JP3616258B2 - ショットキーダイオードおよびそれを用いた電力変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショットキーダイオードおよびそれを用いた電力変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
インバータ等の電力変換機器の動作周波数の高周波化にともなって半導体スイッチング素子の高速化とともにスイッチング素子に並列接続される環流ダイオードやフリーホイルダイオードの高速化が強く求められている。これらのダイオードには高電圧で大電流を低損失で整流する機能が要求されるので一般にはpn接合ダイオードが広く適用されている。しかし、pn接合ダイオードは電流通電時に半導体内部に蓄積される少数キャリアによってターンオフ過渡時には大きな逆電流が流れる性質があるため、スイッチング素子のターンオン時に過大な損失を発生させるだけでなく、過大なノイズの発生源となっており変換装置の動作の高周波化を阻害する主要な要因になっている。リカバリー特性の改善したpn接合ダイオードが種々開発されているが、少数キャリアの注入を伴うこの種のダイオードにはリカバリー時の逆電流の低減には本質的な限界がある。
【0003】
このような要求に応える整流ダイオードとしてショットキーダイオードがある。ショットキーダイオードでは半導体内部で電流を運ぶ担体が多数キャリアのみであり、電流通電時においても少数キャリアの注入や蓄積がないので、ターンオフ時の逆電流を極めて小さくすることができる。
【0004】
しかし、従来のショットキーダイオードを高電圧,大電流の電力変換装置へ適用する場合に幾つかの問題がある。その一つは、逆電圧を印加した時の漏れ電流が大きいことである。とくに高温で耐電圧近くの高い電圧が印加されると漏れ電流が増加するので逆電圧阻止状態での発生損失が増大する。これがダイオード素子内の局所的な場所で起こり、部分的な熱暴走によって素子が破壊しやすいという欠点がある。他の重大な問題は、逆方向の過電圧に対する耐性が極めて弱いことである。素子の耐電圧近くの逆電圧が印加されるとショットキー金属と半導体界面に存在するショットキー障壁を超えて流れる漏れ電流が急増するため局所破壊をおこしやすい。ショットキーダイオードの場合、リカバリー時の逆電流は障壁と半導体との間に印加される逆電圧によって半導体内に広がる空乏層の拡張にともなって発生する極めて微小な変位電流が流れるにすぎない。しかし、この微小な逆電流の急峻な変化がリカバリー時の大きな電圧変動を誘発し、短時間ではあるがノイズ状の過電圧が素子自身に加わることになり、結果として瞬時に素子破壊を引き起こす。
【0005】
このようなショットキーダイオードの逆方向の電圧印加時のサージ耐量を改善する従来技術として特開昭59−217354号に示された集積回路のクランプダイオードの例がある。図2はその半導体集積回路装置でのクランプダイオードの概略構成を示す断面図である。図2において、10は入力側のアルミ電極、20はGND側アルミ電極、30は入力クランプダイオードとして用いられるショットキーバリアダイオード、40はn型エピタキシャル層、50はn+ 型埋込み層、60はアルミ電極10とオーム性接触され、かつこのアルミ電極10とn+ 型埋込み層50間の抵抗を下げるために設けられるn+ 型層、70はp型半導体基板、80は素子間分離の酸化膜、90は電極間分離の酸化膜であって、n型エピタキシャル層40内にあって、GND側アルミ電極20とn+ 型層60に接するp+ 型層120を設けると共に、n+ 型不純物濃度を制御して前記ショットキーダイオード30の降伏電圧より低い降伏電圧のpn接合ダイオード130をこれらのn+ 型層60とp+ 型層120により形成させ、入力側アルミ電極10とGND側アルミ電極20との間に、ショットキーダイオード30とpn接合ダイオード130とを並列接続させたものである。p+ 型層の不純物濃度の制御によりpn接合ダイオード130の降伏電圧を8〜20V程度に設定することが可能であり、一方、ショットキーダイオードの降伏電圧は25〜30V程度であり、入力側アルミ電極10に正のサージ電圧が印加された場合、サージ電流の殆どはpn接合ダイオード130に流れて、ショットキーダイオード30には流れなくなると説明されている。この従来技術によれば、同一能動領域内にクランプダイオードとしてのショットキーダイオードと共に、このショットキーダイオードよりも降伏電圧の低いpn接合ダイオードを並列接続されるように構成したので従来性能をそのまま保持してサージ耐圧を格段に向上させ得るという特徴がある、と述べられている。
