JP3638990B2 - カラーマネジメントシステムおよびその画像入力装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、画像を読み取るためのカラースキャナ等の画像入力装置と、画像処理を行うホストコンピュータと、画像を表示するディスプレイおよび出力するカラープリンタ等からなると画像出力装置と、から成るシステムにおいて、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムおよびその画像入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は例えば日経エレクトロニクス、1992.12.21(No.570)に掲載された従来のカラーマネジメントシステムの構成を示す図である。このカラーマネジメントシステムはカラースキャナ1、ホストコンピュータ2、カラープリンタ3、CRTディスプレイ4から成る。
【0003】
またホストコンピュータ2上において、このカラーマネジメントシステムのソフトウエアは、色管理エンジン24、カラースキャナ1の色特性を定義したプロファイルS21、CRTディスプレイ4の色特性を定義したプロファイルC22、カラープリンタ3の色特性を定義したプロファイルP23、アプリケーションAPとのインタフェース部分であるAPI25から構成される。なお、CPU26はこのホストコンピュータ2全体の制御を行う制御処理部として示したもので、制御処理プログラムも含むものとして示されている。
【0004】
一方、このようなシステムの一般的な、カラースキャナ1における読み取りから色処理に関連する部分は以下のようになっている。イメージセンサ11からの色信号はA/D変換部12でデジタル信号となった後、光源やセンサ、レンズ等(図示せず)の特性を取り除くための色補正が色補正部13で行われ、その後、ホストコンピュータ2に転送される。また、カラースキャナ1にはセンサ駆動や色変換のさまざまな制御を行うCPU14がある。
【0005】
次に動作について説明する。色管理エンジン24は画像入力時にはカラースキャナ1に対応するプロファイルS21を、カラープリンタ3から画像を出力する時にはこれに対応するプロファイルP23、CRTディスプレイ4に画像を表示する時にはこれに対応するプロファイルC22を呼び出して、それぞれの周辺機器間の色の違いを抑える。各プロファイルには機器の色表現範囲の大きさや、機器固有の色信号と標準色信号との間の変換テーブルまたは変換係数などを格納してある。プロファイルの一例を図6に示した。
【0006】
従って、カラースキャナ1で読み取った画像をカラープリンタ3、もしくはCRTディスプレイ4に出力する時の画像データの流れは、次のようになる。
イメージセンサ11から出力されるデータはA/D変換、色補正処理を施され各色(RGB)8bitのデータとなり、ホストコンピュータ2に転送される。すると色管理エンジン24は、このカラースキャナ1のプロファイルS21よりカラースキャナ1のデータと標準色信号の間の変換テーブル、もしくは変換係数を参照して標準色信号に変換する。
【0007】
次にカラープリンタ3から画像を出力する場合は、カラープリンタ3のプロファイルP23を参照して、標準色信号をカラープリンタ用のデータに変換してホストコンピュータ2から出力する。CRTディスプレイ4の場合も、同様にCRTディスプレイ用のプロファイルC22を参照して、標準色信号をCRTディスプレイ用のデータに変換して表示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のカラーマネジメントシステムは以上のように構成されているので、画像データは画像入力装置からホストコンピュータに転送される段階で、各成分ともすでに8bitに丸められており、誤差を含んでいる。従って、従来のカラーマネジメントシステムは、上述のような誤差を含んだデータに対して色変換処理を行っていた。
【0009】
また、入力画像データから標準色信号へ、標準色信号から出力機器用画像データへの2回の色変換をしているので、色変換をする度に誤差が生じる。ゆえに、従来のカラーマネジメントシステムによる色変換は、精度上、問題があり、高い画像データを得ることができないという問題点があった。
【0010】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、従来のカラーマネジメントシステムではホストコンピュータで行っている色変換処理を、カラースキャナ内部の色補正と合成して一つの色変換とし、この合成された色変換をカラースキャナ内部の色変換部で行うことにより、8bitに丸められる以前の高精度なデータに対して色変換処理を行い、特に色変換に関し、精度の高い画像データを得ることができるカラーマネジメントシステムおよびその画像入力装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑み、この発明の第1の発明は、画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムであって、標準画像を画像入力装置で読み取って予め画像入力装置に格納されている画像入力装置の読み取りの際の特性に係わる色補正情報による補正が施されて得られた画像データと、予めホストコンピュータが格納している標準画像の標準表色系の理想データより、画像入力装置で得られた画像データから標準表色系への色変換情報を算出する手段と、この算出された色変換情報と予め画像入力装置に格納されている上記色補正情報とを合成する手段と、この合成された合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納する手段と、上記画像入力装置において、画像読み取り後に格納された上記合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行う手段と、を備えたことを特徴とするカラーマネジメントシステムにある。
【0012】
この発明の第2の発明は、上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成をホストコンピュータで行わせるために、上記合成前に上記画像入力装置の色補正情報をホストコンピュータに転送する手段と、上記合成後に上記合成された合成色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明の第3の発明は、上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を画像入力装置で行うために、上記算出された色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明の第4の発明は、上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択する手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明の第5の発明は、画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムであって、標準画像を画像入力装置で読み取って予め画像入力装置に格納されている画像入力装置の読み取りの際の特性に係わる色補正情報による補正が施されて得られた画像データと、予めホストコンピュータが格納している標準画像の標準表色系の理想データより、画像入力装置で得られた上記画像データから標準表色系への色変換情報を算出する手段と、この算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている上記色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを合成する手段と、この合成された複合合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納する手段と、上記画像入力装置において、画像読み取り後に格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行う手段と、を備えたことを特徴とするカラーマネジメントシステムにある。
