JP3616827B2 - カード搬送機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カードリーダ等のカード処理装置に好適なカード搬送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気カードリーダや磁気カードライター等のカード処理装置は、カード挿入口から磁気カードを取り込んで情報処理した後、取込方向と逆方向にカードを搬送してカード挿入口から排出する構成が一般的である。カードを往復させるカード搬送手段としては、通常、カードを挟み込んで摩擦により搬送する駆動ローラおよび従動ローラからなるローラ対が用いられている。ローラ対はカードの搬送方向に沿って必要数配設され、カード挿入口付近には、挿入されたカードの取り込みおよび排出を行い、カードが排出されると、そのカードを挟持する取込/排出用のローラ対が配設されている。
【0003】
ところで、排出されたカードが取込/排出用のローラ対に挟持されていると、そのカードを引き抜くとき、あるいは再び挿入するときに、駆動ローラから駆動源に至る駆動伝達系の抵抗力が生じ、その抵抗力に勝る力でそのような操作をしなければならない。このため、駆動伝達系あるいは駆動源に悪影響が及んだり、カードに擦過傷が付いたりする不具合が起こる。また、カードが紙製で腰が弱い場合には、特に再挿入が困難になる。なお、カードの再挿入は、カードを一旦処理した後、引き続き同じカードに別の処理を行わせる場合などになされる。そこで、このような不具合を解消する技術が、実公平5−31705号公報に開示されている。
【0004】
同公報に開示される機構は、駆動軸に駆動ローラを相対回転可能に支持し、両者に、駆動軸の回転を駆動ローラに伝達するピン(係合部材)をそれぞれ設け、駆動軸が回転すると、その途中で駆動軸側のピンが駆動ローラ側のピンに係合して駆動ローラが回転する。そして、カードが排出されたことを取り込み開始検知部が検知すると(このときカードは両ローラに挟持されている)、駆動軸が排出方向とは逆方向の取込方向に所定角度回転する制御がなされる。その戻し角度は、少なくとも、カードが再挿入されて取り込み開始検知部がカードの端縁を検知するまで駆動ローラ側のピンが駆動軸側のピンに係合しない角度である。したがって、その状態からカードを再挿入すると、取り込み開始検知位置まで駆動ローラは自由に回転し、また、カードを引き抜いても、同様に駆動ローラは自由に回転する。したがって、上記不具合は起こらないとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、カードが排出されたことを取り込み開始検知部が検知したら駆動軸を取込方向に所定角度戻す制御について、以下の欠点が挙げられる。まず、駆動軸の戻し過ぎにより駆動軸が1周してしまうと、駆動軸側のピンが駆動ローラ側のピンに係合するので、カードが取り込まれてしまい、引き抜く場合には駆動軸をはじめから回転させてしまう。また、係合しないまでも戻し過ぎに近い状態になると、やはり引き抜く場合にはやがてピンどうしが係合して駆動軸を回転させてしまう。一方、戻し不足も懸念され、その場合には再挿入の途中でピンどうしが係合し、駆動伝達系の抵抗を受けて再挿入がしにくくなる。したがって、最適な駆動軸の戻し角度を安定して得ることが求められ、そのためには、複雑かつ高精度の制御が必要となり、それに応じた制御用の専用部品も必要になってくるのでコスト的にも不利であった。
【0006】
