JP3611314B2 - プラズマ灰溶融炉 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ灰溶融炉に関わり、特に、炉本体に挿入された電極から発生する高温のプラズマにより飛灰を含む焼却灰等を溶融するプラズマ灰溶融炉のサイド電流を防止する発明に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、都市ごみ及び産業廃棄物の焼却により生じる焼却灰は、最終処分場の延命化及び二次公害防止対策として溶融固化されてスラグとして回収されている。スラグとして回収された焼却灰は、有害物質が溶出する怖れが無く、土木、建築材料として再利用が出来る為かかる方法は広く普及している。
焼却灰をスラグ化する溶融炉のうち、図9に示されるプラズマ灰溶融炉は、円筒形状を有する鉄製炉本体12と、該炉本体の内壁を被覆する耐火材13と、炉蓋から挿入されて垂下する主電極14と、これに対向して炉下部から挿入される電極34とを備えている。
【0003】
かかるプラズマ灰溶融炉11は、灰ホッパ30から投入される焼却灰が定量供給機31により該溶融炉11に移送され、前記焼却灰は、直流電源32に接続された主電極14と対電極34の間に発生したアーク35によりプラズマ状態となった炉内に導入される。このとき、炉頂部から供給されるN2ガス等の不活性ガスにより炉内は還元性雰囲気に保たれている。
前記プラズマ高温ガス流により1500℃以上の温度で溶融された溶融スラグ15は溶融メタル16から分離して出さい口より排出されてスラグが生成され、様々な用途で再利用される。
尚、灰溶融炉内で発生した排ガスは、冷却空気で減温されてバグフィルタ38を経て不図示の排ガス処理装置に送給される。
【0004】
しかしながら、溶融処理される焼却灰、特に飛灰中には比較的融点が低い塩類が多量に含まれている為、高温で溶融処理した場合その大部分はガス中に揮散して炉内壁に付着する。このように付着した塩化カリウムや塩化ナトリウム等の溶融塩は導電性が高く、このため絶縁不良に伴いサイド電流が発生する惧れがある。
また、前記溶融塩の付着により炉壁に被覆された耐火物13が損傷、消耗しやすくなり、該損傷、消耗に伴い、炉壁に付着した低抵抗の溶融塩から耐火材の支持に用いられている金属製金具へ導通し、溶融スラグに対する溶融効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、電極付近のサイド電流の発生を防止するため、図8の従来のプラズマ灰溶融炉の概略断面図(a)のD部拡大図(b)に示されるように、炉体12及び耐火材13と電極14との間に絶縁スリーブ16を設けたり、電極14と炉体との間に間隙を設けたりする方法が採られている。さらに、特開平11−351541号公報では、シールガスを均一に吹き込むとともに、炉内部に向かって絶縁スリーブ16と主電極14のクリアランスCを大とし、溶融塩が付着しても主電極14と接触することのないような構成としている。
【0006】
また、炉内壁への溶融塩の付着による導通を防ぐ為に特開平10−288231号公報では、電極の周囲を、外層が絶縁性耐火物で内層が発泡性耐火物で構成される筒状体により包囲する方法を提案している。このように筒状体で電極を保護することにより溶融塩による電極の腐食や電極間若しくは電極と炉壁に付着した溶融塩との短絡を防止することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術では絶縁スリーブと電極との隙間に溶融塩が侵入してしまい絶縁を十分に採ることが出来ず、また、特開平11−351541号のようにクリアランス形状を溶融塩が付着して主電極と接触しないように形成しても、溶融塩の蓄積により電極との距離が近くなり導通してしまう惧れがある。また、特開平10−288231号のように電極を包囲する管状体を設けても、電極周囲の高温雰囲気による管状体の劣化、損傷が著しく、該管状体の耐久性に問題が残る。
