JP3645633B2 - 美白化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚への浸透性に優れ、皮膚の淡色化効果、日焼けによるシミ、ソバカスの改善効果に優れた美白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(1)で表されるスピロエーテル化合物は高い美白効果を有することが知られており(特開平7−206657号公報)、従来、例えばキク科マトリカリア属のカミツレ(生薬学雑誌、64巻、384〜388ページ、1992年)、クリサンテマム属のシュンギク(Agric.Biol.Chem.、48巻、1367〜1369ページ、1984年)、タナセタム属、アルテミシア属、ロイカンセマム属などに属するいくつかのキク科植物より抽出したエキス中に含有したかたちで化粧料に配合されている。しかし、有効成分の経皮吸収は十分であるとはいえず、得られる効果も十分満足できるものではなかった。
【0003】
一方、種々の有効成分の経皮吸収性を向上させるべく経皮吸収促進剤(特開昭61−27966号、特開昭63−208536号、特開昭63−208537号公報)も提案されているが、これまでに提案されている経皮吸収促進剤のうち経皮吸収促進効果に優れているものは皮膚に対する安全性の面で劣るものであり、化粧料への配合には依然として問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、有効成分の経皮吸収性が良好で美白効果に優れ、かつ安全性の高い美白化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実状に鑑み鋭意検討した結果、スピロエーテル化合物と経皮吸収促進剤を併用することにより、有効成分の経皮吸収性が良好で、美白効果に優れ、かつ安全性の高い美白化粧料が得られることを見出し、本発明を完成すにる至った。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、波線は当該結合状態がZ又はEのいずれでもよいことを示す)
で表されるスピロエーテル化合物、
(B)一般式(2)又は(3)
【化3】
〔式(2)中、A及びBは同一又は異なっていてもよい炭素数2〜8のアルキレン基を示し、Dは結合手、−CO−又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Eは水素原子、低級アルキル基、アラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、mは1〜6の数を示し、nは0〜6の数を示し、R1は水素原子、低級アルキル基又は−(AO)m−(BO)n−D−Eを示す。ただし、R1がメチル基の場合、−(AO)m−(BO)n−D−Eはヒドロキシエチル基ではない。式(3)中、lは1〜10の数を示し、Gは水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基を示し、R1は前記と同じ意味を示す〕
で表されるグアニジン誘導体及びその酸付加塩から選ばれる一種又は二種以上の経皮吸収促進剤を含有する美白化粧料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)のスピロエーテル化合物(1)は、前記一般式(1)で表されるものである。スピロエーテル化合物(1)としては、例えばキク科マトリカリア属のカミツレ、クリサンテマム属のシュンギク、タナセタム属、アルテミシア属、ロイカンセマム属などのいくつかのキク科植物から溶剤抽出、水蒸気蒸留などにより得た成分を使用することができる。本発明においては、このようにして得た成分を混合物のまま配合してもよく、常法に従ってクロマトグラフィーに供することにより単離したものを配合してもよい。
【0010】
かかるスピロエーテル化合物(1)は、本発明美白化粧料中に0.000001〜10重量%(以下、単に%で示す)配合するのが好ましく、特に0.00001〜5%配合するのが好ましい。
【0011】
本発明で用いる成分(B)の経皮吸収促進剤としては、例えばグアニジン誘導体又はその酸付加塩、α−モノグリセリルエーテル、尿素等を用いることが好ましい。
【0012】
グアニジン誘導体又はその酸付加塩としては、次の一般式(2)又は(3)で表されるものが挙げられる。
【0013】
【化5】
【0014】
〔式(2)中、A及びBは同一又は異なっていてもよい炭素数2〜8のアルキレン基を示し、Dは結合手、−CO−又は置換基を有していていもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Eは水素原子、低級アルキル基、アラルキル基又は置換基を有していていもよいアリール基を示し、mは1〜6の数を示し、nは0〜6の数を示し、R1 は水素原子、低級アルキル基又は−(AO)m−(BO)n−D−Eを示す。ただし、R1 がメチル基の場合、−(AO)m−(BO)n−D−Eはヒドロキシエチル基ではない。式(3)中、lは1〜10の数を示し、Gは水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基を示し、R1 は前記と同じ意味を示す〕
【0015】
一般式(2)中、A及びBで示される炭素数2〜8のアルキレン基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基を挙げることができ、これらのなかでも炭素数2〜6のものが好ましく、特に炭素数2〜4のもの、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0016】
Dで示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基を挙げることができる。
【0017】
E又はR1 で示される低級アルキル基としては、例えば、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等を挙げることができ、これらのなかでもメチル基が好ましい。
