JP3653420B2 - マンホール蓋の施錠装置 - Google Patents
マンホール蓋の施錠装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3653420B2 JP3653420B2 JP17941899A JP17941899A JP3653420B2 JP 3653420 B2 JP3653420 B2 JP 3653420B2 JP 17941899 A JP17941899 A JP 17941899A JP 17941899 A JP17941899 A JP 17941899A JP 3653420 B2 JP3653420 B2 JP 3653420B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pendulum
- tool insertion
- valve plate
- manhole cover
- lid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス管や電気通信ケーブルを通した共同溝、又は下水道その他の地下管路に通じるマンホールの蓋に係わり、特にそのマンホール蓋が突発的に開いてしまうことを防止する施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
共同溝や下水道その他の地下管路に通じるマンホールは上面開口部が蓋にて閉鎖されるが、そのマンホール蓋は地下埋設物の破裂や水位の上昇などに起因して突発的に開放せぬよう裏面に施錠装置を備えることが通例である。
【0003】
その施錠装置は実公昭60−7418号、実開昭62−159560号、実公平7−56357号、実公平8−6115号などに開示されるように、マンホール蓋の裏面に揺動可能にして取り付けられる錠、施錠鉤などと呼ばれる振子をベースに構成され、その振子に形成される鉤部が振子の自重によってマンホールの上部構造を成す円筒状の受枠の内周部の部位(錠受け)と係合するようにしてある。そして、それら施錠装置によれば、マンホール蓋の周縁に形成される工具差込口にバールなどを差し込むことにより、振子を揺動せしめて施錠を解除することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の施錠装置の多くは振子の自重のみによって鉤部を受枠の部位に対応させるようにしているので、マンホール内の圧力上昇時に、その圧力により振子が揺動して施錠が自然に解除させる虞れがあった。
【0005】
又、施錠装置のベースを成す振子として、実公平8−6115号のように、閉蓋時に工具差込口を塞いでマンホール内への水や土砂の流入を防ぐ機能と、開蓋時に振子を揺動させる操作部としての機能とを兼ね備えた栓部(開閉弁)を一体に形成したものがあるが、この種の振子によれば栓部が振子の支点に近接して形成されることから、栓部が振子の支点を回転中心として小さな円軌道を描いて運動する。このため、栓部を工具差込口より小さくしたり受枠の内周面を切り欠くなどして栓部の動作域を確保しなければならないし、これに起因して工具差込口の閉鎖が不完全になるのでマンホール内へ水や土砂が流入し易いという欠点があった。なお、以上のような欠点を解消するために振子の支点をマンホール蓋の中心側に寄せると、鉤部や栓部の突出量を大きくしなければならないし、これに起因してそれら部位が振子を逆向きに揺動させようとする大きな回転モーメントを発生するので栓部による工具差込口の閉鎖力が弱くなってしまう。
【0006】
この点、実公平7−56357号は振子(施錠鈎)にスポンジゴムで成る弾性体を介して栓部(閉塞板)を一体に取り付け、その栓部が弾性体を縮小させつつ降下するようにしているので受枠に栓部の動作領域を確保する必要がなく、工具差込口の密閉を可能にするが、この種の振子はその部位に弾性体や栓部を取り付けるための様々な加工を必要とし、且つ部品点数も多く複雑な構造にしてコスト高になる。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的とする処は極簡単な構造にして工具差込口を密閉し得る簡便なマンホール蓋の施錠装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、周縁に工具差込口を有して受枠の上面開口部に嵌合されるマンホール蓋において、前記工具差込口に近接してマンホール蓋の裏面に揺動可能に吊支される振子を含み、その振子に受枠の内周部の部位と対応する施錠用の鉤部及び揺動時の支点を成す枢軸を形成した施錠装置であって、前記振子とマンホール蓋との間に工具差込口を塞ぐ弁板が揺動可能にして装置され、その弁板