本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、簡単な構造で以って溶融塩の絶縁隙間への侵入を防ぐとともに、炉内壁への溶融塩の付着を限定し、絶縁不良防ぐことのできるプラズマ灰溶融炉の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記絶縁スリーブを、該絶縁スリーブと前記電極間の間隙が炉内へ向けて複数段階に傾斜角度をもたせて拡開させ、灰溶融により発生する溶融塩が前記傾斜面に沿って流下する構成としたことを特徴とする。
かかる発明では、前記絶縁スリーブの上部傾斜面を、前記間隙をシールする不活性ガスが旋回せずに拡散する方向に流路を決定する角度とし、下部傾斜面を付着した溶融塩が流下し易い角度とする。これにより、電極周辺の絶縁スリーブに溶融塩が付着しても炉外側へ流れ落ち、絶縁を十分に取ることができる。
【0009】
また、請求項2記載のように、前記絶縁スリーブが、該絶縁スリーブ周囲の炉壁より突出して形成されるように構成することにより、流下する溶融塩が絶縁スリーブを経て炉蓋に付着固化することなく溶融スラグ上に流れ落ち、付着物を最小限に抑えることが出来る。
さらに、請求項3記載のように、前記絶縁スリーブを、前記電極を取り囲むように中空円錐状に切り欠いたその下部を該円錐より傾斜角度を大として中空円錐状に切り欠き、灰溶融により発生する溶融塩の絶縁スリーブへの付着を防止する構成とすることにより、簡単な構造で以って前記効果を実現できる。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記炉貫通部の間隙が、水平方向に対して傾斜角略10°から25°の前記絶縁スリーブの下部傾斜面により形成される溶融塩退避部と、垂直方向に対して傾斜角略2°未満の上部傾斜面により形成されるガス流逃がし部とを有することを特徴とする。かかる発明は、前記傾斜面の最も適した角度を示したもので、該傾斜面を前記角度とすることで、上部傾斜面ではガス流が旋回することなく、下部傾斜面では溶融塩が円滑に流れ落ちる。
【0011】
請求項5記載の発明は、内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記灰溶融炉側面内壁若しくは炉蓋内壁に1又は複数の溶融塩退避部を設け、該溶融塩退避部により灰溶融にて発生する溶融塩が炉壁を流下する構成としたことを特徴とする。
かかる発明によれば、溶融塩が付着し易い炉壁に前記溶融塩退避部を設けることにより、溶融塩の付着を最小限に抑えることができる。尚、前記炉蓋を炉外縁へ向けて下方へ傾斜させるとよく、これにより、溶融塩が炉中心から外部へ向けて流れ落ちるため溶融塩退避部が有効に作用する。
【0012】
また、請求項6記載発明は、前記炉蓋が炉外縁に向けて下方へ傾斜しているプラズマ灰溶融炉であって、前記溶融塩退避部が、炉蓋に設けられ炉側壁側に段差を有するように傾斜する段差部若しくは庇部であることを特徴とする。
さらに、請求項7記載の発明は、前記溶融塩退避部が、炉内側壁上部に設けられ下部が拡径した段差部若しくは庇部であることを特徴とする。
これらの発明によれば、溶融塩が炉側壁に付着することなく溶融塩退避部に限定され、さらに段差部若しくは庇部の角度を溶融塩が滴下する角度とすることで、炉蓋への溶融塩の付着も最小限に抑えられる。
【0013】
また、請求項8記載の発明は、前記耐火材を前記鉄製炉本体と接合する支持金物、若しくは炉蓋を貫通する各種センサ類を支持する支持金物が、セラミックス等の絶縁性耐火物で構成されることを特徴とする。
このように、前記溶融塩退避部により溶融塩の付着部が限定されるため、該付着部のみ支持金物に絶縁性耐火物を用いることにより、耐火物の消耗に伴う支持金具からの漏電を防止でき、低コストで以って絶縁不良を起こし難い装置が可能となる。尚、前記絶縁性耐火物には、アルミナ系セラミックス等を用いるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の概略断面図、図2は図1のプラズマ灰溶融炉上部を示すA部拡大図、図3は、図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第1実施例を示すB部拡大図、図3は第2実施例を示すB部拡大図である。
