JP3648980B2 - トルクセンサ用シャフトの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トルクセンサに用いられる特定形状のシャフトを製造するための方法及びその方法の実施に好適な装置に関し、特に、そのような特定形状のシャフトを低コストで高精度に製造できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のトルクセンサとして、本出願人が先に提案した特開平8−207798号公報に開示されたものがある。かかる従来のトルクセンサは、入力軸と出力軸とをトーションバーを介して連結するとともに、入力軸及び出力軸の一方の先端部には十字形状の突起(十字突起)が形成されるとともに、その十字突起に続いた軸部分の所定長さ範囲に、複数の螺旋溝が形成され、その複数の螺旋溝が形成された部分を包囲するように、センサリングが配設されている。そして、センサリングの内周面には、円周方向に連続した2列の円周溝が形成されていて、その円周溝と螺旋溝とで形成される隙間に、複数のボールが転動可能に収容されている。また、入力軸及び出力軸の他方の端部が、その一方とセンサリングとの間に差し込まれるとともに、その入力軸及び出力軸の他方の端部に形成された軸方向に延びるスリット内に、一部のボールが収容されるようになっている。従って、入力軸及び出力軸間にトルクに応じてトーションバーの捩れを伴った相対回転が生じると、センサリングが、ボール及び螺旋溝に案内されて軸方向に変位するから、そのセンサリングの変位の方向及び大きさを検出することにより、入力軸及び出力軸に発生しているトルクを検出できる、というものであった。なお、入力軸及び出力軸の一方の端部に形成された十字突起は、その他方に形成された十字溝に回転方向に所定の隙間が形成されるように挿入されていて、これにより、入力軸及び主力軸間の相対回転を所定角度範囲内に規制するようにしている。
【0003】
そして、このような形式のトルクセンサにあっては、高い検出精度を得るためには、十字突起及び螺旋溝が形成される回転軸の加工精度が重要であり、従来、そのような回転軸は、一般的には削り加工により製造されていた。
【0004】
具体的には、円柱形状の丸棒を所定の長さに切断してなる素材の端部に、フライス加工等により十字突起を形成し、その十字突起を基準に、螺旋溝をボールエンドミルを用いたフライス加工等により加工する。その後、硬度が必要な部位については熱処理を行う。
【0005】
しかしながら、上記のような削り加工による製造では、加工時間が非常に長くかかり、加工機械にマシニングセンタ等の高価な機械を使用しなければならず、切削工具の寿命も短いため、加工コストが嵩むという問題点がある。
【0006】
一方、このような削り加工の問題点に対処するために、最近では、上記のような特定形状のシャフトを、塑性加工により製造することも考え始められている。例えば、シャフト端部の十字突起部は押し出し鍛造により、シャフト軸部の螺旋溝は転造加工により製造することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、シャフト端部の十字突起は、押し出し鍛造により形成でき、それ自体には特に問題はない。これに対し、螺旋溝の転造加工は、その螺旋溝の形状に合った突起を外周に有する円筒形状の工具を、両側からシャフトに押し当ててそのシャフトの表面に螺旋溝となる凹みを形成することで行うことになるが、かかる加工方法では、シャフトの両側に押し付けられた工具上の突起の位相を正確に合わせることが難しく、このため螺旋溝を精度良く形成することが困難である。その傾向は、螺旋溝の捩れ角が大きくなるに従って顕著になる。また、この加工方法の場合、螺旋溝を形成するための工具と、シャフトの螺旋溝が形成されない軸部との干渉を避けるために、シャフトの軸部の螺旋溝形成部とそうでない部分との境目に、予め環状の逃げ溝を形成することが必要であり、この環状の逃げ溝を形成した分、シャフトの強度が低下してしまうという不具合もある。しかも、この加工方法の場合、先端に形成した十字突起と、転造により形成する螺旋溝との位相関係を厳密に整合させることは、技術的に極めて困難である。
【0008】
かかる問題点は、螺旋溝の転造を先に行い、その後に十字突起を押し出し鍛造により形成する場合でも解決できない。即ち、十字突起を押し出し鍛造で形成する場合には、素材が半径方向に変形し得るほどの荷重を与えなければならないため、その荷重によって螺旋溝の形状が崩れてしまうからである。
【0009】