は前記振子とは別体にして一端がマンホール蓋の裏面に形成される突起に係合して該突起を中心に揺動すると共に、前記弁板の他端には工具差込口に対応する栓部が形成され、前記弁板と振子との間には、前記栓部を工具差込口内に向けて押し込みつつ前記鉤部を受枠の内周部の部位との対応位置に向けて付勢する湾曲したバネが介在され、そのバネは工具差込口より栓部の上面を押圧したときに変形しつつ振子を鉤部の逆側に向けて揺動させ得るよう両端が振子と弁板との部位に係止されて成ることを特徴とするマンホール蓋の施錠装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1はマンホールに蓋をした状態を部分的に破断して示す。同図において、1はマンホールの上部構造を成す円筒状の受枠であり、この受枠1は下面が図示せぬ立坑の開口縁に接続して上面が路面に合うよう埋設させる。その上面開口部2は下方に向かって狭まるテーパ孔とされ、内周部には下方に向けて突出する錠受け3が一体に形成される。4はその上面開口部に嵌合する円形状のマンホール蓋であり、その周縁には部分的に切り欠かれた半円状の工具差込口5が形成され、その裏面には工具差込口5に近接して切欠溝6が形成される。
【0010】
なお、蓋4は周縁の一部がその裏面に装置される図示せぬヒンジ金具によって受枠1に連係され、閉蓋時にはヒンジ金具と対向する工具差込口5が錠受け3の上方に位置するようにしてある。そして、本願に係る施錠装置はその工具差込口5に近接して蓋4の裏面に装備される。同装置は、蓋4の裏面に揺動可能にして吊支される振子7、この振子7と蓋4との間で揺動可能に設けられる弁板8、及びその弁板8と振子7との間に介在されるバネ9とで構成される。そして、本願に係る施錠装置によれば、閉蓋時に工具差込口5が弁板8により密閉され、開蓋時には図2に示すように工具差込口5に差し込まれるバールなどの工具Tにより、弁板8が押し下げられつつ振子7が揺動して鉤部10が錠受け3から離隔するよう構成される。
【0011】
図3、図4から明らかなように、振子7はその両側から上方に向けて延びる一対の腕部11をもち、その各腕部11の上端から水平方向に向けて揺動時の支点を成す枢軸12が形成される。又、振子7の上部には各腕部11の内側に沿ってその先端より後部上方に向けて蓋4の裏面に接触する係止爪13が形成されると共に、下部背面には受枠1の錠受け3に対応する鉤部10が形成される。
【0012】
そして、この振子7は図5に示すように、工具差込口5を挟んで蓋4の裏面に形成されるブラケット14の円形溝14Aにより枢軸12を支持され、その枢軸12を支点として前後に揺動可能とされる。
【0013】
一方、弁板8は、図6で明らかなように一定の長さをもつ長方形の部材であり、その一端側はルーズホール15をもつ折れ曲がった係止部16とされ、他端上部には工具差込口5に嵌合する半円錐状をした栓部17が突設される。
【0014】
ここで、それら振子7や弁板8は、図1に示すようにU字状に湾曲したバネ9を介して各々蓋4の裏面に取り外し可能に組付けられる。このうち、振子7は図5に示したように上部に形成される枢軸12がブラケットの円形溝14Aと嵌まり合って支持され、これにより図1に示す矢印の方向に揺動可能とされる。
【0015】
なお、振子7はその自重により平時は図1のように蓋4の裏面からその直下に垂れ下がって鉤部10が受枠1の錠受け3に臨められる。一方、弁板8は振子7の腕部11の間を通してその一端部が蓋4の裏面に形成される突起18に係合される。つまり、弁板8はルーズホール15に突起18を貫通せしめることにより位置決めされ、このとき他端に形成される栓部17が工具差込口5の下方よりその内部に導入して工具差込口5を密閉するようになっている。
【0016】
なお、図5で明らかなように、弁板8はその幅が振子7の係止爪13,13の間に形成される凹状溝20の幅より狭くされているために振子7と干渉し合うことはなく、その弁板8と振子7はその相互間に介在されるバネ9を通じて連動されることになる。又、弁板8はその下面がバネ9で支持されることにより脱落を防止され、工具差込口5より栓部17の上面が押圧されたときにはバネ9を変形させつつ突起18を中心として揺動することになる。
【0017】
ここで、バネ9はU字状に湾曲した板バネで成り、これは弁板8の下面と凹状溝20の底部20Aとの間に形成される空域に圧入されて、その両端がそれぞれ弁板8と振子7との部位に係止される。特に、バネ9は凹状溝20の底部20A前方からその後部上方に向けて延びる下顎片9Aと、弁板8の下面に沿って延びる上顎片9Bとを有して振子7の前面側が開放される。又、振子7の凹状溝20の底部20Aにはバネ9の下部側の一端を係止するための溝21が形成され、弁板8の下面にはバネ9の上部側の一端を係止するための溝22が形成される。特に、それら各溝21,22は振子7の支点より前方(蓋4の中心側)に位置するよう形成されると共に、バネ9はその両端が互いに広がる方向に弾力を有して各溝21,22に圧着される。
