JP3613660B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を備えた排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
希薄燃焼可能な車両用の内燃機関より排出される排気ガスからNOxを浄化する排気浄化装置として、吸蔵還元型NOx触媒がある。この吸蔵還元型NOx触媒は、流入排気ガスの空燃比がリーン(即ち、酸素過剰雰囲気下)のときにNOxを吸収し、流入排気ガスの酸素濃度が低下したときに吸収したNOxを放出しN2に還元する触媒である。
【0003】
この吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に触媒あるいはNOx触媒ということもある)を希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配置すると、リーン空燃比の排気ガスが流れたときには排気ガス中のNOxが触媒に吸収され、ストイキ(理論空燃比)あるいはリッチ空燃比の排気ガスが流れたときに触媒に吸収されていたNOxがNO2として放出され、さらに排気ガス中のHCやCOなどの還元成分によってN2に還元され、即ちNOxが浄化される。
【0004】
ところで、一般に、内燃機関の燃料には硫黄分が含まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃料中の硫黄分が燃焼してSO2やSO3などの硫黄酸化物(SOx)が発生する。前記NOx触媒は、NOxの吸収作用を行うのと同じメカニズムで排気ガス中のSOxの吸収を行うので、内燃機関の排気通路にNOx触媒を配置すると、この触媒にはNOxのみならずSOxも吸収される。
【0005】
ところが、前記NOx触媒に吸収されたSOxは時間経過とともに安定な硫酸塩を形成するため、NOx触媒からNOxの放出・還元を行うのと同じ条件下では、分解、放出されにくくNOx触媒内に蓄積され易い傾向がある。吸蔵還元型NOx触媒内のSOx蓄積量が増大すると、触媒のNOx吸収容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなりNOx浄化効率が低下する。これが所謂SOx被毒である。そこで、吸蔵還元型NOx触媒のNOx浄化能を長期に亘って高く維持するためには、触媒に吸収されているSOxを適宜のタイミングで放出させる必要がある。
【0006】
吸蔵還元型NOx触媒からのSOx放出処理技術に関しては、特許番号第2745985号の特許公報等に開示されている。吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを放出させるには、流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにし、且つ、触媒温度をNOxの放出・還元時よりも高い所定の高温にするのが効果的であると考えられている。
【0007】
そこで、NOx触媒に所定量のSOxが吸収された時をSOx放出時期と判断して、その時に、触媒温度をSOx放出可能な温度に温度制御するとともに、流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチに保持されるように流入排気ガスの空燃比制御を行って、SOxの放出処理を実行している。このSOx放出処理により、NOx触媒に吸収されていた硫酸塩は分解してSO3になり、さらにこのSO3が排気ガス中の未燃HC,COによって還元せしめられ、SO2となって放出される。
【0008】
尚、前記特許公報に開示された技術では、触媒を温度制御するために、触媒よりも上流の排気管の周りに電気ヒータを設け、SOx放出処理時にこの電気ヒータに通電して排気管を加熱し、これにより排気ガスを加熱して触媒を加熱している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排気浄化装置では、流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにしてSOx放出処理を実行中に、排気ガス中のHCやCOが触媒を素通りした場合にはそのまま大気に放出される虞れがあり、フェールセーフという点で不十分であった。
【0010】
このように、排気管→排気ガス→触媒という熱伝達ルートで触媒を加熱したのでは、触媒を迅速に昇温することが困難であり、SOx放出処理初期におけるSOx放出の効率が悪かった。
【0011】
また、従来の排気浄化装置は触媒の容量が大きく、そのため触媒の熱容量が大きくなって、短時間で触媒全体を加熱するのが困難であり、これもSOx放出処理初期のSOx放出効率を低くする一因になっていた。
【0012】
かといって、触媒の熱容量を小さくするために触媒の容量を小さくすると、流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにしてSOx放出処理を実行した際に、排気ガス中のHCやCOが触媒を素通りして大気を汚染する虞れがあるので、ただ単に触媒の容量を少量化することはできない。