【0016】
この発明の第6の発明は、上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成をホストコンピュータで行わせるために、上記合成前に上記画像入力装置の色補正情報をホストコンピュータに転送する手段と、上記合成後に上記合成された複合合成色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の第7の発明は、上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成を画像入力装置で行うために、上記算出された色変換情報および標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを上記画像入力装置に転送する手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明の第8の発明は、上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択する手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明の第9の発明は、画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムの画像入力装置であって、画像入力装置で得られた画像データからホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における読み取りの際の特性に係わる色補正情報とを合成した合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に格納された上記合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行う画像入力装置にある。
【0020】
この発明の第10の発明は、画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムの画像入力装置であって、画像入力装置で得られた画像データからホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における読み取りの際の特性に係わる色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを合成した複合合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行う画像入力装置にある。
置。
【0021】
【作用】
この発明の第1の発明では、画像入力装置から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)を算出し、この算出された画像入力装置から標準表色系への色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報とを合成し、この合成された合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納し、画像入力装置内部でA/D変換後に、格納された合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行うようにし、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現した。
【0022】
この発明の第2の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報との合成をホストコンピュータで行わせるようにし、画像入力装置での負荷を軽減させるようにした。
【0023】
この発明の第3の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を画像入力装置で行わせるようにし、画像入力装置とホストコンピュータの間の情報の転送回数を減らし、処理を簡単にした。
【0024】
この発明の第4の発明では、上述の算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択するようにし、状況に応じて合成処理を行うところを選択するようにし、処理の効率化を図った。
【0025】
この発明の第5の発明では、画像入力装置から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)を算出し、この算出された画像入力装置から標準表色系への色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報とを合成し、この合成された複合合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納し、画像入力装置内部でA/D変換後に、格納された複合合成色変換情報を用いて画像出力装置への画像データの変換を行うようにして、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現した。
【0026】
この発明の第6の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成をホストコンピュータで行わせるようにし、画像入力装置での負荷を軽減させるようにした。
【0027】
この発明の第7の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成を画像入力装置で行わせるようにし、画像入力装置とホストコンピュータの間の情報の転送回数を減らし、処理を簡単にした。
【0028】
この発明の第8の発明では、上述の算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択するようにし、状況に応じて合成処理を行うところを選択するようにし、処理の効率化を図った。
【0029】
この発明の第9の発明では、画像入力装置が、この画像入力装置からホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における色補正情報とを合成した合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に、格納された合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行うようにし、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現した。
【0030】
この発明の第10の発明では、画像入力装置が、この画像入力装置からホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換情報とを合成した複合合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に、格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行うようにし、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現した。
【0031】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図に従って説明する。
実施例1.