【0018】
而して、このバネ9によれば、その下顎片9Aにより振子7を鉤部10側に付勢しつつ、上顎片9Bにより弁板8を蓋4側に付勢して栓部17を工具差込口5に押し込むよう作用する。従って、鉤部10は閉蓋時にあって振子7の自重とバネ9の弾力とにより、ぶらつく事なく錠受け3と対応した位置に保たれ、以てマンホール内の圧力上昇に起因する蓋4の突発的な開放を阻止することができる。又、閉蓋時には栓部17が下部側からバネ9にて押し込まれて工具差込口5を密閉するため、工具差込口5より雨水や土砂がマンホール内に流入するのを防止できる。
【0019】
ここで、蓋4を開けるには、バールその他の工具Tを用いて蓋4の周縁を引き上げるだけで足りる。つまり、図2に示すように、工具差込口5よりバールなどの工具Tを差し込み、その先端を切欠溝6に宛てがいつつ蓋4を引き上げるのである。このとき、栓部17は工具Tにより押し下げられて工具差込口5より離脱することになる。すなわち、栓部17の上面が工具Tによって押圧されるために、弁板8がバネ9の弾力に抗して一端側を支点に揺動するのである。この結果、振子7はバネ9を通じて鉤部10の逆側に揺動されることになる。つまり、弁板8の揺動によりバネ9がその上顎片9Bを押圧されることにより変形し、その下部側の一端で振子7の部位を図示矢印方向に押し上げるよう作用する。これにより、鉤部10が錠受け3より離隔して蓋4の施錠が解除されるために蓋4の開放が可能となる。
【0020】
一方、マンホール内の点検終了時などに受枠1の上面開口部3に再度蓋4を載せ、その後工具差込口5より工具Tが抜き取られると、栓部17に対する押圧力が無くなるためにバネ9が復元しつつ弁板8を蓋4の裏面に押し付ける。このため、栓部17が工具差込口5に嵌合して該工具差込口を密閉する。又、このとき振子7はその自重とバネ9の弾力とにより鉤部10側に揺動して該鉤部が錠受け3と対応する位置まで復帰されることになる。なお、図7で明らかなように、振子7は係止爪13の先端が蓋4の裏面に接触することにより鉤部10側への揺動が規制されるようになっており、このためバネ9は復元時も所定の弾力有して振子7と弁板8との間から外れることはない。
【0021】
以上、本発明の好適な一例を図面に基づいて説明したが、本発明に係る施錠装置は上記例に限らず、例えばバネ9として板バネのほかトーションバネを用いることもできる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば振子と弁板との間に介在させたバネにより振子の鉤部が受枠の内周部の部位と対応する位置に向けて付勢されるようにしたため、マンホール内の圧力上昇時に振子がぶらついて鉤部が受枠の内周部の部位との対応位置から外れてしまうことがなく、施錠装置として有効に機能する。
【0023】
更に、バネによって弁板を蓋側に付勢してその栓部を工具差込口内に押し込むようにしていることから、工具差込口を確り塞いでマンホール内への浸水を防止することができる。
【0024】
又、本発明に係る施錠装置は、以上のように部品点数が少なく簡易構造であり、このため低廉なコストにでき、しかも弁板を振子と別体としたことにより弁板が振子の支点と関係なく揺動するよう設定できる。従って、工具差込口付近における栓部の軌道をほぼ直線状にすることができ、ひいては栓部により工具差込口を余す事なく密閉してシール性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る施錠装置を備えたマンホール蓋で受枠の上面開口部を閉鎖した状態を示す部分断面図
【図2】 同マンホール蓋を開ける状態を示した部分断面図
【図3】 振子の側面図
【図4】 同振子の斜視図
【図5】 同振り子を蓋の裏面に吊支した状態を示す部分断面図
【図6】 弁板の斜視図
【図7】 振子を蓋の裏面に吊支した状態を示す側面概略図
【符号の説明】
1 受枠
2 受枠の上面開口部
3 錠受け
4 マンホール蓋
5 工具差込口
7 振子
8 弁板
9 バネ
10 鉤部
12 枢軸
13 係止爪
14 ブラケット
15 ルーズホール
17 栓部
18 突起
20 凹状溝
21,22 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス管や電気通信ケーブルを通した共同溝、又は下水道その他の地下管路に通じるマンホールの蓋に係わり、特にそのマンホール蓋が突発的に開いてしまうことを防止する施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