【0015】
図1において、11はプラズマ灰溶融炉本体で、12は前記炉本体11の外皮を形成する鉄製炉体で、13は前記炉体12の内壁を覆う耐火物で、例えば硅石レンガ、アルミナ系キャスタブル等で形成されている。本実施形態において、前記溶融炉の炉蓋は中心部が上部に突出した円錐形状で、該炉蓋の傾斜角度は水平方向に対して略1°以上とする。かかる形状により、前記耐火物の構造強度を保持できるとともに、後述する溶融塩の付着防止に寄与する。また、14は前記灰溶融炉の頂部を貫通して垂下する主電極で、本実施形態では管状黒鉛電極を用いている。その他の構成は、図9にて説明した従来技術のプラズマ灰溶融炉とほぼ同様であるため省略する。
【0016】
かかるプラズマ灰溶融炉11は、図9に示される直流電源に接続される主電極14と炉底電極34との間に直流電圧を印加し、プラズマアークを発生させて灰ホッパから順次供給される焼却灰を溶融し、スラグ化する。このとき、溶融スラグ15の電気抵抗に基づくジュール熱も利用され溶融状態が維持される。
前記主電極14にて生成されたプラズマ高温ガス流により溶融状態にあるスラグ15中には融点の低い塩類が多量に含まれており、これらは蒸気となって揮散し、溶融塩23として炉蓋へ付着、凝縮する。
【0017】
図2は図1のA部拡大図で、前記炉蓋の電極14貫通部に間隙を存して絶縁スリーブ16が配されており、該間隙からはN2ガス等のシールガスが炉内に供給されている。そして、前記絶縁スリーブ16と主電極14との間隙を炉内へ向けて2段階に傾斜角度をもたせて拡開されている。このとき、下部傾斜面16aを水平方向に対して傾斜角α=略10°〜25°、好ましくは略20°とし、下部傾斜面16bを垂直方向に対して傾斜角β=略2°未満、好ましくは略2°とする。
【0018】
さらに、かかる絶縁スリーブ16を該スリーブ周囲の炉壁より突出するように構成する。尚、該突出部は高温雰囲気においても耐久性を保持できる突出長さとする。
かかる実施形態によれば、前記上部傾斜面16bにより前記シールガスが旋回せずに炉内に導入されるとともに、下部傾斜面16aにより、揮散した前記溶融塩23が絶縁スリーブ16に付着した際にも該傾斜面を流下し、炉底に流れ落ちて絶縁不良を防ぐことが出来る。
【0019】
図3は図1のB部拡大図の第1実施例、図4は第2実施例を示す。
かかる実施例は、炉側壁上部に溶融塩退避部を具備したもので、第1実施例は鉄製炉体12の覆う耐火物13の側壁上部に段差部17を設け、炉蓋に付着して流下した溶融塩23が該段差部17で滴下するように構成され、第2実施例は前記耐火物13の側壁上部に炉中心へ向かって傾斜する庇18を設け、前記第1実施例と同様に該庇18から溶融塩23が流れ落ちるように構成されている。
かかる構成により、揮散して炉蓋に付着した溶融塩は傾斜した炉蓋を流下して前記段差部17若しくは庇18により溶融スラグ中に落下するため、炉壁への溶融塩の付着を防止できる。
【0020】
次に、図5乃至図7により炉本体に挿設された支持金物を備えた灰溶融炉について説明する。
図5は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の炉壁に絶縁性支持金物を挿着したときの概略断面図、図6は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉上部にセンサ類を挿着したときの要部断面図、図7は本実施形態で用いられる絶縁性支持金物の概略断面図である。
図5に示されるように、支持金物22は、前記炉体12と前記耐火物13とを貫通して接合する為に用いられ、一体の炉につき複数の支持金物が使用されている。
【0021】
かかる支持金物22は、図7(a)に示されるように螺子型支持金物22A、(b)に示されるようにY型支持金物などが挙げられる。これらの支持金物22には、セラミック製支持タイル等のように絶縁性が高く、さらに耐久性のあるものが良い。
