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JP3624839B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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JP3624839B2
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    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の駆動源により走行するハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、燃料消費量を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーション装置から走行経路に関する情報を入手し、走行経路に応じたバッテリー残量の目標値を設定してエンジンとモーターの運転点を決定するようにしたハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特開平8−126116号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のハイブリッド車両の制御装置では、走行中のバッテリー残量が目標値より低くなったら充電側にエンジンとモーターの運転点を切り換え、バッテリー残量が目標値より高くなったら充電停止側あるいは放電側にエンジンとモーターの運転点を切り換えるようにしているだけで、走行経路の道路環境や走行条件により影響を受けるエンジンとモーターの効率を考慮しておらず、走行経路における燃料消費量が最少限に抑制されていないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、走行経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、バッテリー残量がその目標値となるようにエンジンとモーターを制御するハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態の構成を示す図1および図2に対応づけて本発明を説明すると、
(1) 請求項1の発明は、エンジン2とモーター1,4のいずれか一方または両方を制駆動力源とし、モーター1,4とバッテリー15との間で電力の授受を行うハイブリッド車両の制御装置に適用される。
そして、車速を検出する車速検出手段23と、車両への制駆動力指令値を設定する制駆動力指令値設定手段16と、バッテリー充電時の燃料の利用効率を表す効率指標を、燃料増加量に対するバッテリー充電電力増加量に対応づけたSOC換算効率指標として設定する効率指標設定手段16bと、前記車速検出値、前記制駆動力指令値および前記SOC換算効率指標に基づいて、前記SOC換算効率指標が大きいほどバッテリー充電時の燃料利用効率が高いエンジン2とモーター1,4の運転点を決定する運転点決定手段16cとを備え、これにより上記目的を達成する。
(2) 請求項2のハイブリッド車両の制御装置は、車両の走行経路を設定し、前記走行経路における道路環境情報を検出するナビゲーション装置33を備え、前記効率指標設定手段16bによって、前記走行経路の道路環境情報に基づいて効率指標を設定するようにしたものである。
(3) 請求項3のハイブリッド車両の制御装置は、バッテリー15のSOCを検出するSOC検出手段25と、前記SOC検出値に基づいて前記走行経路上の特定地点におけるSOCを予測するSOC予測手段16と、前記特定地点における目標SOCを設定する目標SOC設定手段33cとを備え、前記効率指標設定手段16bによって、前記特定地点における前記SOC予測値を前記目標SOCに一致させるSOC換算効率指標を設定するようにしたものである。
(4) 請求項4のハイブリッド車両の制御装置は、前記特定地点までの前記走行経路を分割する経路分割手段33aと、前記走行経路の道路環境情報と前記SOC換算効率指標とに基づいて、前記走行経路の前記各分割区間のSOC変化量を予測するSOC変化量予測手段16とを備え、前記SOC予測手段16によって、現在の前記SOC検出値を初期値として前記各分割区間の前記予測SOC変化量を積分することによって前記特定地点におけるSOCを予測し、前記効率指標設定手段16bによって、前記特定地点における前記SOC予測値が前記目標SOCに略一致するようにSOC換算効率指標を収束させるようにしたものである。
(5) 請求項5のハイブリッド車両の制御装置は、前記SOC変化量予測手段16によって、道路環境ごとに走行パターンを想定し、各走行パターンを種々のSOC換算効率指標で走行した場合の単位走行距離あたりのSOC変化量のデータを予め記憶し、前記SOC換算効率指標と前記各分割区間の道路環境情報とに基づいて前記各分割区間のSOC変化量を予測するようにしたものである。
(6) 請求項6のハイブリッド車両の制御装置は、前記特定地点までの前記走行経路を分割する経路分割手段33aと、前記走行経路の道路環境情報に基づいて前記各分割区間の車速と制駆動力とを予測する走行条件予測手段16aとを備え、前記SOC予測手段16によって、前記SOC検出値、前記SOC換算効率指標、前記予測車速および前記予測制駆動力に基づいて前記特定地点におけるSOCを予測し、前記効率指標設定手段16bによって、前記特定地点における前記SOC予測値が前記目標SOCに略一致するようにSOC換算効率指標を収束させるようにしたものである。
(7) 請求項7のハイブリッド車両の制御装置は、車速を検出する車速検出手段23と、アクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出するアクセル開度検出手段22と、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから、前記車速検出値と前記アクセル開度検出値とに対応する制駆動力指令値を表引き演算する制駆動力指令値演算手段16aとを備え、前記効率指標設定手段16bによって、前記車速検出値と前記予測車速とのずれが所定値を超えたとき、または前記制駆動力指令値と前記予測制駆動力とのずれが所定値を超えたときに、SOC換算効率指標を再設定するようにしたものである。
(8) 請求項8のハイブリッド車両の制御装置は、前記SOC予測手段16によって、収束させた前記SOC換算効率指標に基づいて前記各分割区間におけるSOCを予測し、前記効率指標設定手段16bによって、前記分割区間における前記SOC検出値と前記SOC予測値とのずれが所定値を超えたときにSOC換算効率指標を再設定するようにしたものである。
(9) 請求項9のハイブリッド車両の制御装置は、SOCの上下限値を設定する上下限値設定手段16を備え、前記SOC予測手段16によって、収束させた前記SOC換算効率指標に基づいて前記各分割区間におけるSOCを予測し、前記効率指標設定手段16bによって、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値を超える場合は、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値内に入るように前記SOC換算効率指標を補正するようにしたものである。
(10) 請求項10のハイブリッド車両の制御装置は、前記効率指標設定手段16bによって、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値に接近したときにSOC換算効率指標を再設定するようにしたものである。
(11) 請求項11のハイブリッド車両の制御装置は、前記上下限値設定手段16によって、前記走行経路上の前記分割区間ごとまたは任意の地点ごとに上限値および/または下限値を設定するようにしたものである。
(12) 請求項12のハイブリッド車両の制御装置は、SOCの上下限値を設定する上下限値設定手段16を備え、前記効率指標設定手段16bによって、前記SOC検出値が前記SOC上下限値に接近または到達したときにSOC換算効率指標を再設定するようにしたものである。
(13) 請求項13のハイブリッド車両の制御装置は、走行経路の車速を記憶する車速記憶手段16を備え、前記走行条件予測手段16aによって、過去の前記車速記憶値を用いて前記各分割区間の車速と制駆動力を予測するようにしたものである。
(14) 請求項14のハイブリッド車両の制御装置は、前記ナビゲーション装置33によって走行経路の渋滞情報を検出し、前記効率指標設定手段16bによって、前記渋滞情報を考慮して効率指標を設定するようにしたものである。
(15) 請求項15のハイブリッド車両の制御装置は、前記効率指標設定手段16bによって、前記渋滞情報が変化したときは効率指標を再設定するようにしたものである。
(16) 請求項16のハイブリッド車両の制御装置は、前記効率指標設定手段16bによって、走行経路の勾配と標高を考慮して効率指標を設定するようにしたものである。
(17) 請求項17のハイブリッド車両の制御装置は、前記効率指標設定手段16bによって、車両が前記走行経路から逸脱したときに効率指標を再設定するようにしたものである。
【0006】
上述した課題を解決するための手段の項では、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、SOC換算効率指標を設定することによってバッテリーの充電状態を所望の値に調節することができる。バッテリーの充電状態が高いときは、SOC換算効率指標を大きい値にしてバッテリーへの充電量を少なくし、バッテリー充電に要する燃料を節約して燃料利用効率の高い運転点を実現でき、逆に、バッテリーの充電状態が低いときは、SOC換算効率指標を小さい値にして燃料利用効率は低下するがバッテリーへの充電量を多くする運転点を実現できる。つまり、バッテリーの充電状態が高いときはバッテリー充電よりも燃料利用効率を優先させ、バッテリーの充電状態が低いときは燃料利用効率よりもバッテリー充電を優先させることができ、バッテリーの充電状態を所望の状態に管理しながら燃料利用効率を向上させることができる。
