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JP3613850B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用樹脂組成物 Download PDF

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JP3613850B2
JP3613850B2 JP22899895A JP22899895A JP3613850B2 JP 3613850 B2 JP3613850 B2 JP 3613850B2 JP 22899895 A JP22899895 A JP 22899895A JP 22899895 A JP22899895 A JP 22899895A JP 3613850 B2 JP3613850 B2 JP 3613850B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、エポキシ基を有する重合性単量体を、必須の単量体成分として用い、かつ、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有する化合物を用いることによって得られるエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を必須の成分として含有することから成る、新規にして有用なる、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与えるという、極めて実用性の高い、粉体塗料用樹脂組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】
有機溶剤を含有しない塗料の一形態として、粉体塗料が挙げられるが、近年、大気汚染などの、いわゆる環境問題の観点より、その無公害性が注目され、使用量も年々増加している。
【0005】
粉体塗料に使用されるバインダー樹脂の種類も、その用途に応じて、種々の高分子化合物が使用されている。なかでも、分子中にグリシジル基を有するアクリル共重合体に、脂肪族二塩基酸を配合せしめた形の樹脂組成物は、その他の粉体塗料用樹脂組成物、たとえば、ブロックポリイソシアネート硬化型のポリエステル樹脂を、バインダーとして、用いるという形の粉体塗料用樹脂組成物と比較した場合には、得られる塗膜の透明性、硬度および耐候性などこそは優れるというものの、とりわけ、可撓性や機械的物性などが劣るという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来型の技術に従う限りは、どうしても、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与えるという、極めて実用性の高い、粉体塗料用樹脂ならびに粉体塗料用樹脂組成物を得ることは、頗る、困難であった。
【0008】
しかるに、本発明者らは、上述したような従来技術における、種々の欠点ないしは欠陥を解消し、種々の問題点を解決するべく、併せて、粉体塗料用樹脂ならびに粉体塗料用樹脂組成物にとって、最低、必要となる諸性能、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与えるという、極めて実用性の高い目的樹脂ならびに目的樹脂組成物を提供するべく、鋭意、研究を行った。
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一にかかって、硬化性にも優れるし、加えて、とりわけ、塗膜外観、耐候性ならびに機械的物性などにも優れるという、極めて実用性の高い粉体塗料用樹脂組成物を提供するにある。
【0010】
そこで、本発明者らは、上述したような、発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を行なった結果、それぞれ、必須の単量体成分として、エポキシ基含有重合性単量体を用い、他方、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有するという特定の化合物を用いることから成る、新規にして有用なるエポキシ基含有ビニル系共重合体の製造方法を通して得られるエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂が、
【0011】
他方、上述したような、必須の単量体成分として、エポキシ基含有重合性単量体を用い、他方、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有するという特定の化合物を用いるということによって得られる当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂と、さらに、脂肪族二塩基酸とを、必須の成分として含有することから成る、新規にして有用なる樹脂組成物が、
【0012】
従来型樹脂ならびに樹脂組成物に比して、とりわけ、硬化性にも優れるし、併せて、とりわけ、塗膜外観、耐候性ならびに機械的物性などにも優れた塗膜を与えるということを見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、基本的には、一つには、必須の単量体成分として、エポキシ基含有重合性単量体を用い、かつ、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有するという特定の化合物を用いることから成る、新規にして有用なる、エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を必須成分として含有する粉体塗料用樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0015】
以下に、本発明の、粉体塗料用樹脂組成物の構成を、一層、詳細に説明するものとする。
【0016】
本発明に係る、上記したエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂〔以下、当該ビニル系共重合樹脂とも、共重合体(A)ともいう。〕は、たとえば、 ▲1▼ エポキシ基を有するビニル系単量体(以下、エポキシ基含有重合性単量体ともいう。)を、共重合可能なる其の他のビニル系単量体類と共重合せしめるという方法;
