JP3637356B2 - フィラメントの巻取り方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は米国特許第4548366号(ヨーロッパ特許第182389号)に開示されたフィラメント巻取りシステムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4548366号には、(フィラメントのパッケージの外周面に接触している)コンタクトローラを駆動してパッケージ表面に制御された力を加え、一方、パッケージの回転速度を調整して該ローラの回転速度を調整する巻取り機構が開示されている。
【0003】
米国特許第4765552号(ヨーロッパ特許公報第0254944号に対応)には、コンタクトローラ用のモータのトルクによって与えられる制御された力の限界はフィラメントパッケージ一個当たり0〜1.5N・cmの範囲であることが開示されている。後者の明細書には、この範囲の説明が明瞭にはなされていないが、糸品質の変動の原因となる「小さなスリップ」の防止と前記ローラが裸ボビンと最初に接触する際にボビンに損傷を与える速度差の防止のいずれかに関連していることは明らかである。
【0004】
ドイツ特許公報第3513796号には、パッケージが摩擦駆動ローラによってその外周を駆動され、一方、トラバース機構から出た糸は別のコンタクトローラによってパッケージ上に積層される駆動システムが提案されている。このコンタクトローラは、パッケージよりも僅かに速い速度となるように駆動されている。これは糸張力の制御が可能なように構成されている。
【0005】
米国特許第4986483号には、(「問題点」の項に)下記の問題がやや詳細に述べられると共に、上述のタイプの駆動システムと特殊なトラバースカム装置との組合せが提案されている。この駆動システムは、コンタクトローラとパッケージとの間のスリップの発生を少なくするために、コンタクトローラとパッケージとの間での外周方向の力の伝達を回避するように作動することを意図している。
【0006】
ドイツ特許公報第4126392号には、コンタクトローラ用のモータのトルクの発生にフィードバック制御を行うシステムが述べられている。発生したモータトルクは、ローラとパッケージとの間に伝達される外周方向の力に直接関連している。
【0007】
ドイツ特許公報第4126392号に開示された機構の前記目的は、ローラとパッケージとの間の接触領域において伝達される力の制御によって達成される。これによって、接触領域でのスリップを防止することができる。このドイツ明細書によれば、接圧が低くそしてこのシステムがスリップ限界に近づいたりこれを越えたりする危険性のある変動を受ける場合に、特にスリップが生じ易い。述べられている別の目的は、パッケージ巻取りの期間を通じて不均一性の発生を防止することにある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワインダのすぐ上流側での糸張力が、仮にこれと同じ張力が引き続いてパッケージに加われば所望のパッケージサイズに達する前にパッケージの形成に問題が生じるレベルにある状況下で、円筒状の交差巻きパッケージを形成する問題に注目している。この問題を更に説明するために、糸張力に関してパッケージ形成の問題を簡単に解説する。
【0009】
交差巻きパッケージの形成に関する基本的な問題点は、巻取り角を生じさせるために軸方向に糸を運動させるのに必要なトラバースモーションに起因している。このモーションの不可避的な特徴は、糸がパッケージの中央領域に比べて(端の)逆転領域で比較的遅く走行することにある。この問題を緩和するために、トラバースモーションを生じさせる機構の改良が数多く提案され、かなりの成果を挙げている。しかし、その効果は問題を解消するものではなく、その出現を遅らせるだけのものである。このようにして、トラバース機構になされたこれらの改善によって、長年にわたって着実により大きな(即ち大径の)パッケージを形成することが可能になった。
【0010】
逆転領域における比較的遅い軸方向の糸の運動によって、パッケージの端部領域に中央領域より多くの糸材料が堆積することとなる。このことは二つの結果をもたらす。即ち、
(1)遅かれ早かれ、パッケージの外周面は円筒状にはならないで、その縁部に盛り上がった「肩」を持った「サドル型」の外観となる(図9と13を参照)。
(2)パッケージの縁部での密度(そして硬度)がパッケージの中央領域での密度より高くなる。
【0011】
コンタクトローラは長い間この第1の結果を緩和するために使用されてきた。該ローラによって加えられる接圧によって、前記肩を或る程度平坦にすることができる。この平坦化効果は、加えられる圧力に起因するパッケージ端(即ちパッケージの側壁)の外側への膨れによって制限される(図14参照)。従って、前述したように、遅かれ早かれ肩が出現し、これが或る大きさに達するとパッケージ内部の不安定な糸層となり、次の処理のために巻き戻す際に問題を生じる。
【0012】
第2の結果は、糸張力と共に前記第1の結果を助長する働きをする。中央領域でのパッケージ密度が低いので、パッケージは中央領域でその端部よりも圧縮されやすい。パッケージに巻かれるにつれて糸の張力は下に巻かれている糸層(並びにパッケージの芯を形成しているボビン)に圧縮効果を与える。従って、糸張力が大きくなればなるほど、圧縮効果も大きくなり、パッケージの中央領域は端部領域に比べて更に締めつけられる。
【0013】
もしワインダの上流側に糸張力が影響を及ぼすことが可能ならば、後者の問題点を解決するのにワインダ自体を改変することは不必要である。しかし、最近のフィラメント製造工程は上流側での処理を簡単化する方向に進んでおり、糸がワインダに入る際の糸張力を決めることのできる可能性は段々少なくなっている。更に、最近のフィラメント処理技術は、段々に高い糸張力を発生させる傾向にある。経済的な理由によって、段々に大きなパッケージに対する要望が強くなっている。従って、今やワインダ製造メーカは、ワインダの入口における「与えられた」糸条件を、少なくとも500mmの径までの(パッケージ形状に関して)満足できるパッケージを形成し得る条件に変換すると言う問題に直面している。しかし、前述したように、サドル形状及び軸方向の膨れの形成のために、与えられた巻取り条件で形成可能なパッケージのサイズには制限がある。
【0014】
概略的に上に述べた理由によって、多くの場合、ワインダの入口での高い糸張力がパッケージに積層される地点まで作用することによって、問題が生じている。しかし、比較的小さいが重要な一群のケースの場合には、反対の問題が起こっている。これらのケースの工程技術では、糸は巻かれた状態でリラックス傾向にある。こうしたケースの場合、所望のパッケージ形成を確実に行うために糸張力を増加させる必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パッケージとコンタクトローラとの接触点でのスリップの発生を促進することによって、パッケージ形状が円筒形から変形する割合を減少させることが可能となり、与えられた巻取り条件の下でより大きなパッケージが形成可能となる事実に基づいている。テストパッケージの形成の際に、促進されるスリップの量を変化させることによって、所与の糸のタイプに対する最適なスリップ量を学習することができる。
【0016】
本発明は、冒頭に述べたシステムによって、ワインダ(即ちワインダの入口)から上流側の供給糸張力に関連して巻取り張力(即ちパッケージに積層される領域の糸張力)に影響を与える方法を提供するものである。この方法によれば、コンタクトローラは、パッケージの表面に実質的な円周方向の力(駆動力と制動力のいずれかの)を作用させるように駆動され、一方、巻き取られる糸は、実質的に所定の巻き角度でコンタクトローラの外周面の一部を周回した後、コンタクトローラからパッケージ表面に供給される。コンタクトローラとパッケージとの間に発生する回転接触は、該ローラの回転とパッケージの回転との間に略制御された関係が維持されてはいるが、パッケージ表面とローラ表面との間に小さな速度差を許容して、ローラの上流側の糸張力と下流側の糸張力との間に有効な糸張力の変化が与えられるようになっている。
【0017】
パッケージ形成の期間中、この速度差は変化することが望ましい。速度差によって糸張力が減少する場合には、パッケージ形成が進むにつれて減少度合が小さくなるようにしてもよい。速度差によって糸張力が増加する場合には、この増加の度合はパッケージ形成が進むにつれて大きくなるようにしてもよい。
【0018】
【発明の詳細な説明】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