よって本発明は、カードの引き抜き時および再挿入時に駆動ローラを自由に回転可能な状態とするカード搬送機構において、高精度の制御を不要として安価に構成することができるとともに、確実かつ安定した動作に基づく高い信頼性を備えたカード搬送機構を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カードを取り込み、さらに取込方向と逆方向の排出方向にカードを排出するカード搬送機構であって、カードの取込方向および排出方向に作動する駆動源と、カードを排出方向に搬送する駆動ローラおよび従動ローラと、駆動源の動力を駆動ローラに伝達し、クラッチ手段によって接続状態が断接される伝達ギヤ群と、駆動ローラの取込方向側に配設され、カードの排出完了時にカード端縁を検知し、駆動源をカード取込方向に作動させるためのカード排出検知手段とを備え、クラッチ手段は、駆動源がカード排出方向に作動した際に伝達ギヤ群を接続状態とし、駆動源がカード取込方向に作動した際に伝達ギヤ群の接続状態を遮断するように、駆動源と連動的に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、次のような作用がなされる。まず、駆動源がカード排出方向に作動すると伝達ギヤ群はクラッチ手段によって接続状態となり、排出用の駆動ローラが回転して駆動ローラおよび従動ローラに挟み込まれたカードが排出される。カードの排出完了がカード排出検知手段で検知されると、駆動源がカード取込方向に作動し、伝達ギヤ群の接続状態がクラッチ手段によって遮断される。このとき、カードは駆動ローラと従動ローラとに挟持されて停止しており、駆動ローラは、伝達ギヤ群が接続していないので自由に回転可能な状態となっている。したがって、カードを引き抜いたり再挿入する操作を、駆動伝達系の抵抗を受けることなく円滑に行うことができる。
【0009】
本発明は、クラッチ手段による伝達ギヤ群の断接によって駆動ローラと駆動伝達系とを接続したり遮断したりするものであり、遮断時における取込方向への駆動源の作動範囲に制約はない。つまり、上述した従来技術のように高精度な制御は不要で、単に駆動源と連動して伝達ギヤ群を断接するクラッチ機構を設けることで、カードの円滑な引き抜き/再挿入が可能となる。したがって、駆動ローラを自由に回転可能としてカードの円滑な引き抜き/再挿入を可能とする状態を、確実かつ安定して得ることができ、しかも安価な構成でそれを実現することができる。
【0010】
本発明の伝達ギヤ群およびクラッチ手段の具体例としては、次の構成が挙げられる。伝達ギヤ群は、少なくとも3つのギヤA,B,Cを有し、一方、クラッチ手段は、ギヤAの軸に揺動自在に、かつギヤAと同方向に揺動するよう支持された揺動部材である。そして、揺動部材の揺動端にギヤBが支持され、揺動部材の揺動に応じてギヤBがギヤCに対して噛み合ったり離れたりする。
【0011】
この構成によれば、駆動源がカード排出方向に作動すると、ギヤAの回転に伴って揺動部材が揺動してギヤBがギヤCに噛み合い、伝達ギヤ群が接続状態となって駆動ローラは排出方向に回転する。また、駆動源がカード取込方向に作動すると、ギヤAは逆転して揺動部材が逆方向に揺動し、ギヤBはギヤCから離れ、伝達ギヤ群の接続状態が遮断されて駆動ローラは自由に回転可能な状態となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)は一実施形態のカード搬送機構が適用された磁気カードリーダの平面図である。同図の符号1は平面視略長方形状のベースフレームであり、このベースフレーム1の長手方向一端部(図1(a)で左端部)には、図示せぬカバーがヒンジ結合されている。カバーはベースフレーム1を覆って閉じられ、その状態でベースフレーム1に係合される。
【0013】
図1(a)におけるベースフレーム1の右端部には、カードCを水平、かつ長手方向に沿って挿入するための挿入口2が形成されており、ここから挿入されたカードCは当該カードリーダ内に取り込まれ、ベースフレーム1とカバーとの間に形成される搬送路を左端部の折り返し位置まで搬送される。図1(a)の左側のカードC(二点鎖線で示す)は、折り返し位置にある。カードCは折り返し位置まで搬送される間に磁気情報が読み取られ、この後、カードCは挿入口2まで逆送されて排出される。図1(a)において矢印Aはカード取込方向、矢印Bはカード排出方向を指している。以下、一実施形態に係るカード搬送機構を説明する。
