JP3610519B2 - カーテン塗工液用添加剤組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は顔料およびラテックスを主体とし、かつカーテンフローコート(カーテン塗布)される塗工液に使用する添加剤に関するものである。さらに詳しくは、塗布時に塗工液カーテンに膜切れが発生せず、かつ均一な液膜が形成でき、また塗工紙の塗膜にピンホール等の欠陥がない平滑な表面を得るための塗工液用添加剤組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷物の高級化カラー化指向によりアート紙、コート紙、塗工板紙等の顔料を多量に含む水性塗料を塗布した紙の要求が高まっている。これらは未塗布の紙と比較して平滑性、光沢性に優れかつインクの吸収性が均一であることが特長である。また、生産性の観点から塗布方法としては、高速塗工が可能で長時間の操業でも安定した塗膜が得られるカーテン塗布法が注目を浴びている。しかしこの塗布方式での唯一と言える欠点は塗工液カーテンに膜切れが発生し易いことであり、この点の解決への要望が強かった。
【0003】
従来からこれらの問題を解決する方法として、各種の界面活性剤の適用が試みられてきた。アニオン活性剤としては、N−アシルカルボン酸塩、脂肪酸またはロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩等を用いる方法(特開平5−51900等)また、両性界面活性剤や非イオン界面活性剤を用いる方法等が試みられてきたが、
塗布速度の変化に対応できずに膜切れを生じる等の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の技術では塗工液カーテンの膜切れを防止するに満足できる水準ではなく、また平滑な塗工表面を得ることにおいも十分ではなかった。よって本発明の目的は、塗工液カーテンの膜切れが防止できかつ平滑な塗工面を形成して印刷適性に優れる塗工紙を得ることのできる塗工液用添加剤およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に到達した。すなわち本発明は、非還元性の二糖類および/または三糖類にプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを重合させた化合物[A]と、
炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]とからなり、
[A]がブチルジグリコール25%質量水溶液法での曇点が30〜60℃であり、
[A]/[B]が質量比で98/2〜92/8であり、
0.1質量%水溶液の25℃での動的表面張力が、0.01秒で50mN/m以下であるカーテン塗工液用添加剤組成物および[A]をアルキルアミド類の共存下にて得る製造方法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における非還元性の二糖類および/または三糖類とは、二つまたは三つの単糖がともにヘミアセタール水酸基によって結合している糖類(以下、該糖類と略記)のことで蔗糖、トレハロース、ラフィノース、ゲンチアノースなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独でも、または併用でも用いることができる。このうち特に好ましいのは蔗糖であり、微粉末化した精製ザラメ糖もしくはグラニュー糖が挙げられる。また、該糖類に付加重合させる炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)およびブチレンオキシドが挙げられる。これらのアルキレンオキシドのうち好ましいのはPO、1,2−ブチレンオキシド(以下、BOと略記)である。
【0007】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合モル数は10〜100であり、好ましくは15〜90である。10モルより低い場合、または100モルを越える場合は膜切れ防止性や塗工面の平滑性が十分でなくなる。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、また重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0008】
本発明において該糖類へのアルキレンオキシドの重合反応は、窒素原子が活性水素を持たないタイプのアルキルアミド類、特にN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドの存在下にて実施するのが好ましい。このとき、該糖類/アルキルアミド類の質量比は好ましくは2/1〜1/10、さらに好ましくは1/2〜1/6である。なお、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後は、引き続きアルキルアミド類の存在下にて重合させてもよく、また、一旦アルキルアミド類を留去させ、その後は通常の方法にてアルキレンオキシドを目的とするモル数まで重合させてもよい。なお、前者の場合には重合後はアルキルアミド類を留去させ、必要があれば吸着剤等による公知の方法にて処理して精製する。なお精製工程を経た場合でも、アルキルアミド類は残存し、通常10〜1ppmは検出される。よって残存物の同定を実施することで製造方法の確定ができる。
【0009】
本発明において、該糖類へアルキレンオキシドを5〜10モル程度重合させた後アルキルアミド類を取り除いた場合は、アルカリあるいはアルカリ土類の水酸化物または炭酸塩等を触媒として用いて重合を継続させる。これらのうち好ましくは、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸セシウム等である。触媒の使用量は重合反応に関与する該糖類と該アルキレンオキシドの合計質量に対して0.01〜2.0%の範囲であり、好ましくは0.05〜1.0質量%である。