(2) 請求項2の発明によれば、走行経路の道路環境情報に基づいて効率指標を設定するようにした。ハイブリッド車両は、下り坂で車両のポテンシャルエネルギーを回生して電気エネルギーとして蓄電するものが多いが、このような車両では走行経路の下り坂情報に基づいて下り坂走行の際の回生エネルギー分を見越して効率指標を大きくし、バッテリーの充電量を抑制することにより燃料消費量を低減することができる。また、ハイブリッド車両は、モーターのみ、あるいはモーターとエンジンを駆動源としているが、上り坂が続くような状況ではその駆動力を長時間にわたって維持するため、バッテリーの充電状態を予め高くしておくことが望ましい。このような要望に対しても、車両の走行経路の上り坂情報に基づいて上り坂走行の際の消費エネルギー量を見越して効率指標を小さくし、バッテリーの充電状態を高くしておくことによって、上り坂での駆動力を長時間にわたって維持することができる。このように、車両の走行経路の道路環境情報を用いることによって燃料利用効率を向上させ、駆動力特性を改善できる。
(3) 請求項3の発明によれば、特定地点における目標SOCを確実に達成することができる。
(4) 請求項4の発明によれば、特定地点までの距離が長い経路や、特定地点までの道路環境の変化点、例えば道路種別、渋滞状態、勾配などの変化点が多い走行経路においても、特定地点におけるSOC予測値を目標SOCに十分に収束させることができ、SOC換算効率指標を系統たてて正確に求めることができる。
(5) 請求項5の発明によれば、走行経路の道路環境情報に基づいて各分割区間ごとの車速と制駆動力とを予測せずに、各分割区間のSOC変化量を予測することができ、制御装置の演算処理負荷を軽減できる。
(6) 請求項6の発明によれば、特定地点までの距離が長い経路や、特定地点までの道路環境の変化点、例えば道路種別、渋滞状態、勾配などの変化点が多い走行経路においても、特定地点におけるSOC予測値を目標SOCに十分に収束させることができ、SOC換算効率指標を系統たてて正確に求めることができる。
(7) 請求項7の発明によれば、車速検出値と予測車速とのずれ、および制駆動力指令値と予測制駆動力とのずれを検証することによって正確なSOC換算効率指標を求めることができ、特定地点までの燃料利用効率を向上させながら、特定地点における目標SOCを確実に達成することができる。
(8) 請求項8の発明によれば、各分割区間のSOCの予測誤差によって生じたSOCの過不足や、同一バッテリーを動力源とする電動パワーステアリングや空調装置などの車両機器および電装品の使用によって生じたSOC過不足を検出し、このようなSOC過不足を考慮したSOC換算効率指標を演算することができる。また、一般にバッテリー保護のためにSOCを所定の上下限値、例えば20〜80%の範囲で充放電を行うが、この制限により生じるSOCのずれも検出でき、ずれを考慮したSOC換算効率指標を演算することができる。その結果、特定地点までの燃料利用効率を確実に向上させることができる上に、特定地点における実際のSOCを目標SOCに近づけることができる。
(9) 請求項9の発明によれば、SOCを上下限値内に収めながら特定地点までの燃料利用効率を向上させ、さらに特定地点における目標SOCを確実に達成することができる
(10) 請求項10の発明によれば、SOCを上下限値内に収めながら特定地点までの燃料利用効率を向上させ、さらに特定地点における目標SOCを確実に達成することができる。
(11) 請求項11の発明によれば、走行経路の道路環境に応じてきめ細かにSOCの上下限値を設定することができ、特定地点までの燃料利用効率を向上させながら、特定地点における目標SOCを確実に達成することができる。
(12) 請求項12の発明によれば、SOC検出値がSOC上下限値に接近または到達したときにSOC換算効率指標を再設定する。一般に、バッテリー保護のためにSOCが所定の上下限値内に収まるように充放電を行うが、SOC換算効率指標はこのSOCの上下限値制限を考慮して演算するものではないので、SOCが制限を受けた後については、設定したSOC換算効率指標に応じてエンジンおよびモーターの運転点を調整しても、特定地点までの燃料利用効率を十分に向上させ、特定地点におけるSOCをその目標値に近づけることができるとは限らない。この請求項13の発明によれば、SOCが制限を受けた後についても、特定地点までの燃料利用効率をより向上させ、特定地点におけるSOCを目標値に近づけることができる。
(13) 請求項13の発明によれば、運転者の運転特性に柔軟に対応した車速と制駆動力の予測が可能となり、特定地点までの燃料利用効率を確実に向上させながら特定地点におけるSOCをその目標値に近づけることができる。
(14) 請求項14の発明によれば、ナビゲーション装置が収集したリアルタイムの渋滞情報を考慮してSOC換算効率指標を設定する。一般的なハイブリッド車両では、長い渋滞箇所においてバッテリーの充電状態を維持する際にエンジンの燃料消費効率の悪い運転を強いられるが、予め渋滞を見越し、SOC換算効率指標を小さくしてSOCを高くしておくことにより、燃料利用効率の悪い運転を避けることができる。また、渋滞情報を考慮してSOC換算効率指標を設定することにより、特定地点におけるSOCをその目標値に近づけることができる。
(15) 請求項15の発明によれば、走行経路の渋滞状況の変化に合わせて、特定地点までの燃料利用効率を確実に向上させることができ、特定地点におけるSOCをその目標値に近づけることができる。
(16) 請求項16の発明によれば、走行経路の車両のポテンシャルエネルギー変化を考慮してSOC換算効率指標を設定することになるので、より正確な指標を得ることができ、特定地点までの燃料利用効率を確実に向上させながら、特定地点における目標SOCを達成することができる。
(17) 請求項17の発明によれば、ナビゲーション装置が設定した走行経路から車両が逸脱した場合でも、その状況に応じた適切なSOC換算効率指標を設定することができ、特定地点までの燃料利用効率を確実に向上させながら、特定地点における目標SOCを達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
《発明の第1の実施の形態》
図1に一実施の形態の構成を示す。図において、太い実線は機械力の伝達経路を示し、太い破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。
このハイブリッド車両のパワートレインは、モーター1、エンジン2、クラッチ3、モーター4、無段変速機5、減速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。エンジン2とモーター4との間にはクラッチ3が介装され、モーター1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ3の入力軸が互いに連結されるとともに、クラッチ3の出力軸、モーター4の出力軸および無段変速機5の入力軸が互いに連結される。
【0009】
クラッチ3締結時はエンジン2とモーター4が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモーター4のみが車両の推進源となる。エンジン2とモーター4のいずれか一方または両方の駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧装置9から圧油が供給され、ベルトのクランプと潤滑がなされる。油圧装置9のオイルポンプ(不図示)はモーター10により駆動される。
【0010】
モータ1,4,10は三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、モーター1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モーター4は主として車両の推進と制動に用いられる。また、モーター10は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。なお、モーター1,4,10には交流機に限らず直流電動機を用いることもできる。また、クラッチ3締結時に、モーター1を車両の推進と制動に用いることもでき、モーター4をエンジン始動や発電に用いることもできる。
【0011】
クラッチ3はパウダークラッチであり、伝達トルクを調節することができる。なお、このクラッチ3に乾式単板クラッチや湿式多板クラッチを用いることもできる。無段変速機5はベルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比を無段階に調節することができる。
【0012】
モーター1,4,10はそれぞれ、インバーター11,12,13により駆動される。なお、モーター1,4,10に直流電動機を用いる場合には、インバーターの代わりにDC/DCコンバーターを用いる。インバーター11〜13は共通のDCリンク14を介してメインバッテリー15に接続されており、メインバッテリー15の直流充電電力を交流電力に変換してモーター1,4,10へ供給するとともに、モーター1,4の交流発電電力を直流電力に変換してメインバッテリー15を充電する。なお、インバーター11〜13は互いにDCリンク14を介して接続されているので、回生運転中のモーターにより発電された電力をメインバッテリー15を介さずに直接、力行運転中のモーターへ供給することができる。メインバッテリー15には、リチウム・イオン電池、ニッケル・水素電池、鉛電池などの各種電池や、電機二重層キャパシターいわゆるパワーキャパシターを用いることができる。
【0013】
車両コントローラー16はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、モーター1、4、10の回転速度や出力トルク、エンジン2の回転速度や出力トルク、クラッチ3の締結と解放、無段変速機5の変速比など制御する。
【0014】
車両コントローラー16には、図2に示すように、キースイッチ20、ブレーキスイッチ21、アクセルセンサー22、車速センサー23、バッテリー温度センサー24、バッテリーSOC検出装置25、エンジン回転センサー26、スロットルセンサー27などが接続される。
【0015】
