JP3609563B2 - 広視野偏光板 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、良視認の視角範囲が広い液晶表示装置を形成しうる広視野偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
低電圧、低消費電力でIC回路と直結でき、表示機能が多様で軽量性等に優れるなどの多くの特長に着目されてワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等のOA機器やテレビジョン、カーナビゲーションモニタや航空機コックピット用モニタなどの種々の表示手段として液晶表示装置が広く普及しているが、CRTに比べて良視認の視角範囲の狭さが指摘されて久しい。
【0003】
前記視角範囲の狭さは、液晶に特有の光学的異方性が視認性の視野角特性に影響して、偏光層を介して液晶セルに入射した直線偏光が楕円偏光化したり、方位角が変化することに原因があると考えられている。すなわち、液晶セルを透過した当該偏光状態の表示光をそのまま視認側の偏光層に入射させると、視野角すなわち正面(垂直)方向を基準とした見る角度の増大に伴い透過率が低下して表示明度が不足したり、階調が反転したり、着色化等の色変化を生じるなどの視認性の低下を招くものと考えられている。
【0004】
従来、液晶表示装置の良視認領域の拡大方法、すなわち視角範囲の拡大方法としては、位相差板を用いる方法が知られており、その位相差板として種々のものが提案されている(特開平4−229828号公報、特開平4−258923号公報、特開平6−75116公報、特開平6−174920公報、特開平6−222213公報)。しかしながらいずれの場合にも、良視認の視角範囲の拡大性の点で改善効果に乏しく満足できるものではなかった。
【0005】
【発明の技術的課題】
本発明は、液晶セルに対して配置する偏光層を改善することにより、液晶表示装置における良視認領域を拡大することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は、偏光層の片側に、遅相軸方向の屈折率をns、進相軸方向の屈折率をnf、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をdとして、式:(ns−nz)dで定義される厚さ方向位相差が300nm以下で、式:(ns−nf)dで定義される面内位相差が20nm以下の複屈折層Aと、当該面内位相差が50〜200nmで、式:(ns−nz)/(ns−nf)で定義されるNzが0.8〜3.5の複屈折層Bとを有し、かつその複屈折層Bの遅相軸と前記偏光層の透過軸とが平行関係又は直交関係にあることを特徴とする広視野偏光板を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】
複屈折層Aと複屈折層Bからなる重畳複屈折層を偏光層の片側に配置し、かつ偏光層の透過軸と複屈折層Bの遅相軸を平行関係又は直交関係とした上記の構成により、偏光層面に垂直な正面方向では各複屈折層の位相差の影響を受けずに輝度やコントラストの低下を防止でき、かつ複屈折層A,Bを介し液晶セルの複屈折性による直線偏光の状態変化を補償して、着色化等の色変化や階調反転がなくてコントラストや明るさに優れる良視認性の領域を拡大でき、視角範囲の広い液晶表示装置を得ることができる。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明の広視野偏光板は、偏光層の片側に、遅相軸方向の屈折率をns、進相軸方向の屈折率をnf、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をdとして、式:(ns−nz)dで定義される厚さ方向位相差が300nm以下で、式:(ns−nf)dで定義される面内位相差が20nm以下の複屈折層Aと、当該面内位相差が50〜200nmで、式:(ns−nz)/(ns−nf)で定義されるNzが0.8〜3.5の複屈折層Bとを有し、かつその複屈折層Bの遅相軸と前記偏光層の透過軸とが平行関係又は直交関係にあるものである。その例を図1、図2に示した。1が偏光層、3が複屈折層A31と複屈折層B32からなる重畳複屈折層であり、矢印が透過軸、遅相軸の方向を表している。なお2は、接着剤層である。
【0009】
偏光層としては、所定の偏光状態の光を得ることができる適宜なものを用いうる。就中、直線偏光状態の透過光を得ることのできるものが好ましい。その例としては、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム等からなる偏光フィルムなどがあげられる。
【0010】
偏光層、就中、偏光フィルムは、その片側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。その場合、透明保護層に所定の複屈折特性を示すものを用いて本発明における複屈折層A又はBを兼ねさせることもできる。また偏光層は、反射層を有する反射型のものであってもよい。反射型の偏光層は、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。
【0011】
