JP3632450B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源を整流した直流電圧で駆動されるインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インバータ装置は、図15に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図に示すように、交流電源1は、100V60Hzの商用電源で、交流電源1を整流器2により整流し直流を出力する。整流器2の出力にコンデンサ回路3およびインバータ回路4を接続し、インバータ回路4に制御回路5を接続するとともに、インバータ回路4の出力に3相の電動機6を接続している。交流電源1の端子bと整流器2の入力端子dの間に、電源スイッチで構成した開閉手段7を接続している。
【0004】
整流器2は、4本のシリコンダイオード8、9、10、11をブリッジに接続した構成としており、コンデンサ回路3は、インバータ回路4の入力にリプルの小さい直流電圧を供給し、電動機6を安定して回転させるために、2個の大きな静電容量(数100μF)の電解コンデンサ13、14の直列回路とし、その接続点を整流器2の入力端子dに接続している。
【0005】
インバータ回路4は、いずれも絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ(IGBT)を使用したスイッチング素子15、16、17、18、19、20およびそれぞれのスイッチング素子に並列に接続したダイオード21、22、23、24、25、26で構成している。電動機6は、3相に対応した電機子巻線27、28、29を有している。
【0006】
ここで、ダイオード21〜26は、スイッチング素子15〜20がオフした際に、電機子巻線などのインダクタンス成分に蓄えられた磁気エネルギーを、回生電流をコンデンサ回路に流すことにより、オフしたスイッチング素子に印加される電圧を、コンデンサ回路3から入力される直流電圧以下に抑える作用をするもので、電動機を安定に駆動するため、通常のインバータ回路はこのような構成となっている。
【0007】
また、チョークコイル30は、交流電源1の端子aと整流回路2の入力端子cの間に接続された5mHのインダクタンスを有するもので、インバータ装置に流れ込む電流のピーク値を抑え、また交流電源1から見た力率を改善し、また電源高調波を低減させる作用をするものである。
【0008】
また、開閉手段7は、インバータ装置を使用しない場合には、オフとされ、整流器2、コンデンサ回路3、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給を停止し、装置を使用する際にはオンとし、整流器2、コンデンサ回路3、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給をするものである。
【0009】
以上の構成において、コンデンサ回路3を構成するコンデンサ13、14に、それぞれ約140Vの直流電圧が充電され、インバータ回路4に対しては約280Vの直流電圧が供給される一般に倍電圧整流回路として動作する。
【0010】
すなわち、交流電源1の端子aが端子bに対して正の電位となる瞬時においては、ダイオード8を経て、コンデンサ13が充電され、逆に交流電源1の端子aが端子bに対して負の電位となる瞬時においては、ダイオード9を経て、コンデンサ14が充電される。
【0011】
制御回路5は、スイッチング素子15〜20を順序よくオンオフ制御することにより、電動機6の電機子巻線27〜29には、交流が出力され、回転し機械的負荷に対して動力を供給するものとなっている。
【0012】
図16は、従来のインバータ装置の第2の例の回路図である。図16においては、電源スイッチで構成した開閉手段7が、交流電源1の端子aの側に設けられている点において、図15と異なるが、その他の構成は図15と全く同じであり、インバータ4、制御回路5、電動機6の動作も同じである。
【0013】
図16においても、開閉手段7は、インバータ装置を使用しない場合には、オフとされ、整流器2、コンデンサ回路3、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給を停止し、装置を使用する際にはオンとし、整流器2、コンデンサ回路3、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給をする。
【0014】
図17は、従来のインバータ装置の第3の例の回路図である。図17においては、コンデンサ回路31を電解コンデンサ32の1個のみで構成した点において、図15と異なるが、その他の構成は図15と同じである。
【0015】
図17においては、一般に全波整流と呼ばれる動作が行われ、コンデンサ32には、約140Vの直流電圧が充電される。すなわち、交流電源1の端子aが端子bに対して正の瞬時においては、ダイオード8、11を経てコンデンサ32に充電がなされ、逆に端子aが端子bに対して負の瞬時においては、ダイオード9、10を経てコンデンサ32に充電がなされる。
【0016】
図17においても、開閉手段7は、インバータ装置を使用しない場合には、オフとされ、整流器2、コンデンサ回路31、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給を停止し、装置を使用する際にはオンとし、整流器2、コンデンサ回路31、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給をするものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1〜第3の従来のインバータ装置においては、いずれも交流電源1に接続された開閉手段7をオフにしている状態、すなわち装置を使用せず、コンデンサ回路3、31を構成する各コンデンサに電圧が無い状態において、例えば、装置を構成する電動機6が水に浸かるなどの状態となった場合、交流電源1の端子a、bのいずれが接地側になるかによって、コンデンサへの充電電流が漏洩電流となって流れる場合があるという課題を有していた。
【0018】
ここで、コンデンサは、インバータ回路4および電動機6を安定して動作させるため、大きな静電容量を有するものを使用していることから、充電電流による漏電電流が長時間流れ続け、人体にその電流が流れた場合、電流×時間が大となることから危険度が大きいものとなる。
【0019】
すなわち、一般に交流電源1は、柱上変圧器において、その一端が接地工事されており、家庭のコンセントに装置の電源プラグを差し込む際には、そのいずれもが接地側となりうるものとなり、プラグの向きによっては、漏電電流が発生する。
【0020】
図18と図19は、図15に示す第1の従来例において、交流電源1の端子bが接地(大地に接続された状態)で、インバータ回路4から電動機6に接続されている端子の1つであるU端子において、大地との間に導通が生じた場合の電流経路を示している。
【0021】
図18においては、交流電源1は端子aが端子bに対して正の電位となっている状態であり、チョークコイル30、ダイオード8、ダイオード24等を通じて、コンデンサ13、14を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、要するにダイオード24〜26のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0022】
図19においては、交流電源1は端子aが端子bに対して負の電位となっている状態であり、チョークコイル30、ダイオード9、ダイオード21等を通じて、やはりコンデンサ13、14を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、要するにダイオード21〜23のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0023】
なお、第1の従来例において、交流電源1の端子aが接地されている場合には、交流電源1の端子漏電電流は発生しない。
【0024】
図20と図21は、第2の従来例において、交流電源1の端子aが接地された状態で、インバータ回路4から電動機6に接続されている端子の1つであるU端子において、大地との間に導通が生じた場合の電流経路を示している。
【0025】
図20においては、交流電源1は端子aが端子bに対して正の電位となっている状態であり、ダイオード11、ダイオード21等を通じて、コンデンサ13、14を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、要するにダイオード21〜23のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0026】
図21においては、交流電源1は端子aが端子bに対して負の電位となっている状態であり、ダイオード10、ダイオード24等を通じて、やはりコンデンサ13、14を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、要するにダイオード24〜26のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0027】
