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JP3645641B2 - シンクロナイザーリング用摩擦材 - Google Patents

シンクロナイザーリング用摩擦材 Download PDF

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JP3645641B2 JP05266496A JP5266496A JP3645641B2 JP 3645641 B2 JP3645641 B2 JP 3645641B2 JP 05266496 A JP05266496 A JP 05266496A JP 5266496 A JP5266496 A JP 5266496A JP 3645641 B2 JP3645641 B2 JP 3645641B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンクロナイザーリングに使用される摩擦材の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
シンクロナイザーリングは、自動車の変速機等に組込まれて、変速機の歯車切換え作動時に、切換え噛合させられる2つの歯車同士が円滑に噛合することができるように2つの歯車を同期回転させるリング状の部材である。
シンクロナイザーリングは、リング状の構造体に摩擦材層を有している。
摩擦材層は、構造体の内周側に設けられている場合と、外周側に設けられている場合と、内周側と外周側の両側に設けられている場合とがある。何れの場合であっても、摩擦材層は、変速歯車のテーパー状部(円錐状部)に摩擦係合させられる。
【0003】
摩擦材層の摩擦材としては、銅合金、例えば、MBA−2及びMBA−5が多く使用されている。また、少数ではあるが、ペーパー材も使用されている。その他としては、溶射によって構造体にモリブデンを固着させる場合もある。
【0004】
一方、シンクロナイザーリングには、次の特性が求められる。
(1) 相手部材であるテーパー部に摩擦係合して2つの歯車を同期させるため、相手部材に対する動摩擦係数が大きいこと。
(2) 相手の歯車に噛合する際の衝撃を少なくするために、ゼロに近い相対速度での摩擦係数(以下、「静摩擦係数」という。)が小さいこと。
(3) 相手部材に制動を加えたときの制動摩擦熱によって、焼き損じないこと。
特に、クラッチ・シフトレバーのミス操作時に発生する制動摩擦熱によって焼き損じないこと。
【0005】
クラッチ・シフトレバーのミス操作とは、クラッチペダルを確実に踏み込まずに、クラッチ・シフトレバーを動かすことをいい、このミス操作時には、エンジントルクが他方の歯車に伝達され、クラッチが完全に切れて空転するときのトルクよりも大きなトルクで他方の歯車が回転させられるため、シンクロナイザーリングには大きな熱負荷(通常の十数倍に達する。)が発生する。この結果、摩擦材が制動摩擦熱によって高温になり、炭化・異常摩耗が起き同期機能が損われる恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記3つの特性の内、(3) の特性が優先される傾向にあるため、摩擦材には、銅合金が多く使用されている。しかし、銅合金は、他の部材より動摩擦係数が小さいため、(1),(2)の特性が劣るという問題点を有している。
そこで、銅合金の摩擦面を二重、三重の複層にして、制動摩擦熱を吸収するための容量を増やして動摩擦係数を大きくすることによって、(1) の特性の向上を図っている。
しかし、このように摩擦面を複層にすると、変速機の機構が複雑、大型、且つ高価になるという別の問題点が生じる。
【0007】
一方、ペーパー材は、(1)、(2)の特性を具えているが、クラッチ・シフトレ
バーのミス操作時の制動摩擦熱によって焼き損じる恐れがあるという問題点を有している。
また、モリブデンは、銅合金よりもクラッチ・シフトレバーのミス操作時の制動摩擦熱に耐えることができるが、(1),(2)の特性が劣るという問題点を有している。
【0008】
ところで、シンクロナイザーリングが良好な摩擦特性を具えるためには、摩擦材に多数の微小孔が形成されている必要がある。摩擦材に多数の微小孔が形成されていると、シンクロナイザーリングが相手部材に接触したとき、摩擦界面に油膜が形成されにくく、動摩擦係数を大きくすることができる。
【0009】
