JP3608421B2 - 変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定停止条件成立時のエンジン自動停止と、所定の始動条件成立時のエンジン自動始動とを実行することにより、燃料を節約したり、排気エミッションを低減させるエンジン自動停止始動装置を備えた変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行時に、例えば交差点等で自動車が停車した場合、所定の停止条件下でエンジンを自動停止させ、その後、所定の始動条件下、例えばアクセルペダルを踏み込んだときに、エンジンを再始動させることにより、燃料を節約したり、排気エミッションを低減させるエンジン自動停止始動装置が例えば特開昭60−125738号などで知られている。
【0003】
一方、近年の自動車ではオートマチックトランスミッション(自動変速機)を備えるものが多くなっており、前記エンジン自動停止始動装置も自動変速機を備えた自動車に設けることが一般的である。また、自動クラッチ式のマニュアルトランスミッションも知られている。これら変速機が油圧式の場合、変速機に油圧を供給するオイルポンプ(油圧ポンプ)が設けられ、しかもそのオイルポンプはエンジンによって駆動されることから、前記エンジン自動停止始動装置によるエンジン停止・始動制御において次のような問題が生じる。
【0004】
すなわち、シフトポジションがD(ドライブ)ポジションで、自動停止始動装置によってエンジンが停止すると、これまでエンジンの駆動力で作動していたオイルポンプが停止してしまうので、当然に変速機の作動のための油圧が低下してしまう。したがって変速機の前進クラッチや変速比を油圧で切り換えるクラッチ・ブレーキも、一旦解放状態となってしまう。
【0005】
この状態からアクセルペダルを踏み込むことにより、エンジンの再始動条件が満足されると、エンジンが始動回転し始め、変速機のオイルポンプの吐出圧が徐々に上昇する。そして、Dポジションであるため作動油圧が十分になった時点で、前記前進クラッチが元通り係合して例えば1速になる。クラッチが係合することとは、すなわち、油路から抜けたオイルが再び油路を通って供給されることであり、クラッチ係合までには、エンジンが回転し始めてから多少の時間を要する。例えば、クラッチが係合するまでにはアクセルペダルが踏まれている場合はエンジンは高い回転数に達しており、前進クラッチの係合の瞬間に係合ショックが発生する可能性がある。また、前進クラッチの係合ショックによりクラッチの耐久性を低下させる可能性があった。
【0006】
このようなクラッチの係合ショックは、シフトポジションがN(ニュートラル)ポジションでエンジンが自動停止し、その後Dポジションに移動することによってエンジンが再始動する場合にも起こり得、エンジン回転数がクラッチの係合前に高い程当然クラッチ係合ショックも大きくなる。
【0007】
そこで、特開平8−14076号では、エンジンが停止してオイルポンプにより油圧が供給されなくなっても、逆止弁とアキュムレータとにより、クラッチの係合用のAT油圧ユニットの油圧を維持し、エンジンの再始動前に、変速機を発進状態にして、エンジン始動前に変速機の前進クラッチを係合し、エンジンが再始動された場合に、変速機のクラッチの係合ショックを防止する技術を提示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジン自動停止始動装置により、エンジンが停止した後、何らかの理由により、変速機の油圧系統に障害が生じたとき、エンジン再始動の際にエンジンのみが極めて早く復帰し、変速機におけるクラッチやブレーキの係合が遅れあるいは係合が行われないこととなり、円滑な発進時制御を行うことができないおそれがある。
【0009】
本発明は、このような問題を回避しうる変速機の制御装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下のような手段を採用した。
【0011】
すなわち、本発明では、所定条件でエンジンを自動停止・再始動する自動停止始動装置を備え、エンジンの再始動時に変速機の所定クラッチを流体圧で係合させる変速機の制御装置において、エンジンの再始動時に所定のクラッチを速やかに係合させるための流体圧の急速増圧手段と、前記急速増圧手段による急速増圧が可能か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により急速増圧が不可と判断された場合、前記自動停止始動装置の制御を中止する中止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記急速増圧手段は、所定クラッチへの流体圧経路中に設けた絞りの絞り度を一時的に開く手段を例示できる。
【0013】
また、前記所定クラッチへの流体圧経路に、絞り通路が設けられている場合、前記急速増圧手段として、絞り通路を迂回するバイパス通路と、エンジン再始動時に所定クラッチへの流体圧経路を、絞り通路からバイパス通路に切り換える切換手段とを含む手段を例示できる。
【0014】
さらに、前記流体圧経路が、オイルポンプからの制御流体圧を所定圧に調整する調圧手段を介して前記前進クラッチへと制御流体圧を供給する流体圧経路である場合、前記急速増圧手段として、エンジンの再始動時に前記調圧手段による調圧値を増加させる昇圧手段とすることが例示できる。