【0006】
この例はショットキーダイオードより低い降伏電圧のpn接合ダイオードを並列配置することにより逆電圧印加のサージ耐量を向上させる技術内容を教示するものである。しかし、降伏電圧の低いpn接合ダイオードの形成手段は比較的電圧の低い集積回路の場合にのみに適用できるものであって高耐圧・大電流の素子には適用できない。これを以下に説明する。前記した例は集積回路なので構成素子は横型であり、降伏電圧の低いpn接合ダイオード130は比較的高不純物濃度のp+ 型層120および同じく高不純物濃度のn+ 型層60をエピタキシャル層40の半導体表面からの不純物拡散により降伏電圧8〜20V程度の低電圧のp+ n+ 接合を形成している。一方、耐電圧数100〜数1000V,電流容量数A〜数100Aのパワー素子の場合、電流が半導体基体の上下方向に流れるいわゆる縦型素子となり、かつ、半導体素子の面積も1cm2 程度と大きい。この基本構造の相違によって前記した従来技術をそのまま適用することができない。すなわち、パワー素子の場合、一般には比較的低不純物濃度で高抵抗の半導体基体の上下面よりp+ またはn+ 型の高濃度層を形成して機能領域を構成する。したがって、前記したp+ およびn+ 高濃度層が直接に接するような低降伏電圧の部分を形成することは殆ど不可能である。
【0007】
さらに、パワー素子の場合にはショットキー障壁の周辺端部での電界集中による降伏電圧の低下を防止するため周辺部分の降伏電圧を障壁部分より高くする手段を講じなければならない。また、前記したショットキー障壁部分の高温における漏れ電流の増加を軽減する目的で障壁部分に加わる電界強度を緩和する手段必要である。これらの手段の形成と整合のとれた方法でショットキー障壁部分より低い降伏電圧の領域を構成しなければならないが、従来技術ではこれを実現できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、高耐圧,大電流のパワーショットキーダイオードには、高温,高電圧における漏れ電流の低減というショットキーダイオードの従来からの課題の他に、微小のリカバリー電流の急峻な変化にともなって素子自体に発生する過電圧による素子破壊を防止しなければならないという新たな課題を解決する技術手段が必要である。
本発明の目的は、これらの課題を考慮してなされたショットキーダイオードおよびそれを用いた電力変換器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明ではショットキー障壁領域に並列にショットキー障壁部分より降伏電圧の高い部分を具備するとともに、降伏電圧の低い部分を分散配置し、かつ、該降伏電圧の低い部分の降伏電圧をpn接合のパンチスルーにより制御するものである。
【0010】
以上の手段により、ショットキー障壁に局所的な高い電界が印加される部分を排除するとともにショットキー障壁より降伏電圧の低い部分に過電圧によるサージ逆電流が流れるようにすることにより、逆漏れ電流が急増するショットキー障壁領域への高い逆電圧の印加を防止することができるので、ショットキーダイオードの過電圧に対する耐性を向上できる。
【0011】
さらに、該低い降伏電圧の部分の降伏電圧をpn接合のパンチスルー現象あるいは接合の湾曲によるアバランシ現象により数100V以上の高電圧領域において精度よく制御できる高耐圧のショットキーダイオードが製作できる。
【0012】
さらに、該低降伏電圧の部分をショットキー障壁に並列に多数分散配置することにより、サージ過電流による損失吸収領域を比較的面積の大きな半導体内部においてほぼ均一にすることができるので、サージ吸収能力を向上できる。
【0013】