後述するように、本発明はパッケージのサドル形状(図13)及び/又は軸方向の膨れ(図14)の形成割合を減少させることによって、所与の巻取り条件に対してより大きな直径のパッケージを形成することができる。これは、テストパッケージを形成し、その形状の円筒形からの変形を検査し、そしてパッケージ上に積層される際の糸張力を変化させて、次のテストパッケージにおけるこの変形の形成割合を減少させることによって行われる。パッケージ形成の際に、コンタクトローラとパッケージとの間の接触点におけるスリップを促進し、形成時のこのスリップ量を各テストパッケージ間で変化させてパッケージ上に積層される際の糸張力を変化させる。このスリップ量は、コンタクトローラとパッケージとの間の接圧を変化させたり、コンタクトローラとパッケージとの間で伝達される円周方向の力を変化させることによって変化可能である。
【0019】
図1、2に概略的に示されている機械は、合成プラスチックフィラメント糸用の高速ワインダである。説明と図示を簡単にするために、この機械は一本の糸だけについて示されている。しかし、この機械は同時に多数の糸を取り扱うように構成することも可能である。図1,2に示されているエレメントは、糸巻取りの際の状態で描かれている。なぜならば、本発明は、特に機械がそのような状態にある場合に関連しているからである。他の機械状態については、本明細書中に簡単に触れている。
【0020】
説明を簡単にするために、本発明を説明するための例として一本のボビンホルダを具えたものが選ばれている。本発明は、一本以上のボビンホルダ、例えば巻取り位置に交互に位置決め可能な一対のボビンホルダを具えた自動巻取り機にも応用可能である。完全を期すために、このタイプの機械について図10を参照して後述するが、本発明自体は主として個々の巻取り作業に関連してるので、図1,2に示す一本のボビンホルダを具えた機械を参照して説明可能である。
【0021】
この機械は、フレーム及びハウジング構造体(「フレーム」)10を具え、その上に他の部品が取付けられている。ボビンホルダ12は、フレーム10の前面から片持ち式に延在して取付けられている。このボビンホルダ12は、非同期モータ18(図2)によって長手方向軸16を中心に回転可能になっている。
【0022】
ボビンホルダ12は、ロール軸22を中心に回転するようにフレーム10に取付けられたコンタクトローラ20に接近したり離れたりできるように、(図示しない)手段によって可動となっている。ロール軸22を中心とするコンタクトローラ20の回転は、フレームに固定されたステータを被包する外側ロータを具えた非同期モータ24によって行われる。
【0023】
コンタクトローラ20に近づいた離れたりするボビンホルダ12の運動は、湾曲した経路26(図1)に沿う軸16の運動を含んでいる。ボビンホルダ12は、コンタクトローラ20からもっとも遠い方の経路26の端に待機位置を有し、ここで巻取り作業中に形成されたパッケージ30はボビンホルダから取り外されて空ボビン28と取り替えられ、次のコンタクトローラ20からもっとも遠い方の経路26の端に待機位置を有し、ここで巻取り作業でその上に新たなパッケージが形成される。
【0024】
コンタクトローラ20に最も近い経路26の他方の端で、ボビンホルダは巻取り位置を占め、そこでワインダに供給される糸32はボビン28上に巻かれてパッケージ30を形成する。図1に示すように、この巻取り機は周知の「プリント摩擦(print friction) 」タイプのものであり、糸32はコンタクトローラからパッケージ30に移転する前に、コンタクトローラ20の外周の一部を周回する。パッケージ30の巻取りの際に、糸はコンタクトローランタクトローラ20の上流側(糸の運動方向から考えて)に設けられた通常のトラバース機構36によってボビンホルダ軸16の長手方向に往復動させられる。
【0025】
コンタクトローラ20とパッケージ30との間に接触状態が確立した場合に、コンタクトローラとパッケージとの間で駆動力が伝達可能な状態に巻取り速度を制御するための制御手段が、図2に示されている。この制御システムは、ロータ又はコンタクトローラ20の駆動シャフトに連結されたタコジェネレータ42、ボビンホルダ12の駆動シャフトに連結されたタコジェネレータ44、コンタクトローラ用モータ24に給電するインバータ46、ボビンホルダ用モータに給電するインバータ48、該インバータ48の出力を調整するレギュレータ52、前記インバータ46の出力を設定するように作動可能な設定装置54、前記レギュレータ52に設定値を提供する設定装置56、補助設定装置58、及びタイマ60を具えている。
【0026】
図2に示す回路構成においては、レギュレータ52はその設定装置56の出力とタコジェネレータ42の出力を受け取っている。レギュレータ52は設定装置56とジェネレータ42からのこの入力を比較して、その比較結果に応じたその出力をインバータ48に提供する。インバータ48は、対応する入力をモータ18に供給し、これの速度を制御する。
【0027】
先行技術特許(米国特許第4548366号)では、説明の目的のために、パッケージ30とコンタクトローラ20との間の接触領域ではスリップは生じないものと仮定されていた。この仮定が正しい限り、接触領域でのパッケージの接線速度はコンタクトローラ20の接線速度に等しいであろう。コンタクトローラ20の直径は巻取り作業を通じて一定なので、この接線速度はタコジェネレータ42の出力によって直接的に表される。レギュレータ52はインバータ48を介して、ジェネレータ42からの出力を設定装置56によって設定された値に一定に維持する。換言すれば、レギュレータ52は、図2に示す回路構成が作動している巻取り作業の期間を通じてコンタクトローラ20の回転速度を一定に維持している。巻取り作業の間にパッケージの直径は次第に増加し、しかもパッケージとコンタクトローラとの間の接触領域ではスリップが生じないものと仮定されているので、接触領域におけるパッケージの円周速度が一定ならば、巻取り作業の開始から完了までの間にモータ18とボビンホルダ12の回転速度は徐々に減少しなければならない。
【0028】
上述の回路構成においては、タコジェネレータ44、補助設定装置58、及びタイマ60は、制御作用において直接的な役割を演じてはいない。これらのエレメントは主として、新ボビン28及び/又はパッケージ30とコンタクトローラ20との間で接触が必要な場合のパッケージの切替えの際に使用するのに設けられている。この目的に適した構成が米国特許第4,548,366 号に述べられているが、この構成は本発明にとっては重要なものではないので、ここでの説明は省略する。
【0029】
コンタクトローラ20は、一方ではパッケージ30との接触により、他方ではモータ24と連結されていることによって影響を受ける。巻取り作業中に、モータ24はそれ自体のインバータ46からの入力を受ける。この入力は、この目的のためにインバータ46に直結されている設定装置54によって直接に決められる。この装置54の設定を変える影響については米国特許第4548366号(特にそれの図6についての説明)に広く述べられており、これについては、本発明が意図している目的の補助的な説明の後で、更に詳細に述べる。
【0030】
この説明の冒頭で述べた先行技術の明細書の幾つかには或る程度の混乱が見られるが、それはこれらの明細書が、図1,2に示したタイプの装置の作用と(多少とも詳しく定義された)「糸品質」の概念との間の直接的な関係を導こうとしているからである。次の項で述べる本発明は、糸品質には間接的な影響を持ち、この影響はこの記述の終わりに行くに従って更に説明されるであろう。しかし、本発明の主目的は「糸品質」の改善ではなく、本発明は(従来技術を含む)他の巻取り工程によって得られる糸品質よりも更に良い糸品質を確保することをその目的とはしていない。一般的な商業目的のために、その品質は完全であることが証明されている。
【0031】
その代わりに、本発明は、良好なパッケージ形成を行うのに必要な条件を得ることに集中している。即ち、良好なパッケージ構造を得るための巻取り条件である。本発明によって、パッケージの構造上の欠陥に基づく糸欠点に関しては、糸品質に対して間接的な効果が得られる。
【0032】
米国特許第4548366号には、図1,2に示すシステムにおけるコンタクトローラとパッケージとの接触点で生じる円周方向の力に影響を及ぼす方法が述べられている。このシステムの作用の主目的として、次に「糸品質」を挙げたことが、コンタクトローラとパッケージとの間の接触領域におけるスリップの役割に対する誤った判断をもたらしている。
【0033】
米国特許第4548366号では、この接触領域でのスリップは無いものと仮定している。この仮定は、パッケージ表面の円周(接線)速度の測定装置としてのコンタクトローラの作用を説明する目的のためになされたものである。この仮定は、米国特許第4548366号においてはシステムの重要な特徴とはなっておらず、引き続く研究の結果、円周方向の力を調節可能に(即ち変更可能に)設定するためには、接触領域でのスリップの発生は実際上不可避であることが判った。この結論は、例えばG.NiemennとH.Winterの共著よる、Springer Verlag 発行の教科書「機械要素(Maschienenelemente)」の182〜201頁に記載されているような、回転面による駆動力の伝達に関する運動伝達システムの理論的研究と一致している。これらの研究によれば、このタイプの接触点では、該点での或る程度のスリップ無しには円周方向の力の伝達は不可能であることが判明している。これらの研究をコンタクトローラとフィラメントパッケージの間の接触点に直接適用することはできないが、これらの研究から引き出された一般的な結論は両ケースにも同様に当てはまるものと思われる。