【0015】
また、前記判定手段は、前記自動停止始動装置によるエンジンの自動停止前、自動停止後のいずれにかかわらず、前記急速増圧手段による急速増圧が可能か否かを判定することができる。
【0016】
さらに、前記中止手段は、前記判定手段によりエンジンの自動停止前に急速増圧不可と判定された場合、エンジンの自動停止制御を行わず、前記判定手段によりエンジンの自動停止中に急速増圧不可と判定された場合、エンジンの自動停止制御を中止してエンジンの再始動をするようにすることができる。
【0017】
以上の構成に加えて、車輪の回転を止めるヒルホールド制御手段を備え、このヒルホールド制御手段は、エンジン停止中にヒルホールドを実施し、前記判定手段により急速増圧不可と判定されて前記中止手段がエンジンを始動した場合は、ヒルホールドを維持し、アクセルがオンされたときヒルホールドを解除するようにすることが好ましい。
【0018】
また、エンジン停止中に、急速増圧不可と判定されエンジンを再始動した場合であって、アクセルがオンされたときエンジントルクを下げるトルク制御手段を備えることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を図面を参照して説明する。
<システム構成概要>
図1は、本発明に係る装置の全体像を示す構成図である。図1に示したように、内燃機関(以下、エンジンという)1には、自動変速機(オートマチックトランスミッション:A/Tと記す)2が連結されているとともに、モータおよび発電機として機能するモータ・ジェネレータ(以下M/Gと記す)3が連結されている。このM/G3はエンジン1のクランク軸にプーリ23、ベルト8、プーリ22を介して連結されている。プーリ23とクランク軸の間には動力の伝達・非伝達の切換が可能な電磁クラッチ26が設けられている。
【0020】
さらに、エンジンの動力で駆動される補機類として、例えばパワーステアリング用のポンプ11、エアコン用のコンプレッサ16が設けられており、それぞれエンジン1のクランク軸およびM/G3とはプーリ9、14とベルト8によって連結されている。なお、図示していないが、補機類としては前記の他にエンジン用のオイルポンプ、エンジンの冷却用のウォータポンブ等も連結されている。前記M/G3には、インバータ4が電気的に接続されている。このインバータ4は電力源であるバッテリー5からM/G3へと供給される電力をスイッチングにより可変にしてM/G3の回転数を可変にする。また、M/G3からバッテリー5への電気エネルギーの充電を行うように切替える。
【0021】
さらに、エンジンの制御の他、前記電磁クラッチ26、27の断続の制御、およびインバータ4のスイッチング制御をおこなうため、コンピュータよりなるコントローラ(ECU)7が設けられ、このコントローラ(ECU)7へは入力信号としてM/G3の回転数、エアコン作動のスイッチ信号が入力される。
【0022】
コントローラ(ECU)7には、さらに、クランク角センサ、冷却水温センサ、吸気圧センサ、アクセルセンサ(スロットル開度センサ)、ブレーキペダルセンサ、空燃比センサ、燃圧センサなどからの検出信号が入力されるようになっている。
【0023】
前記コントローラは、中央処理装置(CPU)の他に、制御プログラムを記憶したROM、演算結果等を書き込むRAM、データのバックアップを行うバックアップRAMなどを備えている。これらはバスで接続されている。
<自動変速機>
図2に示したように、前記自動変速機2はエンジンの動力を介して駆動輪に伝達するため、エンジンの動力を駆動輪に直結されたポンプインペラ302の回転によって流体の運動エネルギに変換し、この流体の流れによる運動エネルギをステータ304を介してタービンランナ303に伝え、出力軸を回転させて動力を伝えるトルクコンバータ301と、このトルクコンバータ301により伝達された駆動力を車両に必要な駆動力に変換する変速機とを備えている。
なお、トルクコンバータ301は、ロックアップクラッチ305を備え、車速が一定以上になると、エンジンの出力軸とトルクコンバータの出力軸とを直結するようになっている。
【0024】
次いで、前記タービンランナ303に接続された出力軸には、変速機の入力軸28(インプットシャフト)が連結されている。この変速機は、歯車列を備え、通常、遊星歯車機構、クラッチ、ブレーキ等を組合わせ、複数の変速段と、前進・後進の選択を行っている。以下、その詳細を図2に従い説明する。
図2は上記の自動変速機2の歯車列の一例を示す図であり、ここに示す構成では、前進4段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。そして、前記トルクコンバータ301のタービンハブ306に連結した変速機の入力軸28は、前進クラッチC1を介して第1の遊星歯車機構29のサンギヤ31に連結されている。
【0025】
この第1の遊星歯車機構29は、リングギヤ32と、このリングギヤ32の中心に配置されたサンギヤ31と、このサンギヤ31と前記リングギヤ32との間に配置され、キャリヤ30によって保持されたピニオンギヤとを有し、ピニオンギヤがサンギヤ31とリングギヤ32とに噛合しつつサンギヤ31の周囲を相対回転する構成である。