なお、第2の従来例において、交流電源1の端子bが接地されている場合には、交流電源1の端子漏電電流は発生しない。
【0028】
図22と図23は、第3の従来例において、交流電源1の端子bが接地された状態で、インバータ回路4から電動機6に接続されている端子の1つであるU端子において、大地との間に導通が生じた場合の電流経路を示している。
【0029】
図22においては、交流電源1は端子aが端子bに対して正の電位となっている状態であり、チョークコイル30、ダイオード8、ダイオード24等を通じて、コンデンサ32を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、要するにダイオード24〜26のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0030】
図23においては、交流電源1は端子aが端子bに対して負の電位となっている状態であり、チョークコイル30、ダイオード9、ダイオード21等を通じて、やはりコンデンサ32を充電するため、この充電電流が漏電電流となる。また、U相以外、(V相、W相、中性点N)で大地との間に導通が生じた場合においても同様であり、例えば中性点Nと大地間に導通が生じた場合には、さらに電動機6の電機子巻線27を経由して漏電電流が流れるという違いがあるだけである。
【0031】
要するにダイオード21〜23のいずれか、もしくは複数を通って漏電電流が流れる。
【0032】
なお、第3の従来例において、交流電源1の端子aが接地されている場合には、交流電源1の端子漏電電流は発生しない。
【0033】
また、第1、第2の従来例において、チョークコイル30を挿入する位置については、交流電源1のa側に接続しているが、b側に接続してもよいが、いずれの場合においても、コンデンサ13、14への充電電流が流れることには変わりはなく、したがって漏電電流が発生するという現象についても同様となる。
【0034】
また、第3の従来例においても、チョークコイル30を挿入する位置については、交流電源1のa側に接続しているが、b側に接続してもよく、また整流器2の出力端子に直列に接続することもできるが、これに関してもいずれの場合においても、コンデンサ32への充電電流が流れることには変わりはなく、したがって漏電電流が発生するという現象についても同様となる。
【0035】
以上のように従来のインバータ装置においては、装置を使用せず、開閉手段7をオフとしているときに、装置を構成するインバータ回路4または電動機6などが水没等により大地との間に導通した際、交流電源1の端子のいずれが接地されているかによっては、コンデンサ回路を構成するコンデンサへの充電電流が流れ、漏電電流が発生するものであり、その漏電電流の経路に人体が入ることもあることから、感電の心配があるという問題を有していた。
【0036】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、装置を使用しないとき、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、コンデンサ回路への充電電流を発生させず、漏電電流をなくして、安全なインバータ装置を実現することを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、交流電源を整流する整流器の出力に、少なくとも1個のコンデンサを有するコンデンサ回路とインバータ回路を接続し、インバータ回路に制御回路を接続するとともに、インバータ回路の出力に電動機を接続する。交流電源の一方の端子と整流器の一方の入力端子の間に第1の開閉手段を接続し、コンデンサ回路に第2の開閉手段を直列接続し、コンデンサ回路の両端の電圧を検知する直流電圧検知回路により第2の開閉手段のオープン、あるいはショート故障を検知するようにしたものである。
【0038】
これにより、装置を使用しないとき、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、コンデンサ回路への充電電流を発生させることがなく、漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、交流電源と、前記交流電源を整流する整流器と、前記整流器の出力に接続した少なくとも1個のコンデンサを有するコンデンサ回路とインバータ回路と、前記インバータ回路に接続した制御回路と、前記インバータ回路の出力に接続した電動機と、前記交流電源の一方の端子と前記整流器の一方の入力端子の間に接続した第1の開閉手段と、前記コンデンサ回路に直列接続した第2の開閉手段とを有し、前記制御回路は前記コンデンサ回路の両端の電圧を検知する直流電圧検知回路により前記第2の開閉手段のオープン、あるいはショート故障を検知するようにしたものであり、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができる。
【0040】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、第2の開閉手段は制御回路によりオンオフ制御が可能であり、前記制御回路は、インバータ回路を停止した後、前記第2の開閉手段をオフに制御し、その後直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のショート故障を判定するようにしたものであり、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができ、その上インバータ装置の使用中には、直流電圧検知回路によりインバータ回路の入力電圧値が検知できるとともに、第2の開閉手段のショート故障を起こした場合、制御回路が第2の開閉手段をオフさせた後にもコンデンサ回路電圧が低下しないことから故障の判定を行うことができる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、第2の開閉手段が正常である場合、制御回路は、オフ状態となっている前記第2の開閉手段を再びオンさせるようにしたものであり、コンデンサ回路には、再び第2の開閉手段を通じて充電電流が供給され、印加される電圧を通常の値に戻すことができる。
【0042】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、制御回路は、第1の開閉手段がオンされ、第2の開閉手段もオン制御されている期間に、直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のオープン故障を判定するようにしたものであり、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができ、その上インバータ装置の使用中には、直流電圧検知回路によりインバータ回路の入力電圧値が検知できるとともに、第2の開閉手段の出力接点のオープン故障時にはコンデンサ回路の電圧が正常時よりも低いことを検知することにより、故障の判定をすることができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
(実施例1)
図1に示すように、コンデンサ回路33は、高電位側に設けた第1のコンデンサ(コンデンサ)34と、低電位側に設けた第2のコンデンサ(コンデンサ)35を直列に接続して構成しており、第1のコンデンサ34と第2のコンデンサ35は、560μFの静電容量を有し、250Vの耐圧を有する電解コンデンサにより構成している。
【0045】
第1の開閉手段36は、交流電源1の端子bと整流器2の入力端子dの間に設けている。また、整流器2の入力の内の第1の開閉手段36が接続されている側の端子dと、第1のコンデンサ34と第2のコンデンサ35との接続点eを接続している。
【0046】
第1の開閉手段36は、駆動電流が供給されることにより接点がオンし、駆動電流の供給を止めることにより、オフして遮断することのできる第1のリレー37の出力接点と、起動回路38の並列回路によって構成されており、起動回路38は、モーメンタリスイッチを用いた電源入りスイッチ39と、68Ωの抵抗値を持ち、5Wの電力定格を有する金属酸化物皮膜形の抵抗40の直列回路で構成している。
【0047】
第1の開閉手段36は、インバータ装置を使用しない場合には、オフとされ、整流器2、コンデンサ回路33、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給を停止し、装置を使用する際にはオンとし、整流器2、コンデンサ回路33、インバータ回路4などの各構成要素に対して電圧の供給をする。
【0048】
第2の開閉手段41は、第1のコンデンサ34に直列に接続され、駆動電流を供給することにより出力接点がオンとなる第2のリレー42によって構成している。
【0049】
また、チョークコイル30は、交流電源1の端子aと整流回路2の入力端子cの間に接続された5mHのインダクタンスを有するもので、インバータ装置に流れ込む電流のピーク値を抑え、また交流電源1から見た力率を改善し、また電源高調波を低減させる作用をする他、装置の電源を投入する際のインラッシュ電流を抑えるという作用も有している。