【0013】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、吸蔵還元型NOx触媒からのSOx放出を効率的に実施でき、また、フェールセーフにも優れた内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、(イ)希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低いときに吸収したNOxを放出・還元し、一体化された加熱手段を有する吸蔵還元型NOx触媒と、(ロ)前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の前記排気通路に配置された三元触媒と、を備え、前記吸蔵還元型NO x 触媒の容量は、前記内燃機関の排気量の20%以下であるとともに、前記吸蔵還元型NO x 触媒の触媒担持率は、通常の触媒担持率の2倍から8倍の担持率であることを特徴とする。
【0015】
吸蔵還元型NOx触媒は、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出し、N2に還元する触媒であるが、この吸蔵還元型NOx触媒はNOxを吸放出するのと同じようにSOxの吸放出作用がある。吸蔵還元型NOx触媒にSOxが吸収され蓄積されると、NOx吸収容量が減少し、NOx浄化効率が低下するので、所定の時期にSOx放出処理を実行する必要がある。本発明の排気浄化装置では、SOx放出処理を実行する際に、吸蔵還元型NOx触媒に設けられた加熱手段を作動させることによって吸蔵還元型NOx触媒をSOx放出に必要な温度まで加熱することができる。
【0016】
加熱手段は吸蔵還元型NOx触媒に一体化されているので、吸蔵還元型NOx触媒を直接的に加熱することができる。したがって、吸蔵還元型NOx触媒をSOx放出温度に迅速に昇温することができ、SOxの放出が極めて効率的に行われる。
【0017】
また、SOx放出処理は排気ガスの空燃比をストイキまたは僅かにリッチ(スライトリッチ)にして実行するが、SOx放出処理実行中に排気ガス中のHC,COが吸蔵還元型NOx触媒を素通りしてしまった場合にも、このHC,COは吸蔵還元型NOx触媒の下流に配置された三元触媒によって浄化される。
【0018】
排気ガスの空燃比とは、機関吸気通路及び吸蔵還元型NOx触媒よりも上流での排気通路内に供給された空気及び燃料(炭化水素)の比をいう。
本発明における希薄燃焼可能な内燃機関としては、筒内直接噴射式のリーンバーンガソリンエンジンやディーゼルエンジンを例示することができる。
【0019】
吸蔵還元型NOx触媒は、例えば、アルミナ(Al2O3)がコーティングされたメタル担体を備え、このメタル担体のアルミナに例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。
【0020】
吸蔵還元型NOx触媒に一体化された加熱手段とは、前記メタル担体の一部あるいは全体を、通電すると発熱する電気発熱体で構成してもよいし、触媒の坦持されていないメタル部に電気発熱体を埋め込んで一体化した構成にしてもよい。
【0021】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、前記吸蔵還元型NOx触媒は小容量で且つ触媒が高坦持されている。これは、吸蔵還元型NOx触媒を小容量とすることにより熱容量を小さくすることができ、吸蔵還元型NOx触媒をより迅速に昇温することができるからである。また、触媒を高坦持にするのは、小容量化してもNOx浄化効率を低下させないようにするためである。前記吸蔵還元型NOx触媒の容量は内燃機関の排気量の20%以下とすることができ、排気量の5%程度まで小容量化は実現可能と思われる。前記「高坦持」とは、通常の触媒坦持率の2〜8倍程度をいう。
【0022】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、(ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流の排気通路と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の間の排気通路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx触媒を迂回して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパス通路を流れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量制御手段と、を備えることができる。
【0023】
このように構成した場合には、SOx放出処理を実行するときに、バイパス流量制御手段を作動させることによりバイパス通路に所定流量の排気ガスが流れるようにし、これにより吸蔵還元型NOx触媒に流れる排気ガス流量を減少させる。これによって、内燃機関から排出される排気ガスの流量を減少させずに吸蔵還元型NOx触媒に流れる排気ガス流量を減少させることができ、吸蔵還元型NOx触媒の昇温を促進することができる。前記バイパス流量制御手段は流量制御弁で構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の実施の形態を図1から図4の図面に基いて説明する。
【0025】
〔第1の実施の形態〕