透明保護層は、プラスチックの塗布層や保護フィルムの積層物などとして適宜に形成でき、その形成には透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるプラスチックなどが好ましく用いうる。その例としては、ポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。透明保護層は、微粒子の含有によりその表面が微細凹凸構造に形成されていてもよい。
【0012】
反射型偏光層の形成は、必要に応じ透明樹脂層等を介して偏光層の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式で行うことができる。その具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルム等の透明樹脂層の片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設したものや、前記透明樹脂層の微粒子含有による表面微細凹凸構造の上に蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属反射層を付設したものなどがあげられる。
【0013】
複屈折層A,Bとしては、複屈折による所定の位相差等を示す適宜なものを用いうる。就中、光透過性の各種フィルムを延伸処理等により複屈折性を付与したものや、液晶ポリマーの配向膜、あるいは基材の配向膜上等に液晶ポリマー等の異方性材料を配向させたものなどが好ましく用いうる。特に、光透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上の透光性に優れるフィルムに複屈折性を付与したものが好ましい。
【0014】
前記の透光性フィルムとしては、ポリカーボネートやポリアリレート、ポリスルホンやポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホンやポリビニルアルコール、ポリエチレンないしポリプロピレンの如きポリオレフィンやトリアセチルセルロースの如きセルロース系ポリマー、ポリスチレンやポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるフィルムが特に好ましい。
【0015】
透光性フィルムに複屈折性を付与する配向処理は、例えば自由端又は固定端による一軸延伸処理や二軸延伸処理などの適宜な方式で行うことができる。本発明にては、厚さ方向に配向したフィルムや、その厚さ方向の主屈折率の方向がフィルムの法線方向に対して傾斜したものなども複屈折層の形成に用いうる。延伸方式や延伸条件等の配向処理条件の制御、形成材料の変更などにより複屈折による位相差特性を調節でき、本発明に用いうる複屈折層を形成することができる。また本発明で用いる複屈折層A,Bは、複数の位相差板を積層して所定の位相差特性を示すように形成されたものであってもよい。
【0016】
本発明において偏光層の片側に配置する複屈折層は、複屈折層Aと複屈折層Bの重畳複屈折層にて形成され、その複屈折層Aは、厚さ方向位相差が300nm以下で面内位相差が20nm以下のものとされる。また複屈折層Bは、面内位相差が50〜200nmでNzが0.8〜3.5のものとされ、かつ複屈折層Bはその遅相軸が偏光層の透過軸と平行関係又は直交関係となるように配置される。なお前記の厚さ方向位相差は、遅相軸方向の屈折率をns、進相軸方向の屈折率をnf、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をdとして、式:(ns−nz)dで定義される。また面内位相差(△nd)は、式:(ns−nf)dで定義され、Nzは、式:(ns−nz)/(ns−nf)で定義される。各屈折率は、ナトリウムD線に基づく。
【0017】
前記において、偏光層の透過軸に対する複屈折層Bの遅相軸の平行関係又は直交関係による配置は、上記したように正面方向における各複屈折層の位相差の影響を防止して輝度やコントラストの低下の回避を目的とする。また複屈折層の重畳化は、前記の平行又は直交関係の配置状態において、視角が正面方向よりズレた場合に複屈折層Bの遅相軸方向が変化して当該平行関係又は直交関係にズレが生じ、そのズレ量に応じて複屈折層の光学異方性が発現することから、複屈折層A及び複屈折層Bの面内位相差とNzに基づいて前記した遅相軸の変化量を制御し、複屈折層における光学異方性の発現量の調節を目的とする。
【0018】
すなわち前記は、複屈折層Bの面内位相差とNzを最適化しつつ、面内位相差が可及的に少ない複屈折層Aを介して厚さ方向位相差を制御することが良視認の視角範囲拡大に有利であることを意味する。良視認の視角範囲拡大の点より好ましい複屈折層Aは、面内位相差が18nm以下、就中15nm以下、特に0〜10nmで、厚さ方向位相差が250nm以下、就中220nm以下、特に30〜200nmのものである。面内位相差が20nmを超える複屈折層A、又は厚さ方向位相差が300nmを超える複屈折層Aでは、前記した遅相軸変化の制御性に乏しくて良視認の視角範囲の拡大力に乏しくなる。
【0019】