図1はこの発明の一実施例によるカラーマネジメントシステムの構成を示した図である。このシステムは、カラースキャナ10、ホストコンピュータ20、カラープリンタ3、CRTディスプレイ4から構成される。なお、アプリケーションおよびAPI(アプリケーションインターフェース)の図示は省略されている。
【0032】
カラースキャナ10内部では、イメージセンサ11で読み取られた画像データがA/D変換部12で各成分8bitより大きなbit深度のデジタルデータ(例えば10bit、この実施例ではカラースキャナ10内部のA/D変換部12から出力されるデータを10bitとする)に変換され、色変換部A15で標準表色系の各成分8bitの画像データ(例えば(X,Y,Z)表色系、以後、この実施例では標準表色系として(X,Y,Z)を用いる)に変換され、ホストコンピュータ20に転送される。
【0033】
ホストコンピュータ20では、色管理エンジン24がカラースキャナ10から入力された標準表色系(X,Y,Z)データを各出力機器に対応した画像データへの変換を行う。例えばCRTディスプレイ4に出力する場合はRGBデータへの変換、カラープリンタ3であればCMYデータへの変換である。
【0034】
この時、それぞれの出力機器のプロファイル(CRTディスプレイ4の場合はプロファイルC22、カラープリンタ3の場合はプロファイルP23)を参照してデータ変換を行う。プロファイルは、例えば従来例で述べたものと同じである。従って、その機器固有のプロファイルをシステムにインストールすれば、任意のCRTディスプレイ、カラープリンタでシステムを組むことができる。
【0035】
次に、カラースキャナ10内部の色変換部A15について説明する。この色変換部A15を、従来のカラースキャナ内部にある色補正を目的とした色補正部(図5の13参照)と、カラースキャナのRGBデータからホストコンピュータ20におけるXYZ表色系への色変換を合成したものであると考える。また、この色変換部A15に入力するデータは各色10bit、色変換部A15から出力されるデータは各成分8bitとなる。
【0036】
カラースキャナ10内部の色補正をToとし、カラースキャナ10のRGBデータからXYZ表色系への変換(従来例のプロファイルSに対応する)をTsとすると、色変換部A15での色変換Aは2つの変換の合成としてTo*Tsであらわすことができる。カラースキャナ10内部の色補正Toは既知であるとする。スキャナデータから標準表色系への色変換Tsは、キャリブレーションによって求めることができれば、色変換A(合成色変換)を求めることができる。
【0037】
色変換Tsをキャリブレーションによって求める方法を以下に説明する。キャリブレーションに必要な標準原稿の例を図2に示す。図2は色票であり、異なるK色ベタ塗の正方形から成っている。この標準原稿をカラースキャナ10で読み取る。スキャナ内部の色補正のみ施された段階の標準原稿の画像データ(図5のSのポイントにおける標準原稿の画像データ)を(rn,gn,bn)とする。nを色の番号とする。カラースキャナ10内部の色補正後の画像データ(rn,gn,bn)に色変換処理をかけると、標準表色系(X,Y,Z)の理想データになると考え、これを(1)式に示すような線形変換で表せるとする。
【0038】
【数1】
【0039】
標準原稿のk色について、ホストコンピュータ20に予め記憶させておいた理想の標準表系のデータ(Xn,Yn,Zn)と、カラースキャナ10で読み取った画像データ(rn,gn,bn)を(1)式に代入することにより、k個の方程式ができる。これを例えば重回帰法を用いて解くことで(1)式の色変換係数
【0040】
【数2】
【0041】
を算出することができる。
【0042】
次に、カラースキャナ10内の色補正を目的とした色補正Toについて説明する。イメージセンサ11から出力され、デジタルデータに変換された画像データ(R,G,B)(図1のS’のポイントにおける標準原稿の画像データ)にスキャナ内部の色補正をかけると(r,g,b)となることを(2)式に示す。
【0043】
【数3】
【0044】
(2)式における色変換係数
【0045】
【数4】
【0046】
は既知である。
【0047】
次に、カラースキャナ10内の色補正Toとカラースキャナ10からホストコンピュータ20における標準表色系への色変換Tsの合成について説明する。これを上記(1)式および(2)式より以下に示す(3)式として導くことができる。イメージセンサ11から出力され、A/D変換部12でA/D変換されたデータ(R,G,B)から標準表色系(X,Y,Z)への変換は(1)式、(2)式により(3)式のようになる。
【0048】
【数5】
【0049】
合成された合成色変換の係数を新たに
【0050】
【数6】
【0051】
で表すと、(4)式のようになる。
【0052】
【数7】
【0053】
従って、合成色変換係数は(3)式と(4)式によって導かれた下記の(5)、(6)式に従って計算される。
【0054】
【数8】
【0055】
(4)式において、10bit精度の(R,G,B)が8bit精度の(X,Y,Z)に算出されることが必要である。ゆえに、(5)式、(6)式によって計算される色変換係数も10bit以上必要である。
【0056】
最後に、上で算出された色変換係数(合成色変換情報)
【0057】
【数9】
【0058】
をカラースキャナ10に転送し、カラースキャナ10内の色変換部A15に格納する。よって、図1に示すように、カラースキャナ10内部の色変換Aにおいて、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが8bit精度の(X,Y,Z)データに変換できるようになる。演算後に各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20に転送する。
【0059】
以上のことに基づいて行われる、この実施例におけるカラースキャナ10とホストコンピュータ20との間で行われる具体的な動作を順番に簡単に説明する。なお、この動作はカラースキャナ10のCPU14およびホストコンピュータ20のCPU26(それぞれプログラムを含む)の制御により行われる。
【0060】
まず、標準画像をカラースキャナ10(画像入力装置)で読み取って得られた画像データと、予めホストコンピュータ20に持っている標準画像の標準表色系の理想データより、スキャナ10から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)をホストコンピュータ20において算出する。次に、予めスキャナ10に格納されている色補正係数もしくは色補正テーブル(色補正情報)をホストコンピュータ20に転送する。
【0061】
次に、算出されたスキャナ10から標準表色系への色変換情報と、ホストコンピュータ20に転送されたスキャナ10内部の色補正情報をホストコンピュータ20において合成する。次に、合成された合成色変換係数もしくは合成色変換テーブル(合成色変換情報)をスキャナ10に転送し、色変換部A15に格納する。これにより、スキャナ10は、A/D変換後のデータを、上述の格納されている合成色変換係数もしくは合成色変換テーブルを用いて、標準表色系の画像データに変換することができる。
【0062】
実施例2.