【0050】
制御回路43、インバータ4の制御を行う他、第1のリレー37、第2のリレー42の制御を行うもので、スイッチング電源44は、b端子から15.7Vが、c端子から5Vの直流電源が供給される。スイッチング電源44の入力端子aは、第2のコンデンサ35のプラス端子に接続されている。
【0051】
スイッチング電源44は、a端子とd端子の間を入力としていることから、スイッチング電源44は第2のコンデンサ35の両端から直流電圧を供給される構成としている。
【0052】
スイッチング電源44は、図2に示すように構成している。図2において、入力端子はa端子とd端子間となっており、この間に約140Vの直流電圧が入力される。また、b端子とc端子は、いずれもスイッチング電源44の出力端子であり、b端子とd端子間には15.7Vの直流電圧が出力され、またc端子とd端子間には5Vの安定化された直流電圧が出力され、制御回路43に電源供給を行っている。
【0053】
バイパスコンデンサ45は、0.033μFの静電容量を有するメタライズドポリエステルコンデンサであり、入力の直流電圧のノイズ防止とサージ電圧の吸収用として直流の入力端子間に挿入され、より高周波におけるインピーダンスの低下を行わせている。高周波トランス46は、フェライトによって構成したコアで磁路を形成するとともに、その磁路の一部にギャップを設け、そのまわりに各コイルを巻いて構成している。
【0054】
スイッチング電源制御IC47は、f端子とGND間に内蔵しているスイッチング素子を100kHzのほぼ一定した周波数でオンオフさせ、かつスイッチング素子のオン期間の比率は、e端子とGND間の電圧がほぼ一定値(6V)となるようにフィードバック制御する。また、同時にf端子に流入する電流により、IC内部の回路電源も供給している。
【0055】
ファストリカバリダイオード48、49、50、51は、高周波トランス46の2次側から100kHzの高周波を整流し、定電圧ダイオード52は、b端子からの出力電圧が15.7Vの状態において、スイッチング電源制御IC47のe端子の電位が前記の一定電圧に等しくなるようにするために接続している。
【0056】
電解コンデンサ53はe端子に接続して上記フィードバック動作におけるb端子電圧の検知のリプルを抑えるために設けたものであり、電解コンデンサ54には、ファストリカバリダイオード51より、約7.5Vの整流出力(直流電圧)が供給される。
【0057】
本実施例においては、さらに三端子レギュレータ55を設けていて、電解コンデンサ54に得られる7.5Vの電源から安定化された直流電圧をc端子に出力する。なお、電解コンデンサ56は、三端子レギュレータ55の寄生発振の防止、およびc端子に出力される5V電源の電圧安定性を向上させるために設けている。
【0058】
したがって、制御回路43は、VDD電源として5Vの直流電圧が非常に安定して供給される。ただし、三端子レギュレータ55がなくとも、十分安定した出力電圧が得られるのであれば、特に設けなくてもよい。
【0059】
ファストリカバリダイオード50は、スイッチング電源制御IC47に内蔵されたスイッチング素子のターンオフ時において、f端子に発生するサージ電圧を吸収させるものであり、特に高周波トランス46の1次コイルと2次コイル間の絶縁性能を良くするため、リーケージインダクタンスが大となっていても、それによって発生するターンオフ時のf端子への過電圧の印加を効果的に防止できるものものである。
【0060】
すなわち、スイッチング素子のターンオフ時においては、f端子からスナバコンデンサ57とスナバ抵抗58に電流が流れることにより、f端子の電圧のピーク値は、おおよそa端子に入力される電圧値140Vに対して2倍程度に抑えることができる。
【0061】
図3は、スイッチング電源44の入出力特性を示すグラフであり、直流の入力電圧の値が約40V以下の条件においては、スイッチング電源制御IC47のf端子からの電流供給が不十分となり、発振動作が行われないことから、100kHzのスイッチングは行われず、したがってb、cいずれの端子への出力電圧もほぼ零となる。
【0062】
入力電圧が約40Vとなると、f端子からの電流によるスイッチング電源制御IC47への電源供給が行われることから、100kHzのスイッチング動作(発振)が開始され、bとcの出力端子には、それぞれ15.7Vと5Vの電圧が出力される。
【0063】
ここで、c端子については、特に三端子レギュレータ55の動作により、より安定化された電圧が得られるが、b端子については、スイッチング電源制御IC47が内蔵スイッチング素子のオン時間をe端子の電位がほぼ一定値になるようにフィードバックさせ、同時にe端子からの電源供給が行われ、やはり入力電圧の変動の影響は、抑えられたものとなる。
【0064】
なお、図2に示したスイッチング電源44の回路構成は、あくまでも一例であり、必ずしもこのような構成に限るものではなく、例えばフォワード形コンバータ、降圧チョッパ、自励式フライバックコンバータ(RCC)などであってもよい。
【0065】
いずれの構成においても、第2のコンデンサ35から直流電圧を入力され、制御回路43に直流電圧を電源として供給されるという作用は同様であり、またスイッチング素子を内蔵していることから、入力される直流電圧が、そのスイッチング素子の駆動が可能な範囲以下となる条件では、スイッチング動作が行われなくなることから、入力電圧と出力電圧の関係も、図3に示したような特性と類似した特性となる。
【0066】
図1において、コンデンサ回路33を構成する第1のコンデンサ34と第2のコンデンサ35に、それぞれ約140Vの直流電圧が充電され、インバータ回路4に対しては約280Vの直流電圧が供給される、一般に倍電圧整流回路として動作するものであり、この点については、図15に説明した従来例と同様である。
【0067】
制御回路43は、第1のリレー駆動回路59、第2のリレー駆動回路60、リセットIC61、スイッチング素子駆動回路62、マイクロコンピュータ63により構成している。
【0068】
ここで、第1のリレー駆動回路59は、マイクロコンピュータ63から約5Vのハイ信号を受けた場合には、第1のリレー37の駆動コイルに約15Vの電圧を出力するものであり、第2のリレー駆動回路60は、マイクロコンピュータ63から約5Vのハイ信号を受けた場合には、第2のリレー42の駆動コイルに約15Vの電圧を出力する。
【0069】
排水弁64は、100Vの交流電圧が供給された状態において、開状態となり装置から水を抜くという動作を行うと同時に、洗濯兼脱水槽(図示せず)に機械的なブレーキをかけるようになっている。また、交流電圧が供給されない状態においては、排水弁64は閉となり、装置内に水が貯められた状態となる。
【0070】
排水弁64には、フォトサイリスタ65が接続されており、LED側には制御回路43内のマイクロコンピュータ63に接続されている。
【0071】
図4は、リセットIC61の入力電圧と出力電圧との関係を表すグラフであり、リセット電圧を3.3Vとしたものを使用していることから、図4に見られるように、VDDが0〜3.3Vの範囲内においては、出力電圧はほぼゼロとなっており、従ってマイクロコンピュータ63は、動かない状態に保たれている。
【0072】
VDDが3.3V以上に上昇した場合にあっては、出力電圧Vresetは、ほぼVDDに近いハイの信号が出力されることから、マイクロコンピュータ63が起動を始め、プログラムがトップの番地から処理が始められる。
【0073】
図1に示すように、マイクロコンピュータ63にスタートスイッチ66、電源切りスイッチ67を接続しており、これらはいずれもモーメンタリスイッチを用いて構成している。
【0074】
さらに、マイクロコンピュータ63には、電動機6の回転子の磁石を検知するホールIC68、69、70を接続しており、マイクロコンピュータ63は、ホールIC68〜70からの信号と、回転方向および回転速度によって、スイッチング素子15〜20のいずれをオンとし、いずれをオフとするかを決定し、その6石分の信号をスイッチング素子駆動回路62に送るものである。
【0075】
スイッチング素子駆動回路62は、マイクロコンピュータ63から出力された上述の信号を受け、各信号がハイ(約5V)である場合には、当該スイッチング素子をオンし、ロー(ほぼ0V)である場合には、当該スイッチング素子をオフする。
【0076】
なお、スイッチング素子駆動回路62は、特にブートストラップと呼ばれる方法により、高電位側にあるスイッチング素子15、16、17の駆動のための約15Vの直流電源を得ていることから、スイッチング電源44の出力数が少なくて済むものとなっている。
【0077】
ただし、必ずしもブートストラップ電源でスイッチング素子駆動回路62に電源を供給することが必要になるというものではなく、例えばスイッチング電源44から多数の出力を出力させるようにしてもよい。
【0078】
図5は、電気洗濯機として動作させるマイクロコンピュータ63のフローチャートを示している。
【0079】
図5において、スイッチング電源44の出力電圧VCCが3.3V以上となると、ステップ200にてリセットIC61の作用により、マイクロコンピュータ63の動作が始まる。そして、マイクロコンピュータ63は、ステップ201にてイニシャライズし、ここで内蔵されたメモリやレジスタ、フラグなどを初期化する。