【0034】
本明細書の冒頭に述べたように(「発明が解決しようとする課題」の項を参照)、本発明は、コンタクトローラの下流側(即ち新たに形成したパッケージの最外側層)での糸張力にコンタクトローラの上流側の糸張力に関する影響を及ぼすことを主目的とするものである。本発明の制御の及ばない後者の張力は、フィラメント紡糸工程の技術と、ワインダの上流側の設備の構成によって決まる。所与の紡糸工程に合わせて特別にワインダを設計することは、技術的には可能であるが経済的には非常に好ましくない。従って、実際的には、フィラメントワインダは、相当の範囲(例えば0.1〜0.3gm/dtex)内で変動可能な供給張力(即ちワインダの入口での糸張力)を示すフィラメントから受入れ可能なパッケージを形成するように設計される必要がある。なお、普通は、理想的なパッケージ形成は積層点での糸張力が0.08〜0.15gm/dtexの範囲でのみ得られる。
【0035】
本発明によれば、糸張力の好ましい調節は、パッケージ表面に対するコンタクトローラ表面の速度の差が制御された値となるように、コンタクトローラとパッケージの間の接触領域において円周方向の力を発生させることによって行われる。換言すれば、本発明は、コンタクトローラとパッケージとの接触点において制御されたスリップを生じさせることによって、コンタクトローラの上流側の糸張力に関連してパッケージ外周面での糸張力に影響を与えることを目的とするものである。これは、こうしたスリップを解消するように試み、又はスリップが生じないものと仮定している先行技術に反するものである。
【0036】
補足すれば、本発明によって生じたスリップは、この点においてパッケージに巻かれた糸の品質を僅かに低下させると言われている。しかし、この糸品質の僅かな低下は、次の背景を勘案しなければならない。
【0037】
フィラメントパッケージの巻取りには実際上常にローラと新たに形成されるパッケージとの間の接触が関与し、この接触領域には殆どいつも或る程度のスリップが生じている。その多くがまだ実際に作動している先行技術の摩擦駆動システムの場合には、接触領域におけるスリップはかなり大きな量に達している。許容限界内のこのようなスリップの影響は、商業的に受入れ可能なフィラメント糸の糸特性の仕様に長期間にわたって組み入れられている。
【0038】
本発明は、所与の巻取り作業において影響が実質的に予見できる範囲でスリ
ップの程度を制御しながら、ステップを進めている。この予見可能性は、理論的なものではなくて経験的なものである。即ち、所与の巻取り条件で行った初期テストの結果が一貫して再現可能である。
【0039】
最近の部分延伸糸(POY)と完全延伸糸(FDY)用の製造条件の下では、糸品質はワインダの上流側の糸において予め実質的に決められ、ワインダ内の接触領域で糸品質に及ぼすどんな影響も、ワインダの上流側の臨界領域で与えられる影響に比べれば小さいものとなっている。本発明によってPOYとFDYの工程に必要な高い巻取り速度が可能でなれば、ワインダでの接触領域における小さな品質低下は、最近の処理技術を利用して得られる品質の向上で充分に埋め合わされる。
【0040】
糸の品質状況に関するこの説明の最後の項で次に述べるように、接触領域での品質低下の影響は、全体として見た場合に巻取り機に生じる品質低下の中の一部に過ぎず、接触領域でのスリップに起因する不利益は、新たに提案される完全なワインダの作動方法によって得られる利益によって充分に埋め合わされる。
【0041】
接触領域内でコンタクトローラがパッケージの表面層よりも速く走行するように(「ローラ先行」)接触領域でのスリップを制御することにより、糸はコンタクトローラからパッケージに移転するにつれてリラックスすることができる。このリラックスは、コンタクトローラの表面での対応する糸の伸長に対する、パッケージの表面層での糸の弾性伸長の減少に対応するものである。これが、フィラメントワインダの入口で比較的高い糸張力傾向にある最近の処理技術において、最も一般的に適用可能な作用モードである。
【0042】
しかし、米国特許第4765522号に記載された教示に反して、本発明は巻取りのための糸張力をリラックスさせるローラ先行システムに限定されるものではない。比較的小さいが商業的には重要な紡糸工程の範囲においては、ワインダの入口での糸張力は低すぎて良好なパッケージ形成を行うことができない。これは、低速度(例えば1000m/min以下)でのフィラメントの紡糸の場合に特に当てはまる。この工程は、引き続いて独立した延伸段階(例えば延撚機)に掛けられる糸を紡糸するのに用いられる。或る種の産業用糸とタイヤコードはこのようにして処理される。低速処理は、例えばいわゆるアラミド等の高剛性率(high modulus)フィラメントの製造にも使用される。ワインダの入口とパッケージの積層点との間での張力の増加も、比較的太いフィラメントの高速紡糸では有利である。この場合、コンタクトローラの円周速度よりもパッケージの円周速度の方を高くして(「パッケージ先行」)、コンタクトローラからパッケージの外層に移転する際に糸が実際に更に引き延ばされるようにするのに、本発明が使用される。即ち、パッケージの表面層における糸の弾性伸長は、コンタクトローラの表面における糸のこれに対応する伸長より大きい。
【0043】
本発明による巻取り作用の制御にとって、コンタクトローラ/パッケージの接触点で生じるスリップの度合が制御されること、即ち巻取り作業全体を通じて受入れ可能な狭い範囲内に維持されることが非常に重要である。なぜならば、本発明によれば、コンタクトローラは、なおパッケージ自体の円周速度を制御するのに使用される測定手段の基本的なエレメントだからである。従って、予見不能な程度のスリップが接触領域で生じた場合には、コンタクトローラによって発せられるフィードバック信号はパッケージにとっては無意味なものとなり、均一な再現性のある糸特性を与えるように制御された巻取り条件を維持することが不可能となろう。しかし、所与の巻取り条件を得るために、発生するスリップの度合を知ることは必要ない。コンタクトローラの円周速度はどんな場合にも、図1,2を参照して一般的に述べた、そして米国特許第4548366号に更に詳細に述べられているフードバック回路によって所定のレベルに維持されている。次にこのシステムは、与えられた巻取り条件の下で予備テストを行われ、フィラメントのタイプや太さ、紡糸仕上げ、巻取り接圧等を含む所与の巻取り・紡糸条件の下で最適なパッケージを形成するコンタクトローラの駆動のための条件が決められる。換言すれば、スリップの度合に関する詳しい知識がなくても、コンタクトローラの円周速度と該ローラを駆動するモータの速度を選ぶことによって、与えられた前記条件に対して、このシステムを完全に決めることができる。とにかく、システムの性能を評価するための重要な特性はローラ/パッケージの接触点におけるスリップの度合ではなく、該接触点での速度差の利用によって得られるパッケージ形成状態である。
【0044】
本発明のシステムの重要な特徴は、ローラ/パッケージの接触点の上流側の糸とコンタクトローラの表面の間でスリップが生じないことである。このことは、コンタクトローラの表面が、トラバースモーションをローラ/パッケージの接触点に伝達するための機構の一部として働くことから、重要である。
換言すれば、コンタクトローラの表面は、「糸要素」(即ち非常に短い糸部分)がパッケージ表面に置かれた瞬間における該糸要素の運動が、該「糸要素」がトラバース装置と直接協働していた時点にこれに与えられた運動によって実質的に決定されるようにするための機構における一つの部材として作動する。もしローラ/パッケージの接触点の上流側で糸とコンタクトローラ表面の間でスリップが生じるならば、パッケージ表面への糸の積層点での糸張力の制御は全く不可能となるであろう。
【0045】
回転部材と該回転部材の表面に接触する細長いエレメントとの間のスリップを回避するために満たされなければならない条件は、ロープ/プーリー及びベルト/プーリー駆動の場合についての数学的解析によって以前から確立されている。そうした解析の一つは、Macmillan Publishing Co.,Inc.発行、Aaron D.Deutschmann, Walter J.Michels及びCharles E.Wilson著の「機械設計」の663〜664頁に述べられている。この解析の結論を、回転部材をRM、細長いエレメントをEEで示した図3を参照して要約する。部材EEの一方の側における細長エレメントの張力はT1で表され、該エレメントの他方の側の張力はT2で表されている。前記部材RM上の前記エレメントEEの巻付き角は角Wで示されている。エレメントEEと部材RMの間の摩擦係数は、記号Fで表されている。基礎的な数学的解析によれば、エレメントEEと部材RMとの間にスリップが生じる直前の限界において、上に述べた各量に関して次の式が成り立つ。
【0046】
【数1】
【0047】