【0017】
あるいは ▲2▼ 上記共重合樹脂(A)以外の、公知慣用の種々のビニル系共重合体を変性せしめるということによって、該共重合体中に、エポキシ基を導入化せしめるという方法、などのような、種々の方法によって調製することが出来る。
【0018】
上述した▲2▼なる方法にあっては、たとえば、まず、分子中にイソシアネート基を有するビニル共重合体を合成し、次いで、さらに、其の共重合体に、グリシドールを反応せしめるという方法や、分子中にグリセリルカーボネート基を有するビニル系単量体を共重合せしめることによって得られるビニル系共重合体を、脱炭酸反応を経るということによって、目的とする、エポキシ基含有共重合樹脂に変換せしめるという方法などがあるが、就中、上記した▲1▼なる方法によるのが、最も簡便であり、特に推奨し得るものである。
【0019】
上記▲1▼なる方法により、本発明に係るエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を得るという場合には、そこに使用されるエポキシ基含有重合性単量体のうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレートもしくはβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレートの如き、各種の(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル類や、
【0020】
アリルグリシジルエーテルもしくはアリルメチルグリシジルエーテルの如き、各種のアリルグリシジルエーテル類や、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレートもしくは3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートなどのような、種々の脂環式エポキシ基含有ビニル系単量体類などである。
【0021】
さらに、上掲した、これらのエポキシ基含有単量体類と共重合可能なる其の他のビニル系単量体類をも使用することが出来るというのは、勿論である。
【0022】
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートもしくはシクロヘキシルアクリレートの如き、各種のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートもしくはベンジルメタクリレートの如き、各種のメタクリル酸エステル類;
【0023】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートもしくはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有(メタ)アクリレート類;または上掲した、これらの各種(メタ)アクリレートと、ε−カプロラクトンとの付加反応主成分など;
【0024】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のカルボキシル基含有単量体;またはイタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種の多価カルボキシル基含有単量体と、炭素数が1〜18なるモノアルキルアルコールとのモノ−ないしはジエステル類;
【0025】
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和単量体;
【0026】
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;またはtert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレートもしくはピペリジニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアミノ基含有単量体;
【0027】
エチレン、プロピレンもしくはブテン−1の如き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、フルオロオレフィンを除く、各種のハロゲン化オレフィン類;またはスチレン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル化合物;
【0028】
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランの如き、各種の加水分解性シリル基含有単量体;
【0029】
ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレンもしくは、ヘキサフルオロプロピレンの如き、ふっ素含有α−オレフィン類;トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルの如き、各種のパーフルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテルないしは(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(ただし、アルキル基の炭素数は1〜18なる範囲内であるものとする。)などのような、種々の含フッ素ビニル単量体類;
【0030】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、C なる分岐脂肪族カルボン酸ビニル、C10なる分岐脂肪族カルボン酸ビニル、C11なる分岐脂肪族カルボン酸ビニルもしくはステアリン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル;
【0031】
シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルもしくはp−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を有する各種のカルボン酸のビニルエステル類などである。