以上の手段により製作されたリカバリー時の過電圧に対する耐性の強いショットキーダイオードを変換装置の環流ダイオードやフリーホイルダイオードとして使用すれば、スイッチング時の回路損失を吸収する機能を備えた逆電圧クランプダイオードとしての作用によって、簡単化された回路構成の高周波変換装置が実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例を開示しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第一の実施例であり、過電圧に対する耐性の改良された高耐圧のショットキーダイオードの断面図である。上下に主表面を有する平行平板状の半導体基体1は高不純物濃度で低抵抗のn+ 型層2と、n+ 型層2よりも不純物濃度が低く高抵抗のn− 型層3とからなり、n+ 型層2が露出する一方の主表面に低抵抗のオーム性接触されたカソード電極6,n− 型層3が露出する他方の主表面にはアノード電極となるショットキー金属5がそれぞれ設けられ、n− 型層3とショットキー金属5との接する部分にはショットキー障壁51が形成されている。ショットキー金属5が終端する部分すなわち半導体基体の端部には他方の主表面からn− 型層3内に比較的高濃度のp+ 型層4が設けられ、その表面においてショットキー電極5と低抵抗にオーム性接触されている。そして、p+ 型層4が形成されている領域よりも内側の主な機能領域となる部分において、他方の主表面からn− 型層3内に比較的高濃度で、かつp+ 型層4より深いところまで達するp+ 型層7が複数個設けられており、それぞれn− 型層3との間にpn接合71が形成され、他方の主表面においてショットキー金属5と低抵抗にオーム性接触されている。
【0016】
この実施例において各部の作用を以下に説明する。ダイオードとしての電流の整流作用はn− 型層3とショットキー金属5の間に形成されたショットキー障壁51の部分で動作する。すなわち、ショットキー金属5がカソード電極6に対して正電位となる向きの電圧が印加されたとき、ショットキー障壁51の概ね0.1〜0.5V の比較的低い障壁を超えて電子がショットキー金属5からn− 型層3へ流れ、さらにカソード電極6に向かって流れて導通する。また、上記と逆向きの電圧が印加されたとき電子の流れはショットキー障壁51で止められ、電流の流れを阻止する。このとき、ショットキー障壁51からn− 型層3内に拡がる空乏層によって電圧が保持されるので、高耐圧の素子ではn− 型層3は比較的高抵抗で厚い半導体層とされる。ショットキー金属5の終端部に設けられたp+ 型層4は、逆電圧印加状態においてショットキー障壁51にかかる局所集中電界による降伏電圧の低下を防ぐもので、p+ n接合の高い逆電圧阻止特性を利用している。この例では、通常よく使われているいわゆるガードリング構造を示したが、他の構造、例えばフィールドリミッティングリング(FLR),フィールドプレート(FP)、またはジャンクション・ターミネーション・エクステンション (JTE)なども適用できる。
【0017】
複数個の深いp+ 型層7が本実施例の主たる特徴である。p+ n接合71の最も深い位置とn+ 型層2との長さWD1をガードリングとなるp+ 型層4とn+ 型層2との長さWD2およびショットキー障壁51とn+ 型層2との長さWD3より短くする。つまり、WD1<WD2<WD3の関係にする。こうすることにより逆電圧印加時においてp+ 型層7部分の降伏電圧が最も低くなる。例えば、抵抗率40Ωcmのn- 型層3,WD2=20μm,WD1=15μmとすれば、p+ 型層4部の降伏電圧が約500V、p+ 型層7部分の降伏電圧が約400Vとなる。したがって、印加する逆電圧を高くしたときp+ 型層7部分で降伏が起こり、さらに高い電圧は素子にはかからない。サージ逆電流が全てこの部分に流れるので逆電流に弱いショットキー障壁部分の通電を未然に阻止できる。この結果、過電圧が印加される時間が短時間であれば熱破壊に至ることがなく、過電圧に対する耐性の強いダイオードとなる。
【0018】