【0010】
本発明において曇点とは非イオン系界面活性剤の親水性の尺度となるもので、曇点の高い化合物ほど親水性が大きいことを表わしている。本発明での測定法はISO1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じた。すなわち、まず25質量%のブチルジグリコール(ブタノール/EO2モル付加物)水溶液に、試料を10質量%濃度になるように溶解する。次いでこの試料溶液約5ccを試験管に採り、試験管中に温度計を入れて攪拌しながら徐々に加熱するとついには試料溶液が白濁する。試料溶液が完全に白濁する温度を読みとり、これを曇点とする。本発明の組成物の曇点は30〜60℃、好ましくは35〜55℃である。曇点が60℃を越えても、また30℃を下廻っても親水性/疎水性のバランスが崩れて十分な膜切れ防止性、塗工面の平滑性が得られない。
【0011】
本発明において[A]に含有されるアルキルアミド類の定量には一般的に内部標準/検量線方式によるガスクロマトグラフィーを用いるが、これに限定されるものではない。同法によれば0.01ppm程度までの測定が可能である。
【0012】
本発明において[B]の炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールとは、いわゆるY字型構造を持ち、かつ炭素数8〜15のアルキル基を持つアルコールのことで、主にオキソ法、チーグラー法などによる合成アルコールである。例えば2−エチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルオクタノールおよびノルマルパラフィン酸化法による炭素数12〜14の直鎖のアルキル基を持つソフタノール[株式会社日本触媒製]またはこれらの混合物等が挙げられる。水酸基はできるだけアルコール分子の中央部にあることが好ましい。炭素数の平均値が8未満または15を越えると、[A]の効果の発現を助長することができない。
【0013】
本発明において[B]の製造に用いる炭素数2〜3のアルキレンオキシドとしては、EO、POが挙げられる。付加モル数は2〜6、好ましくは3〜5である。アルキレンオキシドの付加モル数が2〜6モルの範囲を超えると[A]の塗工性改善効果の発現を助長することができない。アルキレンオキシドの付加重合の順序は特に限定されず、その重合形式もブロック、ランダム何れでもよい。
【0014】
本発明において静的表面張力とは、ジュヌーイ型表面張力計で測定する表面張力のことである。本発明の[B]の表面張力は、25℃、0.1質量%水溶液での測定で40mN/m以下、好ましくは38mN/m以下の値であることが望ましい。40mN/mを超える場合は[A]の効果の発現を助長することができない。
【0015】
本発明において[A]/[B]の比は質量に基づいて100/0〜90/10であり、好ましくは98/2〜92/8である。[B]が10を超えると[A]の効果の発現を妨げる。
【0016】
本発明において、付加重合反応は通常の条件下で実施されてよく、例えば温度は80〜130℃、好ましくは90〜110℃である。また、重合中の圧力(ゲージ圧)は0.8MPa以下、好ましくは0.5MPa以下である。
【0017】
本発明において、重合により得られる該重合体からの触媒除去の方法としては、例えば特公昭47−3745号公報に記載のように、酸性成分によりアルカリ性触媒を中和し、生じた塩を濾過除去する方法、特開昭53−123499号公報のアルカリ吸着剤を用いる方法、特公昭49−14359号公報の溶媒に溶かして水洗する方法、特開昭51−23211号公報のイオン交換樹脂を用いる方法、特公昭52−33000号公報のアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和し、生じた炭酸塩を濾過する方法などがあるが、そのいずれを用いても差し支えない。
【0018】
本発明のカーテン塗工液用添加剤組成物は動的表面張力低下能、界面が新たに形成された場合にごく短時間、例えば100分の1秒程度で所定(静的表面張力、ダイノメータ等のジュヌーイ型測定器で得られる測定値)の表面張力の約85〜90%の表面張力低下能を示すことができる。通常の界面活性剤では界面が新たに形成された場合10〜20秒経過しないと所定の値には達せず、1〜2秒では殆ど表面張力を低下させることができない。また、動的表面張力の測定法としてはバブルプレッシャー法が一般的であり、例えばクルス社製のBP2バブルプレッシャー動的表面張力計などがある。
【0019】
本発明のカーテン塗工液用添加剤組成物は非イオン性であり水に可溶性または易分散性のため、いずれのpH領域のカーテン塗工液にも任意の割合でかつ直接添加することが可能であり、またいかなるイオン性の塗料に添加してもショックによる擬似ゲル化等の不都合を生じることはない。
【0020】
カーテン塗工液は、1)クレイ、炭酸カルシウムなどの無機顔料、ポリスチレン系プラスチックピグメントなどの有機顔料、2)スチレンブタジエンラテックス、アクリル系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、ABSラテックス、NBRラテックス、CRラテックスなどのラテックス、3)澱粉等の粘度調整剤、酸化防止剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、防腐防黴剤、消泡剤、分散剤、香料、保水剤、流動特性改質剤などの各種添加剤および、4)分散媒である水からなるが、カーテン塗工液中の固形分量は通常40〜70質量%、本発明の添加剤組成物の添加量は0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜2質量%である。