図1は、内燃機関としての車両駆動用の筒内直接噴射式ディーゼルエンジンの排気浄化装置の概略構成を示す図である。この図において、エンジン1は直列4気筒であり、吸気管2及び吸気マニホルド3を介して各気筒に吸気が供給される。
【0026】
燃料タンク4の燃料(軽油)は吐出圧制御可能な燃料供給ポンプ5によって吸い上げられてコモンレール6に供給される。エンジンコントロール用電子制御ユニット(ECU)50は、コモンレール6内の燃料圧力がエンジン1の運転状態に応じて所定圧力値となるように、燃料供給ポンプ5の運転を制御する。
【0027】
また、エンジン1には、コモンレール6から供給される燃料を各気筒内に噴射する燃料噴射弁7が設けられており、燃料噴射弁7の開弁時期及び開弁期間は、エンジン1の運転状態に応じてECU50によって制御される。
【0028】
各気筒の燃焼室には、各気筒における圧縮上死点近傍において対応する燃料噴射弁7から燃料が主噴射され、この燃料の爆発によって生じた排気が排気マニホールド8を介して排気管9に排出される。
【0029】
また、このエンジン1においては、所定の時期に、所定の気筒の膨張行程あるいは排気行程において対応する気筒の燃料噴射弁7から気筒内に燃料が副噴射されるようになっている。副噴射された燃料のHC成分は、爆発行程の熱により軽質なHCに改質されて、排気と共に排気マニホールド8を介して排気管9に排出され、後述する吸蔵還元型NOx触媒21に供給される。
【0030】
排気管9の途中には、内部に吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒と略す)21を収容した第1触媒コンバータ20と、内部に三元触媒31を収容した第2触媒コンバータ30が設置されている。
【0031】
第1触媒コンバータ20のNOx触媒21は、アルミナ(Al2O3)がコーティングされたメタル担体を備え、このメタル担体のアルミナに例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。
【0032】
この第1触媒コンバータ20は通常のものよりも小型で、通常よりも触媒が高坦持されている。この小型、高坦持について数値を挙げて説明すると以下の通りである。従来は、例えば総排気量2000ccのエンジンの場合、NOx触媒(吸蔵還元型NOx触媒)の容量はエンジンの総排気量とほぼ同じ約2000ccを必要とし、触媒の坦持率は、例えばPt/Ba触媒の場合であれば、Ptは1〜2g/l、Baは0.1〜0.2モル/l程度である。これに対して、本実施の形態の第1触媒コンバータ20では、NOx触媒21の容量は前記通常容量の約20%、即ち400ccであり、触媒坦持率は前記通常の坦持率の約5倍、即ちPtは5〜10g/lであり、Baは0.5〜1.0モル/lである。第1触媒コンバータ20はNOx触媒21の容量を小型にしたことによって、その熱容量も小さくなる。
【0033】
NOx触媒21のメタル担体はヒータ機能を備えており、電流を流すと発熱し、NOx触媒21を加熱する。つまり、このNOx触媒21は加熱手段が一体化されている触媒である。NOx触媒21のメタル担体はヒータ駆動回路10に電気的に接続されており、このヒータ駆動回路10はECU50からの指令信号によってON/OFF制御され、これによりメタル担体からなるヒータがON/OFF制御されるようになっている。
【0034】
また、第1触媒コンバータ20にはNOx触媒21の温度に対応した出力信号をECU50に出力する触媒温度センサ11が取り付けられている。
尚、NOx触媒21の作用(NOxの吸放出作用およびSOxの吸放出作用)については後で詳述する。
【0035】
ECU50はデジタルコンピュータからなり、双方向バスによって相互に接続されたROM(リードオンメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力ポート、出力ポートを具備し、エンジン1の燃料噴射量制御等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、第1触媒コンバータ20のSOx放出処理制御等を行っている。
【0036】
これら制御のために、ECU50の入力ポートには、アクセル開度センサ14からの入力信号と、クランク角センサ15からの入力信号が入力される。アクセル開度センサ14はアクセル開度に比例した出力電圧をECU50に出力し、ECU50はアクセル開度センサ14の出力信号に基づいてエンジン負荷を演算する。クランク角センサ15はクランクシャフトが一定角度回転する毎に出力パルスをECU50に出力し、ECU50はこの出力パルスに基づいてエンジン回転速度を演算する。これらエンジン負荷とエンジン回転速度によってエンジン運転状態が判別される。
【0037】
第1触媒コンバータ20に収容されているNOx触媒21、即ち吸蔵還元型NOx触媒は、流入排気の空燃比(以下、排気空燃比と称す)がリーンのときはNOxを吸収し、流入排気の空燃比がストイキまたはリッチで排気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出するNOxの吸放出作用を行う。尚、排気空燃比とは、ここではNOx触媒21の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と燃料(炭化水素)の合計の比を意味するものとする。したがって、NOx触媒21よりも上流の排気通路内に燃料、還元剤あるいは空気が供給されない場合には、排気空燃比はエンジン燃焼室内に供給される混合気の空燃比に一致する。