【0080】
ステップ202にて第1のリレー駆動回路59にハイを出力し、第1のリレー37をオンする。つぎに、ステップ203にて200ms遅延の後、ステップ204にて第2のリレー駆動回路60にハイを出力して第2のリレー42をオンする。
【0081】
ステップ205は、後述するフラグの有無の検知をしているものであり、初回においては前述のフラグの初期化により、ステップ206へ進む。ステップ203は、スタートスイッチ66、電源切りスイッチ67が接続されている入力ポートの値を読み込む動作を行うものであり、本実施例においては、前述の如くマイクロコンピュータ63を、構成部品の点数削減のため、リレーの駆動の制御とフォトサイリスタ65への信号出力という電気洗濯機としての制御の両方を行っていることから、電源切りスイッチ67、スタートスイッチ66の状態は、いずれもマイクロコンピュータ63に接続し、読み込ませている。
【0082】
なお、装置の設計によっては、さらに他のスイッチを接続し、それらについてもマイクロコンピュータ63で処理させるということも、行われるものであり、その場合には、さらにスイッチの接続数を増し、またそれらの機能に必要なアルゴリズムを追加する。
【0083】
ステップ207においては、キーが押されているかを判断し、いずれかのキーが押されてスイッチがオンしているとステップ208へ進み、いずれのスイッチも押されておらず、すべてのスイッチがオフとなっているならばステップ205へ戻る。ステップ208にてスタートスイッチ66が押されてオンとなった場合には、ステップ209へ進み駆動スタートを実行し、そうでない場合には、ステップ210へ進む。
【0084】
ここで、ステップ209では、本実施例においては、インバータ装置が電気洗濯機として動作するものであることから、洗濯、すすぎ、脱水にいたるシーケンスを順次動作する。
【0085】
本実施例においては、いわゆるフラグ処理を行っていることから、一度ステップ209を通過させると、負荷駆動回路として必要な上記の動作は、フラグを検知したルーチン側で対応が可能である。このため、一度ステップ209を通した後、ステップ206〜ステップ210までのループ処理を行い、キーの入力を受け付けている状態に保っていても、洗濯〜脱水のコースは順序よく実行される。
【0086】
ステップ210においては、電源切りスイッチ67が押されていてオン状態となった場合には、ステップ211にジャンプをし、第1のリレー37と第2のリレー42をオフにし、そうでない場合には、ステップ205に戻る。
【0087】
なお、本実施例においては、マイクロコンピュータ63に接続されている入力のキースイッチは、電源切りスイッチ67と、スタートスイッチ66のみであることから、特にステップ210での判定は必要ではないが、本実施例では、ステップ210を設け、ノイズ等の影響を極力さけるという効果を上げている。
【0088】
洗濯機としてのシーケンスが完了した場合には、終了フラグがハイとなり、ステップ205においてYesとなるので、スイッチング素子駆動回路62とフォトサイリスタ65に対してマイクロコンピュータ63がすべての電位のロー出力として、全てオフ状態とし、またこの時点でマイクロコンピュータ63に接続されているキーからの入力についても全て行わない状態に固定させる。
【0089】
なお、表示のための発光ダイオードなどはマイクロコンピュータ63には接続を行ってない例を示しているが、そのような表示のための構成要素をもうけている場合においては、それらに対しても完全にオフとし、結果的には外見上全く電源が切れてしまっている状態とする。
【0090】
その後、ステップ211に移り、第1のリレー駆動回路59と第2のリレー駆動回路60に対してロー出力を行い、オフの状態とし、ステップ212でマイクロコンピュータ63の動作が停止する。
【0091】
以上の構成において、図6を参照しながら動作を説明する。図6(a)は電源入りスイッチ39のオンオフ状態、図6(b)はコンデンサ回路33の電圧Vc1とVc2の電圧波形、図6(c)はスイッチング電源44の出力電圧波形、図6(d)は第1のリレー37のオンオフ状態、図6(e)は第2のリレー42のオンオフ状態、図6(f)はインバータ装置の入力電流Iinの波形である。
【0092】
図6の時刻t1において、電源入りスイッチ39を押してオンすることにより、抵抗40を通して、第2のコンデンサ35が充電され、図6(b)に示すように電圧Vc1が上昇し、図3に示すように、スイッチング電源44が動作できる電圧に達すると、図6(c)に示すように、出力Va、Vb、VDDなどが立ち上がる。
【0093】
制御回路43は、VDDが3.3Vに達した時点で、リセットIC61が図4に示す特性により、マイクロコンピュータ63をリセット状態から解除し、図5のフローチャートがスタートする。
【0094】
図5のステップ202において、図6(d)に示すように、時刻t2にて第1のリレー37がオンとなる。この時点では時刻t1から90ms経過している。第1のリレー37がオンとなると、抵抗40を通さずに第2のコンデンサ35への充電電流が供給されるようになる。
【0095】
この時点では、第2のコンデンサ35の電圧は80Vを越えた程度の値となっていることから、定常状態である140Vに対する残りの60Vを充電する電流が、図6(f)に示すように、インラッシュ電流として流れ込むことになるが、チョークコイル30を通して流れることから、チョークコイル30の持つインダクタンスにより、電流が制限される。
【0096】
時刻t3で、図5のステップ204で、第2のリレー42がオンする。この時点は第1のコンデンサ34はほぼゼロ電圧であるので、図6(f)に示すように、時刻t3直後にインラッシュ電流が流れ込み、第1のコンデンサ34も充電される。このときのインラッシュ電流も、チョークコイル30を経由して流れる。第1のコンデンサ34も充電されることにより、図6(b)に示すように、Vc2は時刻t3以後は約280Vとなる。
【0097】
以上のように電源が投入され、インバータ回路4にも約280Vの直流電源が供給される。なお、負荷がかかった場合には、インバータ回路4に入力電流が流れるので、電圧Vc2は若干低下する。その後、洗濯機としての動作が行えるようになる。
【0098】
電源を切る場合は、電源切りスイッチ67を押してオンさせることにより、図5のステップ211が実行され、これにより、第1のリレー37と第2のリレー42が同時にオフされ、装置は交流電源1からの入力電流を全くゼロとした状態、すなわち装置の待機時の消費電力をゼロとすることができる。
【0099】
ここで、装置の電源が切れている状態においては、第1のリレー37と第2のリレー42がオフであり、電源入りスイッチ39もオフされている状態においては、第1の開閉手段36と第2の開閉手段41が共にオフの状態となるため、従来例で説明した図18〜図21に示したような漏電電流が流れることもない。
【0100】
つまり、図18と図19に示す回路図の破線の矢印は、いずれもコンデンサ回路3を通過しているが、これに対して、本実施例では、コンデンサ回路33を構成する第1のコンデンサ34に直列に第2の開閉手段41を設けていることから、第2の開閉手段41がオフしている状態においては、図18と図19の両条件についても、第1のコンデンサ34、第2のコンデンサ35への充電電流による漏電電流が流れる経路が遮断される。
【0101】
したがって、その経路に人体が存在するような状況にあっても、人体への漏電電流の通過を防ぐことができる安全なインバータ装置を実現することができる。
【0102】
また、コンデンサ回路33は、第1のコンデンサ34と第2のコンデンサ35の直列回路とし、第2の開閉手段41は第1のコンデンサ34に直列に接続し、整流器2の入力の内の第1の開閉手段36が接続されている側の端子dと2個のコンデンサの接続点を接続したことにより、いわゆる倍電圧整流と呼ばれる高電圧をインバータ回路4に入力する方式とすることができる。
【0103】
これによって、スイッチング素子15〜20の電流容量を通常の全波整流方式に比較してほぼ1/2に低減することが可能となり、例えば日本国内で交流電源1を100Vとしている場合、倍電圧整流によりインバータ回路4に280Vを入力すると、パワースイッチング素子として豊富に出回っている500V耐圧品などが有効に利用することができるという特徴がある。
【0104】
その上、本実施例においては、第1のコンデンサ34に直列に第2の開閉手段41を設け、スイッチング電源44の入力を第2のコンデンサ35の両端に接続していることから、第1の開閉手段36と第2の開閉手段41が共にオフとなっている状態、すなわち装置の電源が切れている状態において、スイッチング電源44の入力端子間(a−d間)を通して漏電電流が流れることも防ぐことができる。
【0105】
