JP3648583B2 - 筆記具の一時的インキ溜め部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキを自由状態にて収容するインキタンクとペン先との間に配置され、インキタンクより過剰に吐出されるインキの一部を一時的に溜める縦断面櫛歯状の一時的インキ溜め部を有する一時的インキ溜め部材であって、この一時的インキ溜め部材の前方部に位置する櫛歯を軸筒に対する嵌合部とし、軸筒内孔の突部に嵌合させてなるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中綿等のインキ保持材にインキを保持させずに、インキタンク内に自由状態でインキを収容する筆記具は、生インキ式筆記具と称され、大量のインキを収容できることによる長距離筆記の実現と、インキを大量に吐出しえることからみずみずしい筆跡を得ることができるものとして知られている。但し、自由状態のインキをそのままペン先と接続した場合、インキがそのまま流出してインキボテや洩れ等の過剰吐出に関連する不具合となるので、多くは、インキ・空気の交換とインキ吐出制御をなす部材をペン先との間に介在させるものであった。その一例が、押圧等操作により開閉する弁機構であり、過剰に吐出されるインキの一部を一時的に溜める縦断面櫛歯状の一時的インキ溜め部を有する一時的インキ溜め部材であった。
【0003】
この一時的インキ溜め部材を軸筒内孔に配置するにあたっては、軸筒内孔に嵌合させることが一般的に行われているが、一時的インキ溜め部材の嵌合部は、一時的インキ溜め部と同様にインキタンクと空気孔とを連通する空間内にあることから、該部にも一時的インキ溜め機能を発揮させ、空気孔よりのインキ洩れに対する最終的な抑えとすると共に、一時的インキ溜め部材自体が合成樹脂の射出成形品であることから、該部を肉厚に成形することは合成樹脂の収縮率の関係から偏肉部となる所謂ヒケ現象の原因となることも相俟って、縦断面櫛歯状に成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一時的インキ溜め部材の軸筒に対する嵌合部は、中心方向の力を受ける部分であると共に、軸筒内に一時的インキ溜め部材を設置するにあたって軸筒の開口部と衝突しやすい部分である。従来の一時的インキ溜め部材では、嵌合部の櫛歯が嵌合力や設置時に軸の開口部に衝突することによって倒れ込んでしまうことがあった。嵌合部において櫛歯が倒れ込んだ状態のものでは、軸筒に対する嵌合力が低下し容易に外れ易くなり、インキタンク内に自由状態で収容するインキが何の障害もなく洩れてしまう恐れがあるものであった。また、倒れ込んだ櫛歯により該部に強毛細管部分が形成されることになり、積極的にインキを呼び込んでしまう可能性もあり、空気孔に最も近い部分として、過剰インキが吐出した場合のインキ洩れを抑制し切れなくなったり、空気孔をふさいだ場合には、インキ・空気交換が円滑に行われなくなり、インキの吐出不良、即ち、筆記不能となる恐れのあるものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、インキを自由状態にて収容するインキタンクとペン先との間に配置され、インキタンクより過剰に吐出されるインキの一部を一時的に溜める縦断面櫛歯状の一時的インキ溜め部を有する一時的インキ溜め部材であって、この一時的インキ溜め部材の前方部に位置する櫛歯を軸筒に対する嵌合部とし、軸筒内孔の突部に嵌合させてなるものにおいて、前記嵌合部に相当する櫛歯に連続する長手方向の縦壁を形成したことを特徴とする筆記具の一時的インキ溜め部材を要旨とする。
【0006】
【実施例】
以下、図面に基づき一例について説明する。図1に示したものは、主に高級品の筆記具に使われるような、外装体(図示せず)内に収容されるリフィルの例として示したものである。ペン先1としては、ステンレス製のボールペンチップを使用し、軸筒2として洋白製の有底筒体を使用したものであり、軸筒2内部空間をそのままインキタンク3としている。軸筒2の開口部分には、ABSの射出成形品である一時的インキ溜め部材4が固定されており、一時的インキ溜め部材4にはステンレス製の継ぎ手パイプ5を介してペン先1が接続されている。
【0007】
一時的インキ溜め部材は、内孔にインキタンク3内のインキをペン先1に接続するポリエステル製のインキ中継芯6を挿置しており、図示はしないが、インキ中継芯6の後端はインキタンク3に突出している。また、一時的インキ溜め部材4は複数の櫛歯4aを有し、この櫛歯4a間を一時的インキ溜め部4bとしている。一時的インキ溜め部4bは、スリット4cにより内孔と空気通路と連通している。また、図1のI部拡大図である図2にも示すように、軸筒2の内壁には、カシメ加工により形成した周状突起2aが形成されており、この周状突起2aの位置に相当する櫛歯は、よりインキタンク側の櫛歯より太く形成されており、軸筒2に対する嵌合係止部4dとなっている。また、各櫛歯間である一時的インキ溜め部4bに連通するように空気孔4e(破線にて示す)が形成されており、インキ消費に伴って空気をインキタンク内に供給する。