【0038】
NOx触媒21の吸放出作用の詳細なメカニズムについては明かでない部分もあるが、図2に示すようなメカニズムで行われているものと考えられている。次に、このメカニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属,アルカリ金属,アルカリ土類,希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0039】
即ち、流入排気ガスの空燃比がかなりリーンになると流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図2(A)に示されるように酸素O2 がO2 −又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガスに含まれるNOは、白金Ptの表面上でO2 −又はO2−と反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
【0040】
次いで、生成されたNO2は、白金Pt上で酸化されつつNOx触媒21内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図2(A)に示されるように硝酸イオンNO3 −の形でNOx触媒21内に拡散する。このようにしてNOxがNOx触媒21内に吸収される。
【0041】
流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNO2が生成され、NOx触媒21のNOx 吸収能力が飽和しない限り、NO2がNOx触媒21内に吸収されて硝酸イオンNO3 −が生成される。
【0042】
これに対して、排気空燃比がリッチまたはストイキになると流入排気ガス中の酸素濃度が低下するため、NO2の生成量が低下し、反応が逆方向(NO3 −→NO2)に進み、NOx触媒21内の硝酸イオンNO3 −がNO2またはNOの形でNOx触媒21から放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると、NOx触媒21からNOxが放出されることになる。
【0043】
一方、このとき、排気ガス中のHC,COは、白金Pt上の酸素O2 −又はO2−と反応して酸化せしめられる。また、流入排気ガス中の酸素濃度の低下によりNOx触媒21から放出されたNO2またはNOは、図2(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還元せしめられてN2となる。
【0044】
即ち、流入排気ガス中のHC,COは、まず白金Pt上の酸素O2 −又はO2−とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白金Pt上の酸素O2 −又はO2−が消費されてもまだHC,COが残っていれば、このHC,COによってNOx触媒から放出されたNOxおよびエンジンから排出されたNOxがN2に還元される。
【0045】
このようにして白金Ptの表面上にNO2またはNOが存在しなくなると、NOx触媒21から次から次へとNO2またはNOが放出され、さらにN2に還元せしめられる。したがって、排気空燃比をストイキまたはリッチにすると短時間のうちにNOx触媒21からNOxが放出され、N2に還元される。
【0046】
このように、排気空燃比がリーンになるとNOxがNOx触媒21に吸収され、排気空燃比をストイキあるいはリッチにするとNOxがNOx触媒21から短時間のうちに放出され、N2に還元される。したがって、大気中へのNOxの排出を阻止することができる。
【0047】
ところで、ディーゼルエンジンの場合は、ストイキ(理論空燃比、A/F=13〜14)よりもはるかにリーン域で燃焼が行われるので、通常の機関運転状態ではNOx触媒21に流入する排気の空燃比は非常にリーンであり、排気中のNOxはNOx触媒21に吸収され、NOx触媒21から放出されるNOx量は極めて少ない。
【0048】
また、ガソリンエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気をストイキまたはリッチにすることにより排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、NOx触媒21に吸収されているNOxを放出させることができるが、ディーゼルエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気をストイキまたはリッチにすると燃焼の際に煤が発生するなどの問題があり採用することはできない。
【0049】
したがって、ディーゼルエンジンでは、NOx触媒21のNOx吸収能力が飽和する前に所定のタイミングで、燃焼用の混合気とは別に還元剤としての燃料を直接、NOx触媒21に供給してNOxの放出を行う必要がある。そのため、この実施の形態では、NOx触媒21からNOxの放出を行うときには、エンジン1の膨張行程あるいは排気行程において気筒内に燃料を副噴射することにより、NOx触媒21に流入する排気の空燃比をストイキまたはリッチにする。