さらに、押し出し鍛造によって、十字突起と螺旋溝とを一度に形成することも考えられる。かかる製造方法であれば、十字突起加工用のダイスと、螺旋溝加工用のダイスとの位相を確実に設定すれば、十字突起と螺旋溝との位相関係を厳密に整合させることは可能であるが、この加工方法では、軸方向に延びる突起からなる十字突起が最後に形成されることになるため、先端の十字突起と、螺旋溝の開始位置との間に捩れが発生し、その付近の形状が崩れてしまう。また、この加工方法では、形成後にダイスから素材を取り出す際、先端の十字突起部がその十字突起部形成用ダイスから離脱するまでは素材全体が回転できないから、螺旋溝形成部分がその螺旋溝形成用ダイスからスムーズに離脱できず、従って、成形品の取り出しが極めて困難である。
【0010】
本発明は、このような従来の技術における種々の未解決の課題に着目してなされたものであって、トルクセンサに用いられる特定形状のシャフトを、低コストで高精度に製造できる方法及びその方法の実施に好適な装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、先端部の外周面に軸方向に延びる軸方向突起を有するとともに、その先端部に続く軸部分の所定長さ範囲の外周面に螺旋溝を有するトルクセンサ用シャフトの製造方法であって、丸棒状の素材の先端部の外周面に前記軸方向突起を形成するとともにその素材の先端部に続く軸部分の所定長さ範囲を縮径させるための押し出し鍛造を行う第1鍛造工程と、前記素材の前記縮径させられた前記軸部分に前記螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行う第2鍛造工程と、を備え、前記第2鍛造工程では、前記第1鍛造工程で形成された前記軸方向突起を利用して前記素材の位置を仮固定し、その仮固定の状態で前記素材の前記縮径させられた前記軸部分よりも他端側の部分を把持してその素材を固定し、その固定を維持したまま、前記仮固定を行う装置と所定の位置関係にあるダイスを利用して前記螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行うようにした。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1記載のトルクセンサ用シャフトの製造方法における前記第2鍛造工程を実施するための装置であって、前記ダイスが回転自在に固定される回転台座と、前記仮固定を行う仮固定装置と、を備え、前記回転台座による前記ダイスの回転位置は、前記螺旋溝を形成する前に所定の回転方向位置に戻るようにした。
【0013】
ここで、請求項1に係る発明にあっては、シャフトの先端部の外周面に形成される軸方向突起と、シャフトの先端部に続く軸部分の所定長さ範囲に形成される螺旋溝とを、同時に形成するのではなく、先ず、第1鍛造工程において、軸方向突起を形成する。但し、その軸方向突起を形成する際に、螺旋溝が形成される領域に予備的な鍛造を行って、その領域を縮径しておく。予備的鍛造を行うのは、主とて、第2鍛造工程を行う際に、低荷重で高精度に螺旋溝を形成するためである。
【0014】
そして、第2鍛造工程において、素材の上記予備的鍛造が行われた軸部分に螺旋溝を形成するのであるが、最初に、既に形成されている軸方向突起を利用して素材を仮固定する。このとき、かかる仮固定を行う装置は、後に螺旋溝を形成するためのダイスと所定の位置関係にあるため、仮固定によって、素材とダイスとの位置関係が決まる。仮固定は、素材先端部に形成されている軸方向突起を利用したものであるため、このままでは、素材の先端部からダイスに挿入することはできないが、本発明では、仮固定の状態で、素材の軸部分のうち、螺旋溝が形成される部分よりも他端部(軸方向突起が形成させる先端とは逆側の端部)側を把持して素材を固定するから、素材とダイスとの位置関係を保持したまま、素材をダイスに挿入することが可能になる。そして、この状態でダイスを利用して押し出し鍛造を行うと、軸方向突起と所定の位相関係にある螺旋溝が、高精度に形成される。
【0015】
さらに、請求項2に係る発明にあっては、螺旋溝を形成する前には、ダイスの回転位置が所定の回転方向位置に戻るようになっているから、軸方向突起と螺旋溝との位相関係を確実に所定の位相関係にすることができる。よって、上記請求項1に係る発明の第2鍛造工程が、好適に実施される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図7は、本発明の一実施の形態を示す図であって、図1はトルクセンサ用のシャフト1の完成状態での斜視図、図2はシャフト1の完成直前状態での側面図、図3は図2のA−A線断面図である。
【0017】
即ち、シャフト1は、上記公開公報に開示されるようなトルクセンサに用いられる部材であって、操舵系のステアリングホイールに結合される図示しない入力軸と、図示しないトーションバーを介して同軸に連結される出力軸を構成するシャフトである。
