を地板201と接続点222との間に立てかけるように配置し、かつ、当該線状素子の一端が地板201に、他端を接続点222に接続した構成としている。
【0130】
図23は、アンテナ200の動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータg〜lも合わせて図に示している。
【0131】
アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子212とからなる給電線と、第5の線状素子215と板状素子217によって構成される第1の直列共振アンテナと、上記給電線と第6の線状素子216と板状素子217によって構成される第2の直列共振アンテナと、第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215によって構成される第1の並列共振アンテナと、第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216によって構成される第2の並列共振アンテナとが融合することによって構成されている。
【0132】
図23に示すように、給電点202と接続点221とを接続する第1の線状素子211の長さをgとし、接続点221にその一端が接続された第3の線状素子213の長さをhとし、接続点221にその一端が接続された第4の線状素子214の長さをiとし、接続点221と接続点222とを接続する第2の線状素子212の長さをjとし、接続点222にその一端が接続された第5の線状素子215の長さをkとし、接続点222にその一端が接続された第6の線状素子216の長さをlとする。
【0133】
ここで、第1および第2の直列共振アンテナの共振波長をともにλx、第1および第2の並列共振アンテナの共振波長をともにλyとする。
【0134】
すると、図24(a)に示すように、第1の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第5の線状素子215の長さの和(k+j+g)は、第1の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λxの1/4、すなわち、(1/4)λxとなる。同様に、第2の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第6の線状素子216の長さの和(l+j+g)は、第2の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの波長λxの1/4、すなわち、(1/4)λxとなる。
【0135】
言い換えると、第1の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第5の線状素子215の長さの和(k+j+g)と、第2の直列共振アンテナを構成する第1の線状素子211と第2の線状素子212と第6の線状素子216の長さの和(l+j+g)は、これら第1および第2の直列共振アンテナの共振(直列共振)するときの第1の動作周波数信号の波長λxの1/4である。
【0136】
一方、図24(b)に示すように、第1の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215の長さの和(k+j+h)は、第1の並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λyの1/2、すなわち、(1/2)λyとなる。同様に、第2の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216の長さの和(l+j+i)は、第2の並列共振アンテナの共振(並列共振)するときの波長λyの1/2、すなわち、(1/2)λyとなる。
【0137】
言い換えると、第1の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第3の線状素子213と第5の線状素子215の長さの和(k+j+h)と、第2の並列共振アンテナを構成する第2の線状素子212と第4の線状素子214と第6の線状素子216の長さの和(l+j+i)は、これら第1および第2の並列共振アンテナの共振(並列共振)する第2の動作周波数信号の波長λyの1/2である。
【0138】
すなわち、次式(11)〜(14)のように表すことができる。
【0139】
k+j+g=λx/4 … (11)
l+j+g=λx/4 … (12)
k+j+h=λy/2 … (13)
l+j+i=λy/2 … (14)
上記式を変形することで以下の式を得る。
【0140】
h=i … (15)
k=l … (16)
すなわち、アンテナ200が、波長λxに対応する周波数帯と、波長λyに対応する周波数帯を動作帯域とするには、第3の線状素子213の長さhと第4の線状素子214の長さiとは等しく、第5の線状素子の長さkと第6の線状素子の長さlとは等しくなければならない。
【0141】
例えば、図25に示すように、給電点202を原点として、板状素子217の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸とする。この場合、アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子2122とを含むyz平面(このyz平面は、第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線を含む平面である)に対し、第3の線状素子213と第4の線状素子214との位置関係と、第5の線状素子と第6の線状素子との位置関係は、それぞれ左右対称となるような形状をなしている。
【0142】
なお、ここでは、接続点221に接続された第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、接続点2122に接続された第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度は、どちらも180°となっているが、この場合に限らず、第3の線状素子213と第4の線状素子214とのなす角度、および、第5の線状素子215と第6の線状素子216とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向が同一であれば、180°より小さい角度あってもよく、また、双方の角度が異なっていても、パラメータを調整すれば、以下と同様の効果が得られる。
【0143】
アンテナ200は、第1の線状素子211と第2の線状素子222とを含むyz平面(以下、簡単にyz平面と呼ぶ)に対し左右対称であるため、図25に示すように、第3の線状素子213と第4の線状素子214、第5の線状素子215と第6の線状素子216において、yz平面から同じ距離にある点は、それぞれ位相が逆で大きさが等しい電流が流れる。そのためyz平面上の天頂方向(z軸方向)では互いに打ち消しあう関係となり、不要放射が減少する。