しかしながら、かかる支持金物22は高価であるため、図5に示されるように、例えば庇18を具備する灰溶融炉の場合には、該庇18により炉側壁には溶融塩は付着しないため炉蓋に挿着された支持金物22のみに前記絶縁性耐火物を使用するとよい。このように、支持金物22を絶縁化することにより、耐火材13の消耗した際にも鉄製炉体12と溶融塩23とが直接接触することなく、電流の導通を防ぐことが出来る。
【0022】
また、図6に示されるように、炉蓋に複数設けた段差部19の間の溶融塩の凝縮し易い場所に絶縁性を有するファイバー及び絶縁性支持金物22を挿設するとよく、さらに、前記2段階傾斜面を有する絶縁スリーブ16を設けることにより耐火物への溶融塩の付着を最小限に抑えることができ、サイド電流の発生をほぼ確実に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、前記絶縁スリーブの上部傾斜面を、前記間隙をシールする不活性ガスが旋回せずに拡散する方向に流路を決定する角度とし、下部傾斜面は付着した溶融塩が流下する角度とすることにより、電極周辺の絶縁スリーブに溶融塩が付着しても炉外側へ流れ落ち、絶縁を十分に取ることができる。
また、前記絶縁スリーブを周囲の耐火材から突出させることで、流下する溶融塩が絶縁スリーブを経て炉蓋に付着固化することなく溶融スラグ上に流れ落ち、付着物を最小限に抑えることが出来る。
さらに、溶融塩の付着し易い炉壁部分に段差部や庇等の溶融塩退避部を設けることにより、溶融塩が流下して付着量を減少することが出来るとともに、付着可能性のある部分の支持金物にセラミックス等の絶縁性材料を用いることで、サイド電流の発生をほぼ確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の概略断面図を示す。
【図2】図1のプラズマ灰溶融炉上部を示すA部拡大図である。
【図3】図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第1実施例を示すB部拡大図である。
【図4】図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第2実施例を示すB部拡大図である。
【図5】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の炉壁に絶縁性支持金物を挿着したときの概略断面図を示す。
【図6】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉上部にセンサ類を挿着したときの要部断面図を示す。
【図7】本実施形態で用いられる絶縁性支持金物の概略断面図を示す。
【図8】従来のプラズマ灰溶融炉の概略断面図(a)、及びD部拡大図(b)である。
【図9】従来のプラズマ灰溶融炉の全体構成図を示す。
【符号の説明】
11 溶融炉
12 鉄皮
13 耐火物
14 電極
15 溶融灰
16 絶縁スリーブ
16a 下部傾斜面
16b 上部傾斜面
17 耐火材段差
18 耐火材庇
19 段差
20 絶縁材
21 ファイバー
22 支持金物
22A、22B セラミックス製支持金物
23 溶融塩
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ灰溶融炉に関わり、特に、炉本体に挿入された電極から発生する高温のプラズマにより飛灰を含む焼却灰等を溶融するプラズマ灰溶融炉のサイド電流を防止する発明に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、都市ごみ及び産業廃棄物の焼却により生じる焼却灰は、最終処分場の延命化及び二次公害防止対策として溶融固化されてスラグとして回収されている。スラグとして回収された焼却灰は、有害物質が溶出する怖れが無く、土木、建築材料として再利用が出来る為かかる方法は広く普及している。
焼却灰をスラグ化する溶融炉のうち、図9に示されるプラズマ灰溶融炉は、円筒形状を有する鉄製炉本体12と、該炉本体の内壁を被覆する耐火材13と、炉蓋から挿入されて垂下する主電極14と、これに対向して炉下部から挿入される電極34とを備えている。
【0003】