【0050】
一方、燃料には硫黄(S)が含まれており、燃料中の硫黄が燃焼するとSO2やSO3などの硫黄酸化物(SOx)が発生し、NOx触媒21は排気ガス中のこれらSOxも吸収する。NOx触媒21のSOx吸収メカニズムはNOx吸収メカニズムと同じであると考えられる。即ち、NOxの吸収メカニズムを説明したときと同様に担体上に白金PtおよびバリウムBaを坦持させた場合を例にとって説明すると、前述したように、排気空燃比がリーンのときには、酸素O2がO2 −又はO2−の形でNOx触媒21の白金Ptの表面に付着しており、流入排気ガス中のSOx(例えばSO2)は白金Ptの表面上で酸化されてSO3となる。
【0051】
その後、生成されたSO3は、白金Ptの表面で更に酸化されながらNOx触媒21内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合し、硫酸イオンSO4 2−の形でNOx触媒21内に拡散し硫酸塩BaSO4を形成する。BaSO4は結晶が粗大化し易く、比較的安定し易いため、一旦生成されると分解放出されにくい。このため、時間の経過とともにNOx触媒21中のBaSO4の生成量が増大するとNOxの吸収に関与できるBaOの量が減少してNOx吸収能力が低下してしまう。これが即ちSOx被毒である。したがって、NOx触媒21のNOx吸収能力を高く維持するためには、適宜のタイミングでNOx触媒21に吸収されたSOxを放出させる必要がある。
【0052】
このNOx触媒21からSOxを放出させるには、NOxを放出させる場合と同様に排気ガスの酸素濃度を低下させればよいことが分かっており、また、NOx触媒21の温度が高いほど放出し易いことが分かっている。
【0053】
そこで、この実施の形態では、NOx触媒21に所定量のSOxが吸収された時にSOx放出処理を実行することとし、そのSOx放出処理は、NOx放出処理のときと同様に、エンジン1の膨張行程あるいは排気行程において気筒内に燃料を副噴射することにより、NOx触媒21に流入する排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチに制御し、これと同時に、NOx触媒21のメタル担体に電流を流して発熱させることによりNOx触媒21をSOx放出可能な所定温度まで昇温することとした。
【0054】
次に、本実施の形態における排気浄化装置の作用について説明する。
<NOx吸放出処理>
初めに、第1触媒コンバータ20のNOx触媒21によるNOxの吸放出処理について説明する。
前述したように、エンジン1はディーゼルエンジンのため通常の運転状態では排気ガスの空燃比はリーンであり酸素濃度が非常に高い。したがって、この排気ガスを第1触媒コンバータ20のNOx触媒21に流すと、排気ガス中のNOxはNOx触媒21に吸収される。
【0055】
尚、排気ガスの空燃比がリーンのときには第2触媒コンバータ30の三元触媒31は殆ど触媒として機能せず、第1触媒コンバータ20でNOxを除去された排気ガスは第2触媒コンバータ30をほぼ素通りするだけである。
【0056】
ここで、この実施の形態では、排気ガス中のNOxをNOx触媒21で吸収するときには、ECU50は、燃料噴射弁7を、主噴射のみ実行し副噴射を実行しないように制御する。
【0057】
空燃比リーンの排気ガスを第1触媒コンバータ20に流していると、NOx触媒21に吸収されたNOx量が増大し、そのまま続行しているとNOx吸収能力が飽和してしまう。そこで、NOx触媒21のNOx吸収能力が飽和する前の所定の時期に、第1触媒コンバータ20に対してNOxの放出処理を実行する。ここで、NOx放出処理を実行する所定の時期としては、例えば、ECU50によりエンジン1の運転時間を積算し、この積算時間が所定時間に達した時としてもよいし、ECU50によりエンジン1の運転状態の履歴からNOx吸収量を推定し、この推定吸収量が所定量に達した時としてもよい。
【0058】
NOx放出処理を実行するときには、ECU50は、燃料噴射弁7を、主噴射と副噴射の両方を実行するように制御し、副噴射における燃料噴射弁7の開弁時期及び開弁期間、副噴射の回数等を制御する。
膨張行程あるいは排気行程で燃料を副噴射することによって排気ガスの空燃比をストイキまたは僅かにリッチ(スライトリッチ)に制御し、このストイキまたはスライトリッチの空燃比の排気ガスを第1触媒コンバータ20に流すことによって、NOx触媒21に吸収されていたNOxを放出し、還元して、N2として大気に排出する。
【0059】
第1触媒コンバータ20のNOx触媒21の容量が小さいため、NOx放出処理の実行中、HCやCOなどの還元剤が第1触媒コンバータ20を通過した排気ガス中に残存する虞れがあるが、この排気ガス中の還元剤は第2触媒コンバータ30を通過する際に三元触媒31に吸着されている酸素により酸化せしめられ、H20やCO2に浄化される。
【0060】
<SOx放出処理>
次に、第1触媒コンバータ20のNOx触媒21に対するSOx放出処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートはECU50のROMに記憶してあり、フローチャートの各ステップにおける処理は総てECU50のCPUによって実行される。
【0061】