なお、上記実施例では2つの色変換の合成について、スキャナ10内部の色補正Toの係数
【0063】
【数10】
【0064】
をホストコンピュータ20に転送して、ホストコンピュータ上でスキャナ10内部の色補正Toとスキャナ10の画像データから標準表色系への色変換Tsを合成する方法を示したが、逆に、ホストコンピュータ20で算出されたスキャナデータから標準表色系への色変換Tsの係数
【0065】
【数11】
【0066】
をスキャナ10に転送し、スキャナ10のCPU14を用いて、スキャナから標準表色系への色変換Tsとスキャナ内部の色補正Toを合成しても良い。つまり、スキャナ10において(5)式、(6)式の演算を行い、算出された合成色変換係数をそのままスキャナ内の色変換部A15に格納する。よって、図1に示すように、スキャナ10内部の色変換部A15において、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが8bit精度の(X,Y,Z)データに変換できるようになる。演算後に、各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20に転送する。
【0067】
以上のことに基づいて行われる、この実施例におけるカラースキャナ10とホストコンピュータ20との間で行われる具体的な動作を順番に簡単に説明する。なお、この動作はカラースキャナ10のCPU14およびホストコンピュータ20のCPU26(それぞれプログラムを含む)の制御により行われる。
【0068】
まず、標準画像をスキャナ10で読み取って得られた画像データと、予めホストコンピュータ20に持っている標準画像の標準表色系の理想データより、スキャナ10から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)をホストコンピュータ20において算出する。次に、算出されたスキャナから標準表色系への色変換情報をスキャナ10に転送する。
【0069】
次に、スキャナに転送された標準表色系への色変換情報と、予めスキャナ10に格納されている色補正情報をスキャナ10内部で合成する。次に、合成された合成色変換係数もしくは合成色変換テーブル(合成色変換情報)を色変換部A15に格納する。これによりスキャナ10は、A/D変換後のデータを、上述の格納された合成色変換係数もしくは合成色変換テーブルを用いて、標準表色系の画像データに変換することができる。
【0070】
実施例3.
なお、上記実施例では、スキャナ10内部、もしくはホストコンピュータ20上で2つの色変換の合成の演算を行うものについて説明したが、その時のホストコンピュータ20で実行されているプロセスの数により、スキャナ10とホストコンピュータ20のどちらで色変換の合成を行うかを選択することができるようにすることもできる。この時、ホストコンピュータ20で多くのプロセスが処理されていれば、すなわちホストコンピュータ20で処理すると時間がかかる場合には、スキャナ10にスキャナの画像データから標準表色系への色変換Tsの係数
【0071】
【数12】
【0072】
を転送し、スキャナ10のCPU14を用いて色変換の合成をし、合成された合成色変換情報をそのままスキャナ内の色変換部A15に格納する。逆に、ホストコンピュータで処理されているプロセスがほとんどない、すなわちすぐに処理が行える場合には、スキャナ10内の色補正Toの係数
【0073】
【数13】
【0074】
をホストコンピュータ20に転送して、ホストコンピュータ上でスキャナ内部の色補正とスキャナの画像データから標準表色系への色変換を合成し、合成された合成色変換情報をスキャナ10に転送し、スキャナ内の色変換部A15に格納する。よって、図1に示すように、スキャナ10内部の色変換部A15において、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが、8bit精度の(X,Y,Z)データに変換できるようになる。演算後に各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20に転送する。
【0075】
なお、具体的動作は、実施例1と実施例2の組み合わせに、ホストコンピュータ20で処理されるプロセスの数によって上記合成をスキャナ10とホストコンピュータ20のいずれで行うかの判断を行う手段が追加されるだけであり、上記説明から明らかであるので、省略する。
【0076】
実施例4.