かかるプラズマ灰溶融炉11は、灰ホッパ30から投入される焼却灰が定量供給機31により該溶融炉11に移送され、前記焼却灰は、直流電源32に接続された主電極14と対電極34の間に発生したアーク35によりプラズマ状態となった炉内に導入される。このとき、炉頂部から供給されるN2ガス等の不活性ガスにより炉内は還元性雰囲気に保たれている。
前記プラズマ高温ガス流により1500℃以上の温度で溶融された溶融スラグ15は溶融メタル16から分離して出さい口より排出されてスラグが生成され、様々な用途で再利用される。
尚、灰溶融炉内で発生した排ガスは、冷却空気で減温されてバグフィルタ38を経て不図示の排ガス処理装置に送給される。
【0004】
しかしながら、溶融処理される焼却灰、特に飛灰中には比較的融点が低い塩類が多量に含まれている為、高温で溶融処理した場合その大部分はガス中に揮散して炉内壁に付着する。このように付着した塩化カリウムや塩化ナトリウム等の溶融塩は導電性が高く、このため絶縁不良に伴いサイド電流が発生する惧れがある。
また、前記溶融塩の付着により炉壁に被覆された耐火物13が損傷、消耗しやすくなり、該損傷、消耗に伴い、炉壁に付着した低抵抗の溶融塩から耐火材の支持に用いられている金属製金具へ導通し、溶融スラグに対する溶融効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、電極付近のサイド電流の発生を防止するため、図8の従来のプラズマ灰溶融炉の概略断面図(a)のD部拡大図(b)に示されるように、炉体12及び耐火材13と電極14との間に絶縁スリーブ16を設けたり、電極14と炉体との間に間隙を設けたりする方法が採られている。さらに、特開平11−351541号公報では、シールガスを均一に吹き込むとともに、炉内部に向かって絶縁スリーブ16と主電極14のクリアランスCを大とし、溶融塩が付着しても主電極14と接触することのないような構成としている。
【0006】
また、炉内壁への溶融塩の付着による導通を防ぐ為に特開平10−288231号公報では、電極の周囲を、外層が絶縁性耐火物で内層が発泡性耐火物で構成される筒状体により包囲する方法を提案している。このように筒状体で電極を保護することにより溶融塩による電極の腐食や電極間若しくは電極と炉壁に付着した溶融塩との短絡を防止することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術では絶縁スリーブと電極との隙間に溶融塩が侵入してしまい絶縁を十分に採ることが出来ず、また、特開平11−351541号のようにクリアランス形状を溶融塩が付着して主電極と接触しないように形成しても、溶融塩の蓄積により電極との距離が近くなり導通してしまう惧れがある。また、特開平10−288231号のように電極を包囲する管状体を設けても、電極周囲の高温雰囲気による管状体の劣化、損傷が著しく、該管状体の耐久性に問題が残る。
本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、簡単な構造で以って溶融塩の絶縁隙間への侵入を防ぐとともに、炉内壁への溶融塩の付着を限定し、絶縁不良防ぐことのできるプラズマ灰溶融炉の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記絶縁スリーブを、該絶縁スリーブと前記電極間の間隙が炉内へ向けて複数段階に傾斜角度をもたせて拡開させ、灰溶融により発生する溶融塩が前記傾斜面に沿って流下する構成としたことを特徴とする。
かかる発明では、前記絶縁スリーブの上部傾斜面を、前記間隙をシールする不活性ガスが旋回せずに拡散する方向に流路を決定する角度とし、下部傾斜面を付着した溶融塩が流下し易い角度とする。これにより、電極周辺の絶縁スリーブに溶融塩が付着しても炉外側へ流れ落ち、絶縁を十分に取ることができる。
【0009】
また、請求項2記載のように、前記絶縁スリーブが、該絶縁スリーブ周囲の炉壁より突出して形成されるように構成することにより、流下する溶融塩が絶縁スリーブを経て炉蓋に付着固化することなく溶融スラグ上に流れ落ち、付着物を最小限に抑えることが出来る。
