JP3647457B2 - エアフィルター - Google Patents

Description

技術分野
本発明は特に燃焼機関などの吸気に使用されるエアフィルターに関し、特に貨物自動車のエンジン用エアフィルターに関する。
発明の背景
燃焼機関を問題なく長期間運転するには、燃焼のために吸い込まれる空気をろ過して空気から固形粒子を可能な限り除くことが重要な要件である。燃焼機関が最初に用いられて以来エアフィルターは使用されてきており、従って、これまでに非常に多数の各種吸気フィルターが開発され、一般にも認知されている。
自動車の燃焼機関用のフィルターは、一般的に、蛇腹状に折り畳んだ紙でできたシリンダー形のフィルターが用いられている。該フィルターでは、空気はシリンダーの厚い壁を形成している蛇腹状紙を通って半径方向に吸い込まれ、きれいになった空気はフィルターのゲーブル（gable）にある中央開口部を通ってフィルターから軸方向に排気される。該フィルターは平たい形であることが多い。すなわち、フィルターの直径が軸の長さよりかなり長いということであるが、この逆の形もあり、このタイプは特に貨物自動車のエンジンの空気をろ過するのに使用されている。
紙フィルターは通常ハウジングまたはケーシング内にあるので、フィルターは適切な方法でハウジングに接合されて、空気が必ずフィルターを通過し、フィルターの外側を通るような空気流の漏れがないようにしなければならない。従って、このような放射状フィルターはゲーブル末端で接合され、次にこのゲーブルが周囲のハウスに接合されている。ゲーブル末端にはスチール板などが備えてあることが多く、ゲーブルを通って空気がフィルターの外から侵入できないようにしてある。このようなフィルターの例は米国特許第5071456号、国際公開番号91/00423号およびスウェーデン特許第201270号に記載されている。
上記公知のエアフィルターはまずまずよく作動し、大過なく所望の程度まで空気をきれいにする。しかしながら、しばらく使用した後は汚れた空気に含まれていた粒子がフィルターに捕らえられて徐々に目詰まりを起こすので交換しなければならなくなる。そこで、フィルターを交換することになるが、再使用はできない。ここに環境問題が発生する。フィルター自体は紙でできているので環境問題を起こすことはないが、気密でフィルターに接着し、通常フィルターを支持しているゲーブル板は厚くてフィルターと一体となっているので、一緒に処分しなければならない。このゲーブル板は通常スチールでできており、亜鉛で被覆されワニスがかけてあることが多い。従って、特に環境的見地から、フィルター交換の度にこのプレートを処分する必要のないフィルターを創作すること、および、むしろ実質的にエンドプレートのない、フィルター部分と一体化して取り外せないフィルターを製造することは長年所望されてきたことであった。
発明の要約
そこで本発明によって、特に燃焼機関などの吸気用のエアフィルターを製造した。該エアフィルターは、外被（envelope）表面に吸気口と、１つのゲーブル表面にろ過された空気の排気口とを有するシリンダー形のハウジングからなり、ハウジング内には、半径方向に吸い込まれた空気を内部に向かってろ過し、（ろ過された空気は）中央部を通って軸方向に１つのゲーブルから流出させるための厚壁を有するシリンダー形のフィルターエレメントが配置されている。該フィルターエレメントは、ゲーブル末端にプレートを備えていてこのプレートを介してハウジングに接合されている。ろ過された空気の排気口を備えていない方のゲーブル末端のプレートは、厚いフィルター壁を超えて半径方向に延長され、その外周部分には、ゲーブルにカバーを留めることによって外側のハウジングのゲーブルに接合するためのシール材料を備えており、該カバーは、ゲーブルとカバーの外周部分でゲーブルにネジで固定することを特徴とする。
また、本発明によるエアフィルターは、シールがＵ形の断面を有するリングからなり、該シールはプレートのエッジにかぶせてあることを特徴とする。
本発明によるシールは、ゴムまたはポリウレタン製がよい。
本発明によると、シールの外縁はカバーの外縁と実質的に同じ高さであって、カバーの取り付けラグ（attachment lug）には、圧着シールのついたプレートの厚みにほぼ対応する間隔保持ショルダ（spacer shoulder）がついているのがよい。
【図面の簡単な説明】
以下に本発明の全体を添付の図を参照しながら説明する。
図１ 本発明のエアフィルターを一部断面にして示した図である。
図２ 本発明のフィルターエレメントを一部断面にして示した図である。
図３ 本発明のシールを拡大した図である。
図４ カバーを前側および断面からみた図である。
発明の好適な実施形態の詳細な説明
図１は外部ハウジング１を有するフィルターを示している。該ハウジングはシリンダー形でエンドゲーブルを有する。ハウジング１は、外被（envelope）表面に吸気口２を、１つのゲーブル末端にはろ過されたきれいな空気の排気口を備えている。排気口３は公知の種類の管部からなる。フィルターエレメント４はハウジング１内に配置されている。該フィルターエレメントもシリンダー形で、公知の方法で製造した蛇腹状に折り畳んだ紙でできた厚壁を有する。フィルターエレメント４は、両方のゲーブル末端に薄プレート５を備えている。図面左側のフィルターエレメント４の末端は、排気口３の管部に対して公知の方法で接合されており、従ってハウジング１に対しても、それ自体は公知のシール６によって接合されている。
もう一つの末端、すなわち図１の右側では、フィルターエレメント４の末端に取り付けられた薄プレート５は延長されてフランジ７となっている。フランジ７にはＵ形断面をしたリングシール８が装備されている。該リング８はフランジ７にかぶせてあるが、望ましくは、２個のリング型ディスクをフランジ７の両側に当てるというものでもよい。リングシール８とフランジ７は、カバー９のフランジによってハウジング１のゲーブルに圧着されている。該カバー９は、４個のネジ10を用いてハウジング７に適切に留めてある。これらのネジ10は、カバーの周囲に互いに等間隔に配置された突き出たラグ（lug）を貫通する。シール８が見えるようにするために、前記ラグには間隔保持ショルダ11がついており、これがハウジング１のゲーブル壁に接することになる。この間隔保持ショルダ11は、圧着された状態にあるフランジ７とシール８の厚みに対応する大きさを有しているのがよい。
カバー９はスチールまたは剛性プラスチック材料で作られているのがよく、フィルターエレメント４の交換をする際、再使用可能である。フィルターエレメント４と一緒に処分または焼却される部品は、薄いエンドプレート５とシール６および８だけである。
図２は本発明によるフィルターエレメントを一部断面にして示したものである。厚いシリンダー壁のペーパーフィルターは公知のものであるので単に記号で示した。フィルター部分の周囲はシリンダー状の多孔板になっており、ここから空気が浸透する。このプレート12はエンドプレート５に接合されているため、空気は必ず多孔板12を通ることになる。シール６はエンドプレート５に接着してある。図面右側のエンドプレート５は、見てわかるとおり、延長してフランジ７になっている。該フランジ７は本発明に従ってシール８を備えている。
図３はシール８をかぶせたフランジ７の拡大図である。該シールは、ゴムまたはポリウレタン製がよく、側面に溝が刻んである。この理由はシールを圧着しやすいということによる。他のシール材料が用いられる場合、この溝は省略されることもある。上述の材料には溝が必要ということでもない。ペーパーフィルター周囲の多孔板12は、図示されているとおり、シール13によってエンドプレート５に固定されている。
最後に、図４はエンドカバー９を前側および断面からみた図である。カバー９にはフランジ14がついており、これでシール８を押しつける。このカバーには間隔保持ショルダ11がついており、また、フィルターエレメント４の端を受け止めるような形になっている。
本発明によって、特に貨物自動車に適応し、また、交換の際の廃棄物が最小限で済むフィルターが得られる。ハウジングとカバーも強靱で、フィルターへのダメージも容易には起こらない。さらに、製造が容易でコスト効果も高い。
本発明は記載した実施の形態だけに限られるものではなく、請求の範囲内で多様な変形が可能である。