また良視認の視角範囲拡大の点より好ましい複屈折層Bは、面内位相差が60〜190nm、就中80〜170nm、特に100〜140nmで、Nzが3.3以下、就中3.0以下、特に2.8以下のものである。その面内位相差が50nm未満では視角の変化に対する補償効果に乏しい場合があり、200nmを超えると複屈折率差の波長分散で着色化等の色変化を生じる場合がある。またNzが0.8未満や3.5を超える値では、視角による遅相軸の変化が大きくなって補償できる視角範囲が狭くなり、広視野角化が困難となる。
【0020】
偏光層に対する複屈折層A,Bの配置順序は任意であるが、得られる広視野偏光板の薄型化等の点よりは、図例の如く複屈折層A31を偏光層側として偏光層1の透明保護層を兼ねさせたものが好ましい。その場合、複屈折層Aの形成には位相差特性等の点よりトリアセチルセルロースフィルムが特に好ましく用いられる。なお複屈折層A,Bの厚さは、上記の如く面内位相差と関係することから目的とする位相差特性などにより適宜に決定できるが、一般には5〜500μm、就中10〜350μm、特に20〜200μmとされる。
【0021】
本発明の広視野偏光板は、液晶セルの複屈折による視角特性の補償に好ましく用いうるが、その形成は液晶表示装置の製造過程で複屈折層A,Bと偏光層を順次別個に積層する方式や、予め複屈折層Aと複屈折層Bと偏光層の適宜な組合せからなる2層又は3層の積層物としてそれを用いる方式などの適宜な方式で行うことができる。後者の事前積層化方式が、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置の製造効率を向上させうる利点などがある。
【0022】
偏光層の片側への複屈折層Bの積層配置等に際しては、その偏光層の透過軸と複屈折層Bの遅相軸とが平行関係又は直交関係となるように行われるが、その平行関係又は直交関係は厳密な意味での平行又は直交状態に限定されず、作業上の配置誤差などは許容される。また透過軸や遅相軸の方向にバラツキがある場合などには全体としての平均方向に基づいて平行関係又は直交関係に配置される。
【0023】
上記において、偏光層と複屈折層A,Bの積層に際しては、必要に応じ接着剤等を介して固定することができる。軸関係のズレ防止等の点よりは接着固定することが好ましい。接着には、例えばアクリル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やゴム系等の透明な感圧接着剤などの適宜な接着剤を用いることができ、その種類については特に限定はない。光学特性の変化を防止する点などよりは、硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものが望ましい。また加熱や加湿条件下に剥離等を生じないものが好ましい。
【0024】
かかる点より、(メタ)アクリル酸ブチルや(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルや(メタ)アクリル酸の如きモノマーを成分とする重量平均分子量が10万以上で、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系ポリマーからなるアクリル系感圧接着剤が特に好ましく用いうる。またアクリル系感圧接着剤は、透明性や耐候性や耐熱性などに優れる点よりも好ましい。なお屈折率が異なるものを積層する場合には、反射損の抑制などの点より中間の屈折率を有する接着剤等が好ましく用いられる。
【0025】
接着剤には、必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また微粒子を含有させて光拡散性を示す接着剤層とすることもできる。
【0026】
なお上記した偏光層や複屈折層A,B、透明保護層や接着剤層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
【0027】
本発明の広視野偏光板を用いての液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光層と光学補償を目的とした複屈折層、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては当該広視野偏光板を液晶セルの少なくとも片側に設ける点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
【0028】
従って、液晶セルの片側又は両側に広視野偏光板を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、複屈折層A,Bは液晶セルと偏光層との間、特に視認側の偏光層との間に配置することが補償効果の点などより好ましい。なお広視野偏光板の実用に際しては、液晶表示装置を形成するための他の光学素子等との積層物などの適宜な形態で用いることができる。
【0029】
図3、図4に広視野偏光板を用いた液晶表示装置の構成例を示した。4が液晶セル、5がバックライトシステム、6が反射層である。なお7は光拡散板である。図3のものは両側に広視野偏光板を配置したバックライト型照明システムのものであり、図4のものは片側にのみ広視野偏光板を配置した反射型照明システムのものである。
【0030】