さらに、請求項3記載のように、前記絶縁スリーブを、前記電極を取り囲むように中空円錐状に切り欠いたその下部を該円錐より傾斜角度を大として中空円錐状に切り欠き、灰溶融により発生する溶融塩の絶縁スリーブへの付着を防止する構成とすることにより、簡単な構造で以って前記効果を実現できる。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記炉貫通部の間隙が、水平方向に対して傾斜角略10°から25°の前記絶縁スリーブの下部傾斜面により形成される溶融塩退避部と、垂直方向に対して傾斜角略2°未満の上部傾斜面により形成されるガス流逃がし部とを有することを特徴とする。かかる発明は、前記傾斜面の最も適した角度を示したもので、該傾斜面を前記角度とすることで、上部傾斜面ではガス流が旋回することなく、下部傾斜面では溶融塩が円滑に流れ落ちる。
【0011】
請求項5記載の発明は、内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記灰溶融炉側面内壁若しくは炉蓋内壁に1又は複数の溶融塩退避部を設け、該溶融塩退避部により灰溶融にて発生する溶融塩が炉壁を流下する構成としたことを特徴とする。
かかる発明によれば、溶融塩が付着し易い炉壁に前記溶融塩退避部を設けることにより、溶融塩の付着を最小限に抑えることができる。尚、前記炉蓋を炉外縁へ向けて下方へ傾斜させるとよく、これにより、溶融塩が炉中心から外部へ向けて流れ落ちるため溶融塩退避部が有効に作用する。
【0012】
また、請求項6記載発明は、前記炉蓋が炉外縁に向けて下方へ傾斜しているプラズマ灰溶融炉であって、前記溶融塩退避部が、炉蓋に設けられ炉側壁側に段差を有するように傾斜する段差部若しくは庇部であることを特徴とする。
さらに、請求項7記載の発明は、前記溶融塩退避部が、炉内側壁上部に設けられ下部が拡径した段差部若しくは庇部であることを特徴とする。
これらの発明によれば、溶融塩が炉側壁に付着することなく溶融塩退避部に限定され、さらに段差部若しくは庇部の角度を溶融塩が滴下する角度とすることで、炉蓋への溶融塩の付着も最小限に抑えられる。
【0013】
また、請求項8記載の発明は、前記耐火材を前記鉄製炉本体と接合する支持金物、若しくは炉蓋を貫通する各種センサ類を支持する支持金物が、セラミックス等の絶縁性耐火物で構成されることを特徴とする。
このように、前記溶融塩退避部により溶融塩の付着部が限定されるため、該付着部のみ支持金物に絶縁性耐火物を用いることにより、耐火物の消耗に伴う支持金具からの漏電を防止でき、低コストで以って絶縁不良を起こし難い装置が可能となる。尚、前記絶縁性耐火物には、アルミナ系セラミックス等を用いるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の概略断面図、図2は図1のプラズマ灰溶融炉上部を示すA部拡大図、図3は、図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第1実施例を示すB部拡大図、図3は第2実施例を示すB部拡大図である。
【0015】
図1において、11はプラズマ灰溶融炉本体で、12は前記炉本体11の外皮を形成する鉄製炉体で、13は前記炉体12の内壁を覆う耐火物で、例えば硅石レンガ、アルミナ系キャスタブル等で形成されている。本実施形態において、前記溶融炉の炉蓋は中心部が上部に突出した円錐形状で、該炉蓋の傾斜角度は水平方向に対して略1°以上とする。かかる形状により、前記耐火物の構造強度を保持できるとともに、後述する溶融塩の付着防止に寄与する。また、14は前記灰溶融炉の頂部を貫通して垂下する主電極で、本実施形態では管状黒鉛電極を用いている。その他の構成は、図9にて説明した従来技術のプラズマ灰溶融炉とほぼ同様であるため省略する。
【0016】
かかるプラズマ灰溶融炉11は、図9に示される直流電源に接続される主電極14と炉底電極34との間に直流電圧を印加し、プラズマアークを発生させて灰ホッパから順次供給される焼却灰を溶融し、スラグ化する。このとき、溶融スラグ15の電気抵抗に基づくジュール熱も利用され溶融状態が維持される。