【0014】
図1(b)はそのカード搬送機構を示しており、同図に示す3つのパッドローラ(第1〜第3のパッドローラ)11,12,13が、ベースフレーム1に、カードCの搬送方向に所定の間隔(いずれの間隔もカードCの長さより短い)をおいて配列されている。各パッドローラ11〜13は適度な摩擦を生じさせるゴム製であって、搬送路に直交してベースフレーム1に回転自在に支持された従動軸(第1〜第3の従動軸)21,22,23にそれぞれ一体化されている。いずれのパッドローラ11,12,13も、搬送路の幅方向中央に配置されている。図1(a)に示すように、第2パッドローラ12は、その軸心が折り返し位置にあるカードCの挿入口2側の端縁の直下に配されている。第1パッドローラ11は、第2パッドローラ12の挿入口2側に近接して配されている。そして、第3パッドローラ13は、第2パッドローラ12から比較的離れた折り返し位置のほぼ中央に配されている。
【0015】
カバーには、上記各パッドローラ11〜13と対をなす同寸法の3つの駆動ローラ(第1〜第3の駆動ローラ)31,32,33と、これら駆動ローラ31〜33を回転駆動させる1つの駆動モータ(駆動源)40と、駆動モータ40の動力を減速して各駆動ローラ31〜33に伝達する第1、第2の伝達ギヤ群50,60とが設けられている。
【0016】
第1〜第3の駆動ローラ31〜33もゴム製であって、カバーに各従動軸21〜23と平行に、かつ回転自在に支持された駆動軸(第1〜第3の駆動軸)71,72,73にそれぞれ一体化されている。カバーを閉じてベースフレーム1上に対向させると、図1(b)に示すように、第1駆動ローラ31は第1パッドローラ11に、第2駆動ローラ32は第2パッドローラ12に、第3駆動ローラ33は第3パッドローラ13に、それぞれ接触する。なお、各パッドローラ11〜13は、適宜な付勢手段により、それぞれ各駆動ローラ31〜33に向かって付勢されており、各駆動ローラ31〜33に対して適度な圧力で接触する。カードCは、対をなすパッドローラと駆動ローラ(11と31,12と32,13と33)とに挟持され、その状態で生じる摩擦によりローラの回転方向にしたがって搬送される。第1パッドローラ11と第1駆動ローラ31、第2パッドローラ12と第2駆動ローラ32、第3パッドローラ13と第3駆動ローラ33の各組み合わせを、それぞれ第1搬送ローラ対81、第2搬送ローラ対82、第3搬送ローラ対83と称する。
【0017】
上記駆動モータ40は、カバーにおける第2駆動軸22と第3駆動軸23との間の中央やや上方に固定されている。この駆動モータ40のピニオン41は各駆動軸71〜73と平行で、カバーの図1(a)における下側(取込方向の左側)に突出している。そして、駆動モータ40のピニオン41が配置されたカバーの外側に、第1、第2の伝達ギヤ群50,60が配置されている。
【0018】
第1伝達ギヤ群50は第1駆動ローラ31および第2駆動ローラ32を回転させる伝達系で、カバーに支持された中間ギヤ51と、第2駆動軸72の端部に固定された第2駆動ギヤ(ギヤA)52と、第2駆動軸72に揺動自在に支持されたクラッチ板(クラッチ手段,揺動部材)53にピン54を介して支持されたクラッチギヤ(ギヤB)55と、第1駆動軸71の端部に固定された第1駆動ギヤ(ギヤC)56とから構成されている。中間ギヤ51および第2駆動ギヤ52は、それぞれ大ギヤ51a,52a、小ギヤ51b,52bを有する2段ギヤである。中間ギヤ51の大ギヤ51aは駆動モータ40のピニオン41に噛合しており、中間ギヤ51の小ギヤ51bは第2駆動ギヤ52の大ギヤ52aに噛合している。
【0019】
