JP3610506B2 - 消泡剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、消泡剤に関する。さらに詳しくは、抑泡持続性および初期破泡性を共に向上させた紙パルプ工業、食品工業、石油工業、繊維工業、塗料工業、化学工業、廃棄物処理などの工程および排水処理工程で利用できる消泡剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエーテル系消泡剤は、他種消泡剤に比較して様々な優れた性質を持っているので紙パルプ工業、食品工業、石油工業、繊維工業、塗料工業、化学工業、廃棄物処理など発泡をともなう工業に広く使用されている。
各種工業において発泡の原因となる物質を含む系に対し温度、PH、設備等の物理的あるいは化学的要因が加わり発泡を誘発し、製品品質の低下、生産効率の低下、原料のロスといった事態を招くことが度々ある。そこでこれらの問題解決のため必要に応じて消泡剤の添加がなされている。
【0003】
ポリエーテル系消泡剤として高級アルコールにアルキレンオキシドを付加させたものや更に脂肪酸などでエステル化したもの(特公昭50−5157号、特公昭49−38923号、特公昭50−1475号各公報)、ポリオキシアルキレンを脂肪酸でエステル化したもの(特公昭45−7973号公報)、またポリオキシアルキレンの金属塩にハロゲン化アルキルを反応させエーテル結合を形成させたもの(特開昭50−4282号、特開平2−289526号各公報)などが知られている。
【0004】
また、初期破泡性、抑泡持続性を向上させる目的でアルキレンオキシド被付加物質の種類、アルキレンオキシドの種類、アルキレンオキシドの付加する位置または量または順序などに工夫すべき点が特公昭41−7439号、特公平6−79642号、特開昭56−169583号、特開昭52−83408号、特開昭57−119807号、特開昭59−132908号、特開昭60−7908号、特開昭61−178005、特開昭61−293508号および特開昭62−250917号各公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アルキレンオキシドの種類、付加する位置、量または順序を変えて初期破泡性または抑泡持続性を改善する方法では、エチレンオキシドの分子全体に占める割合が大きい程、また、分子の末端に近づく程初期破泡性に優れたものとなる反面、抑泡持続性に劣る欠点があった。一方、エチレンオキシドの分子全体に占める割合が小さい程、また、分子の末端より遠い程、抑泡持続性に優れるが、初期破泡性に劣るという欠点があった。したがって、従来、初期破泡性および抑泡持続性の両者を同時に満足するポリエーテル系消泡剤を得ることは極めて困難であった。このように従来のポリエーテル系消泡剤は、初期破泡性と抑泡持続性のいずれかを改善しようとするものであり、これらを同時に改善し得るものはなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、抑泡持続性および初期破泡性を共に向上させた消泡剤を提供することを目的とするものである。すなわち、本発明の消泡剤組成物は、平均分子量が200〜7000である次式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とするものである。
(R1-W-)k R2 [-X-A-Y-R3(-Z-R4)m]n (1)
[式中、Aは炭素原子数2〜8のアルキレンオキシドの1種または2種以上のランダムおよび/またはブロック付加重合体、R1は炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上、R2は炭素原子数3〜11の多価アルコール、ポリカルボン酸またはオキシカルボン酸の反応残基、R3およびR4は水素原子または炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上を示す。kは1.5〜2.5、nは0.5〜2.5、mは0〜2を示す。ただし、m=0の場合はR3が水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基である。Xはエーテル結合またはエステル結合、W、YおよびZはエステル結合,エーテル結合またはウレタン結合の1種または2種以上を示す。または、R2が炭素原子数6〜24のモノヒドロキシ脂肪酸または1官能エポキシ化合物の反応残基であり、kは1、nは1であることを示す。ただし、同時に、W及びXがエステル結合、R 2 がオキシカルボン酸の反応残基、kが1、nが1になることはない。]
【0007】
式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物の平均分子量は200〜7000であり、好ましくは500〜5000である。200未満であると抑泡持続性が低下する。7000より大きいと初期破泡性が低下し、また、高粘度となり取扱の悪いものとなる。
【0008】
Aは、炭素原子数2〜8のアルキレンオキシドの1種または2種以上のランダムおよび/またはブロック付加重合体であり、アルキレンオキシドの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドである。
【0009】
アルキレンオキシドの炭素原子数は2〜8であり、好ましくは2〜4である。2未満または8より大きいと初期破泡性が低下する。