前記主電極14にて生成されたプラズマ高温ガス流により溶融状態にあるスラグ15中には融点の低い塩類が多量に含まれており、これらは蒸気となって揮散し、溶融塩23として炉蓋へ付着、凝縮する。
【0017】
図2は図1のA部拡大図で、前記炉蓋の電極14貫通部に間隙を存して絶縁スリーブ16が配されており、該間隙からはN2ガス等のシールガスが炉内に供給されている。そして、前記絶縁スリーブ16と主電極14との間隙を炉内へ向けて2段階に傾斜角度をもたせて拡開されている。このとき、下部傾斜面16aを水平方向に対して傾斜角α=略10°〜25°、好ましくは略20°とし、下部傾斜面16bを垂直方向に対して傾斜角β=略2°未満、好ましくは略2°とする。
【0018】
さらに、かかる絶縁スリーブ16を該スリーブ周囲の炉壁より突出するように構成する。尚、該突出部は高温雰囲気においても耐久性を保持できる突出長さとする。
かかる実施形態によれば、前記上部傾斜面16bにより前記シールガスが旋回せずに炉内に導入されるとともに、下部傾斜面16aにより、揮散した前記溶融塩23が絶縁スリーブ16に付着した際にも該傾斜面を流下し、炉底に流れ落ちて絶縁不良を防ぐことが出来る。
【0019】
図3は図1のB部拡大図の第1実施例、図4は第2実施例を示す。
かかる実施例は、炉側壁上部に溶融塩退避部を具備したもので、第1実施例は鉄製炉体12の覆う耐火物13の側壁上部に段差部17を設け、炉蓋に付着して流下した溶融塩23が該段差部17で滴下するように構成され、第2実施例は前記耐火物13の側壁上部に炉中心へ向かって傾斜する庇18を設け、前記第1実施例と同様に該庇18から溶融塩23が流れ落ちるように構成されている。
かかる構成により、揮散して炉蓋に付着した溶融塩は傾斜した炉蓋を流下して前記段差部17若しくは庇18により溶融スラグ中に落下するため、炉壁への溶融塩の付着を防止できる。
【0020】
次に、図5乃至図7により炉本体に挿設された支持金物を備えた灰溶融炉について説明する。
図5は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の炉壁に絶縁性支持金物を挿着したときの概略断面図、図6は本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉上部にセンサ類を挿着したときの要部断面図、図7は本実施形態で用いられる絶縁性支持金物の概略断面図である。
図5に示されるように、支持金物22は、前記炉体12と前記耐火物13とを貫通して接合する為に用いられ、一体の炉につき複数の支持金物が使用されている。
【0021】
かかる支持金物22は、図7(a)に示されるように螺子型支持金物22A、(b)に示されるようにY型支持金物などが挙げられる。これらの支持金物22には、セラミック製支持タイル等のように絶縁性が高く、さらに耐久性のあるものが良い。
しかしながら、かかる支持金物22は高価であるため、図5に示されるように、例えば庇18を具備する灰溶融炉の場合には、該庇18により炉側壁には溶融塩は付着しないため炉蓋に挿着された支持金物22のみに前記絶縁性耐火物を使用するとよい。このように、支持金物22を絶縁化することにより、耐火材13の消耗した際にも鉄製炉体12と溶融塩23とが直接接触することなく、電流の導通を防ぐことが出来る。
【0022】
また、図6に示されるように、炉蓋に複数設けた段差部19の間の溶融塩の凝縮し易い場所に絶縁性を有するファイバー及び絶縁性支持金物22を挿設するとよく、さらに、前記2段階傾斜面を有する絶縁スリーブ16を設けることにより耐火物への溶融塩の付着を最小限に抑えることができ、サイド電流の発生をほぼ確実に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、前記絶縁スリーブの上部傾斜面を、前記間隙をシールする不活性ガスが旋回せずに拡散する方向に流路を決定する角度とし、下部傾斜面は付着した溶融塩が流下する角度とすることにより、電極周辺の絶縁スリーブに溶融塩が付着しても炉外側へ流れ落ち、絶縁を十分に取ることができる。