クラッチ板53は、その一端部が第2駆動軸における第2駆動ギヤの外側に回転自在に支持されている。図1(a)に示すように、クラッチ板53は、自身と第2駆動軸の端部との間に圧縮状態で介装された皿ばね57によって、その一端部に形成された屈曲片53aが第2駆動ギヤ52の大ギヤ52aの端面に圧接している。これによって、第2駆動ギヤ52が回転すると、クラッチ板53は適度な摩擦によって第2駆動ギヤ52と一体に回転し、第1駆動ギヤ56側に延びる部分が上下に揺動する。
【0020】
クラッチ板53の揺動側には、ピン54によってクラッチギヤ55が支持されている。このクラッチギヤ55は、クラッチ板53が揺動しても第2駆動ギヤ52の小ギヤ52bに常に噛合している。そして、クラッチ板53が図1(b)において上方に揺動すると第1駆動ギヤ56に噛合し、下方に揺動すると第1駆動ギヤ56から離れる。図1(b)に示すように、クラッチ板53の揺動端部の上下には、第1駆動軸71に装着されたカラー58に当接して揺動範囲を規制する爪部53b,53cがそれぞれ形成されている。クラッチ板53の揺動が規制された状態でも、第2駆動ギヤ52はクラッチ板53に対して滑り、回転が停止することはない。
【0021】
第2伝達ギヤ群60は第3駆動ローラ33を回転させる伝達系で、カバーに支持された中間ギヤ61と、第3駆動軸73の端部に固定された第3駆動ギヤ62とから構成されている。中間ギヤ61および第3駆動ギヤ62は、それぞれ大ギヤ61a,62a、小ギヤ61b,62bを有する2段ギヤである。中間ギヤ61の大ギヤ61aは駆動モータ40のピニオン41に噛合しており、中間ギヤ61の小ギヤ61bは第3駆動ギヤ62の大ギヤ62aに噛合している。
【0022】
ここで、上記第1、第2の伝達ギヤ群50,60の作用を説明する。まず、駆動モータ40が作動してピニオン41が図1(b)で反時計方向に回転した場合には、カードCを排出させる作用をなす。すなわち、第1の伝達ギヤ群50においては、図2(a)に示すようにピニオン41の回転が中間ギヤ51を経て第2駆動ギヤ52からクラッチギヤ55に伝わる。すると、クラッチ板53が第2駆動ギヤ52とともに回転して上方に揺動し、クラッチギヤ55が第1駆動ギヤ56に噛合して第1駆動ギヤ56が回転する。これによって第1駆動ローラ31および第2駆動ローラ32は反時計方向に回転し、これらと接触する第1パッドローラ11および第2パッドローラ12は時計方向に回転する。つまり、第1搬送ローラ対81および第2搬送ローラ対82は、カードCを挿入口2側に排出する方向に回転する。一方、第2の伝達ギヤ群60においては、ピニオン41の回転が中間ギヤ61を経て第3駆動ギヤ62に伝わり、第3駆動ローラ33が反時計方向に回転し、これと接触する第3パッドローラ13が時計方向に回転する。したがって、第3搬送ローラ対83もカード排出方向に回転する。
【0023】
次に、駆動モータ40のピニオン41が図1(b)で時計方向に回転した場合には、カードCを取り込む作用をなす。すなわち、第1伝達ギヤ群50においては、図2(b)に示すようにピニオン41の回転が中間ギヤ51を経て第2駆動ギヤ52からクラッチギヤ55に伝わる。第2駆動ギヤ52は時計方向に回転するので、クラッチ板53が下方に揺動してクラッチギヤ55が第1駆動ギヤ56から離れる。これによって、第2搬送ローラ対82はカードCを取り込む方向に回転が切り替わる。また、クラッチギヤ55から第1駆動ギヤ56への伝達が遮断されたので、第1搬送ローラ対81は回転せず、しかも、第1駆動ローラ31は、駆動モータ40および第1伝達ギヤ群50からなる駆動伝達系の抵抗を受けることなく自由に回転可能な状態となる。一方、第2伝達ギヤ群60においては、ピニオン41の回転が中間ギヤ61を経て第3駆動ギヤ62に伝わり、第3駆動ローラ33が時計方向に回転し、これと接触する第3パッドローラ13が反時計方向に回転する。したがって、第3搬送ローラ対83もカード取込方向に回転する。
【0024】