なお、上記実施例ではスキャナ10内部の色補正Toとスキャナから標準表色系への色変換Tsから、画像入力装置の色変換部分のみの合成を行うものを示したが、カラープリンタ3やCRTディスプレイ4が決まったものであれば、つまりシステムを構成するハードウェアが固定されていれば、画像入力装置の場合と同様に、標準表色系CRTディスプレイやカラープリンタなどの画像出力装置に対応した色変換を上述のTo、Tsと合成して一つの色変換とし、スキャナ内部で一回の色変換で出力機器用のデータに変換できる。
【0077】
図3、図4はこの実施例のカラーマネジメントシステムのうち、色合わせに関係する部分のみの構成を示したものでである。図3はCRTディスプレイ4に出力する場合、図4はカラープリンタ4に出力する場合の構成を示したものである。この実施例のシステムはカラースキャナ10a、ホストコンピュータ20a、カラープリンタ3およびCRTディスプレイ4から構成され、基本的構成は上述の実施例と同じである。
【0078】
スキャナ10a内部では、イメージセンサ11で読み取られた画像データがA/D変換部12で各色8bitより大きなbit深度のデジタルデータに変換され、色変換部B16、もしくは色変換部C17で画像出力装置すなわち最終出力機器の画像データに変換され、ホストコンピュータ20aに転送される。最終出力機器の画像データとは例えばCRTディスプレイ4に出力する場合はRGBデータへの変換、カラープリンタ3に出力する場合であればCMYデータへの変換であり、各成分8bitデータである。
【0079】
従って、スキャナ内部に目的の出力機器に合わせた色変換機能を持たせるので、通常の読み取りの場合には、このシステムでは色管理エンジン、各周辺機器のプロファイルは用いない、CRTディスプレイ4、カラープリンタ3を固定にしたシステムということになる。ホストコンピュータ20aはこの場合、例えば図1のCPU26に当たる制御処理機能だけが使用されることとなる。
【0080】
次に、スキャナ10a内部の色変換部B16、色変換部C17について説明する。色変換B、Cを、従来のスキャナ内部にある色補正と、スキャナのRGBデータからホストコンピュータにおけるXYZ表色系への色変換と、XYZ表色系から各画像出力装置へのデータ(CRTディスプレイ4であればRGBデータ、カラープリンタ3であればCMYデータ)への色変換を合成したものであると考える。また、この色変換B、Cに入力するデータは各色10bit、色変換部から出力されるデータは各成分8bitとなる。
【0081】
上述の実施例と同様、スキャナ10a内部の色補正をToとする。スキャナのRGBデータからXYZ表色系への色変換(従来例のプロファイルSに対応する)をTsとし、XYZ表色系から各画像出力装置のデータ(CRTディスプレイ4であればRGBデータ、カラープリンタ3であればCMYデータ)への色変換をそれぞれTc、Tpとすると、色変換Bは3つの色変換の合成としてTo*Ts*Tcで表すことができる。また、色変換Cは3つの色変換の合成としてTo*Ts*Tpで表すことができる。
【0082】
まず、スキャナ10a内部の色補正Toは既知であるとする。スキャナデータから標準表色系への色変換Tsはキャリブレーションによって求めることができる。これは前実施例と同じである。また、CRTディスプレイ4への色変換Tcとカラープリンタ3への色変換Tpは前実施例における、各プロファイルに従った色変換と考えればよい。CRTディスプレイ4のRGBデータを(cr,cg,cb)とすると、(XYZ)表色系からCRTディスプレイ4のデータへの色変換を次の(7)式で表せる。
【0083】
【数14】
【0084】
これにおいて、
【0085】
【数15】
【0086】
は色変換Tcの係数である。一方、カラープリンタ3のYMCデータを(y,m,c)とすると、(XYZ)表色系からカラープリンタ3のデータへの色変換を次の(8)式で表せる。
【0087】
【数16】
【0088】
ここで、
【0089】
【数17】
【0090】
は色変換Tp係数である。
【0091】
上述の(2)式における色変換係数
【0092】
【数18】
【0093】
は既知であるので、これをホストコンピュータ20aに転送する。また、ホストコンピュータ20a上でスキャナ10a内の色補正Toと、スキャナから標準表色系への色変換Tsと、標準表色系(XYZ)から各画像出力装置のデータへの色変換TcもしくはTpとを複合合成する。これを(3)式と(7)式もしくは(8)式より、次式のようにして導くことができる。
【0094】
【数19】
【0095】
従って、イメージセンサ11から出力され、A/D変換されたデータ(R,G,B)からそれぞれの画像出力装置のデータへの変換は(9)式もしくは(10)式のようになる。複合合成された色変換の係数を新たな係数を用いて定義すると、(11)式、(12)式のようになる。
【0096】
【数20】
【0097】
よって複合合成色変換係数、
【0098】
【数21】
【0099】
を算出する式は、(9)、(10)、(11)、(12)式により(13)、(14)、(15)、(16)式のようになる。
【0100】
【数22】
【0101】
(11)、(12)式によって、10bit精度の(R,G,B)が8bit精度の(y,m,c)、(cr,cg,cb)に算出されることが必要である。ゆえに、(13)、(14)、(15)、(16)式によって計算される色変換係数も10bit以上必要である。
【0102】
最後に、上で算出された複合合成色変換係数
【0103】
【数23】
【0104】