【0144】
図26は、アンテナ200を流れる電流について説明するための図である。地板201に平行な線状素子(第3の線状素子213,第4の線状素子214、第5の線状素子215、第6の線状素子216)が、第1の線状素子211と第2の線状素子212からなる給電線から左右双方に伸びているため、地板に平行な線状素子が一方にしか伸びていない、図20に示したアンテナに比べて、地板に平行な各線状素子(第3の線状素子213、第4の線状素子214、第5の線状素子215、第6の線状素子216)に流れる電流271〜274は減少するが、図26に示したように、給電線としての第2の線状素子212に流れる電流275はほとんど変わらないため相対的に放射抵抗が増加し、広帯域化を実現できる。
【0145】
ここで、第1の動作周波数820MHzと第2の動作周波数950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようなアンテナ200について考えてみる。この場合、アンテナ200の上記パラメータg〜lは、以下に示すような計算により容易に求めることができる。
【0146】
周波数820MHzの波長をλx、周波数950MHzの波長をλyとすると、
λx/4=92mm … (17)
λy/2=158mm … (18)
となる。ここでアンテナの高さ(すなわち、第1の線状素子211の長さgと第2の線状素子212の長さjとの和)を20mmと決めると、式(11)、(16)より、
k=l=72mm … (19)
となる。更に、式(11)、(13)、(15)より、
h−g=i−g=66mm … (20)
となる。ここで、第1の線状素子の長さgを10mmと決めると、式(20)より、
h=i=76mm … (21)
となる。
【0147】
次に、上記のようにして求めたパラメータ値のアンテナ200と、図20に示したアンテナとの周波数特性と放射パターンとを比較する。なお、第3の線状素子213の長さhと第4の線状素子214の長さiは、以下のように微調整を行った。
【0148】
h=i=73mm … (22)
また、上記パラメータg〜lの他に、板状素子217の形状を決定するパラメータm、nを、それぞれ、5mm、25mmとする。パラメータmは、L字型の板状素子217の庇部分の短辺の長さであり、nは当該庇部分の長辺の長さである。
【0149】
次に、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータg〜nを上記のように決定したアンテナ200と、同じく、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータa〜fを決定した図20に示した構成のアンテナとを、周波数特性と放射パターンについて比較してみる。
【0150】
まず、図20に示した構成のアンテナの場合について説明する。図27は、比較対象である、図20に示したアンテナを模式的に表すとともに、比較時のパラメータ値を示したものである。なお、図27において、図20と同様、図2や図3に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図3で説明した各素子のパラメータa〜fも合わせて示している。図27に示すように、上記パラメータa〜fが、a=10mm、b=74mm、c=10mm、d=72mm、e=5mm、f=25mmのとき、図27に示したアンテナは、図28、図29に示すような周波数特性を示す。
【0151】
図28は、図27の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図27に示したアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0152】
図29は、同様にして、図27の給電点21から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図27に示したアンテナの電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)の変化を示したものである。
【0153】
給電点21から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f21(=800MHz)から、その値を徐々に挙げて行き、f23でほぼ周波数835MHz、f28でほぼ955MHz、f29で1000MHzであるとする。
【0154】
図28に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図27に示した構成のアンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、入力周波数信号の周波数f23、f28近傍で、VSWRが「2」に最も近づくようなインピーダンスとなる。この図28に示したインピーダンス特性は、図29にも同様に表れている。
【0155】
図29に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図27に示したアンテナのVSWRの軌跡は、周波数がほぼ835MHzと955MHz近傍でVSWRが「2」に近づき、最も小さくなっている。
【0156】
図30は、図27に示したアンテナの放射パターンを示したもので、図30(a)は、図27の給電点21から供給される周波数信号の周波数が820MHzのときの放射パターンを表し、図30(b)は、図27の給電点21から供給される周波数信号の周波数が950MHzのときの放射パターンを表している。
【0157】
図27に示したように、給電点21を原点として、板状素子26の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸と定めたとき、図30(a)、(b)は、yz平面(φ=90°)内のθ=−90°から90°までの(上半分の)放射パターンを示している。図30(a)(b)に示すように、図27に示したアンテナは、z軸方向(θ=0°)の放射も大きい。
【0158】
図29からも明らかなように、このアンテナは、第1の動作周波数(820MHz)近傍と第2の動作周波数(950MHz)近傍とをそれぞれ動作帯域とし、特に、並列共振モードが優勢となる周波数帯(ほぼ950MHz前後の周波数帯)において、共振のピークが鋭い。また、図30からも明らかなように、当該アンテナの真上、すなわち、図27におけるz軸方向への放射指向性が大きい。
【0159】
次に、図22に示したアンテナ200の場合について説明する。図31は、図22に示したアンテナを模式的に表すとともに、比較時のパラメータ値を示したものである。なお、図31において、図22に示した素子に対応する素子には、同一符号を付し、図23で説明した各素子のパラメータg〜l、および板状素子の形状を決定するパラメータm、nも合わせて示している。