キースイッチ20は車両のキーがON位置またはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。ブレーキスイッチ21はブレーキペダル(不図示)の踏み込み状態を検出し、アクセルセンサー22はアクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出する。車速センサー23は車両の走行速度を検出し、バッテリー温度センサー24はメインバッテリー15の温度を検出する。また、バッテリーSOC検出装置25はメインバッテリー15の充電状態(SOC;State Of Charge)を検出し、エンジン回転センサー26はエンジン2の回転速度を検出する。さらに、スロットルセンサー27はエンジン2のスロットルバルブ開度を検出する。
【0016】
車両コントローラー16にはまた、エンジン2の燃料噴射装置30、点火装置31、スロットルバルブ制御装置32、ナビゲーション装置33などが接続される。コントローラー16は燃料噴射装置30を制御してエンジン2への燃料の供給と停止および燃料噴射量を調節するとともに、点火装置31を制御してエンジン2の点火を行い、スロットルバルブ調整装置33を制御してエンジン2のトルクを調節する。
【0017】
ナビゲーション装置33は、GPS受信機により現在地および走行経路を検出する衛星航法装置、ジャイロコンパスなどにより現在地および走行経路を検出する自立航法装置、VICSなどの交通情報や道路情報を受信する路車間通信装置、道路地図データベースなどを備え、目的地までの最適経路を探索し、最適経路に沿って乗員を誘導する。
【0018】
ナビゲーション装置33はまた、マイクロコンピューターのソフトウエアにより実現される経路分割機能33a、道路環境検出機能33bおよび目標SOC決定機能33cを備えている。経路分割機能33aは目的地までの誘導経路を分割する。道路環境検出機能33bは、分割区間の道路曲率半径、道路勾配、交差点・トンネル・踏切などの有無、制限速度などの規制情報、市街路・山岳路などの地域情報などを検出する。また、目標SOC決定機能33cは、目的地におけるメインバッテリー15の目標SOC(t_SOC)を決定する。
【0019】
車両コントローラー16には、マイクロコンピューターのソフトウエアにより実現される走行条件予測機能16a、SOC換算効率指標演算機能16bおよびエンジン/モーター運転点演算機能16cを備えている。走行条件予測機能16aは、各分割区間の道路環境に基づいて各分割区間の車速と制駆動力指令値を予測する。
【0020】
SOC換算効率指標演算機能16bは、エンジン/モーター運転点を決定する際に使用するSOC換算効率指標SOCcを演算する。また、エンジン/モーター運転点演算機能16cは、SOC換算効率指標SOCc、車速および制駆動力指令値に基づいてエンジン2およびモーター1,4の運転点を演算する。
【0021】
《SOC換算効率指標SOCcの演算方法》
上述したように、従来のハイブリッド車両の制御装置では、走行中のバッテリーSOCが目標値より低くなったら充電側にエンジンとモーターの運転点を切り換え、SOCが目標値より高くなったら充電停止側もしくは放電側にエンジンとモーターの運転点を切り換えるようにしているだけで、誘導経路の道路環境や走行条件により影響を受けるエンジンとモーターの効率を考慮しておらず、誘導経路における燃料消費量が最少限に抑制されていない。
【0022】
そこで、この実施の形態では、誘導経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、メインバッテリー15のSOCが目標値となるようにエンジン2とモーター1,4を制御する。
【0023】
まず、目的地における目標SOC(t_SOC)を設定する。この目標SOC(t_SOC)は目的地におけるSOCの目標値であるが、目的地までの経路途中においては、メインバッテリー15のSOCが必ずしもこの目標SOC(t_SOC)となる必要はなく、走行中にこの目標SOC(t_SOC)に基づいてエンジン2とモーター1,4の運転点を決定するものではない。この目的地における目標SOC(t_SOC)の設定方法には、道路環境によらず単純に一定値、例えば70%とする方法や、目的地の標高に応じて決定する方法、例えば、標高が高いほど下りの際の走行エネルギーをメインバッテリー15に回収できることを期待して、小さい目標SOC(t_SOC)を設定する方法などがある。
【0024】
つぎに、この実施の形態では、目的地までの経路途中における燃料消費量を最少限に抑制しながら、目的地におけるメインバッテリー15のSOCを目標SOC(t_SOC)とするために、目的地までの経路途中のエンジン2とモーター1,4の運転点を決定するSOC換算効率指標SOCcを演算により求める。
【0025】
このSOC換算効率指標SOCcが大きいときは、バッテリー充電のための単位燃料増加量Δfuel当たりの充電電力増加量Δbatが多くなるような、つまりバッテリー充電時の燃料の利用効率が高くなるような場合にだけ充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定し、反対にSOC換算効率指標SOCcが小さいときにはバッテリー充電時の燃料の利用効率が低い場合でも充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定する。
【0026】
図3により、SOC換算効率指標SOCcの演算方法を説明する。
目的地までの走行パターンが図3aに示すようなパターンである場合を例に上げて説明する。図3aにおいて、目的地までの経路をn個の区間way(i)(i=1,2,・・,n)に区分し、各区間way(i)ごとの道路環境に基づいて車両速度p_vsp(i)と制駆動力指令値p−tTd(i)を予測する。これらの車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p−tTd(i)の予測方法については後述する。また、図3b〜図3dはそれぞれ、SOC換算効率指標SOCcに3種類の固定値SOCc_h、SOCc_m、SOCc_l(ただしSOCc_h>SOCc_m>SOCc_l)を設定してエンジン2およびモーター1,4の運転点を決定した場合の、最少燃料消費量、充放電量およびSOC変化を示す。
【0027】
上述したように、SOC換算効率指標SOCcは、バッテリー充電時の燃料の利用効率を表す指標である。このため、図3b〜図3dから明らかなように、目的地における最終的なSOCは、SOC換算効率指標SOCcに最大の値SOCc_hを設定した場合の値f_SOCc_hが最も小さく、SOC換算効率指標SOCcに最少の値SOCc_lを設定した場合の値f_SOCc_lが最も大きくなる。つまり、燃料利用効率の高い場合にだけ充電を行うようにエンジン/モーター運転点を設定するほど、目的地における実際のSOCは小さくなる。
【0028】
SOC換算効率指標SOCcに何らかの値を設定し、各分割区間way(i)の予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p−tTd(i)とに基づいて、後述するエンジン/モーター運転点決定方法によりエンジン2とモーター1,4の仮の運転点を決定する。そして、各分割区間way(i)の充放電電力Batの時間積分値p_bat(i)を求め、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すれば、各分割区間way(i)での予測SOC(p_SOC(i))と目的地における予測SOC(p_SOC(n))を求めることができる。
【0029】
上述したように、SOC換算効率指標SOCcを大きくすれば目的地における予測SOC(p_SOC(n))が小さくなるから、SOC換算効率指標SOCcに初期値SOCc_0を設定して(SOCc=SOCc_0)目的地における予測SOC(p_SOC(n))を計算したときに、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC)より大きい場合は、SOC換算効率指標SOCcを、
【数1】
SOCc=SOCcα(α>0)
増加して再計算する。逆に、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC))より小さい場合は、SOC換算効率指標SOCcを、
【数2】
SOCc=SOCcα(α>0)
低減して再計算する。
【0030】
以上の演算を、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで、つまり両者の差が所定値以下になるまで繰り返し、両者がほぼ一致した場合のSOCc_j(jは0以上の整数)を最終的なSOC換算効率指標SOCcに決定する。この演算は、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があった際に行われる。
【0031】
ここで、αは、繰り返し演算が発散しない程度の固定値とする。あるいは、SOCc_0としては、交通情報などに応じて決定してもよい。例えば、渋滞が激しい場合、現在のSOC(d_SOC)が小さい場合はSOCc_0を小さめの値とする。あるいは以前に走行したことがある経路の場合は、そのときのSOCcに基づいて現在のSOC(d_SOC)が小さいほど小さめに補正した値を初期値とする。
【0032】
《エンジン/モーターの運転点決定方法》
次に、図4および図5により、クラッチ締結時のエンジン/モーター運転点の決定方法を説明する。なお、図4の運転点A、N、B、C、D、Eは図5の運転点A、N、B、C、D、Eにそれぞれ対応する。
【0033】
SOC換算効率指標SOCcを決定するための演算を行っているときには、仮設定中のSOCcと、各分割区間way(i)ごとの予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、エンジン2およびモーター1,4の仮の運転点を決定する。また一方、SOC換算効率指標SOCcの決定が終了し、実際に目的地へ向かって走行しているときには、決定したSOC換算効率指標SOCc(=SOCc_j)と、車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいて、エンジン2およびモーター1,4の走行時の正式な運転点を決定する。なお、制駆動力指令値の演算値d_tTdは、車速検出値d_vspとアクセル開度検出値とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから表引き演算して求める。
