JP3631792B2 - 角形電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は有底矩形筒状の容器内の折曲部と段部とにより囲まれた位置に封口部材が絶縁ガスケットを介してかしめ固定された構造を有する角形電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機器の小型軽量化にともない、体積効率の高い角形電池の開発が行われている。前記角形電池としては、例えば、角形ニッケルカドミウム二次電池や角形ニッケル水素二次電池などの角形アルカリ二次電池、角形リチウム二次電池が角形リチウム電池が知られている。このような角形電池は、過充電状態にされたり、あるいは放電時に誤使用や前記電池を使用する機器の故障等により大電流が流されると、電池内にガスが発生して内圧が上昇してしまう。電池内圧が過度に上昇すると前記角形電池が破裂するおそれがあるため、前記角形電池には防爆機能が設けられている。
【0003】
防爆機能を有する角形電池は、例えば、次のような方法により製造される。上部に矩形枠状の開口部と前記開口部の下方に形成された内方に突出した形状の段部とを有する有底矩形筒状の容器を用意する。前記容器内に正極と負極との間にセパレータを介して作製された電極群を収納した後、電解液を収容する。底部に穴を有する有底矩形筒状の絶縁ガスケット内に防爆機構を持つ封口部材を収納する。この絶縁ガスケットを前記容器内の段部に載置する。前記容器の前記開口部を縮径した後、前記開口部の上端を内方に折り曲げて折曲部を形成することにより前記角形電池を製造する。前記角形電池において、前記絶縁ガスケットは前述した方法で形成された折曲部により圧縮されているため、この絶縁ガスケットの反発弾性力によって前記封口部材は前記折曲部と段部とにより囲まれた空間にかしめ固定される。このため、前記角形電池の気密性が保たれる。なお、前記封口部材は、ガス抜き孔を有する封口板と、前記封口板にそのガス抜き孔を囲むように載置され、ガス通過孔を有する帽子形の端子キャップと、前記封口板と前記端子キャップとの間に前記ガス抜き孔を覆うように配置された合成ゴム製の弾性弁体とから構成される。
【0004】
このような構成の角形電池においてガスが発生し、所望の値のガス圧力が前記封口板のガス抜き孔を通して前記弾性弁体に加わると、前記弁体は変形して持ち上げられるため、前記封口板と前記弁体との間に隙間が生じる。その結果、前記ガスは前記隙間,前記端子キャップのガス通過孔を通して外部へ逃散するため、破裂が防止される。
【0005】
ところで、前記角形電池の容器は、従来より厚さが均一な容器が用いられている。このような容器は、例えば、金属板に深絞り成形を施すことにより作製される。この深絞り成形により容器を作製すると、加工硬化が生じて側面部分のビッカース硬度が上昇し、結果として側面部分のビッカース硬度が底部に比べて高い容器が得られる。しかしながら、側面部分のビッカース硬度が均一な容器は、優れた加工性と高い強度という相反する性質を兼ね備えることが困難であるという問題点があった。
【0006】
すなわち、前記角形電池において、例えば過充電等により前記容器内にガスが発生してガス圧力が上昇すると、前記容器が膨脹される。この膨脹により前記容器の側面が外方へ湾曲するが、この湾曲度合いは長辺側の面が短辺側の面に比べて著しく大きい。封口部の長辺側の面が外側に向かって膨出すると、前記絶縁ガスケットの圧縮率が低下するため、前記角形電池の気密性が低下するという問題点があった。このようなことからガス発生時の封口部の膨脹を防止するために前記容器開口部の厚さを厚くして強度を向上すると、前記容器開口部の加工性が低下する。その結果、前述した角形電池の製造工程において、前記容器の開口部上端を内方に折り曲げ難くなるため、折り曲げ度合いが不十分になる。従って、前記折曲部による前記絶縁ガスケットの圧縮度合いが低下するため、前記電池の気密性が低下する。