また、スイッチング電源44を第2のコンデンサ35に接続しているが、一般によく使用される変圧器を整流器2の入力端子c−d間に接続し、変圧器の2次巻線から例えば整流ブリッジと平滑用のコンデンサと安定化回路(三端子レギュレータ等)を経て制御回路43に直流電圧を供給するという方法をとった場合には、やはり第1の開閉手段36がオンされたとき、交流電源1から変圧器の1次巻線に交流電源1からの交流電圧が印加され、制御回路43に電源を供給することができるが、図18に示した条件において、コンデンサ回路3が第2の開閉手段41でオフとされている状態でも、変圧器の1次巻線を通して、半波の電流が流れ、漏電電流が発生する。
【0106】
また、本実施例では、第2のコンデンサ35を低電位側としている。したがって、スイッチング電源44の構成として、マイナス側の端子dを入力と出力で共通とした非絶縁構成とすることができ、図2に示すように、比較的簡単な構成でスイッチング電源44を構成することができ、かつスイッチング電源制御IC47による定電圧動作が精度良く行われるため、15.7Vの電圧の変動やばらつきを小さく抑えることができる。
【0107】
一般に、IGBTやMOSFETなどにより構成されるスイッチング素子15〜20は、Nチャンネルのものがパワー用としてよく使用されており、バイポーラトランジスタでもNPNタイプがよく使用されているが、スイッチング電源44のマイナス側の端子dをインバータ回路4のマイナス側と同電位としたことにより、インバータ回路4の構成要素である低電位側にあるスイッチング素子18、19、20の3石については、エミッタ端子(もしくはソース端子)の電位が同電位となり、スイッチング素子駆動回路62が簡単に構成できる。
【0108】
ただし、スイッチング素子駆動回路62を6石すべて、例えばフォトカプラなどの部品を用いて、絶縁を介して働かせるものにした場合、あるいは絶縁形のスイッチング電源を用いる場合などについては、特に第2のコンデンサ35を低電位側に配する必要もなく、第1のコンデンサ34を低電位側、第2のコンデンサ35を高電位側にする構成であってもよい。
【0109】
以上のように、本実施例においては、交流電源1から装置を使用しない状態では、待機時の消費電力をゼロとすることができ、かつ漏電電流が流れる経路まで遮断した状態とし、省エネネギ、安全な装置を実現することができる。
【0110】
なお、本実施例においては、チョークコイル30は、交流電源1のa端子に直列に接続しているが、特にa端子側にする必要があるというものではなく、交流電源1のb端子側、すなわち第1の開閉手段36と直列に設けていてもよく、またaとbの両側に設けたものや、ギャップを有する同一鉄心上に2つの巻線を設け、それぞれをa側とb側に接続し、往復の電流で同方向に励磁されるようにしたノルマルモードチョークコイルを用いたものでもよい。また、ノイズ対策として必要であれば、コモンモードのチョークコイルを付加してもよい。
【0111】
(実施例2)
図7に示すように、コンデンサ回路71は、電解コンデンサ72のみによって構成しており、コンデンサ72と直列に第2の開閉手段41を設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0112】
上記構成において、動作を説明する。装置が使用される場合には、第1の開閉手段36と第2の開閉手段41は、共にオンの状態とすることにより、100V60Hzの交流電源1から整流器2により全波整流された出力がコンデンサ72に供給され、140Vの電圧が供給されて充電される。
【0113】
インバータ回路4は、コンデンサ72の両端電圧である140Vの直流電圧で動作し、電動機6を駆動する。したがって、上記実施例1に比較して、低電圧でインバータ回路4が動作されるが、小電力の装置の場合には、コンデンサ回路71構成も簡単となり、適した構成となる。
【0114】
なお、この実施例では、チョークコイル30を交流電源のa端子に直列となるように接続しているが、b端子側でもよく、また整流器2の出力側に直列に接続してもよい。
【0115】
次に、装置を使用しない場合には、第1の開閉手段36と第2の開閉手段41は、いずれもオフとし、これによって、装置は交流電源1から一切電流を供給されない状態となる。同時に、第1の開閉手段36と第2の開閉手段41が共にオフとなることにより、漏電電流を遮断することができる。
【0116】
すなわち、従来の技術例において、図22と図23に示していた破線の矢印の経路に対し、実施例2で設けている第2の開閉手段41がその経路を遮断する構成となることから、漏電電流が発生しないものとなり、安全性の高いインバータ装置を実現することができる。
【0117】
(実施例3)
図8に示すように、電圧検知回路73は、ダイオード74、75、抵抗76、77、78、79、80、フォトカプラ81、PNP形のトランジスタ82、コンデンサ83によって構成し、第1の開閉手段36がオンしている状態においては、交流電源1に同期したパルス列を出力し、マイクロコンピュータ84に入力している。
【0118】
すなわち、交流電源1のa側の電位がb側に対して負となっている期間には、フォトカプラ81のLED側、抵抗76、ダイオード74を経て電流が流れることにより、フォトカプラ81のフォトトランジスタ側がオンし、抵抗77を通じてトランジスタ82のベースから電流が流れてオンとなる。抵抗80とコンデンサ83は、雑音防止用で、マイクロコンピュータ84にハイ出力をする。
【0119】
また、交流電源1のa側の電位がb側に対して正となっている期間には、ダイオード74が逆バイアスとなるため、阻止状態となり、フォトカプラ81は、LED側の電流がないことからフォトトランジスタ側はオフとなる。
【0120】
ここで、ダイオード75は、ダイオード74の僅かなリーク電流などにより、フォトカプラ81のLED素子に高い逆電圧が印加されるのを防ぐために接続しているもので、ダイオード75を設けていることにより、フォトカプラ81のLED素子の逆方向への電圧の印加は、1V以下となり、耐圧オーバーとなることはない。
【0121】
フォトカプラ81のフォトトランジスタがオフであることから、トランジスタ82は、ほぼベースエミッタ間に抵抗78が接続されただけ状態となり、安定的にオフ状態となることから、トランジスタ82のコレクタ端子は、抵抗79で引き下げられ、マイクロコンピュータ84にはローが出力される。
【0122】
以上のような動作により、交流電源1が60Hzである場合には、毎秒60発のパルスがマイクロコンピュータ84に出力され、交流電源1が50Hzである場合には、毎秒50発のパルスがマイクロコンピュータ84に出力される。
【0123】
なお、本実施例においては、抵抗76は22kΩの抵抗値を持ったものを使用しており、抵抗77を2.2kΩ、抵抗78を3.3kΩとすることにより、トランジスタ82は、交流電源1のb端子に対するa端子の電位が7〜10V程度でオンし、トランジスタ82のオン期間の比率は50%より若干小となる。
【0124】
しかし、抵抗79、80とコンデンサ83により、トランジスタ82のオン期間に対して、若干ハイの期間が引き伸ばされた信号がマイクロコンピュータ84に出力される。
【0125】
すなわち、トランジスタ82がオンとなると、抵抗80とコンデンサ83の時定数でコンデンサ83の充電がなされるのに対して、トランジスタ82がオフとなった場合には、抵抗79、80の直列抵抗、すなわち各抵抗器の抵抗値の和とコンデンサ83の積によって計算される時定数により、コンデンサ83の放電がなされる。
【0126】
したがって、トランジスタ82のターンオフからマイクロコンピュータ84への出力がマイクロコンピュータ84内のしきい値を下回ってローと判断されるまでに要する時間の方が長くなることから、結果的にマイクロコンピュータ84は、電圧検知回路73からの出力信号であるパルス列のハイの期間の比率は、ほぼ50%となるように、各定数が決定されている。
【0127】
直流電圧検知回路85は、抵抗86、87、88、LED89、ダイオード90、91、コンデンサ92により構成しており、装置を使用している状態、すなわち第2の開閉手段41がオンしている状態においては、インバータ回路4の入力の直流電圧値を検知することから、例えば交流電源1の電圧が異常に高い場合や、電動機6に電磁的な制動(ブレーキ)をかける場合にインバータ回路4からの電流が逆流してコンデンサ回路33が充電され、高電圧となった場合などにも、それを検知して装置の動作を停止し、インバータ装置の各構成要素の破壊を防止するものである。
【0128】
抵抗86、87の抵抗値は、それぞれ100kΩと1kΩであることから、Vc2からLED89の順方向電圧(約1.8V)を差し引いた値を、101で除した電圧値がマイクロコンピュータ84に出力される。ここで、抵抗88とコンデンサ92は、ノイズ除去用で、ダイオード90、91は、マイクロコンピュータ84の入力端子にノイズなどの影響でVDD以上の過電圧や負電圧が印加されないようにする目的で設けている。
【0129】
また、LED89は、第1のコンデンサ34と第2のコンデンサ35の直列回路の両端電圧Vc2が高い場合に点灯して警告し、例えばインバータ回路4を実装したプリント基板を交換するサービス業務を行う時に、LED89が消灯したことを確認してから作業に入ることにより、サービスマンが感電を負う心配をなくすることができる。本実施例においては、Vc2>30Vにおいては、LED89は十分な輝度を有するものとなっている。
【0130】
図9は、マイクロコンピュータ84のフローチャートを示している。