【0018】
そして、シャフト1の先端部には、軸方向に延びる四本の軸方向突起1aからなる十字突起1Aが形成され、その十字突起1Aに続く軸部分の所定長さ範囲には、所定の捩れ角を有する複数(この例では八本)の螺旋溝1Bが形成されている。なお、シャフト1の軸部分の螺旋溝1Bが形成された部分以外は円柱部1Cとなっており、その円柱部1Cの螺旋溝1B形成側とは逆側の端部には、このシャフト1を他の部材(例えば、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のピニオン軸)に連結するための結合部1Dが形成されている。また、シャフト1の十字突起1A側の端面には、トーションバーの一端部をスプライン結合するための開口部1Eが形成されていて、トーションバーの他端部は、入力軸にスプライン結合されるようになっている。十字突起1Aは、入力軸の端部に形成された十字形の溝に回転方向に隙間が形成されるように挿入され、これにより、入力軸とシャフト1との間の相対回転を所定角度範囲(例えば、±5°程度)内に規制するようになっている。
【0019】
図4は、シャフト1の製造工程を示す斜視図であり、(a)、(b)、(c)という順序が加工の進行過程を表している。即ち、先ずは所定長さの丸棒状の素材2を切り出し(図4(a))、次いで、その先端に十字突起1Aを形成するとともに、十字突起1Aの形成と同時に後に螺旋溝1Bが形成される軸部分に対して絞り成形(予備成形)を行って、その軸部分を縮径して、縮径部3を形成する(図4(b))。
【0020】
そして、十字突起1A及び縮径部3は、十字突起形成用のダイスと絞り成形用のダイスとを、十字突起形成用のダイスが下側となるように中心を一致させて結合したものを使用することにより、一回の押し出し鍛造によって同時に形成する(第1鍛造工程)。このとき、両ダイスの中心を一致させることにより、十字突起1Aと縮径部3との中心同士を確実に一致させることができる。また、この時点では縮径部3に螺旋溝1Bを形成する訳ではないから、十字突起1Aの加工時に螺旋溝1Bの形状が崩れるようなことはあり得ないし、十字突起1Aの加工後にシャフト1をダイスから引き抜くことも極めて容易である。
【0021】
さらに、この第1鍛造工程において形成される縮径部3の直径は、螺旋溝1B形成後の断面積(図3参照)と面積の等しい円の直径よりも、3.0〜3.5%増しに設定する。縮径部3の直径をこれより大きくすると、後に螺旋溝1Bを加工する際の成形荷重が大きくなり過ぎてシャフト1が座屈したり、余分な材料によってバリが発生したりするため、良好な成形が困難になる。逆に、縮径部3の直径をそれより小さくすると、螺旋溝1Bやその間の部分の成形が不完全になる可能性が大きくなる。
【0022】
第1鍛造工程が完了したら、図5に示す鍛造装置10を利用して、螺旋溝1Bの成形を行う(第2鍛造工程)。
即ち、鍛造装置10は、鉛直方向を向く中心軸C回りに回転自在の回転台座11と、この台座11上に軸心を合わせて固定されるダイス12と、ダイス12上にダイス12の開口部分を塞がないように設置されたベースプレート13と、このベースプレート13に支持された仮固定装置14と、鉛直方向に延びる二本のガイドポスト15と、両端部がそれらガイドポスト15に支持されて水平に上下動可能なベースプレート16と、ベースプレート16の下面側に支持された固定装置17と、を備えている。
【0023】
ダイス12は、半分切り取った状態での斜視図である図6に示すように、略円柱形状の部材であって、その上面及び下面間を中心軸と同軸に貫通孔12Aが貫通し、貫通孔12A内に、シャフト1の縮径部3に食い込めるように上端側が鋭角になっている螺旋溝1B形成用の複数(この例では、八本)の螺旋状突起12Bが形成されている。そして、下面側の大径部12Cが回転台座11に固定されることにより、貫通孔12Aの中心軸と、回転台座11の中心軸Cとが一致するようになっている。なお、回転台座11には、ダイス12を固定したときに貫通孔12Aと連通する鉛直方向に延びる孔が形成されていて、これにより、螺旋溝1Bを加工する際に十字突起1Aが回転台座11側に逃げられるようになっている。
【0024】
一方、仮固定装置14は、中心軸Cを中心とした対象位置に配設され互いに同期して駆動するようになっている一対のシリンダ14Aと、各シリンダ14Aによって中心軸Cに近づく方向及び中心軸Cから離れる方向に進退可能な一対の固定用爪14Bと、シャフト1の倒れを防止する倒れ防止ガイド14Cと、を備えていて、これから螺旋溝1Bの成形が行われるシャフト1を、中心軸Cと同軸に仮固定するための装置である。
【0025】