【0026】
一方、前記変速機の入力軸28は、C2クラッチを介して第2の遊星歯車装置40のキャリヤ42に連結され、かつ、C3クラッチを介して第2の遊星歯車装置40のサンギヤ41に連結されている。そして、第2の遊星歯車装置40のリングギヤ43と第1の遊星歯車装置29のキャリヤ30とが連結されている。
【0027】
また、第2の遊星歯車装置40のサンギヤ41の回転を止めるバンドブレーキB1がサンギヤ41とケーシング66との間に設けられている。さらに、サンギヤ41とケーシング66との間に、一方向クラッチF1を介して、選択的にサンギヤ41の回転を止めるバンドブレーキB2が設けられている。
【0028】
また、ケーシング66と、第1の遊星歯車装置29のリングギヤ32および第2の遊星歯車装置40のキャリヤ42との間に、一方向クラッチF2とバンドブレーキB3とが並列に設けられている。
【0029】
そして、入力軸28を介して入力されたエンジン出力は、最終的には第1の遊星歯車装置29のキャリヤ30に連結された出力軸65から出力され、駆動車輪に伝達される。
【0030】
上記の自動変速機2では、各クラッチやブレーキを図3の作動表に示すように係合・解放することにより前進4段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図3において○印は係合状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0031】
前記したトルクコンバータ301の制御や、各クラッチやブレーキの係合・解除は油圧(流体圧)で作動するアクチュエータにより行われ、アクチュエータを駆動するための油圧回路を備えた油圧制御装置が設けられている。
<エンジンの自動停止始動装置>
エンジン1の自動停止装置は、前記ROMに記憶された制御プログラムに従ってコントローラ7上に実現される。この装置は、図4に示したように、エンジン1の自動停止の実行条件を判定する自動停止判定手段201と、自動停止判定手段201により自動停止条件が揃ったと判定されたときエンジンへの燃料供給をカットする燃料カット指令手段202と、エンジン1の再始動の実行条件を判定する自動復帰判定手段203と、自動復帰判定手段203によりエンジン1を再始動すべきであると判定したとき、M/G3を駆動するとともに燃料供給を再開してエンジンを再始動する復帰指令手段204とを備えている。
【0032】
そして、自動停止判定手段201や自動復帰判定手段203での判定のため、車速センサからの信号、シフトレバーのポジションを示す信号、アクセルセンサからの信号、ブレーキペダル信号等が入力されている。
【0033】
自動停止判定手段201は、例えば、車速がゼロ、ブレーキペダルが踏まれていて、アクセルペダルが踏まれていなくて、エンジン水温やA/Tの作動油温が所定範囲内で、バッテリのSOC(State of Charage)が所定範囲内で、かつシフトレバーのポジションがDまたはNもしくはPにあることなどを条件にエンジンを停止すべきと判定する。DまたはNポジションのとき、自動停止始動制御を行うことをDエコランといい、Nポジションのときのみ自動停止始動制御を行い、他のポジションでは自動停止始動制御を行なわない制御をNエコランという。DエコランとするかNエコランとするかを選択して制御するようにすることもできる。
【0034】
一方、自動復帰判定手段203は、例えば、アクセルペダルが踏まれるか、ブレーキがoffとなったときにエンジンを再始動すべきであると判定する。
【0035】
なお、自動停止始動装置は、自動停止判定手段201により自動停止条件が揃ったと判定されたとき、運転席に設けた制御実施インジケータ、例えばランプを点灯し、運転者にエンジンの自動停止中であることを示す自動停止表示手段205を備えている。
【0036】
また、自動停止始動装置に伴って、後に別項で説明する急速増圧手段による急速増圧が可能か否かを判定する判定手段210と、判定手段210により急速増圧が不可と判断された場合、前記自動停止始動装置の制御を中止する中止手段207を設けている。すなわち、判定手段210は、急速増圧手段である復帰用油圧供給手段や昇圧手段を作動してもよいと判断したときは自動停止始動装置によるエンジンの自動停止制御を許可する。一方、中止手段207は、前記判定手段210が急速増圧手段である復帰用油圧供給手段や昇圧手段の作動をすべきでないと判断したときは自動停止始動装置によるエンジンの自動停止制御を中止する。
【0037】
急速増圧手段である復帰用油圧供給手段や昇圧手段を作動させるべきではない場合とは、これら手段を構成する機械要素、例えば、図5におけるソレノイド408や切換弁405等に作動不良が検出された場合、あるいは、2nd発進を行うスノーモードを選択したときなど、本来急速増圧制御ができないときである。このことから、判定手段210は、異常検出手段という側面をもつ。なお、スノーモードに変更するとき、Nポジションで行う場合がある。Nポジションでスノーモードに変更する場合は、自動停止状態を即座に中止する。
【0038】
また、判定手段210により、復帰用油圧供給手段が作動不能と判断されたとき、自動停止始動装置によるエンジンの自動停止制御を中止することを知らせる表示手段として、制御未実施インジケータ211を備える。制御実施インジケータ205を備える。これら表示手段は、運転席のインストルメントパネルに設けた表示用ランプ等である。