【0010】
R1は、炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上である。R1を形成できる化合物の具体例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、オクタデセニルアルコール、イソオクタデシルアルコール、エイコサニルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、ノニルフェノール、ジノニルフェノールなどのアルコール類、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、イソオクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、ナフテン酸、トール油脂肪酸などの有機酸、無水酢酸、無水プロピオン酸などの酸無水物、プロピオン酸クロリド、ベンゾイルクロリド、ステアリン酸ブロミドなどの酸ハロゲン化物、プロピオン酸エチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、大豆油、ヤシ油、ナタネ油、ヒマシ油、牛脂などのエステル化合物、メチルクロリド、プロピルブロミド、ブチルクロリド、オクチルブロミド、ラウリルクロリド、ミリスチルブロミド、セチルブロミド、ステアリルブロミド、メチレンクロリドなどのハロゲン化合物、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルテーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デカニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、エポキシヘキサン、エポキシヘプタン、エポキシトリデカン、エポキシペンタデカン、エポキシオクタデカンなどエポキシ化合物、プロピルイソシアナート、オクタデシルイソシアナートなどのイソシアナート化合物などが挙げられる。この他にジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジアゾメタンまたはジケテンなどが使用できる。
【0011】
R1の炭素原子数は24以下であり、好ましくは3〜18である。24より大きいと初期破泡性が低下する。
【0012】
R2は炭素原子数3〜11の多価アルコール、ポリカルボン酸またはオキシカルボン酸の反応残基であり、多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ヘキサントリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどが挙げられる。ポリカルボン酸の具体例としては、ブタンテトラカルボン酸などが挙げられ、オキシカルボン酸の具体例としては、リンゴ酸、ジメチロールブタン酸、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。なお、R2がグリセリル基またはポリグリセリル基である場合、グリセリンまたはポリグリセリンを反応の出発物質とできる他、グリシジルエーテル化合物またはグリセリン誘導体などまたはこれらの反応生成物を出発物質としてもよい。
【0013】
R2の炭素原子数は3〜11であり、好ましくは3〜6である。3未満であると初期破泡性および抑泡持続性が低下し、11より大きいと初期破泡性が低下する。
【0014】
R3は水素原子または炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上である。具体例としては、R1と同じものまたはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ヘキサントリオール、リンゴ酸、ジメチロールブタン酸などの反応残基が挙げられる。
【0015】
R3の炭素原子数は24以下であり、好ましくは18以下である。24より大きいと初期破泡性が低下する。
【0016】
R4は水素原子または炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上である。具体例としては、R1と同じものが挙げられる。
【0017】
R4の炭素原子数は24以下であり、好ましくは3〜18である。24より大きいと初期破泡性が低下する。
【0018】
kは、1.5〜2.5であり、好ましくは1.7〜2.3、特に好ましくは2である。1.5未満であると抑泡持続性が低下し、2.5より大きいと初期破泡性が低下する。なお、R2、R1の種類や合成ルートによりkは0、1、2、3、4などを含む統計学的分布となる場合があるが(実施例1、2、3、4、7、10、16、比較例5、7)、この場合kはこれらの平均値を示す。
【0019】
nは、0.5〜2.5であり、好ましくは0.7〜2.3、特に好ましくは1または2である。0.5未満であると初期破泡性が低下し、2.5より大きいと高粘度となり取扱の悪いものとなるばかりでなく抑泡持続性が低下する。なお、nはkと同様に統計学的分布となることがあるがこの場合これらの平均値を示す。
【0020】
mは、0〜2であり、2より大きいと高粘度となり取扱の悪いものとなるばかりでなく初期破泡性が低下する。ただし、m=0の場合はR3が水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基である。