<ステップ101>
まず、ECU50は、ステップ101において、前述したNOx吸放出処理の実行中に、前回のSOx放出処理完了後から現時点までの当該車両の走行距離を積算する。
【0062】
<ステップ102>
次に、ECU50は、ステップ102に進んで、ステップ101で求めた走行距離積算値Dが判定値(判定基準)D0を越えたか否かを判定する。
機関本体1から排出される排気ガス中に含まれるSOxは、燃料中の硫黄(S)分が燃焼して生じたものであり、また、NOx触媒21に吸収されているSOx量は、機関本体1での燃焼で消費された燃料量と相関がある。したがって、燃料消費量の積算値に基づいてNOx触媒21に吸収されているSOx量を算出することができ、燃料消費量積算値が所定量のSOx吸収量に相当する値に達したときをSOx放出時期であるとすることも可能であるが、燃料消費量と走行距離との間にも相関があることから、この実施の形態では燃料消費量の積算に代えて走行距離を積算することとし、その走行距離の積算値が所定量のSOx吸収量に相当する値(判定値D0)を越えたときにSOxを放出すべき時期であると判定し、越えていないときにはSOxを放出すべき時期ではないと判定することとした。
【0063】
ECU50による一連の信号処理のうちステップ102を実行する部分は、NOx触媒(NOx吸収剤)からSOxを放出すべき時期か否かを判定するSOx放出時期判定手段ということができる。
ステップ102で肯定判定した場合にはステップ103に進み、否定判定した場合にはステップ105に進む。
【0064】
<ステップ103>
ECU50は、ステップ103において、NOx触媒21に対してSOx放出処理を実行する。SOx放出処理は、燃料の副噴射による排気ガスの空燃比制御と、NOx触媒21の温度制御により実行する。尚、SOx放出処理の実行中は、ECU50は、主噴射と副噴射の両方を実行するように燃料噴射弁7を作動制御する。
【0065】
副噴射制御については、第1触媒コンバータ20に流入する排気ガスの空燃比がストイキまたはスライトリッチになるように、ECU50は、燃料噴射弁7の開弁時期及び開弁期間、副噴射の回数等を制御する。
【0066】
また、NOx触媒21の温度制御については、ECU50は、触媒温度センサ11によりNOx触媒21の温度を検出し、NOx触媒21の温度が設定温度以上か否かを判定し、設定温度未満と判定されたときにはヒータ駆動回路10をONして、NOx触媒21のメタル担体に通電してメタル担体を発熱させ、NOx触媒21を昇温し、設定温度以上と判定されたときにはヒータ駆動回路10をOFFにする。これによって、SOx放出処理の間、NOx触媒21の温度が設定温度以上に保持されるように制御する。尚、前記設定温度は、硫酸塩の分解温度以上とし、好ましくはNOx触媒21が高温劣化しにくい所定温度とする(例えば600〜750゜C)。
【0067】
第1触媒コンバータ20は小型で熱容量が小さいので、NOx触媒21の昇温が迅速に行われ、SOx放出処理を開始すると直ぐにNOx触媒21の温度を前記設定温度にすることができる。
【0068】
また、ECU50は、NOx触媒21の昇温を迅速に行わしめるために、吸入空気量の減少制御を実行する。NOx触媒21を流れる排気ガス流量が多いと、NOx触媒21を昇温させるのに長い時間がかかるからである。
【0069】
上述のように排気ガスの空燃比制御とNOx触媒21の温度制御を実行することにより、酸素濃度の低いストイキあるいはスライトリッチの排気ガスが、設定温度以上に制御されたNOx触媒21に流れ、これにより、NOx触媒21に吸収されていた硫酸塩が効率的に分解してSO3となり、さらにこのSO3が排気ガス中の未燃HC、COによって還元せしめられ、SO2となって放出される。
【0070】
第1触媒コンバータ20のNOx触媒21の容量が小さいため、SOx放出処理の実行中、HCやCOなどの還元剤が第1触媒コンバータ20を通過した排気ガス中に残存する虞れがあるが、この排気ガス中の還元剤は第2触媒コンバータ30を通過する際に三元触媒31に吸着されている酸素により酸化せしめられ、H20やCO2に浄化される。
【0071】
<ステップ104>
ECU50は、ステップ103からステップ104に進んで、NOx触媒21からのSOx放出が完了したか否かを判定する。SOx放出が完了したか否かの判定は、SOx放出処理の実行が所定時間だけ行われたか否かで判定する。
【0072】
判定値である前記「所定の時間」は、ステップ102におけるSOx放出時期の判定値D0の大小によって、あるいはNOx触媒21の温度制御における設定温度の大小によって異なり、予め実験によって最適時間を求め、これをECU50のROMに記憶しておく。
【0073】
そして、SOx放出処理の実行時間が所定時間に達するまでは、ステップ104で否定判定され、ステップ103のSOx放出処理の実行を継続する。SOx放出処理の実行時間が所定時間を超えたときには、ECU50は、ステップ104で肯定判定(SOx放出完了の判定)し、ステップ105に進む。
【0074】
<ステップ105>
ECU50は、ステップ105において、SOx放出処理の実行を停止する。即ち、燃料の副噴射を停止して排気ガスの空燃比制御を停止し、ヒータ駆動回路10をOFF、吸入空気量の減少制御を停止してNOx触媒21の温度制御を停止し、NOx吸放出処理時における排気ガスの空燃比制御を実行する。