前記において液晶表示装置の形成部品は、積層一体化状態又は適宜な分離状態にあってよい。また液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板やアンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板などの適宜な光学素子を適宜に配置することができる。本発明の広視野偏光板は、TN型やSTN型等の複屈折を示す液晶セルを用いたTFT型やMIM型等の種々の表示装置に好ましく用いうる。
【0031】
【実施例】
実施例1
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で5倍に延伸処理したのち乾燥させて得た偏光フィルムの片面に、厚さ15μmのポリビニルアルコール系接着剤層を介して、トリアセチルセルロースフィルムの二軸延伸物からなる△nd:6nm(Nz:10)、厚さ方向位相差60nmの複屈折フィルムAを接着し、かつその上に厚さ20μmのアクリル系粘着層を介して、厚さ60μmのポリカーボネートフィルムを160℃の雰囲気下、周速の異なるロール間を通過させて1.08倍に延伸処理して得た△nd:115nm、Nz:1.0の複屈折フィルムBを接着して広視野偏光板を得た。なお接着処理は、偏光フィルムの透過軸と複屈折フィルムBの遅相軸が平行関係となるように行った。
【0032】
実施例2
複屈折フィルムBとして、厚さ60μmのポリカーボネートフィルムを160℃の雰囲気下、二軸延伸処理して得た△nd:80nm、Nz:2.0のものを用いたほかは、実施例1に準じて広視野偏光板を得た。
【0033】
比較例1
実施例1に準じて得た偏光フィルムのみを用いた。
【0034】
比較例2
複屈折フィルムAの外側に、アクリル系粘着層と複屈折フィルムBを有しない形態としたほかは、実施例1に準じて偏光板を得た。
【0035】
比較例3
複屈折フィルムAを用いずに、偏光フィルムと複屈折フィルムBをアクリル系粘着層を介して直接接着したほかは、実施例1に準じて偏光板を得た。
【0036】
比較例4
複屈折フィルムBとして、厚さ60μmのポリカーボネートフィルムを160℃の雰囲気下、周速の異なるロール間を通過させて1.15倍に延伸処理して得た△nd:350nm、Nz:1.0のものを用いたほかは、実施例1に準じて偏光板を得た。
【0037】
比較例5
複屈折フィルムBとして、厚さ60μmのポリカーボネートフィルムを160℃の雰囲気下、周速の異なるロール間を通過させて1.03倍に延伸処理して得た△nd:40nm、Nz:1.0のものを用いたほかは、実施例1に準じて偏光板を得た。
【0038】
比較例6
複屈折フィルムAとして、厚さ60μmのポリカーボネートフィルムを160℃の雰囲気下に二軸延伸処理して得た△nd:20nm、厚さ方向位相差350nmのものを用いたほかは、実施例1に準じて偏光板を得た。
【0039】
評価試験
実施例、比較例で得た(広視野)偏光板をTFT型液晶セルの両側(フロント/リア)に配置し、黒つぶれ(表示の黒色化)や白呆け(表示の白色化)によるコントラストの低下及び階調の反転を生じない良視認を示す左右方向及び上下方向の視角範囲を調べた。
【0040】
前記の結果を次表に示した。
【0041】
表より、実施例と偏光フィルムのみの比較例1との対比より、左右の視角範囲が格段に改善されており、上下方向の視角範囲も若干改善されていることがわかる。また比較例2〜6との対比より、所定の複屈折特性を満足する層を重畳化することが視角範囲の拡大に有利であることがわかる。なお実施例と比較例1における視認不良は、階調の反転による。
【図面の簡単な説明】
【図1】広視野偏光板例の部分断面斜視図
【図2】他の広視野偏光板例の部分断面斜視図
【図3】液晶表示装置例の断面図
【図4】他の液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】
1:偏光層
2:接着剤層
3:重畳複屈折層
31:複屈折層A
32:複屈折層B
4:液晶セル
Claims (5)
- 偏光層の片側に、遅相軸方向の屈折率をns、進相軸方向の屈折率をnf、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をdとして、式:(ns−nz)dで定義される厚さ方向位相差が300nm以下で、式:(ns−nf)dで定義される面内位相差が20nm以下の複屈折層Aと、当該面内位相差が50〜200nmで、式:(ns−nz)/(ns−nf)で定義されるNzが0.8〜3.5の複屈折層Bとを有し、かつその複屈折層Bの遅相軸と前記偏光層の透過軸とが平行関係又は直交関係にあることを特徴とする広視野偏光板。
- 請求項1において、複屈折層Aが偏光層の透明保護層を兼ねるものである広視野偏光板。
- 請求項1又は2において、複屈折層A、複屈折層B及び偏光層の一部又は全部が高分子フィルムからなる広視野偏光板。
- 請求項1〜3において、複屈折層Aがトリアセチルセルロースからなる広視野偏光板。
- 請求項1〜4に記載の広視野偏光板を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置。
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