【0032】
以上に例示したような、本発明に係るエポキシ基含有ビニル系共重合体樹脂を調製するに際して、必須単量体成分として用いるべき、当該エポキシ基含有ビニル系単量体の使用量としては、使用するビニル系単量体類の総量の、5〜100重量%なる範囲内が適切であり、好ましくは、10〜60重量%なる範囲内が適切である。
【0033】
当該エポキシ基含有ビニル系単量体の使用量が、約5%よりも少ないというような場合には、どうしても、得られる塗膜の、とりわけ、機械的諸物性などが低下し易くなるので、本発明の効果を発揮することが出来ない。
【0034】
また、本発明に係る当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂、つまり、当該共重合体(A)の数平均分子量としては、1,000〜20,000なる範囲内が適切であるし、好ましくは、1,500〜10,000なる範囲内が適切である。
【0035】
数平均分子量が1,000よりも小さいという場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の機械的諸物性が劣るようになり易いし、一方、20,000よりも大きくなるという場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の平滑性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0036】
さらに、当該共重合体(A)の、環球法による軟化点としては、80〜150℃なる範囲内が適切であり、80℃よりも低いという場合には、どうしても、得られる粉体塗料の、とりわけ、耐ブロッキング性などが劣るようになり易いし、一方、150℃よりも高いという場合には、どうしても、とりわけ、塗膜の平滑性などが劣るようになり易いので、いずれの場合にも好ましくない。
【0037】
本発明に係るエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を調製するに際して、必須の原料成分として、つまり、必須の重合開始剤成分として用いられる、前記した、分子中にエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ基含有化合物ともいう。)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、次の一般式で以て示されるような、たとえば、tert−ブチルグリシジルパーオキシドまたはtert−ブチルメチルグリシジルパーオキシドなどである。
【0038】
【化3】
Figure 0003613850
【0039】
(ただし、式中のR は、水素原子またはメチル基を表わすものとする。)
【0040】
そして、当該重合開始剤の使用量として、使用するビニル系単量体類の総量の0.01〜30重量%なる範囲内が適切であり、好ましくは、0.1〜15重量%なる範囲内が適切である。
【0041】
当該重合開始剤の使用量が、0.01重量%よりも少ないという場合には、どうしても、たとえば、分子末端位にエポキシ基を有するという、本発明本来の特異なる構造を持ったエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂そのものが得られ難くなるし、ひいては、前述したような、本発明に特有の効果をも発揮し得なくなるようになるので、好ましくない。
【0042】
一方、当該重合開始剤の使用量が、30重量%を超えて余りに多くなるという場合には、どうしても、分子量が低くなり易く、したがって、とりわけ、塗膜の諸性能ないしは諸物性が劣るようになり易くなるので、これまた、好ましくない。
【0043】
ところで、当該重合開始剤を使用して得られるビニル共重合樹脂中には、その分子末端位に、官能基の一つであるグリシジル基が導入化されるということになり、脂肪族二塩基酸と配合せしめることによって得られる本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与えるということが見出された。
【0044】
以上に例示したような、種々のビニル系単量体類から、本発明の共重合体(A)を得るには、周知慣用の種々の方法が利用し適用し得るが、なかでも、溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡便であり、特に推奨できる。
【0045】
本発明の樹脂組成物の一必須構成成分である、前記した脂肪族二塩基酸とは、たとえば、次の一般式で以て示されるような化合物を指称するものである。
【0046】
【化4】
HOOC−R−COOH ………〔III〕
【0047】
(ただし、式中のR は、炭素数が1〜20なる、直鎖状ないしは分岐状のアルキレン基を表わすものとする。)
【0048】
これらの化合物のうちでも特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、琥珀酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸またはブラシリン酸などである。
【0049】
これらのうちでも、とりわけ、塗膜外観の上からは、上掲の一般式中のR としては、炭素数が8以上のものを使用することが望ましく、したがって、本発明において特に望ましい当該脂肪族二塩基酸としては、炭素数が4〜20なる範囲内の、それぞれ、直鎖状ないしは分岐状(分枝状)のアルキレン基を有する化合物である。
【0050】
勿論、こうした化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸またはブラシリン酸などである。
【0051】
以上において述べて来たような、本発明の樹脂組成物の必須構成成分たる、それぞれ、共重合体(A)と、当該脂肪族二塩基酸との使用比率としては、共重合体(A)中のエポキシ当量数をaとし、当該二塩基酸の当量数をbとするとき、a/bなる当量比が0.5〜2なる範囲内が適切である。
【0052】