【0131】
図9において、スイッチング電源44の出力電圧VCCが3.3V以上となると、リセットIC61の作用により、ステップ200からマイクロコンピュータ84の動作が始まる。
【0132】
そして、まずステップ201にてマイクロコンピュータ84はイニシャライズし、ここで内蔵されたメモリやレジスタ、フラグなどの初期化などを行う。つぎに、ステップ213でVc2電圧検知を行い、ステップ214にて、電圧がVs=80Vに達するまでループ動作となり、Vs=80Vに達した時点でステップ202に移る。ステップ202においては、第1のリレー駆動回路59にハイを出力する。
【0133】
つぎに、ステップ203にて200ms遅延の後、ステップ204に移り、ここで第2のリレー駆動回路60にハイを出力する。ステップ215にて100ms遅延の後、ステップ216にてVc2電圧検知を行い、ステップ217にて、Vc2>170Vでない場合には、ステップ218へ移り、第2のリレー42のオープン故障と判定し、ステップ219にてエラー表示をし、ステップ220にて終了する。
【0134】
ステップ219でのエラー表示の方法としては、様々な手法があり、例えばマイクロコンピュータ84にブザーなどを別に接続しておいて、それを吹鳴させたり、あるいはいわゆる7セグメントの表示部などに、エラーの種類を記号化、例えば「H60」などと表示するなどの方法がある。本実施例では、ステップ219以外にもエラー表示が行われるが、これらに関しても同様であり、例えば「H09」などにように、故障に応じてLEDへの表示のパターンが変化するなどしておけば、その役を果たすことができる。
【0135】
ステップ217にてVc2>170Vである場合には、ステップ205へ進む。以後ステップ210までは、前述の図5と同等のキー入力等の動作が行われる。
【0136】
洗濯機としてのシーケンスが完了した場合には、終了フラグがハイとなり、ステップ205にてYesとなるので、ステップ221に制御が移り、ここでは、スイッチング素子駆動回路62とフォトサイリスタ65に対してマイクロコンピュータ84がすべての電位のロー出力として、全てオフ状態とする。また、この時点でマイクロコンピュータ84に接続されているキーからの入力についても全て行わない状態に固定させる。
【0137】
本実施例においては、表示のための発光ダイオードなどはマイクロコンピュータ84には接続を行ってない例を示しているが、そのような表示のための構成要素を設ける場合においては、それらに対しても完全にオフとし、結果的には外見上全く電源が切れてしまっている状態とする。
【0138】
その後、ステップ211にて第1のリレー駆動回路59と第2のリレー駆動回路60に対してロー出力を行い、オフの状態とする。ステップ222は、マイクロコンピュータ84に内臓されたタイマをゼロからスタートする命令を実行するものである。
【0139】
ステップ223においては、第1のリレー37の出力接点がオフ状態になったかどうかを、電圧検知回路73からの通電信号の有無で判断する。本実施例では前述したように、交流電源1に同期したパルス列を出力する電圧検知回路73を使用している関係上、ステップ223ではパルス列がある場合には、ステップ224に移り、ステップ222にてタイマクリアによりスタートしたタイマが20秒を経過していない状態においては、ステップ223に戻る。
【0140】
したがって、20秒以内にパルス列(通電信号)がなくなった場合には、その時点でステップ225に移る。ステップ225では、通電信号がある場合にはステップ201へ戻り、通電信号がない場合には繰り返す。したがって、再び電源検知回路73からの通電信号が入力されるのを待つという動作をする。
【0141】
ステップ225において、電源検知回路73からの通電信号が有りとなれば、ステップ201にジャンプさせる。よって、再びステップ201にてイニシャライズされ、ステップ202にて第1のリレー37がオンされる。
【0142】
一方、ステップ224にて、20秒以上になった場合には、ステップ226へ進み、第1のリレー37のショート故障と判定し、ステップ227にて第1のリレー駆動回路59と第2のリレー駆動回路60にいずれもハイの信号を出力し、第2のリレー42が正常であった場合には、第2の開閉手段41はオンする。そして、ステップ228にてエラー表示をし、ステップ229にて終了する。
【0143】
なお、本実施例においては、第1のリレー37がオンからオフに移った時点および電源入りスイッチ39がオンされた時の判定に際して、電圧検知回路73のノイズなどによる誤動作をさけるため、ステップ223、225については、いずれも3回聞きとし、それによって装置の信頼性を確保している。
【0144】
また、本実施例においては、マイクロコンピュータ84にはソフトリセットという機能が備わっていることから、実際にはステップ225にてYesとなれば、前述のソフトリセット命令が実行されて、再びステップ200から処理が開始される。
【0145】
図10は、本実施例の脱水ルーチンの部分のフローチャートを示している。本ルーチンは、図9に示したステップ209の駆動スタートにより起動される、電気洗濯機としての洗濯、すすぎ、脱水等の各ルーチンの内の脱水ルーチンの部分における動作が、マイクロコンピュータ84の働きにより行われるプログラムの動作を示している。
【0146】
図10において、ステップ230にて脱水ルーチンが開始され、まずステップ231にてフォトカプラ65がマイクロコンピュータ84からの信号によりオンされ、排水弁64に100Vが供給されて、弁が開状態となると共に、洗濯兼脱水槽の機構的ブレーキが解除された状態となる。
【0147】
ステップ232にて、マイクロコンピュータ84から、スイッチング素子駆動回路62を通して、インバータ回路4に各スイッチング素子のオンオフ制御が行われ、電動機6が回転されて洗濯兼脱水槽が回転することによって、遠心力により脱水が行われる。
【0148】
ステップ233にて5分間遅延の後に、ステップ234にて、マイクロコンピュータ84からスイッチング素子駆動回路62に対して、すべての信号をローとする命令が出力される。この時点で、洗濯兼脱水槽の速度は880rpmとなっており、電動機6の速度もほぼこれに等しい速度となっており、ステップ234が実行された後も、洗濯兼脱水槽の慣性により、回転運動はしばし続く。
【0149】
ステップ235にて100ms遅延の後、ステップ236にて電圧Vc2を検知し、ステップ237にて、xに値が保存される。そして、ステップ238にて、第2のリレー駆動回路60にロー信号が出力される。ステップ239にて20秒間遅延の後、ステップ240にて電圧Vc2が検知される。なお、この時点においては、洗濯兼脱水槽は、まだ前述の慣性による回転が残っている状態となっている。
【0150】
ステップ241にてyに値が保存された後、ステップ242にて、再び第2のリレー駆動回路60にハイ信号が出力される。ステップ243にて、フォトサイリスタ65がマイクロコンピュータ84からオフされ、排水弁64への電圧供給を停止し、弁を閉とするとともに、連動して機構的ブレーキを作用させ、この時点において、洗濯兼脱水槽は慣性による回転が残っている状態から、完全に停止される。
【0151】
ステップ244において、x−yの値が25V以上である場合には、ステップ245へ進み、脱水動作が終了する。ステップ244において、x−yの値が25V以上でなかった場合には、ステップ246へ進み、第2のリレー42のショート故障と判定し、ステップ247にてエラー表示がなされた後、ステップ248にて終了する。
【0152】
図11は、本実施例の電源投入時における動作波形を示すものであり、(a)は電源入りスイッチ39のオンオフ状態、(b)はコンデンサ回路33のVc2電圧波形、(c)は第1のリレー37のオンオフ状態、(d)は第2のリレー42のオンオフ状態を示している。
【0153】
図11において、時刻t1にて電源入りスイッチ37が使用者の操作でオンしてから、時刻t3で第2のリレー42がオンされるまでの動作については、図6と同様である。
【0154】
図11においては、第2のリレー42がオープン故障している状態において、破線で示しているように、t3以降もコンデンサ回路33の電圧Vc2は引き続き140V程度(交流電源1が100Vのとき)の値となり、実線で示した正常時に比して、ほぼ1/2の低い値となる。
【0155】
したがって、図9のステップ216において、図11(b)に示すVAとVBがVc2の値として読み込まれ、図9のステップ217にて、VBの場合にはNoとなり、ステップ218にて第2のリレー42のオープン故障判定がなされる。
【0156】
図12は、図10に示した脱水ルーチン中のステップ238以降の動作について示したものであり、(a)はコンデンサ回路33の電圧Vc2の電圧波形、(b)は第2のリレー42のオンオフ状態を示した波形図である。
【0157】
図12において、時刻t1において、第2のリレー42がオフされ、その後、図8に示す直流電圧検知回路85内に接続された抵抗86、LED89、抵抗87の直列回路に約2.8mAの電流が流れることから、第1のコンデンサ34から電荷が放電されていき、第1のコンデンサ34の端子間電圧が低下していくことから、Vc2の値が時刻t1以降、時間とともに低下していくことになる。