共同溝や下水道その他の地下管路に通じるマンホールは上面開口部が蓋にて閉鎖されるが、そのマンホール蓋は地下埋設物の破裂や水位の上昇などに起因して突発的に開放せぬよう裏面に施錠装置を備えることが通例である。
【0003】
その施錠装置は実公昭60−7418号、実開昭62−159560号、実公平7−56357号、実公平8−6115号などに開示されるように、マンホール蓋の裏面に揺動可能にして取り付けられる錠、施錠鉤などと呼ばれる振子をベースに構成され、その振子に形成される鉤部が振子の自重によってマンホールの上部構造を成す円筒状の受枠の内周部の部位(錠受け)と係合するようにしてある。そして、それら施錠装置によれば、マンホール蓋の周縁に形成される工具差込口にバールなどを差し込むことにより、振子を揺動せしめて施錠を解除することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の施錠装置の多くは振子の自重のみによって鉤部を受枠の部位に対応させるようにしているので、マンホール内の圧力上昇時に、その圧力により振子が揺動して施錠が自然に解除させる虞れがあった。
【0005】
又、施錠装置のベースを成す振子として、実公平8−6115号のように、閉蓋時に工具差込口を塞いでマンホール内への水や土砂の流入を防ぐ機能と、開蓋時に振子を揺動させる操作部としての機能とを兼ね備えた栓部(開閉弁)を一体に形成したものがあるが、この種の振子によれば栓部が振子の支点に近接して形成されることから、栓部が振子の支点を回転中心として小さな円軌道を描いて運動する。このため、栓部を工具差込口より小さくしたり受枠の内周面を切り欠くなどして栓部の動作域を確保しなければならないし、これに起因して工具差込口の閉鎖が不完全になるのでマンホール内へ水や土砂が流入し易いという欠点があった。なお、以上のような欠点を解消するために振子の支点をマンホール蓋の中心側に寄せると、鉤部や栓部の突出量を大きくしなければならないし、これに起因してそれら部位が振子を逆向きに揺動させようとする大きな回転モーメントを発生するので栓部による工具差込口の閉鎖力が弱くなってしまう。
【0006】
この点、実公平7−56357号は振子(施錠鈎)にスポンジゴムで成る弾性体を介して栓部(閉塞板)を一体に取り付け、その栓部が弾性体を縮小させつつ降下するようにしているので受枠に栓部の動作領域を確保する必要がなく、工具差込口の密閉を可能にするが、この種の振子はその部位に弾性体や栓部を取り付けるための様々な加工を必要とし、且つ部品点数も多く複雑な構造にしてコスト高になる。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的とする処は極簡単な構造にして工具差込口を密閉し得る簡便なマンホール蓋の施錠装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、周縁に工具差込口を有して受枠の上面開口部に嵌合されるマンホール蓋において、前記工具差込口に近接してマンホール蓋の裏面に揺動可能に吊支される振子を含み、その振子に受枠の内周部の部位と対応する施錠用の鉤部及び揺動時の支点を成す枢軸を形成した施錠装置であって、前記振子とマンホール蓋との間に工具差込口を塞ぐ弁板が揺動可能にして装置され、その弁板は前記振子とは別体にして一端がマンホール蓋の裏面に形成される突起に係合して該突起を中心に揺動すると共に、前記弁板の他端には工具差込口に対応する栓部が形成され、前記弁板と振子との間には、前記栓部を工具差込口内に向けて押し込みつつ前記鉤部を受枠の内周部の部位との対応位置に向けて付勢する湾曲したバネが介在され、そのバネは工具差込口より栓部の上面を押圧したときに変形しつつ振子を鉤部の逆側に向けて揺動させ得るよう両端が振子と弁板との部位に係止されて成ることを特徴とするマンホール蓋の施錠装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1はマンホールに蓋をした状態を部分的に破断して示す。同図において、1はマンホールの上部構造を成す円筒状の受枠であり、この受枠1は下面が図示せぬ立坑の開口縁に接続して上面が路面に合うよう埋設させる。その上面開口部2は下方に向かって狭まるテーパ孔とされ、内周部には下方に向けて突出する錠受け3が一体に形成される。4はその上面開口部に嵌合する円形状のマンホール蓋であり、その周縁には部分的に切り欠かれた半円状の工具差込口5が形成され、その裏面には工具差込口5に近接して切欠溝6が形成される。
【0010】