【0021】
本発明の添加剤組成物を添加したカーテン塗工液はカーテンフローコーターにて公知の方法で紙に塗布できる。塗布後乾燥し必要に応じてスーパーカレンダーリングなどのカレンダーリング仕上げを行う。塗布温度は通常10〜60℃、乾燥温度は通常80〜150℃、スーパーカレンダーリングあるいはソフトニップカレンダーリングの温度は通常30〜160℃である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例や試験方法などにおける部は質量部を意味する。尚、評価結果は表1に記載した。
【0023】
[評価用カーテン塗工液の作成]
実施例、比較例に用いる塗工液の組成は下記のとおりとした。
重質炭酸カルシウム(カービタル90) 40部
1級カオリン(ウルトラホワイト90) 200部
2級カオリン(カオブライト) 80部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15) 80部
分散剤〔サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040〕 1部
SBRラテックス〔ジェイエスアール(株)製JSR0629〕 82部
燐酸エステル化澱粉 20部
本発明の添加剤組成物またはそれに替わるもの 8部
水 489部
合計 1000部
【0024】
[評価用カーテン塗工紙の作成]
カーテンフローコーターにて塗工速度1,200m/分、塗工量(乾燥時の坪量)15gの条件にて塗布、次いでカレンダー処理(130℃、1分間)を実施した。
【0025】
[塗工液カーテンの耐膜切れ性評価]
上記カーテン塗工液を用いてカーテン塗工する際に発生する膜切れの回数(1分間当たりの発生回数)をもって評価した。
【0026】
[平滑度の評価]
上記カーテン塗工液を用いて作成した評価用カーテン塗工紙をスムースター平滑度試験機(東英電子工業(株)製、形式SM−6A)を用いて平滑度を測定した。数字が小さいほど平滑性は高い。
【0027】
[印刷適性の評価]
上記の評価用カーテン塗工紙に、ローランドオフセット印刷機を使用し、湿し水が給水過多の条件と適正な条件で印刷し、12時間室温にて静置した。印刷適性評価はシアンの単色の網点の面積率が50%の印刷部について目視により評価した。評価は下記の4段階とした。
◎(優) :湿し水が給水過多の条件でも印刷ムラが発生しない。
○(良) :湿し水が給水過多の条件でごくわずかな印刷ムラが発生する。
△(可) :湿し水が給水過多の条件で比較的広い面積で印刷ムラが発生する。
×(不可):湿し水が適正な給水の条件でも広い面積で印刷ムラが発生する。
【0028】
製造例1
加熱、冷却、EO、PO等の滴下、攪拌可能な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの8モル464部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。10時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ベース−1(蔗糖/PO8モル)を合成した。
【0029】
製造例2
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム(試薬特級、以下同じ)3.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてBOの4モル288部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。5時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで90℃にてイオン交換水20部(以下、得られた重合物の1.5質量%とする)を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]68部(以下、得られた重合物の5.0質量%とする)を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いでヌッチェ/吸引瓶を用いて同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]で濾過して触媒を吸着除去する。さらにろ過物を減圧下120℃にて脱水処理して、蔗糖糖/PO8モル/BO4モル重合物、曇点59℃、DMF含有量1.5ppmのサンプル[A−1]を得て試験に供した。
【0030】
製造例3
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム6.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの32モル1856部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。11時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO40モル重合物、曇点44℃、DMF含有量0.7ppmのサンプル[A−2]を得て試験に供した。
【0031】
製造例4
製造例1と同様な耐圧反応容器にラフィノース(試薬特級)の1モル504部、DMF1000部を仕込み、乾燥窒素にて置換させる。次いで100℃にて攪拌しながら、POの30モル1740部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させ、さらにBOの3モル216部を0.2MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで減圧下同温度にてDMFを留去させ、ラフィノース/PO30モル/BO3モル重合物、曇点38℃、DMF含有量1.0ppmのサンプル[A−3]を得て試験に供した。
【0032】