【0034】
いずれの運転点決定時においても、SOC換算効率指標SOCc_jまたはSOCcが大きいほどバッテリー充電時の燃料利用効率が高くなる場合にだけ充電を行うように運転点を決定する。
【0035】
図4は車速50km/h、制駆動力指令値1000Nのときのエンジン/モーター運転点を示し、図5は同一の車速および制駆動力指令値におけるエンジン/モーター運転点とバッテリー充電量との関係を示す。
図4において、太線は同一エンジン出力を得る場合に燃料消費量が最少となる運転点を結んでできる最適燃費線であり、エンジン2、モーター1,4、無段変速機5の効率を考慮したものとなっている。エンジン/モーター運転点は、必ずこの太線上に定められる。点Aは、できる限りモーター1,4で車両を駆動(例えばメインバッテリー15から取り出せる最大の電力をモーター1,4へ供給して車両を駆動)し、不足分をエンジン2の出力でまかなう場合の運転点である。一方、点Eは、バッテリー15の充電量を多くするためにエンジン2で車両を駆動するとともにモーター1,4を駆動して発電させる場合の運転点である。
【0036】
今、メインバッテリー15が放電している運転点Aにおいて、エンジン2への燃料供給量を増加していくと点Nでメインバッテリー15の充放電量が0となり、さらに点B→C→D→Eの順にメインバッテリー15の充電量が増加していく。ちなみに、図5に示すように、点Bにおける充電量はc_b[kW]、点Cにおける充電量はc_c[kW]、点Dにおける充電量はc_d[kW]、点Eにおける充電量はc_e[kW]である。
【0037】
点Aにおける燃料供給量を基準として、燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatと充電電力Batの関係を図5の曲線▲1▼に示す。また、曲線▲1▼から燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatの比(=Δbat/Δfuel)を求めたものが曲線▲2▼であり、この明細書ではこの比を感度Sと呼ぶ。なお、これらの曲線▲1▼、▲2▼は予め実験などにより車速と制駆動力の条件ごとに求めておく。
【0038】
図5に示すように、SOC換算効率指標が大きいほど大きな感度Sに対応づける。この例では、SOC換算効率指標=70%に対して感度Sをs170に、SOC換算効率指標=50%に対して感度Sをs150に、SOC換算効率指標=30%に対して感度Sをs130にそれぞれ設定している。
【0039】
そして、SOC換算効率指標に応じた感度Sの充電電力Batを実現するエンジン/モーター運転点を演算する。例えば、SOC換算効率指標が70%の場合には、感度曲線▲2▼上の感度S=s170を満たす点B1を求め、さらに感度s170を実現する燃料供給量の曲線▲1▼上の点Bを求め、この点Bに対応する図4の点Bをエンジン2およびモーター1,4の運転点とすればよい。なお、感度Sを満たす曲線▲2▼上の点が2個ある場合は、充電電力Batが多い点を採用する。また、感度Sを満たす点が曲線▲2▼上にない場合、すなわち感度Sで充電を行うことができる運転点が今現在の車速と制駆動力の条件下では存在しない場合、図4の点Aをエンジン2およびモーター1,4の運転点とする。
曲線▲1▼、▲2▼は、車速と制駆動力の条件ごとに異なるので、感度Sの最高値も車速と制駆動力の条件ごとに異なる。よって、SOC換算効率指標が大きい場合は、限られた車速と制駆動力の条件下でのみ、感度Sを満たす運転点を取ることができる。反対にSOC換算効率指標が小さい場合は、広い範囲の車速と制駆動力の条件下で感度Sを満たす運転点を取ることができる。
【0040】
これにより、SOC換算効率指標が大きいほど、バッテリーへの充電を行う機会が少なくなり、反対にSOC換算効率指標が小さいほど充電の機会は多くなる。また、SOC換算効率指標が大きいほど充電実行時の燃料利用効率が高くなり、反対にSOC換算効率指標が小さいほど充電実行時の燃料利用効率が低くなる。
【0041】
なお、以上の説明では、SOC換算効率指標に応じた感度Sを求め、さらに感度Sを実現する充電電力Batを求め、充電電力Batに対応するエンジン/モーター運転点を求める例を示したが、SOC換算効率指標に対する充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を関連付けたデータを記憶しておき、そのデータを読み出して充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を求めるようにしてもよい。これにより、エンジン/モーター運転点の演算を容易にできる。
【0042】
また、図5の特性曲線▲1▼については、電装品の消費電力を考慮した上で、点Nより左側の放電時についてはメインバッテリー15の放電効率を、点Nより右側の充電時についてはメインバッテリー15の充電効率を考慮して関連づけるとよい。
【0043】
無段変速機5の変速比は、車速とエンジン/モーター運転点の回転速度を実現する変速比に調整する。さらに、モーター1と4のトルクは、予め設定した配分にし、モーター1,4とエンジン2により目標制駆動力指令値を実現できる値を演算する。
【0044】
クラッチ3の動作点は予め図6に示すように関係づけておき、この関係にしたがって締結と解放を制御する。クラッチ解放時は、エンジン2とモーター1の回転速度が一致し、定常的にはエンジン2のトルクと、モーター1のトルクのエンジン軸回り換算値とが等しいという条件のもとに、図4および図5により説明した方法によりエンジン2およびモーター1,4の運転点を決定する。
【0045】
この実施の形態では、SOC換算効率指標の演算には上述したエンジンとモーターの運転点決定方法を用いており、逆に、エンジンとモーターの運転点の決定には上述したSOC換算効率指標を用いるため、いずれか一方を先に決定しないとどちらも演算できないことになる。そこで上述したように、SOC換算効率指標SOCcの演算において、まずSOCcの値に何らかの値、上記例では初期値SOCc_0を設定してエンジンとモーターの仮の運転点を求め、さらに目的地におけるSOC(p_SOC(n))を予測する。そして、所定値αを用いて数式1と数式2により、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目標SOC(t_SOC)と一致するまでSOC換算効率指標SOCcの演算を繰り返し、演算が収束したときのSOCc_jを最終的なSOC換算効率指標SOCcに決定する。
【0046】
そして、決定したSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジンとモーターの実際の運転点を決定する。まず、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。次に、SOC換算効率指標SOCcと、車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいて、エンジンとモーターの走行時の正式な運転点を決定する。そして、この運転点でエンジン2とモーター1,4を制御する。
【0047】
これにより、目的地までの誘導経路において、SOC換算効率指標SOCcを用いてエンジン2とモーター1,4の運転点が決定されることになり、目的地までの誘導経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、目的地におけるメインバッテリー15のSOCをその目標値t_SOCにすることができる。
【0048】
図7および図8は車両制御プログラムを示すフローチャートであり、これらのフローチャートにより第1の実施の形態の動作を説明する。車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1において現在地を検出する。なお、2回目以降の実行時には分割区間way(i)(i=1〜n)のどの位置にいるかも検出する。続くステップ2で、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。なお、渋滞状況の変化はVICSなどの路車間通信装置により入手する。
【0049】
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。続くステップ4で、目的地までの誘導経路をn区間way(i)(i=1〜n)に分割する。この経路分割方法には、勾配変化地点、交差点、道路種別変化地点、渋滞開始地点、渋滞終了地点、高速道路の料金所など、道路環境の内の特徴のある地点を区分点として区分する方法や、目的地までの距離をn等分して区分する方法などがある。なお、目的地までの距離が遠い場合には、目的地までの誘導経路上の通過点を仮の目的地として経路分割を行ってもよい。また、経路分割数の決定方法には、勾配変化度合い、交差点数、道路種別に応じて決定する方法や、目的地までの距離に比例した分割数を決定する方法などがある。
【0050】
ステップ5では、各分割区間way(i)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出する。続くステップ6で、上述したように、各分割区間way(i)の道路環境などに基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
【0051】