【0021】
Xはエーテル結合またはエステル結合、W、YおよびZはエステル結合,エーテル結合またはウレタン結合の1種または2種以上である。
【0022】
R2は、前記したもののほかに、炭素原子数6〜24のモノヒドロキシ脂肪酸または1官能エポキシ化合物の反応残基でもよい。モノヒドロキシ脂肪酸の具体例としては、モノヒドロキシオクタデカン酸、モノヒドロキシオクタデセン酸などが挙げられ、1官能エポキシ化合物の具体例としては、スチレンオキシド、エポキシヘキサン、エポキシヘプタン、エポキシトリデカン、エポキシペンタデカン、エポキシオクタデカンなどが挙げられる。
【0023】
この場合、R2の炭素原子数は6〜24であり、好ましくは6〜18である。6未満であると初期破泡性および抑泡持続性が低下し、24より大きいと初期破泡性が低下する。
【0024】
この場合、kは1、nは1であり、R1、R3、R4、A、m、W、X、YおよびZは前記したR2の場合と同じである。
【0025】
本発明の消泡剤は、公知のエステル化反応、エーテル化反応、ウレタン化反応およびアルキレンオキシド付加反応で製造することができる。
【0026】
本発明の消泡剤の使用方法としては、連続添加、断続添加または泡測定器と消泡剤添加装置とを連動させた方法のいずれでもよく、1ケ所添加または多点添加のいずれでもよい。また、添加に際しては、適当な溶剤または水などで希釈してもよく、他の消泡剤と併用することもできる。本発明の消泡剤の添加濃度は発泡液に対して通常0.1〜5000ppmであるが、発泡液の種類、濃度、温度、または添加方法、添加場所などにより適宜決定する。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0028】
実施例1
グリセリン(46g、0.5モル)とオクタデセン酸(282g、1モル)および触媒としてパラトルエンスルホン酸(0.5g)を四つ口フラスコに入れ、系内を窒素置換しながら150℃まで加熱し、減圧、窒素気流下で攪拌しながら、この温度で5時間エステル化反応を行い、グリセリン(4モル%)、グリセリンのモノオクタデセン酸エステル(22モル%)、グリセリンのジオクタデセン酸エステル(44モル%)、グリセリンのトリオクタデセン酸エステル(30モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物の酸価は1.6mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
上記エステル混合物(329g、0.5モル)と水酸化カリウム(2g)とを撹拌式オートクレーブ内に仕込み、系内を窒素置換した後150〜160℃に昇温した。ついで、この温度で攪拌しながらこれにエチレンオキシド(66g、1.5モル)を2〜5Kg/cm2Gの圧力下で徐々に添加し、この温度で1時間攪拌を継続した後、120〜130℃でプロピレンオキシド(377g、6.5モル)を添加し、この温度でさらに5時間攪拌を継続し反応を完結させた。生成物にマグネシウムシリケート粉末を添加して80℃で吸着処理を行なって触媒を除去し、グリセリンのオクタデセン酸エステル混合物のエチレンオキシド3モル、プロピレンオキシド13モルのブロック付加体を730g得た。この付加体のヒドロキシル価は39.6mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:37.3mgKOH/g)であった。ついでパラトルエンスルホン酸(2g)と酢酸(30g、0.5モル)とを入れ窒素気流下100℃で5時間エステル化反応を行い本発明の消泡剤1を得た。得られた消泡剤1の酸価は1.9mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0029】
実施例2
グリセリン(46g、0.5モル)と水酸化ナトリウム粉末(100g)と冷却装置付きの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下、ヘキサデシルブロミド(305g、1モル)を40℃に保ちながら1時間で添加した。ついで反応混合物の温度を100℃に高め4時間攪拌し反応を完結させ、25℃以下に冷却した後固形分を濾別し、グリセリン(4モル%)、グリセリンのモノヘキサデシルエーテル(22モル%)、グリセリンのジヘキサデシルエーテル(44モル%)、グリセリンのトリヘキサデシルエーテル(30モル%)の混合物(モル%の算出はGPC分析による)を得た。この混合物のヒドロキシル価は123mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:103.9mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエーテル化合物であり炭素−臭素結合がないことを確認した。ついで実施例1と同様にしてエチレンオキシド(660g、15モル)とブチレンオキシド(136g、5モル)をランダム付加重合し反応触媒を吸着処理した後、パラトルエンスルホン酸(4g)を加えてから窒素気流下150℃でヒドロキシオクタデカン酸(150g、0.5モル)を2時間かけて徐々に加えさらにこの温度で3時間エステル化反応を行い本発明の消泡剤2を得た。得られた消泡剤2の酸価は2.6mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0030】