これらの両必須構成成分を用いて、粉体塗料を製造するという方法としては、公知慣用の種々の方法が利用し適用し得る。そうした方法のうちでも特に代表的なものとしては、まず、これらの両必須構成成分を混合せしめ、必要に応じて、さらに、顔料や流展剤などのような、種々の添加剤類をも混合せしめ、次いで、かくして得られる混合物を溶融混練せしめ、しかるのち、順次、微粉砕(化)工程、そして、分級(化)工程を経て、目的とする粉体塗料と為すという、いわゆる機械的粉砕(化)方式がある。
【0053】
本発明の樹脂組成物には、さらに、有機系ないしは無機系の顔料類をはじめ、流動調整剤、紫外線吸収剤または酸化防止剤などのような、公知慣用の各種の添加剤類;ニトロセルロースもしくはセルロースアセテートブチレートの如き、各種の繊維素誘導体類;あるいは塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、石油樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂または塩化ゴムの如き、各種の樹脂類を、必要に応じて、添加せしめるということも出来る。
【0054】
かくして得られる、本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、常法により、各種の基材類に塗布され、次いで、常法に従って、焼き付けることによって、とりわけ、塗膜外観、硬化性、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与えることが出来るというものである。
【0055】
上記した基材類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アルミニウム、ステンレス・スチール、クロム・メッキ、トタン板またはブリキ板の如き、各種の金属素材ないしは金属製品、瓦、ガラスあるいは各種の無機質建材などである。
【0056】
そして、かくして得られる、本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、自動車上塗り用として、ソリッドカラー用、メタリックコートのクリアー用、水性メタリックベースと組み合わせた形のクリアー用や、自動車中塗り用、自動車部品用、建材用あるいは各種金属製品用の塗料などとして、広範に、利用し適用することが出来るものである。
【0057】
【発明の実施態様】
本発明の実施形態としては、それぞれ、一つには、必須の単量体成分としては、エポキシ基を有する重合性単量体を使用し、一方、必須の重合開始剤としては、分子中にエポキシ基を有するような化合物を使用することによって得られるという特定の当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物があるし、
【0064】
二つには、此のエポキシ基を有する重合性単量体として、特に、下記の一般式
【0065】
【化6】
Figure 0003613850
【0066】
(ただし、式中のR およびR は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子またはメチル基を表わすものとする。)
【0067】
で示されるような特定の化合物を用いることから成る、当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物があるし、
【0068】
つには、1,000〜10,000なる範囲内の数平均分子量を有し、しかも、80〜150℃なる範囲内の、環球法による軟化点を有するという特定の当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物があるし、
【0069】
つには、必須の単量体成分としては、エポキシ基を有する重合性単量体を使用し、一方、必須の重合開始剤としては、分子中にエポキシ基を有するような化合物を使用することによって得られるという特定の当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂と、さらに、脂肪族二塩基酸とを、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物があるし、
【0070】
つには、此のエポキシ基を有する重合性単量体として、特に、下記の一般式
【0071】
【化7】
Figure 0003613850
【0072】
(ただし、式中のR およびR は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子またはメチル基を表わすものとする。)
【0073】
で示されるような特定の化合物を用いることから成る、当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂と、さらに、脂肪族二塩基酸とを、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物があるし、
【0074】
つには、1,000〜10,000なる範囲内の数平均分子量を有し、しかも、80〜150℃なる範囲内の、環球法による軟化点を有するという特定の当該エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂と、さらに、脂肪族二塩基酸とを、必須の構成成分として含有することから成る、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物がある。
【0075】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明するが、以下において、部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0076】
実施例1(エポキシ基含有ビニル系共重合樹脂の調製例)
攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入口を備えた反応容器に、キシレンの500部を仕込んで、窒素雰囲気下に、130℃にまで昇温した。
【0077】