Claims (3)

1. 外被表面に吸気口（２）と、１つのゲーブル表面にろ過された空気の排気口（３）を有するシリンダー形のハウジング（１）からなり、ハウジング（１）内には、半径方向に吸い込まれた空気を内部に向かってろ過し、ろ過された空気は中央部を通って軸方向に１つのゲーブルから流出させるための厚壁を有するシリンダー形のフィルターエレメント（４）が配置され、該フィルターエレメント（４）にはゲーブル末端にプレート（５）が備えられており、このプレートを介してハウジング（１）に接合されている燃焼機関などの吸気用エアフィルターであって、
   ろ過された空気の排気口を備えていない方のゲーブル末端にあるプレート（５）は、厚いフィルター壁を超えて半径方向に延長され、その外周部分（７）には、カバー（９）をゲーブルに固定することによって外側のハウジング（１）のゲーブルに接合するためのシール材料（８）が備えてあって、該カバーは、ゲーブルとカバー（９）の外周部分でゲーブルにネジ（10）で留められており、また、シール（８）の外縁はカバー（９）の外縁（14）と実質的に同じ高さであり、また、カバー（９）の取り付けラグには、圧着シール（８）のついたプレート（７）の厚みにほぼ対応する間隔保持ショルダ（11）が備えられていることを特徴とする特に燃焼機関などの吸気用エアフィルター。
2. シール（８）はＵ形の断面を有するリングで、プレートのエッジ（７）にかぶせられていることを特徴とする請求項１に記載のエアフィルター。
3. シール（８）はゴムまたはポリウレタン製であることを特徴とする請求項１または２のいずれかに記載のエアフィルター。

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