この式は1940年にBerlinにおいてJulius SpringerVerlagによって発行されたDipl.−Ing M.ten Bosch著の「機械要素講義(Vorlesungen ueber Maschinenelemente)」からとったものである。このドイツ人の参考書は遠心力を考慮した補助的な因子を含んでいる。
【0048】
図3による古典的な解析は、図1に示す各部分に対応する部分が同じ符号で示されている図4の模式的斜視図に描かれた仮想の作業条件で配置されたフィラメントワインダの場合に該当する。符号70はトラバースモーション36(図1)の糸ガイドを示す。このガイドは、図4に示すようにコンタクトローラ20の右端に向かう矢印72の方向に移動しつつある。ローラ20の表面の線74は、糸ガイド70に与えられるトラバースモーションによって糸32がローラ20の長さ方向に往復動するにつれて、糸32が最初にローラ20に接触する点の軌跡を表す。点線76は、糸がパッケージ30の最外側表面上に置かれる積層点の軌跡を示し、糸はパッケージ表面上に符号78で示した形状の積層パターンを描く。この積層パターンは、パッケージの各縁部に逆転領域80,82を含み、両者は直線の中間部分84で接続されている。各中間部分84とパッケージ表面にその回転軸に平行に延在する仮想線Lとで、角度Cが形成される。この角度Cは螺旋角と呼ばれ、パッケージ構造に大きな影響を与える重要な一つの巻取りパラメータであるいわゆる交差巻取り角の半分に等しい。該角Cは糸32がワインダに供給される速度に対する糸ガイド70のトラバース速度の比によって決められる。
【0049】
糸のコンタクトローラ20上の巻付き角Wはほぼ90°で表され、糸ガイド70への糸の接触点を含む平面における、線74,76とローラ20の軸16とを結ぶ二つの半径同士の間の角度で定義される。即ち、簡単化のために、糸ガイド70とパッケージ30の表面への糸の現在の積層点との間には、ローラ20の軸方向に傾きが存在しないものと仮定している。前述したように、こうした状況下では、図3に示すシステムに対して導かれた前記数学的解析は、図4に示すシステムについても同じように当てはまる。しかし、図4の模式図は実際の巻取り作業よりも簡略化されており、実際の状況は図5に示されたものの方に近い。
【0050】
図5でも、同じ部分を表すのに同じ符号が使用されている。図4との重要な差異は、糸ガイド70と糸がコンタクトローラ20と最初に接触する点FCの現在位置との間のいわゆる「引きずり長さ(drag length)」DLにある。この引きずり長さDLは、もはやコンタクトローラの軸22に垂直な平面内に含まれているとは仮定できない(図4と比較のこと)。
【0051】
その代わり、引きずり長さは、それ自身と最初の接触点FCにおけるコンタクトローラ20の表面への接線TGとの間で交差巻取り角を形成するものと仮定される。従って、最初の接触点FCと糸がパッケージ30の表面に移転する点との間でローラ20の表面に接触して巻かれている糸部分は前述の垂直面内には存在せず、ローラ表面の周囲の螺旋経路SPに従うものと仮定される。従って、ローラ20の上流側の糸張力とパッケージ30の表面層における糸張力との間の数学的関係は(糸とコンタクトローラ20の表面とのスリップが無いものと仮定して)、交差巻取り角の影響を表す項を含むように修正されなければならない。この交差巻取り角は、糸トラバース装置のトラバース速度を減少させることによって大きくすることができる。
【0052】
糸32が軌跡74と76(図4,5)の間でコンタクトローラ20の表面に搬送される条件は、本発明によって得られる張力調節の限界を決める。しかし、これらの条件は、これらの限界の範囲内で得られる実際の張力調節を決める。実際の調節の度合は、コンタクトローラ20とパッケージ30との接触領域において生じる条件によって決められる。図6〜9の模式図を参照してこれから説明するように、これらの接触条件は、所与の巻取り作業の途中で変動することは避けられない。すぐ判るように、図6,7はそれぞれ異なる縮尺で描かれている。図6では、所与のパッケージの巻取り作業の開始直後の状態を仮定している。従って、ボビン28表面に形成された糸層はこの図では見えない。ボビン28(その内部でボビンホルダ12によって支持されている)の表面とローラ20の表面とは、実際上、直接接触している。ボビンホルダ28の材料は、これらの状況の下では実際上非圧縮性であると仮定することが可能で、積層領域IRでは実質的に線接触が行われている。
【0053】
図7においては、巻取り作業の終わりの段階で、パッケージ直径が意図している最大寸法d(図7)に達する少し前における同じパッケージが示されている。図7のパッケージ30の外層はボビン28(図6)に比べて柔らかいので、コンタクトローラは接触領域においてパッケージ内に少し押し込まれて、接触領域に凹みを作っている。
【0054】
個々の巻取り作業で生じる凹みの程度は、ローラ/パッケージの接触点で発生する接圧とパッケージの硬度(密度)に応じて決まる。この凹みの存在が、接触領域におけるローラ表面とパッケージ表面の間のスリップが不可避であることを黙示している。このことは図8の調査から明らかであり、同図は図7の接触領域を拡大して模式的に表している。パッケージの凹んだ表面は点P,Qの間の円周速度を次第に減少させ、これに対応して点PとRの間の円周速度を増加させる。
【0055】
従って、ローラの表面速度を凹み領域内の全ての点においてパッケージの表面速度一致させることは不可能である。
【0056】
比較的簡単な手段によって、これらの外周面がローラの回転軸とパッケージの回転軸とを結ぶ線と交差する点Pにおけるローラとパッケージの円周速度の間の関係を研究することが可能である。特に、ローラの回転速度(rpm)、パッケージの回転速度、並びに前記両軸の間の距離(両者の離れ程度)を測定することが可能である。ローラの半径は判っているので(そして接圧の下でも変化しないものと推定されるので)、パッケージの回転軸から点Pまでの距離(即ち点Pにおけるパッケージの半径)を、これらの測定結果から導かくことができる。
【0057】
この測定結果とそれから導かれるデータに基づいて、ローラの円周速度と点Pにおけるパッケージの円周速度を計算することができる。研究の結果、次のことが判った。
【0058】
(a)ローラの円周速度は巻取り作業全体を通じて(制御システムの作用によって、予想された通りに)実質的に一定に保たれる。
【0059】
(b)一方、点Pでのパッケージの計算された円周速度は、ローラ先行の作業モードで「ゼロ設定」の場合には、一貫してローラの円周速度以下である。
【0060】
3500m/min〜4000m/minの範囲の供給速度(コンタクトローラの速度)で行われたテストにおける点Pでの計算された速度差は、ゼロ設定でローラ先行モードのテスト条件(圧力60N)の下では、0.5%〜1.5%の範囲の速度差である。
【0061】
これによって、たとえパッケージが円周方向の力をローラに伝達し始めるようにコンタクトローラの駆動手段の設定値を小さくしたとしても、点Pにおけるパッケージの円周速度はコンタクトローラの(一定の)円周速度よりは速くならない。実際、テストの測定結果は、点Pにおけるローラとパッケージの円周速度は、パッケージからローラへかなりの程度の円周方向力の伝達があった場合にのみ等しくなることを示している。
【0062】
図9に示すように、パッケージの各側壁領域は最大のパッケージ直径Dを有するが、パッケージの中央領域は小さい直径D1を有し、接触領域Iは互いに軸方向に離れた側壁領域とコンタクトローラ20との間でのみ形成される。図9では、側壁領域に対するパッケージの中央領域の凹みの程度が図を判りやすくする目的で誇張されているが、所与の巻取り条件に対する最大直径のパッケージも、程度は小さいがこの種の中央領域の緊張を示す。実際、可能な最大パッケージ直径を決めるものは、側壁領域に対するパッケージの中央領域の凹みの受入れ不可能な程度の外観である。本発明の目的は、糸切れやその他の理由のために巻取り作業を中断することなく、この限界条件を達成できるようにその他の巻取り条件を変更可能にすることにある。
【0063】
ローラ20とパッケージ30との間の接触領域におけるこれらの変更条件を勘案してこれは、巻取り作業の間、この領域で発生するスリップの程度を制御された(予めプログラムされた)やり方で変更可能にすることが望ましい。これは、先ず図6と7に示された条件と図9に示された条件との比較に基づいて行われる。巻取り作業の初期と中間段階(図6と7)においては、ローラ20はトラバースモーションの軸方向長さの全体にわたってパッケージ(ここでは、この表現はボビン28及び/又はそれに巻かれた糸層を含む)に接触している。パッケージ表面でのローラの差運動(differential motion)の影響は、パッケージの軸方向長さの全体にわたって実質的に均等である。しかし、パッケージが満管になると、差運動の影響は、実際にコンタクトローラ20に接触している側壁領域にだけ現れる。小さい方の直径を有するパッケージ領域によって生じる巻取り速度は満管パッケージの直径Dを有する側壁領域によって生じる巻取り速度より低いので、(少なくとも図9の模式図では)コンタクトローラとパッケージの最外層との間の接触のないパッケージの中央領域においては張力が少し低下する。