【0158】
なお、この状態において、第2のコンデンサ35については、第1のリレー37が引き続きオンされていることから、依然として140V程度の電圧を保持する。
【0159】
図10のステップ236においては、図12の時刻t2の状態となっており、第2のリレー42が正常にオフされていた場合には、実線で示すように、時刻t1時点から82Vの電圧低下となる。
【0160】
これに対して、第2のリレー42の接点が溶着や、第2のリレー駆動回路60の故障等により、オンしたままの状態となった場合((b)参照)には、破線で示すように、時刻t2においても依然として約280Vの電圧を保ったままの状態となることを発明者らは実験でも確認している。
【0161】
したがって、図10のステップ244にて、第2のリレー42がショート故障の場合には、ステップ246へ進み、第2のリレー42のショート故障と判定する。
【0162】
図13は、図9のステップ211以降の動作波形を示している。図13においては、(a)は第1のリレー37のオンオフ状態、(b)は第2のリレー42のオンオフ状態、(c)は電圧検知回路73の出力電圧波形を示している。
【0163】
図9のステップ211にて、第1のリレー37と第2のリレー42がオフされると、リレーのターンオフ動作の遅れ時間後に、時刻t1となり、第1のリレー37が正常であれば、(c)の実線で示するように、電圧検知回路73の出力電圧は、ほぼゼロとなる。
【0164】
一方、第1のリレー37が出力接点が溶着していたり、また第1のリレー駆動回路59の故障などにより、オンしたままの状態が継続される場合には、(c)の破線で示すように、交流電源1に同期したパルス列が引き続きマイクロコンピュータ84に入力される状態となる。したがって、ステップ224よりステップ226に移行し、第1のリレー37のショート故障と判定する。
【0165】
ただし、この状態においては、第1のリレー37はオンであるが、第2のリレー42はオフしていることから、第1のコンデンサ34の電位は、直流電圧検知回路85により放電され、やがては第1のコンデンサ34への逆電圧の印加に及ぶものとなり、第1のコンデンサ34が電解コンデンサを使用していることから、その後、ステップ227を行うことにより、上述した第1のコンデンサ34への逆電圧印加を防止し、安全性、信頼性に関する不安の発生を防止することができる。
【0166】
また、コンデンサ回路33を1個のコンデンサで構成している場合においては、第2の開閉手段41がオフのままであっても、そのコンデンサに逆電圧がかかることはないが、例えば本実施例で用いているようなスイッチング電源をコンデンサに接続して約140Vの電圧を供給するような構成としている場合には、コンデンサの電圧低下による制御回路への電源供給が行われなくなることから、やはり第2の開閉手段をオンすることによるコンデンサ回路の電圧の復帰が有効となる。
【0167】
ただし、例えば第1のコンデンサ34の端子間にダイオードを追加して設け、その極性をアノードが第1のコンデンサ34のマイナス端子とし、カソードが第1のコンデンサ34のプラス端子に接続されるようにして、第1のコンデンサ34に印加される逆電圧を問題ない値(1V以下)に抑えてもよい。
【0168】
なお、本実施例においては、図10のステップ235を設けることにより、インバータ回路4の各スイッチング素子をオフさせた後、電動機6の各電機子巻線のインダクタンスに蓄えられたエネルギーにより、インバータ回路4からコンデンサ回路33に逆流する電流がなくなった状態とし、その後に第2の開閉手段41をオフすることができる。
【0169】
それによって、インバータ回路4の各スイッチング素子、および整流器2内の各ダイオードに高電圧が印加され、破壊されるのを防止することができる。
【0170】
特に本実施例は、電気洗濯機として動作している中で、洗濯兼脱水槽が惰性で回転している期間に、第2の開閉手段41をオフさせていることから、本実施例で20秒という比較的時間を有する第2の開閉手段41のショートの検知を、洗濯のフルコース(洗濯、すすぎ、脱水)の必要時間を伸ばすことなく、実施することができる。
【0171】
特に本実施例においては、給水時においてはインバータ回路4により電動機6と洗濯兼脱水槽を35rpmで回転をさせ、洗剤の溶けを良くするという動作を行わせていることから、給水期間には上記のような第2の開閉手段41をオフすることはできないものとなり、従って上記のように脱水の惰性回転時としている。
【0172】
しかしながら、特にこのような脱水の惰性回転中に行わなければならないというものではなく、例えば給水中、排水中などにインバータ回路4と電動機6が働いていない期間が20秒程度とることができるのであれば、その間に第2の開閉手段41に制御回路43からオフ信号を出し、直流電圧検知回路85の出力を検知して判定を行うようにしてもよい。
【0173】
なお、本実施例においては、特に電圧検知回路73にダイオード74を用い、交流電源1のa端子がb端子に対して正の電位にある場合においては、電圧検知回路73にはダイオード74が逆阻止状態となり、電流が流れない構成とし、漏電電流の経路を防ぐものとしている。
【0174】
すなわち、図18に示したような、交流電源1のb端子が接地され、a端子がb端子に対して正の電位となった場合において、整流器2の入力端子cから入力端子d間に電流を通じる経路があると、第2の開閉手段41を高電位側のコンデンサ13(本実施例では第1のコンデンサ34)に直列に設けた構成としていても、低電位側のコンデンサ14(本実施例では第2のコンデンサ35)を通して漏電電流が流れるものとなり、ダイオード74は、その経路を遮断する。
【0175】
漏電電流が流れなくなることにより、安全性を高めると同時に、ダイオード74は、漏電電流による電圧検知回路73の誤動作も防止することができる。
【0176】
すなわち、もしも図8に示した回路構成とは逆に、ダイオード74、75とフォトカプラ81のLEDの向きをすべて逆として構成したとすると、漏電電流によっても電圧検知回路73は、マイクロコンピュータ84にパルス列を出力するものとなり、例えば第1の開閉手段36のショート故障検知や、電源切りスイッチ39を操作した後に、マイクロコンピュータ84がリセットされるまでの間に、再び電源入りスイッチ39がオンされた場合などにも、誤動作を起こし、正規の動作をしないものとなる。
【0177】
また、例えば排水弁として同期モータと減速用の歯車を多数用いたギヤードモータと称されるようなものでカムを回転させ、このカムの回転角度に応じて弁の開閉を行わせるものを用い、そのカムの回転角度(位置)を知るために、角度によってオンオフする接点を設けておいて、その接点のオンオフ状態を制御回路43に検知させるという構成とし、制御回路43から弁の開閉制御を行わせるという方法もとることができるが、その場合には、接点は、交流電流を通じることが信頼性を確保する上で必要となり、特に低コストの銀接点とする場合には、電気洗濯機として高湿という悪条件下であることから、交流電流を通じさせることがとりわけ重要となる。
【0178】
このような銀接点を用いた排水弁を用い、その接点を整流器2のc−d間に抵抗と直列に接続するような構成をとる場合においては、電圧検知回路73のようにダイオード74を設けることはできないが、抵抗値を56kΩ程度とすることにより、図18に示した条件での漏電電流は、実効値で2mA以下とすることができ、人体に流れたとしてもそれによる危険は問題とはならない範囲とすることができ、低コストで安全性確保された装置を実現することができる。
【0179】
なお、本実施例においては、例えば零相変流器などにより、装置の入力電流の差を検知して漏電電流(漏洩電流)の検知を行うということはしていないが、さらにそのような漏電電流を検知する構成を付加してもよく、例えば、動作中に漏電電流を検知した場合に、第1のリレー37と第2のリレー42を共にオフとするようにすれば、装置を使用しているときに漏電が起こっても、それを即座に検知して、それを例えば制御回路に出力させ、制御回路からの信号によってインバータ回路4を停止させると共に、第1のリレー37と第2のリレー42を共にオフとするなどにより、その後は本発明の各実施例で説明したように、漏電経路が遮断された安全な状態とすることができるようになり、極めて安全性の高いインバータ装置を実現することができる。
【0180】
(実施例4)
図14に示すように、インバータ4の入力端子間に、0.033μFの静電容量を有し、DC600Vの耐圧を持った、メタライズドポリエステルフィルム形のコンデンサ93を設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0181】
第2の開閉手段41がオフとなった場合、コンデンサ93はインバータ回路4の入力端子間および整流器2の出力端子間に接続されていることから、ノイズ等によるインバータ回路4の入力電圧が異常に高くなるというような状態を防ぐことができ、インバータ回路4内の各スイッチング素子とダイオード、また整流器2内の各ダイオードの耐圧破壊なども防ぐことができる。
【0182】