従って、シンクロナイザーリングに使用される摩擦材として、耐熱性、耐摩耗性、耐焼き付き性、多孔性を兼ね備えた材料が待望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、30乃至70重量%の炭素材と、10乃至40重量%の熱硬化性樹脂と、5乃至30重量%の金属繊維又は金属粒子と、5乃至40重量%の無機繊維又は無機粒子とを含み、気孔率が10乃至50%で、前記炭素材が多孔質黒鉛粒子であり、且つ、該黒鉛粒子の全粒数の50%以上が44乃至250μmの粒直径であることを特徴とするシンクロナイザーリング用摩擦材により、前記課題を解決した。
【0011】
なお、本発明において「気孔」とは、表面に向かって開いている孔のことであり、「気孔率」とは、摩擦材に形成された気孔が摩擦材に対して占める容積の割合のことをいう。
炭素材は耐熱性に優れており、摩擦材の耐熱性を向上させる。
このため、シンクロナイザーリングは、例えば、クラッチ・シフトレバーのミス操作時の制動摩擦熱に耐えることができ、相手部材に対して焼付くことが少なくなる。
炭素材が30重量%未満になると摩擦材の耐熱性が低下し、70重量%を越えると摩擦材の剛性が低下する。
【0012】
熱硬化性樹脂は摩擦材の各成分のバインダーとしての役目をし、摩擦材の剛性を高める。
熱硬化性樹脂が10重量%未満になると、摩擦材の剛性が低下する。40重量%を越えると所望の気孔率が得られなくなり、摩擦材の動摩擦係数を大きくすることができない。
【0013】
金属繊維と金属粒子は制動摩擦熱によって摩擦材の動摩擦係数が小さくなることを防止する。
金属繊維又は金属粒子が5重量%未満になると、摩擦材の動摩擦係数が小さくなる。40重量%を越えるとシンクロナイザーリングが相手部材に凝着する恐れが生じる。
【0014】
無機繊維と無機粒子はバインダーとしての熱硬化性樹脂を補強し、所望の気孔率が得られるようにする。
無機繊維又は無機粒子が5重量%未満になると、無機繊維又は無機粒子は熱硬化性樹脂を補強することができない。40重量%を越えると摩擦材の柔軟性が損なわれ、摩擦材層は相手部材を摺り減らす。
【0015】
摩擦材の気孔率が10乃至50%であると、シンクロナイザーリングと相手部材との摩擦界面に油膜が形成されにくくなり、動摩擦係数の大きい摩擦材が得られる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を表1、表2及び図1に基づいて説明する。
図1に示すシンクロナイザーリング10は、リング状の構造体11の内周側に摩擦材からなる摩擦材層12を有している。
【0017】
シンクロナイザーリングの製造方法には、次のような方法がある。
(第1の製造方法)
構造体の材料と摩擦材を、成形型内に充填して180乃至300℃に加熱し、構造体と摩擦材層とを一体化成形させる。その後、一体化された構造体と摩擦材層を20乃至30分間、230乃至500℃に保つ。最後に、摩擦材層の内周をテーパー状(円錐状)に切削し、その内周に溝16を形成する。このとき、溝16によって、摩擦材層12にトップランド17が形成される。
【0018】
(第2の製造方法)
構造体の材料と摩擦材を、成形型に充填し、電流を流して200乃至350℃に加熱し、構造体と摩擦材層を一体化成形させる。最後に、溝16を形成する。
【0019】
(第3の製造方法)
構造体の材料と摩擦材を、成形型に充填し、プラズマ放電によって1200℃に加熱し、還元雰囲気又は減圧雰囲気の下で構造体と摩擦材層とを一体化成形する。最後に、溝16を形成する。
【0020】
(第4の製造方法)
摩擦材に少量のバインダーを添加し、ロールによる加圧、プレスによる加圧、或いは、抄造と同じような製法により、摩擦材をシート状に成形し、所望の形状に打ち抜いた後に、構造体と一体化させる。
(その他の製造方法)
リング状に予備成形した摩擦材を構造体と一体化させる。
【0021】
【実施例】
構造体11は黄銅からなっている。
摩擦材層12の摩擦材は、炭素材、熱硬化性樹脂、金属繊維、無機繊維等からなっている。
表1は、20種類の摩擦材の試料の成分表である。
【0022】
【表1】
Figure 0003645641
【0023】
表2は、表1の20種類の各試料を摩擦材層12に用いて、各種のテストを行なった結果を示した表である。
【0024】
【表2】
Figure 0003645641
【0025】
表2において、単体摩擦摩耗テストとは、80℃のギヤオイル中で、慣性量0.010Kgf・m/(sec自乗)、回転数1,600rpmで回転する材質SCM420のテーパー状の相手部材にシンクロナイザーリング11を70Kgfの力で押付けて相手部材を停止させることを、1万回繰り返して行ない、200回目と、1万回目との、各試料の動摩擦係数及び静摩擦係数を調べるためのテストである。