【0064】
従って、このシステムを、ワインダの上流側の糸とパッケージ表面に載せられた糸との間の糸部分をリラックスさせるように構成する場合には、ローラとパッケージの間で生じるスリップの影響を巻取り作業の初期から終期まで減少させ、図9に(誇張して)模式的に示されている影響に関連してパッケージの中央領域における糸のリラックスの度合を調整する必要がある。一方、接触領域での制御されたスリップの影響が、ワインダの上流側の糸張力よりもパッケージ表面の糸張力を増加させるように構成するには、この影響を巻取り作業の初期から終期まで増加して、図9を参照して説明したように生じる中央領域でのリラックスを許容する必要がある。
【0065】
これまでの説明は円筒状のコンタクトローラ20を仮定しているが、これは本発明の基本的な特徴ではない。「樽型(barrel−shaped)」のコンタクトローラを使用することも公知である。これらのローラ形状は共に本発明の機械に使用可能であるが、好ましい構成は、円筒状のローラ表面を有し、ローラがトラバース幅全体にわたって糸に均一な影響を及ぼすタイプのものである。
【0066】
コンタクトローラ20とパッケージ30の間の接触領域における状態は、相互に接触する表面の相対速度のみによって決められるものではない。これらの状態は、コンタクトローラ20とボビンホルダ12との間に働く接圧によっても決められる。接圧は、回転接触の状態の下で発生するスリップの程度に重大な影響を与えると言う事実が、前述の回転駆動システムの研究によって示された。従って、所与の巻取り作業に対して接触領域での状態を変えるには、接触表面同士の相対速度と両者間に生じる接圧の両方を適宜に制御することが必要である。フィラメントワインダにおいて接圧を発生させる装置は以前から知られているが、本明細書では詳細には述べない。しかし、補足のために、特に本発明に用いられるタイプの自動ワインダについて図10を参照して簡単に説明する。接圧の発生は、図10の説明中に簡単に示されるであろう。
【0067】
図1の説明中に既に使用された符号が、図10の同じエレメントを呼称するのに再び使用されている。図10には、フレーム10、コンタクトローラ20、トラバース装置36、巻き取られる糸32が示されている。しかし、図10に示されているワインダは、一対の片持ち式ボビンホルダ12,14を担持したターレット90を具え,使用時にそのそれぞれにボビン28を装着する自動式のものである。図10は、ボビンホルダ12のボビン上で巻取りが始まっている状態を示し,これらのボビン28はコンタクトローラ20に接触している。ボビンホルダ14の方は、少し前に巻取り位置から最下部の「待機」位置又は玉揚げ位置まで移動したばかりであり、後者の位置においてボビンホルダ14上の満巻パッケージ30がボビンホルダから取り外された(取り外し可能となった)状態を示す。今や巻取り位置にあるボビンホルダ12上での新パッケージの形成を早く行うために、これは、切替え作業が終わった後にできるだけ速やかに行われる必要がある。
【0068】
ターレット90は巻取り作業中は静止状態に維持され、従ってコンタクトローラ20とトラバース装置36は、新たに形成されるパッケージの直径の増加につれて垂直に上方に移動する必要がある。この目的のために、ローラ20とトラバース装置36は、ガイド96に沿って垂直移動可能な片持ち式キャリッジ94に担持されている。
【0069】
このキャリッジ94とこれに担持されているエレメントの重量によって生じる圧力は、コンタクトローラ20と巻取り位置でボビンホルダ上に形成されているパッケージとの間の接触領域において必要な接圧を発生させるには充分過ぎる。そこで、キャリッジの重量の一部は、点線で模式的に示されたピストン・シリンダユニット98によって軽減される。これらのピストン・シリンダユニット98は、図10に示す機械の左上部分の操作パネル102の背後に設けられたプログラム可能な制御ユニット100によって作動される。これには、Rieter Chemical Fiber Systemsによって販売されているモデルRIEMAT A6−09型ワインダが含まれる。
【0070】
ターレット90の回転によって一方のボビンホルダから他方のボビンホルダへの巻取りの切替えを円滑に行うための機構の更に詳細な説明は、Peter Busenhart,Ruedi Schneeberger,Beat Schefer及びBeat Hoerlerの名前で1992年7月2日に出願された米国特許出願第07/907557号に記載されている。コンタクトローラとパッケージとの間の接圧の発生を制御するための装置は、米国特許第5033685号に図示・説明されている。更に、このタイプのワインダにおけるコンタクトローラの取付けを可能にする装置が、米国特許第5004170号に記載されている。
【0071】
例示として、本発明の作業に適する機械の重要なデータを以下に示す。
巻取り速度の範囲 12,000 m/minまで
パッケージ径の範囲 600mmまで
コンタクトローラ径 50〜200mm
コンタクトローラの駆動トルク ±4NM(即ち4NMの駆動又は制動トルク)
(接圧を発生する)圧力の範囲 パッケージ当たり10N〜50N
前記巻取り速度範囲に対して
設定可能な交差巻取り角の範囲 35°まで
ボビンホルダの長さ 300mm〜2m
パッケージの最大軸長さ
(ボビンホルダ当たり一個のパッケージ) 1m
パッケージの最小軸長さ
(ボビンホルダ当たり8個のパッケージ) 40mm
【0072】
おおまかに言えば、図3について述べた関係は図10に示したタイプのシステムに直接当てはめることが可能である。図10に示したフィラメントのコンタクトローラ20への巻付き角Wは、約90°である。これはワインダ設計上の形状・寸法によって決められ、その形状・寸法を大幅に変更しない限りは大きく修正することはできない。フィラメントとコンタクトローラとの間の摩擦係数は、紡糸条件(例えばフィラメントの断面、ワインダの上流側での糸に対する潤滑剤その他の流体の付与、及び或る程度はコンタクトローラ自体の表面状態等)によって大きく影響を受ける。
【0073】
この解析によれば、実際の巻取り条件の下で、図10に示されたタイプのシステムにおいては巻取り張力に最大で糸張力の約1.7の比率の影響を与える、即ち巻取り張力を糸張力よりも最大で1.7倍増加させ、又は糸張力よりも最大で1.7分の1に減少させることが可能なことが判る。コンタクトローラからのフィードバック信号との比較のための設定値によって決められる所与の巻取り速度を維持しながら、コンタクトローラの駆動手段の設定値を選ぶことによって、巻取り張力をこの範囲内に制御することができる。
【0074】
コンタクトローラの駆動手段の設定値を大きくすることにより(即ち、図2の装置54の設定値を大きくすることにより)、コンタクトローラによってパッケージに与えられる円周方向の力が増加して、コンタクトローラとパッケージの間のスリップが大きくなり、パッケージの積層箇所での糸張力がワインダ入口での糸張力よりも減少する。同じように、この設定値を小さくすれば、パッケージの積層箇所での糸張力が、ワインダ入口における糸張力によりも増加する。
【0075】
コンタクトローラ20に直接作用する出力トルクを発生するモータは、インバータ46から給電を受ける非同期モータ24である。このタイプのモータの出力トルクとロータ速度とを結び付ける特性曲線が図11に示されているが、縦軸にはNmで表されたモータのトルクが、横軸にはモータの回転数が示されている。点線で表された箱型領域は、モータの物理的能力の限界、特に負荷状態でのこのタイプのモータから発生可能な最大トルクの限界を示している。図11は次のように解釈される。
【0076】
縦軸(出力トルク)は、コンタクトローラ駆動モータの無負荷速度において横軸(速度)と交差するが、この無負荷速度は(米国特許第4548366号の図6に説明されているように)所望の糸供給速度に等しく選定されることが望ましい。
【0077】
このモータ特性曲線が速度軸とトルク軸の交差点の下方で縦軸と交差すると言う事実は、コンタクトローラの駆動手段がたとえ無負荷状態であっても少しは通電されて、モータ損失、例えば風損や軸受損失等をこのモータの通電によって補償する必要があることを示している。従って、この想定された無負荷状態で、コンタクトローラ20はこれに接触しているパッケージ表面と同じ円周速度で回転し、パッケージとコンタクトローラの間では(いずれの方向にも)負荷の移転は行われない。
【0078】
上述のコンタクトローラ用モータの無負荷速度は、所与の値Hヘルツの供給周波数に対応している。
【0079】
接触領域での力の伝達が必要な場合には、コンタクトローラ用モータへの供給周波数を無負荷周波数以外の値、例えば(H+1)ヘルツに設定する必要がある。これによって、モータの特性曲線が、設定された供給周波数(H+1)での「同期」速度と交差するまで図10に示された位置よりも右方にずれる。
【0080】