【0075】
以上説明したように、この実施の形態によれば、NOx触媒21に対するSOx放出処理が最適なタイミングで実行され、しかも、第1触媒コンバータ20を小型にし熱容量を小さくしたことにより、SOx放出処理開始して直ぐにNOx触媒21をSOx放出に必要な温度まで昇温することができ、極めて効率的にSOxを放出することができるので、NOx触媒21のNOx浄化率を常に高い状態に維持することができる。
【0076】
また、第1触媒コンバータ20を小型にしたため、NOx放出処理時やSOx放出処理時に排気ガス中のHCやCOがNOx触媒21で消費されずに第1触媒コンバータ20を通過する虞れがあるが、第1触媒コンバータ20の下流に三元触媒31を収容した第2触媒コンバータ30が配置されているので、第1触媒コンバータ20を通過したHCやCOも第2触媒コンバータ30の三元触媒31に吸着されている酸素により酸化し浄化することができ、HC,COによる大気汚染を防止することができる。
【0077】
〔第2の実施の形態〕
図4は本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第2の実施の形態における構成図である。
この第2の実施の形態は、以下の点で第1の実施の形態と相違する。排気管9には、第1触媒コンバータ20の上流と、第1触媒コンバータ20の下流から第2触媒コンバータ30の上流の間とを接続して第1触媒コンバータ20を迂回するバイパス管(バイパス通路)12が連結されており、バイパス管12の途中にバイパス流量制御弁(バイパス流量制御手段)13が設けられている。このバイパス流量制御弁13はその駆動部16により弁体(図示せず)を駆動して弁開度を調節することができ、バイパス管12を流れる排気ガスの流量を制御する。バイパス流量制御弁13の駆動部16はECU50によって作動を制御される。その他の構成については第1の実施の形態と同じであるので、図中、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。第1の実施の形態では、SOx放出処理の実行にあたりNOx触媒21の温度制御において温度上昇を迅速にするために吸入空気量の減少制御を実行しているが、この第2の実施の形態では、吸入空気量の減少制御を行う代わりに、排気ガスの一部をバイパス管12に流すことにより第1触媒コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させ、NOx触媒21の昇温を促進するようにしている。
【0079】
図3におけるフローチャートのステップ103において、ECU50は、燃料の副噴射による排気ガスの空燃比制御とNOx触媒21の温度制御によりSOx放出処理を実行するが、NOx触媒21の温度制御は、NOx触媒21のメタル担体に通電してメタル担体を発熱させるとともに、バイパス流量制御弁13の駆動部16を駆動して弁体を所定の開度で開弁し、バイパス管12に所定流量の排気ガスを流すことで第1触媒コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させることにより実行する。バイパス流量制御弁13の開度をどの程度にするかは、第1触媒コンバータ20に流す排気ガス流量に応じて予め設定される。
尚、バイパス管12を流れる排気ガス中に含まれるHCやCOは第2触媒コンバータ30の三元触媒31に吸着されている酸素により酸化せしめられ、H20やCO2に浄化される。
【0080】
そして、ECU50は、ステップ104でSOx放出が完了したと判定し、ステップ105においてSOx放出処理の実行を停止する場合には、燃料の副噴射を停止して排気ガスの空燃比制御を停止し、ヒータ駆動回路10をOFF、バイパス流量制御弁13を全閉にしてNOx触媒21の温度制御を停止し、NOx吸放出処理時における排気ガスの空燃比制御を実行する。したがって、NOx吸放出処理時にはバイパス管12に排気ガスは流れない。
【0081】
尚、上述の第2の実施の形態では、吸入空気量の減少制御を行う代わりに、バイパス流量制御弁13によるバイパス流量制御を行うことによって第1触媒コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させるようにしているが、吸入空気量の減少制御とバイパス流量制御弁13によるバイパス流量制御を併用して第1触媒コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させNOx触媒21の昇温を促進することも可能である。
【0082】
なお、前述した実施の形態では本発明をディーゼルエンジンに適用した例で説明したが、本発明を希薄燃焼可能なガソリンエンジンに適用することもできる。ガソリンエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気をストイキあるいはリッチにすることにより排気空燃比をストイキあるいはリッチにし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、NOx触媒21に吸収されているNOxやSOxを放出させることができる。
【0083】