をスキャナ10aに転送し、色変換部B16もしくは色変換部C17に格納する。よって、図3,4に示すように、スキャナ10a内部の色変換部B16、色変換部C17において、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが8bit精度の各画像出力装置のデータに変換できるようになる。演算後に各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20aに転送する。
【0105】
以上のことに基づいて行われる、この実施例におけるカラースキャナ10aとホストコンピュータ20aとの間で行われる具体的な動作を順番に簡単に説明する。なお、この動作はカラースキャナ10aのCPU14およびホストコンピュータ20aのCPU(それぞれプログラムを含む)の制御により行われる。
【0106】
まず、標準画像をスキャナ10(画像入力装置)で読み取って得られた画像データと、予めホストコンピュータ20aに持っている標準画像の標準表色系の理想データより、スキャナ10aから標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)をホストコンピュータ20において算出する。次に、予めスキャナ10aに格納されている色補正係数もしくは色補正テーブル(色補正情報)をホストコンピュータ20aに転送する。
【0107】
次に、算出されたスキャナ10aから標準表色系への色変換情報と、ホストコンピュータ20aに転送されたスキャナ10a内部の色補正情報と、標準表色系からCRTディスプレイ4もしくはカラープリンタ3(画像出力装置)のデータへの色変換情報とをホストコンピュータにおいて複合合成する。次に、複合合成された複合合成色変換係数もしくは複合合成色変換テーブル(複合合成色変換情報)をスキャナ10aに転送し、色変換部B16もしくは色変換部C17(図3および図4参照)に格納する。
【0108】
これにより、スキャナ10aはA/D変換後のデータを、上述の格納されている複合合成色変換係数もしくは複合合成色変換テーブルを用いて、CRTディスプレイ4もしくはカラープリンタ3の画像データに変換することができる。
【0109】
実施例5.
なお、上記実施例では3つの色変換の合成について、スキャナ10a内部の色補正Toの係数
【0110】
【数24】
【0111】
をホストコンピュータ20aに転送して、ホストコンピュータ上でスキャナ10a内部の色補正とスキャナ10aの画像データから標準表色系への色変換と、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換を合成するものを示したが、逆に、ホストコンピュータ20aで算出されたスキャナデータから標準表色系への色変換Ts係数
【0112】
【数25】
【0113】
と、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換Tc、Tpをスキャナ10aに転送し、スキャナのCPU14を用いて、該スキャナ10aにおいて標準表色系への色変換Tsと、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換Tc、Tpと、スキャナ10a内部の色補正Toを合成してもよい。すなわち、スキャナ10a内で(13)、(14)、(15)、(16)式の演算を行い、算出された複合合成色変換係数
【0114】
【数26】
【0115】
をそのままスキャナ10a内の色変換部B16、もしくは色変換部C17に格納する。よって、図3,4に示すように、カラースキャナ内部の色変換B,Cにおいて、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが8bit精度の各画像出力装置のデータに変換できるようになる。演算後に各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20aに転送する。
【0116】
以上のことに基づいて行われる、この実施例におけるカラースキャナ10aとホストコンピュータ20aとの間で行われる具体的な動作を順番に簡単に説明する。なお、この動作はカラースキャナ10aのCPU14およびホストコンピュータ20aのCPU(それぞれプログラムを含む)の制御により行われる。
【0117】
まず、標準画像をスキャナ10aで読み取って得られた画像データと、予めホストコンピュータ20aに持っている標準画像の標準表色系の理想データより、スキャナ10aから標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)を算出する。次に、算出されたスキャナから標準表色系への色変換情報と、標準表色系からCRTディスプレイ4もしくはカラープリンタ3(画像出力装置)のデータへの色変換係数をスキャナに転送する。
【0118】
次に、スキャナに転送された標準表色系への色変換情報および標準表色系からCRTディスプレイ4もしくはカラープリンタ3のデータへの色変換と、予めスキャナ10aに格納されている色補正情報をスキャナ10a内部で合成する。次に、合成された複合合成色変換係数もしくは複合合成色変換テーブル(複合合成色変換情報)を色変換部B16もしくは色変換部C17に格納する。
【0119】
これにより、スキャナ10aは、A/D変換後のデータを、上述の格納された複合合成色変換係数もしくは複合合成色変換テーブルを用いて、CRTディスプレイ4もしくはカラープリンタ3の画像データに変換することができる。
【0120】
実施例6.