【0160】
図31に示すように、上記パラメータg〜lが、g=10mm、h=73mm、i=73mm、j=10mm、k=72mm、l=72mm、m=5mm、n=25mmのとき、図31に示したアンテナは、図32、図33に示すような周波数特性を示す。
【0161】
図32は、図31の給電点202から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図31に示したアンテナのインピーダンスの変化を示したスミスチャートである。
【0162】
図33は、同様にして、図31の給電点202から、その周波数を変化させながら周波数信号を供給したときの、図31に示したアンテナの電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio:VSWR)の変化を示したものである。
【0163】
給電点202から供給される周波数信号(入力周波数信号)は、周波数f21(=800MHz)から、その値を徐々に挙げて行き、f24でほぼ周波数840MHz、f27でほぼ950MHz、f29で1000MHzであるとする。
【0164】
図32に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図31に示した構成のアンテナのインピーダンスの軌跡は、周波数が高くなるにつれ、途中でループを描くように変化するとともに、入力周波数信号の周波数f24近傍で、VSWRが「2」に一度最も近づくようなインピーダンスとなる。周波数が増加すると、今度は、周波数f25(ほぼ920MHz)からf27(ほぼ950MHz)の間でVSWRが「2」より小さくなるようなインピーダンスとなり、特に、周波数f26(ほぼ940MHz)ではVSWRがほぼ「1」となるようなインピーダンスを示している。この図32に示したインピーダンス特性は、図33にも同様に表れている。
【0165】
図33に示したように、入力周波数信号の周波数の変化に伴う、図31に示したアンテナのVSWRの軌跡は、周波数がほぼ840MHzのときにVSWRは「2」に近づき、その後、周波数が増加に伴いVSWRは増加するものの、再び周波数890MHzからVSWRは減少していき、ほぼ940MHzのときにはVSWRが最も小さくなっている(VSWRが「1」に最も近づく)。
【0166】
アンテナ200は、820MHzと950MHzにおいてインピーダンス特性が良好となるようパラメータa〜nを決定することにより、820MHz近傍から955MHz近傍にわたった周波数帯域でVSWRの値が「3」より小さくなっている。
【0167】
図34は、図31に示したアンテナの放射パターンを示したもので、図34(a)は、図31の給電点202から供給される周波数信号の周波数が820MHzのときの放射パターンを表し、図34(b)は、図31の給電点202から供給される周波数信号の周波数が950MHzのときの放射パターンを表している。
【0168】
図31に示したように、給電点202を原点として、板状素子217の地板201との接続端に沿う方向をx軸方向とし、地板201に垂直な方向をz軸と定めたとき、図34(a)、(b)は、yz平面(φ=90°)内のθ=−90°から90°までの(上半分の)放射パターンを示している。図34(a)(b)に示すように、z軸方向(θ=0°)での放射が小さくなり、z軸方向を中心に対称の放射パターンを形成している。
【0169】
ここで、図27に示したアンテナのVSWRの周波数特性(図29参照)と、図31に示したアンテナ200のVSWRの周波数特性(図33参照)とを比較してみる。例えば、VSWRが「3」より小さいところで、図29と図33とを比較すると、VSWRが「3」より小さくなる周波数帯域幅は、前者の場合、2つ存在する周波数帯の合計として50MHzあるのに対し(図29参照)、後者の場合、連続する1つの周波数帯として135MHzとなっており(図33参照)、2倍以上の広帯域化を実現していることが分かる。
【0170】
また、図27に示したアンテナの放射パターン(図30参照)と、図31に示したアンテナ200の放射パターン(図34参照)とを比較してみる。図30(a)(b)と、図34(a)(b)のそれぞれを、yz平面(φ=90°)内のz軸方向(θ=0°)において比較してみると、後者の場合、前者の場合より不要放射を10dB以上抑圧してモノポール型の放射パターンを実現していることが分かる。
【0171】
以上説明したように、上記第3の実施形態に係るアンテナ200では、パラメータの決定が容易であるとともに、送受信周波数域の広帯域が実現でき、しかも、アンテナの上方向への不要放射が少ない水平面内無指向性アンテナを実現することが可能となる。また、例えば回路基板上に設置する場合に、広い部品実装面積を確保でき、例えば、携帯電話などの携帯型の小型情報通信端末に用いられる内蔵アンテナにも適用可能である。
【0172】
なお、本発明は、上記第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送受信周波数域の広帯域化が実現できるとともに、設計が容易で(パラメータの決定が容易で)、しかも(例えば回路基板上に設置する場合に)、広い部品実装面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来からあるアンテナの構成を説明するための図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図。
【図3】図2のアンテナの動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータa〜fも合わせて図に示している。
【図4】アンテナ2のパラメータa〜dの満たすべき条件について説明するための図。
【図5】アンテナ2のパラメータaの決定手法について説明するための図で、アンテナ2から板状素子26を抜いた状態、つまり並列共振アンテナの構成を示した図。
【図6】図5の並列共振アンテナの周波数特性を示した図。
【図7】アンテナ2のパラメータe、f、(さらに必要に応じてd)の決定手法について説明するための図で、アンテナ2から線状素子24を抜いた状態、つまり直列共振アンテナの構成を示した図。
【図8】図5の直列共振アンテナの周波数特性を示した図。
【図9】アンテナ2の他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて板状素子51を用いた場合を示した図。
【図10】アンテナ2のさらに他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて線状素子52を用いた場合を示した図。
【図11】アンテナ2のさらに他の構成例を示した図で、板状素子26に換えて線状素子53を用いた場合を示した図。