具体的には、仮固定装置14は、固定用爪14Bを後退させた状態で、シャフト1の十字突起1Aの部分を上方から固定用爪14Bの間に手作業で挿入し、そして、シリンダ14Aを駆動させて固定用爪14Bを中心軸C側に移動させ、図7に示すように、固定用爪14Bの幅が窄まっている先端部を十字突起1Aの突起1a間に両側から嵌め合わせてシャフト1の位置を仮固定する、という具合に使用される。
【0026】
このとき、シャフト1の十字突起1Aの回転方向位置が、固定用爪14Bによって所定の回転方向位置に固定されるから、固定用爪14Bとダイス12との相対位置関係を固定しておけば、十字突起1Aとダイス12との位相関係は、所定の関係に固定されることになる。つまり、ダイス12の回転方向位置は、結局は回転台座11によって決まるから、回転台座11とダイス12との位相関係を所定の関係に決めておき、螺旋溝1Bの加工を行う前には回転台座11の回転方向位置が常に所定の初期位置に戻るようにしておけば、螺旋溝1Bの加工を行う前の十字突起1Aとダイス12との位相関係を、所定の関係に固定することができる。
【0027】
なお、固定用爪14Bは、シリンダ14Aによって、シャフト1全体がその間を通過できる位置にまで後退できるようになっている。
そして、固定装置17は、中心軸Cを中心に対象位置となるように、ベースプレート16の下面側に固定された片側二つずつ計四つのリニアガイド装置のベアリング17Aと、これらベアリング17Aに案内されて中心軸Cに近づく方向及び中心軸Cから離れる方向に進退可能なリニアガイド装置のレール17Bと、レール17Bの先端部にそれぞれ固定されてシャフト1の円柱部1Cの上端部分を両側から把持可能な一対の把持用爪17Cと、ベースプレート16に固定され互いに同期して駆動して把持用爪17Cを進退させる一対のシリンダ17Dと、を備えて構成される。
【0028】
固定装置17は、仮固定装置14によって上記のように仮固定されたシャフト1の上端部を、仮固定された位置を保持したまま把持して固定し、その固定完了後に仮固定装置14の固定用爪14Bを後退させてシャフト1が通過できる空間を形成し、そして、ベースプレート16全体をガイドポスト15に沿って且つ上方から荷重を与えつつ下降させることにより、シャフト1をダイス12の貫通孔12Aに挿入させる、という具合に使用される。
【0029】
つまり、固定装置17がシャフト1の上端部を把持した際には、仮固定装置14によって十字突起1Aとダイス12との位相関係が所定の関係に固定されているから、固定装置17によってシャフト1の上端部を把持したまま、そのシャフト1をダイス12の貫通孔12Aに荷重を加えつつ挿入して押し出し鍛造を行えば、縮径部3には、十字突起1Aの各軸方向突起1aと所定の位相関係にある螺旋溝1Bが高精度に成形されるのである。
【0030】
より具体的には、シャフト1がダイス12の貫通孔12Aに荷重を加えつつ挿入されると、縮径部3の外周面にダイス12内の螺旋状突起12Bの先端が接するまでは、ダイス12には外力は加わらないから、その回転方向位置は初期位置のままであるが、縮径部3の外周面に螺旋状突起12Bの先端が接し、シャフト1に加わる荷重によってその螺旋状突起12Bの先端が縮径部3に食い込み始めると、シャフト1の回転は固定装置17によって不可能になっているから、螺旋状突起12Bに案内されてダイス12自身が回転台座11とともに回転するようになる。そして、縮径部3の上端部がダイス12内の螺旋状突起12Bの先端部近傍に到るまでシャフト1を下降させれば、縮径部3の外周面の材料が、その縮径部3の外周面に食い込んだ螺旋状突起12に対して直交する方向に次々と移動する結果、形成される螺旋溝1Bに崩れが生じることなく、高精度に螺旋溝1Bが成形されるのである。
【0031】
シャフト1を所定位置まで下降させたら、ベースプレート16をガイドシャフト15に沿って上昇させる。すると、十字突起1Aは他の部材には接触していないから、ダイス12が回転台座11とともに成形時とは逆方向に自由に回転することができるので、螺旋溝1Bが成形されたシャフト1は、ダイス12から容易に離脱させることができ、その離脱の際に螺旋溝1Bの形状が崩れるようなこともない。
【0032】
シャフト1をダイス12から完全に離脱させると、回転台座11の回転方向位置は初期位置に復帰するから、次のシャフト1に対して螺旋溝1Bを成形する際にも、そのシャフト1の十字突起1Aとダイス12の螺旋状突起12Bとの位相関係は所定の位相関係となる。よって、複数のシャフト1に対して繰り返し螺旋溝1Bを形成するための上記第2鍛造工程を行っても、高精度に螺旋溝1Bを形成することができるのである。
【0033】
螺旋溝1Bが形成されたら、結合部1D及び開口部1Eを適宜形成して、トルクセンサ用のシャフト1が完成する。