Eで示されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルアミノ基等の炭素数7〜12のものを挙げることができる。
Eで示されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができ、それらの置換基としては、メチル基のような低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基又はアラルキル基でエステル型となっていてもよいカルボン酸残基;カルバモイル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシル基等を挙げることができる。
【0018】
mは1〜6の数を示すが、1〜4の数が好ましい。nは0〜6の数を示すが、0〜4が好ましい。
【0019】
一般式(3)中、R1 の意味は上記と同じである。lは1〜10の数を示すが、1〜5の数が好ましい。また、Gとしてはヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基が好ましい。
【0020】
このような一般式(2)又は(3)で表されるグアニジン誘導体としては、例えば2−ヒドロキシグアニジン、3−ヒドロキシグアニジン、2−ヒドロキシプロピルグアニジン、4−ヒドロキシブチルグアニジン、5−ヒドロキシペンチルグアニジン、6−ヒドロキシヘキシルグアニジン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチルグアニジン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(4−ヒドロキシブチル)−1−メチルグアニジン、1−(5−ヒドロキシペンチル)−1−メチルグアニジン、1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1−メチルグアニジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−メチルグアニジン、1−[2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル]−1−メチルグアニジン、1,1−ビス(2−ヒドロキシエチル)グアニジン、1,1−ビス(3−ヒドロキシプロピル)グアニジン、1,1−ビス(2−ヒドロキシプロピル)グアニジン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブチル)グアニジン、1,1−ビス(5−ヒドロキシペンチル)グアニジン、1,1−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)グアニジン、1,1−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]グアニジン、1,1−ビス[2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル]グアニジン、(2−メトキシエチル)グアニジン、(2−エトキシエチル)グアニジン、(3−メトキシプロピル)グアニジン、(2−メトキシプロピル)グアニジン、(4−メトキシブチル)グアニジン、(5−メトキシペンチル)グアニジン、2−(2−メトキシエトキシ)エチルグアニジン、[2−(2−(メトキシエトキシ)エトキシ)エチル]グアニジン、1,1−ビス(2−メトキシエチル)グアニジン、1,1−ビス(2−エトキシエチル)グアニジン、1,1−ビス(3−メトキシプロピル)グアニジン、1,1−ビス(2−メトキシプロピル)グアニジン、1,1−ビス(4−メトキシブチル)グアニジン、1,1−ビス(5−メトキシペンチル)グアニジン、1,1−ビス(6−メトキシヘキシル)グアニジン、1,1−ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]グアニジン、1,1−ビス[2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル]グアニジン、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルグアニジン、1−(2−エトキシエチル)−1−メチルグアニジン、1−(3−メトキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(2−メトキシプロピル)−1−メチルグアニジン、1−(4−メトキシブチル)−1−メチルグアニジン、1−(5−メトキシペンチル)−1−メチルグアニジン、1−(6−メトキシヘキシル)−1−メチルグアニジン、1−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル−1−メチルグアニジン、1−[2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル]−1−メチルグアニジン、酢酸2−グアニジノエチル、酢酸3−グアニジノプロピル、酢酸2−グアニジノ−2−プロピル、酢酸4−グアニジノ−1−ブチル、酢酸5−グアニジノ−1−ペンチル、酢酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、酢酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、酢酸2−[2−(2−グアニジノエトキシ)エトキシ]エチル、酢酸2−(1−メチルグアニジノ)エチル、酢酸3−(1−メチルグアニジノ)プロピル、酢酸2−(1−メチルグアニジノ)−1−メチルエチル、酢酸4−(1−メチルグアニジノ)ブチル、酢酸5−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、酢酸6−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、酢酸2−[2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ]エチル、酢酸2−[2−(2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ)エトキシ]エチル、安息香酸2−グアニジノエチル、安息香酸3−グアニジノプロピル、安息香酸2−グアニジノ−2−プロピル、安息香酸4−グアニジノ−1−ブチル、安息香酸5−グアニジノ−1−ペンチル、安息香酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、安息香酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、安息香酸2−[2−(2−グアニジノエトキシ)エトキシ]エチル、安息香酸2−(1−メチルグアニジノ)エチル、安息香酸3−(1−メチルグアニジノ)プロピル、安息香酸2−(1−メチルグアニジノ)−1−メチルエチル、安息香酸4−(1−メチルグアニジノ)ブチル、安息香酸5−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、安息香酸6−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、安息香酸2−[2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ]エチル、安息香酸2−[2−(2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ)エトキシ]エチル、サリチル酸2−グアニジノエチル、サリチル酸3−グアニジノプロピル、サリチル酸2−グアニジノ−2−プロピル、サリチル酸4−グアニジノ−1−ブチル、サリチル酸5−グアニジノ−1−ペンチル、サリチル酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、サリチル酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、サリチル酸2−[2−(2−グアニジノエトキシ)エトキシ]エチル、サリチル酸2−(1−メチルグアニジノ)エチル、サリチル酸3−(1−メチルグアニジノ)プロピル、サリチル酸2−(1−メチルグアニジノ)−1−メチルエチル、サリチル酸4−(1−メチルグアニジノ)ブチル、サリチル酸5−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、サリチル酸6−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、サリチル酸2−[2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ]エチル、サリチル酸2−[2−(2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ)エトキシ]エチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−グアニジノエチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸3−グアニジノプロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−グアニジノ−2−プロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸4−グアニジノ−1−ブチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸5−グアニジノ−1−ペンチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸6−グアニジノ−1−ヘキシル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−(2−グアニジノエトキシ)エチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−[2−(2−グアニジノエトキシ)エトキシ]エチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−(1−メチルグアニジノ)エチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸3−(1−メチルグアニジノ)プロピル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−(1−メチルグアニジノ)−1−メチルエチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸4−(1−メチルグアニジノ)ブチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸5−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸6−(1−メチルグアニジノ)ペンチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−[2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ]エチル、m又はp−ヒドロキシ安息香酸2−[2−(2−(1−メチルグアニジノ)エトキシ)エトキシ]エチル等を挙げることができる。
【0021】
これらのグアニジン誘導体のうち、特に、グアニジノエトキシエタノール、グアニジノペンタノール、グアニジノプロパン酸、グアニジノエチルリン酸が好ましい。
【0022】