ステップ7で、各分割区間way(i)の道路環境に基づいて現在地と目的地の間の各分割区間way(i)における車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を予測する。車速p_vsp(i)の予測は、例えば次のようにする。誘導経路では道路の制限速度を予測値とする。右左折をする交差点では例えば減速度0.1Gで車速が0になり、3秒停止後に加速度0.1Gで巡航速度に戻るような車速p_vsp(i)を予測し、曲線路区間では道路の曲率に応じた加減速度と通過速度に基づいて車速p_vsp(i)を予測する。また、VICSなどの路車間通信装置から渋滞情報を得た場合は、渋滞区間の渋滞がひどいほど平均車速が低くなるような車速p_vsp(i)を予測する。各分割区間way(i)の制駆動力指令値p_tTd(i)には、車速p_vsp(i)に応じた走行抵抗分(空気抵抗分+転がり抵抗分)の駆動力と、前区間との速度差に応じた加減速度分の制駆動力と、道路勾配に応じた車両のポテンシャルエネルギー変化を吸収するための加減速分の制駆動力との和の制駆動力を設定する。
【0052】
なお、後述するステップ14で車速と制駆動力指令値の予測のずれが大きいと判断されてステップ7を実行するときは、予測値と実際値とのずれの方向を検出し、ずれの方向を考慮して車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p−tTd(i)を再予測する。例えば走行中の予測車速p_vsp(i)が実際の車速より高い傾向にあるときは予測車速p_vsp(i)を低めの値にし、走行中の予測制駆動力指令値p_tTd(i)が実際の制駆動力指令値よりも小さいときは予測制駆動力指令値p_tTd(i)を大きめの値にする。あるいは、誘導経路が以前に通ったことのある経路の場合には、以前に通ったときの経路区間の車速m_vsp(i)を予測車速p_vsp(i)としてもよいし、予測車速p_vsp(i)と以前の車速m_vsp(i)との内分値をとってもよい。ただし、その場合には少なくとも車両が以前に通った経路区間における車速m_vsp(i)を記憶しておく必要がある。
【0053】
ステップ8において現在のSOC(d_SOC)を検出し、続くステップ9では上述した方法によりSOC換算効率指標SOCcを演算する。ステップ10で、算出したSOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測する。まず、SOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、上述したように各分割区間way(i)におけるエンジン2およびモーター1,4の仮の運転点を求めると、各分割区間における予測バッテリー充放電電力p_bat(i)が求まる。したがって、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すると、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測することができる。
【0054】
ステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
【0055】
ステップ14では、各分割区間way(i)の終点において、各分割区間の例えば平均車速d_vsp(i)および平均制駆動力指令値d_tTd(i)と、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とのずれがそれぞれの所定値より大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップ7へ戻り、所定値以下の場合はステップ15へ進む。
【0056】
なお、ずれの指標としては、例えば、車速の二乗誤差と制駆動力指令値の二乗誤差の和ERR_1を指標とする方法がある。
【数3】
ERR_1=Σ{(d_vsp(i)−p_vsp(i))+K1(d_tTd(i)−p_tTd(i))
上式において、K1は定数であり、Σは前回予測値を更新した時点から現時点までのiにおける総和を表す。
【0057】
また、車両に及ぼす仕事率が、この実施の形態で注目する消費燃料と充放電電力に対する相関が高いとして、仕事率相当値(車速×制駆動力)の二乗誤差ERR_2を指標とする方法もある。
【数4】
ERR_2=Σ{(d_vsp(i)・d_tTd(i)−p_vsp(i)・p_tTd(i))
上式において、Σは前回予測値を更新した時点から現時点までのiにおける総和を表す。なお、車速と制駆動力指令値の予測が大きいと判断されてこのステップからステップ7へ進んだ場合には、予測値と実際値とのずれの方向を検出し、ずれの方向を考慮してステップ7で車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を再予測する。例えば、走行中の予測車速p_vsp(i)が実際の車速より高い傾向にあるときは予測車速p_vsp(i)を低めの値にし、走行中の予測制駆動力指令値p_tTd(i)が実際の制駆動力指令値よりも小さいときは予測制駆動力指令値p_Td(i)を大きめの値にする。あるいは、誘導経路が以前に通ったことのある経路の場合には、以前に通ったときの経路区間の車速パターンm_vsp(i)を予測車速p_vsp(i)としてもよいし、予測車速p_vsp(i)と以前の車速m_vsp(i)との内分値をとってもよい。ただし、その場合には少なくとも車両が以前に通った経路区間における車速m_vsp(i)を記憶しておく必要がある。
【0058】
ステップ15では、各分割区間way(i)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが所定値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、所定値以下の場合はステップ16へ進む。なお、ずれの指標としては例えば次式に示すようなものがある。
【数5】
ERR_3=(d_SOC−p_SOC(i))
【0059】
ステップ16において、SOC換算効率指標SOCcの収束値SOCc_jと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。このとき、検出SOC(d_SOC)がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にある場合には、バッテリー15の保護を優先させ、SOC換算効率指標SOCcの代わりに検出SOC(d_SOC)を用いて演算するものとする。続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
【0060】
なお、ナビゲーション装置33が動作していないとき、あるいは目的地が設定されていない場合は、図7および図8に示すフローチャートのステップ8→11→12→13→16→17の順に実行する。ただし、目的地が設定されていないがナビゲーション装置33が動作している場合は、車両が過去に走行したことのある通勤経路や日常良く走行する経路を走行していることを検出し、過去の走行時の情報から例えば通勤先やスーパーなどの目的地を特定してステップ3以降を実行するようにしてもよい。
【0061】
なお、SOC換算効率指標SOCcを演算するに当たっては、すべての分割区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))を演算することになるので、ステップ10における予測SOC(p_SOC(i))の演算値としては、ステップ9においてSOCc=SOCc_jとした各分割区間の値を用いてもよい。
【0062】
このように、第1の実施の形態では、目的地までの誘導経路を分割し、ナビゲーションの道路環境情報に基づいて誘導経路の各分割区間における車速p_vspと制駆動力指令値p_tTdを予測し、各分割区間の予測車速p_vspと予測制駆動力指令値p_tTdおよびバッテリーSOCの初期値SOCc_0を設定したSOC換算効率指標SOCcに基づいて燃料利用効率の良いエンジンとモーターの運転点を仮に決定する。次に、各分割区間のエンジンとモーターの仮運転点と現在のSOC検出値d_SOCとに基づいて目的地におけるSOCを予測し、目的地における予測SOC(p_SOC)が目的地における目標SOC(t_SOC)に略一致するまでSOC換算効率指標SOCcを収束値SOCc_jに収束させる。そして、車速検出値d_vspとアクセル開度検出値とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから制駆動力指令値d_tTdを表引き演算し、車速検出値d_vsp、制駆動力指令値の演算値d_tTdおよびSOC換算効率指標の収束値SOCc_jに基づいて、エンジンとモーターの最終的な運転点を決定する。
【0063】
この第1の実施の形態によれば、SOC換算効率指標SOCcを導入し、ナビゲーション装置により検出された道路環境情報に基づいて誘導経路の車速と制駆動力指令値を予測し、目的地での目標SOCを達成するために燃料利用効率の良いエンジンとモーターの運転点を仮に決定する。そのため、目的地までの車速検出値と制駆動力指令値の演算値がそれぞれ予測車速と予測制駆動力指令値と一致するときは、目的地までの燃料消費量を最少限に抑制することができる。また、実際にエンジンとモーターの運転点を決定し走行するときには、予測車速と予測制駆動力指令値に代えて、車速検出値と制駆動力指令値の演算値を用いて正式な運転点を演算するので、予測車速と予測制駆動力指令値が実際値からずれたときでも、燃料利用効率の悪い運転点が選択されるようなことがなく、予測がずれたときでも燃料消費量の低減効果を維持できる。
【0064】
《発明の第2の実施の形態》
SOC換算効率指標SOCcの他の演算方法を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1および図2に示す構成と同様であり、図示と説明を省略する。
【0065】
図9および図10は、SOC換算効率指標の他の演算方法を含む車両制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。なお、図7および図8に示す動作と同様な動作を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
【0066】
車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1で現在地を検出した後、ステップ8で現在のSOC(d_SOC)を検出する。続くステップ2で、上述したように目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。