図3は本発明の第二の実施例であるショットキーダイオードの断面図である。図中の各部に付した構成部分の符号が図1に示した第一の実施例と同じ部分はその構造、伝導型および作用が等しい部分を指している。図3では、主な機能領域となる部分において他方の主表面からn- 型層3内に比較的高濃度で、かつp+ 型層4より深いところまで達するp+ 型層7が複数個設けられているのは前記の第一の実施例と同じである。本実施例においては、さらに、n- 型層3内に比較的高濃度のp+ 型層11が複数個設けられている点が新規な点である。p+ 型層11はp+ 型層4とp+ 型層7の間及びp+ 型層7間に設けられる。p+ 型層11の不純物濃度および深さはp+ 型層4と同じとし、かつ同時に形成することができる。複数個の深いp+ 型層7の最も深い位置とn+ 型層2との長さWD1をガードリングとなるp+ 型層4とn+ 型層2との長さWD2および新規に設けたp+ 型層11とn+ 型層2との長さWD3より短くする。つまり、WD1 <WD2≒WD3の関係にする。
【0019】
この例でもショットキーダイオードの主たる動作および各部の作用は前記と同様である。カソード電極6がショットキー金属に対して正電位となる向きの逆電圧が印加された場合、空乏層はp+ 型層4,p+ 型層7およびp+ 型層11のそれぞれの接合からn− 型層3内に拡がるが、各p+ 型層相互間の間隔を狭く設定すればそこに拡がる空乏層が互いに連結し、いわゆるピンチオフ状態となる。その結果、ショットキー障壁51にかかる電界が低減されることになり、逆電圧印加時の漏れ電流を著しく低減できる。また、逆電圧印加時においてp+ 型層7部分の降伏電圧が最も低くなり、過電圧に対する耐性が向上することは前記した第一の実施例と同様である。したがって、本実施例では逆電圧特性ならびに過電圧耐量を同時に改善したショットキーダイオードとなる。
【0020】
図4は本発明の第三の実施例であるショットキーダイオードの断面図である。図中の各部に付した構成部分の符号が図1に示した第一の実施例と同じ部分はその構造,伝導型および作用が等しい部分を指している。図4では、p+ 型4よりも内側の主な機能領域となる部分において、他方の主表面からn− 型層3内にp+ 型層4よりも低濃度のp− 型層9が複数個設けられている。ショットキーダイオードの主たる動作および各部の作用は前記と同様である。この実施例では比較的低濃度の複数個のp− 型層9が新規な点である。
【0021】
かかる構造にすれば、カソード電極6がショットキー金属に対して正電位となる向きの逆電圧が印加された場合、空乏層は、ショットキー障壁51の部分ではn− 型層3にのみ拡がるが、p− 型層9の部分ではn− 型層3とともにp− 型層9内にも拡がる。p− 型層9の不純物濃度を低く設定すれば、そこに拡がる空乏層の先端がショットキー金属とオーム性接触した他方の主表面に到達するといわゆるパンチスルー現象により電圧降伏が起こる。このパンチスルー開始電圧をショットキー障壁51およびガードリングのp+ 型層4の部分の降伏電圧より低くなるようにp− 型層9の不純物量を設定する。例えば、n− 型層3の抵抗率40Ωcm,厚さを20μmとし、p− 型層9の深さを約3μm,平均不純物濃度を3.0×1015cm−3 とすれば、ショットキー障壁の降伏電圧が約500Vに対してp− 型層9でのパンチスルー電圧が約400Vになる。したがって、印加する逆電圧を高くしたときp− 型層9部分で降伏が起こり、さらに高い電圧は素子にはかからない。サージ逆電流が全てこの部分に流れるので逆電流に弱いショットキー障壁部分の通電を未然に阻止できる。この結果、過電圧が印加される時間が短時間であれば熱破壊に至ることがなく、過電圧に対する耐性の強いダイオードとなる。
【0022】
図5は本発明の第四の実施例であるショットキーダイオードの断面図である。図中の各部に付した構成部分の符号が図4に示した第三の実施例と同じ部分はその構造,伝導型および作用が等しい部分を指している。図5では、主な機能領域となる部分において他方の主表面からn− 型層3内にp+ 型層4よりも低濃度のp− 型層9が複数個設けられているのは前記の第三の実施例と同じであるが、さらに、n− 型層3内に比較的高濃度のp+ 型層11が複数個設けられている点が新規な点である。p+ 型層11は、p+ 型層4とp− 型層9の間及びp− 型層9間に設けられる。p+ 型層11の不純物濃度および深さは前記の図3に示した第二の実施例と同じである。これらのp+ 型層11ならびにp− 型層9の作用効果は前記第二ならびに第三の実施例で述べたと同様であり、本実施例でも逆電圧特性ならびに過電圧耐量を同時に改善することができる。
【0023】