第1〜第3の搬送ローラ対81〜83によって取込/排出されるカードCは、3つのセンサによって搬送位置が検出され、搬送方向や磁気情報の読み取りタイミングが制御される。これらセンサは、いずれもベースフレーム1側に取り付けられた発光素子とカバー側に取り付けられた受光素子とを1組とする光学センサである。そして、カバーが閉じた状態で搬送路を挟んで互いに対向し、発光素子からの光を受光素子が受けている状態がOFFの状態であり、その光がカードCによって遮断されるとON信号を発する。
【0025】
さて、その3つのセンサは、図1(a)に示すように、第1駆動軸71の挿入口2側に近接して配置されたカード挿入センサ91と、第2駆動軸72の挿入口2側に近接して配置された取込/排出センサ(カード排出検知手段)92と、第2駆動ローラ32と第3駆動ローラ33との間において第3駆動ローラ33寄りに配置された読取開始センサ93である。図3は、当該カードリーダに搭載された制御系の構成を示しており、各センサ91〜93のON/OFF信号は制御部94に入力され、制御部94は各センサ91〜93の検知信号に基づいて駆動モータ40の作動および磁気情報読取部95を制御する。以下、制御部94によって行われる当該カードリーダの動作を説明する。
【0026】
初期設定として、駆動モータ40がカード取込方向に回転した後、停止している。この状態では、図2(b)に示すようにクラッチ板53は下方に揺動して停止しており、クラッチギヤ55は第1駆動ギヤ56から離れて第1伝達ギヤ群50は遮断されている。したがって、第1駆動ローラ31は自由に回転可能な状態である。
【0027】
図4を参照してカードCの処理動作を説明する。カードCを挿入口2から挿入すると、ステップS1でその先端縁がカード挿入センサ91で検知され、ステップS2に進んで磁気情報の読み取りの準備がなされる。さらにカードCを挿入すると、第1搬送ローラ対81でカードCは挟持されるが、第1駆動ローラ31は自由に回転可能であるので、引き続きカードCを抵抗なく挿入することができる。ステップS3でカードCの先端縁が取込/排出センサ92で検知されると、ステップS4に進んで駆動モータ40が取込方向に回転し、カードCは第2搬送ローラ対82により取り込まれていく。ステップS5でカードCの先端縁が読取開始センサ93に達したことが検知されると、ステップS6に進んでカードCが搬送されながら磁気情報が読み取られ、さらにカードCの搬送は第3搬送ローラ対83に受け継がれる。
【0028】
ステップS7で磁気情報の読み取りが終了したことが判断されると同時にカードCは折り返し位置に達し、次いで、ステップS8に進んで駆動モータ40は逆転、すなわち排出方向に回転する。カードCは第3搬送ローラ対83により排出方向に搬送され、さらにカードCの搬送は第2搬送ローラ対82に受け継がれる。そして、ステップS9でカードCの先端縁が再び取込/排出センサ92を通過したと判断されると、ステップS10に進んで駆動モータ40が再びカード取込方向に所定量回転して停止し、第1伝達ギヤ群50は初期設定の状態に戻る。
【0029】
ステップS10の動作が終了した時点でカードCは第1搬送ローラ対81で挟持されており、この状態からは、カードCが引き抜かれるか、カードCが再挿入されて再び処理されるかのいずれかの操作がなされる。カードCの再挿入は、ステップS11において取込/排出センサ92により検知され、取込/排出センサ92がONになるとカードCが再挿入されたと判断され、ステップS4に戻って再びカードCの処理がなされる。一方、カードCが引き抜かれると、その動作がステップS12でカード挿入センサ91がOFFになることにより判断され、処理が終了する。
【0030】