【0039】
〔ヒルホールド制御手段〕
車両が停止していてもエンジンが動いていれば、シフトレバーがDポジションにある限り、前進クラッチC1が係合して車両を前進させようとするクリープ力が働く。従って、傾斜の緩い登坂路などでは、このクリープ力で車両が後退するのを防止できる。
【0040】
しかし、本発明では、車両が停止するとエンジンを停止してしまうので、クリープ力は働かない。従って、停止した位置が登坂路であった場合、ブレーキを強く踏み続けていなければ車両が後退してしまうこととなる。
【0041】
そこで、図4に示したように、自動停止判定手段201により自動停止判定手段201により自動停止条件が揃ったと判定されたとき、ブレーキ装置のマスタシリンダ液圧を保持してブレーキ力を保持するヒルホールド制御手段206を備えている。このヒルホールド制御手段206もまた、プログラムによりコントローラ7上に実現される。なお、ヒルホールド制御はアンチロックブレーキ装置(ABS)用のアクチュエータの駆動により行うことが好ましい。また、車輪につながる回転軸を機械的にロックするものであってもよい。
【0042】
ここで、ヒルホールド制御手段206は、エンジンの自動停止後に判定手段210の判定に従い、前記中止手段207が、自動停止始動装置によるエンジンの自動停止制御を中止してエンジンの再始動をした場合に、前記ヒルホールド制御手段206による制動力の保持を所定時間継続するヒルホールド継続手段213を備える。
【0043】
また、ヒルホールド制御手段206は、エンジンの再始動後、アクセルがオンされたとき、前記ヒルホールド制御手段206によるブレーキ力保持を解除する。
【0044】
〔トルク制御手段〕
本実施形態では、エンジンのエンジンの自動停止制御を中止してエンジンを再始動させた後、アクセルがオンされたとき、エンジントルクを下げるトルク制御手段230を備える。
【0045】
前進クラッチC1の油圧を急速増圧できない場合、エンジンが自動始動すると同時に、アクセルが踏まれるとエンジン回転数は急速に立ち上がるが、前進クラッチC1の係合が遅れるため、係合ショックの生じる可能性は極めて高い。そこで、アクセルが踏み込まれたときは、トルク制御手段230でトルクダウンする。
【0046】
トルクダウンは、例えば、燃料点火時期を遅角すること、スロットルバルブを閉じる方向に制御すること、燃料噴射量を減らすことなどで行う。
【0047】
〔急速増圧手段〕
本発明に係る急速増圧手段を図5の油圧回路に従って説明する。
【0048】
図5は自動変速機の油圧制御装置において前進クラッチC1を係合させる構成の要部を示す油圧回路図である。
【0049】
プライマリレギュレータバルブ401は、ライン圧コントロールソレノイド402によって制御され、オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ403に導かれる。マニュアルバルブ403は、シフトレバーと機械的に接続され、ここでは、前進ポジション、例えば、Dポジション、あるいは2ポジションが選択されたときにライン圧PLを前進クラッチC1側に連通させる。
【0050】
マニュアルバルブ403と前進クラッチC1との間には大オリフィス409と切換弁405が介在されている。切換弁405はソレノイド408によって制御され、大オリフィス409を通過してきたオイルを選択的に前進クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0051】
また、切換弁405を通る油路(流体圧経路)410と並列にしてチェックボール413と小オリフィス411が組み込まれており、切換弁408がソレノイド408によって遮断されたときには大オリフィス409を通過してきたオイルは更に小オリフィス(絞り通路)411を介して前進クラッチC1に到達するようになっている。なお、チェックボール413は前進クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円滑に行われるように機能する。
【0052】
切換弁408と前進クラッチC1との間の油路466には、オリフィス468を介して(従来と同様の小型の)アキュムレータ407が配置されている。このアキュムレータ407はピストン472及びスプリング474を備え、前進クラッチC1にオイルが供給されるときに、スプリング474によって決定される所定の油圧にしばらく維持されるように機能し、前進クラッチC1の係合終了付近で発生するショックを低減する。
【0053】
以上の構成において、ソレノイド408が切換弁405を開に制御しているとき、マニュアルバルブ403を通過したライン圧PLは、大オリフィス409を通過した後、そのまま前進クラッチC1に供給される一方、ソレノイド408が切換弁405を閉に制御しているときは、マニュアルバルブ403を通過したライン圧PLは、大オリフィス409を通過した後、小オリフィス411を介して前進クラッチC1に供給される。この結果、大オリフィス409から切換弁405を通って直接前進クラッチC1へと連なる油路410は、小オリフィス(絞り通路)411に対してバイパス通路という形となり、従って、ソレノイド408が切換弁405を開に制御しているときの方が、ソレノイド408が切換弁405を閉に制御しているときより、前進クラッチC1の到達速度が速い。従って、この実施形態でいう急速増圧手段は、ソレノイド408による切換弁405の切換により、小オリフィス411からの油圧供給ではなく、大オリフィス409を経由した油圧をそのまま直接前進クラッチC1へと供給する復帰用油圧供給手段である。