また、前記絶縁スリーブを周囲の耐火材から突出させることで、流下する溶融塩が絶縁スリーブを経て炉蓋に付着固化することなく溶融スラグ上に流れ落ち、付着物を最小限に抑えることが出来る。
さらに、溶融塩の付着し易い炉壁部分に段差部や庇等の溶融塩退避部を設けることにより、溶融塩が流下して付着量を減少することが出来るとともに、付着可能性のある部分の支持金物にセラミックス等の絶縁性材料を用いることで、サイド電流の発生をほぼ確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の概略断面図を示す。
【図2】図1のプラズマ灰溶融炉上部を示すA部拡大図である。
【図3】図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第1実施例を示すB部拡大図である。
【図4】図1のプラズマ灰溶融炉上部側壁の第2実施例を示すB部拡大図である。
【図5】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉の炉壁に絶縁性支持金物を挿着したときの概略断面図を示す。
【図6】本発明の実施形態にかかるプラズマ灰溶融炉上部にセンサ類を挿着したときの要部断面図を示す。
【図7】本実施形態で用いられる絶縁性支持金物の概略断面図を示す。
【図8】従来のプラズマ灰溶融炉の概略断面図(a)、及びD部拡大図(b)である。
【図9】従来のプラズマ灰溶融炉の全体構成図を示す。
【符号の説明】
11 溶融炉
12 鉄皮
13 耐火物
14 電極
15 溶融灰
16 絶縁スリーブ
16a 下部傾斜面
16b 上部傾斜面
17 耐火材段差
18 耐火材庇
19 段差
20 絶縁材
21 ファイバー
22 支持金物
22A、22B セラミックス製支持金物
23 溶融塩
Claims (8)
- 内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記絶縁スリーブを、該絶縁スリーブと前記電極間の間隙が炉内へ向けて複数段階に傾斜角度をもたせて拡開させ、灰溶融により発生する溶融塩が前記傾斜面に沿って流下する構成としたことを特徴とするプラズマ灰溶融炉。 - 前記絶縁スリーブが、該絶縁スリーブ周囲の炉壁より突出して形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ灰溶融炉。
- 前記絶縁スリーブを、前記電極を取り囲むように中空円錐状に切り欠いたその下部を該円錐より傾斜角度を大として中空円錐状に切り欠き、灰溶融により発生する溶融塩の絶縁スリーブへの付着を防止する構成としたことを特徴とする請求項1若しくは2記載のプラズマ灰溶融炉。
- 前記炉貫通部の間隙が、水平方向に対して傾斜角略10°から25°の前記絶縁スリーブの下部傾斜面により形成される溶融塩退避部と、垂直方向に対して傾斜角略2°未満の上部傾斜面により形成されるガス流逃がし部とを有することを特徴とする請求項1若しくは2記載のプラズマ灰溶融炉。
- 内壁を耐火材で被覆した鉄製炉体の上部に管状電極を有し、該電極の炉貫通部に間隙を存して絶縁スリーブを配したプラズマ灰溶融炉において、
前記灰溶融炉側面内壁若しくは炉蓋内壁に1又は複数の溶融塩退避部を設け、該溶融塩退避部により灰溶融にて発生する溶融塩が炉壁を流下する構成としたことを特徴とするプラズマ灰溶融炉。 - 前記炉蓋が炉外縁に向けて下方へ傾斜しているプラズマ灰溶融炉であって、前記溶融塩退避部が、炉蓋に設けられ炉側壁側に段差を有するように傾斜する段差部若しくは庇部であることを特徴とする請求項5記載のプラズマ灰溶融炉。
- 前記溶融塩退避部が、炉内側壁上部に設けられ下部が拡径した段差部若しくは庇部であることを特徴とする請求項5記載のプラズマ灰溶融炉。
- 前記耐火材を前記鉄製炉本体と接合する支持金物、若しくは炉蓋を貫通する各種センサ類を支持する支持金物が、セラミックス等の絶縁性耐火物で構成されることを特徴とする請求項5記載のプラズマ灰溶融炉。
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