また、グアニジン誘導体の酸付加塩を形成するための酸としては、有機酸又は無機酸のいずれでも良く、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸、ニコチン酸、ウロカニン酸、ピロリドンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、o、m又はp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ酸;グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、シスチン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、アルギニン、アミノ安息香酸等のアミノ酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸;過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸を挙げることができる。
【0023】
これらのうち式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその酸付加塩は、例えば次の反応式で示される製造方法により得ることができる。
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、A、B、D、E、m、n及びR1 の意味は上記と同じである)
【0026】
すなわち、アミン誘導体(5)に、グアニジル化試薬を反応させることにより、グアニジン誘導体(2)又はその酸付加塩を得ることができる。
【0027】
原料であるアミン誘導体(5)の具体例としては、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−(2−N−メチルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−(2−N−メチルアミノエトキシ)エトキシ)エタノール、1−N−メチルアミノ−2−プロパノール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミン、N,N−ビス−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチルアミン、N,N−ジ−(2−ヒドロキシプロピル)アミン、3−N−メチルアミノ−1−プロパノール、4−N−メチルアミノ−1−ブタノール、5−N−メチルアミノ−1−ペンタノール、6−N−メチルアミノ−1−ヘキサノール、ジ−3−プロパノールアミン、ジ−4−ブタノールアミン、ジ−5−ペンタノールアミン、ジ−6−ヘキサノールアミン、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミン、2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチルアミン、2−メトキシ−1−プロピルアミン、N−メチル−2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミン、N−メチル−2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチルアミン、N−メチル−2−メトキシプロピルアミン、N,N−ビス−〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、N,N−ビス−〔2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル〕アミン、N,N−ジ−2−メトキシプロピルアミン、N−メチル−3−メトキシプロピルアミン、N−メチル−4−メトキシブチルアミン、N−メチル−5−メトキシペンチルアミン、N−メチル−6−メトキシヘキシルアミン、N,N−ジ−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジ−4−メトキシブチルアミン、N,N−ジ−5−メトキシペンチルアミン、N,N−ジ−6−メトキシヘキシルアミン等が挙げられる。
【0028】
グアニジル化試薬としては、公知のグアニジル化試薬、例えばシアナミド、S−アルキルイソチオ尿素、O−アルキルイソ尿素、アミノイミノメタンスルホン酸、3,5−ジメチル−1−グアニルピラゾール、1H−ピラゾール−1−カルボアミジン等が挙げられる。
【0029】
反応はS−アルキルイソチオ尿素、O−アルキルイソ尿素、3,5−ジメチル−1−グアニルピラゾール、1H−ピラゾール−1−カルボアミジンを用いる場合、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン等の3級アミン;ピリジンなどの塩基の存在下に、25℃〜200℃、1時間〜72時間攪拌すればよい。また、シアナミドを用いる場合には、0℃〜100℃、1時間〜72時間攪拌するか、あるいは前記グアニジンの酸付加物で例示した酸の存在下に、25℃〜200℃、1〜72時間攪拌すればよい。
【0030】
反応終了後、必要に応じて常法により酸を添加して酸付加塩として単離することができる。
【0031】
また、式(3)で表されるグアニジン誘導体又はその酸付加塩は、前記方法に準じて製造することができる。
【0032】
これらのグアニジン誘導体又はその酸付加塩は一種又は二種以上を組合わせて用いることができ、美白化粧料中における配合量は、0.001〜50%が好ましく、特に0.001〜30%、更に0.01〜20%配合すると浸透促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0033】
グアニジン誘導体又はその酸付加塩には、有機酸又はリン酸、硫酸、塩酸等の無機酸を併用すると浸透促進効果及び美白効果を一層高めることができるので好ましい。
【0034】
有機酸としては、グアニジン誘導体に含まれないものであれば特に制限されず、例えばα又はβ−ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、脂肪酸及びそれらのエステル等を挙げることができ、これらは1種以上を配合することができる。これらの有機酸の例としては、次式(6)〜(8)
【0035】
【化7】
【0036】
[式(6)中、Xは水素原子又はCH3(CfHg)h(fは1〜27の整数を示し、gは2〜54の整数を示し、hは0又は1を示す)を示す。