【0054】
図5の油圧回路において、通常の運転時には、ソレノイド408が切換弁405を閉に制御し、ライン圧PLを、大オリフィス409及び小オリフィス411を介して前進クラッチC1に供給している。
【0055】
エコランモード信号がオンとなった状態で車両が停止し、且つ所定のエンジン停止条件が成立すると、コントローラ7はエンジン1に燃料の供給をカットする信号を出力し、エンジンを停止させる。エコランモード信号は、車室内に設けられたエコランスイッチを運転者が押すことによってコントローラ7に入力される。エコランモードでのエンジンの停止条件としては、「車速が0」、「アクセルがオフ」、且つ「シフトレバーのポジションがDポジションである」ことが一例としてあげられる。なお、Dポジションにおいて自動停止をさせないようにする場合には、エンジンの停止条件として、「シフトレバーのポジションがDポジションである」という条件に代え、例えば「シフトレバーのポジションがNポジションまたはPポジション(非駆動ポジション)である」という条件を設定しておけばよい。
【0056】
次に、エンジン1が自動停止された状態から再始動の条件が揃うと、図5において、コントローラ7から急速増圧制御の指令を受けたソレノイド408が、切換弁405を開に制御する。このため、マニュアルバルブ403を通過したライン圧PLは、大オリフィス409を通過した後、そのまま前進クラッチC1に供給される。よって、前進クラッチC1に供給される油圧は、小オリフィスを通過して供給される場合より、その速度が速く、このため、前進クラッチの係合ショックを小さくすることができる。
【0057】
なお、この急速増圧制御が実行されている段階では、スプリング74のばね定数の設定によりアキュムレータ70は機能しない。やがて、コントローラ7より急速増圧制御の終了指令を受けてソレノイド408が切換弁405を遮断制御すると、大オリフィス409を通過したライン圧PLは小オリフィス411を介して比較的ゆっくりと前進クラッチC1に供給される(従来と略同等のルート)。また、この段階では、前進クラッチC1に供給される油圧はかなり高まっているため、アキュムレータ407につながっている油路466の油圧がスプリング474に抗してピストン472を図の上方に移動させる。その結果、このピストン472が移動している間、前進クラッチC1に供給される油圧の上昇速度が一時的に緩やかになり、前進クラッチC1は非常に円滑に係合を完了できる。
【0058】
次に、他の急速増圧手段を説明する。
【0059】
これは、図5において、ライン圧コントロールソレノイド402でプライマリーレギュレータバルブ401の調圧値を上げ、ライン圧を昇圧制御する昇圧手段を設けた構成である。この場合、図5における切換弁405やそれを制御するソレノイド408、小オリフィス411を通過する油圧経路を設けることなく、エンジンの再始動時にも、大オリフィス409から油圧を直接前進クラッチC1に供給する。そして、エンジンの再始動時に昇圧手段によりライン圧を昇圧すると、通常の油圧供給時の圧力の場合に比較して、同じ圧力損失の油圧経路であれば、昇圧した圧力分だけ速く油圧が供給される。
【0060】
さらに他の急速増圧手段として、通常の油圧経路の設けたオリフィスの絞り度をエンジンの再始動時に一時的に開く可変絞りオリフィスを設けてもよい。
<制御例>
以下、制御例を図6のフローチャート及び図7及び図8のタイミングチャートを用いて説明する。
【0061】
エンジンを始動し、シフトレバーにより走行ポジションをDポジションにした状態で、プライマリレギュレータバルブ401で調圧されたライン圧はマニュアルバルブ403を介して最終的には前進用摩擦係合材である前進クラッチC1へと供給される。この前進クラッチC1が係合しているときは、図3の作動表から明らかなように、車両は前進状態にある。
【0062】
例えば、この状態で交差点で信号が赤になったため、ブレーキを踏み、車両が停止した場合、自動停止判定手段201がエンジンの自動停止の実行条件を判定する。交差点での停止では、車速がゼロ、ブレーキペダルが踏まれていて、アクセルペダルが踏まれていなくて、エンジン水温やA/Tの作動油温が所定範囲にあり、かつシフトレバーのポジションがDまたはNにあることなどの条件は満たされており、バッテリのSOCも所定範囲にあり、この結果、エンジンは停止すべきであると判定される。
【0063】
エコランモード時に、自動停止判定手段201により自動停止条件が揃ったと判定されたとき燃料カット指令手段202によりエンジンへの燃料供給がカットされる。すると、エンジンが停止してその回転数NEが徐々に落ちる。この状態ではコントローラ7は電磁クラッチ26に切断の制御信号を出しており、プーリ22とエンジン1とは動力非伝達状態である。エンジン停止とともにオイルポンプ19の駆動も停止するので、かつ、前進クラッチC1とC1クラッチ用アキュムレータ407に蓄積されていた油圧が逆止弁413を通ってドレーンされる(図7の(a))。C1油圧がエンジン停止後もしばらく一定であるのは、アキュムレータ407からの油圧が印加されているからである。