【0067】
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。次に、ステップ4で、上述したように目的地までの誘導経路をm区間way(j)(j=1〜m)に分割し、さらに各区間way(j)をp分割することによって目的地までの誘導経路をn(=m・p)区間way(i)(i=1〜n)に分割する。続くステップ5では各分割区間way(j)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出する。続くステップ6で上述したように各分割区間way(j)の道路環境などに基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
【0068】
ステップ21において、車両の動力性能を考慮して各区間way(j)ごとの道路環境に応じたSOCの上下限値を設定する。例えば図11に示すように、経路途中のある区間way(k)から先5kmに渡って上り坂が続くと見込まれる場合は、モーター1,4による駆動力を十分に持続させるために区間way(k)におけるSOC下限値を50%とし、10kmに渡って上り坂が続く場合にはSOC下限値を60%にする。なお、原則として各分割区間のSOC上下限値は、図11に示すようにバッテリー保護のために80%以下、20%以上とする。また、SOCの上下限値は、全区間にわたって設定してもよいし、各区間way(j)ごとに設定してもよい。さらに、誘導経路上の任意の地点に対して設定してもよい。もちろん、上限値のみ、あるいは下限値のみを設定してもよい。
【0069】
ステップ7では、上述したように、各分割区間way(j)の道路環境に基づいて現在地と目的地の間の各分割区間way(i)における車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を予測する。車速p_vsp(i)の予測は、例えば次のようにする。誘導経路では区間way(j)の制限速度を予測値とする。また、右左折をする交差点、踏切、あるいは料金所では例えば減速度0.1Gで車速が0になり、3秒停止後に加速度0.1Gで巡航速度に戻るような車速p_vsp(i)を予測し、曲線路区間では道路の曲率に応じた加減速度と通過速度に基づいて車速p_vsp(i)を予測する。また、VICSなどの路車間通信装置から渋滞情報を得た場合は、渋滞区間の渋滞がひどいほど平均車速が低くなるような車速p_vsp(i)を予測する。一方、各分割区間way(i)の制駆動力指令値p_tTd(i)には、車速p_vsp(i)に応じた走行抵抗分(空気抵抗分+転がり抵抗分)の駆動力と、前区間との速度差に応じた加減速度分の制駆動力と、道路勾配に応じた車両のポテンシャルエネルギー変化を吸収するための加減速分の制駆動力との和の制駆動力を設定する。
【0070】
ステップ9では、第1の実施の形態で上述した方法によりSOC換算効率指標SOCcを演算する。ステップ10で、算出したSOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測する。まず、SOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、上述したように各分割区間way(i)におけるエンジン2およびモーター1,4の仮の運転点を求めると、各分割区間における予測バッテリー充放電電力p_bat(i)が求まる。したがって、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すると、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測することができる。
【0071】
ステップ22において、予測した各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))がステップ21で設定した上下限値を超えているかどうかを確認し、超えていればステップ23へ進み、超えていなければステップ11へ進む。予測SOC(p_SOC(i))が上下限値を超えている場合は、ステップ23でSOC換算効率指標SOCcの補正演算を行う。例えば図12に示すように、予測SOC(p_SOC(i))が目的地までの経路途中のPA地点で下限値を超える場合(▲1▼)には、下限値を超えないところ(▲2▼の線)までSOC換算効率指標SOCcを上記数式1により補正して小さくする。逆に、予測SOC(p_SOC(i))が上限値を超える場合には、上限値を超えないところまでSOC換算効率指標SOCcを上記数式2により補正して大きくする。ただし、補正の過程で上限値および下限値をともに超えてしまう場合には、車両の現在地に近い方(iの値が小さい方)のSOC予測値p_SOC(i)を優先的に採用し、上下限内に収まるようにSOC換算効率指標SOCcを数式1または数式2により補正する。
【0072】
次に、ステップ24で各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))がSOC上下限内に収まるようになった地点、例えば図12に示すように予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線がSOC上下限値に最接近する地点、または予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線とSOC上下限値との交点”PA”を記憶しておく。このとき、▲2▼の線の目的地における予測SOC(p_SOC(n))は目標SOC(t_SOC)に一致しないため、ステップ23で演算したSOC換算効率指標SOCcを目的地まで使用すれば、目的地における実際のSOCが目標SOC(t_SOC)に一致しないことになる。そこで、車両が地点PAに達するまではステップ23で演算したSOC換算効率指標SOCcを使用し、車両が地点PAに達したことを後述のステップ26で判定した後は、ステップ9でSOC換算効率指標SOCcを演算し直し、その値に基づいて車両の運転点を改めて決定していくことで、目的地における実際のSOCを目標SOC(t_SOC)にほぼ一致させることができる。
【0073】
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれもなかったときは、ステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
【0074】
ステップ14では、各分割区間way(j)の終点において、各分割区間の平均車速d_vsp(i)および平均制駆動力指令値d_tTd(i)と、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とのずれがそれぞれの判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップ7へ戻り、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)を再計算する。一方、車速と制駆動力指令値の予測値と実際値のずれが判定基準値以下の場合はステップ15へ進む。なお、ずれの指標としては、上述した数式3に示す車速の二乗誤差と制駆動力指令値の二乗誤差との和ERR_1を用いたり、あるいは数式4に示す仕事率相当値の二乗誤差ERR_2を用いることができる。ステップ15では、各分割区間way(i)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、SOCの予測値と実際値とのずれが判定基準値以下の場合はステップ25へ進む。なお、ずれの指標としては例えば上記数式5に示すERR_3を用いることができる。
【0075】
車速、制駆動力指令値およびSOCの予測値と実際値とのずれが小さいときは、ステップ25で現在のSOC(d_SOC)とステップ21で設定したSOC上下限値との差が所定値δSOC以下かどうかを確認する。ここで、所定値δSOCには、SOCがその上下限値に接近したことを判定するための適当な値を設定する。現在のSOCがその上下限値に接近したときはステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、現在のSOCがその上下限値に接近していないときはステップ26へ進み、車両が地点PAに到達したかどうかを確認する。ここで、地点PAは、現在のSOC(d_SOC)がステップ21で設定したSOC上下限値に達する地点である。地点PAに到達したときはステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、まだ地点PAへ到達していないときはステップ16へ進む。
【0076】
ステップ16では、SOC換算効率指標SOCcの収束値SOCc_jと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
【0077】
このように、第2の実施の形態では、車両の動力性能を考慮して各区間way(i)ごとの道路環境に応じたSOCの上下限値を設定し、SOC換算効率指標SOCcと各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))を演算する。そして、各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))がSOCの上下限値を超えている場合は、上下限値の範囲内に収まるようにSOC換算効率指標SOCcを再計算し、各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線がSOC上下限値に最接近する地点、または予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線とSOC上下限値との交点PAを記憶する。SOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し走行しているときに、現在のSOC(d_SOC)がSOC上下限値に接近または上記地点PAに到達したら、それ以降のSOC換算効率指標SOCcを演算し直し、新しいSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し、目的地への走行を続ける。これにより、目的地までの燃料利用効率を向上させながら目的地における目標SOCを達成することができる。