【0026】
また、摩擦材摩耗量の欄には、単体摩擦摩耗テストにおいて、摩擦材層が軸方向に摩耗した長さを各試料毎に測った値を示してある。
【0027】
さらに、相手部材ダメージの欄には、単体摩擦摩耗テストにおいて、磨かれた相手部材の表面が摩擦材層によって損傷を受けた度合いを各試料毎に調べた結果を示してある。
相手部材ダメージの欄において、「曇」とは、磨かれた相手部材が曇る程度に摩耗させられたことをいう。「摺動痕」とは、表面に痕が残る程度に相手部材が摩耗させられたことをいう。「黒変」とは、相手部材が摩擦材層に焼付かれ、黒く変色させられたことをいう。「段差摩耗」とは、表面に段差が生じる程度に相手部材が摩耗させられたことをいう。
【0028】
表2において、過酷条件テストとは、回転数1,600rpmで回転する材質SCM420のテーパー状の相手部材にシンクロナイザーリングを100Kgfの力で、2秒間押付け、30秒間離すことを1サイクルとして、20サイクル行なう間に、摩擦材層が相手部材に焼付いたり、損傷を受けたりしないかを調べるためのテストである。
表2の過酷条件テストの欄において、「背面当」とは、シンクロナイザーリングの摩擦材層が摩耗し、構造体11が相手部材の歯車に当接した状態をいう。
【0029】
表2において、圧縮疲労テストとは、停止している材質SCM420のテーパー状の相手部材にシンクロナイザーリングを250Kgfの力で4秒間押付け、2秒間離すことを1サイクルとして、1万サイクル繰返した後、押圧力を250Kgf刻みで増加させ、押圧力を増加させる度毎に、相手部材にシンクロナイザーリングを1万回押付け、最終的に摩擦材層が何Kgfの押圧力に耐えられるか調べるためのテストである。
【0030】
表2によると、No.1乃至10の試料はNo.11乃至20の試料よりも、相手部材に与える損傷が少ないことが分かった(相手部材ダメージ欄参照)。また、過酷条件テストと圧縮疲労テストの値も高いことが分かった。
【0031】
すなわち、摩擦材が30乃至70重量%の炭素粒子と、10乃至40重量%の熱硬化性樹脂と、5乃至30重量%の金属繊維又は金属粒子と、5乃至40重量%の無機繊維又は無機粒子を含み、且つ、摩擦材の気孔率が10乃至50%であると、摩擦材は、耐摩耗性、耐熱性及び耐焼き付き性を具え、さらに、優れた剛性も具えていることが分かった。
【0032】
摩擦材に含まれた各成分は、摩擦材に次の特徴を与える。
炭素材は耐熱性に優れており、摩擦材の耐熱性を向上させる。
このため、シンクロナイザーリングは、例えば、クラッチ・シフトレバーのミス操作時の制動摩擦熱に耐えることができ、相手部材に対して焼付くことが少ない。
【0033】
炭素材が30重量%未満になると摩擦材の耐熱性が低下し、試料No.11の過酷条件テストの欄に示すように、摩擦材層が相手部材に焼付く。70重量%を越えると摩擦材の剛性が低下し、試料No.12の圧縮疲労テストの欄に示すように、摩擦材層が耐えられる押圧力が小さくなる。
【0034】
実施例で使用した炭素材は、多孔質の人造黒鉛粒子である。
全粒数の50%以上が44乃至250μmの粒直径を有する黒鉛粒子を摩擦材に使用すると、摩擦材としての所望の気孔率が得られ、且つ、摩擦材に形成される気孔の径を所望の径にすることができる。かくして、摩擦材の動摩擦係数を金属からなる摩擦材より大きくすることができる。
摩擦材の気孔率が10乃至50%であると、シンクロナイザーリングと相手部材との摩擦界面に油膜が形成されにくくなり、動摩擦係数の大きい摩擦材が得られる。
【0035】
熱硬化性樹脂は摩擦材の各成分のバインダーとしての役目をし、摩擦材の剛性を高める。
熱硬化性樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、炭化水素樹脂変性フェノール樹脂、又はクレゾール変性フェノール樹脂のうちの少なくとも1つを使用する。
特に、熱硬化性樹脂がノボラック型フェノール樹脂であると、摩擦材を成形し易くなるとともに、摩擦材のコストを下げることができる。
【0036】
熱硬化性樹脂が10重量%未満になると、摩擦材の剛性が低下し、試料No.12の圧縮疲労テストの欄に示すように、摩擦材層が耐えられる押圧力が小さくなる。
また、熱硬化性樹脂が40重量%を越えると、熱によって軟化する熱硬化性樹脂の量が多くなり、所望の気孔率が得られない。従って、摩擦材の動摩擦係数を大きくすることができない(試料No.11の気孔率の欄参照)。