なお、この角形電池の気密性を向上するために前記開口部に過度に押圧力を加えて前記開口部の上端を十分に折り曲げようとすると、前記容器の胴部に過剰な力が加わるため、前記容器の胴部や底部に凹みや歪みなどの変形が生じるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガス発生に伴って開口部の長辺側の面が外方に湾曲するのを防止でき、かつ開口部の加工性が優れ、更にかしめ固定工程時に胴部が変形するのを防止することが可能な容器を備えた角形電池を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上部に矩形枠状の開口部と前記開口部の下方に形成された内方に突出した形状の段部とを有する有底矩形筒状の容器と、前記容器内に収納され、正極と負極との間にセパレータを介して作製された電極群と、前記容器内に収容された電解液と、前記容器内の段部に載置されて前記開口部の上端を内方に折り曲げることにより前記段部と折曲部とにより囲まれた空間に圧縮状態で配置された底部に穴を有する有底矩形筒状の絶縁ガスケットと、前記絶縁ガスケット内に配置され、前記ガスケットの圧縮下においてかしめ固定される防爆機能を持つ封口部材とを具備した角形電池であって、前記容器は、前記開口部のうちコーナに位置する箇所のビッカース硬度をH1とし、前記開口部のうち長辺中央に位置する箇所のビッカース硬度をH2とし、前記開口部を除く容器側面部分のビッカース硬度をH3とした時に、H1<H2<H3を満たす構造を有し、
前記ビッカース硬度H 1 を80Hv〜120Hvにし、前記ビッカース硬度H 2 を100Hv〜140Hvにし、かつ前記ビッカース硬度H 3 を140Hvを超え、200Hv以下にすることを特徴とするものである。
【0009】
前記容器の前記開口部のうち短辺側の面のビッカース硬度H4 は、前記ビッカース硬度H1 と同程度か、もしくは前記ビッカース硬度H1 に比べて小さくすることが好ましい。このような容器は、前記開口部の加工性を更に向上することができる。
【0010】
前記容器を形成する材料としては、例えば、ニッケルメッキが施された鉄、鉄等を挙げることができる。
前記容器をニッケルメッキが施された鉄か、もしくは鉄から形成する場合、前記容器は、前記ビッカース硬度H1 を120Hv以下にし、前記ビッカース硬度H2 を100Hv〜140Hvにし、かつ前記ビッカース硬度H3 を140Hvを越える値にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記ビッカース硬度H1 が120Hvを越えると、前記開口部の加工性が低下する恐れがあるため、前記電池の製造工程において前記開口部の上端を内方に折り曲げる際に前記容器に過度な押圧力が加わって歪みや凹み等の変形が生じる恐れがある。また、ビッカース硬度が80Hv未満である容器は、現在の技術では作製することが困難であるため、前記ビッカース硬度H1 の下限値は80Hvにすることが好ましい。一方、前記ビッカース硬度H2 を100Hv未満にすると、前記電池においてガスが発生した際に前記開口部の長辺側の面が外側に湾曲する恐れがある。前記ビッカース硬度H2 が140Hvを越えると、前記開口部の加工性が低下する恐れがあるため、前記電池の製造工程において前記開口部の上端を内方に折り曲げる際に前記容器に過度な押圧力が加わって歪みや凹み等の変形が生じる恐れがある。また、前記ビッカース硬度H3 を140Hv以下にすると、前記開口部を除く容器部分の強度が低下する恐れがあるため、前記電池の製造工程において前記開口部の上端を内方に折り曲げる際に前記容器部分に歪みや凹み等の変形が生じる恐れがある。また、200Hvを越えるビッカース硬度を有する容器は現在の技術では作製することが困難であるため、前記ビッカース硬度H3 の上限は200Hvにすることが好ましい。
【0011】
前記容器は、例えば次の(1)〜(3)に示す方法により作製することができる。
(1)鋼板を深絞り成形して角形容器を作製した後、ニッケルメッキを施す。この容器の開口部短辺側の外側の面を両方とも加熱する。このとき、開口部を除く容器部分は加熱しない。開口部をこのように加熱すると、短辺側の外側の面の温度が最も高くなり、そこから長辺中央に向かって温度が徐々に低下して長辺中央に位置する箇所の温度が最も低くなるため、ビッカース硬度が前述した関係を満たす容器を作製することができる。
【0012】
(2)ニッケルメッキが施された鋼板を深絞り成形して角形容器を作製した後、この容器の開口部短辺側の外側の面を両方とも加熱する。このとき、開口部を除く容器部分は加熱しない。開口部をこのように加熱すると、短辺側の外側の面の温度が最も高くなり、そこから長辺中央に向かって温度が徐々に低下して長辺中央に位置する箇所の温度が最も低くなるため、ビッカース硬度が前述した関係を満たす容器を作製することができる。
【0013】
(3)鋼板を深絞り成形して角形容器を作製した後、この容器の開口部短辺側の外側の面を両方とも加熱する。このとき、開口部を除く容器部分は加熱しない。開口部をこのように加熱すると、短辺側の外側の面の温度が最も高くなり、そこから長辺中央に向かって温度が徐々に低下して長辺中央に位置する箇所の温度が最も低くなるため、ビッカース硬度が前述した関係を満たす容器を作製することができる。この後、必要に応じてニッケルメッキを施す。
【0014】
前記容器の作製において、開口部を加熱する方法としては、例えば、高周波加熱、赤外線加熱などを挙げることができる。なお、前記加熱は、スラッジ、つまり容器表面への酸化鉄などを含む煤状物質の付着を防止するために例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0015】
【作用】
本発明の角形電池によれば、上部に矩形枠状の開口部と前記開口部の下方に形成された内方に突出した形状の段部とを有する有底矩形筒状の容器を備える。前記容器は、前記開口部のうちコーナに位置する箇所のビッカース硬度をH1 とし、かつ前記開口部のうち長辺中央に位置する箇所のビッカース硬度をH2 とし、更に前記開口部を除く容器側面部分、つまり胴部側面のビッカース硬度をH3 とした時に、H1 <H2 <H3 を満たす構造を有する。このような容器は、開口部の強度が前記胴部の強度に比較して小さく、かつ最も加工し難い開口部コーナの強度が開口部の長辺中央部分に比べて小さいため、胴部の強度を高く保持したまま前記開口部の加工性を向上することができる。その結果、前記容器の前記開口部の上端を十分に、かつ容易に内方に折り曲げることができるため、これにより形成された折曲部で絶縁ガスケットを十分に圧縮することができる。このため、前記絶縁ガスケット内に配置された防爆機能付き封口部材を前記絶縁ガスケットの反発弾性力により気密性良くかしめ固定することができる。また、前記容器に過度な押圧力を加えることなく前記開口部の上端を内方に折り曲げることができ、かつ前記容器の胴部の強度が高いため、この折り曲げの際に前記容器の胴部に凹みや歪みなどの変形が生じるのを防止することができる。
【0016】
前記容器の前記開口部において長辺中央に位置する箇所の強度がコーナに比べて高いことから長辺側の面は撓み難く、かつ前記角形電池は前述したように気密性良く封口がなされているため、前記電池において例えば過充電や放電時の誤使用等によりガスが発生した際に、ガス圧力により前記開口部の長辺側の面が外方へ湾曲するのを防止することができる。従って、ガス発生後においても絶縁ガスケットの圧縮率を高い値に維持することができるため、前記電池の気密性を向上することができる。このため、前記電池の信頼性を向上することが可能になる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
実施例1
図1に示すように、本発明に係る角形電池は、一方極(例えば負極)端子を兼ねる容器1を備える。前記容器1は、例えばニッケルメッキが施された鉄から形成されている。前記容器1は、図2に示すように有底矩形筒状で、上部に矩形枠状の開口部2を有する。前記容器の角筒部(胴部)寸法は例えば、長辺側の幅が16.4mmで、短辺側の幅が5.5mmで、高さが46.6mmで、厚さが0.4mmである。前記容器1のビッカース硬度は例えば、開口部2のうち長辺中央部に位置する箇所H2 が130Hvで、かつ開口部2のうち短辺側の面H4 が100Hvである。また、開口部2のうちコーナに位置する箇所のビッカース硬度H1 は100Hvである。更に、前記開口部2を除く容器側面部分、つまり胴部側面のビッカース硬度H3 は例えば、160Hvである。従って、前記容器1はH1 <H2 <H3 を満たす構造を有する。前記容器1の前記開口部2の上端は内方に折り曲げられて折曲部3が形成されている。前記容器1の開口部2の下方には、例えば0.2mm内方に突出した形状の段部4が形成されている。電極群5は、一方極(例えば負極)6と、セパレータ7で包まれた他方極(例えば正極)8とを交互に重ね合わせて形成されている。前記電極群5は、前記容器1の内周面と前記負極6が接触するように前記容器1内に収納されている。電解液は前記容器1内に収容されている。合成樹脂製の絶縁ガスケット9は、底部に矩形の穴9aが開口された有底矩形筒状である。前記絶縁ガスケット9は、前記容器1内の前記折曲部3と前記段部4とにより囲まれた位置に目的とする圧縮状態で配置されている。防爆機能及び他方極(例えば正極)端子を兼ねる封口部材10は、前記絶縁ガスケット9内に配置され、前記絶縁ガスケット9の反発弾性力により強固にかしめ固定されている。前記封口部材10は、中央にガス抜き孔11を有する矩形状の封口板12と、例えば合成ゴムからなる弾性弁体13と、ガス通過孔(図示しない)を有する帽子形の端子キャップ14とから構成されている。前記弾性弁体13は前記封口板12にそのガス抜き孔11を覆うように載置されている。前記端子キャップ14は前記弾性弁体13を包囲するように配置され、溶接により前記封口板12に固定されている。他方極(例えば正極)リード15は、一端が前記正極8に接続され、他端が前記封口板12の下面と接続されている。
【0018】
この角形電池の防爆機構の動作を説明する。前記角形電池においてガスが発生し、所望の値のガス圧力が前記封口板12のガス抜き孔11を通して前記弾性弁体13に加わると、前記弁体13は変形して持ち上げられるため、前記封口板12と前記弁体13との間に隙間が生じる。その結果、前記ガスは前記隙間,前記端子キャップ14のガス通過孔を通して外部へ逃散するため、破裂が防止される。
【0019】
このような構成の角形電池によれば、ビッカース硬度がH1 <H2 <H3 を満たす構造を有する容器1を備える。このような容器1は、開口部2の強度が前記胴部の強度に比較して小さく、かつ加工性が最も劣る開口部コーナの強度が開口部の長辺中央部分に比べて小さいため、胴部の強度を高く保持したまま前記開口部2の加工性を向上することができる。その結果、前述した図1に示すように前記容器1の前記開口部2の上端に所望の形状を持つ折曲部3を形成することができるため、前記折曲部3により絶縁ガスケット9を十分に圧縮することができる。このため、封口部材10を前記絶縁ガスケット9の反発弾性力によって前記容器1の前記折曲部3と前記段部4とにより囲まれた空間内にかしめ固定することができる。また、前記容器1の開口部2上端を折り曲げる工程において、前記容器1に過度な押圧力を加えることなく前記開口部2上端を内方に折り曲げることができ、かつ前記容器1の胴部の強度が高いため、前記胴部に凹みや歪みなどの変形が生じるのを防止することができる。
【0020】
前記容器1の前記開口部2において長辺中央に位置する箇所の強度がコーナに比べて高いことから長辺側の面は撓み難く、かつ前記角形電池は前述したように気密性良く封口がなされているため、前記電池において例えば過充電や放電時の誤使用等によりガスが発生した際に、ガス圧力により前記開口部2の長辺側の面が外方へ湾曲するのを防止することができる。その結果、ガス発生後においても絶縁ガスケット9の圧縮率を高い値に維持することができるため、前記電池の気密性を向上することができる。このため、前記電池の信頼性を向上することが可能になる。
【0021】
本発明に係わる角形電池の優れた特性は以下に示す実験により確認された。
比較例1
側面全体のビッカース硬度が160Hvである容器を用いた以外は実施例1と同様な構成で前述した図1に示す構造を有する角形電池を製造した。
比較例2
開口部全体のビッカース硬度が130Hvで、かつ胴部側面のビッカース硬度が160Hvである容器を用いた以外は実施例1と同様な構成で前述した図1に示す構造を有する角形電池を製造した。
比較例3
開口部全体のビッカース硬度が100Hvで、かつ胴部側面のビッカース硬度が160Hvである容器を用いた以外は実施例1と同様な構成で前述した図1に示す構造を有する角形電池を製造した。
【0022】
実施例1及び比較例1〜3の角形電池の容器の下部側面に孔を設け、この孔から前記容器内にガスを送りこみ、開口部の長辺側の面が外側に向かって湾曲し、前記開口部の長辺側の内面と絶縁ガスケットの長辺側の側壁との間に隙間が生じてこの隙間からガス漏れが生じた時の前記容器内の圧力を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1から明らかなように、ビッカース硬度が前記式H1 <H2 <H3 を満たす構造を有する容器を備えた実施例1の角形電池は、開口部の上端に所望の形状を有する折曲部が形成され、容器に変形がなく、ガス漏れ圧力が13〜16kgf/cm2 と高く、封口耐圧が高いことがわかる。これに対し、開口部及び胴部側面のビッカース硬度が160Hvである容器を備えた比較例1の角形電池は、封口時に変形を生じ、また開口端が内方に軽度しか屈曲されず、ガス漏れ圧力が格段に低いことがわかる。開口部のビッカース硬度が130Hvで、胴部側面のビッカース硬度が160Hvである容器を備えた比較例2の角形電池は、かしめ固定の工程において前記開口部の上端を内方に折り曲げる際に前記容器の底部に凹みが生じ、かつガス漏れ圧力が8〜10kgf/cm2 と低かった。また、開口部のビッカース硬度が100Hvで、胴部側面のビッカース硬度が160Hvである容器を備えた比較例2の角形電池は、かしめ固定の工程において前記開口部の上端が十分に折り曲げられ、この時に前記容器の底部に変形が生じなかったものの、ガス漏れ圧力が10〜13kgf/cm2 と低かった。
【0025】
なお、前記実施例では安全弁として前述した図1に示す弾性弁体からなり、弁作動後に再び封口板のガス抜き孔を密閉する復帰式のものを用いたが、安全弁としては前記封口板と前記端子キャップとの間に前記封口板のガス抜き孔を覆うように介装された弁膜(例えば可撓性薄膜から形成される)からなる非復帰式のものを用いることができる。前記非復帰式の安全弁を備えた電池では、前記電池内のガスが前記封口板の前記ガス抜き孔を通して前記弁膜に圧力を加え、これを破断する。従って、前記ガスは前記弁膜の破断箇所及び前記端子キャップの前記ガス抜き孔から外部に逃散し、前記電池の破裂が防止される。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の角形電池によれば、容器に封口部材を気密性良くかしめ固定することができ、かしめ固定の際に容器が変形するのを防止することができ、例えば過充電や誤使用等により電池内にガスが発生した際に前記開口部の長辺側の面が外方に湾曲するのを抑制することができ、前記ガス発生時に絶縁ガスケットの圧縮率が低下するのを防止することができ、前記電池の気密性を向上することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角形電池を示す断面図。
【図2】図1の容器を示す斜視図。
【符号の説明】
1…容器、2…開口部、3…折曲部、4…段部、5…電極群、9…絶縁ガスケット、10…防爆機能及び端子を兼ねる封口部材、12…封口板。
Claims (1)
- 上部に矩形枠状の開口部と前記開口部の下方に形成された内方に突出した形状の段部とを有する有底矩形筒状の容器と、前記容器内に収納され、正極と負極との間にセパレータを介して作製された電極群と、前記容器内に収容された電解液と、前記容器内の段部に載置されて前記開口部の上端を内方に折り曲げることにより前記段部と折曲部とにより囲まれた空間に圧縮状態で配置された底部に穴を有する有底矩形筒状の絶縁ガスケットと、前記絶縁ガスケット内に配置され、前記ガスケットの圧縮下においてかしめ固定される防爆機能を持つ封口部材とを具備した角形電池において、
前記容器は、前記開口部のうちコーナに位置する箇所のビッカース硬度をH1とし、前記開口部のうち長辺中央に位置する箇所のビッカース硬度をH2とし、前記開口部を除く容器側面部分のビッカース硬度をH3とした時に、H1<H2<H3を満たす構造を有し、
前記ビッカース硬度H 1 を80Hv〜120Hvにし、前記ビッカース硬度H 2 を100Hv〜140Hvにし、かつ前記ビッカース硬度H 3 を140Hvを超え、200Hv以下にすることを特徴とする角形電池。
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