【0078】
《発明の第3の実施の形態》
SOC換算効率指標SOCcの他の演算方法を説明する。なお、この第3の実施の形態の構成は図1および図2に示す構成と基本的に同様であるが、この第3の実施の形態では目的地までの各分割区間の車速と制駆動力指令値を予測する走行条件予測機能16a(図2参照)が不要である。
【0079】
図13および図14は、SOC換算効率指標の他の演算方法を含む車両制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第3の実施の形態の動作を説明する。なお、図7および図8に示す動作と同様な動作を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
【0080】
車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1において現在地を検出する。続くステップ2で、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。続くステップ4では、上述したように道路環境の内の特徴のある地点を区分点として目的地までの誘導経路をm区間way(j)(j=1〜m)に分割する。ステップ5で各分割区間way(j)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出し、続くステップ6で、上述したように、検出した各分割区間way(j)の道路環境に基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
【0081】
次に、ステップ8で現在のSOC(d_SOC)を検出し、続くステップ31で次のようにしてSOC換算効率指標SOCcを演算する。まず、道路環境ごとに走行パターンを想定し、それらの走行パターンをSOC換算効率指標SOCcで走行した場合の単位距離あたりのSOC変化量データ(MAP2DSOC)として予めメモリに記憶しておく。そして、このデータ(MAP2DSOC)からSOC換算効率指標SOCcと各区間way(j)ごとの道路環境とに対応したSOC変化量p_dSOC(j)を表引き演算し、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各区間way(j)のSOC変化量p_dSOC(j)を積分することによって、各区間way(j)の予測SOC(p_SOC(j))と目的地における予測SOC(p_SOC(m))を求める。この演算を、目的地における予測SOC(p_SOC(m))が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで実行し、両者がほぼ一致したときのSOC換算効率指標を最終的な指標SOCcとする。
【0082】
ステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
【0083】
ステップ32において、各区間way(j)のSOC変化量(p_dSOC(j))の誤差が大きいかどうかを判定する。つまり、各区間way(j)の終点ごとに、直前に通過した区間way(k)の実際のSOC変化量(d_dSOC(k))と算出したSOC変化量p_dSOC(k)とを比較し、ずれが大きい場合は補正する。なお、ずれの判定基準値には例えば次式により求めた値ERR4を用いることができる。
【数6】
ERR_4=(d_dSOC(k)−p_dSOC(k))
ずれが大きいときはステップ8へ戻ってSOC換算効率指標SOCcを再計算し、ずれが小さいときはステップ15へ進む。
【0084】
ステップ15では、各分割区間way(j)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、判定基準値以下の場合はステップ16へ進む。なお、判定基準値としては上記数式3に基準値ERR_3を用いることができる。
示すずれの指標としては例えば次式に示すようなものがある。
【0085】
ステップ16において、SOC換算効率指標SOCcの収束値SOCc_jと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。このとき、検出SOC(d_SOC)がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にある場合には、バッテリー15の保護を優先させ、SOC換算効率指標SOCcの代わりに検出SOC(d_SOC)を用いて演算するものとする。続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
【0086】
なお、走行経路の道路環境情報、SOC換算効率指標およびSOC変化量を記憶しておき、この過去の走行経路のデータを考慮して区間way(j)ごとのSOC変化量を予測するようにしてもよい。それにより、より正確な区間way(j)ごとのSOC変化量を予測することができる。
【0087】
このように、第3の実施の形態によれば、道路環境ごとに走行パターンを想定し、それらの走行パターンを種々のSOC換算効率指標で走行した場合の単位走行距離あたりのSOC変化量データを予めメモリに記憶しておく。そして、この単位走行距離あたりのSOC変化量データから、SOC換算効率指標SOCcと各区間way(j)ごとの道路環境とに対応したSOC変化量p_dSOC(j)を表引き演算し、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各区間way(j)のSOC変化量p_dSOC(j)を積分することによって、各区間way(j)の予測SOC(p_SOC(j))と目的地における予測SOC(p_SOC(m))を求める。この演算を目的地における予測SOC(p_SOCm)が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで実行し、両者がほぼ一致したときのSOC換算効率指標を最終的な指標SOCcとする。このSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し走行しているときに、各区間way(k)の実際のSOC変化量d_dSOC(k)と算出したSOC変化量p_dSOC(k)とを比較し、ずれが大きい場合はSOC換算効率指標(SOC)を補正する。また、各区間way(j)において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とを比較し、ずれが判定基準値よりも大きい場合はSOC換算効率指標(SOC)を補正する。これにより、目的地までの燃料利用効率を向上させながら目的地における目標SOCを達成することができる。
【0088】
以上の実施の形態では、燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatの比(Δbat/Δfuel)、すなわち感度SをSOC換算効率指標とする例を示したが、SOC換算効率指標は感度Sに限定されない。例えば、SOCが低いときには発電を促進し、高いときには発電を抑制する制御を行うハイブリッド車両に対しては、SOCそのものをSOC換算効率指標としてもよい。この場合は、車両の進行経路上に所定距離以上の下り坂がある場合には、目標SOCを検出SOCに対して小さめに補正すればよい。また、SOC検出値と目的地における目標SOCとの差が大きいほどSOCの補正量を大きくしてもよい。
【0089】
なお、運転者に代わり状況に応じて車両の制駆動力を自動調整するような制駆動力自動調整システムにおいては、上述した実施の形態の”アクセル開度”を制駆動力自動調整システムの制駆動力指令値に置き換えることによって、上述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0090】
また、上述した一実施の形態では、クラッチ3の締結によりパラレル・ハイブリッド走行を実現するとともに、クラッチ3の開放によりシリーズ・ハイブリッド走行も行う車両への適用例を示したが、パラレル・ハイブリッド走行のみ、またはシリーズ・ハイブリッド走行のみを行う車両へも同様に適用できる。
【0091】
さらに、上述した一実施の形態では無段変速機を例に上げて説明したが、変速機は無段変速機に限定されず、有段変速機でもよい。また、変速機の配置も上述した一実施の形態に限定されない。
【0092】
さらにまた、本願発明は、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動などのすべての駆動方式の車両に適用することができ、エンジンで前輪を駆動し、モーターで後輪を駆動する形態などのすべての駆動源形態の車両に適用することができる。
【0093】
上述した一実施の形態では、目的地までの誘導経路を探索し、目的地における目標SOC(t_SOC)を設定するとともに、目的地における予測SOC(p_SOC)を求め、予測SOC(p_SOC)が目標SOC(t_SOC)に略一致するようなSOC換算効率指標SOCcを設定する例を示したが、上記目的地の代わりに誘導経路途中の任意の中間地点を設定し、その中間地点における目標SOCを設定するとともに、中間地点における予測SOCを求め、中間地点における予測SOCが目標SOCに略一致するようなSOC換算効率指標SOCcを設定するようにしてもよい。その場合は、中間地点までの誘導経路を分割し、各分割経路ごとにSOC変化量、予測SOCなどを計算する。なお、上述した”走行経路上の特定地点”は誘導経路の目的地と誘導経路上の任意の中間地点とを含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図1に続く、一実施の形態の構成を示す図である。
【図3】SOC換算効率指標の演算方法を説明するための図である。
【図4】エンジンの運転点を示す図である。
【図5】エンジンの燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbat、充電電力Bat、感度Sを示す図である。