製造例5
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、806部および水酸化カリウム14.5部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの87モル5046部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。14時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO95モル重合物、曇点32℃、DMF含有量0.4ppmのサンプル[A−4]を得て試験に供した。
【0033】
製造例6
製造例1と同様な耐圧反応容器にグラニュー糖の1モル342部、トリメチルアミン(有効成分70%の水溶液)5部を仕込み、乾燥窒素にて置換する。次いで100℃にて攪拌しながら、POの10モル580部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。15時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで水酸化カリウム8.0部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施後100℃にてPOの45モル2610部を0.5MPa以下に保ちつつ滴下させる。12時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO55モル重合物、曇点41℃のサンプル[A−5]を得て試験に供した。
【0034】
製造例7
ベース−1を製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO8モル重合物、曇点83℃、DMF含有量2.5ppmのサンプル[a−1]を得て試験に供した。
【0035】
製造例8
製造例1と同様な耐圧反応容器にベース−1の1モル、922部および水酸化カリウム17部を仕込み120℃にて減圧脱水を実施、次いで100℃にてPOの102モル5916部を0.4MPa以下に保ちつつ滴下させる。25時間同温度で攪拌したところ系内の圧力の低下が見られなくなった。次いで製造例2と同様な処理をして、蔗糖/PO110モル重合物、曇点26℃、DMF含有量0.3ppmのサンプル[a−2]を得て試験に供した。
【0036】
製造例9
製造例1と同様な反応容器にイソデシルアルコール[エクソン化学(株)製、EXXAL10]1モル153部に水酸化カリウム0.3部を加え、常温にて減圧下脱気の後POの2モル116部を110℃にて約4時間で、次いでEOの2モル88部を120〜130℃にて約2時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、イソデシルアルコール/PO2モル/EO2モル付加物のサンプル[B−1]を得た。表面張力は36mN/mであった。
【0037】
製造例10
製造例1と同様な反応容器にソフタノール30[(株)日本触媒製、炭素数12〜14の直鎖のアルキル基を持つ2級アルコールのEO3モル付加品]1モル335部に水酸化カリウム0.2部を加え、80℃にて減圧下脱気の後、POの2モル116部を100℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、ソフタノール/EO3モル/PO2モル付加物のサンプル[B−2]を得た。表面張力は33mN/mであった。
【0038】
製造例11
製造例1と同様な反応容器にn−ドデカノール1モル186部に水酸化カリウム0.4部を加え、100℃にて減圧下脱水の後、EOの3.5モル154部を130℃にて約3時間で付加重合させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、n−ドデカノール/EO3.5モル付加物のサンプル[b−1]を得た。表面張力は47mN/mであった。
【0039】
製造例12
製造例1と同様な反応容器に2−ブチルオクタノール1モル186部に水酸化カリウム0.8部を加え、常温にて減圧下脱気の後、POの3モル174部を100〜110℃にて約4時間で反応させた。次いでEOの7モル308部を120〜130℃にて約4時間で反応させた。次いで製造例1と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、2−ブチルオクタノール/PO3モル/EO7モル付加物のサンプル[b−2]を得た。表面張力は44mN/mであった。
【0040】
製造例13
製造例1と同様な反応容器に2−ブチルオクタノール1モル186部に水酸化カリウム0.8部を加え、常温にて減圧下脱気の後、POの3モル174部を100〜110℃にて約4時間で反応させた。次いでEOの5モル220部を120〜130℃にて約2時間で反応させた。さらにBOの2モル144部を120〜130℃にて約3時間で反応させた。次いで製造例1と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、2−ブチルオクタノール/PO3モル/EO5モル/BO2モル付加物のサンプル[b−3]を得た。表面張力は56mN/mであった。
【0041】
製造例14
製造例1と同様な反応容器にイソステアリルアルコール1モル270部に水酸化カリウム0.6部を加え、100℃にて減圧下脱水の後、EOの4.5モル198部を130℃にて約3時間で付加重合させた。次いで製造例2と同様にして触媒を吸着除去、脱水処理して、イソステアリルアルコール/EO4.5モル付加物のサンプル[b−4]を得た。表面張力は49mN/mであった。
【0042】
実施例1