また、本発明をガソリンエンジンに適用した場合には、NOx触媒21の温度上昇を促進するために、膨張行程において燃料を副噴射したり、あるいは多気筒エンジンであれば一部の気筒に対して混合気をリッチ空燃比にするいわゆるバンク制御を行うなどして、排気ガス中の還元剤量を増量し、この還元剤をNOx触媒21において酸化せしめ、その反応熱によってNOx触媒21の昇温を促進することもできる。
【0084】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、(イ)希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低いときに吸収したNOxを放出・還元し、一体化された加熱手段を有する吸蔵還元型NOx触媒と、(ロ)前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の前記排気通路に配置された三元触媒と、を備えることにより、SOx放出処理を開始して直ぐに吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを効率よく放出させることができ、SOx放出効率が向上するという優れた効果が奏される。また、排気ガス中のHC,COが吸蔵還元型NOx触媒をそのまま通過した場合であっても、そのHC,COは下流の三元触媒で浄化されるので、大気への放出を阻止することができるという優れた効果が奏される。
【0085】
前記吸蔵還元型NOx触媒を小容量で且つ高坦持とした場合には、吸蔵還元型NOx触媒をより迅速に昇温することができて、さらにSOx放出効率が向上する。
また、(ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流の排気通路と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の間の排気通路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx触媒を迂回して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパス通路を流れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量制御手段と、を備えた場合には、SOx放出処理実行中に、内燃機関から排出される排気ガスの流量を減少させることなく吸蔵還元型NOx触媒に流れる排気ガス流量を低減することができ、これによって吸蔵還元型NOx触媒をより迅速に昇温することができ、さらにSOx放出効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第1の実施の形態の概略構成図である。
【図2】吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸放出作用を説明するための図である。
【図3】前記第1の実施の形態のSOx放出処理実行ルーチンである。
【図4】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第2の実施の形態の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
7 燃料噴射弁
9 排気管(排気通路)
12 バイパス通路(バイパス管)
13 バイパス流量制御弁(バイパス流量制御手段)
21 吸蔵還元型NOx触媒
31 三元触媒
50 ECU
Claims (3)
- (イ)希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低いときに吸収したNOxを放出・還元し、一体化された加熱手段を有する吸蔵還元型NOx触媒と、(ロ)前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の前記排気通路に配置された三元触媒と、を備え、
前記吸蔵還元型NO x 触媒の容量は、前記内燃機関の排気量の20%以下であるとともに、前記吸蔵還元型NO x 触媒の触媒担持率は、通常の触媒担持率の2倍から8倍の担持率であることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記吸蔵還元型NO x 触媒は、メタル担体を有し、
前記一体化された加熱手段は、電気を流すと発熱するヒータ機能を備えた該メタル担体であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - (ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流の排気通路と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の間の排気通路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx触媒を迂回して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパス通路を流れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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