しかし、コンタクトローラは、米国特許第4548366号に記載されたフィードバック回路によって決められた巻取り速度に等しい円周速度で作動し続けている。従って、コンタクトローラからパッケージ表面への力の実質的な移転が生じ、これが図11にOTで示されたコンタクトローラ駆動用モータの出力トルクで表されている。
【0081】
コンタクトローラの表面で生じる出力トルクは、コンタクトローラ20によってこれと接触しているパッケージに供給される円周方向の力の直接的な指標として取り上げることが可能である。なぜならば、コンタクトローラの直径は(巻取り作業の間に変化するパッケージの直径とは対照的に)常に一定だからである。この円周方向の力は、パッケージ表面の軸方向の長さを横切って(又は複数のパッケージがコンタクトローラに接する一本のボビンホルダ上で同時に形成される場合においては、ローラ20に接するすべてのパッケージの軸方向の全長を横切って)分布している。
【0082】
図11に示す関係の簡単な解析によって、所与のパッケージ上に作用可能な最大トルクを求めることができる。このトルクは、コンタクトローラ用駆動手段によって生じる実際のトルクと一本のボビンホルダ上で同時に形成されるパッケージの数の両方によって決まる。例えば、図11によれば、コンタクトローラ20が最大1.2Nmのトルクを発生し、巻取り位置にあるボビンホルダ上で同時に8本のパッケージが形成されている場合には、コンタクトローラによって各パッケージに与えられるトルクは、(コンタクトローラとボビンホルダの軸同士が平行であると仮定して)1個のパッケージ当たり0.15Nmである。同じボビンホルダ上で1個のパッケージのみが形成される場合には、コンタクトローラによってそのパッケージの表面に与えられる最大トルクは1.2Nmとなる。コンタクトローラの直径(半径)は一定なので、発生トルクに対応する円周方向の力は、パッケージ直径の増加につれて変化しない。
【0083】
しかし、図4,5に明らかに示されているように、パッケージ表面に新たに積層されたフィラメントは、コンタクトローラ20とパッケージ13の間に確立された全接触面の小さな部分を占めるのみである。どの瞬間にも、糸はコンタクトローラによって与えられる円周方向の力全体には「応答」せず、積層点におけるその力の局部的な効果に応答するだけである。従って、重要なのは円周方向の力全体(有効モータトルク)ではなく、コンタクトローラとパッケージとの接触領域の単位長さ当たりに生じる円周方向の力である。例えば、長さ900mmのボビンホルダは88mmの軸方向長さの8個のパッケージ又は410mmの軸方向長さの2個のパッケージを担持可能である。8個のパッケージに対して1.2Nmの有効トルク(即ちパッケージ当たりに0.15Nmのトルク)を与えることによって得られる張力効果は、(所与のフィラメントとその他の変わらない巻取り条件の下で)2個のパッケージに対して約1Nmの有効トルク(即ちパッケージ当たり0.5Nmのトルク)を与えることによって得られる張力効果とほぼ同じである。従って、コンタクトローラ用の周波数の設定の効果は、図9を参照して説明した理由によるパッケージとコンタクトローラとの間の有効「接触長さ」の緩やかな変化のために、巻取り作業の期間を通じて僅かに変化する。これが、巻取り作業の期間を通じて予めプログラムされた方式で張力調整のための設定値を修正する別の理由となる。(所与の速度設定に応じて発生した円周方向の力がその1個のパッケージの全長に沿ってほぼ均一に分布するように)1個のパッケージだけが形成されるか、又は複数のパッケージが形成されるか(その場合には所与の速度設定に関連する同じ円周方向の力が、ボビンホルダ上の隣接するパッケージ間の間隙に起因して実質的に減少した接触長さにわたって分布する)によって、このシステムの性能にも僅かな差異が存在する。
【0084】
糸の品質
糸品質の改善は本発明の主たる目的ではないが、それでも本発明は糸品質に若干の影響を与えると言うことを前に述べた。これに関して、巻取り作業の期間中に糸品質の劣化を生じさせる主な因子は、例えば図9の側壁領域等の限定された表面領域に作用する接圧であることを認識する必要がある。本発明は、前述の品質劣化の直接の原因であるサドル形状の出現をより遅らせることによって、平均糸品質を改善することに役立つ。この劣化は(それが前述の限界を越えて外に出た場合に)特に受入れ難いものとなる。なぜならば、パッケージの幅全体にわたって劣化の変動が見られ、次の工程のためにパッケージから巻戻された糸は、パッケージの始めから終わりまで均一な特性を示さないからである。
【0085】
作業に際して、コンタクトローラ20の回転速度を一定に維持して、コンタクトローラとパッケージとの接触領域に接近する糸に一定の張力を与えるようにしながら、通常のやり方で所与の糸の最初のテストパッケージが巻かれる。パッケージが少なくとも所定の最小直径、例えば400mmになるまで形成された後、巻取りを停止してパッケージの表面の外観を検査し、次のテストパッケージの巻取りの際にワインダを前述したように「パッケージ先行」モード又は「ローラ先行」モードのいずれで作動させるべきかを決める。パッケージ表面に隆起が生じた場合には、パッケージに入る地点での糸張力が低過ぎるので、次回の巻取り作業の際にはワインダを「パッケージ先行」モードで作動させるべきことを教えている。
【0086】
これによって、積層点での張力はワインダの入口での糸張力よりも増加する。こうして、隆起が消失するまで又は許容される張力調節の限界に達するまで、パッケージから(制動モードで作用する)コンタクトローラに駆動力が伝達されるように、コンタクトローラの設定値が調節される(図3〜5の説明を参照のこと)。後者の場合、所与の条件で糸を巻き取ることはできず、ワインダの上流側での調節が必要である。
【0087】
ここで、コンタクトローラ用駆動手段の設定値は、最大の張力調節が(コンタクトローラ上のスリップによって決められるように)駆動手段の設定値のみの調節によって、即ち接圧のような他の巻取りパラメータを補助的に変更することなしに達成できるような範囲にわたって調節可能なものと仮定する。ワインダ入口と積層点との間の張力増加以外の手段によって処理可能な欠陥に関する後述の検討から判るように、接圧自体は他の巻取り条件を勘案して独立して設定可能である。
【0088】
パッケージの外層の糸張力が低過ぎて「緩い」層が巻かれる場合には、パッケージの円筒表面に「隆起」が形成される。この場合には、(前述の通り)はっきりとした対策があり、巻取り張力を増加すればよい。次に検討されるべき欠陥は種々の因子の相互作用によって生じるが、この問題の対策の一つとして巻取り張力の変更が挙げられる。
【0089】
一連のパッケージの巻取りを行い、各パッケージの評価を行って、そのシリーズ内の次のパッケージを巻取る前に巻取りパラメータを調整可能とすることについて、次に説明する。それぞれの場合について「パッケージ」とは、(一回の巻取り作業で1本のボビンホルダ上に)同時に形成された一群のパッケージの一つを称する。次に説明中で言及する「パッケージ」から得られる結果は、一連のそのような作業における所与の巻取り作業の結果を意味する。
【0090】
パッケージ表面に隆起が形成されなかった場合には(即ち巻取り張力が所望のパッケージを形成するのに少なくとも適している場合には)、オペレータは目視によってパッケージを検査して、その他の円筒形からの歪み、例えばサドル形状(図13)又は側壁の膨れ(図14)の有無を調べる。このような円筒形からの歪みを処理するには、交差巻取り角及び/又は接圧を変更すればよいことが従来技術によって判っている。本発明は、所与の巻取り条件の下で生じたこの問題を処理する公知の方法と共に利用可能なもう一つの調整方法を与えるものである。
【0091】
受入れ難い形状の歪みが見出された場合、オぺレータは次の表1に示された手順を踏むことができる。
【0092】
【表1】
【0093】
(前記二つの問題の一方を解決するために、)「交差巻取り角」と「接圧」の二つの巻取りパラメータを調節すると他方の問題が誘発され易いので、これら二つのパラメータは形状の歪み又は欠陥の処理のための有効性の点では限度を有することが表1から判る。積層点における糸張力の減少のみが前記二つの欠陥に共に効果を有する。しかし、この積層点での糸張力の調節可能範囲は、コンタクトローラ上での糸のスリップを回避する必要性によって制限を受ける(図3,5及びこれに対応する説明を参照のこと)。
【0094】
最適なパッケージ形成を行うには、どんな場合にもコンタクトローラの駆動手段の設定値の変更と連携させて交差巻取り角と接圧を変更する必要がある。このことは、摩擦、従ってコンタクトローラ用モータの所与の速度によって発生せしめられた円周方向の力のレベルに対して接触領域に発生するスリップの程度に直接影響を与える接圧との関連で比較的容易に認識される。このように、(サドルを「潰す」操作において)接圧を増加させると接触領域での摩擦力が増加し、所与のコンタクトローラ用モータの設定での接触領域におけるスリップの程度が減少する。これによって、所与の設定で以前に得られた糸張力の影響が減少する。従ってコンタクトローラの駆動手段の設定値を引き続いて増加させると、接圧を変える前に用いた設定値を維持して得られた結果よりも良好な結果が得られる。
【0095】