式(7)中、R10及びR11はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜25の飽和又は不飽和の分岐、非分岐又は環状のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、qは1〜9の整数を示し、rは0〜23の整数を示す。
式(8)中、sは0〜9の整数を示し、tは0〜23の整数を示す。]
で表されるもの及びそれらのエステルを挙げることができ、より具体的には、アスコルビン酸、イプシロンアミノカプロン酸、エリソルビン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、乳酸、ウロカニン酸、エデト酸、オキシベンゾンスルホン酸、オロット酸、カプリン酸、グリコール酸、セロチン酸、ニコチン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸、アクリル酸及びそのオリゴマー若しくはポリマー等を挙げることができる。
【0037】
また、脂肪酸としては、リノール酸、γ−リノレイン酸、コルンビン酸、ニコサ−(η−6,9,13)−トリエン酸、アラキドン酸、α−リノレイン酸、チムノドン酸、ヘキサエン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ラノリン酸、DHAのほか、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ脂肪酸、セチルリン酸等のモノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸等を挙げることができる。
【0038】
本発明においてはこれらの有機酸及び無機酸の中でも式(8)で表されるジカルボン酸が好ましく、特にコハク酸が浸透促進効果及び美白効果を一層高めることができるので、好ましい。
有機酸又は無機酸は一種又は二種以上を組合わせて用いることができ、美白化粧料中における配合量は、0.001〜30%が好ましく、特に0.005〜20%、更に0.01〜10%配合すると浸透促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び、使用感も良好になるので好ましい。また、グアニジン誘導体又はその酸付加塩との配合比は、重量比で0.5:99.5〜99.5:0.5が浸透促進効果を高め、美白効果をより一層高めることができるため好ましい。
【0039】
成分(B)の経皮吸収促進剤のうち、α−モノグリセリルエーテルとしては、次の一般式(4)で表されるものが挙げられる。
【0040】
【化8】
【0041】
(式中、R2 は炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す)
【0042】
一般式(4)中、R2 は炭素数10〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基であり、直鎖アルキル基としては、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、エイコシル基、トコシル基が例示され、直鎖アルケニル基としてはオレイル基が例示される。分岐アルキル基としては、次式(9)及び(10)の分岐アルキル基が例示される。
【0043】
【化9】
【0044】
(式中、R3 、R4 は各々直鎖若しくは分岐アルキル基を示す)
【0045】
かような、β位に側鎖を有するアルキル基としては、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクチル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基が例示される。
【0046】
【化10】
【0047】
(式中、aは2〜14の整数、bは3〜11の整数を示し、aとbの和は9〜21である)
【0048】
かようなモノメチル分岐アルキル基を有するα−モノグリセリルエーテルは例えば不飽和脂肪酸のダイマー製造時の副産物として得られるモノメチル分岐アルキル基含有脂肪酸(ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.A.C.S.)51,522(1974))を還元してアルコールとした後に誘導される(特開昭56−113188号公報)。
【0049】
式(4)で表されるα−モノグリセリルエーテルのうち、特に分岐アルキル基を有するものが好ましく、特に式(1C)で示されるモノメチル分岐アルキル基を有するα−モノグリセリルエーテルが好適である。
【0050】
α−モノグリセリルエーテルは一種又は二種以上を組合わせて用いることができ、美白化粧料中における配合量は0.1〜10%が好ましく、更に0.1〜5.0%配合すると、経皮吸収促進効果を高め、美白効果をより一層高めることができるため好ましい。
【0051】
成分(B)の経皮吸収促進剤として尿素を用いる場合、その配合量は本発明の美白化粧料中において、0.001〜20%が好ましく、更に0.01〜5%配合すると、経皮吸収促進効果を高め、美白効果をより一層高めることができるため、好ましい。
【0052】
本発明の美白化粧料には、更にアスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン誘導体、コウジ酸誘導体、動物胎盤抽出物及び植物抽出物から選ばれる一種又は二種以上を配合することができ、経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0053】