なお、上記実施例では、スキャナ10a内部、もしくはホストコンピュータ20a上で3つの色変換の合成の演算を行うものについて説明したが、その時のホストコンピュータ20aで実行されているプロセスの数により、スキャナ10aとホストコンピュータ20aのどちらで色変換の合成を行うかを選択することができるようにすることもできる。この時、ホストコンピュータ20aで多くのプロセスが処理されていれば、すなわちホストコンピュータ20aで処理すると時間がかかる場合には、スキャナ10aにスキャナデータから標準表色系への色変換Ts係数
【0121】
【数27】
【0122】
を転送し、スキャナ10aのCPU14を用いて、該カラースキャナから標準表色系への色変換Tsと、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換Tc、Tpと、スキャナ10a内部の色補正Toの合成をし、合成された複合合成色変換係数をそのままスキャナ内の色変換部B16もしくは色変換部C17に格納する。逆に、ホストコンピュータ20aで走っているプロセスがほとんどない、すなわちすぐに処理が行える場合には、スキャナ10a内の色補正Toの係数
【0123】
【数28】
【0124】
をホストコンピュータ20aに転送して、ホストコンピュータ上でスキャナ内部の色補正Toと、スキャナの画像データから標準表色系への色変換Tsと、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換Tc、Tpとを合成し、合成された複合合成色変換係数
【0125】
【数29】
【0126】
をスキャナ10aに転送し、スキャナ内の色変換部B16もしくは色変換部C17に格納する。よって、図3、4に示すように、スキャナ10a内部の色変換部B16もしくは色変換部C17において、イメージセンサ11から出力された10bit精度の(R,G,B)データが、8bit精度の各画像出力装置のデータに変換できるようになる。演算後に各成分のデータを8bitに丸めてホストコンピュータ20aに転送する。
【0127】
なお、具体的動作は、実施例4と実施例5の組み合わせに、ホストコンピュータ20aで処理されるプロセスの数によって上記合成をスキャナ10aとホストコンピュータ20aのいずれで行うかの判断を行う手段が追加されるだけであり、上記説明から明らかであるので、省略する。
【0128】
【発明の効果】
以上のように、この発明の第1の発明では、画像入力装置から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)を算出し、この算出された画像入力装置から標準表色系への色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報とを合成し、この合成された合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納し、画像入力装置内部でA/D変換後に、格納された合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行うようにしたので、各成分8bitに丸められる以前の精度の高いデータに対して色変換を施すことができ、精度の高い標準表色系のデータを得ることができ、また、2回の色変換を1回の色変換として精度の高いデータに対して行うことができるので、色変換をする度に起こる精度の低化を防ぐことができるカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0129】
この発明の第2の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報との合成をホストコンピュータで行わせるようにしたので、画像入力装置での負荷を軽減させたカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0130】
この発明の第3の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を画像入力装置で行わせるようにしたので、画像入力装置とホストコンピュータの間の情報の転送回数を減らした効率的に処理が行えるカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0131】
この発明の第4の発明では、上述の算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択するようにし、ホストコンピュータの稼働状況に応じて合成処理を行うところを選択することができるようにしたので、処理の効率化を図ったカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0132】
この発明の第5の発明では、画像入力装置から標準表色系への色変換係数もしくは色変換テーブル(色変換情報)を算出し、この算出された画像入力装置から標準表色系への色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報とを合成し、この合成された複合合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納し、画像入力装置内部でA/D変換後に、格納された複合合成色変換情報を用いて画像出力装置への画像データの変換を行うようにしたので、各成分8bitに丸められる以前の精度の高いデータに対して色変換を施すことができ、精度の高い標準表色系のデータを得ることができ、さらに、標準表色系から画素出力装置用のデータへの色変換も各成分8bitに丸められる前のデータに対して施すことができるので、さらに高精度な色変換が可能になり、また、3回の色変換を1回の色変換として精度の高いデータに対して行うことができるので、色変換をする度に起こる精度の低化を防ぐことができる、カラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0133】
この発明の第6の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成をホストコンピュータで行わせるようにし、画像入力装置での負荷を軽減させたカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0134】
この発明の第7の発明では、上述の算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成を画像入力装置で行わせるようにしたので、画像入力装置とホストコンピュータの間の情報の転送回数を減らした効率的に処理が行えるカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0135】
この発明の第8の発明では、上述の算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置への色変換情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択するようにし、ホストコンピュータの稼働状況に応じて合成処理を行うところを選択することができるようにしたので、処理の効率化を図ったカラーマネジメントシステムを提供できる等の効果が得られる。
【0136】
この発明の第9の発明では、画像入力装置が、この画像入力装置からホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における色補正情報とを合成した合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に、格納された合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行うようにし、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現可能にした画像入力装置を提供できる等の効果が得られる。
【0137】