実施例3
グリセリン(46g、0.5モル)と触媒としてジブチル錫ジラウレート(0.2g)を四つ口フラスコに入れ、50℃で徐々にオクタデシルイソシアナート(295g、1モル)を加え反応させ、さらにこの温度で2時間攪拌を継続して反応を完結させ、グリセリン(4モル%)、グリセリンのモノオクタデシルカルバミン酸エステル(22モル%)、グリセリンのジオクタデシルカルバミン酸エステル(44モル%)、グリセリンのトリオクタデシルカルバミン酸エステル(30モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物のヒロドキシル価は84.1mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:82.3mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりウレタン化合物であることを確認した。ついで実施例1と同様にしてエチレンオキシド(198g、4.5モル)とプロピレンオキシド(870g、15モル)をブロック付加重合した後、粉末KOH(95g)を加えてアルコラートにした後60℃でジメチル硫酸(63g、0.5モル)を2時間かけて徐々に加えさらにこの温度で3時間攪拌しメトキシ化反応を行った。25℃以下に冷却し固形分を濾別した後マグネシウムシリケート粉末で触媒を吸着処理し、本発明の消泡剤3を得た。得られた消泡剤3のヒドロキシル価は1.3mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりウレタン化合物であることを確認した。
【0031】
実施例4
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム付加物(EO4/PO4)(408g、1モル)と触媒として三フッ化ホウ素エーテル錯体(6g)を冷却装置付きの四つ口フラスコに入れ、60℃でブチルグリシジルエーテル(131g、1モル)を2時間かけて徐々に添加し、さらに80℃まで昇温し3時間攪拌を継続して反応を完結させ、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム付加物(25モル%)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム付加物のブチルグリシジルエーテル一付加体(50モル%)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム付加物のブチルグリシジルエーテル二付加体(25モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物のエポキシ価は0.1mgKOH/g、ヒドロキシル価は84.5mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:83.7mgKOH/g)であった。ついで実施例1と同様にしてドデカン酸(200g、1モル)とヘキサデカン酸(256g、1モル)でエステル化を行い、本発明の消泡剤4を得た。消泡剤4の酸価は1.2mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0032】
実施例5
ポリエチレングリコール(EO13モル)ジグリシジルエーテル(359g、0.5モル)を冷却装置付きの四つ口フラスコに入れ、60℃でオクタデセン酸(282g、1モル)とオクタデカン酸(284g、1モル)を2時間かけて徐々に添加し、さらに80℃まで昇温し2時間攪拌を継続してエポキシ開環反応を完結させ、オクタデセン酸とオクタデカン酸の混合物のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル付加体を得た。この付加体のエポキシ価は0.2mgKOH/gであった。ついで窒素気流下150℃まで昇温し5時間エステル化を行い、本発明の消泡剤5を得た。得られた消泡剤5の酸価は5.6mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0033】
実施例6
実施例1と同様にして、ドデシルアルコール(186g、1モル)とリンゴ酸(67g、O.5モル)とをエステル化反応を行い、ついでプロピレンオキシド(580g、10モル)とエチレンオキシド(154g、3.5モル)をブロック付加重合させ本発明の消泡剤6を得た。得られた消泡剤6のヒドロキシル価は、30.2mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:28.9mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0034】
実施例7
実施例1と同様にして、オクタデセン酸(282g、1モル)とペンタエリスリトール(68g、0.5モル)をエステル化し、ペンタエリスリトール(6モル%)、ペンタエリスリトールのモノオクタデセン酸エステル(25モル%)、ペンタエリスリトールのジオクタデセン酸エステル(38モル%)、ペンタエリスリトールのトリオクタデセン酸エステル(25モル%)、ペンタエリスリトールのテトラオクタデセン酸エステル(6モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物の酸価は1.9mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