なお、蓋4は周縁の一部がその裏面に装置される図示せぬヒンジ金具によって受枠1に連係され、閉蓋時にはヒンジ金具と対向する工具差込口5が錠受け3の上方に位置するようにしてある。そして、本願に係る施錠装置はその工具差込口5に近接して蓋4の裏面に装備される。同装置は、蓋4の裏面に揺動可能にして吊支される振子7、この振子7と蓋4との間で揺動可能に設けられる弁板8、及びその弁板8と振子7との間に介在されるバネ9とで構成される。そして、本願に係る施錠装置によれば、閉蓋時に工具差込口5が弁板8により密閉され、開蓋時には図2に示すように工具差込口5に差し込まれるバールなどの工具Tにより、弁板8が押し下げられつつ振子7が揺動して鉤部10が錠受け3から離隔するよう構成される。
【0011】
図3、図4から明らかなように、振子7はその両側から上方に向けて延びる一対の腕部11をもち、その各腕部11の上端から水平方向に向けて揺動時の支点を成す枢軸12が形成される。又、振子7の上部には各腕部11の内側に沿ってその先端より後部上方に向けて蓋4の裏面に接触する係止爪13が形成されると共に、下部背面には受枠1の錠受け3に対応する鉤部10が形成される。
【0012】
そして、この振子7は図5に示すように、工具差込口5を挟んで蓋4の裏面に形成されるブラケット14の円形溝14Aにより枢軸12を支持され、その枢軸12を支点として前後に揺動可能とされる。
【0013】
一方、弁板8は、図6で明らかなように一定の長さをもつ長方形の部材であり、その一端側はルーズホール15をもつ折れ曲がった係止部16とされ、他端上部には工具差込口5に嵌合する半円錐状をした栓部17が突設される。
【0014】
ここで、それら振子7や弁板8は、図1に示すようにU字状に湾曲したバネ9を介して各々蓋4の裏面に取り外し可能に組付けられる。このうち、振子7は図5に示したように上部に形成される枢軸12がブラケットの円形溝14Aと嵌まり合って支持され、これにより図1に示す矢印の方向に揺動可能とされる。
【0015】
なお、振子7はその自重により平時は図1のように蓋4の裏面からその直下に垂れ下がって鉤部10が受枠1の錠受け3に臨められる。一方、弁板8は振子7の腕部11の間を通してその一端部が蓋4の裏面に形成される突起18に係合される。つまり、弁板8はルーズホール15に突起18を貫通せしめることにより位置決めされ、このとき他端に形成される栓部17が工具差込口5の下方よりその内部に導入して工具差込口5を密閉するようになっている。
【0016】
なお、図5で明らかなように、弁板8はその幅が振子7の係止爪13,13の間に形成される凹状溝20の幅より狭くされているために振子7と干渉し合うことはなく、その弁板8と振子7はその相互間に介在されるバネ9を通じて連動されることになる。又、弁板8はその下面がバネ9で支持されることにより脱落を防止され、工具差込口5より栓部17の上面が押圧されたときにはバネ9を変形させつつ突起18を中心として揺動することになる。
【0017】
ここで、バネ9はU字状に湾曲した板バネで成り、これは弁板8の下面と凹状溝20の底部20Aとの間に形成される空域に圧入されて、その両端がそれぞれ弁板8と振子7との部位に係止される。特に、バネ9は凹状溝20の底部20A前方からその後部上方に向けて延びる下顎片9Aと、弁板8の下面に沿って延びる上顎片9Bとを有して振子7の前面側が開放される。又、振子7の凹状溝20の底部20Aにはバネ9の下部側の一端を係止するための溝21が形成され、弁板8の下面にはバネ9の上部側の一端を係止するための溝22が形成される。特に、それら各溝21,22は振子7の支点より前方(蓋4の中心側)に位置するよう形成されると共に、バネ9はその両端が互いに広がる方向に弾力を有して各溝21,22に圧着される。
【0018】
而して、このバネ9によれば、その下顎片9Aにより振子7を鉤部10側に付勢しつつ、上顎片9Bにより弁板8を蓋4側に付勢して栓部17を工具差込口5に押し込むよう作用する。従って、鉤部10は閉蓋時にあって振子7の自重とバネ9の弾力とにより、ぶらつく事なく錠受け3と対応した位置に保たれ、以てマンホール内の圧力上昇に起因する蓋4の突発的な開放を阻止することができる。又、閉蓋時には栓部17が下部側からバネ9にて押し込まれて工具差込口5を密閉するため、工具差込口5より雨水や土砂がマンホール内に流入するのを防止できる。
【0019】