[評価用カーテン塗工液の作成]で、本発明の添加剤組成物またはそれに替わるものとして、製造例−2作成のサンプル[A−1]8部を配合した塗工液を作成、これを用いて評価した。尚、サンプル[A−1]の動的表面張力、0.01秒値(以下、動的張力値と略記)は48.0mN/m、15秒値との差(以下、張力値の差と略記)は4.2mN/mであった。(以下、添加量が特に記載なき場合は同量添加とし、添加する組成物のサンプル名のみを記載する)
【0043】
実施例2
[A−2]/[B−1]=97/3の配合品を用いた。動的張力値は46.5mN/m、張力値の差は3.8mN/mであった。
【0044】
実施例3
[A−3]を用いた。動的張力値は43.6mN/m、張力値の差は3.2mN/mであった。
【0045】
実施例4
[A−5]/[B−2]=93/7の配合品を20部(塗工液中の添加量は約2%となる)用いた。動的張力値は44.8mN/m、張力値の差は4.2mN/mであった。
【0046】
実施例5
[A−1]/[A−4]/[B−2]=40/55/5の配合品を3部(塗工液中の添加量は約0.3%となる)用いた。動的張力値は47.2mN/m、張力値の差は3.5mN/mであった。
【0047】
実施例6
[A−3]/[A−5]/[B−1]/[B−2]=36/55/5/4の配合品を15部(塗工液中の添加量は約1.5%となる)用いた。動的張力値は49.8mN/m、張力値の差は4.9mN/mであった。
【0048】
比較例1
[a−1]/[b−1]=90/10を用いた。動的張力値は65.3mN/m、張力値の差は19.2mN/mであった。
【0049】
比較例2
[a−2]/[b−2]=95/5を用いた。動的張力値は65.5mN/m、張力値の差は10.2mN/mであった。
【0050】
比較例3
[A−1]/[B−1]=85/15の配合品を用いた。動的張力値は50.0mN/m、張力値の差は7.7mN/mであった。
【0051】
比較例4
[B−1]を用いた。動的張力値は71.5mN/m、張力値の差は34.5mN/mであった。
【0052】
比較例5
[a−1]/[b−3]=95/5を用いた。動的張力値は68.0mN/m、張力値の差は28.4mN/mであった。
【0053】
比較例6
[A−2]/[b−4]=95/5を用いた。動的張力値は50.8mN/m、張力値の差は5.6mN/mであった。
【0054】
比較例7
サンモリンOT−70[三洋化成工業(株)製、ジアルキルスルホコハク酸塩]を20部用いた。動的張力値は71.0mN/m、張力値の差は35.2mN/mであった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明によるカーテン塗工液用添加剤組成物は塗工液カーテンの膜切れを改善し、また別途に消泡剤を用いなくともピンホール等の紙欠陥のない良好な表面平滑性を与えることができ、かつ良好な印刷適性が得られるので有効である。また、本発明の製造方法は本カーテン塗工液用添加剤組成物を得るのに最適である。
Claims (10)
- 非還元性の二糖類および/または三糖類にプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを重合させた化合物[A]と、
炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシドを重合させた化合物[B]とからなり、
[A]がブチルジグリコール25%質量水溶液法での曇点が30〜60℃であり、
[A]/[B]が質量比で98/2〜92/8であり、
0.1質量%水溶液の25℃での動的表面張力が、0.01秒で50mN/m以下であるカーテン塗工液用添加剤組成物。 - [A]が非還元性の二糖類および/または三糖類にプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを10〜100モル重合させてなる請求項1 記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- [A]をなす非還元性の糖類が蔗糖である、請求項1又は2のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- [B]が炭素数8〜15の分岐アルキル基を有する一級モノアルコールまたは炭素数8〜15の直鎖アルキル基を有する二級モノアルコールに、炭素数2〜3のアルキレンオキシド2〜6モルを重合させた化合物で、0.1質量%水溶液、25℃での静的表面張力が40mN/m以下である、請求項1〜3のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- 0.1質量%水溶液の25℃での 0.01秒と10秒での動的表面張力の差が5mN/m以下である請求項1〜4のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- カーテン塗工液が印刷用紙用である、請求項1〜5のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- カーテン塗工液がアート紙、コート紙用である、請求項1〜6のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか記載の組成物を得る方法において、アルキルアミド類の共存下で非還元性の二糖類および/または三糖類に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを重合させることを特徴とするカーテン塗工液用添加剤組成物の製造方法。
- アルキルアミド類がN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドである、請求項8記載のカーテン塗工液用添加剤組成物の製造方法。
- [A]がアルキルアミド類を0.1ppm以上含有する、請求項1〜7のいずれか記載のカーテン塗工液用添加剤組成物。
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