所与の巻取り作業で発生する側壁の膨れを処理するための手順の一例は次の通りである。
【0096】
第1ステップでは、交差巻取り角を増加し、それに従って第2パッケージが巻かれて検査される。
【0097】
膨れが消失しない場合には、他の事柄(例えば後続工程でのパッケージの用
途等)がこの変更によって影響を受けないならば、交差巻取り角を再び増加する。交差巻取り角を更に変更することが許容されない場合、または望ましくない場合には、積層点における糸張力をワインダ入口における糸張力よりも減少させるために、コンタクトローラの装置54の設定値を大きくすることによってオペレータはステップ(ii)に進む。いずれのステップが選ばれても、第3のテストパッケージが形成され、(目視検査によって)評価される。
【0098】
第3パッケージでも側壁の膨れがまだ受入れ難い場合には、オペレータは更に巻取り張力を減少させるか、又は第3ステップ(接圧の変更)に進む。そして第4のテストパッケージが形成され、目視検査される。
【0099】
第4パッケージがなお受入れ難い形成状態の場合には、前述の巻取りパラメータの再調整が行われる。これらの変更がその限度に達しても、なお膨れが残った場合には、「巻取り条件」自体の変更が必要となる。
【0100】
表1に挙げられた一連のステップ(i),(ii),(iii)は、調節を行う際の好ましい且つ最初に推奨される順番を示す。しかし、実際の場合は、周囲の状況の知識に基づいてオペレータによって評価される必要がある。サドル形成の処理に関する手順は、側壁の膨れについて述べたことと同じである。しかし、好ましい調整の順番は、表Iに(i’),(ii’),(iii’)で示したように難しい。
【0101】
前記手順は、テストパッケージの巻取りの際に巻取りパラメータを一定に維持することを要求していない。むしろ、例えば接圧等のパラメータは、所定のパッケージ径に達した時などにパッケージの形成中に変更してもよい。即ち、特別なタイプの糸の巻取りのためには、テストパッケージの巻取りの最中に巻取りパラメータの一つ(又はそれ以上)を変更することが望ましい。
【0102】
この作業モードでは、各巻取りパラメータに対して(又は少なくとも変更可能な巻取りパラメータに対して)「パターン」が確立されている。この問題パラメータは、巻取り作業の始めから終わりまでこの所定のパターンに従って変化する。前述した三つの巻取りパラメータ、即ち交差巻取り角、接圧、(ワインダ入口での張力に対する)巻取り張力のそれぞれは、予め設定されたパターンに従ってこのように変化可能である。このパターンには、巻取りの進行につれて連続的にパラメータを変化させるものもある。しかし、パターンをステップ状に変化させるものが好ましく、これは(例えば)いわゆる段階的精密巻きパッケージの巻取りに既に採用されている。
【0103】
パッケージ形成の期間を通じてパッケージの積層点における糸張力を変化させる理由の一つについては、図9を参照して説明した。実際、巻取り条件によっては、コンタクトローラの設定値をパッケージ形成の期間を通じて変化させ、一定の張力調節の効果を得るようにする必要がある。パッケージ直径が変化するにつれて、たとえコンタクトローラの設定値と接圧が一定に維持されていても、コンタクトローラによって発生する凹み(図8)の影響に変化が生じる。この影響はパッケージの成長に伴うパッケージ密度の変化にも起因しているので、予測不可能である。それぞれの場合において、物理的な影響を補償するために、プログラムされた変化率が経験的な評価によって例えば一定の張力調節効果が得られるように修正される。
【0104】
前記パターンはパッケージの直径の関数として決められることが望ましい。なぜならば、最近のワインダでは、パラメータの直径は普通に測定されているからである。しかし、これは本質的なことではない。例えば、このパターンは時間の関数として決めることも可能である。なぜならば、パッケージを巻くのに要する時間は計算も可能だし、経験的にも容易に決定可能だからである。
【0105】
膨れとサドル形成の割合を小さくするための巻取りパラメータの最適な設定値が決まると、この特定の糸のためのそれ以降のすべての巻取り作業は、この最適設定値に基づいて行われる。
【0106】
前述の手順は、円筒形からの歪みの発生比率を減少させ、所与の巻取り条件の下で、この手順によらない場合に得られるものよりも大きな直径のパッケージを形成可能であることが判るであろう。
【0107】
上の説明では、オペレータによる目視検査に基づく手順について述べた。後述するように、この検査を自動的に行うことも可能である。特に図1又は図10に示すタイプのフィラメントワインダには、ワインダの性能を自動的に調節する方法を採用可能である。本発明のこの態様では、ワインダは、巻取り作業で製造されたパッケージの評価に基づいて所定の巻取りパラメータを調節するように構成された制御装置を具えている。このワインダは、更に、巻取り作業でワインダによって製造されたパッケージを評価し、これに対応する一つの信号又は一群の信号を前記制御装置に供給する評価手段を具えている。しかし、個々のワインダにパッケージ評価手段を設けなくてもよい。一群のワインダからのパッケージを一つの共通の評価ステーションに供給し、そこから評価信号を各ワインダに伝達するようにしてもよい。しかし、この場合、各ワインダのパッケージを評価ステーションで生成した信号と整合させて、これら信号が適正なワインダに戻されるようにする必要がある。
【0108】
それ故、好適実施例によれば、各ワインダは形成されたパッケージの状態に応答するように構成されたそれ自身の評価手段を具えている。この種の装置においては、各巻取り作業の途中で行われるパッケージの評価に基づいて巻取りパラメータを変更することを意図してはおらず、これらのパラメータは、前の巻取り作業の結果に基づいて、新たな作業の開始前に修正される。例えば図10に示すタイプのワインダで、自動的に一つの巻取り作業から次の巻取り作業へ切り換えるように構成されているものでは、評価手段は例えば玉揚げ位置即ち待機位置の領域に設けられ、満管パッケージがこの位置に到達するとすぐにパッケージの状態に応答するように構成されている。得られた信号はワインダの制御手段に供給され、次の巻取り作業が開始される前に巻取りパラメータが変更される。
【0109】
本発明の第1態様の説明と同様に、この評価手段はパッケージ形成(パッケージ構造)に基づいてパッケージの状態を評価するように構成されることが望ましい。特に、一方では(図9を参照して述べたような)サドルの形成を評価し、他方ではパッケージの側壁の脹らみを評価することが可能である。この目的のための評価手段は公知の光学的画像分析技術に基づいている。
【0110】
一例として、図12,13,14を参照して本発明の第2態様の実施例を説明する。図12は図10に示したものと基本的に同じワインダの斜視図を示し、同じ部品を示すのに同じ符号を使用している。従って、図12のワインダは、フレーム10,垂直に往復動可能なキャリッジ94及びターレット上に取付けられた一対のボビンホルダ12,14を具えている。これから説明する特徴にとって重要ではないので、図12には後者(ターレット)は示されていないが、いずれにしても図10の構成から明らかであろう。
【0111】
図12のワインダは、更に、玉揚げ位置にあるボビンホルダ(図12のボビンホルダ14)に平行にフレーム10から延びる細長い中空のキャリアエレメント104を具えている。キャリアエレメント104は、各巻取り作業で製造された4個のパッケージにそれぞれ対応する四つのパッケージ構造評価装置106を担持している。各評価装置106は、キャリアエレメント104の内部を通ってフレーム10の中まで延在する(図示しない)リード線によって、制御ユニット100(図10)に接続されている。
【0112】
各評価装置106は、図13及び14にそれぞれ示されているようなパッケージ構造の二つの欠陥を評価するように構成されている。図13,14のそれぞれは、実線で所定の最大直径Dと軸方向長さLを有する「完全」パッケージ30を示している。サドル形成については、図13に示し(且つ図9を参照して前に述べ)たように、完全形状からの決定的な歪みが見られる。このことは、パッケージの中央部分の直径が完全パッケージ形状よりΔDだけ小さいことを意味している。パッケージ側壁の脹らみの形のパッケージ欠点の場合には、ボビン28とパッケージの円筒状外表面との間の中間点におけるパッケージの軸方向の有効長さが、所定の長さLよりもΔLだけ長くなっている。
【0113】
公知の光学的画像技術によって、(例えばΔD/D−100%で規定された)サドル形成の度合と、(例えばΔL/L−100%で規定された)膨れの度合の両者を決定し、これに対応する信号を制御ユニット100に提供することが可能である。
【0114】
図13と14に示したパッケージ欠点は、基本的に三つの巻取りパラメータによって決められる。即ち、
(接圧を発生させる)圧力
交差巻取り角
パッケージ上の積層点での糸張力
【0115】