【0064】
この間、エンジン停止中であるか否かが判定され(ステップ30)、エンジン停止中であれば、判定手段210により変速機に異常がないか(作動可能か)否か等が判定され、すなわち、初期油圧が可能か否かの判定がされる(ステップ31)。ここで作動可能と判定された場合、ステップ40へと進み、自動復帰判定手段203がエンジンを再始動すべきであるか否かを判定する。再始動する条件が揃っていなければ、自動停止制御状態を継続する(ステップ50)。自動停止状態のときは、オイルポンプ19の停止によりクリープ力も失われるため、ヒルホールド制御装置206が作動して、C1油圧がドレーンされる前にブレーキ油圧を保持し、ブレーキ力を確保しておく(ステップ60)(図7(b))。さらに、制御実施インジケータ205が点灯し(ステップ70)、運転者にエンジン停止中であることを示す。
【0065】
次に、信号が青になり、アクセルペダルを踏むと、自動復帰判定手段203がエンジンを再始動すべきであると判定するので(ステップ40)、復帰指令手段204によりモータジェネレータM/G3を駆動するとともに燃料供給を再開してエンジンを再始動する(ステップ80)。すると、エンジン回転数はアイドル回転(+α)(図8のNETGT)に制御される。また、ヒルホールド制御手段206によるブレーキ力の保持が解除される(ステップ90:図8(a))。
【0066】
エンジンが再始動するとオイルポンプ19も再駆動されるが、この間、前進クラッチC1のパッククリアランスが所定のクリアランス以下になるまでの間、復帰用油圧供給指令手段208により切換弁405が駆動され、大オリフィス409から直接前進クラッチC1へと油圧を急速増圧により供給する(ステップ100)。
【0067】
なお、昇圧手段により急速増圧をするときは、ライン圧コントロールソレノイド402でプライマリーレギュレータバルブ401の調圧値を上げ、ライン圧を昇圧制御する。
【0068】
この結果、マニュアルバルブ403から大オリフィス409を経由して直接前進クラッチC1へと加わる油圧は図8(b)のように、大オリフィス409と小オリフィス411を経由して前進クラッチC1へと加わる場合(図8(c))に比較して、急速に立ち上がる。その後、制御未実施インジケータ211を点灯し(ステップ120)、ステップ20に戻る。
【0069】
ステップ31で、ソレノイド408や切換弁405等に作動不良が検出された場合等において急速増圧による初期油圧の供給が不可であると判定した場合、自動停止制御を中止する(ステップ32)。その後、ヒルホールド制御が所定時間継続され(ステップ61)、次いで制御未実施インジケータ211を点灯し(ステップ120)、ステップ20に戻る。
【0070】
ステップ30でエンジン自動停止制御中でないと判定されたとき、ステップ33へと進み、判定手段210により変速機に異常がないか(作動可能か)否か等が判定され、すなわち、急速増圧による初期油圧の供給をしても良いか否かが判定される。ここで作動可能と判定された場合でも、この場面ではエンジン停止制御中ではないからそのままステップ120に進み、制御未実施インジケータ211を点灯する。
【0071】
ステップ33で作動可能でないと判定した場合、自動停止制御を禁止し(ステップ34)、制御未実施インジケータ211を点灯する(ステップ120)。
【0072】
なお、復帰用油圧の供給時間(TFAST)、あるいは、ライン圧の昇圧時間は、変速機の作動油温(AT油温)に影響されるので、この時間は表1のようなマップに従い選択するようにするとよい。このようにすると、AT油温の差による作動油の粘性のばらつきによる制御に与える影響を回避でき、適切な制御を行うことができる。
【0073】
【表1】
以上の制御において、エンジン停止指令の後、C1油圧が油圧供給回路から十分ドレーンする前にエンジン再始動が生じて、初期油圧の印加が行われるとC1油圧が急に立ち上がり、係合ショックが生じるので、タイマにより所定時間(図7のToff)経過した後でないと、復帰用油圧経路414からの初期油圧の供給を行わないよう制御する。この所定時間Toffを決定するため、エンジンの回転数NEを検出し、エンジン回転数が所定の回転数(図7のNE1)まで落ちたことを復帰用油圧供給の開始条件とする。また、エンジン回転数ではなく、これと連動するオイルポンプの回転数を検出し、オイルポンプの回転数が所定の回転数まで落ちたことを復帰用油圧供給の開始条件としてもよい。
【0074】
なお、後進用摩擦係合材であるC2クラッチについても、この図5の回路を適用できる。
<他の変速機の例>
図9、図10は、前記自動変速機の他の例を示した図である。
【0075】
図9は自動変速機の歯車列の一例を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進2段の変速段を設定するように構成されている。すなわちここに示す自動変速機は、トルクコンバータ301に連結した副変速部21と、及び、この副変速部21に続く主変速部22とを備えている。そして、前記トルクコンバータ301に連結した変速機の入力軸28は、副変速部21を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構29のキャリヤ30に連結されている。