図6は本発明の第五の実施例であるショットキーダイオードの断面図である。図中の各部に付した構成部分の符号が図5に示した第四の実施例と同じ部分はその構造,伝導型および作用が等しい部分を指している。図6では、主な機能領域となる部分において他方の主表面からn− 型層3内に比較的高濃度のp+ 型層11が複数個設けられているのは前記の第四の実施例と同じであるが、さらに、隣り合ったp+ 型層11間にp+ 型層11よりも低不純物濃度のp− 型層91が複数個設けられていることが新規な点である。
【0024】
この場合、p− 型層を挟む二つのp+ 型層11の間隔すなわちp− 型層91の幅は前記した第四の実施例より広く設定される。むしろ、第四の実施例におけるp− 型層9を挟む隣り合った二つのp+ 型層11の間隔を狭くして、それそれが介在するp− 型層9に接した構造としたものである。p+ 型層4,p+ 型層11およびp− 型層91の各部の不純物濃度,深さは前記第四の実施例のそれぞれp+ 型層4,p+ 型層11およびp− 型層9と同じである。p+ 型層11のピンチオフ作用による漏れ電流の低減効果は前記と同様であり、また、p− 型層91のパンチスルーによる低い降伏電圧の効果は前記した第四の実施例と同様である。本実施例では、さらに逆電圧の印加時の漏れ電流の低減をいっそう確実にできる。前記の第四の実施例では、p+ 型層11およびp− 型層9に拡がる空乏層が互いに連結し、いわゆるピンチオフ状態となり、ショットキー障壁51にかかる電界が低減されることによって漏れ電流が低減される。しかし、p− 型層9内にも空乏層が拡がるので、隣なりのp+ 型層11との間に拡がる空乏層の幅が少なくなり、期待したピンチオフ作用が損なわれ易い。本実施例ではp+ 型層11およびp− 型層91を互いに接触させ連結しているので、ピンチオフ作用が損なわれない。
【0025】
図7は、本発明を適用したショットキーダイオードを用いて、電動機駆動用インバータを構成した一例を示したものである。六個のスイッチング素子,SW11,SW12,SW21,SW22,SW31,SW32と本発明を適用した六個のダイオードSD11,SD12,SD21,SD22,SD31,SD33により、三相誘導電動機を制御する例である。適用されるダイオードは整流ダイオードとして作用するとともに、逆方向の過電圧をクランプする作用を有し、回路のLC等による損失を吸収して異常な電圧の発生を防止する作用があるので、これらの機能素子に過電圧抑制の受動回路を併設することなく電磁ノイズの少なく、かつ高速で動作するインバータ装置が簡単な回路構成で実現できる。なお、本実施例では電動機駆動用のインバータ装置への適用例を例示したが、スイッチング素子にダイオードを並列接続して使われる他の変換装置、例えばAC−DCコンバータ,DC−DCコンバータ,チョッパーなどの電力用変換装置などへも適用できるものである。
【0026】
上記実施例では半導体基体1の伝導型をn型の場合を示したが、記述した伝導型を全て反対伝導型にすればp型の場合にも適用される。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、逆方向の過電圧に対する耐性の優れた高耐圧,大電流のショットキーダイオードが得られる。従って、本発明によるショットキーダイオードをインバータ装置などの電力の変換回路に適用すれば、簡単な回路構成で電圧ノイズの発生が抑制された高周波低損失の変換器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したショットキーダイオードの第一の実施例を示す断面図である。
【図2】従来技術を示す断面図である。
【図3】本発明を適用したショットキーダイオードの第二の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明を適用したショットキーダイオードの第三の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明を適用したショットキーダイオードの第四の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明を適用したショットキーダイオードの第五の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明を適用したショットキーダイオードを電動機駆動用インバータに使用した例の回路構成図である。