これらの巻取りパラメータのすべては、制御ユニット100の制御下にある。交差巻取り角は、例えば糸ガイド70(図4,5)の軸方向トラバース速度を糸32の送り出し速度に対して制御することによって、制御可能である。パッケージ上の積層点での糸張力は、接圧と、図1〜11を参照して説明したコンタクトローラの駆動手段の設定によって制御可能である。
【0116】
制御ユニット100は、例えば次のような形式の制御機能を持つようにプログラムされている。
ΔD=F1(C,CP,TT)及び
ΔL=F2(C,CP,TT)
ここでF1とF2は関数関係を示し、Cは交差巻取り角(図4,5を参照のこと)であり、CPは接圧、TTは糸張力を示す。
【0117】
制御ユニット100は、一連の巻取り作業から得られるΔDとΔLの実際の値を記憶し、この一連の値を解析して傾向(又は傾向がないことを)を知る。そして、前記三つの巻取りパラメータを調節して、引き続く巻取り作業のために得られるΔD及びΔLの値を可能な限り小さくするように、ワインダが自己調節(自己最適化)される。
【0118】
ワインダは、最初のパッケージの評価がパッケージ形成に問題ありと指摘した場合には、第1と第2のテストパッケージの巻取りの間に巻取りパラメータの設定値を変更するように構成されていることが望ましい。その後に、ワインダは自動的に一連の巻取り作業の評価を行い、パッケージ形状の歪みの傾向を検出し、巻取りパラメータを手動で変更する。
【0119】
自動的に検出可能なその他のパッケージ欠陥は、糸がパッケージの端を越えてパッケージの側壁と交差して延在する場合に発生する、いわゆる「耳落ち」である。これは、交差巻取り角を変更することで修正される。耳落ちを検出するセンサがドイツ公報DE−3718616,DE−3718616とDE−4211985に開示され、その開示内容は参考として組み込まれている。
【0120】
本発明をその好適実施例との関連で述べたが、当業者ならば、特には記載されていない付加、修正、代替及び省略が本発明の要旨並びに特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく行えることが判るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】米国特許第4548366号に開示されている本発明に好適に使用されるフィラメントワインダの模式的側面図である。
【図2】同じくその制御系のブロックダイアグラムである。
【図3】回転体からこれに接触している細長い部材に対する力の移転の古典的理論を示す模式図である。
【図4】図3の古典的理論を本発明のワインダに適用する場合の模式図である。
【図5】本発明のシステムにおける実際に近い状態を示す模式図である。
【図6】巻取り作業の初期の段階での状態を示す模式図である。
【図7】同じく巻取りが進行した段階での状態を示す模式図である。
【図8】図7の拡大詳細図である。
【図9】同じ巻取り作業でのパッケージの形成の完了時の状態を、図6,7に対して直角方向に見た模式図である。
【図10】本発明に使用されるワインダの好適な形式を示す模式図である。
【図11】図9に示すワインダのコンタクトローラ用駆動モータのトルク/速度特性曲線である。
【図12】本発明の第2の態様のワインダの模式的斜視図である。
【図13】パッケージ形成の第1評価基準を示すパッケージの側面図である。
【図14】パッケージ形成の第2評価基準を示すパッケージの側面図である。
【符号の説明】
10 フレーム
12,14 ボビンホルダ
18 ボビンホルダ用モータ
20 コンタクトローラ
28 ボビン
30 パッケージ
32 糸
42,44 タコジェネレータ
46,48 インバータ
50,52 レギュレータ
54,56 設定装置
60 タイマ
Claims (14)
- 糸パッケージ(30)を支持するボビンホルダ(12,14)と、該ボビンホルダ(12,14)上の糸パッケージ(30)の外周面に接触するコンタクトローラ(20)と、糸(32)をその走行方向を横切って綾振りして円筒形パッケージ(30)を形成するために糸の走行方向に関して前記コンタクトローラ(20)の上流側に設置されたトラバース装置(36)とからなり、糸(32)はパッケージ(30)に達する前に少なくとも部分的にコンタクトローラ(20)を巻回するワインダであって、
前記ボビンホルダ(12,14)をその長手方向軸を中心に回転駆動する第1駆動手段(18)と、
前記コンタクトローラ(20)をその長手方向軸を中心に回転駆動する第2駆動手段(4)と、
コンタクトローラ(20)を所定の回転速度に維持しながら、該コンタクトローラ(20)と前記ボビンホルダ(12,14)上のパッケージ(30)との間に作用する円周方向の力を調節可能に制御する第1制御手段(100,54,46)と、
前記コンタクトローラ(20)と前記パッケージ(30)との間の接圧を調節可能に制御する第2制御手段(100,98)と、
前記パッケージ(30)上の糸(32)の交差巻取り角を変化させるために、トラバース装置(72)の綾振り速度を調節可能に制御する第3制御手段(100,36)とからなるワインダにおいて、
巻取り作業を行うワインダによって製造されたパッケージ(30)の評価に基づいて、所定の巻取りパラメータを調節するようにプログラムされた制御装置(100)であって、前記評価手段は、円筒形からのパッケージの歪を検査することを特徴とするワインダ。 - 前記制御装置(100)は、耳落ち、サドル形成(12図)、及び側壁の膨れ(13図)を含む歪に応じて、所定の巻取りパラメータを調節することができるようにされることからなる請求項1に記載のワインダ。
- 前記所定の巻取りパラメータは、コンタクトローラ(20)とパッケージ(30)との間の接圧、及び/又はパッケージ(30)上の糸(32)の交差巻取り角を変更するためのトラバース装置(36)の綾振り速度、及び/又はパッケージ(30)上のコンタクトローラ(20)により作用する円周方向の力とからなる請求項1又は2に記載のワインダ。
- 巻取り作業の間に製造されるパッケージ(30)を評価し、これに対応する一つの信号又は一群の信号を前記制御手段(100)に提供する評価手段を備えている請求項1乃至3の何れかに記載のワインダ。
- 一つの巻取り作業から次の巻取り作業への自動切替えを行うように構成されている請求項4に記載のワインダ評価手段(106)であって、前記評価手段が玉揚げ位置の領域に設けられ、満管パッケージ(30)が該位置に到達したときに該パッケージの状態を評価するように構成されている請求項4に記載のワインダ。
- パッケージの円筒形からの歪を自動的に検出する検出手段を備えている請求項1乃至5の何れかに記載のワインダ。
- 前記検出手段は、パッケージの直径の長手方向の変動を検出する第1手段と、パッケージ(30)の側壁の膨れを検出する第2手段とからなる請求項6に記載のワインダ。
- 巻取り作業中にワインダで製造されるパッケージ(30)の評価に応じて所定の巻取りパラメータを調節する制御装置を備えたワインダにおいて、ワインダの動作を自動的に調整するためにパッケージを自動的に検査する請求項1乃至7の何れかに記載のワインダ。
- ワインダはさらに巻取り作業中に製造されたパッケージを評価し、これに対応する一つの信号又は一群の信号を制御手段に提供する評価手段を備えた請求項8に記載のワインダ。
- 一群のワインダからのパッケージが共有の評価ステーションに供給された場合、評価信号又は評価信号群が評価ステーションから各ワインダに伝達し、各ワインダのパッケージを前記評価ステーションで生成した信号と整合させて、これらの信号が適正なワインダに戻されるようにされている請求項9に記載のワインダ。
- 前記評価手段は、パッケージ形成(パッケージ構造)に基づいてパッケージの状態を評価し、特に、一方ではパッケージのサドル形成を評価し、他方ではパッケージの側壁の膨らみを評価し、この目的のための評価手段は光学的画像分析技術に基づいており、サドル形成については、パッケージの中央部分の直径Dが完全パッケージ形状よりΔDだけ小さく、パッケージの側壁の膨れについては、パッケージの軸方向の有効長さが所定の長さよりΔLだけ長くなっている請求項4乃至10の何れかに記載のワインダ。
- 前記光学的画像分析技術において、サドル形成度(例えばΔD/D−100%で定義される)とパッケージの側壁の膨らみ度(例えばΔL/L−100%で定義される)とを決定し、制御装置(100)に対応する信号を提供することができる請求項11に記載のワインダ。
- 前記制御装置は一連の巻取り作業で得られたΔDとΔLの実際の値を記憶し、この一連の傾向値(又は傾向がないこと)を解析し、前記三つの巻取りパラメータを調節して、引き続く巻取り作業のために得られるΔDとΔLの値を可能な限り小さくするように、ワインダが自己調節(自己最適化)される請求項11又は12に記載のワインダ。
- ワインダは、最初のパッケージの評価がパッケージ形成に問題ありと指摘した場合は、第1と第2のテストパッケージの巻取りの間に巻取りパラメータの設定値を変更するように構成され、その後にワインダは自動的に一連の巻取り作業の評価を行い、パッケージ形状の歪の傾向を検出し、巻取りパラメータを変更する請求項13に記載のワインダ。
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