【図6】クラッチの動作点を設定するマップである。
【図7】第1の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】図7に続く、第1の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【図10】図9に続く、第2の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【図11】SOC上下限値の設定方法を説明するための図である。
【図12】SOC換算効率指標の補正方法を説明するための図である。
【図13】第3の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【図14】図13に続く、第3の実施の形態の車両制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 モーター
2 エンジン
3 クラッチ
4 モーター
5 無段変速機
6 減速装置
7 差動装置
8 駆動輪
11〜13 インバーター
14 DCリンク
15 メインバッテリー
16 車両コントローラー
16a 走行条件予測機能
16b SOC換算効率指標演算機能
16c エンジン/モーター動作点演算機能
20 キースイッチ
21 ブレーキスイッチ
22 アクセルセンサー
23 車速センサー
24 バッテリー温度センサー
25 バッテリーSOC検出装置
26 エンジン回転センサー
27 スロットルセンサー
30 燃料噴射装置
31 点火装置
32 スロットルバルブ制御装置
33 ナビゲーション装置
33a 経路分割機能
33b 道路環境検出機能
33c 目標SOC決定機能

Claims (17)

  1. エンジンとモーターのいずれか一方または両方を制駆動力源とし、モーターとバッテリーとの間で電力の授受を行うハイブリッド車両の制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    車両への制駆動力指令値を設定する制駆動力指令値設定手段と、
    バッテリー充電時の燃料の利用効率を表す効率指標を、燃料増加量に対するバッテリー充電電力増加量に対応づけたSOC換算効率指標として設定する効率指標設定手段と、
    前記車速検出値、前記制駆動力指令値および前記SOC換算効率指標に基づいて、前記SOC換算効率指標が大きいほどバッテリー充電時の燃料利用効率が高いエンジンとモーターの運転点を決定する運転点決定手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    車両の走行経路を設定し、前記走行経路における道路環境情報を検出するナビゲーション装置を備え、
    前記効率指標設定手段は、前記走行経路の道路環境情報に基づいて効率指標を設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    バッテリーのSOCを検出するSOC検出手段と、
    前記SOC検出値に基づいて前記走行経路上の特定地点におけるSOCを予測するSOC予測手段と、
    前記特定地点における目標SOCを設定する目標SOC設定手段とを備え、
    前記効率指標設定手段は、前記特定地点における前記SOC予測値を前記目標SOCに一致させるSOC換算効率指標を設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記特定地点までの前記走行経路を分割する経路分割手段と、
    前記走行経路の道路環境情報と前記SOC換算効率指標とに基づいて、前記走行経路の前記各分割区間のSOC変化量を予測するSOC変化量予測手段とを備え、
    前記SOC予測手段は、現在の前記SOC検出値を初期値として前記各分割区間の前記予測SOC変化量を積分することによって前記特定地点におけるSOCを予測し、
    前記効率指標設定手段は、前記特定地点における前記SOC予測値が前記目標SOCに略一致するようにSOC換算効率指標を収束させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記SOC変化量予測手段は、道路環境ごとに走行パターンを想定し、各走行パターンを種々のSOC換算効率指標で走行した場合の単位走行距離あたりのSOC変化量のデータを予め記憶し、前記SOC換算効率指標と前記各分割区間の道路環境情報とに基づいて前記各分割区間のSOC変化量を予測することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記特定地点までの前記走行経路を分割する経路分割手段と、
    前記走行経路の道路環境情報に基づいて前記各分割区間の車速と制駆動力とを予測する走行条件予測手段とを備え、
    前記SOC予測手段は、前記SOC検出値、前記SOC換算効率指標、前記予測車速お よび前記予測制駆動力に基づいて前記特定地点におけるSOCを予測し、
    前記効率指標設定手段は、前記特定地点における前記SOC予測値が前記目標SOCに略一致するようにSOC換算効率指標を収束させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    アクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出するアクセル開度検出手段と、
    車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから、前記車速検出値と前記アクセル開度検出値とに対応する制駆動力指令値を表引き演算する制駆動力指令値演算手段とを備え、
    前記効率指標設定手段は、前記車速検出値と前記予測車速とのずれが所定値を超えたとき、または前記制駆動力指令値と前記予測制駆動力とのずれが所定値を超えたときに、SOC換算効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項4または請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記SOC予測手段は、収束させた前記SOC換算効率指標に基づいて前記各分割区間におけるSOCを予測し、
    前記効率指標設定手段は、前記分割区間における前記SOC検出値と前記SOC予測値とのずれが所定値を超えたときにSOC換算効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項または請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    SOCの上下限値を設定する上下限値設定手段を備え、
    前記SOC予測手段は、収束させた前記SOC換算効率指標に基づいて前記各分割区間におけるSOCを予測し、
    前記効率指標設定手段は、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値を超える場合は、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値内に入るように前記SOC換算効率指標を補正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記効率指標設定手段は、前記各分割区間の前記SOC予測値が前記SOC上下限値に接近したときにSOC換算効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記上下限値設定手段は、前記走行経路上の前記分割区間ごとまたは任意の地点ごとに上限値および/または下限値を設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  12. 請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    SOCの上下限値を設定する上下限値設定手段を備え、
    前記効率指標設定手段は、前記SOC検出値が前記SOC上下限値に接近または到達したときにSOC換算効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  13. 請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    走行経路の車速を記憶する車速記憶手段を備え、
    前記走行条件予測手段は、過去の前記車速記憶値を用いて前記各分割区間の車速と制駆動力を予測することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  14. 請求項2〜13のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記ナビゲーション装置は走行経路の渋滞情報を検出し、
    前記効率指標設定手段は、前記渋滞情報を考慮して効率指標を設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  15. 請求項14に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記効率指標設定手段は、前記渋滞情報が変化したときは効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  16. 請求項2〜15のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記効率指標設定手段は、走行経路の勾配と標高を考慮して効率指標を設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  17. 請求項〜16のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記効率指標設定手段は、車両が前記走行経路から逸脱したときに効率指標を再設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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