ここへ、メチルメタクリレートの250部、n−ブチルメタクリレ−トの100部およびグリシジルメタクリレ−トの150部と、アゾビスイソブチロニトリルの3部およびtert−ブチルグリシジルパーオキシド(以下、TBGPと略す。)の30部とからなる混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0078】
滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持した。重合反応終了後、この樹脂溶液を約30Torrの減圧下に保持し、キシレンを留去させて、不揮発分が99.7%で、環球法による軟化点が109℃で、エポキシ当量が480で、かつ、数平均分子量が2,800なる、目的共重合樹脂の固形物が得られた。以下、これを重合体(A−1)と略記する。
【0079】
実施例2(同上)
実施例1と同様の装置を用い、使用した滴下混合物を、メチルメタクリレートの250部、n−ブチルメタクリレ−トの100部、β−メチルグリシジルメタクリレ−トの50部、およびグリシジルメタクリレ−トの100部とアゾビスイソブチロニトリルの3部およびTBGPの30部かからなる混合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分が99.6%であり、環球法による軟化点が106℃であり、エポキシ当量が505であって、しかも、数平均分子量が3,000なる、目的共重合樹脂の固形物が得られた。以下、これを重合体(A−2)と略記する。
【0080】
比較例1(対照用樹脂の調製例)
滴下混合物の内のTBGP30部を、tert−ブチルパーオキシオクトエート30部に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分が99.5%で、環球法による軟化点が107℃で、エポキシ当量が490で、かつ、数平均分子量が2,900なる、対照用の共重合樹脂の固形物が得られた。以下、これを重合体(A’−1)とする。
【0081】
実施例3〜6ならびに比較例2(粉体塗料用樹脂組成物ならびに対照用粉体塗料用樹脂組成物の調製例)
【0082】
第1表に示すような配合割合で以て、各成分を混合し、さらに、その混合物をコニーダー(スイス国ブス社製の一軸混練機PR−46型)によって加熱混練した。混練物を粗粉砕化した後、さらに、微粉砕化することにより平均粒径が30〜40ミクロン(μm)なる、各種の粉体塗料用樹脂組成物ならびに対照用粉体塗料用樹脂組成物、つまり、各種の粉体塗料を調製した。
【0083】
【表1】
Figure 0003613850
【0084】
《第1表の脚注》
1) デカンジカルボン酸
【0085】
2) 石原産業(株)製の、酸化チタンの商品名
【0086】
3) アメリカ国モンサント社製の、流展剤の商品名
【0087】
かくして得られた、それぞれの粉体塗料を用いて、「ボンデライト #3030」(日本パーカライジング社製の燐酸亜鉛系処理剤で処理された軟鋼板)上に、静電粉体塗装を行い、150℃で20分間のあいだ焼き付けを行ってから、それぞれの硬化塗膜についての諸性能の評価を行った。それらの結果は、まとめて、第2表に示す。
【0088】
【表2】
Figure 0003613850
【0089】
以上に詳述した処からも明かなように、本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、とりわけ、塗膜の外観、硬化性、耐候性ならびに機械的諸物性などに優れた硬化塗膜を与えるというものであり、極めて実用性の高いものであることが、無理なく、知り得よう。
【0091】
【発明の効果】
まず第一に、本発明は、エポキシ基含有重合開始剤という特定の化合物を使用するにより、分子末端位にエポキシ基が存在するという処となり、したがって、硬化剤成分たる脂肪族二塩基酸との反応、すなわち、硬化反応がスムーズに、しかも、此の硬化反応による架橋密度が高まるようになり、所望の諸性能ないしは諸物性が、大幅に、向上化する処となった。
【0092】
第二に、本発明のエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂も、さらには、当該共重合樹脂を必須の構成成分として含有する形の樹脂組成物も、とりわけ、塗膜の外観、硬化性、耐候性、耐擦り傷性ならびに可撓性などに優れた硬化塗膜を与えるというものである。

Claims (4)

  1. エポキシ基を有する重合性単量体を、必須の単量体成分として用い、かつ、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有する化合物を用いることによって得られるエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂を必須の成分として含有することを特徴とする、粉体塗料用樹脂組成物。
  2. 必須の単量体成分として、エポキシ基を有する重合性単量体を用い、かつ、必須の重合開始剤成分として、分子中にエポキシ基を有する化合物を用いることによって得られるエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂と、さらに、脂肪族二塩基酸とを必須の成分として含有することを特徴とする、粉体塗料用樹脂組成物。
  3. 前記したエポキシ基を有する重合性単量体が、下記の一般式で示される化合物である、請求項1または2に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
    Figure 0003613850
    (ただし、式中のR1 およびR2 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子またはメチル基を表わすものとする。)
  4. 前記したエポキシ基含有ビニル系共重合樹脂が、1,000〜10,000なる範囲内の数平均分子量を有し、しかも、80〜150℃なる範囲内の、環球法による軟化点を有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体塗料用樹脂組成物。
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