ここで、蓋4を開けるには、バールその他の工具Tを用いて蓋4の周縁を引き上げるだけで足りる。つまり、図2に示すように、工具差込口5よりバールなどの工具Tを差し込み、その先端を切欠溝6に宛てがいつつ蓋4を引き上げるのである。このとき、栓部17は工具Tにより押し下げられて工具差込口5より離脱することになる。すなわち、栓部17の上面が工具Tによって押圧されるために、弁板8がバネ9の弾力に抗して一端側を支点に揺動するのである。この結果、振子7はバネ9を通じて鉤部10の逆側に揺動されることになる。つまり、弁板8の揺動によりバネ9がその上顎片9Bを押圧されることにより変形し、その下部側の一端で振子7の部位を図示矢印方向に押し上げるよう作用する。これにより、鉤部10が錠受け3より離隔して蓋4の施錠が解除されるために蓋4の開放が可能となる。
【0020】
一方、マンホール内の点検終了時などに受枠1の上面開口部3に再度蓋4を載せ、その後工具差込口5より工具Tが抜き取られると、栓部17に対する押圧力が無くなるためにバネ9が復元しつつ弁板8を蓋4の裏面に押し付ける。このため、栓部17が工具差込口5に嵌合して該工具差込口を密閉する。又、このとき振子7はその自重とバネ9の弾力とにより鉤部10側に揺動して該鉤部が錠受け3と対応する位置まで復帰されることになる。なお、図7で明らかなように、振子7は係止爪13の先端が蓋4の裏面に接触することにより鉤部10側への揺動が規制されるようになっており、このためバネ9は復元時も所定の弾力有して振子7と弁板8との間から外れることはない。
【0021】
以上、本発明の好適な一例を図面に基づいて説明したが、本発明に係る施錠装置は上記例に限らず、例えばバネ9として板バネのほかトーションバネを用いることもできる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば振子と弁板との間に介在させたバネにより振子の鉤部が受枠の内周部の部位と対応する位置に向けて付勢されるようにしたため、マンホール内の圧力上昇時に振子がぶらついて鉤部が受枠の内周部の部位との対応位置から外れてしまうことがなく、施錠装置として有効に機能する。
【0023】
更に、バネによって弁板を蓋側に付勢してその栓部を工具差込口内に押し込むようにしていることから、工具差込口を確り塞いでマンホール内への浸水を防止することができる。
【0024】
又、本発明に係る施錠装置は、以上のように部品点数が少なく簡易構造であり、このため低廉なコストにでき、しかも弁板を振子と別体としたことにより弁板が振子の支点と関係なく揺動するよう設定できる。従って、工具差込口付近における栓部の軌道をほぼ直線状にすることができ、ひいては栓部により工具差込口を余す事なく密閉してシール性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る施錠装置を備えたマンホール蓋で受枠の上面開口部を閉鎖した状態を示す部分断面図
【図2】 同マンホール蓋を開ける状態を示した部分断面図
【図3】 振子の側面図
【図4】 同振子の斜視図
【図5】 同振り子を蓋の裏面に吊支した状態を示す部分断面図
【図6】 弁板の斜視図
【図7】 振子を蓋の裏面に吊支した状態を示す側面概略図
【符号の説明】
1 受枠
2 受枠の上面開口部
3 錠受け
4 マンホール蓋
5 工具差込口
7 振子
8 弁板
9 バネ
10 鉤部
12 枢軸
13 係止爪
14 ブラケット
15 ルーズホール
17 栓部
18 突起
20 凹状溝
21,22 溝
Claims (1)
- 周縁に工具差込口を有して受枠の上面開口部に嵌合されるマンホール蓋において、前記工具差込口に近接してマンホール蓋の裏面に揺動可能に吊支される振子を含み、その振子に受枠の内周部の部位と対応する施錠用の鉤部及び揺動時の支点を成す枢軸を形成した施錠装置であって、
前記振子とマンホール蓋との間に工具差込口を塞ぐ弁板が揺動可能にして装置され、その弁板は前記振子とは別体にして一端がマンホール蓋の裏面に形成される突起に係合して該突起を中心に揺動すると共に、前記弁板の他端には工具差込口に対応する栓部が形成され、前記弁板と振子との間には、前記栓部を工具差込口内に向けて押し込みつつ前記鉤部を受枠の内周部の部位との対応位置に向けて付勢する湾曲したバネが介在され、そのバネは工具差込口より栓部の上面を押圧したときに変形しつつ振子を鉤部の逆側に向けて揺動させ得るよう両端が振子と弁板との部位に係止されて成ることを特徴とするマンホール蓋の施錠装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17941899A JP3653420B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | マンホール蓋の施錠装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17941899A JP3653420B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | マンホール蓋の施錠装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001003381A JP2001003381A (ja) | 2001-01-09 |