これらのうち、アスコルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸リン酸エステルの1価金属塩であるL−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、L−アスコルビン酸リン酸エステルカリウム塩、2価金属塩であるL−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(リン酸−L−アスコルビルマグネシウム)、L−アスコルビン酸リン酸エステルカルシウム塩、3価金属であるL−アスコルビン酸リン酸エステルアルミニウム塩、また、L−アスコルビン酸硫酸エステルの1価金属塩であるL−アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステルカリウム塩、2価金属塩であるL−アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシウム塩、3価金属塩であるL−アスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム塩、そして、L−アスコルビン酸の1価金属塩であるL−アスコルビン酸ナトリウム塩、L−アスコルビン酸カリウム塩、2価金属塩であるL−アスコルビン酸マグネシウム塩、L−アスコルビン酸カルシウム塩、3価金属塩であるL−アスコルビン酸アルミニウム塩等のアスコルビン酸及びその誘導体、などが挙げられる。
【0054】
アスコルビン酸誘導体の配合量は、本発明美白化粧料中に0.001〜30%が好ましく、特に0.1〜5%配合すると経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好となるので好ましい。
【0055】
ハイドロキノン誘導体としてはハイドロキノンと糖の縮合物やハイドロキノンに炭素数1〜4のアルキル基をひとつ導入したアルキルハイドロキノンと糖の縮合物が挙げられ、例えば、アルブチン等が挙げられる。
【0056】
ハイドロキノン誘導体の配合量は、本発明美白化粧料中に0.001〜10%が好ましく、特に0.1〜5%配合すると経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0057】
コウジ酸誘導体としては、コウジ酸、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸モノステアレート、コウジ酸モノシンナモエート、コウジ酸モノベンゾエート、コウジ酸ジブチレート、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジステアレート、コウジ酸ジオレエート等が挙げられる。
【0058】
コウジ酸誘導体の配合量は、本発明美白化粧料中に0.001〜10%が好ましく、特に0.1〜5%配合すると経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0059】
動物胎盤抽出物としては、ウシ、ブタ又はヒト等の哺乳動物の胎盤を洗浄、除血、破砕、凍結等の手段を経て、水溶性成分を抽出した後、更に不純物を除去して得られるものが挙げられ、一般に水溶性プラセンタエキスとして市販されている胎盤抽出物等が挙げられる。
【0060】
動物胎盤抽出物の配合量は、本発明美白化粧料中に0.001〜10%が好ましく、特に0.1〜5%配合すると経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0061】
植物抽出物としては、チャ、カッコン、チョウジ、カンゾウ、ビワ、トウヒ、コウライニンジン、シャクヤク、サンザシ、バクモントウ、ショウキョウ、マツカサ、ソウハクヒ、コウボク、インチンコウ、アセンヤク、オウゴン、カミツレ、アルテア、シモツケ、オランダガラシ、キナ、コンフリー、ローズマリー、ロート等の植物から得られる抽出物が挙げられる。
【0062】
植物抽出物の配合量は、本発明美白化粧料中に乾燥固形分として0.001〜10%が好ましく、特に0.1〜5%配合すると経皮吸収促進効果及び美白効果がより向上し、製品安定性及び使用感も良好になるので好ましい。
【0063】
本発明の美白化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料、医薬部外品、医薬品等に配合される乳化剤、油性物質、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、保湿剤、増粘剤、pH調整剤、顔料、粉体、薬効成分、植物抽出物、抗酸化剤、防腐剤、香料等を適宜配合し、常法に従って製造することができる。
【0064】
油性物質としては、例えば流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコールと脂肪酸の合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。保湿剤としては、例えばソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ホリエチレングリコール等が挙げられる。
【0065】
増粘剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチン等の水溶性高分子;塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質などが挙げられる。防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0066】
薬効成分としては、例えばグリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ニコチンアミド及びその誘導体、ε−アミノカプロン酸及びその誘導体等が挙げられる。粉体としては、例えばタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ベントナイト、バーミキュライト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、酸化鉄、群青等が挙げられる。
【0067】
紫外線吸収剤としては種々のものが挙げられ、例えば安息香酸系のものとしては、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAアミルエステル、オクチルジメチルPABA等が挙げられる。アントラニック酸系のものとしては、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が、サリチル酸系のものとして、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。桂皮酸系のものとしては、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。ベンゾフェノン系のものとしては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4′−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ののもとしては、3−(4′−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カンファー、ウロカニン酸メチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン−4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボニリデン)−3−ペンタン−2−オン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4′−ジメチル−1,3−ペンタンジオン等が挙げられる。
【0068】
更に、水溶性の紫外線吸収剤としては、ジエタノールアミン−p−メトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、テトラヒドロキシベンゾフェノン、メチルヘルペリジン、3−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸ナトリウム、フェルラ酸ナトリウム、ウロカニン酸等の化合物;セイヨウノコギリソウ、アロエ、ビロウドアオイ、ゴボウ、サルビア等の動植物の抽出物で紫外線吸収作用をもつものなどが挙げられる。
【0069】
紫外線散乱剤としては、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微細亜鉛華、薄片状酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄等や、これらをシリコーン等で表面処理した粉体が挙げられる。
また、pH調整剤としては、乳酸−乳酸塩、クエン酸−クエン酸塩、リン酸−リン酸塩等の緩衝剤が挙げられる。
【0070】
本発明の美白化粧料は常法に従って製造することができる。また、本発明の対象となる美白化粧料は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、外用医薬品等を包含するものであり、その剤型もその目的に応じて任意に選択することができ、クリーム状、軟膏状、乳液状、ローション状、溶液状、ゲル状、パック状、パウダー状、スティック状等とすることができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の美白化粧料は、スピロエーテル化合物と経皮吸収剤を併用することにより、スピロエーテル化合物の経皮吸収性が高められ、優れた美白効果、日焼けによるシミ、ソバカスの予防及び治療効果を有するものであり、しかも安全性の高いものである。
【0072】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例においては、グアニジン誘導体又はその酸付加塩として、一般式(2)又は(3)における各記号の定義が次のものである下記表1に示す化合物1〜4を用いた。また、α−モノグリセリルエーテルとしてα−モノメチル分岐イソステアリルグリセリルエーテルを用いた。
【0073】
【表1】
【0074】
製造例1
〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン〕(化合物1)の製造:蒸留水1.2リットル、2−(2−アミノエトキシ)エタノール150g(1.43mol)の入った2口のなすフラスコに、室温下、S−Me イソチオ尿素(硫酸塩)248g(0.891mol)、水酸化バリウム(8水和物)281g(0.891mol)を加え、そのまま2日間攪拌を続けた。その後、生じた硫酸バリウムを濾過により除いた。濾液を約1/20に濃縮後、二酸化炭素を過剰量吹き込み、エタノールを加えて結晶化させ、粗生成物約120gを得た。粗結晶を蒸留水120mlから再結晶し、表記化合物を1/2・炭酸塩として、73g(白色結晶、0.41mol、収率29%)得た。
【0075】
実施例1〜4及び比較例1
表2に示す組成の美白化粧料を常法により製造した。これらの美白化粧料についてスピロエーテル化合物の皮膚浸透性を下記の方法により試験した。結果を表2に示す。
【0076】
皮膚浸透性試験
以下に示す実施例及び比較例の試料を調製し、その一定量を洗浄したユカタンマイクロブタの皮膚表面に塗布し、恒温室に放置する。一定時間経過後、皮膚表面に残存する未浸透成分を除去した後、浸透成分を抽出回収し、HPLCにてスピロエーテルの経皮吸収量を測定した。経皮吸収量は塗布面積当たりの値(μg/cm2)で表した。
【0077】
【表2】
【0078】
表2より明らかなように、スピロエーテル化合物と経皮吸収促進剤とを併用した本発明品は皮膚浸透性に優れたものであった。また、美白効果に優れ、しかも安全性の高いものであった。
【0079】
実施例5〜6及び比較例2
表3に示す組成の美白化粧料を常法により製造した。これらの美白化粧料についての美白効果を下記の方法により試験した。
【0080】
UV−B誘導色素斑に対する美白効果試験
健常男子被験者20名の上腕内側部に、UV−B領域の紫外線を最少紅斑量の2倍量、1日1回2日間にわたり照射し、誘導した色素斑に1日2回、1カ月間被験部位に試料を連続塗布することによる美白効果を調べた。
評価は、色差計(ミノルタ社製、CR−300)を用いて測定を行い、得られたマンセル値よりL*値を算出し、その回復を表すΔΔL*値を用いた。
尚、ΔΔL*値は以下のように定義した。
試料塗布開始直前の試料塗布被験部位及び試料未塗布被験部位のL*値をそれぞれL0、L0'、連続塗布1カ月後の各々の部位のL*値をそれぞれL1、L1',としてΔΔL*を以下の式で表した。
【0081】
【数1】
ΔΔL*=(L1−L0)−(L1'−L0')
【0082】
また、評価は被験者20名の評価点の平均値で示した。評価点と判定基準との関係を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
表4より明らかになように、スピロエーテル化合物と経皮吸収促進剤とを併用した本発明品は高い皮膚浸透性を有し、美白効果に優れ、安全性も高いものであった。
【0086】
実施例7〜13の美白化粧料を常法により製造した。得られた美白化粧料は、いずれも有効成分の経皮吸収性が良好で美白効果に優れ、安全性も高いものであった。
【0087】
実施例7 化粧水
【表5】
(成分) (%)
(1)1,3−ブチレングリコール 3.0
(2)ジプロピレングリコール 5.0
(3)グリセリン 10.0
(4)ポリエチレングリコール(PEG1500;三洋化成社製) 2.0
(5)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(6)エタノール 5.0
(7)スピロエーテル化合物(1)E 0.001
(8)化合物1 7.0
(9)化合物4 5.0
(10)クエン酸 1.0
(11)牛胎盤抽出物(ビオファルコCP-12;一丸ファルコス社製) 1.0
(12)精製水 残 部
【0088】
実施例8 乳液
【表6】
(成分) (%)
(1)パルミチン酸 1.0
(2)ステアリン酸 1.0
(3)オリーブ油 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)ホホバ油 1.0
(6)モノヘキサデシルリン酸ナトリウム塩 2.0
(7)モノステアリン酸ソルビタン 0.5
(8)グリセリン 10.0
(9)エタノール 5.0
(10)スピロエーテル化合物(1)Z 0.5
(11)化合物4 4.0
(12)化合物2 2.0
(13)乳酸 2.0
(14)アルブチン 3.0
(15)精製水 残 部
【0089】
実施例9 クリーム
【表7】
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)スクワラン 2.0
(3)コレステロール 3.0
(4)オリーブ油 5.0
(5)セタノール 2.0
(6)ホホバ油 2.0
(7)2−ヘキサデシルリン酸アルギニン塩 2.0
(8)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.5
(9)α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 0.2
(10)スピロエーテル化合物(1)E 0.01
(11)スピロエーテル化合物(1)Z 0.01
(12)化合物1 2.0
(13)化合物3 1.0
(14)コハク酸 1.0
(15)コウジ酸 1.0
(16)グリセリン 5.0
(17)ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
(18)ポリアクリル酸(カーボポール;グッドリッチ社製) 0.5
(19)水酸化カリウム 0.15
(20)精製水 残 部
【0090】
実施例10 クリーム
【表8】
【0091】
実施例11 美容液
【表9】
【0092】
実施例12 化粧水
【表10】
(成分) (%)
(1)1,3−ブチレングリコール 3.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ポリエチレングリコール(PEG1500;三洋化成社製) 0.5
(4)キサンタンガム 0.1
(5)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(6)エタノール 5.0
(7)スピロエーテル化合物(1)E 0.001
(8)化合物1 7.0
(9)化合物4 5.0
(10)クエン酸 1.0
(11)尿素 1.0
(12)ε−アミノカプロン酸 0.5
(13)牛胎盤抽出物(ビオファルコCP-12;一丸ファルコス社製) 1.0
(14)精製水 残 部
【0093】
実施例13 乳液
【表11】
(成分) (%)
(1)1,3−ブチレングリコール 3.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ポリアクリル酸(カーボポール;グッドリッチ社製) 0.2
(4)水酸化カリウム 0.06
(5)ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
(6)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
(7)モノステアリン酸ソルビタン 0.2
(8)α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 0.2
(9)スピロエーテル化合物(1)E 0.01
(10)化合物1 1.5
(11)コハク酸 1.5
(12)尿素 2.0
(13)ε−アミノカプロン酸 1.0
(14)カミツレ(カミツレリキッド;一丸ファルコス社製) 5.0
(15)牛胎盤抽出物(ビオファルコCP-12;一丸ファルコス社製) 1.0
(16)精製水 残 部
Claims (2)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
で表されるスピロエーテル化合物、
(B)一般式(2)又は(3)
で表されるグアニジン誘導体及びその酸付加塩から選ばれる一種又は二種以上の経皮吸収促進剤を含有する美白化粧料。 - 更に、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン誘導体、コウジ酸誘導体、動物胎盤抽出物及び植物抽出物から選ばれる一種又は二種以上を含有する請求項1記載の美白化粧料。
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