このように、本実施の形態にあっては、第1鍛造工程において、十字突起1Aと縮径部3とを同時に形成し、第2鍛造工程において、その十字突起1Aを利用してダイス12との位置決めを行ってから縮径部3に螺旋溝1Bを成形するようにしているから、十字突起1Aと螺旋溝1Bとの位相関係を、極めて高精度にできるのである。その結果、かかるシャフト1を利用したトルクセンサであれば、十字突起1Aや螺旋溝1Bの加工精度に起因してトルクの検出精度が悪化する可能性が極めて低くなるのである。
【0034】
しかも、第1鍛造工程において予備的鍛造を行って所定の直径の縮径部3を形成するようにしているから、第2鍛造工程において螺旋溝1Bを形成する際に、より確実に低荷重で高精度に螺旋溝1Bを形成することができるのである。
【0035】
そして、上記のような製造工程によりシャフト1を量産することにより、これを切削加工により形成するのに比べて、製造コストを格段に抑えることができるのである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、特定形状のトルクセンサ用のシャフトを、丸棒状の素材の先端部の外周面に軸方向突起を形成するとともにその素材の先端部に続く軸部分の所定長さ範囲を縮径させるための押し出し鍛造を行う第1鍛造工程と、素材の縮径させられた軸部分に螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行う第2鍛造工程と、を経て形成することとし、その第2鍛造工程では、第1鍛造工程で形成された軸方向突起を利用して素材の位置を仮固定し、その仮固定の状態で素材の縮径させられた軸部分よりも他端側の部分を把持してその素材を固定し、その固定を維持したまま、仮固定を行う装置と所定の位置関係にあるダイスを利用して螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行うようにしたため、トルクセンサ用のシャフトを、低コストで高精度に製造できるという効果がある。
【0037】
また、請求項2に係る発明であれば、請求項1に係る発明における第2鍛造工程を、より確実に実行することができるから、請求項1に係る発明と同様に、トルクセンサ用のシャフトを低コストで高精度に製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるシャフトの斜視図である。
【図2】完成直前のシャフトの側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】シャフトの加工工程を示す斜視図である。
【図5】第2鍛造工程を実行する装置の概略構成を示す正面図である。
【図6】ダイスの半分切り取った状態での斜視図である。
【図7】シャフトの仮固定の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 シャフト(トルクセンサ用シャフト)
1a 軸方向突起
1A 十字突起
1B 螺旋溝
1C 円柱部
1D 結合部
1E 開口部
2 素材
10 鍛造装置
11 回転台座
12 ダイス
13 ベースプレート
14 仮固定装置
15 ガイドポスト
16 ベースプレート
17 固定装置
Claims (2)
- 先端部の外周面に軸方向に延びる軸方向突起を有するとともに、その先端部に続く軸部分の所定長さ範囲の外周面に螺旋溝を有するトルクセンサ用シャフトの製造方法であって、
丸棒状の素材の先端部の外周面に前記軸方向突起を形成するとともにその素材の先端部に続く軸部分の所定長さ範囲を縮径させるための押し出し鍛造を行う第1鍛造工程と、
前記素材の前記縮径させられた前記軸部分に前記螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行う第2鍛造工程と、を備え、
前記第2鍛造工程では、前記第1鍛造工程で形成された前記軸方向突起を利用して前記素材の位置を仮固定し、その仮固定の状態で前記素材の前記縮径させられた前記軸部分よりも他端側の部分を把持してその素材を固定し、その固定を維持したまま、前記仮固定を行う装置と所定の位置関係にあるダイスを利用して前記螺旋溝を形成するための押し出し鍛造を行うことを特徴とするトルクセンサ用シャフトの製造方法。 - 前記請求項1記載のトルクセンサ用シャフトの製造方法における前記第2鍛造工程を実施するための装置であって、
前記ダイスが回転自在に固定される回転台座と、前記仮固定を行う仮固定装置と、を備え、前記回転台座による前記ダイスの回転位置は、前記螺旋溝を形成する前に所定の回転方向位置に戻るようになっていることを特徴とするトルクセンサ用シャフトの製造装置。
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