【図12】アンテナ2の周波数特例を示した図。
【図13】従来からある逆Fアンテナの構成を示した図。
【図14】図13の逆Fアンテナの周波数特性を示した図。
【図15】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図2,図3に示した構成のアンテナの場合を示している。
【図16】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図17】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図18】線状素子24、25の形状とその位置関係を簡略化して示した図で、図15のバリエーションの1つを示した図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図で、細い板状素子つまりリボン状素子にて構成された場合を示した図。
【図20】2つの動作周波数帯を持つアンテナの構成例を示した図。
【図21】図20に示した構成のアンテナの周波数特性を示した図。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るアンテナの構成例を示した図。
【図23】図22のアンテナの動作面からみた構成をより詳細に説明するための図で、各素子の(設計)パラメータg〜lも合わせて図に示している。
【図24】図22のアンテナのパラメータg〜lの満たすべき条件について説明するための図。
【図25】図22のアンテナの動作面からみた特徴を説明するための図。
【図26】図22のアンテナの動作面からみた特徴を説明するための図。
【図27】図20に示したアンテナの構成を各素子の(設計)パラメータa〜fの値も合わせて示した図。
【図28】図27に示したアンテナのインピーダンスの周波数特性を示した図。
【図29】図27に示したアンテナの定在波比の周波数特性を示した図。
【図30】図27に示したアンテナの放射パターンを示した図。
【図31】図22に示したアンテナの構成を各素子の(設計)パラメータg〜nの値も合わせて示した図。
【図32】図31に示したアンテナのインピーダンスの周波数特性を示した図。
【図33】図31に示したアンテナの定在波比の周波数特性を示した図。
【図34】図31に示したアンテナの放射パターンを示した図。
【符号の説明】
1…内部筐体
2、200…アンテナ
21、202…給電点
22、211…第1の線状素子
23、212…第2の線状素子
24、213…第3の線状素子
25、214…第4の線状素子
26…板状素子
27、28、221、222…接続点
31、201…地板
51…板状素子
52、53…線状素子
121…給電点
124…素子(第3の線状素子24に対応する)
125…素子(第4の線状素子25に対応する)
126…素子(板状素子26に対応する)
127…素子(第1の線状素子22,第2の線状素子23に対応する)
215…第5の線状素子
216…第6の線状素子
217…板状素子
Claims (10)
- 第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、
前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、
前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、
前記板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、
前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の線状素子が並列共振するときの第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、
前記第1および第3の線状素子の長さの和が、前記第1および第3の線状素子が直列共振するときの第3の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第2の周波数信号の周波数は、前記第1の周波数信号の周波数より高く、前記第3の周波数信号の周波数より低いことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と第5の線状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、
前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、
前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、
前記第5の線状素子の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、
前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の線状素子が並列共振するときの第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、
前記第1および第3の線状素子の長さの和が、前記第1および第3の線状素子が直列共振するときの第3の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第2の周波数信号の周波数は、前記第1の周波数信号の周波数より高く、前記第3の周波数信号の周波数より低いことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記第2の線状素子を省き、
前記第4の線状素子は、その一端が前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続されて、前記第3の線状素子と同一平面上に配置され、前記板状素子の他端には、前記第1、第3、第4の線状素子との接続点が接続されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記第2の線状素子を省き、
前記第4の線状素子は、その一端が前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続されて、前記第3の線状素子と同一平面上に配置され、前記第5の線状素子の他端には、前記第1、第3、第4の線状素子との接続点が接続されていることを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。 - 第1の板状素子と第2の板状素子と第3の板状素子と第4の板状素子と第5の板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の板状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の板状素子の一端に接続され