本実施形態によれば、カードCを再挿入する際には、クラッチギヤ55が第1駆動ギヤ56から離れて第1伝達ギヤ群50が遮断されているので、第1駆動ローラ31は自由に回転可能な状態であり、このため、カードCを抵抗なく再挿入することができる。また、カードCを引き抜く際にも、同様の理由でカードCを抵抗なく引き抜くことができる。したがって、カードCを再挿入したり引き抜いたりする際に、駆動伝達系(駆動モータ40や第1、第2の伝達ギヤ群50,60)に悪影響が及んだり、カードCに擦過傷が付いたりする不具合は起こらない。また、カードCが紙製で腰が弱い場合であっても、カードCを確実かつ円滑に再挿入することができる。これらのことは、はじめにカードCを挿入口2から挿入して第1搬送ローラ対81に挟持させる際にも言えることである。
【0031】
また、第1伝達ギヤ群50の接続を遮断して第1駆動ローラ31を自由に回転可能とするためには、単に駆動モータ40を取込方向に回転させるだけでよく、クラッチギヤ55が第1駆動ギヤ56から離れる最低限のステップ数が確保されていれば、そのステップ数に上限はない。したがって、駆動モータ40を高精度に制御する必要が無い。その結果、第1駆動ローラ31を自由に回転可能としてカードCの円滑な引き抜き/再挿入を可能とする状態を、確実かつ安定して得ることができ、しかも安価な構成でそれを実現することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カードの引き抜き時および再挿入時に駆動ローラを自由に回転可能な状態とするカード搬送機構を、高精度の制御を不要として安価に構成することができるとともに、確実かつ安定した動作に基づく高い信頼性を発揮させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るカード搬送機構が適用されたカードリーダの平面図、(b)はそのカード搬送機構の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る第1伝達ギヤ群の動作を示す側面図であって、(a)は接続状態、(b)は遮断状態を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係るカードリーダの制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカードリーダの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A…取込方向
B…排出方向
C…カード
31…第1駆動ローラ
40…駆動モータ(駆動源)
50…第1伝達ギヤ群
52…第2駆動ギヤ(ギヤA)
53…クラッチ板(クラッチ手段,揺動部材)
55…クラッチギヤ(ギヤB)
56…第1駆動ギヤ(ギヤC)
92…取込/排出センサ(カード排出検知手段)
Claims (2)
- カードを取り込み、さらに取込方向と逆方向の排出方向にカードを排出するカード搬送機構であって、
カードの取込方向および排出方向に作動する駆動源と、
カードを排出方向に搬送する駆動ローラおよび従動ローラと、
前記駆動源の動力を前記駆動ローラに伝達し、クラッチ手段によって接続状態が断接される伝達ギヤ群と、
前記駆動ローラの取込方向側に配設され、カードの排出完了時にカード端縁を検知し、前記駆動源をカード取込方向に作動させるためのカード排出検知手段とを備え、
前記クラッチ手段は、前記駆動源がカード排出方向に作動した際に前記伝達ギヤ群を接続状態とし、駆動源がカード取込方向に作動した際に伝達ギヤ群の接続状態を遮断するように、駆動源と連動的に設けられていることを特徴とするカード搬送機構。 - 前記伝達ギヤ群は、少なくとも3つのギヤA,B,Cを有し、前記クラッチ手段は、ギヤAの軸に揺動自在に、かつギヤAと同方向に揺動するよう支持された揺動部材であり、
この揺動部材の揺動端にギヤBが支持され、揺動部材の揺動に応じてギヤBがギヤCに対して噛み合ったり離れたりすることを特徴とする請求項1に記載のカード搬送機構。
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