ついで実施例1と同様にして、エチレンオキシド(440g、10モル)を付加重合させた後、エチレンオキシド(880g、20モル)とブチレンオキシド(680g、10モル)とをランダム付加重合させ本発明の消泡剤7を得た。得られた消泡剤7のヒドロキシル価は、12.9mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:12.0mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0035】
実施例8
実施例4と同様にして、オクタデセン酸(282g、1モル)とブチルグリシジルエーテル(131g、1モル)とを反応させ、ついで実施例1と同様にしてエチレンオキシド(132g、3モル)を付加重合させ本発明の消泡剤8を得た。得られた消泡剤8のヒドロキシル価は104.2mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:102.9mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0036】
実施例9
実施例5と同様にして、ポリエチレングリコール(PO14モル)ジグリシジルエーテル(471g、0.5モル)とドデシルアルコール(200g、1モル)を反応させ、実施例1と同様にして、オクタデセン酸(282g、1モル)でエステル化し本発明の消泡剤9を得た。得られた消泡剤9の酸価は3.6mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0037】
実施例10
実施例1と同様にして、ドデシルアルコール(200g、1モル)とブタンテトラカルボン酸(117g、0.5モル)をエステル化し、ブタンテトラカルボン酸(6モル%)、ブタンテトラカルボン酸のモノデシルエステル(25モル%)、ブタンテトラカルボン酸のジデシルエステル(38モル%)、ブタンテトラカルボン酸のトリデシルエステル(25モル%)、ブタンテトラカルボン酸のテトラデシルエステル(6モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物の酸価は2.4mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
ついで実施例1と同様にして、プロピレンオキシド(870g、15モル)とエチレンオキシド(440g、10モル)をブロック付加重合し本発明の消泡剤10を得た。得られた消泡剤10のヒドロキシル価は18.9mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:17.4mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0038】
実施例11
実施例4と同様にして、オクタデシルグリシジルエーテル(163g、0.5モル)とモノオクタデシルグリセリルエーテル(164g、0.5モル)を反応させ、実施例1と同様にしてプロピレンオキシド(1160g、20モル)とエチレンオキシド(220g、5モル)をブロック付加重合させ本発明の消泡剤11を得た。得られた消泡剤11のヒドロキシル価は17.0mgKOH/g(理論ヒロドキシル価:16.4mgKOH/g)であった。
【0039】
実施例12
実施例1と同様にして、ジノニルフェノール(173g、0.5モル)にブチレンオキシド(1360g、20モル)とエチレンオキシド(396g、9モル)をブロック付加付加し、ヒドロキシオクタデセン酸(301g、1モル)でエステル化し本発明の消泡剤12を得た。得られた消泡剤12のヒドロキシル価は12.0mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:11.2mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0040】
実施例13
ポリエチレンオキシド(分子量400)(200g、0.5モル)とヒドロキシステアリン酸(602g、2モル)と触媒としてパラトルエンスルホン酸(4g)とを四つ口フラスコに入れ、系内を窒素置換しながら150℃まで加熱し、減圧、窒素気流下、この温度で5時間エステル化反応を行い本発明の消泡剤13を得た。得られた消泡剤13の酸価は2.2mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0041】
実施例14
実施例4と同様にして、エポキシオクタデカン(134g、0.5モル)とデシルアルコール(93g、0.5モル)を反応させ、ついで実施例1と同様にして、プロピレンオキシド(580g、10モル)とエチレンオキシド(132g、3モル)とをブロック付加重合しデシルオキシオクタデシルポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンエーテルを得た。この付加体のヒドロキシル価は62.3mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:59.7mgKOH/g)であった。ついで実施例3と同様にしてオクタデシルイソシアナート(148g、0.5モル)を反応させ本発明の消泡剤14を得た。得られた消泡剤14の赤外吸光分析によりウレタン化合物であることを確認した。
【0042】
実施例15
実施例4と同様にして、エポキシヘキサン(100g、1モル)とブタン酸(88g、1モル)を反応させ、ついで実施例1と同様にして、プロピレンオキシド(232g、4モル)とエチレンオキシド(88g、2モル)とをブロック付加重合し本発明の消泡剤15を得た。得られた消泡剤15のヒドロキシル価は113.3mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:110mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりエステル化合物であることを確認した。
【0043】
実施例16
実施例3と同様にして、オクタデシルイソシアナート(295g、1モル)とジグリセリン(83g、0.5モル)を反応させ、ジグリセリン(6モル%)、ジグリセリンのモノオクタデシルカルバミン酸エステル(25モル%)、ジグリセリンのジオクタデシルカルバミン酸エステル(38モル%)、ジグリセリンのトリオクタデシルカルバミン酸エステル(25モル%)、ジグリセリンのテトラオクタデシルカルバミン酸エステル(6モル%)の混合物を得た(モル%の算出はGPC分析による)。この混合物のヒドロキシル価は153mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:148mgKOH/g)であり、赤外吸光分析によりウレタン化合物であることを確認した。
ついで実施例1と同様にして、プロピレンオキシド(870g、15モル)とエチレンオキシド(220g、5モル)とをブロック付加重合し、ポリオキシアルキレン化合物を得た。この化合物のヒドロキシル価は77.9mgKOH/g(理論ヒドロキシル価:76.4mgKOH/g)であった。ついで実施例4と同様にして、オクタデシルジグリシジルエーテル(296g、1モル)を反応させた後、オクタデセン酸(282g、1モル)を反応させ本発明の消泡剤16を得た。得られた消泡剤16のヒドロキシル価は1.2mgKOH/gであり、赤外吸光分析によりエステル結合およびウレタン結合を有する化合物であることを確認した。
【0044】
実施例17
消泡剤4[50部]、消泡剤8[30部]およびポリオキシプロピレン(29モル)ブチルエーテル[20部]を羽根型攪拌機にて30℃で1時間攪拌混合して本発明の消泡剤17を得た。
【0045】
上記の方法で調製した実施例1〜16を表1に示した。また、実施例と同様にして調製した比較例1〜8を表2に示した。なお、実施例1、2、3、7、10、16、比較例5、7で得られた消泡剤については含有量の最も多い化合物のみを、k、nは得られた消泡剤の平均値を示し、また実施例4で得られた消泡剤については含有量の最も多い化合物のみとそのk、nの値を示した。
実施例1〜17および比較例1〜8の消泡性能を以下の方法により評価した。その結果を表3に示した。
【0046】
消泡性能試験方法
ガラス製発泡管に発泡性試験水を500ml入れ、37℃に保持し、循環ポンプを用いて発泡管の底部から試験水を流量2000ml/分で抜きながら、発泡管上部より試験水面へ落下させることにより、試験水を発泡させる。試験液の循環により泡高さが100mmに達したとき1μl(2ppm)の消泡剤(実施例1〜17、比較例1〜8)を添加し、最も泡面が低下した時間とその最低泡高さを記録して、さらに5分後の泡高さを記録した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】
本発明の消泡剤は、抑泡持続性および初期破泡性を共に向上させることができ、特に速効性の要求される高発泡液で極めて優れた消泡性能を発揮するため、紙パルプ工業、食品工業、石油工業、繊維工業、塗料工業、化学工業、廃棄物処理などの工程および排水処理工程用の消泡剤として好適である。
Claims (2)
- 平均分子量が200〜7000である次式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする消泡剤。
(R1-W-)k R2 [-X-A-Y-R3(-Z-R4)m]n (1)
[式中、Aは炭素原子数2〜8のアルキレンオキシドの1種または2種以上のランダムおよび/またはブロック付加重合体、R1は炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上、R2は炭素原子数3〜11の多価アルコール、ポリカルボン酸またはオキシカルボン酸の反応残基、R3およびR4は水素原子または炭素原子数24以下の有機基の1種または2種以上を示す。kは1.5〜2.5、nは0.5〜2.5、mは0〜2を示す。ただし、m=0の場合はR3が水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基である。Xはエーテル結合またはエステル結合、W、YおよびZはエステル結合,エーテル結合またはウレタン結合の1種または2種以上を示す。ただし、同時に、W及びXがエステル結合、R 2 がオキシカルボン酸の反応残基、kが1、nが1になることはない。] - R2が炭素原子数6〜24の 1官能エポキシ化合物の反応残基であり、kは1、nは1である請求項1記載の消泡剤。
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