また、コンデンサ93をインバータ回路4の入力端子の近くに設けることにより、装置を動作させている場合においても、コンデンサ93が特にサージ電圧等の吸収に効果を発揮し、インバータ回路4内の各スイッチング素子のスイッチング動作における責務を軽減し、損失を低減するという効果も発揮する。
【0183】
なお、コンデンサ93を設けたことにより、装置を使用していない場合、コンデンサ93を通る漏電経路が存在するものとなるが、例えば0.033μFで280Vまでの充電をする際の電荷量については、漏電電流30mAでも1ms以内という極めて短い時間でコンデンサ93の充電が完了し、漏電電流が流れなくなることから、発明者らの実験によれば、コンデンサ93の静電容量がこの程度小さければ、安全上の問題が発生するには至らないものであった。
【0184】
なお、上記実施例1、実施例3においては、第1の開閉手段36および第2の開閉手段41にリレーを使用している構成を示しているが、特にリレーに限るものではなく、例えばMOS形の双方向スイッチなどを使用してもよい。
【0185】
また、各実施例においては、インバータ回路4は6石とし、電動機6も3相のものを使用しているが、これも特にこのような構成に限られるものではなく、例えば、インバータ回路4を高電位側スイッチング素子2個と低電位側スイッチング素子2個の4石構成として、各スイッチング素子に逆方向にダイオードが接続されている構成とし、一方、電動機6については電機子巻線を1本のみの単相のものとして、4石構成のインバータ回路出力に接続するような構成とした場合にあっても成り立つものであり、本発明の構成を用いることにより同等の効果が得られる。
【0186】
また、上記実施例3では、第2の開閉手段41のショート故障とオープン故障、および第1の開閉手段36のショート故障の判定を行った場合、エラー表示を行うものとしているが、例えばマイクロコンピュータ84に電源電圧VDDがなくなっても記憶内容が消えない不揮発性メモリを接続して設け、上述の故障判定を行った場合には、不揮発性メモリに故障の種類などを記録しておけば、その後装置の電源を切っても、不揮発メモリ内に故障状況が残るため、後でサービスマンやメーカの技術者が、その内容を読み出せば故障の種類などを知ることができ、サービス面でも優れたインバータ装置を実現することができる。
【0187】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の発明によれば、交流電源と、前記交流電源を整流する整流器と、前記整流器の出力に接続した少なくとも1個のコンデンサを有するコンデンサ回路とインバータ回路と、前記インバータ回路に接続した制御回路と、前記インバータ回路の出力に接続した電動機と、前記交流電源の一方の端子と前記整流器の一方の入力端子の間に接続した第1の開閉手段と、前記コンデンサ回路に直列接続した第2の開閉手段とを有し、前記制御回路は前記コンデンサ回路の両端の電圧を検知する直流電圧検知回路により前記第2の開閉手段のオープン、あるいはショート故障を検知するようにしたから、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができる。
【0188】
また、請求項2に記載の発明によれば、第2の開閉手段は制御回路によりオンオフ制御が可能であり、前記制御回路は、インバータ回路を停止した後、前記第2の開閉手段をオフに制御し、その後直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のショート故障を判定するようにしたから、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができ、その上インバータ装置の使用中には、直流電圧検知回路によりインバータ回路の入力電圧値が検知できるとともに、第2の開閉手段のショート故障を起こした場合、故障の判定を行うことができる。
【0189】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2の開閉手段が正常である場合、制御回路は、オフ状態となっている前記第2の開閉手段を再びオンさせるようにしたから、コンデンサ回路には、再び第2の開閉手段を通じて充電電流が供給され、印加される電圧を通常の値に戻すことができる。
【0190】
また、請求項4に記載の発明によれば、制御回路は、第1の開閉手段がオンされ、第2の開閉手段もオン制御されている期間に、直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のオープン故障を判定するようにしたから、装置を使用しないとき、第1の開閉手段と第2の開閉手段を共にオフとすることによって、インバータ回路または電動機などの水没等により大地との間に導通が生じても、第1の開閉手段と第2の開閉手段により、コンデンサ回路への充電電流供給経路が完全に断たれ、したがって漏電電流をなくすことができ、安全なインバータ装置を実現することができ、その上インバータ装置の使用中には、直流電圧検知回路によりインバータ回路の入力電圧値が検知できるとともに、第2の開閉手段の出力接点のオープン故障時に故障の判定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図2】同インバータ装置のスイッチング電源の一部ブロック化した回路図
【図3】同インバータ装置のスイッチング電源の入出力特性図
【図4】同インバータ装置のリセットICの入出力特性図
【図5】同インバータ装置の要部動作フローチャート
【図6】同インバータ装置の電源投入時の動作タイムチャート
【図7】本発明の第2の実施例のインバータ装置の一部ブロック化した回路図
【図8】本発明の第3の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図9】同インバータ装置の要部動作フローチャート
【図10】同インバータ装置の脱水ルーチンのフローチャート
【図11】同インバータ装置の電源投入時の動作タイムチャート
【図12】同インバータ装置の脱水時の動作タイムチャート
【図13】同インバータ装置の第1のリレーと第2のリレーオフ後の動作タイムチャート
【図14】本発明の第4の実施例のインバータ装置の一部ブロック化した回路図
【図15】従来のインバータ装置の一部ブロック化した回路図
【図16】従来のインバータ装置の第2の例の一部ブロック化した回路図
【図17】従来のインバータ装置の第3の例の一部ブロック化した回路図
【図18】従来のインバータ装置のa端子が正電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【図19】従来のインバータ装置のa端子が負電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【図20】従来のインバータ装置の第2の例のa端子が正電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【図21】従来のインバータ装置の第2の例のa端子が負電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【図22】従来のインバータ装置の第3の例のa端子が正電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【図23】従来のインバータ装置の第3の例のa端子が負電位での漏電電流経路を示す要部回路図
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流器
4 インバータ回路
6 電動機
33 コンデンサ回路
34 第1のコンデンサ(コンデンサ)
35 第2のコンデンサ(コンデンサ)
36 第1の開閉手段
41 第2の開閉手段
43 制御回路
Claims (4)
- 交流電源と、前記交流電源を整流する整流器と、前記整流器の出力に接続した少なくとも1個のコンデンサを有するコンデンサ回路とインバータ回路と、前記インバータ回路に接続した制御回路と、前記インバータ回路の出力に接続した電動機と、前記交流電源の一方の端子と前記整流器の一方の入力端子の間に接続した第1の開閉手段と、前記コンデンサ回路に直列接続した第2の開閉手段とを有し、前記制御回路は前記コンデンサ回路の両端の電圧を検知する直流電圧検知回路により前記第2の開閉手段のオープン、あるいはショート故障を検知するようにしたインバータ装置。
- 第2の開閉手段は制御回路によりオンオフ制御が可能であり、前記制御回路は、インバータ回路を停止した後、前記第2の開閉手段をオフに制御し、その後直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のショート故障を判定するようにした請求項1記載のインバータ装置。
- 第2の開閉手段が正常である場合、制御回路は、オフ状態となっている前記第2の開閉手段を再びオンさせるようにした請求項2記載のインバータ装置。
- 制御回路は、第1の開閉手段がオンされ、第2の開閉手段もオン制御されている期間に、直流電圧検知回路からの出力により前記第2の開閉手段のオープン故障を判定するようにした請求項1記載のインバータ装置。
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