【符号の説明】
1…半導体基体、2…n+ 型層、3…n- 型層、4…ガードリングとなるp+ 型層、5…アノード電極となるショットキー金属、6…カソード電極、7…比較的深い高濃度p+ 型層、9,91…p- 型層、11…p+ 型層、51…ショットキー障壁。
Claims (7)
- 一対の主表面を有する第一導電型の半導体基体と、
前記半導体基体の一方の主表面に形成され、前記半導体基体との間にショットキー障壁をなすショットキー金属と、
前記ショットキー金属の終端部分において前記ショットキー金属とオーム性接触し、前記半導体基体とpn接合を形成する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基体の他方の主表面において前記半導体基体にオーム性低抵抗接触するカソード電極と、
前記半導体基体の前記一方の主表面において前記ショットキー金属と接触し、前記半導体基体との間にpn接合を形成する第二導電型の複数の第二半導体層と、
を有し、
前記第二半導体層のpn接合の降伏電圧が他の部分より低い、
ことを特徴とするショットキーダイオード。 - 一対の主表面を有する第一導電型の半導体基体と、
前記半導体基体の一方の主表面に形成され、前記半導体基体との間にショットキー障壁をなすショットキー金属と、
前記ショットキー金属の終端部分において前記ショットキー金属とオーム性接触し、前記半導体基体とpn接合を形成する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基体の他方の主表面において前記半導体基体にオーム性低抵抗接触されるカソード電極と、
前記半導体基体の前記一方の主表面において前記ショットキー金属と接触し、前記半導体基体との間に、前記第一半導体層が形成するpn接合よりも深いpn接合を形成する第二導電型の複数の第二半導体層と、
を有することを特徴とするショットキーダイオード。 - 請求項2において、
さらに、前記半導体基体の前記一方の主表面において前記ショットキー金属と接触し、前記半導体基体との間にpn接合を形成する第二導電型の複数の第三半導体層を有することを特徴とするショットキーダイオード。 - 請求項3において、
前記第一、第二及び第三半導体層相互の間隔は、各半導体層より拡がる空乏層が、逆電圧が印加された時に、互いに繋がるよう設定されたことを特徴とするショットキーダイオード。 - 一対の主表面を有する第一導電型の半導体基体と、
前記半導体基体の一方の主表面に形成され、前記半導体基体との間にショットキー障壁をなすショットキー金属と、
前記ショットキー金属の終端部分において前記ショットキー金属とオーム性接触し、前記半導体基体とpn接合を形成する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基体の他方の主表面において前記半導体基体にオーム性低抵抗接触するカソード電極と、
前記半導体基体の前記一方の主表面において前記ショットキー金属とオーム性接触し、前記半導体基体との間にpn接合を形成する、前記第一半導体層よりも低不純物濃度の第二導電型の複数の第二半導体層と、
を有し、
前記第二半導体層の不純物濃度は、素子の逆耐電圧の値が前記第二半導体層内に拡がる空乏層が前記一方の主表面に到達するパンチスルー電圧によって制限されるように設定さ れ、
さらに、前記半導体基体の前記一方の主表面において前記ショットキー金属と接触し、前記半導体基体との間にpn接合を形成する前記第二半導体層よりも高不純物濃度の第二導電型の複数の第三半導体層を有し、
前記第一、第二及び第三半導体層相互の間隔は、各半導体層より拡がる空乏層が、逆電圧が印加された時に、互いに繋がるよう設定されたことを特徴とするショットキーダイオード。 - 請求項5において、
前記第二半導体層と前記第三半導体層とが互いに接する部分を有することを特徴とするショットキーダイオード。 - 並列接続される半導体スイッチング素子と整流ダイオードとを備える電力変換器であって、
前記整流ダイオードが請求項1〜6のいずれか1項に記載のショットキーダイオードであることを特徴とする電力変換器。
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