【0076】
この遊星歯車機構29は、内周面に内歯を有するリングギヤ32と、このリングギヤ32の中心に配置されたサンギヤ31と、このサンギヤ31と前記リングギヤ32との間に配置され、キャリヤ30によって保持されたピニオンギヤとを有し、ピニオンギヤがサンギヤ31とリングギヤ32とに噛合しつつサンギヤ31の周囲を相対回転する構成である。
【0077】
そして、キャリヤ30とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相対的に正回転(入力軸28の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。
【0078】
またサンギヤ31の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部21の出力要素であるリングギヤ32が、主変速部22の入力要素である中間軸33に接続されている。
【0079】
従って、副変速部21では、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ31の回転を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0080】
他方、主変速部22は、前記遊星歯車機構29と同一構造の三組の遊星歯車機構40,50,60を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャリヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸65が連結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結されている。
【0081】
この主変速部22の歯車列では後進2段と前進5段の変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。
【0082】
先ず、クラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に第1クラッチC1(前進クラッチ)が設けられている。また、互いに連結された第1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0083】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41,51の回転を止めるように配置されている。また、これらのサンギヤ41,51(すなわち共通サンギヤ軸)とケーシング66との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,51が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。
【0084】
第1遊星歯車機構40のキャリヤ42とケーシング66との間には、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構60のリングギヤ63の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング66との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ63が逆回転しようとする際に係合するようになっている。なお、図9において、S1はタービン回転数センサであり、S2は出力回転数センサである。
【0085】
上記の自動変速機Aでは、各クラッチやブレーキを図10の作動表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進2段の変速段を設定することができる。なお、図10において○印は係合状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係合するが動力伝達には関係のない状態、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0086】
この変速機においても前進クラッチであるC1クラッチに供給する油圧を、エンジン再始動時において、前記急速増圧手段により急速増圧する。
【0087】
また、以上の例では、いずれも自動変速機について説明したが、本件発明は、自動クラッチ式のマニュアル・トランスミッションについても適用可能である。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン再始動を行う際に変速機の所定クラッチへ供給される流体圧の急速増圧が行える手段を備えているので、所定クラッチの係合遅れにともなう係合ショックを避けることができる。
【0089】
また、その際何らかの異常により所定クラッチへ供給される流体圧の急速増圧ができなくなる場合、所定クラッチの係合ショックを避けられなくなる可能性が高くなるので、本発明の手段によってエンジン自動停止制御を中止するためこのような問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムの全体を示す概略図