前記第2の板状素子の一端は、前記第1の板状素子と前記第3の板状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、
前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、
前記第5の板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の板状素子と前記第2の板状素子の接続点に接続され、
前記第1、第2,第3,第4,第5の板状素子が同じ平面上に配置され、
前記第1、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第1、第2および第4の線状素子が直列共振するときの第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第3、第2および第4の板状素子の長さの和が、前記第3、第2、第4および第1の板状素子が並列共振するときの第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、
前記第1および第3の板状素子の長さの和が、前記第1および第3の板状素子が直列共振するときの第3の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第2の周波数信号の周波数は、前記第1の周波数信号の周波数より高く、前記第3の周波数信号の周波数より低いことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1の線状素子と第2線状素子と第3の線状素子と第4の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第3の線状素子の一端に接続され、
前記第2の線状素子の一端は、前記第1の線状素子と前記第3の線状素子との接続点に接続され、他端は前記第4の線状素子の一端に接続され、
前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは互いに平行となるように配置され、
前記板状素子の一端は接地され、他端は前記第4の線状素子と前記第2の線状素子の接続点に接続され、
前記第1、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第1の周波数信号の波長の1/4で、かつ、
前記第3、第2および第4の線状素子の長さの和が、所望の第2の周波数信号の波長の1/2で、かつ、
前記第1の周波数信号の周波数は、前記第2の周波数信号の周波数より低いことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、
前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、
前記板状素子の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、
前記第3の線状素子の長さと前記第4の線状素子の長さは等しく、前記第5の線状素子の長さと前記第6の線状素子の長さは等しいことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1乃至第6の線状素子と板状素子とから構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、
前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、
前記板状素子の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の線状素子と前記第3の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第2の動作周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第2の線状素子と前記第4の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第2の動作周波数信号の波長の1/2であることを特徴とするアンテナ装置。 - 第1乃至第7の線状素子から構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、
前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、
前記第7の線状素子の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、
前記第3の線状素子の長さと前記第4の線状素子の長さは等しく、前記第5の線状素子の長さと前記第6の線状素子の長さは等しいことを特徴とするアンテナ装置。 - 第1乃至第7の線状素子から構成されるアンテナ装置であって、
前記第1の線状素子の一端は給電点に接続され、他端は前記第2の線状素子の一端に接続されるとともに、これら第1および第2の線状素子は、その軸線を互いに一致させて配置され、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子との接続点には、前記第3の線状素子の一端と前記第4の線状素子の一端を接続させるとともに、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とは同一平面上にあるように配置させ、
前記第5の線状素子の一端と前記第6の線状素子の一端は、前記第2の線状素子の他端に接続されるとともに、前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とは前記同一平面に平行な別の同一平面上にあるように配置させ、しかも、前記第3の線状素子と前記第4の線状素子とのなす角度および前記第5の線状素子と前記第6の線状素子とのなす角度のそれぞれを1/2に分割する分割線の方向を互いに同一方向にするとともに、
前記第7の線状素子の一端は接地され、他端は、前記第2の線状素子と前記第5の線状素子と前記第6の線状素子との接続点に接続されてなり、
前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第1の線状素子と前記第2の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第1の動作周波数信号の波長の1/4で、かつ、前記第2の線状素子と前記第3の線状素子と前記第5の線状素子の長さの和が所定の第2の動作周波数信号の波長の1/2で、かつ、前記第2の線状素子と前記第4の線状素子と前記第6の線状素子の長さの和が前記第2の動作周波数信号の波長の1/2であることを特徴とするアンテナ装置。
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