【0008】
また、図2のII−II線断面矢視図である図3にも示すように、嵌合係止部4dに相当する位置の前後に、該部の櫛歯を一体に接続する長手方向に連続する縦壁4fが形成されている。この縦壁4fは、嵌合係止部4dである各櫛歯が軸筒2に当たって倒れ込むことを極力抑制している。また、この縦壁4fは、前記スリット4cと同一直線状に位置し、インキタンクよりの過剰吐出によってスリットを伝わって移動するインキが直接空気孔4eに接続しないようにもしている。
【0009】
図4に縦壁4fを変形した一例を示す。上述の例と異なり、縦壁4fを複数の櫛歯を一体に接続するものとはせずに、各櫛歯毎に一枚づつ分離して形成したものである。このようにすることによって、仮に一つの櫛歯が軸筒2と当たったことによって倒れ込んだとしても、他の櫛歯がそれに連動して倒れ込むことを極力抑制することができる。また、図示の例では、各縦壁4fをインキタンク側に向かって次第に高くなる傾斜壁としたことにより、万一、軸筒2と当る場合にも変形しにくい形となっている。
【0010】
【発明の効果】
以上のように、本発明の筆記具の一時的インキ溜め部材は、嵌合部に相当する櫛歯の倒れ込みを極力抑制することによって、一時的インキ溜め部材を軸筒に確実に固定し、インキタンク内に自由状態で収容するインキが洩れてしまう恐れを極力抑制し、また、一時的インキ溜め部材としての過剰インキが吐出した場合のインキ洩れ抑制機能やインキ・空気交換を円滑に行うことによる良好なインキ吐出の確保等を損なう恐れの少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一例を示す縦断面図。
【図2】 図1のもののI部拡大縦断面図。
【図3】 図2のもののII−II線断面矢視図。
【図4】 他の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ペン先
2 軸筒
2a 周状突起
3 インキタンク
4 一時的インキ溜め部材
4a 櫛歯
4b 一時的インキ溜め部
4c スリット
4d 嵌合係止部
4e 空気孔
4f 縦壁
5 継ぎ手パイプ
6 インキ中継芯
Claims (1)
- インキを自由状態にて収容するインキタンクとペン先との間に配置され、インキタンクより過剰に吐出されるインキの一部を一時的に溜める縦断面櫛歯状の一時的インキ溜め部を有する一時的インキ溜め部材であって、この一時的インキ溜め部材の前方部に位置する櫛歯を軸筒に対する嵌合部とし、軸筒内孔の突部に嵌合させてなるものにおいて、前記嵌合部に相当する櫛歯に連続する長手方向の縦壁を形成したことを特徴とする筆記具の一時的インキ溜め部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09648897A JP3648583B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 筆記具の一時的インキ溜め部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09648897A JP3648583B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 筆記具の一時的インキ溜め部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10272881A JPH10272881A (ja) | 1998-10-13 |
JP3648583B2 true JP3648583B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=14166469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09648897A Expired - Fee Related JP3648583B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 筆記具の一時的インキ溜め部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5371571B2 (ja) * | 2009-06-19 | 2013-12-18 | オート株式会社 | 筆記具 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP09648897A patent/JP3648583B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10272881A (ja) | 1998-10-13 |
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