JP3653420B2 true JP3653420B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=16065531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17941899A Expired - Fee Related JP3653420B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | マンホール蓋の施錠装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3653420B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4621594B2 (ja) * | 2006-01-06 | 2011-01-26 | 北勢工業株式会社 | 地下構造物用蓋の施錠構造 |
JP4951424B2 (ja) * | 2007-06-29 | 2012-06-13 | 株式会社トミス | 鉄蓋開閉装置 |
CN110629798B (zh) * | 2019-09-27 | 2021-04-23 | 河南城建学院 | 一种基于热蒸发原理的地下工程施工用自封闭井盖 |
-
1999
- 1999-06-25 JP JP17941899A patent/JP3653420B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001003381A (ja) | 2001-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0699265B1 (en) | A latch | |
JP3653420B2 (ja) | マンホール蓋の施錠装置 | |
JPH0523398Y2 (ja) | ||
EP1122398B1 (fr) | Dispositif de solidarisation et mécanisme de manoeuvre d'une installation de fermeture ou de protection solaire comprenant un tel dispositif | |
JP5170766B2 (ja) | 地下構造物用蓋の開蓋治具挿入孔開閉装置 | |
EP0677892B1 (fr) | Module porte-contact et connecteur le comprenant | |
JPH0872565A (ja) | 燃料逆流防止具 | |
JP2863463B2 (ja) | マンホ−ル蓋のロック装置 | |
JP4297228B2 (ja) | キャップにおける被せ蓋開閉装置 | |
JP3625556B2 (ja) | 地下施設蓋の開閉構造 | |
JP4489926B2 (ja) | 地中構造物の蓋体用防水装置 | |
EP0670613B1 (fr) | Appareil électrique dont le mécanisme est logé dans un boîtier étanche comportant un couvercle et un volet | |
JP3081163B2 (ja) | マンホ−ル蓋のバ−ル穴開閉装置 | |
JPS6020673Y2 (ja) | 人孔鉄蓋 | |
JPS6020671Y2 (ja) | 人孔鉄蓋 | |
KR102084709B1 (ko) | 탄성 잠금장치가 구비된 맨홀뚜껑 | |
JP2001172996A (ja) | 地中埋設用小型マンホ−ル蓋のリンク蝶番 | |
JP3738815B2 (ja) | 転落防止用梯子を備えた地下構造物用蓋の受枠 | |
JP4194050B2 (ja) | 地下構造物用蓋の食込み解除構造 | |
JP2000336685A (ja) | マンホール蓋の鍵孔閉塞装置 | |
KR200371891Y1 (ko) | 잠금 수단을 가진 맨홀 뚜껑의 조립체 | |
JPH0756357Y2 (ja) | 地下構造物用蓋の施錠構造 | |
JPH0413237Y2 (ja) | ||
JP3759490B2 (ja) | 地下構造物用錠装置 | |
JP2617868B2 (ja) | 地下構造物用蓋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |