JP3627609B2 - 車両用乗員保護システムのための起動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるエアバッグシステムやベルトプリテンショナ等の車両用乗員保護システムのための起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車用エアバッグシステムの起動装置においては、スキブに起動電流を流すためのスイッチとして、機械式スイッチが採用されている。この機械式スイッチは、CPUを主とするマイクロコンピュータの暴走に対して誤動作しにくいため、スキブ起動用の安全スイッチとして上記起動装置に用いられているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記機械式スイッチは高価で大きな形状を有する。さらに、当該機械式スイッチの閉成保持時間が短いため、ベルトプリテンショナーの起動から遅延を設けてエアバッグを起動したり、或いは2段階起動するエアバッグの1段目と2段目に遅延時間を設けて制御するという遅延制御に必要な閉成保持時間を確保できない。その結果、上記起動装置では、乗員の保護性能の向上を達成できないという不具合を招く。
【0004】
このため、近年、コストの低減や乗員保護性能の向上を目的として、機械式スイッチを電子式スイッチング素子に置き換える電子化のニーズが高まっている。
【0005】
一般に、機械式スイッチを電子化すると、起動装置はスキブに複数の電子式スイッチング素子を直列に接続する構成になる。しかし、このように電子化するには、それらの複数の電子式スイッチング素子がマイクロコンピュータの暴走に起因して誤って同時にオンしないようにすること、即ち、エアバッグシステムの誤起動防止が要請される。
【0006】
特に、故障診断のため一電子式スイッチング素子を強制的にオンするときは、誤起動防止の冗長性が低下するので細心の配慮が必要である。
【0007】
そこで、本発明は、このようなことに対処するため、スキブを起動するスイッチを電子化しても、マイクロコンピュータの暴走に起因する誤起動を防止するようにした車両用乗員保護システムのための起動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明に係る車両用乗員保護システムのための起動装置によれば、
車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にてスキブと共に互いに直列接続されてオンにより電源からスキブに起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
複数の電子式スイッチング素子のうち一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくともマイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
少なくともマイクロコンピュータの診断信号に基づき診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、220、221、222)と、
マイクロコンピュータの外部に構成され、上記故障診断と残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンとの両立を禁止する両立禁止手段(90、90A、140、150、160、170、180)とを備え、
この両立禁止手段は、マイクロコンピュータの出力状態とはかかわりなく、上記故障診断と非診断対象スイッチング素子のオンとの両立を禁止する。
【0009】
このように、診断対象スイッチング素子の故障診断と非診断対象スイッチング素子のオンとの両立禁止手段が、マイクロコンピュータの出力状態とはかかわりなく機能することで、マイクロコンピュータの出力状態が如何なる状態であっても、故障診断(即ち、診断対象スイッチング素子の強制オン)は非診断対象スイッチング素子のオフ状態のもとでなされるか、或いは、非診断対象スイッチング素子がオン状態のときは上記故障診断はなされない。
【0010】
従って、マイクロコンピュータが暴走してその出力状態が乱れても、スキブに直列接続される全ての電子式スイッチング素子が、故障診断により誤って同時にオンすることは回避されるので、電子式スイッチング素子がスキブに誤って起動電流を流して乗員保護装置を誤動作させるという事態を招くことはなく、診断対象スイッチング素子の故障診断を正しく行える。
【0011】
また、請求項2に記載の発明に係るに車両用乗員保護システムのための起動装置によれば、
車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にてスキブと共に互いに直列接続されてオンにより電源から前記スキブに起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
複数の電子式スイッチング素子のうち少なくとも一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくともマイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、220、221、222)と、
残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンを禁止する禁止手段(90、150、160、170)とを備え、
マイクロコンピュータは、診断手段による診断のとき、診断用信号を出力し、診断手段は、その診断を、診断用信号に基づき行い、禁止手段は、非診断対象スイッチング素子のオン禁止を、診断用信号を兼用して行う。
【0012】
このように、診断対象スイッチング素子の故障診断のための診断用信号を利用して非診断対象スイッチング素子のオン禁止を行うので、スキブを起動するスイッチング素子が電子化されている起動装置においてマイクロコンピュータが暴走してその出力状態が乱れて診断用信号が乱れても、この乱れは上述の診断手段及び禁止手段の双方に同様に作用する。換言すれば、診断用信号の乱れは上述の故障診断及びオン禁止の双方を行うか行わないかのいずれかの方向に作用する。
【0013】
従って、スキブに直列接続される全ての電子式スイッチング素子が故障診断により誤って同時にオンすることは回避されるので、スキブに誤って起動電流を流して乗員保護装置を誤起動させるという事態を招くことなく、診断対象スイッチング素子の故障診断を正しく行える。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明とは異なり、マイクロコンピュータとは独立して設けられて診断対象スイッチング素子の診断用信号及び非診断対象スイッチング素子のオン禁止用信号を論理積信号として処理する処理手段(140)を備え、
マイクロコンピュータは、診断手段による診断のとき、診断用信号及びオン禁止用信号を出力し、診断手段は、その診断を、論理積信号に基づき行い、禁止手段は、非診断対象スイッチング素子のオン禁止を、オン禁止用信号に基づき行う。
【0015】
このように、マイクロコンピュータが診断用信号及びオン禁止用信号を出力しても、マイクロコンピュータとは独立する処理手段が診断対象スイッチング素子の診断用信号及び非診断対象スイッチング素子のオン禁止用信号を論理積信号として処理し、この論理積信号でもって診断手段による診断対象スイッチング素子の故障診断がなされ、オン禁止用信号でもって禁止手段による非診断対象スイッチング素子のオン禁止がなされる。
【0016】
従って、スキブを起動するスイッチング素子が電子化されている起動装置においてマイクロコンピュータが暴走してその出力状態が乱れて診断用信号が乱れても、この乱れは処理手段の論理積処理のもと請求項2に記載の発明の場合と実質的に同様に上述の診断手段及び禁止手段の双方に同様に作用する。
【0017】
よって、スキブに誤って起動電流を流して乗員保護装置を誤起動させるという事態を招くことなく、診断対象スイッチング素子の故障診断を正しく行える。
【0018】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明とは異なり、
非診断対象スイッチング素子のオン状態をモニターしてモニター信号を発生するモニター手段(90A)と、
マイクロコンピュータとは独立して設けられて診断対象スイッチング素子の診断用信号及びモニター信号を論理積信号として処理する処理手段(140)とを備え、
マイクロコンピュータは、診断手段による診断のとき、診断用信号を出力し、モニター信号が非診断対象スイッチング素子のオフ状態を表すときにのみ、診断手段は、その診断を、論理積信号に基づき行う。
【0019】
このように、モニター手段が非診断対象スイッチング素子のオン状態をモニター信号として出力し、マイクロコンピュータが診断用信号を出力しても、マイクロコンピュータとは独立する処理手段が診断対象スイッチング素子の診断用信号及びモニター信号を論理積信号として処理し、モニター信号が非診断対象スイッチング素子のオフ状態を表すときにのみ論理積信号でもって診断手段による診断対象スイッチング素子の故障診断がなされる。
【0020】
従って、スキブを起動するスイッチング素子が電子化されている起動装置においてマイクロコンピュータが暴走してその出力状態が乱れて診断用信号が乱れても、非診断対象スイッチング素子のオン状態にあるときには、診断手段による故障診断はなされず、診断対象スイッチング素子がオンすることはない。
【0021】
よって、スキブに誤って起動電流を流して乗員保護装置を誤起動させるという事態を招くことなく、診断対象スイッチング素子の故障診断を正しく行える。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の車両用乗員保護システムのための起動装置において、禁止手段は、
マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視手段(150)と、リセット信号に基づき非診断対象スイッチング素子のオンを禁止するリセット時オン禁止手段(170、160)を備え、モニター手段はリセット信号に基づきモニター信号を発生する。
【0023】
このように、非診断対象スイッチング素子のオン状態をモニターする信号に、マイクロコンピュータの動作の異常時に監視手段から出力されるリセット信号に基づく信号を用いることにより、請求項4に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0024】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、禁止手段は、
マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視回路(150)と、
リセット信号に基づき非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第1禁止回路(160、170)と、
この第1禁止回路とは別に非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第2禁止回路(90)とを備え、
少なくとも監視回路、第1禁止回路、第2禁止回路及び残りの電子式スイッチング素子を単一のIC(L)として集積化し、
ICは、第2禁止回路の制御用信号を入力する入力端子(La)を備えて、この入力端子から前記診断用信号を入力される。
【0025】
これにより、上記ICとしての集積化によるコストダウンを確保しつつ請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0026】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明において、禁止手段は、
マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視回路(150)と、
リセット信号に基づき非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第1オン禁止回路(170、160)と、
この第1禁止回路とは別に非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第2禁止回路(90)とを備え、
少なくとも監視回路、第1禁止回路、第2禁止回路及び残りの電子式スイッチング素子を単一のIC(L)として集積化し、
ICは、第2禁止回路の制御用信号を入力する入力端子(La)を備えて、この入力端子からオン禁止信号を入力される。
【0027】
これにより、上記ICとしての集積化によるコストダウンを確保しつつ請求項3に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0028】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の発明において、複数の電子式スイッチング素子は、第1判定手段の衝突との判定に基づきオンするように駆動される第1電子式スイッチング素子及び第2判定手段の衝突との判定に基づきオンするように駆動される第2、第3の電子式スイッチング素子である。
【0029】
このように、電子式スイッチング素子を3つにすることで、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成するにあたり、乗員保護装置の誤起動防止に対する冗長性を向上させ得る。
【0030】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1乃至図3は、本発明に係る自動車用エアバッグシステムの一実施形態を示している。このエアバッグシステムは、当該自動車に搭載のエアバッグ装置Aと、起動装置Dとにより構成されている。エアバッグ装置Aは、インレータからのガスによりエアバッグを展開するように構成されている。
【0033】
起動装置Dは、スキブ10と、このスキブ10に直列接続した第1乃至第3の電子式スイッチング素子20乃至40とを備えている。ここで、第1及び第3の電子式スイッチング素子20及び40は、Pチャンネル型電界効果トランジスタからなり、第2電子式スイッチング素子30はNチャンネル型電界効果トランジスタからなる。
【0034】
スイッチング素子20は、そのソースにて、直流電源の正側端子+Bに接続されている。スイッチング素子30は、そのドレインにて、スキブ10の負側端子12に接続されており、このスイッチング素子30のソースは接地されている。また、スイッチング素子40は、そのソースにて、スイッチング素子20のドレインに接続されており、このスイッチング素子40のドレインはスキブ10の正側端子11に接続されている。
【0035】
また、起動装置Dは、互いに直列接続した両抵抗13、14と、互いに直列接続した両抵抗21、22とを備えている。抵抗13は、その一側端子にて上記直流電源の正側端子+Bに接続されており、この抵抗13の他側端子は、抵抗14を通して接地されている。また、両抵抗13、14の共通端子15は、スキブ10の正側端子11に接続されている。
【0036】
これにより、スイッチング素子30、40が共にオフしているときのスキブ10の正側端子11の電圧(以下、正側端子電圧V11という)は、上記直流電源の電源電圧を両抵抗13、14で分圧した電圧(共通端子15に生ずる電圧)になる。また、スイッチング素子30のオン時には、正側端子電圧V11は接地電位近傍まで低下する。
【0037】
抵抗21は、その両側端子にて、スイッチング素子20のソース及びドレインに接続されており、この抵抗21は、抵抗22を通して接地されている。これにより、スイッチング素子20、40が共にオフしているときの両スイッチング素子20、40の共通端子23に生ずる電圧(以下、電圧Sbという)は、両抵抗21、22で上記直流電源の電源電圧を分圧した電圧(両抵抗21、22の共通端子に生ずる電圧)となる。また、スイッチング素子20のオン時には、電圧Sbは上記直流電源の電源電圧近傍まで上昇する。
【0038】
また、起動装置Dは、第1及び第2の加速度センサ50及び60を備えている。第1加速度センサ50は、常開型機械式スイッチ51と、両抵抗52、53とを備えている。機械式スイッチ51は、当該自動車の衝突に伴う加速度を検出してオンする。この機械式スイッチ51は、その固定接点にて、上記直流電源の正側端子+Bに接続され、その可動接点にて、互いに直列接続した抵抗53を介し接地されている。抵抗52は機械式スイッチ51に並列接続されている。
【0039】
これにより、加速度センサ50は、機械式スイッチ51のオフ状態にて、上記直流電源の電圧を両抵抗52、53により分圧して、両抵抗52、53の共通端子である出力端子から分圧電圧(以下、出力電圧Vcという)を発生する。また、加速度センサ50は、その出力端子から、機械式スイッチ51のオンに基づき、上記直流電源の電源電圧(以下、出力電圧Vaという)を上記出力端子から発生する。
【0040】
このことは、加速度センサ50は、当該自動車の衝突時に機械式スイッチ51のオンに基づき出力電圧Vaを加速度検出電圧として発生することを意味する。従って、当該自動車の非衝突時に加速度センサ50から生ずる出力電圧Vcは加速度検出電圧を発生していないことに対応する。
【0041】
第2加速度センサ60は、半導体式加速度センサからなるもので、この加速度センサ60は、当該自動車の加速度を検出しこれに比例する加速度検出信号をアナログ電圧として発生する。なお、第1加速度センサ60の出力端子は後述するマイクロコンピュータ70の入力ポート71に接続されている。
【0042】
また、起動装置Dは、マイクロコンピュータ70、判定回路或いは診断回路80、禁止回路90、警報ランプ100、第1乃至第3の駆動回路110乃至130を備えている。マイクロコンピュータ70は、CPU、ROMその他の回路素子により構成されており、このマイクロコンピュータ70は、図2及び図3にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、第2加速度センサ60の検出信号の入力、両スイッチング素子20、40の共通端子23の電圧Sb及び両抵抗13、14の共通端子15の電圧V11に基づき、判定回路80、第1駆動回路110、スイッチング素子20の故障診断、禁止回路90の禁止、警報ランプ100及び第2、第3の駆動回路120、130の駆動に必要な処理をする。ここで、マイクロコンピュータ70は、当該自動車のイグニッションスイッチのオンに伴いバッテリから給電されて、コンピュータプログラムの実行を開始する。なお、当該コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ70のROMに予め記憶されている。
【0043】
判定回路80は、マイクロコンピュータ70から独立したハードウェアとしての回路として機能するもので、この判定回路80は、閾値電圧切り替え回路81、コンパレータ82及びタイマー83により構成されている。閾値電圧切り替え回路81は、起動回路Dのテストモードか否かにより閾値電圧を切り替える回路である。
【0044】
この閾値電圧切り替え回路81は、テストモード以外の時には、閾値電圧を両出力電圧Va、Vcの間の値Vb(Va>Vb>Vc)に設定し、テストモード時には閾値電圧を出力電圧Vcよりも低い値Vd(Vc>Vd)に設定する。但し、閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧の切り替えは、マイクロコンピュータ70からの後述するテスト信号Saにより行われる。ここで、テスト信号Saがハイレベルのときテストモードであり、ローレベルのとき非テストモードである。なお、閾値電圧切り替え回路80の入力端子はマイクロコンピュータ70の出力ポート72に接続されている。
【0045】
コンパレータ82は、テストモードでない当該自動車の非衝突時には加速度センサ50の出力電圧Vcを閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vbと比較して、Vc<Vbにより、ローレベルの比較信号を発生する。また、コンパレータ82は、テストモードでない当該自動車の衝突時には、加速度センサ50の出力電圧Vaを閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vbと比較して、Va>Vbにより、ハイレベルの比較信号(当該自動車の衝突との判定出力)を発生する。
【0046】
また、コンパレータ82は、当該自動車の非衝突時におけるテストモード時には加速度センサ50の出力電圧Vcを閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vdと比較して、Vc>Vdにより、ハイレベルの比較信号を発生する。このことは、テストモード時には機械式スイッチ51がオフ状態でも、閾値電圧切り替え回路80の閾値電圧Vdでもって、当該自動車の衝突時と同様にコンパレータ82からハイレベルの比較信号(即ち、衝突時の判定出力に相当)を発生することを意味する。
【0047】
タイマー83は、コンパレータ82からのハイレベルの比較信号の出力(即ち、立ち上がり)に基づき計時を開始し、この開始と同時にハイレベルにてタイマー信号を発生する。このタイマー83の計時時間は、後述のような当該自動車の衝突時にスイッチング素子30、40のオンを所定のオーバーラップ時間(2ms以上の時間、例えば、10ms)の間確実にオーバーラップさせるようにするための時間である。本実施形態では、タイマー83として、例えば、日本電気株式会社製μPD5555型タイマーICが採用されている。
【0048】
禁止回路90は、トランジスタ91と、両抵抗92、93とにより構成されている。トランジスタ91は、そのベースにて、両抵抗92、93を介しマイクロコンピュータ70の出力ポート72に接続されており、このトランジスタ91のコレクタはスイッチング素子30のゲートに接続されている。しかして、このトランジスタ91は、両抵抗92、93を介しマイクロコンピュータ70からのテスト信号Saを禁止信号Scとして入力される。
【0049】
ここで、テスト信号Saがハイレベルのとき、即ち禁止信号Scがハイレベルのときトランジスタ91はオンしてスイッチング素子30のゲートを接地する。このことは、禁止回路90は禁止信号Scがハイレベルのときスイッチング素子30のオンを禁止することを意味する。また、テスト信号Saがローレベルのとき、即ち禁止信号Scがローレベルのときトランジスタ91はオフしてスイッチング素子30のゲートを非接地状態にする。このことは、禁止回路90は禁止信号Scがローレベルのときスイッチング素子30のオン禁止を解除することを意味する。
【0050】
第1駆動回路110は、トランジスタ111と、複数の抵抗112乃至115とを備えている。トランジスタ111は、そのベースにて、両抵抗112、113を介し判定回路80のタイマー83の出力端子に接続されており、このトランジスタ111のコレクタは、抵抗114を通して第1スイッチング素子20のゲートに接続されている。抵抗115は、その一側端子にて、上記直流電源の正側端子+Bに接続されており、この抵抗115の他側端子は抵抗114を介しトランジスタ111のコレクタに接続されている。
【0051】
このように構成した第1駆動回路110では、トランジスタ111は、タイマー83からのローレベルの出力に基づきオフしてスイッチング素子20をオフし、タイマー83からのハイレベルの出力に基づきオンしてスイッチング素子20をオンする。換言すれば、第1駆動回路110は、判定回路80のハイレベルの出力の発生時、即ち当該自動車の衝突時或いは駆動回路Dのテストモード時にのみスイッチング素子20をオンする。
【0052】
第2駆動回路120は、その入力端子にて、マイクロコンピュータ70の出力ポート73に接続されている。このため、当該第2駆動回路120は、マイクロコンピュータ70の出力ポート73を介する制御のもと、第2スイッチング素子30をオン或いはオフするように駆動する。なお、当該第2駆動回路110は、マイクロコンピュータ70の出力ポート73からのローレベル或いはハイレベルの出力(後述する)に基づきスイッチング素子30をオンオフ制御をするため、単一の抵抗により構成されている。
【0053】
第3駆動回路130は、その入力端子にて、マイクロコンピュータ70の出力ポート74に接続されている。このため、当該第3駆動回路130は、マイクロコンピュータ70の出力ポート74を介する制御のもと、スイッチング素子40をオン或いはオフするように駆動する。なお、当該第3駆動回路130は第1駆動回路110と同様の構成を有する。
【0054】
以上のように構成した本第1実施形態において、当該自動車がイグニッションスイッチのオンに伴い走行状態になるものとする。また、マイクロコンピュータ70が、イグニッションスイッチのオンに伴い、図2及び図3のフローチャートに従い、コンピュータプログラムの実行を開始する。
【0055】
この開始に伴い、ステップ200において、初期化の処理がなされるとともに、両抵抗13、14の共通端子15の正側端子電圧V11がマイクロコンピュータ70に入力される。このとき、テスト信号Saはローレベルにある。そして、次のステップ210において、正側端子電圧V11が正常範囲か否かが判定される。
【0056】
ここで、正側端子電圧V11は、上述のように上記直流電源の電源電圧を両抵抗13、14で分圧した値ならば、正常であるから、ステップ210における判定はYESとなる。また、誤ってスイッチング素子30がオンしていれば、正側端子電圧V11は接地電位近傍の値まで低下する。このため、ステップ210における判定はNOとなる。また、スキブ10が上記直流電源のラインに誤って短絡しているときには正側電圧V11は上記直流電源の電源電圧近傍の値まで上昇する。この場合も、ステップ210における判定はNOとなる。
【0057】
当該ステップ210での判定は、次のステップ212において判定回路80にテスト信号Saを出力することでスイッチング素子20のオン動作の可否を確認(即ち、判定回路80、第1駆動回路110、スイッチング素子20を故障診断)するため、少なくともスイッチング素子30がオフしているか否かを確認するものである。この確認理由は、スイッチング素子20を動作確認のためオンさせても、両スイッチング素子30、40のいずれか一つがオフしていれば、誤ってスキブ10に起動電流を流すことを防止できるからである。
【0058】
上述のようにステップ210の判定がNOとなる場合には、正側端子電圧V11が正常範囲にないことから、ステップ211において警報処理、即ち警報ランプ100の点灯処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ70は、出力ポート77から点灯信号を警報ランプ100に出力する。これにより、警報ランプ100が点灯し異常を警報する。
【0059】
一方、上述のようにステップ210の判定がYESとなる場合には、正側端子電圧V11が正常範囲にあることから、スイッチング素子30、40は共にオフしている。このため、ステップ212において、ハイレベルのテスト信号Saがマイクロコンピュータ70によりその出力ポート72から判定回路80の閾値電圧切り替え回路81に出力される。これと同時に、当該ハイレベルのテスト信号Saが禁止信号Scとして禁止回路90に出力される。
【0060】
上述のようにハイレベルのテスト信号Saが閾値電圧切り替え回路81に出力されると、この閾値電圧切り替え回路81は、当該テスト信号Saをテストモードのための信号として受けて、閾値電圧をVdに切り替えてコンパレータ82に出力する。このとき、第1加速度センサ50は、機械式スイッチ51のオフのもと出力電圧Vcを発生している。
【0061】
このため、コンパレータ82は出力電圧Vcを閾値電圧Vdと比較して、Vc>Vdより、ハイレベルの比較信号を発生しタイマー83に出力する。このため、タイマー83はその計時によりハイレベルのタイマー信号を発生し第1駆動回路110に出力する。すると、この第1駆動回路110では、トランジスタ111がそのベースにて両抵抗112、113を介しタイマー83からハイレベルのタイマー信号を入力されてオンしスイッチング素子20のゲートを抵抗114を介して接地する。
【0062】
一方、上述のようにハイレベルのテスト信号Saが禁止信号Scとして禁止回路90に出力されると、トランジスタ91が両抵抗92、93を介し当該禁止信号Scを入力されてオンしスイッチング素子30のゲートを接地する。このため、スイッチング素子30のオンが禁止される。従って、スキブ10に起動電流が流れることはない。
【0063】
このような状態にて、スイッチング素子20がオンすれば、両スイッチング素子20、40の共通端子23に生ずる電圧Sbは上記直流電源の電源電圧近傍の値に上昇する。また、スイッチング素子20がそのゲートの接地でも故障によりオンしなければ、電圧Sbは上記直流電源の電源電圧近傍の値には上昇せず両抵抗21、22の共通端子の電圧に維持される。
【0064】
ステップ212の処理後、ステップ220において電圧Sbが所定電圧値Vth以上か否かが判定される。ここで、当該所定電圧値Vthは、上記直流電源の電源電圧と正常電圧(スイッチング素子20のオンのときの電圧Sb)との間の値に設定されている。
【0065】
しかして、電圧Sbが所定電圧値Vth以上であれば、ステップ220における判定がYESとなり、ステップ221において警報ランプ100の消灯指令処理がなされる。このため、警報ランプ100は消灯状態におかれる。一方、電圧Sbが所定電圧値Vth未満の場合には、スイッチング素子20にオフ故障があることからステップ220における判定がNOとなり、ステップ211において上述と同様に警報ランプ100の警報点灯がなされる。
【0066】
そして、ステップ211と221の処理後は、ステップ222において、テスト信号Saをローレベルにしてテストモード信号の判定回路80への出力が停止される。これにより、故障診断が終了する。
【0067】
以上説明したように、マイクロコンピュータ70が出力ポート72から判定回路80へハイレベルのテスト信号Saを出力すると同時にこの信号を禁止回路90に禁止信号Scとして出力するから、この禁止信号Scに基づき禁止回路90によりスイッチング素子30のオフを確保しつつハイレベルのテスト信号Saに基づき判定回路80により駆動回路110を介しスイッチング素子20のオンの可否を判定できる。
【0068】
換言すれば、ハイレベルのテスト信号Saを禁止信号Scとして兼用することで、マイクロコンピュータ70の同一の出力ポートの出力信号をスイッチング素子20のテスト信号及びスイッチング素子30のオン禁止信号として利用することとなる。
【0069】
例えば、マイクロコンピュータ70の暴走によりその出力ポート72がソフトウエアであるコンピュータプログラムによっては制御不能となり、マイクロコンピュータ70から誤ってハイレベルのテスト信号Saが出力されることで、スイッチング素子20がオンしてもスイッチング素子30のオンがハイレベルのテスト信号Saである禁止信号Scにより同時に禁止される。
【0070】
その結果、スイッチング素子20として電子化スイッチング素子を採用した本実施形態においてマイクロコンピュータ70が暴走しても、これによる出力ポート72の状態の変化に影響されてスキブ10に誤って起動電流を流すという事態、ひいてはエアバッグ装置Aを誤動作させるという事態を招くことない。
【0071】
ちなみに、マイクロコンピュータ70のもう少し厳しい暴走状態を想定する。マイクロコンピュータ70の出力ポート72の状態が乱れることで、テスト信号Saが誤ってハイレベルになってスイッチング素子20をオンし、さらに後述のように誤って当該自動車の衝突と判定することで第2及び第3の駆動回路120、130が各スイッチング素子30、40をオンしようとしても、スイッチング素子30だけは禁止回路90によりハイレベルのテスト信号Saである禁止信号Scに基づきオフに維持される。従って、このようなマイクロコンピュータ70の厳しい暴走状態でも、エアバッグ装置Aの誤動作を確実に防止できる。
【0072】
上述のようにステップ222の処理にてスイッチング素子20の故障診断が終了すると、図3のステップ230において、マイクロコンピュータ70による制御周期に達しているか否かが判定される。一般には、当該制御周期は1ms前後の周期に設定される。制御周期に達していなければ、ステップ230における判定がNOとなり待ち状態になる。
【0073】
その後、ステップ230における判定がYESになると、ステップ231において第2加速度センサ60の加速度検出信号がマイクロコンピュータ70にその入力ポート71から入力され、デジタルデータに変換される。これに伴い、ステップ232において、当該デジタルデータが区間積分値として区間積分される。そして、ステップ240において、当該区間積分値に基づき当該自動車の衝突判定がなされる。
【0074】
ここで、上記区間積分値が所定値以上であれば、ステップ240において当該自動車の衝突との判定がなされ、ステップ241において、マイクロコンピュータ70に内蔵のオン保持タイマーがリセット始動されて計時時間(例えば、50ms)の計時を開始する。一方、上記区間積分値が上記所定値未満であれば、ステップ240においてNOとの判定がなされる。
【0075】
上述のようにステップ241での処理或いはステップ240におけるNOとの判定処理がなされると、ステップ250において、上記オン保持タイマーの計時値が零か否かにつき判定される。
【0076】
現段階において、ステップ250における判定がYESとなるときには、上記オン保持タイマーが上記計時時間をカウントダウンにより計時する。そして、ステップ253において、両スイッチング素子30、40のオン処理がなされる。これに伴い、第2及び第3の駆動回路120、130は、各スイッチング素子30、40をオンする。その後、上記オン保持タイマーの計時値が零になると、ステップ250においてNOとの判定がなされ、ステップ251において両スイッチング素子30、40のオフ処理がなされる。これに伴い、第2及び第3の駆動回路120、130は、各スイッチング素子30、40をオフする。
【0077】
一方、上述のように当該自動車の衝突と判定されるときには、第1加速度センサ50は、機械式スイッチ51のオンにより、出力電圧Vaを発生する。また、ステップ222において上述のごとくテスト信号Saはローレベルになっているから、閾値電圧切り替え回路81は閾値電圧Vbを出力している。このため、Va>Vbより、コンパレータ82はハイレベルの比較信号を発生し、タイマー83はハイレベルのタイマー信号を発生する。
【0078】
従って、第1駆動回路110は、当該ハイレベルのタイマー信号に基づくトランジスタ111のオンによりスイッチング素子20をオンする。このオン時間はタイマー83からのハイレベルのタイマー信号の発生時間の間維持される。なお、テスト信号Sa、従って禁止信号Scはローレベルであるから、禁止回路90はトランジスタ91のオフによりスイッチング素子30のオン禁止を解除している。
【0079】
換言すれば、両スイッチング素子30、40のオンは上記オン保持タイマーの計時値が零になるまで維持され、一方、スイッチング素子20のオンはタイマー83からのハイレベルのタイマー信号の発生時間の間維持される。従って、両スイッチング素子30、40のオン時間はスイッチング素子20のオン時間と重複する。
【0080】
このため、各スイッチング素子20、30、40のオンのもと、スキブ10には上記直流電源から確実に起動電流が流れてエアバッグ装置Aを作動させる。これにより、当該自動車の衝突時にはエアバッグ装置Aにより乗員を確実に保護できる。
【0081】
なお、本第1実施形態では、スイッチング素子20は機械式ではなく電子式であり、第1加速度センサ50は電子式スイッチング素子ではなく機械式スイッチ51を採用しているので、第1加速度センサ50には起動電流を流す必要がなく、従来よりも安価で小型の起動装置を提供できる。
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態において、第1加速度センサ50及び判定回路80に代えて、第1加速度センサ50A、判定回路80A及びANDゲート140を採用した構成となっている。
【0082】
第1加速度センサ50Aは、半導体式加速度センサからなるもので、この加速度センサ50Aは、当該自動車の加速度を検出しこれに比例する加速度検出信号をアナログ電圧として発生する。また、第1加速度センサ50Aは、ANDゲート140から後述のように出力されるハイレベルの疑似信号発生要求信号Siを受けて、当該自動車の衝突時加速度相当の疑似加速度を表す疑似信号を生成する。
【0083】
判定回路80Aは、上記第1実施形態にて述べた判定回路80のコンパレータ82及びタイマー83を採用し、かつ、当該判定回路80の閾値電圧切り替え回路81に代えて基準電圧発生回路85を採用し、さらに、ローパスフィルタ84(以下、LPF84という)を付加的に採用した構成を有する。
【0084】
LPF84は、抵抗84a及びコンデンサ84bからなるもので、このLPF84は、第1加速度センサ50Aの加速度検出信号或いは疑似信号から低周波数成分を抽出してフィルタ加速度電圧或いはフィルタ疑似電圧としてコンパレータ82の正側入力端子に入力する。基準電圧発生回路85は、基準電圧を発生する。
【0085】
コンパレータ82は、LPF84からのフィルタ加速度電圧或いはフィルタ疑似電圧を基準電圧発生回路85からの基準電圧と比較して、当該フィルタ加速度電圧或いはフィルタ疑似電圧が当該基準電圧よりも高いとき当該自動車の実際の衝突或いは疑似的な衝突を表すハイレベルの比較信号を発生する。
【0086】
ANDゲート140は、その一側入力端子にて、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ70の出力ポート72に接続されており、このANDゲート140の他側入力端子は、マイクロコンピュータ70の別の出力ポート78に接続されている。
【0087】
これにより、ANDゲート140は、その一側入力端子にて、上記第1実施形態にて述べたテスト信号Saをマイクロコンピュータ70の出力ポート72から入力され、また、その他側入力端子にて、上記第1実施形態にて述べた禁止信号Scをマイクロコンピュータ70の出力ポート78から入力される。そして、当該ANDゲート140は、テスト信号Sa及び禁止信号Scが共にハイレベルのときにゲート信号をハイレベルの疑似信号発生要求信号Siとして第1加速度センサ50Aに出力する。
【0088】
また、上記第1実施形態にて述べた禁止回路90は、マイクロコンピュータ70からその出力ポート78を介し禁止信号Scを上記第1実施形態にて述べた禁止信号Scと同様に入力される。その他の構成は上記第1実施形態と実質的に同様である。
【0089】
このように構成した本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたと同様にステップ210における判定がYESになると、ステップ212において、テスト信号Sa及び禁止信号Scが共にハイレベルにて出力される。
【0090】
すると、ANDゲート140が、これらテスト信号Sa及び禁止信号Scに基づきハイレベルの疑似信号発生要求信号Siを第1加速度センサ50Aに出力する。このため、第1加速度センサ50Aが疑似信号を発生すると、判定回路80Aでは、LPF84が当該疑似信号に基づきフィルタ疑似電圧を発生する。
【0091】
これに伴い、コンパレータ82は、当該フィルタ疑似電圧を基準電圧発生回路85の基準電圧と比較してハイレベルにて比較信号を発生し、タイマー回路83がハイレベルのタイマー信号を上記第1実施形態と同様に発生する。このため、第1駆動回路110が、当該タイマー信号に基づきトランジスタ111をオンしてスイッチング素子20のゲートを抵抗114を介して接地する。
【0092】
一方、禁止回路90は、マイクロコンピュータ70から上記禁止信号Scを入力されて、トランジスタ91のオンによりスイッチング素子30のオンを禁止する。従って、スキブ10に起動電流が流れることはない。
【0093】
このような状態にて、スイッチング素子20がオンすれば、両スイッチング素子20、40の共通端子23に生ずる電圧Sbは上記直流電源の電源電圧近傍の値に上昇する。また、スイッチング素子20がそのゲートの接地でも故障によりオンしなければ、電圧Sbは上記直流電源の電源電圧近傍の値には上昇せず両抵抗21、22の共通端子の電圧に維持される。従って、上記第1実施形態にて述べたと同様にステップ220乃至ステップ222の処理のもとスイッチング素子20のオンの可否の判定がスキブ10に誤って起動電流を流すことなくなされる。
【0094】
換言すれば、テスト信号Sa及び禁止信号Scをハイレベルにてマイクロコンピュータ70の別々の出力ポートから出力しても、マイクロコンピュータ70とは別途設けたANDゲート140によりテスト信号Sa及び禁止信号Scに基づき疑似信号発生要求信号Siとして第1加速度センサ50Aに出力されると同時に禁止信号Scが禁止回路90にも出力されることから、この禁止信号Scに基づき禁止回路90によりスイッチング素子30のオフを確保しつつハイレベルのテスト信号Saのもと第1加速度センサ50Aから生ずる疑似信号に基づき判定回路80Aにより駆動回路110を介しスイッチング素子20のオンの可否を判定できる。
【0095】
従って、スイッチング素子20の故障診断時にマイクロコンピュータ70が暴走して、各出力ポート72、78の状態の乱れによりテスト信号Sa及び禁止信号Scが乱れたとしても、これらテスト信号Sa及び禁止信号Scが共にハイレベルのときにのみANDゲート140からの疑似信号発生要求信号Siがハイレベルになり、スイッチング素子30のオン禁止のもとにスイッチング素子20のオンの可否が判定されるので、上記第1実施形態と同様に、スイッチング素子20の故障診断時のエアバッグ装置Aの誤動作を確実に防止できる。
【0096】
なお、禁止信号Scがローレベルのときにはスイッチング素子30のオン禁止は保障されないが、ANDゲート140の出力もローレベルであるため、スイッチング素子20が正常であってもオンすることはない。また、禁止信号Scがハイレベルでテスト信号Saがローレベルのときには、ANDゲート140の出力がローレベルであるためスイッチング素子20が正常であってもオンせず、一方禁止信号Scが禁止回路90を介しスイッチング素子30のオン禁止側に働く。従って、両スイッチング素子20、30が共にオフ状態に維持されるので、スキブ10に誤って起動電流が流れることはない。なお、ステップ222では、テスト信号Sa及び禁止信号Scを共にローレベルに戻し、故障診断を終了する。
【0097】
また、本第2実施形態では、テスト信号Sa及び禁止信号Scに基づきANDゲート140から生ずる疑似信号発生要求信号Siでもって第1加速度センサ50Aから疑似信号を発生させ、この疑似信号を利用してスイッチング素子20のオンの可否を判定するようにしているので、第1加速度センサ50Aが疑似信号を発生しない場合には、スイッチング素子20がオンしない。従って、本第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、判定回路80A、第1駆動回路110の各動作をも含めて、スイッチング素子20の故障診断と同様に故障診断できる。なお、その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、上記第2実施形態において、電圧監視回路90Aが、禁止回路90に代えて採用された構成となっている。
【0098】
電圧監視回路90Aは、コンパレータ94、基準電圧発生回路95及び抵抗96を備えている。基準電圧発生回路95は、両抵抗13、14の共通端子15に生ずる正側端子電圧V11であってスイッチング素子20、30、40がオフのときの電圧(正常な電圧)と接地電位との間の電圧を基準電圧として発生する。
【0099】
コンパレータ94は、抵抗96を通り共通端子15から入力される正側端子電圧V11を基準電圧発生回路95からの基準電圧と比較して、比較信号を電圧監視信号Sdとして発生し上記第2実施形態にて述べたANDゲート140の他側入力端子に出力する。ここで、スイッチング素子30がオンであれば正側端子電圧V11はほぼ接地電位まで低下するので、電圧監視信号Sdはローレベルとなる。一方、スイッチング素子30がオフであれば正側端子電圧V11は正常な値にあるので、電圧監視信号Sdはハイレベルとなる。
【0100】
ANDゲート140は、マイクロコンピュータ70の出力ポート72からのテスト信号Sa及びコンパレータ94からの電圧監視信号Sdを受けて、ゲート信号を発生する。このゲート信号は、テスト信号Sa及び電圧監視信号Sdが共にハイレベルのとき、ハイレベルの疑似信号発生要求信号Siとして第1加速度センサ50Aに入力される。その他の構成は上記第2実施形態と同様である。
【0101】
このように構成した本第3実施形態では、ステップ212(図2参照)にてハイレベルのテスト信号Saがマイクロコンピュータ70から出力されるとき、正側端子電圧V11が正常であるためにコンパレータ94がハイレベルにて電圧監視信号Sdを発生しておれば、ANDゲート140はハイレベルの疑似信号発生要求信号Siを第1加速度センサ50Aに出力する。
【0102】
ここで、正側端子電圧V11が正常であるとはスイッチング素子30がオフ状態にあることをいう。従って、このような状態にて、ANDゲート140からのハイレベルの疑似信号発生要求信号Siの発生に基づき第1加速度センサ50Aからスイッチング素子20までの回路素子の故障診断が上記第2実施形態と同様になされる。
【0103】
一方、正側端子電圧V11が異常であるためにスイッチング素子30が誤ってオンしているときには、コンパレータ94の出力はローレベルにあるから、ANDゲート140の出力もローレベルにある。このため、第1加速度センサ50Aはハイレベルの疑似信号を発生せず、スイッチング素子20が正常であってもオンすることはない。
【0104】
以上のように、上記第2実施形態にて述べた禁止回路90に代えて電圧監視回路90AをANDゲート140と共通端子15との間に接続しても、スイッチング素子30のオン時に電圧監視信号Sdがローレベルとなる。従って、このような状態でマイクロコンピュータ70の暴走によりハイレベルのテスト信号Saが誤って出力されたとき、スイッチング素子30がオンしているので、ANDゲート140の出力はローレベルに維持される。従って、マイクロコンピュータ70が暴走してもエアバッグ装置Aの誤作動を伴うことなく上記第2実施形態と同様の作用効果を達成できる。
(第4実施形態)
図6は本発明の第4実施形態を示している。この第4実施形態では、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ70が、ウォッチドッグパルス出力回路70aを備えており、このウォッチドッグパルス出力回路70aは、マイクロコンピュータ70の正常作動時に周期的にウォッチドッグパルスを出力する。また、このウォッチドッグパルス出力回路70aは、マイクロコンピュータ70の暴走等によりソフトウエアであるコンピュータプログラムが所定時間内に正常なルートにて処理されなかったとき、ウォッチドッグパルスの出力を停止する。
【0105】
また、本第4実施形態では、上記第1実施形態において、マイクロコンピュータ監視回路150及び禁止回路160が付加的に採用された構成となっている。マイクロコンピュータ監視回路150は、ウォッチドッグパルス出力回路70aからのウォッチドッグパルスを所定周期内に検出できないとき、リセット信号Rsをローレベルにて所定時間の間発生しマイクロコンピュータ70をリセットすべくこのマイクロコンピュータ70に出力する。
【0106】
禁止回路160は、ダイオードであり、そのアノードにてスイッチング素子30のゲートに接続され、そのカソードにて、禁止回路90のトランジスタ91のコレクタ及びマイクロコンピュータ監視回路150の出力端子に接続されている。これにより、禁止回路160は、マイクロコンピュータ監視回路150からのリセット信号Rsの発生或いはトランジスタ91のオンにより導通して、スイッチング素子30のオンを禁止する。また、マイクロコンピュータ監視回路150からリセット信号Rsが発生していないとき或いはトランジスタ91がオフしているとき、禁止回路160は非道通となっている。
【0107】
また、本第4実施形態では、さらに、第2及び第3のスイッチング素子30、40、第2及び第3の駆動回路120、130、両禁止回路90、160及びマイクロコンピュータ監視回路150は、単一のICチップLに集積化されている。そして、マイクロコンピュータ70からの禁止信号Scを禁止回路90に入力するためのポートをICチップLのIC端子Laに設けるようにしてある。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0108】
このように構成した本第4実施形態では、ステップ212(図2参照)にてハイレベルのテスト信号Saがマイクロコンピュータ70から出力されると、このテスト信号Saは禁止信号ScとしてICチップLのIC端子La及び抵抗92を通してトランジスタ91のベースに入力される。このため、トランジスタ91はオンして禁止回路160のカソードを接地する。
【0109】
これに伴い、禁止回路160は、その導通により、スイッチング素子30のオンを禁止する。従って、判定回路80が、テスト信号Saに基づき第1駆動回路110を介しスイッチング素子20のオンの可否を判定するにあたり、スキブ10に誤って起動電流が流れることがない。その結果、スイッチング素子20の故障診断が、エアバッグ装置Aの誤動作を招くことなく可能となる。
【0110】
また、上述のように、第2及び第3のスイッチング素子30、40、第2及び第3の駆動回路120、130、両禁止回路90、160及びマイクロコンピュータ監視回路150は、単一のICチップLに集積化されて、マイクロコンピュータ70からの禁止信号Scの入力ポートをIC端子Laとしている。
【0111】
従って、このようなIC化により、ICチップL上の配線のみで、スイッチング素子30、40、第2及び第3の駆動回路120、130、両禁止回路90、160及びマイクロコンピュータ監視回路150をその機能を達成するように形成できる。従って、コスト上非常に有利となる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態を示している。この第5実施形態では、上記第4実施形態にて述べた第1加速度センサ50及び禁止回路90(図6参照)に代えて、第1加速度センサ50B及び禁止回路90Bが採用されている。
【0112】
第1加速度センサ50Aは、上記第4実施形態にて述べた第1加速度センサ50において、抵抗53を抵抗54を介し接地し、かつ両抵抗53、54の共通端子をコンパレータ81の負側入力端子及びマイクロコンピュータ70の別の入力ポート71aに接続した構成となっている。
【0113】
これにより、第1加速度センサ50Bは、機械式スイッチ51のオフのとき、両抵抗52、53と抵抗54とにより上記直流電源の電源電圧を分圧しこの分圧電圧を出力電圧Vc’(上記第4実施形態にて述べた加速度センサ50の出力電圧Vcに対応する)として両抵抗53、54の共通端子からコンパレータ81の負側入力端子及びマイクロコンピュータ70の別の入力ポート71aに出力する。
【0114】
また、第1加速度センサ50Bは、機械式スイッチ51のオンのとき、抵抗53、54とにより上記直流電源の電源電圧を分圧しこの分圧電圧を出力電圧Va’(上記第4実施形態にて述べた加速度センサ50の出力電圧Vaに対応する)として両抵抗53、54の共通端子からコンパレータ81の負側入力端子及びマイクロコンピュータ70の別の入力ポート71aに出力する。なお、Va’>Vb>Vc’>Vdである。
【0115】
禁止回路90Bは、上記第4実施形態にて述べた判定回路80と第1駆動回路110との間に接続されている。但し、本第5実施形態では、上記第4実施形態とは異なり、第1駆動回路110のトランジスタ114は、そのベースにて、抵抗112を介しマイクロコンピュータ70の別の出力ポート79に接続されている。これに対応して、上述のごとく、第1加速度センサ50の機械式スイッチ51と抵抗53との共通端子はマイクロコンピュータ70の別の入力ポート71aに接続されている。
【0116】
禁止回路90Bは、NPN型のトランジスタ94及びPNP型トランジスタ95と、各抵抗96乃至99とを備えている。トランジスタ94は、そのベースにて、両抵抗96、97を介し判定回路80のタイマー83の出力端子に接続されており、このトランジスタ94は、タイマー83からのハイレベル信号により両抵抗96、97を介しバイアスされてオンする。また、タイマー83からのタイマー信号がローレベルのとき、トランジスタ94はオフする。
【0117】
トランジスタ95は、そのベースにて、抵抗98を介しトランジスタ94のコレクタに接続されており、このトランジスタ95のベース及びコレクタの間には抵抗99が接続されている。また、トランジスタ95は、そのエミッタにて、第1駆動回路110の両抵抗115、114の共通端子及びスイッチング素子20のゲートに接続されており、このトランジスタ95のコレクタは上記直流電源の正側端子+Bに接続されている。
【0118】
これにより、トランジスタ95は、トランジスタ94のオンに基づきオンして抵抗115を短絡するとともにスイッチング素子20のゲート及びソースを短絡する。また、トランジスタ94がオフのときトランジスタ95はオフして抵抗115の短絡及びスイッチング素子20のゲート及びソースの短絡を解除する。このことは、禁止回路90Bは、トランジスタ95のオンによりスイッチング素子20のゲートを上記直流電源のほぼ電源電圧にして当該スイッチング素子20のオンを禁止し、このオン禁止をトランジスタ95のオフにより解除することを意味する。
【0119】
また、本第5実施形態では、上記第3実施形態にて述べたANDゲート140(図5参照)が採用され、かつタイマー170及びインバータ180が付加的に採用されている。タイマー170は、上記第4実施形態にて述べたマイクロコンピュータ監視回路150(図6参照)の出力端子と禁止回路160のカソードとの間に接続されており、このタイマー170は、マイクロコンピュータ監視回路150からのローレベルのリセット信号Rsに基づき所定の計時時間を計時し、この計時中、ローレベルのタイマー信号を発生する。
【0120】
換言すれば、タイマー170は、マイクロコンピュータ監視回路150からのローレベルのリセット信号Rsを上記所定の計時時間の間ローレベルのタイマー信号として保持する。これにより、タイマー170は、そのタイマー信号の発生中、禁止回路160のカソードを接地する。このことは、禁止回路160が、その導通により、タイマー170のタイマー信号の発生中、スイッチング素子30のオンを禁止することを意味する。
【0121】
インバータ180は、タイマー170からのローレベルのタイマー信号を反転してハイレベルの反転信号Seを発生する。この反転信号Seは、タイマー170のタイマー信号がハイレベルになると、ローレベルになる。
【0122】
ANDゲート140は、その一側入力端子にて、マイクロコンピュータ70の出力ポート72に接続されており、このANDゲート140の他側入力端子はインバータ180の出力端子に接続されている。これにより、ANDゲート140は、マイクロコンピュータ70からのハイレベルのテスト信号Sa及びインバータ180のハイレベルの反転信号Seを受けてハイレベルのゲート信号Sfを判定回路80の閾値電圧切り替え回路81に出力する。また、ゲート信号Sfは、テスト信号Sa及びゲート信号Seの少なくとも一方のローレベルへの変化によりローレベルになる。
【0123】
ここで、当該ゲート信号Sfは、上記第4実施形態において閾値電圧切り替え回路81に入力されるテスト信号Saと同様の役割を果たす。従って、閾値電圧切り替え回路81は、その閾値電圧を、上記第4実施形態にて述べたテスト信号Saのレベルによる切り替えと同様に、ゲート信号Sfのレベルに応じて切り替える。
【0124】
また、本第5実施形態では、禁止回路90Bが第1駆動回路110と判定回路80との間に接続されているため、コンパレータ81は、上記第4実施形態とは異なり、その正側入力端子にて、閾値電圧切り替え回路81の出力端子に接続され、その負側入力端子にて、上述のごとく、第1加速度センサ50Bの両抵抗53、54の共通端子に接続されている。
【0125】
これにより、テストモード時には、コンパレータ82は、第1加速度センサ50Bの出力電圧Vc’を閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vdと比較して、Vc’>Vdに基づき、ローレベルにて比較信号を発生する。また、テストモードでないときに機械式スイッチ51がオフであれば、コンパレータ82は、第1加速度センサ50Bの出力電圧Vc’を閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vbと比較して、Vc’<Vbに基づき、ハイレベルにて比較信号を発生する。非テストモード時に機械式スイッチ51がオンすれば、コンパレータ82は、第1加速度センサ50Bの出力電圧Va’を閾値電圧切り替え回路81の閾値電圧Vbと比較して、Va’>Vbに基づき、ローレベルにて比較信号を発生する。
【0126】
従って、タイマー83は、コンパレータ82のハイレベルの出力に基づきハイレベル信号を発生しトランジスタ94をオンしてスイッチング素子20のオンを禁止する。また、タイマー83は、コンパレータ82のローレベルの出力に基づき計時を開始し、この計時開始と同時にローレベルのタイマー信号を発生しトランジスタ94をオフにしスイッチング素子20のオン禁止を解除する。
【0127】
なお、閾値電圧切り替え回路81における閾値電圧の上述のような切り替えに伴い、判定回路80による判定時間つまりテストモード時間は、マイクロコンピュータ監視回路150のリセット信号出力後のタイマー170の計時時間中に限定される。また、本第5実施形態では、上記第4実施形態にて述べたような半導体チップLによる集積化はなされていない。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
【0128】
このように構成した本第5実施形態において、マイクロコンピュータ70は、図8及び図9のフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行する。まず、ステップ201では、ウォッチドッグパルス強制停止フラグがセットされているか否かが判定される。当該ウォッチドッグパルス強制停止フラグがセットされておらず、NOとの判定となるときには、イグニッションスイッチのオンに基づくスタートとの判断のもと、ステップ202で初期化が行われ、ステップ203でウォッチドッグパルス強制停止フラグがセットされ、ステップ204でウォッチドッグパルスが強制的に停止される。その後、ステップ205で、マイクロコンピュータ監視回路150によるリセット信号Rsの発生待ちの状態となる。
【0129】
この状態でリセット信号Rsが発生されると、再度ステップ201から処理が開始されるが、今度は、ウォッチドッグパルス強制停止フラグがセットされているので、YESと判定され、ステップ206においてウォッチドッグパルス強制停止フラグをリセットした後、ステップ210以後の処理がなされる。
【0130】
ステップ210乃至222の処理で図2と異なるのは、ステップ212とステップ220との間にステップ213が追加されることである。ステップ212にてハイレベルのテスト信号Saがマイクロコンピュータ70から出力されると、このテスト信号SaはANDゲート140に入力される。また、マイクロコンピュータ70は、ステップ213にて出力ポート79にてハイレベル出力を行う。このため、トランジスタ111がオンしてスイッチング素子20のゲートを抵抗114を介し接地する。
【0131】
一方、タイマー170は、リセット信号Rsの発生に伴い、そのローレベルの出力に基づき計時を開始し、この開始と同時にローレベルのタイマー信号を発生し、禁止回路160及びインバータ180に出力する。なお、タイマー170の計時時間(即ち、ローレベル保持時間)は、図8のフローチャートのステップ206からステップ222までの処理時間よりも長い時間に設定されている。
【0132】
このため、禁止回路160であるダイオードは、タイマー170からのローレベルのタイマー信号によりその発生中導通されてスイッチング素子30のオンを禁止する。また、インバータ180はタイマー170からのローレベルのタイマー信号に基づきその発生中ハイレベルの反転信号Seを発生しANDゲート140に出力する。
【0133】
以上のようにANDゲート140に対しハイレベルのテスト信号Sa及びハイレベルの反転信号Seが出力されると、ANDゲート140は、ハイレベルのゲート信号Sfを閾値電圧切り替え回路81に出力する。これに伴い、閾値電圧切り替え回路81は、ハイレベルのゲート信号Sfに基づき、上記第4実施形態にて述べたハイレベルのテスト信号Saによる場合と同様に、閾値電圧を値Vdに切り替える。
【0134】
このとき、第1加速度センサ50は、機械式スイッチ51のオフのもと、出力電圧Vc’を発生している。このため、Vc’>Vdであることから、コンパレータ81の出力はローレベルとなり、タイマー83の出力がローレベルになる。従って、禁止回路90Bは、両トランジスタ94、95のオフに基づき、スイッチング素子20のオン禁止を解除する。
【0135】
従って、上述のようにスイッチング素子20のゲートがトランジスタ111により接地されたとき、当該スイッチング素子20のオン禁止は上述のように解除されているため、スイッチング素子20が正常であればオンする。このとき、上述のように、スイッチング素子30はオン禁止されているので、スイッチング素子20がオンしてもスキブ10に起動電流が流れることがない。従って、エアバッグ装置Aの誤作動を伴うことなく、スイッチング素子20の故障診断をすることができる。
【0136】
ステップ222の処理終了後は、図9のフローチャートに基づき処理される。この図9は図3のフローチャートのステップ253以後にステップ260乃至ステップ273が追加されたものである。
【0137】
ステップ260において第1加速度センサ50Bの出力電圧が入力されてデジタルデータに変換され、このデジタルデータがステップ261にて上述の判定回路80の閾値切り替え回路81の閾値電圧Vb相当のデジタル値と比較されて当該自動車の衝突判定がなされる。
【0138】
ここで、第1加速度センサ50Bの機械式スイッチ51がオンしていれば、上述のように第1加速度センサ50Bから出力電圧Va’が出力されるので、変換されたデジタルデータがVb相当のデジタル値以上になり当該自動車の衝突との判定がなされ、ステップ262において、マイクロコンピュータ70に内蔵の第2オン保持タイマーがリセット始動されて計時時間(例えば、50ms)の計時を開始する。
【0139】
一方、第1加速度センサ50Bの機械式スイッチ51がオフしていれば第1加速度センサ50Bからの出力電圧はVc’となり、変換されたデジタルデータがVb相当のデジタル値未満となり、ステップ261においてNOとの判定がなされ、上述の第2オン保持タイマーを始動させない。
【0140】
上述のようにステップ262での処理或いはステップ261におけるNOとの判定処理がなされると、ステップ270において、上記第2オン保持タイマーの計時値が零か否かにつき判定がなされる。
【0141】
現段階において、ステップ270における判定がYESとなるときには、上記第2オン保持タイマーが上記計時時間をカウントダウンにより計時する。そして、ステップ273においてスイッチング素子20のオン処理がなされる。これに伴い、第1駆動回路110のトランジスタ111がオンされ、スイッチング素子20をオン指令する。ここで、第1加速度センサ50Bの機械式スイッチ51がオンしているので、上述のように禁止回路90Bによるスイッチング素子20のオン禁止は解除されるので、スイッチング素子20はオンする。
【0142】
その後、上記オン保持タイマーの計時値が零になると、ステップ270においてNOとの判定がなされ、ステップ271においてスイッチング素子20のオフ処理がなされる。これに伴い、第1駆動回路110は、スイッチング素子20をオフする。
【0143】
従って、スイッチング素子20、30、40が共にオンすることで、スキブ10に起動電流が流れ、エアバッグ装置Aはその作動により乗員を保護する。
【0144】
以上説明したように、本第5実施形態では、スイッチング素子20の禁止回路を設けたことで、スイッチング素子20の故障診断に関係しないときでも、マイクロコンピュータ70の暴走に対し、より誤起動しにくい起動装置を提供できる。その他の作用効果は上記第3、第4の各実施形態の作用効果と同様である。
【0145】
なお、本発明の実施にあたり、判定回路80は、マイクロコンピュータ70とは別のマイクロコンピュータにより判定回路80と同様の機能を果たすソフトウエアでもって実行する構成としてもよい。この場合、ANDゲート140は、上述した別のマイクロコンピュータによりANDゲート140と同様の機能を果たすように上記ソフトウエアを変更してもよい。
【0146】
また、本発明の実施にあたり、スイッチング素子20は、スイッチング素子30よりも接地側に接続してもよいし、両スイッチング素子30、40の間に接続するようにしてもよい。
【0147】
また、本発明の実施にあたり、スイッチング素子20、40は、PNP型トランジスタであってもよく、また、スイッチング素子30はNPN型トランジスタであってもよい。さらに、スイッチング素子20、40はNチャンネル型電界効果トランジスタかNPN型トランジスタでもよい。この場合には、第1駆動回路110と第3駆動回路140はNチャンネル型電界効果トランジスタ用かNPN型トランジスタ用の駆動回路になる。
【0148】
また、本発明の実施にあたり、スイッチング素子40と第3駆動回路140は廃止してもよい。
【0149】
また、本発明の実施にあたり、スイッチング素子20の故障診断時にオン禁止対象となるスイッチング素子はスイッチング素子30だけでなく、スイッチング素子40の禁止対象としてもよい。
【0150】
また、本発明の実施にあたり、直流電源の正側端子は、自動車用バッテリの正側端子でもよく、また、バッテリの正側端子電圧を昇圧する昇圧回路の出力端子でもよい。
【0151】
また、本発明の実施にあたり、第1及び第2の加速度センサは単一の制御ユニットに配備されていなくてもよい。さらに、各加速度センサの出力はコード化されたシリアル信号でもよい。
【0152】
また、本発明の実施にあたり、マイクロコンピュータ70がコード化されたシリアル信号を第2駆動回路110に出力し、当該第2駆動回路110が当該シリアル信号と所定のコードとの一致に伴い第2スイッチング素子30をオンするようになっている場合には、第2駆動回路110として特開平10−194075号公報に記載のデコーダ回路を採用してもよい。
【0153】
また、本発明の実施にあたり、マイクロコンピュータ70がコード化されたシリアル信号を第2駆動回路120に出力し、当該第2駆動回路120が当該シリアル信号と所定のコードとの一致に伴いスイッチング素子30をオンするようになっている場合には、第2駆動回路120として特開平10−194075号公報に記載のデコーダ回路を採用してもよい。このようなことは第3駆動回路130でも同様である。
【0154】
このようにマイクロコンピュータ70のシリアル信号のもと第2駆動回路120や第3駆動回路130にデコーダ回路を採用するとき、第4実施形態(図6参照)の集積化において、禁止回路90をICチップL内に構成し、スイッチング素子30或いは40を強制オフできることは、マイクロコンピュータ70の暴走による誤起動防止には大きな利点となる。
【0155】
例えば、禁止回路90をICチップL外に構成し、マイクロコンピュータ70の出力ポート73と第2駆動回路120との間に抵抗を挿入接続し、この抵抗の第2駆動回路側に禁止回路90のトランジスタ91のコレクタを接続し、トランジスタ91のオンで出力ポート73を接地する。この状態では、所定のシリアル信号が第2駆動回路120に入力されないので、オフ状態のスイッチング素子30のオンを禁止できる。
【0156】
しかし、マイクロコンピュータ70の暴走により、スイッチング素子30が予め誤ってオンしているときに、テスト信号Saが誤って出力され、兼用信号であるSeにより禁止回路90のトランジスタ91がオンしても、禁止回路90はスイッチング素子30を即時に強制オフできない。これは、第2駆動回路がオフ指令のシリアル信号を入力するか或いはマイクロコンピュータ監視回路150のリセット信号Rsが出力されるまで、スイッチング素子30を強制オフできないからである。実際上、スキブに起動電流が数μs間流れれば、エアバッグ装置Aは作動してしまう。しかし、上述のオフ指令のシリアル信号入力やリセット信号Rs発生を数μsで実現することは困難である。従って、スイッチング素子30を即時強制オフできないオン禁止手段は誤起動防止のメリットが薄れる。
【0157】
また、禁止回路90をICチップL外に構成し、スイッチング素子30のゲートをIC端子に設け、ICチップ外部からスイッチング素子30のゲートを制御できる構成にすれば、スイッチング素子30を即時強制オフすることが可能であるが、1つのICチップに複数のスキブ起動回路を備えるとき、起動回路数分のスイッチング素子のゲートをIC端子に備えなければならない。例えば、4回路のスキブ起動回路を同一のICチップ内に構成するとき、4回路分のスイッチング素子のゲート端子をICチップに備えなければならず、ICチップの端子数の増加につながる。
【0158】
そこで、複数のスキブ起動回路を同一のICチップに構成するとき、上記第4実施形態のように禁止回路90も当該ICチップ内に構成すれば、例えば、ダイオードをスキブ起動回路数分備え、複数のスキブ起動回路のスイッチング素子の各ゲートにそれぞれダイオードのアノードを接続し、各ダイオードのカソードを共通にして禁止回路90のトランジスタ91のコレクタに接続すれば、容易に全ての起動回路のスイッチング素子を即時強制オフできる構成となり、安価で確実に目的を達成できる。
【0159】
また、上記第5実施形態(図7参照)において、上記第4実施形態と同様に、スイッチング素子30、40、第2、第3駆動回路120、130、マイクロコンピュータ監視回路150、タイマー170、インバータ180、禁止回路160を同一のICチップに構成し、インバータの出力(Se)ラインをIC端子に備えることは、スイッチング素子30のオン状態を監視する電圧監視回路を、安価に提供できることはいうまでもない。
【0160】
また、本発明の実施にあたり、自動車用エアバッグシステムにおけるエアバッグ装置の起動装置に限ることなく、自動車用ベルトプリテンショナ等の乗員保護システムにおける保護装置の起動装置や、一般的に車両用の乗員保護システムにおける保護装置の起動装置に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電子回路図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの前段部である。
【図3】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの後段部である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す電子回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す電子回路図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示す電子回路図である。
【図7】本発明の第5実施形態を示す電子回路図である。
【図8】上記第5実施形態におけるマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの前段部である。
【図9】上記第5実施形態におけるマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの後段部である。
【符号の説明】
10…スキブ、20、30、40…電子式スイッチング素子、
50、50A、50B…第1加速度センサ、60…第2加速度センサ、
70…マイクロコンピュータ、70a…ウォッチドッグパルス出力回路、
80、80A…判定回路、90、90B、160…禁止回路、
90A…電圧監視回路、110、120、130…駆動回路、
140…ANDゲート、150…マイクロコンピュータ監視回路、
170…タイマー、180…インバータ、A…エアバッグ装置、
+B…直流電源の正側端子、L…IC、La…IC端子。
Claims (8)
- 車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にて前記スキブと共に互いに直列接続されてオンにより前記電源から前記スキブに前記起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも前記第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして前記第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも前記第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
前記複数の電子式スイッチング素子のうち一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも前記第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくとも前記マイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
少なくとも前記マイクロコンピュータの診断信号に基づき前記診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、220、221、222)と、
前記マイクロコンピュータの外部に構成され、前記故障診断と前記残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンとの両立を禁止する両立禁止手段(90、90A、140、150、160、170、180)とを備え、
この両立禁止手段は、前記マイクロコンピュータの出力状態とはかかわりなく、前記故障診断と前記非診断対象スイッチング素子のオンとの両立を禁止する車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にて前記スキブと共に互いに直列接続されてオンにより前記電源から前記スキブに前記起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも前記第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして前記第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも前記第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
前記複数の電子式スイッチング素子のうち少なくとも一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも前記第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくとも前記マイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
前記診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、220、221、222)と、
前記残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンを禁止する禁止手段(90、150、160、170)とを備え、
前記マイクロコンピュータは、前記診断手段による診断のとき、診断用信号を出力し、
前記診断手段は、その診断を、前記診断用信号に基づき行い、
前記禁止手段は、前記非診断対象スイッチング素子のオン禁止を、前記診断用信号を兼用して行う車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にて前記スキブと共に互いに直列接続されてオンにより前記電源から前記スキブに前記起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも前記第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして前記第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも前記第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
前記複数の電子式スイッチング素子のうち一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも前記第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくとも前記マイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
前記第診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、220、221、222)と、
前記残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンを禁止する禁止手段(90、150、160、170)と、
前記マイクロコンピュータとは独立して設けられて前記診断対象スイッチング素子の診断用信号及び前記非診断対象スイッチング素子のオン禁止用信号を論理積信号として処理する処理手段(140)とを備え、
前記マイクロコンピュータは、前記診断手段による診断のとき、前記診断用信号及び前記オン禁止用信号を出力し、
前記診断手段は、その診断を、前記論理積信号に基づき行い、
前記禁止手段は、前記非診断対象スイッチング素子のオン禁止を、前記オン禁止用信号に基づき行う車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 車両に搭載された乗員保護システムの乗員保護装置(A)を起動電流の流入に応じて起動するスキブ(10)と、
電源の正側端子(+B)と負側端子との間にて前記スキブと共に互いに直列接続されてオンにより前記電源から前記スキブに前記起動電流を流入させる複数の電子式スイッチング素子(20、30、40)と、
車両の加速度を検出する第1加速度センサ(50、50A、50B)と、
車両の加速度を検出する第2加速度センサ(60)と、
少なくとも前記第1加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定する第1判定手段(80、80A)と、
ハードウェアとして前記第1判定手段とは独立して設けられて少なくとも前記第2加速度センサの検出出力に基づき車両の衝突の有無を判定するマイクロコンピュータを有する第2判定手段(70、232、240)と、
前記複数の電子式スイッチング素子のうち一電子式スイッチング素子(診断対象スイッチング素子という)を少なくとも前記第1判定手段による衝突との判定に基づきオンするように駆動し、残りの電子式スイッチング素子を少なくとも前記マイクロコンピュータによる衝突との判定に基づきオンするように駆動する駆動手段(110、120、130)と、
前記診断対象スイッチング素子の故障の有無を診断する診断手段(70、80、80A、50A、211、212、221、222)と、
前記残りの電子式スイッチング素子のうち少なくとも1つの電子式スイッチング素子(非診断対象スイッチング素子という)のオンを禁止する禁止手段(90、150、160、170)と、
前記非診断対象スイッチング素子のオン状態をモニターしてモニター信号を発生するモニター手段(90A)と、
前記マイクロコンピュータとは独立して設けられて前記診断対象スイッチング素子の診断用信号及び前記モニター信号を論理積信号として処理する処理手段(140)とを備え、
前記マイクロコンピュータは、前記診断手段による診断のとき、前記診断用信号を出力し、
前記モニター信号が前記非診断対象スイッチング素子のオフ状態を表すときにのみ、前記診断手段は、その診断を、前記論理積信号に基づき行う車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 前記禁止手段は、
前記マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視手段(150)と、
前記リセット信号に基づき前記非診断対象スイッチング素子のオンを禁止するリセット時オン禁止手段(170、160)とを備え、
前記モニター手段は前記リセット信号に基づき前記モニター信号を発生することを特徴とする請求項4に記載の車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 前記禁止手段は、
前記マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視回路(150)と、
前記リセット信号に基づき前記非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第1禁止回路(170、160)と、
この第1禁止回路とは別に非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第2禁止回路(90)とを備え、
少なくとも前記監視回路、前記第1禁止回路、前記第2禁止回路及び前記残りの電子式スイッチング素子を単一のIC(L)として集積化し、
前記ICは、前記第2禁止回路の制御用信号を入力する入力端子(La)を備えて、この入力端子から前記診断用信号を入力されることを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 前記禁止手段は、
前記マイクロコンピュータの動作を監視し異常時にはリセット信号を出力する監視回路(150)と、
前記リセット信号に基づき前記非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第1禁止回路(170、160)と、
この第1禁止回路とは別に非診断対象スイッチング素子のオンを禁止する第2禁止回路(90)とを備え、
少なくとも前記監視回路、前記第1禁止回路、前記第2禁止回路及び前記残りの電子式スイッチング素子を単一のIC(L)として集積化し、
前記ICは、前記第2禁止回路の制御用信号を入力する入力端子(La)を備えて、この入力端子から前記オン禁止信号を入力されることを特徴とする請求項3に記載の車両用乗員保護システムのための起動装置。 - 前記複数の電子式スイッチング素子は、前記第1判定手段の衝突との判定に基づきオンするように駆動される第1電子式スイッチング素子及び前記第2判定手段の衝突との判定に基づきオンするように駆動される第2、第3の電子式スイッチング素子であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の車両用乗員保護システムのための起動装置。
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