この発明の第10の発明では、画像入力装置が、この画像入力装置からホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの色変換情報とを合成した複合合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に、格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行うようにし、特に色変換に関し高い精度のデータ変換を実現可能にした画像入力装置を提供できる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるカラーマネジメントシステムの構成を示す図である。
【図2】 この発明のカラーマネジメントシステムにおいて画像入力装置のデータから標準表色系のデータへの色変換係数をキャリブレーションによって求める時に使用する標準原稿の一例を示す図である。
【図3】 この発明の別の実施例によるカラーマネジメントシステムのCRTディスプレイに表示を行う場合の色変換に関連する部分の構成を示す図である。
【図4】 この発明の別の実施例によるカラーマネジメントシステムのカラープリンタに出力を行う場合の色変換に関連する部分の構成を示す図である。
【図5】 従来のカラーマネジメントシステムの構成を示す図である。
【図6】 従来のカラーマネジメントシステムにおける各周辺機器の色の特製を記述したプロファイルの一例を示した図である。
【符号の説明】
3 カラープリンタ、4 CRTディスプレイ、
10、10a カラースキャナ、11 イメージセンサ、12 A/D変換部、13 色補正部、14、26 CPU、15 色変換部A、16 色変換部B、17 色変換部C、20、20a ホストコンピュータ、
22 プロファイルC、23 プロファイルP、
24 色管理エンジン、25 API。
Claims (10)
- 画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムであって、
標準画像を画像入力装置で読み取って予め画像入力装置に格納されている画像入力装置の読み取りの際の特性に係わる色補正情報による補正が施されて得られた画像データと、予めホストコンピュータが格納している標準画像の標準表色系の理想データより、画像入力装置で得られた上記画像データから標準表色系への色変換情報を算出する手段と、
この算出された色変換情報と予め画像入力装置に格納されている上記色補正情報とを合成する手段と、
この合成された合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納する手段と、
上記画像入力装置において、画像読み取り後に格納された上記合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行う手段と、
を備えたことを特徴とするカラーマネジメントシステム。 - 上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成をホストコンピュータで行わせるために、上記合成前に上記画像入力装置の色補正情報をホストコンピュータに転送する手段と、上記合成後に上記合成された合成色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカラーマネジメントシステム。
- 上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を画像入力装置で行うために、上記算出された色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカラーマネジメントシステム。
- 上記算出された色変換情報と画像入力装置に格納されている色補正情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカラーマネジメントシステム。
- 画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムであって、
標準画像を画像入力装置で読み取って予め画像入力装置に格納されている画像入力装置の読み取りの際の特性に係わる色補正情報による補正が施されて得られた画像データと、予めホストコンピュータが格納している標準画像の標準表色系の理想データより、画像入力装置で得られた上記画像データから標準表色系への色変換情報を算出する手段と、
この算出された色変換情報と、予め画像入力装置に格納されている上記色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを合成する手段と、
この合成された複合合成色変換情報を画像入力装置内部の色変換部に格納する手段と、
上記画像入力装置において、画像読み取り後に格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行う手段と、
を備えたことを特徴とするカラーマネジメントシステム。 - 上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成をホストコンピュータで行わせるために、上記合成前に上記画像入力装置の色補正情報をホストコンピュータに転送する手段と、上記合成後に上記合成された複合合成色変換情報を上記画像入力装置に転送する手段と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載のカラーマネジメントシステム。
- 上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成を画像入力装置で行うために、上記算出された色変換情報および標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを上記画像入力装置に転送する手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のカラーマネジメントシステム。
- 上記算出された色変換情報と、画像入力装置に格納されている色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報との合成を、ホストコンピュータで実行されているプロセスの数に従って、ホストコンピュータおよび画像入力装置のいずれで行うかを選択する手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のカラーマネジメントシステム。
- 画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムの画像入力装置であって、
画像入力装置で得られた色補正情報による補正が施された画像データからホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における読み取りの際の特性に係わる上記色補正情報とを合成した合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に格納された上記合成色変換情報を用いて標準表色系への画像データの変換を行う画像入力装置。 - 画像を読み取るための画像入力装置、画像処理を行うホストコンピュータおよび画像を表示または出力する画像出力装置からなり、画像入力装置で入力する原稿と、画像出力装置より表示または出力される画像の色を合わせるカラーマネジメントシステムの画像入力装置であって、
画像入力装置で得られた色補正情報による補正が施された画像データからホストコンピュータでの標準表色系への色変換情報と、画像入力装置における読み取りの際の特性に係わる上記色補正情報と、標準表色系から画像出力装置のデータへの画像出力側の色変換情報とを合成した複合合成色変換情報を格納し、画像読み取り後に格納された上記複合合成色変換情報を用いて画像出力装置の画像データへの変換を行う画像入力装置。
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