【0037】
金属繊維と金属粒子は、熱フェード現象を抑えて制動摩擦熱によって摩擦材の動摩擦係数が小さくなることを防止する。
熱フェード現象とは、シンクロナイザーリングを相手部材に長時間押し続けたとき、摩擦材層と相手部材との間の油が切れ、摩擦熱によって摩擦材の動摩擦係数が小さくなる現象をいう。摩擦材層に熱フェード現象が発生すると、シンクロナイザーリングの作動に長時間を要するようになる。
【0038】
金属繊維と金属粒子は、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、又は鉛を主成分とする合金からなる。
金属繊維又は金属粒子が5重量%未満になると動摩擦係数が小さくなる(試料No.12,14参照)。また、40重量%を越えるとシンクロナイザーリングが相手部材に凝着する恐れがある。
【0039】
無機繊維と無機粒子はバインダーとしての熱硬化性樹脂を補強し、所望の気孔率が得られるようにする。
無機繊維と無機粒子は、硫酸バリウム、ウオラステナイト、珪素、チタン酸カリウム、ガラス、又はアルミナからなる。
無機繊維又は無機粒子が5重量%未満になるとバインダーとしての熱硬化性樹脂を補強することができなくなる。40重量%を越えると摩擦材の柔軟性が損なわれ、摩擦材層は相手部材を摩耗させる(試料No.14の相手部材ダメージの欄参照)。
【0040】
なお、有機繊維、特に、耐熱有機合成繊維を摩擦材に加えると、摩擦材の動摩擦係数をペーパー並みの大きさにすることができる(試料No.8,10参照)とともに、摩擦材の気孔率を30%以上にして、摩擦材に柔軟性を与える。このような有機繊維の具体例としては、アラミドパルプ、アラミドチョップ、アクリルパルプ、アクリルチョップ等のフェノール系有機繊維が好適である。
但し、有機繊維を10%以上加えると、他の成分が均一に分散されなくなり、シンクロナイザーリングの成形時における摩擦材の流動性が低下する。従って、シンクロナイザーリングの成形が困難になる。また、摩擦材層の耐熱性も低下する。
【0041】
また、カシューダストを添加すると、摩擦材の柔軟性を向上させて、動摩擦係数を大きくすることができる(試料No.9,10参照)。
但し、カシューダストを10%以上摩擦材に加えると、動摩擦係数が大きくなり過ぎて、摩擦材層が相手部材に焼付く傾向になる(試料No.15の過酷条件テストの欄参照)。
【0042】
【発明の効果】
本発明のシンクロナイザーリング用摩擦材は、耐熱性、耐摩耗性、耐焼き付き性、及び多孔性等に優れている。
従って、摩擦材層の焼付きを防止するとともに、摩耗量を少なくして、シンクロナイザーリングの耐用年数を延ばすことができる。
また、シンクロナイザーリングを短時間で作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の摩擦材層を具えたシンクロナイザーリングの径方向断面図。
【符号の説明】
10 シンクロナイザーリング
12 摩擦材層

Claims (5)

  1. 30乃至70重量%の炭素材と、10乃至40重量%の熱硬化性樹脂と、5乃至30重量%の金属繊維又は金属粒子と、5乃至40重量%の無機繊維又は無機粒子とを含み、気孔率が10乃至50%で、前記炭素材が多孔質黒鉛粒子であり、且つ、該黒鉛粒子の全粒数の50%以上が44乃至250μmの粒直径であることを特徴とする、シンクロナイザーリング用摩擦材。
  2. 前記熱硬化性樹脂がノボラック型フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、炭化水素樹脂変性フェノール樹脂、又はクレゾール変性フェノール樹脂のうちの少なくとも1つである、請求項1のシンクロナイザーリング用摩擦材。
  3. 前記金属繊維又は金属粒子がアルミニウム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、又は鉛を主成分とする合金からなる、請求項1のシンクロナイザーリング用摩擦材。
  4. 前記無機繊維又は無機粒子が硫酸バリウム、ウオラステナイト、珪素、チタン酸カリウム、ガラス、又はアルミナからなる、請求項1のシンクロナイザーリング用摩擦材。
  5. いずれも10重量%以下の有機繊維及びカシューダストをさらに含む、請求項1のシンクロナイザーリング用摩擦材。
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