【図2】変速機の歯車列を示す概略図
【図3】変速機の作動状態を示す図
【図4】コントローラのCPUに実現される自動停止復帰装置のブロック図
【図5】本発明に係る復帰用油圧経路を備えた油圧回路を示す図
【図6】復帰用油圧供給制御の一例を示したフローチャート図
【図7】エンジン停止制御の状態を示したタイミングチャート図
【図8】エンジン再始動制御の状態を示したタイミングチャート図
【図9】他の変速機の歯車列を示す概略図
【図10】他の変速機の作動状態を示す図
【符号の説明】
1…エンジン
2…自動変速機(A/T)
3…モータ・ジェネレータ(M/G)
4…インバータ
5…バッテリー
7…コントローラ(ECU)
8…ベルト
9…プーリ
11…パワーステアリング用のポンプ
14…プーリ
16…エアコン用のコンプレッサ
21…副変速部
22…主変速部
23…プーリ
26…電磁クラッチ
28…変速機の入力軸
29…オーバードライブ用遊星歯車機構
30…キャリヤ
31…サンギヤ
32…リングギヤ
33…中間軸
40…遊星歯車機構
41…サンギヤ
43…リングギヤ
50…遊星歯車機構
51…サンギヤ
52…キャリヤ
53…リングギヤ
60…遊星歯車機構
61…サンギヤ
63…リングギヤ
65…出力軸
66…ケーシング
C0…多板クラッチ
C1…クラッチ
C2…クラッチ
C3…クラッチ
B0…多板ブレーキ
B1…バンドブレーキ
B2…バンドブレーキ
B3…バンドブレーキ
B4…バンドブレーキ
F0…一方向クラッチ
F1…一方向クラッチ
F2…一方向クラッチ
201…自動停止判定手段
202…燃料カット指令手段
203…自動復帰判定手段
204…復帰指令手段
205…自動停止表示手段(制御実施インジケータ)
206…ヒルホールド制御手段
207…自動停止制御中止手段
208…復帰用油圧供給指令手段
210…判定手段
211…制御未実施インジケータ
301…トルクコンバータ
302…ポンプインペラ
303…タービンランナ
304…ステータ
305…ロックアップクラッチ
401…プライマリレギュレータバルブ
402…ライン圧コントロールソレノイド
403…マニュアルバルブ
405…切換弁
406…C1クラッチ
407…アキュムレータ
408…駆動用ソレノイド
409…大オリフィス
410…迂回経路
411…小オリフィス(絞り通路)
413…チェックボール
472…ピストン
474…スプリング
466…油路
468…オリフィス
Claims (7)
- 所定条件でエンジンを自動停止・再始動するエンジン自動停止始動装置を備え、エンジンの再始動時に変速機の所定クラッチを流体圧で係合させる変速機の制御装置において、
エンジンの再始動時に変速機の所定クラッチへの供給流体圧を急速に増圧する急速増圧手段と、
前記急速増圧手段による急速増圧が可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により急速増圧が不可と判断された場合、前記自動停止始動装置の制御を中止する中止手段と、
を備えたことを特徴とする変速機の制御装置。 - 前記急速増圧手段は、所定クラッチへの流体圧経路中に設けた絞りを一時的に開く手段であることを特徴とする請求項1記載の変速機の制御装置。
- 前記所定クラッチへの流体圧経路には、絞り通路が設けられ、前記急速増圧手段として、絞り通路を迂回するバイパス通路と、エンジン再始動時に所定クラッチへの流体圧経路を、絞り通路からバイパス通路に切り換える切換手段とを含む請求項1記載の変速機の制御装置。
- 前記流体圧経路は、オイルポンプからの制御流体圧を所定圧に調整する調圧手段を介して前記前進クラッチへと制御流体圧を供給する流体圧経路であるとともに、前記急速増圧手段として、エンジンの再始動時に前記調圧手段による調圧値を増加させる昇圧手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の変速機の制御装置。
- 前記判定手段は、前記自動停止始動装置によるエンジンの自動停止前、自動停止後のいずれにかかわらず、前記急速増圧手段による急速増圧が可能か否かを判定するものであり、
前記中止手段は、前記判定手段によりエンジンの自動停止前に急速増圧不可と判定された場合、エンジンの自動停止制御を行わず、前記判定手段によりエンジンの自動停止中に急速増圧不可と判定された場合、エンジンの自動停止制御を中止してエンジンの再始動をすることを特徴とする請求項1記載の変速機の制御装置。 - 車輪の回転を止めるヒルホールド制御手段を備え、このヒルホールド制御手段は、エンジン停止中にヒルホールドを実施し、前記判定手段により急速増圧不可と判定されて前記中止手段がエンジンを始動した場合は、ヒルホールドを維持しアクセルがオンされたときヒルホールドを解除することを特徴とする請求項1記載の変速機の制御装置。
- エンジン停止中に、急速増圧不可と判定されエンジンを再始動した場合であって、アクセルがオンされたときエンジントルクを下げるトルク制御手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の変速機の制御装置。
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